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vi. 廃墟など

 廃墟の写真集やガイドはたくさん出ていますが、まずは;

谷川渥、『廃墟の美学』(集英社新書 0186 F)、集英社、2003
はじめに/没落のヴィジョン/モンス・デジデリオあるいは建築の狂気/ピクチャレスクの円環/ピラネージの世紀/廃墟趣味と断片の美学-サー・ジョン・ソーンズ・ミュージアム/廃墟のトポス/補論としての私的文献案内など、
216ページ。

 同じ著者による→こちらを参照(『幻想の地誌学』 1996/「通史、事典など」の頁の「iii. 地学・地誌・地図、地球空洞説など


谷川渥監修、『廃墟大全』、トレヴィル、1997
はじめに(谷川渥)/ケープ・コッドの渚で 生物と人工物の巨大廃墟を擦り抜けるネットランナーたち - ソロー以後のレッカー文学史(巽孝之)/喪失の荒野 『新世紀エヴァンゲリオン』 - そしてアイ(ぼく)だけが残った(永瀬唯→こちらも参照:「グノーシス諸派なっど Ⅲ」の頁の「おまけ」)/瞼の裏の宮殿 - ポール・パークの記憶の聖墓(小谷真理)/建築の「廃墟」、人体の「廃墟」 - A.タルコフスキー『ノスタルジア』からD.フィンチャー『セブン』へ(滝本誠)/死せる視線 - 写真の廃墟解剖学(飯沢耕太郎)/廃墟を前にした少年 - 七生報国の大楠公碑と、紅衛兵の拠点「円明園」(四方田犬彦)/廃墟のメタモルフォーズ - パリ、サン・ジノサン墓地(小池寿子)/18世紀ローマの廃墟をめぐる覚書 - ピラネージの時代(岡田哲史)/サー・ジョン・ソーンズ・ミュージアム - 廃墟趣味と断片の美学(谷川渥)/「ザ・ピクチャレスク」としての廃墟 - 18世紀英国の美意識と人工廃墟(森利夫)/「廃墟」とロマン主義 断片が生い育つ - ティーク、ノヴァ-リスに見るロマン派の廃墟のモティーフ(今泉文子)/フリードリヒ、ブレッヒェンにみる廃墟のテーマ - その美的仮装(イロニー)擬装(フェイク)の計略(岡林洋)/真新しい廃墟 - ノイエ・ザハリヒカイトの廃墟画(種村季弘)/ピラネージなき中国 - 紙上の楼閣から廃屋まで -(中野美代子)/リアルな廃墟 - ウィーン、神戸(飯島洋一)/東京 - 〈1〉と〈2〉(椹木野衣)/廃墟 - 鉱物と意識が触れ合う場所(日野啓三)/廃墟総論 あとがきにかえて(谷川渥)など、
292ページ。


『死都 NECROPOLIS』、トレヴィル、1995
96ページ。

 解説として谷川渥「廃墟画の系譜」を収録


 さかのぼって

谷川渥、『形象と時間 クロノポリスの美学』、白水社、1986
序論 表象としての時間//
第1部;負の時間/骨董/崩壊像/廃墟/崩壊の詩学 - ポオ試論/砂の城 - 〈遊び〉論の余白に//
第2部;記号の時間/像の差異 - 影像・写真・絵画/馬のエクリチュール/瞬間の変容/物語的時間の危機/
結び 
時間都市(クロノポリス)など、
260ページ。


花田清輝、「廃墟の美」(1948)、『二つの世界』(1949)、『花田清輝全集 第三巻』、講談社、1977、pp.404-407

 同じ著者による→こちらも参照:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「おまけ


バンジャマン・ペレ、星埜守之訳、「廃墟-廃墟の廃墟」、『アールヴィヴァン』、no.22、1986.11.5:「特集 ミノトール」、pp.102-105
原著は Benjamin Péret, "Ruines : Ruine des ruines", Minotaure, no.12/13, 1939

岡林洋、『廃墟のエコロジー ポスト・モダンからの見なおし』、勁草書房、1988
序 ロマン主義・世紀末・現代;滅びの美学と危機の時代からの脱出・民族芸術への注目/本書の構成//
滅びの美学 - 古典性の崩壊 古代の理想の滅び、人工的な廃墟の庭園の発生;ピクチャレスクとルイーネ/誤れるピクチャレスク神話 - クロード・グラスをめぐって/廃墟のロマン - シュヴェチンゲンの自然風景庭園をめぐって/水と廃墟 - ピクチャレスクな水道橋/メルクール神殿と夢幻劇/グロット(洞窟)、その中世的世界/祖型の破壊と時の勝利//
様式の死・異化の風景 - フリードリヒの『エルデナの廃墟』のテーマ;二つの廃墟 - シュヴァンシュタインとエルデナ/様式の死 - マニエラの死/エルデナの廃墟とフリードリヒの絵画的世界/未完のプロジェクト? 「新しい神話」という神話/異化の風景画家・フリードリヒ/注釈と引用口調の風景画/滅びの美学からの軌道修正//
仮装の美学 - 晩期ロマン主義の建築;ロマンティック-ポスト・モダン-エスニック・アート/廃墟の舞台・劇中劇の様相で プロローグ、第一話 ノイシュヴァンシュタイン城、第二話 ホーエンシュヴァンガウ城、第三話 ミュンヘン国王広場・観念のなかでの廃墟、第四話 『ギリシアの夢』・廃墟のスケッチより/ポスト・モダニスト、クレンツェ? - 引用的建築言語によって作られたグリュプトテーク//
エスニック・アートと現代 - 生命と文化の交差;エスニック・アートと現代/文化から生命の次元へ - A.リーグルの民族芸術/生命から文化の次元へ - 構造人類学と現代美術の交差/構造人類学と新しいタイプの芸術家 - 遺跡彫刻の出現//
廃墟のポスト・モダン;ポスト・モダンとのはじめての出会い/あるモダニズムの死/憧れとしての廃墟/廃墟のロマン/三度目の廃墟//
むすびなど、
208ページ。


ロバート・ハービソン、浜田邦裕訳、『建築と非建築のはざまで』、1995、pp.111-146:「第4章 廃墟」

中野美代子、「円明園西洋楼 - 廃墟の時間 -」および「中国廃墟考 - 紙上の楼閣から廃屋まで -」、『チャイナ・ヴィジュアル 中国エキゾティシズムの風景』、1999、pp.67-81/179-194

文:板橋雅弘、写真:岩切等、『廃墟霊の記憶』(角川ホラー文庫 H86-1)、角川書店、2002
 『失楽園物語』、1992 の改訂文庫化
 第1話~第15話+特別話など、
 192ページ。


クリストファ-・ウッドワード、森夏樹訳、『廃墟論』、青土社、2003
原著は Christopher Woodward, In Ruins, 2001
だれがデイジー・ミラーを殺したのか/つむじ曲がりの楽しみ/忘れられない廃屋/傘も差さずにエフェソスで/模範とすべきはかなさ/時の難破船/大まじめに作られた模造廃墟/廃墟となった自画像/オジマンディアス・コンプレックス/宙に浮遊する埃/小説家、漁師、そして公爵など、
398ページ。


『特集 廃墟憂愁』(トーキングヘッズ叢書(TH series) No.25)、アトリエサード、2005、pp.19-133
約束の薔薇園(槻城ゆう子)/ベクシンスキー×野波浩 写真と絵画の狭間の廃墟嗜好/反転逆流の場としての〝廃墟〟 - 劇団第七病棟・石橋蓮司に聞く -(志賀信夫)/自然とテクノロジーの融合 それが廃墟の醍醐味である(映画作家・中嶋莞爾インタビュー)/廃墟のスケール感 - 永遠への出発点 -(沙月樹京)/過去と未来の十字路 - J.G.バラード「待ち受ける場所」と光瀬龍「たそがれに還る」(虚青裕)/廃墟を夢想する BOOK&MOVIEレビュー/子供のころの街の記憶と〝ガラージュ〟(作場知生インタビュー)/廃墟で夕食を - 辺見庸によるとこの世界は……(本橋牛乳)など

『季刊 d/SIGN デザイン』、no.16、2008.8、pp.12-159:「特集 廃墟と建築」、特集監修:中谷礼仁
廃墟と焼け跡 西洋と日本の建築空間(磯崎新インタビュー)/外傷的都市 - 廃墟の新たなかたち(中谷礼仁)/郵便配達夫シュヴァルの理想宮 - シチュアシオニストが愛した建築(南後由和)/揺れる郊外 団地と私鉄へのまなざし(原武史×塚本由晴)/滝山団地訪問記(平嶋彰彦)/強いられた「変身」とゴミ屋敷の論理(松山巖)/物質写真序説。あるいはローマン・ヴィシュニアックの「或る消滅せる世界」(鈴木了二)/無法地帯に座標をひく平和のデザイン(伊勢﨑賢治インタビュー)/連載インタビュー:石川初の景観を見る眼/終末のサバイバル 映画が見る廃墟の夢(雑賀恵子)/廃墟・五話讃(坂崎重盛)/建築と編集 先行する形態にどう向かいあうか(中谷礼仁インタビュー)/ヴィジュアルな廃墟/廃墟からの視線など

『終わりのむこうへ:廃墟の美術史』展図録、渋谷区立松濤美術館、2018-19
廃墟の美学 - 表象の歴史を眼差す(谷川渥)//
カタログ;絵になる廃墟:西洋美術における古典的な廃墟モティーフ/奇想の遺跡、廃墟/グランド・ツアーとピクチャレスク~18世紀イギリスにおける廃墟趣味の流行について~/廃墟に出会った日本の画家たち:近世と近代の日本の美術と廃墟主題/廃墟をめぐる言葉/シュルレアリスムのなかの廃墟/幻想のなかの廃墟:昭和期の日本における廃墟的世界/遠い未来を夢見て:いつかの日を描き出す現代画家たち//
日本に廃墟画はあったのか - 江戸から現代まで -(平泉千枝)//
作家・作品解説/主要参考文献/作品リストなど、
144ページ。


唐戸信嘉、『ゴシックの解剖 暗黒の美学』、2020、pp.149-183:「第5章 廃墟」

小澤京子、「1980年代の日本のサブカルチャーに現れた『廃墟』や『遺棄された場所』のイメージ」、『和洋女子大学紀要』、第61集、2020.3.31、pp.35-48 [ < 和洋女子大学學術リポジトリ
JaLC DOI ; info:doi/10.18909/00001938

 同じ著者による→こちら:『都市の解剖学』、2011/本頁下掲の「vii. 建築画、街景図、紙上建築など

 写真集をとりあえず1冊;

宮本隆司、『建築の黙示録』、平凡社、1988
122ページ。

 磯崎新「廃墟論」を掲載


 同じ写真家による→こちらを参照:「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「九龍城」の項
………………………

モーセン・ムスタファヴィ、デイヴィッド・レザボロー、黒石いずみ訳、『時間のなかの建築』、鹿島出版会、1999
原著は Mohsen Mostafavi & David Leatherbarrow, On Weathering. The Life of Building in Time, 1993
序文(槇文彦)/時間のなかの建築など、
142ページ。


佐藤彰、『崩壊について』、中央公論美術出版、2006
(いとぐち)としての2枚の絵/壊れやすい構造、壊れにくい構造/大聖堂の石造天井/イタリアの鐘塔/イギリス、フランスにおける中央塔の聳立(しょうりつ)/王朝時代の日本建築/手抜かり・手抜き/天譴(てんけん)僥倖(ぎょうこう)曲芸(アクロバット)的デザインへの挑戦/雷撃、雷火と避雷/死を忘れるな(メメント・モリ)、または虚栄の戒め/不安、禁忌、予兆など、
246ページ。
 

『都市と現代美術 廃墟としてのわが家』展図録、世田谷美術館、1992
都市と現代美術(塩田純一)//
宮本隆司/田窪恭治/絶対現場1987/川俣正/PHスタジオ/土屋公雄/戸谷成雄/河口龍夫/長澤伸穂/國安孝昌/柳幸典など、
126ページ。

………………………

Michel Makarius, translated by David Radzinowicz, Ruins, Flammarion, 2004
原著は Michel Makarius, Ruines. Représentations dans l'art de la Renaissance à nos jours, 2004
『廃墟 ルネサンスから現在までの美術における表象』
言葉と石//
古代への回帰;プロローグ/ルネサンス絵画における廃墟/マニエリスムの廃墟/廃墟での一季節/時の影の中で//
廃墟と自然;庭園で/ゴシック廃墟の発明//
人と廃墟;十字路で/〈遺産〉の誕生/都市における廃墟//
廃墟と近代;断絶、残骸/1960年代以降/紙の上の廃墟など、
256ページ。


Nicoles Dacos, Roma quanta fuit, ou l'invention du paysage de ruines, (Cabinet d'Érasme V), Musé de la Maison d'Érasme, Bruxelles, Somogy Éditions d'Art, Paris, 2004
初版は Roma quanta fuit. Tre pittori fiamminghi nella Domus Aurea, 1995/2001 に掲載
Roma quanta fuit(ローマはどれほどのものだったか)、あるいは廃墟の風景の発明』
「ヘルマヌス・ポストゥムスが1536年に描いた」/ネロの黄金の家における3人のフランドルの画家/ヤン・ヴァン・スコレルの遍歴時代/マールテン・ヴァン・ヘームスケルクは「眠らずにいる」/逸名Aと逸名B/ヴェネツィアとパドヴァで、ランベール・スュトリ(とヤン・ステファン・ヴァン・カルカル)/ヤン・コルネリス・ヴェルメーエンと:チュニス、1535年7月から8月/ローマ、1536年4月5日/ランツフート、1540-1542/アムステルダム、1549年10月/エピローグ 廃墟の風景の発明など、
248ページ。


 併せて;

Ruth Olitsky Rubinstein, "'Tempus edax rerum': A newly discovered painting by Hermannus Posthumus", The Burlington Magazine, no.988, 1985.7, pp.425-433
'Tempus edax rerum'(『時間は万物をむさぼり食う』):ヘルマヌス・ポストゥムスの新発見絵画」

Nicoles Dacos, "'Hermannus Posthumus. Rome, Mantua, Landshut", op. cit., pp.433-438
「ヘルマヌス・ポストゥムス、ローマ、マントヴァ、ランツフート」

Ulf Jonak, Sturz & Riss. Über den Anlaß zu architektonischer Subversion, Frier. Vieweg & Sohn, Braunscwieg/Wiesbaden, 1989
『顚倒と亀裂 建築的壊乱の動機について』
序論/パラノイア的幻想の建造物/骨組みの露出/壊された世界の足場/ダンディーの気取った家/黙示録の前地としての建造物など、
180ページ。


Camilo José Vergara, American Ruins, The Monacelli Press, New York, 1999
『アメリカの廃墟』
序論 - 今は廃れたもののエネルギー/メンデルゾーン『アメリカ』再訪 - 「新しい現実、新しい世界、新しい信仰」/慎ましい廃墟/類別された壊れ摩耗した物ども/目汚しを扱う/結論 - 波に抗して泳ぐ、など、
224ページ。


Photograhs by Berthold Steinhilber, translated by Russell Stockman, Ghost Towns of the American West, Harry N. Abrams, Inc., Publishers, New York, 2003
原著は Geisterstädte in Amerikas Westen, 2003
『アメリカ西部のゴースト・タウン』
序:町とその幽霊たち(ヴィム・ヴェンダース)/序論:「ここから出よう。どこか余所に運があるさ」(マリオ・カイザー)/後書き:光で描く - ベルトルト・シュタインヒルバーの写真(ハンス=ミヒャエル・ケツレ)など、
112ページ。


Sous la direction de Monica Preti et Salvatore Settis, Villes en ruines. Images, mémoires, métamorphoses, Éditions Hazan, Vanves, 2015
『廃墟と化した都市 イメージ、記憶、変容』
プロローグ;トルソ - 政治的実践としての考古学(ジョルジョ・アガンベン、同じ著者による→こちらを参照:「天使、悪魔など」の頁の「i. 天使など」)//
都市とその廃墟 - 時間、記憶、忘却;都市は廃墟と化す(サルヴァトーレ・セッティス)/メソポタミアの記憶と廃墟 スメールとウルの廃墟についての哀歌をめぐって(ベアトリス・アンドレ=サルヴィーニ)/永続と非永続の間の廃墟(アラン・シュナップ)/「都市は廃墟と化す」:中国語でそう言う - あるいはそう言わない - ためのいくつかの古い言葉(ダニエル・エリッセフ)/石濤(1642-1707)と廃墟に関する中国の伝統的概念(Wu Hung)/モハスタンの「インダス川の忘れられた都市」 インド世界における廃墟と化した都市を求めて(ヴァンサン・ルフェーヴル)//
廃墟の意味 - 過ち、罰、メランコリー;
傲り(ヒュブリス)〉と〈ネメシス〉の間の古代都市の失墜(フィリッポマリア・ポンターニ)/「新しいものを建造する、古いものを保存する」 - 古代ローマにおける破壊(マッシミリアーノ・パピーニ)/旧約聖書における廃墟と化した都市、アミアンのカテドラル(13世紀)のファサードでの勝ち誇る教会の引き立て役(ダニ・サンドロン)/永遠のための廃墟 - ジャン・クーザン(子)の《最後の審判》(イザベル・アケ)/1527年のローマの劫掠 - 言葉とイメージによる正当化のための修辞の練りあげ(サビーネ・フォレロ・メンドーサ)/廃墟の多義性 - マルテン・ファン・ヘームスケルクと Clades Judææ Gentis(1569)(モニカ・プレティ)/18世紀における廃墟と化した都市 - 体験と想像の間の廃墟趣味(ロレンツォ・ラッタンツィ)//
近代の災禍 - 証言と表象;大惨事を写真に撮る - 19世紀における記録と上演(ドミニク・ド・フォン=レオー)/大惨事の記憶と歴史記述 - 1914年9月のランスのカテドラル爆撃(ミケーラ・パッシーニ)/歴史の究極的恐怖 - ドレスデン爆撃の視覚的表象(アンネ・フックス)//
エピローグ;時間の廃墟、人々の廃墟(フランソワ・アルトーグ)など、
320ページ。


 2013年10月20日にルーヴル美術館講堂で開かれた同題の討論会の一部から刊行
 編者の一人サルヴァトーレ・セッティスには次の邦訳があります;

サルヴァトーレ・セッティス、小佐野重利監訳、石井元章・足達薫訳、『絵画の発明 ジョルジョーネ「嵐」解読』(図像と思考の森)、晶文社、2002


 時間がありましたら次のページもご覧ください
→「バレンシア近郊の廃屋など(1995)」 < 「おまけ

vii. 建築画、街景図、紙上建築など

 これまでに
 フランス革命期の幻視的建築家たちとその周辺→こちらを参照:「ロココ、啓蒙思想など(18世紀)」の頁の「余談:革命期の幻視的建築家たちなど」の項
 ロシア・アヴァンギャルドからレオニドフ→そちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅲ」の頁の「xii. ロシアから
 シェーアバルトとガラス建築、タウトなど→あちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「シェーアバルトとタウト」の項、

 また関連して


ウルリヒ・コンラーツ、ハンス・G・シュペルリヒ、『幻想の建築 近代におけるユートピア建築とその計画』、1966

『空想の建築 - ピラネージから野又穫へ - 展』図録、町田市立国際版画美術館、2013
プロローグ;幻想建築小史(竺覚暁)/世界にかたちを与えるもの - 空想の建築をめぐって(佐川美智子)//
空想の古代 Part 1 エジプトへの憧憬/脳内に構築せよ、空想の伽藍を - コイズミ・アヤ/空想の建築、その系譜 - 紙上の建築家たち/空想の古代 Part 2 - ピラネージの見た夢 - 壮麗なローマ/逍遙せよ、空想建築の森を - 野又穫など、
224ページ。

 →こちらでも触れています:「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「おまけ


 などをすでに挙げていますが、さらに;


坂崎乙郎、『幻想の建築』(SD選書 35)、鹿島出版会、1969
塔/回廊/室内/画家のアトリエ/庭園/牢獄/宮殿/地獄/大伽藍/廃墟(1)/廃墟(2)/ユートピア(1)/ユートピア(2)/Irrenhaus/バベルの塔など、
280ページ。


 同じ著者による→こちらも参照:「ギュスターヴ・モローの制作過程を巡って」の頁の「参考文献追補」

ヘレン・ロウズナウ、西川幸治監訳、理想都市研究会訳、『理想都市 その建築的展開』、鹿島出版会、1979
原著は Helen Rosenau, The Ideal City : Its Architectural Evolution, 1974
第Ⅰ部;ギリシャの伝統、ローマの伝統、ユダヤの伝統/中世/初期ルネサンス、高期ルネサンス、マニエリスム期/バロック時代//
第Ⅱ部;フランス啓蒙運動、古典改良主義者ブレーとルドゥー、フランス新古典主義の流布/イギリスの貢献//
第Ⅲ部;新古典主義とロマン主義/空想的社会主義者、現代の傾向など、
206ページ。


アンドレ・シャステル、松浦寿夫訳、「理想都市 1(アート・リーディング 8)」、『美術手帖』、no.479、1981.4、pp.206-217

  同、  「理想都市 2(アート・リーディング 9)」、『美術手帖』、no.481、1981.5、pp.200-209
原著は André Chastel, "Cités idéales", 1957

 機会あってたまたま読み返すまで、涙が出るほどものの見事に忘れ去っていたのですが、この論文の主役は、ルネサンス期イタリアのタルシーア(インタルシア)こと寄木細工ないし木象嵌による街景図でした。なので→こちらにも挙げておきます:ベネデット・マイアーノ《マッツォッキオ、”FEDE”と綴る文字のあるインクスタンド、アストロラーベ、天球儀のある戸棚》(1474-76)の頁の「Cf. の cf.」。

『ボザール建築図集 Les dessins d'architecture de l'École des Beaux-Arts』(求龍堂グラフィックス)、求龍堂、1987
エコール・デ・ボザールの建築図(アニー・ジャック)//
ボザールとローマ大賞;ボザールの思想(三宅理一)/図版・解説//
古代建築の復元;考古学と想像力(三宅理一)/図版・解説など、
170ページ。

 75点掲載


香山壽夫、『建築家のドローイング』、東京大学出版会、1994
建築家は何によって描くか ドローイングについての粗描的な論考/建築家はどのように描いてきたか//
9世紀ベネディクト会修道院の理想的計画図/ヴィラール・ド・オヌクールのスケッチブック/レオナルド・ダ・ヴィンチの円形教会堂/ミケランジェロのラウレンティーナ図書館/バルダッサーレ・ペルッチの成ペトロ大聖堂内部スケッチ/アンドレア・パラディオの古代神殿の復元設計/ガリ・ビビエーナ一族の建築的幻想/ジョバンニ・バティスタ・ピラネージの牢獄の幻想/植民地時代のアメリカのある植物学者の住宅と庭/トーマス・ジェファソンの自邸/クロード-ニコラ・ルドゥーのブザンソン劇場内部透視図/エティエンヌ-ルイ・ブレーのニュートン記念碑/カール・フリードリッヒ・シンケルの石版画によるゴシック聖堂/サー・ジョン・ソーンの作品によるジョセフ・ガンディの幻想の都市/ジョサイア・コンドルの工部大学南門と門衛室/辰野金吾の工部大学校第1回卒業設計/H.H.リチャードソンのエイムズ邸計画案/アントニオ・ガウディのコロニア・グエル教会堂/チャールズ・R・マッキントッシュの旅行スケッチ/フランク・ロイド・ライトのハーディー邸/グンナール・アスプルンドのイタリアの旅行スケッチ/ミース・ファン・デル・ローエのガラスの摩天楼計画案/ルイス・H・サリヴァンの建築装飾/ウラジミール・タトリンの第3インターナショナル記念塔計画案/パリ美術学校における中村順平の課題作品/ヒュー・フェリスの高層都市/ブルーノ・タウトの見た日本の住居/内田祥三の東大本郷キャンバス構想図/白井晟一の原爆堂計画案/アルヴァ・アアルトのイマトラの教会堂/ルイス・I・カーンのリチャーズ医学研究棟/ピエール・ルイージ・ネルヴィのローマの高架道路橋/ル・コルビュジェのフィリミニの教会堂/前川国男の聖マリア大聖堂/エーロ・サーリネンのエール大学スケート場/カルロ・スカルパのマリオン夫妻の墓など、
184ページ。


ロバート・ハービソン、浜田邦裕訳、『建築と非建築のはざまで』、1995、pp.147-180:「第5章 絵画」

 →こちら(ポントルモ《エジプトにおけるヨセフ》(1515-18)の頁の「Cf.」)や、またそちら(アントワーヌ・カロン《アウグストゥス帝とティブルのシビュラ》(1580頃)の頁の「Cf.」で挙げました

高山宏、『カステロフィリア 記憶・建築・ピラネージ』(Serie Meraviglia No.1)、作品社、1996
エピグラフ 秘密の手帖(阿部日奈子)//
序 プレーナーなもの/世界劇場、記憶という名の/「正しい」作画術/ルーイニスタ、廃墟の設計者たち/結び/アルキテクトゥーラ・レクリアティオーニス あとがきにかえて、など、
290ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:「怪奇城の外濠」の頁の「v. ゴシック・ロマンス、その他

中嶋和郎、『ルネサンス理想都市』(講談社選書メチエ 77)、講談社、1996
序/ペーパー・シティー - 夢の設計図/ペインティッド・シティー - 幻想の都市風景/天才たちの理想都市/ビルト・シティーⅠ - 実現された理想都市/ビルト・シティーⅡ - 理想都市の部分的実現/終章など、
246ページ。


『未来都市の考古学』展図録、東京都現代美術館、ひろしま美術館、岐阜県美術館、1996
見えない都市の系譜学(ジェネアロジー) - 序にかえて(鵜沢隆)/モデルとしての都市 - ふたつの古典主義時代を中心に(同)/メトロポリスを生き延びるユートピア 1870-1935(ジャン=ルイ・コーエン)/未来都市の考古学(コッラード・ガヴィネッリ)//
カタログ;ルネサンス期の理想都市/アルベルティの都市と建築//ピラネージと18世紀の理想都市革命//フランス革命期の幻視の建築家/ルドゥーの「ショーの理想都市」//新古典主義者の都市/エコール・デ・ボザールと考古学//産業都市と社会主義ユートピア/ガルニエの工業都市/未来派と機械都市/サンテリアの「新都市」//ロシア革命と構成主義/国家イデオロギーとコンペ/メーリニコフの建築//ル・コルビュジェの都市計画/線状都市計画/ヒルベルザイマーの合理主義都市/タウトの「アルプス建築」//シュペーアのベルリン都市改造計画/ファシズムとEUR(ローマ万博)//アーキグラムの「ウォーキング・シティ」/ロッシの類推的都市/ロシアのペーパー・アーキテクチャー//
コンピュータ・グラフィクスによる都市空間シミュレーション(ゲアハート・シュミット+フロリアン・ヴェンツ/ファビオ・グラマツィオ)/CG制作ドキュメント(大泉和文)など、
246ページ。


 こちらで少し触れました;「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「おまけ」/ダニエレブスキー『紙葉の家』のところ

萩島哲、『バロック期の都市風景画を読む ベロットが描いたドレスデン、ビルナ、ケーニヒシュタインの景観』、九州大学出版会、2006
序論/ベロットが生きた時代/ベロットが描いたドレスデンの景観/ベロットが描いたビルナの景観/ベロットが描いたケーニヒシュタインの景観/バロック期の「絵になる都市景観」/おわりに、など、
134ページ。


 同じ著者による次の次の本の該当箇所ともども、ベッロットの作品の頁でも挙げました→こちら(《北西から見たケーニヒシュタイン要塞》(1756-58)の頁)や、またそちら:《ドレスデンの聖十字架教会の廃墟》(1765)の頁

萩島哲、『カナレットの景観デザイン - 新たなるヴェネツィア発見の旅 -』、技報堂出版、2010
ヴェネツィアを読むにあたって;幻想の都市ヴェネツィア/私はヴェネツィアに何を見出したいのか?/ヴェネツィアを計る/カナレットの人物像/カナレットが描いた絵画//
描かれたヴェネツィア景観;序/描かれた広場景観/描かれた運河景観/運河景観の4類型/複数の視点場、視点移動//
広場と運河の空間構成;序/広場の空間構成と利用/運河空間の水際線/描かれた景観デザインの解読//
まとめ;広場景観の諸特徴/カンポ(広場)の利用と空間装置/運河景観の諸特徴/運河沿いの広場と街路の利用/運河景観と広場景観/複数の視点場から1点の絵画を描く/景観デザイン・ボキャブラリー、解読から共有へ、そして景観デザイン/カナレットの絵画と景観デザインなど、
190ページ。


 カナレットの作品の頁でも挙げました→こちら(《ヴェネツィア、サン・ロッコの祝祭の日》(1735頃)の頁)や、またそちら:《大運河:南西を望む》(1738頃)の頁
 また、同じ著者によるすぐ次に挙げる本の第1部第2章ともども→『赤い影』(1973)の頁の「おまけ」でも挙げました


萩島哲、『複眼の景観 ベルナルド・ベロット 構図を読む』、九州大学出版会、2014
はじめに/ベルナルド・ベロットと背景//
ヴェネツィア時代の絵画と景観(1738~1746);ヴェネツィアを描いた構図/フィレンツェ、ルッカを描いた構図/ロンバルディアを描いた構図/トリノ、ヴェローナを描いた構図//
ドレスデン時代の絵画と景観(1747~1758);ドレスデンを描いた構図/ピルナを描いた構図/ケーニヒシュタインを描いた構図//
ウィーン、ミュンヘン時代の絵画と景観(1759~1761);ウィーンを描いた構図/ミュンヘンを描いた構図//
ドレスデン時代Ⅱ期の絵画と景観(1762~1766)//
ワルシャワ時代の絵画と景観(1767~1780)//
構図の流れ/視点場/景観の構造;構図の変遷と都市の全体像/景観の構造と視点場空間//
透視画法/点景/修復;透視画法の適用/点景の解読/街並みの修復など、
216ページ。


アラン・エルランド=ブランダンブルグ、山田英明訳、池上俊一監修、『大聖堂ものがたり - 聖なる建築をつくった人々』(知の再発見双書 136)、創元社、2008
原著は Alain Erlande-Brandenburg, Quand les cathédrales étaient peintes, 1993
日本語監修者序文(池上俊一)//
新たな世界/建築家/表現手段/建設現場//
資料編 - 大聖堂の建設者たち -;建築家/建築現場/建築資材/建築技術/器械/野の石/パリのノートルダム大聖堂の南西塔の修復(1992~1993年)など、
188ページ。

 原題を直訳すると『カテドラルが描かれた時』となり、建築現場を描いた写本挿絵の類が多数掲載されています(トリミングされたり、切り抜きだったりはするのですが)。
 →こちらで触れました:「怪奇城の高い所(後篇) - 塔など」の頁


ヴォルフガング・ロッツ、飛ヶ谷潤一郎訳、「第2章 イタリア・ルネサンスの建築素描における空間像(ラウムビルト)」、『イタリア・ルネサンス建築研究』、中央公論美術出版、2008、pp.163-224
原著は Wolfgang Lotz, "Das Raumbild in der Architekturzeichnung der italienischen Renaissance", 1953/1956
序/アルベルティの『建築論』における画家の素描と建築家の設計図のちがい/15世紀の画家による透視図法/フィラレーテの『建築論』における内部空間の表現/レオナルド・ダ・ヴィンチとフランチェスコ・ディ・ジョルジョの鳥瞰断面図/コナー手稿における内部空間の表現/建築家に対する画家の優越性/ブラマンテの建築に見られる絵画的な内部空間/ブラマンテによる内部空間の表現の意義と影響/小結(その一)/ペルッツィとジュリアーノ・ダ・サンガロのバルベリーニ手稿/ラファエロのレオ10世宛書簡における正射影断面図の登場/小結(その二)/パンテオンの素描にまつわる諸問題/透視図法の名人ペルッツィ/アントニオ・ダ・サンガッロ・イル・ジョーヴァネによる正射影断面図の確立/結

 本全体の原著は Wolfgang Lotz, L'architettura del Rinascimento, 1997 ( Studies in Italian Renaissance Architecture, 1977 の増補版)
 他の内容は;

ジェイムズ・S・アッカーマンによる序文/英語版序文//
16世紀の楕円形の聖堂空間//
ルネサンスの集中的聖堂についての覚書/イタリア16世紀の広場/ヴィジェーヴァノのドゥカーレ広場 15世紀末の君主のフォルム/サンソヴィーノのヴェネツィアでの建築作品に見られる古代ローマの遺産/イタリア16世紀後期の建築/パラーディオに関する3つの論稿/マゼールのテンピエット 覚書と省察/パラーディオとサンソヴィーノ/16世紀の建築素描における寸法の単位について//
ヴォルフガング・ロッツとルネサンス建築の歴史編纂(マッシモ・ブルガレッリ)など、
468ページ。


小澤京子、『都市の解剖学 建築/身体の剥離・斬首・腐爛』、ありな書房、2011
序章 建築の解剖学 - その皮膚と骨格/都市の「語り」と「騙り」 - カナレットのヴェネツィア表象にみる都市改変の原理/「起源」の病と形態の闘争 - ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージによる古代ローマ表象/適合性と怪物性 - クロード・ニコラ・ルドゥーの両極的性質/建築の斬首 - フランス革命期の廃墟表象における瞬間性と暴力性/石の皮膚、絵画の血膿 - 19世紀文学における「病める皮膚」のモティーフ/エピローグ 眼差しのディセクション//
解題 廃墟の皮膚論 - あるいは、紋章の解剖/解剖の紋章(田中純)など、
264ページ。


 同じ著者による→こちら(『ユートピア都市の書法』 2017/「ロココ、啓蒙思想など(18世紀)」の頁の「余談:革命期の幻視的建築家など」の内ルドゥーの項)や、そちら(「モダニズム都市と幻想 - 昭和初期のイメージとテクストから -」 2012/「魔術、神秘学、隠秘学など」の頁の図像類の項)、またあちら(「1980年代の日本のサブカルチャーに現れた『廃墟』や『遺棄された場所』のイメージ」 2020/本頁上掲「vi. 廃墟など」)も参照

小澤京子、「架空都市の地図を描く 地図と〈しての〉テクスト」、『ユリイカ』、2020.6:「特集 地図の世界」、pp.183-195
序/物語ること、地図を描くこと/記憶の再現としてのモンタージュ地図/世界創造としての物語/地図/地図喪失としての歩行的ナラティヴ/結

五十嵐太郎編著、『くらべてわかる世界の美しい美術と建築』(エクスナレッジムック)、エクスナレッジ、2015
年代別、美術と建築の様式;古代エジプト/古代ギリシア/古代ローマ/ビザンチン/イスラーム/ロマネスク/ゴシック/イタリア・ルネサンス/マニエリスム/バロック/ロココ/新古典主義/崇高/西洋と東洋の交錯/アール・ヌーヴォー/ウィーン分離派/キュビスム/未来派/表現主義/バウハウス/デ・ステイル/ロシア・アヴァンギャルド/アール・デコ/ミニマリズム//
美術館探訪//
美術のなかの建築;スクロヴェーニ礼拝堂とジョット/イタリア中世都市/円形神殿のイメージ/ねじれ柱/古典主義/コロッセオに接ぎ木して、バベルの塔を想像する/螺旋階段/建築のユートピア/古代ローマの風景/北方の教会/古代ローマへの憧れ/建築家マンサールの肖像と彼の作品/空想の中国/ヴェネツィアの風景/バチカンの聖なる空間/ピラネージと古代ローマの想像力/都市の破壊と再生/ヴェネツィアのランドマーク/ルーヴル宮殿の廃墟と転用/カール・フリードリッヒ・シンケルの絵画と建築/ダンテ『神曲』を描いた絵画と、物語構造の建築化/ドイツの壊れた修道院/理想としてのギリシア神殿/燃えさかる炎の彼方にぼんやり浮かぶ建築/ストーンヘンジの過去と現在/坂の向こうに見えるゴシックの鐘楼/生死を賭けた古代の闘技場/ギュスターヴ・クールベの描いた亡命先/死のイメージにとらわれた島/ゴッホが歪めて描いた教会/移ろいをあらわすスクリーンとしての大聖堂/エッフェル塔に触発された画家/カンディンスキーと幻想のロシア/心象風景として描かれたニューヨーク/抽象化されたドイツの風景/イメージとしてのゴシック大聖堂/コラージュとしての風景//
美術館探訪//
劇的に演出する絵画と窓;絵画のなかの建築部位/17世紀オランダ絵画と窓1/17世紀オランダ絵画と窓2/「窓辺の女性」というモチーフ1/「窓辺の女性」というモチーフ2/騙し絵1/騙し絵2/騙し絵3/20世紀の美術と窓1/20世紀の美術と窓2/20世紀の美術と窓3/20世紀の美術と窓4/20世紀の美術と窓5//
美術館探訪//
表現・形態操作の手法を学ぶ;構成1~12/集積1~2/比喩1~3/現象1~2/概念1~4/変形/建築家が言及1~3/アーティストが建築をつくる1~2など、
232ページ。

 おおむね見開きページに2点前後の図版を配した各項で構成。


ポール・ルイス、マーク・ルツマキ、デヴィッド・J・ルイス、井原恵子訳、『断面で読み解く世界の建築』、グラフィック社、2016
原著は Paul Lewis, Marc Tsurumaki and David J. Lewis, Manual of Section, 2016
解説編 垂直切断面という視点;イントロダクション/断面と何か?/現代における断面図の議論/断面を考えるための発見的構造//
  断面のタイプとその効果;エクストルージョン(突出し)/スタック(積層)/シェイプ(成形)/シアー(せん断)/ホール(垂直開口)/インクライン(傾斜)/ネスト(内包・相貫)/ハイブリッド(複合型)//
  建築断面の歴史より;分析のための切断 - 考古学と解剖学/建築断面の誕生 - 計測と認知/エティエンヌ・ルイ・ブーレー - 形態と効果/ヴィオレ・ル・デュク - 構造と表現/断面から見た都市/スタックの覇権/今日の建築断面//
  参考文献//
事例編;エクストルージョン(突出し)/スタック(積層)/シェイプ(成形)/シアー(せん断)/ホール(垂直開口)/インクライン(傾斜)/ネスト(内包・相貫)/ハイブリッド(混成型)/
資料編;LTLの建築断面/63事例・建築断面の高さ比較など、
208ページ。


 →こちらでも挙げました:「オペラ座の裏から(仮)」の頁の「18世紀後半など

並木誠士編、『描かれた都市と建築』(KYOTO Design Lab Library 1)、昭和堂、2017
はじめに(編者)/シンポジウム「描かれた都市と建築」(2015.7.4)の概要//
日本 - 都市と建築の含意;描かれた古代の寺院・宮殿建築 - 門の建築と東大寺大仏殿(清水重敦)/もうひとつのお伊勢参り - 「両宮摂末社巡拝絵図」を読む(岩本馨)/文人画家・田能村直入と数寄の場(矢ヶ崎善太郎)/京都の近代化を描く(石田潤一郎)/昭和三年の京都 - 大札記念京都大博覧会のポスターをめぐる考察(並木誠士)//
西洋 - 構想の視覚化;「描く」ことと「建てる」ことの間 - 「構想する」中世の建築図(西田雅嗣)/描かれた資源と大地 - 16世紀イギリスのヴィラにおける「土地の姿」(赤松加寿江)/松ノ井覚治が残した建築図面 - 戦間期のニューヨークに馳せた青年建築家の足跡(三宅拓也)//
情報化でむかえる新たな地平;地図とタブロー - 都市を描く二つのメディアとその交差(三木順子)/小川信治の不思議な建築 - または彼は如何にして表現するのを止めて世界を描くようになったか(平芳幸浩)など、
280ページ。


 西田雅嗣の論文について→こちらで少し触れました:「怪奇城の図面」の頁

フィリップ・ウィルキンソン、関谷冬華訳、『まぼろしの奇想建築 天才が夢みた不可能な挑戦』、日経ナショナル ジオグラフィック社、2018
原著は Philip Wilkinson, Phantom Architecture, 2017
夢見た理想の都市;ザンクト・ガレン修道院/ボーヴェ大聖堂の身廊/スフォルツィンダ/理想都市のパネル画/ダ・ヴィンチの階層構造都市/クリスティアノポリス//
啓蒙時代が生んだ奇妙な空間;ホワイトホール宮殿/セント・ポール大聖堂/勝利の凱旋ゾウ/王立製塩所/アイザック・ニュートン記念堂/国立図書館/パノプティコン//
急成長する都市;ニューハーモニー/ピラミッド型墓地/アクロポリスの丘の宮殿/テムズ川の3階建て堤防/グレート・ヴィクトリアン・ウェイ/リール大聖堂/ワトキンの塔/国立歴史・美術博物館//
建築の革命;万国博覧会のための音楽堂/ホテル・アトラクション/キュビスムの家/
新都市(チッタ・ヌォーヴァ)/第三インターナショナル記念塔/庭園のあずまや/フリードリヒ通りビル/エリエル・サーリネンのトリビューン・タワー/アドルフ・ロースのトリビューン・タワー//
輝く都市;雲の
(あぶみ)/ガラスの家/輝く都市/橋の上のアパート/全体劇場/空中レストラン/カトリック大聖堂/ザ・イリノイ/ニューノーシア//
そして未来へ;東京計画/エンドレスハウス/空中都市/ウォーキング・シティ/ジャージー回廊/アメリカ移民記念館/マンハッタンドーム/ザ・ピーク/トゥール・サン・ファン/バンコク・ハイパービルディング/アジアの石塚など、
256ページ。


『インポッシブル・アーキテクチャー』展図録、平凡社/埼玉県立近代美術館、新潟市美術館、広島市現代美術館、国立国際美術館、2019-20
インポッシブル・アーキテクチャー - 批評的オルタナティヴとしての建築(建畠晢)/建築の可能性と不可能性のあいだ(五十嵐太郎)//
カタログ//
ユートピアの影絵たち - 川喜田煉七郎《ウクライナ劇場設計競技案》の舞台機構について(菊地尊也)/戦前期日本のモダニズム建築運動におけるアンビルト - 夢想からリアルへ(梅宮弘光)/
前川國男の戦前期のコンペ応募案をめぐって(松隅洋)/
コンピュータ・グラフィックスとインポッシブル・アーキテクチャー(平野利樹)//
ロシア・アヴァンギャルド概観、飛行をめぐって(前山裕司)/岸田日出刀、あるいはつくらない建築家(藤井素彦)/メタボリズムの誕生とアジアへの敷衍(中井康之)/イヴ・クラインの《空気の建築》をめぐって(平野到)など、
248ページ。


海野弘解説・監修、『366日 絵のなかの部屋をめぐる旅』、パイ インターナショナル、2021
Introduction 鏡の国の旅人 絵画と文学のインテリア宇宙へ;心地のいい部屋/家具のオーケストラ/部屋の主人の影//
Prologue 部屋の博物館へようこそ//
1月 うれしき訪れ 入り口、戸口、玄関/Topic 1 部屋と美術史 家具のスタイル史/
2月 来客あり ドローイング・ルーム/Topic 2 部屋と美術史 オランダ室内画派 室内の光学/Topic 3 部屋と文学 ブリカブラク 骨董と部屋/
3月 住み心地のよさ リビング・ルーム/Topic 4 部屋と美術史 家族の肖像 映画の部屋/Topic 5 部屋と文学 イーディス・ウォートン 室内文学の女王/
4月 煙と湯気と音と キッチン/Topic 6 部屋と美術史 暖炉とカーテン/
5月 会食の美学 ダイニング・ルーム/Topic 7 部屋と美術史 アンティミスト 親しき部屋/Topic 8 部屋と文学 フランス文学の部屋 室内のエンサイクロペディア/
6月 光と風のロマン 窓辺の情景/Topic 9 部屋と美術史 エルシー・ド・ウルフ インテリア・デザインの貴婦人/
7月 開かれた部屋 ヴェランダ、テラス、温室、サンルーム/Topic 10 部屋と美術史 ラファエル前派の部屋 親しき友の家/Topic 11 部屋と文学 オスカー・ワイルドの世界 美のための部屋/
8月 ピーター・パンよ、帰れ 子ども部屋/Topic 12 部屋と美術史 北欧の室内画とデザイン/Topic 13 部屋と文学 ロシア文学の部屋 『桜の園』の家/
9月 レディの光と影 女性の部屋/Topic 14 部屋と文学 ヴァージニア・ウルフの部屋 女ひとりだけの/
10月 小宇宙の快楽 書斎、アトリエ/Topic 15 部屋と美術史 文芸サロン 女主人の館/Topic 16 部屋と文学 ジェンダーと部屋 女性はどこで書くか/
11月 夢の洞窟 寝室/Topic 17 部屋と文学 ミステリーの部屋 密室のつくり方/
12月 外にある部屋 公共の部屋//
エピローグなど、
416ページ。


 「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「おまけ」で挙げた

デイヴィッド・トリッグ、赤尾秀子訳、『書物のある風景 美術で辿る本と人の物語』(2018)

もそうでしたが、比較的知名度があると思われる画家はまだしも、どうやって情報を集めたんだろうと気になって仕方がない、地元以外ではあまり知られてはいなさそうな作家の作品も少なからず、あわせて366点の作品が1ページ大のカラー図版で掲載されています。
 →「カッヘルオーフェン - 怪奇城の調度より」の頁や、そちら(「バルコニー、ヴェランダなど - 怪奇城の高い所(補遺)」の頁)、またあちら(「暖炉の中へ、暖炉の中から - 怪奇城の調度より」の頁)でも挙げました。

 解説・監修の海野弘については→本頁下掲のここ(「いろいろなど(1)」/『空間の神話学』、1971、『部屋の宇宙誌』、1983)も参照

山田五郎、『楼閣 闇の西洋美術史〈9〉』(アルケミスト双書)、創元社、2022
はじめに/バベルの塔 COLUMN 摩天楼/宮殿・神殿 COLUMN オリエンタリズム/理想都市 COLUMN デ・キリコの楼閣/空想楼閣 COLUMN モンス・デジデリオの楼閣/廃墟 COLUMN 無人楼閣/おわりに、など
64ページ。


 同じシリーズから→こちら(「天使、悪魔など」の頁の「天使など」)、そちら(同頁の「悪魔など」)、あちら(「原初の巨人、原初の獣、龍とドラゴンその他」の頁の「龍とドラゴンなど」)を参照

中野京子、『名画と建造物』、角川書店、2023
エドワード・ホッパー『線路脇の家』/クロード・モネ『サン・ラザール駅』/ワシーリー・スリコフ『銃兵処刑の朝』/カナレット『カナル・グランデの入り口』/ジャン=レオン・ジェローム『差し下ろされた親指』/マルク・シャガール『七本指の自画像』/カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ『エルデナ修道院の廃墟』/シャルル・メニエ『ナポレオンのベルリン入城』/グスタフ・クリムト『旧ブルク劇場の観客席』/フィンセント・ファン・ゴッホ『アルルの跳ね橋』/エドワード・ポインター『エジプトのイスラエル人』/ウジェーヌ・シベルト『ヴァルトブルク城で聖書を翻訳するルター』/ギュスターヴ・ドレ「風車に突進するドン・キホーテ」『ドン・キホーテ』挿絵より/エドワード・モラン『自由の女神の除幕式』/デヴィッド・ロバーツ『熱風の接近』/ジョン・コンスタブル『主教の庭から見たソールズベリ-大聖堂』/ランブール兄弟「十月の図」『ベリー公のいとも豪華なる時祈禱書』より/ウィリアム・ハルソール『プリマス港に到着したメイフラワー号』/ジャン・アントワーヌ・ヴァトー『ジェルサンの看板』/ピーテル・ブリューゲル『バベルの塔』//
あとがきなど、
208ページ。

 同じ著者による→こちらを参照:本頁下掲「橋など」の項


ジャン=マリー・ギルエット、木俣元一訳、「ハイパーテクニック・ゴシック? 中世末期の建築技報に関するマイクロヒストリー(1400-1530年頃)(研究ノート)」、『西洋美術研究』、No.21、2024.10.31:「特集 美術とテクネ-」、pp.144-154

 また

『都市風景の発見 - 近代の一視点・描かれた都市 -』展図録、茨城県近代美術館、1992
都市風景の発見とは(匠秀夫)/幕末・明治にみる都市風景の視覚(金原宏之)/都市をめぐる芸術家たちのロンド(小泉淳一)//
図版;文明開化と都市/外国都市との接触/近代都市風景など、
152ページ。


『都市のリアリティ・絵画のリアリティ』展図録、西宮市大谷記念美術館、1999
都市のリアリティ・絵画のリアリティ(篠雅廣)、8ページ。

 『〈特集〉日本近代美術史 豪華三本立て!!秋の随筆』中の第3部

………………………

 個々の作家となれば、
ヤーコポ・ベッリーニ(1400頃-1470/71→こちらを参照:「挿図一覧」の該当箇所、以下同様)、
アルトドルファー(1480頃-1538→そちら)、
アントワーヌ・カロン(1521-1599→あちら)、
フレーデマン・デ・フリース(1527-1606頃→ここ)、
ヴェンデル・ディーターリン(1550頃-1599)、
モンス・デジデリオ(フランソワ・ド・ノメー、1593頃-? →そこ)、
ガッリ・ダ・ビビエーナ一族(18世紀→あそこ)、
パニーニ(パンニーニ)(1691-1765→こなた)、
ピラネージ(1720-1778→そなた)
ユベール・ロベール(1733-1808→あなた)、
ユゴー(1802-1885→こっち)、
メリヨン(1821~1868)、
ハンマースホイ(1864-1916)、
ヒュー・フェリス(1889-1962)、
エッシャー(1898-1972)、
野又穫(1955- )、
 立体なら
ロバート・アーウィン(1928- )、
ダン・グレアム(1942- )、
アリス・エイコック(1946- 、→そっちも参照:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「おまけ」、
神山明(1953-2012)
 などなどなど、といろいろいることでしょうが、それらについては一部を除いて別の機会を待つとして、まずは;


Pierre Descargues, translated by I. Mark Paris, Perspective, Harry N. Abrams, Inc., Publishers, New York, 1977
原著は Pierre Descargues, Traité de Perspectives, 1976
『透視画法』
序論/15-16世紀/17世紀/18世紀/19世紀など、
176ページ。


 アルベルティやデューラーなどに始まって、15世紀から19世紀までの〈透視画(図)法(遠近法)〉に関する論考・図集から主だった図像を抜粋した画集。
 ロレンツ・シュテーア(→こちら:『幾何学と透視図』(1567)の頁)、ヴレンツェル・ヤムニッツァー(→そちら:『正多面体の透視図』(1568)の頁)、ダニエーレ・バルバロ(→あちら:『透視図の実際』(1569)の頁)、フレーデマン・デ・フリース(→ここ:『透視画』(1604-05)の頁)などなど・・・


The Capricious View. An Exhibition of Townscape, The National Gallery, London, 1984
Exhibition organized and leaflet written by Michael Helston

『綺想の眺め 街景図展』

 図録ではなく、一枚物のリーフレットで、折り目を1ページとすると、裏表で16ページ分、出品点数は15点。常設のテーマ別特集展示といったところですが、たまたま訪れた時に開かれていて、とても強い印象を受けたことでした。
 モンス・デジデリオ
の実物を見たのもこれが初めてでした(→こちらも参照:モンス・デジデリオことフランソワ・ド・ノメ《聖人の殉教》の頁)。それ以外の出品作家は、ちなみに、
 ヘンドリク・ヴァン・ステーンヴィク(息子)、
 ディルク・ヴァン・デーレン、
 ヤン・ヴァン・デル・ヘイデン、
 パニーニ、
 ベロット派、
 マリエスキ(2点)、
 カナレット、
 グァルディ(6点)
となります。展示は英国内に巡回したとのこ
 

 併せて;

Christopher Brown, Dutch Townscape, Themes and Painters in the National Gallery no.10, National Gallery, London, 1974/1978
『オランダの街景図』
40ページ。


 上掲の谷川渥『廃墟の美学』(2003)中の「補論としての私的文献案内」の最後に挙げられているのを見て知ったのが次の図録で(p.209)、建築綺想画だけを扱うものではありませんが;

Das Capriccio als Kunstprinzip. Zur Vorgeschichte der Moderne von Arcimboldo und Callot bis Tiepolo und Goya. Malerei - Zeichnung - Graphik, Wallraf-Richartz-Museum, Köln, Kunsthaus, Zürich, Kunsthistorische Museum, Wien, 1996-1997
『芸術原理としてのカプリッチョ アルチンボルドとカロからティエポロとゴヤにいたる近代前史 絵画・素描・版画』展図録
序 - カプリッチョについての省察(エッケハルト・マイ)//
芸術原理としてのカプリッチョ(ヴェルナー・ホフマン)/幻想、発明、カプリッチョ - 芸術理論的な破片と大きな主題への傍注(エッケハルト・マイ)/グラフィックなジャンル・カプリッチョ - 幻想を制御するための、結局は無益な試み(ヴェルナー・ブッシュ)/図像と建築理論における建築綺想画(ミヒャエル・キーネ)/カプリッチョの真実 - 景観図の虚偽(ヴェルナー・ブッシュ)/気まぐれな証人 - ヴィットーレ・ギスランディと肖像画における発明の芸術(ダニエル・シュパンケ)/「運がいい、慣れた道から離れるために?」-カプリッチョと18世紀フランス絵画における逸脱の芸術(ヨアヒム・レース)/プッサンによる綺想風景画 - カール・ルートヴィヒ・フェルノウに認知された(ゲッツ・ツィメク)/ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージによる想像力の発見 初期の素描と版画におけるカプリッチョ(ノーバート・ミラー)/ティエポロとカプリッチョの顚倒的な力(フランク・ビュットナー)/グロテスクなエロティック ゴヤの初期の諷刺画について(ユッタ・ヘルト)/「聞き慣れない進行、隠された Zierrath、意味深い転回と装飾」 - 音楽におけるカプリッチョ(ペーター・シュロイニング)/文学におけるカプリッチョ(ギュンター・エステルレ)//
カタログ;模倣から幻想へ - 16世紀におけるカプリッチョ/幻想と現実の間 - 人工風景としてのカプリッチョ/快活な世界 - 理想像としてのカプリッチョ/崇高の戦慄 - 恐怖の図像としてのカプリッチョ/素描におけるカプリッチョ-前言/版画におけるカプリッチョ - 前言など、
408ページ。


 併せて、やはり建築綺想画だけを扱うものではありませんが;

Roland Kanz, Die Kunst des Capriccio. Kreativer Eigensinn in Renaissance und Barock. Deutcher Kunstverlag, München und Berlin, 2002
『カプリッチョの芸術 ルネサンスとバロックにおける創造的強情さ』
序/ヴァザーリとカプリッチョ(Ⅰ)/隠喩から芸術理論的概念に移行するカプリッチョ/いくつかの現われ/カプリッチョとグロテスクの条件接合部/ヴァザーリとカプリッチョ(Ⅱ)/芸術的〈強情さ〉への神学的批判/補遺と良い趣味/キマイラ的な画面組織/1600年前後の奔放な筆致と率直な一筆/カロと版画連作/カプリッチョと完全な芸術/カプリッチョと建築描写/附論:パッセリの二つのアカデミー講義など、
420ページ。


 こちらはたまたま実見することのできた;

Images et imaginaires d'architecture. Dessin, peinture, photographie, arts graphique, théâtre, cinéma en Europe aux XIXe et XXe siècles, Centre Georges Pompidou, 1984
『建築のイメージと想像的なるもの 19-20世紀のヨーロッパにおけるデッサン、絵画、写真、グラフィック・アート、演劇、映画』展図録
建築のイメージと想像的なるもの 社会的・文化的賭け金(ジャン・デティエ)//
建築、デッサンの芸術(ジャン=ミシェル・サヴィニャ)/美の影 新古典主義建築のデッサンについて(ミシェル・ヴェルヌ)/建築をデッサンする 美術の視点と視点の変化(アンリ・ブレスレル)/バロックの設計図から不等角投影へ ドイツにおける建築デッサンの進化(ヴィンフリート・ネルディンガー)/建築の未来派的表象(ジョヴァンニ・リスタ)/デッサンの死とあるコードの誕生(アラン・サルファティ)/図式の目盛り(フィリップ・ブードン)/罪あるデッサン?(フランソワ・シャスラン)/インクの建物(アラン・ギウー)/放蕩娘 都市闘争の道具としての建築デッサン(モーリス・キュロ)/ヴァザーリ、バーリントン、マリニイとソーン 建築デッサンの4つの古いコレクション(ヴィクトリア・ピニョ)/分類できないものの魅惑(ジャック・ギレルム)/建築デッサン 新たな文化的商品(ジョン・ハリス)/建築画 中世末期から19世紀初めまで(クロード・ミニョ)/3次元での戦い 19-20世紀の建築を前にした画家たち(ブルーノ・フカール)/建築的瞞し絵の歴史と実際(ミリアム・ミルマン)/19-20世紀の建築写真(フィリップ・ネアギュ&ジャン=フランソワ・シェヴリエ)/花火 建築的想像の爆発(パトリック・ブラッコ&エリザベート・ルボヴィシ)/演劇・オペラの舞台装飾としての建築(カトリーヌ・ジョワン=ディエテルル)/セット、表現主義映画における建築についての心誌の要素(フォルカー・フィッシャー)/建築と映画(ベン・ギブスン)/建築デッサンと木版からオフセットまでの複製技術(パトリック・セレスト)/出版物における建築版画(ベン・ワインレブ)/バンド・デシネにおける建築(ジャン=マリー・ド・ビュッシェール→こちらでも触れています:「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「おまけ」)/建築的写真測量(ジャン=ポール・サントーバン)/不等角投影の化身(イヴ=アラン・ボワ)/建築の表象と新しいテクノロジー(ジャン・ゼトゥーン)//
公開書簡/建築デッサンの伝統的語彙(パトリック・セレスト)//
図像誌;1826/1839/1840/1849/1850/1859/1860/1869/1870/1879/1880/1889/1890/1899/1900/1909/1910/1919/1920/1929/1930/1939/1940/1959/1960/1969/1970/1984など、
436ページ。


 同展の展評;

柴田いづみ、「建築空間の伝達メディアと意味の拡大」、『美術手帖』、no.530、1984.8、pp.126-137

Der Traum vom Raum. Gemalte Architektur aus 7 Jahrhunderten, Eine ausstellung der Albrecht Dürer Gesellschaft Nürnberg in Zusammenarbeit mit der Kunsthalle Nürnberg, Dr. Wolfram Hitzeroth Verlag, Marburg, 1986
『空間の夢 7世紀間の描かれた建築』展図録
序論(クルト・レッヒャー)/理念から形態へ - 生成中の建造物(ギュンター・ビンディング)/バンベルクはエルサレムである - 中世の建築肖像画(バーバラ・ショック=ヴェルナー)/実際と見えよう - 中世と近代の間の建築肖像画(クルト・レッヒャー)/そこに住むためでなく - 建築幻想(同)/偽りの空間 - 建築綺想画(ハイデ・ビドー)/力の無常、無常の力 - 廃墟(ヘルムート・ベルシュ=ズーパン)/理想建築 模擬建築と祝祭建築(ハンス・ロイター)/ある歴史的建築の設計図(同)/不敬あるいは傑作 - バベルの塔(ユッタ・ツァンダー=ザイデル)/背景 - 異国趣味絵画における建築の意味(ヤン・ピーパー→こちらも参照:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「v. 建築など」の項の「迷宮など」内)/異世界 - 幻想建築(ハンス・ホレンダー)/絵の中の建物。未来の絵 - ユートピア建築(ヨハネス・ラングナー)/教会、神殿、城 - 再発見された過去(ノーバート・ゲッツ)/劇場の舞台空間(ヘルムート・グロッセ、クルト・レッヒャーの序)/出来事としての可視性 - 20世紀の建築肖像画(ハラルト・レーバーマン)/堅固なものの祝祭の不確かさ - 脅威の象徴としての建築(ライナー・ベック)/図像建築と構造の変転 - 20世紀の建築パラフレーズ(ジクマー・ホルステン)など、
536ページ。


Miriam Milman, Architectures peintes en trompe-l'œil, (Les illusions de la réalité), Skira, Genève, 1986
『瞞し絵に描かれた建築』
序言//
暗示される空間;変更/対照/共存/指定//
肯定される空間;開口部/眩惑/調和/曖昧さ/外部//
聖なる空間;拡大/超越/人間化//
遊戯的な空間;演劇的な場/見る、見られる/豪奢/回避/署名//
再考される空間;折衷主義と解体/もう一つの錯視/異議/郷愁/透視画法//
結びなど、
120ページ。


Perspectives : Saenredam and the Architectural Painters of the 17th Century, Museum Boymans-van Beuningen, Rotterdam, 1991
『透視画 サーンレダムと17世紀の建築画家たち』展図録
透視画 サーンレダムと17世紀の建築画家たち
(Jeroen Giltaij)/17世紀の目録における〈透視画〉(J. M. Montias)/宮廷様式-デン・ハーグとロンドンにおける建築画(Walter Liedtke)/建築画の機能、とりわけ教会内部図を参照しつつ(Rob Ruurs)//
カタログ
(Jeroen Giltaij and Guido Jansen)など、
326ページ。


 同展の展評;

Lyckle de Vries, "Rotterdam : "Saenredam and seventeenth-century architectural painting", The Burlington Magazine, no.1066, 1992.1, pp.51-54

 サーンレダムについてはとりあえず;

持田季未子、『17世紀の光 オランダ建築画の巨匠サーンレダム』、岩波書店、2009
序章/繁栄の都ハールレム/銅版画から油彩画へ/「建築画」の研究/充実の夏/日常と永遠の間/光があたる壁、物質への愛/終章など、
222ページ。


Expressionist Utopias. Paradise + Metropolis + Architectural Fantasy, University of California Press, Los Angeles County Museum of Art, 1993-1994
『表現主義的ユートピア 楽園+メトロポリス+建築幻想』
序論
(Timothy O. Benson)/幻想と機能性 - ユートピアの宿命(Timothy O. Benson)
図版-楽園/
ユートピアへの橋 - ユートピア実験としてのブリュッケ
(Reinhold Heller)
図版 - メトロポリス/社会理論、メトロポリスと表現主義
(David Frisby)/図版 - 建築幻想/表現主義的崇高(Iain Boyd Whyte)/図版 - 映画と舞台/メトロポリス - 都市、映画、近代性(Anton Kaes)/図版 - 反ユートピア/
液状空間としての博物館 - 『表現主義的ユートピア』のクープ・ヘンメルブラウ・デザインについての
Wolf D. Prix との対話(Edward Dimenberg)
カタログ/
附録 - 試論、記事、宣言、書簡とその他の著述など、
340ページ。


Christian W. Thomsen, translated from the German by John William Gabriel, Visionary Architecture. From Babylon to Virtual Reality, Prestel, München and New York, 1994
『幻視的な建築 バビロンからヴァーチュアル・リアリティまで』
序//
「バビロンの娼婦」から「新たなエルサレム」そしてルネサンスの理想諸都市へ;「バビロンの娼婦」/天のエルサレムと理想都市についての中世の諸概念/理想都市についてのルネサンスの諸概念//
塔の神話:バビロンから
無限の塔(トゥール・ド・ランフィニ)へ//
意識が近代的になる:ジョヴァンニ・バッティスタ・ピラネージとその後継者たち//
フランスとロシアにおける革命期の建築//
夢の建築;市民の夢:ザナドゥ/王の夢:ノイシュヴァンシュタイン/郵便配達夫の夢:
理想宮(パレ・イデアル)/夢見る者の夢:目に見えない諸都市//
結晶建築と有機的彫刻//
「見るために生まれ、見よと命ぜられ」:見張り塔、灯台、象牙の塔//
奇怪でグロテスクな建築//
過去への前進 - 未来への帰還:現代の幻視的建築;マッシモ・スコラーリ/レオン・クリエ/戦後のウィーンのアヴァンギャルド:ハンス・ホライン、ハウス=ルッカー=CO、コープ・ヒンメルブラウ、ライムント・アブラハム/レベウス・ウッズ/ピーター・クックとアーキグラム//
脱構築的なデザインと建造された建築的幻視(ヴィジョン)ベルナール・チュミ/ザハ・M・ハディド/コープ・ヒンメルブラウ/ギュンター・ドメニク/ダニエル・リベスキンド//
サイエンス・フィクション、および未来の建築の諸相//
建築 2000:メディア建築とヴァーチュアル建築など、
192ページ。

 * ゲーテ、高橋健二訳、『ファウスト』(角川文庫 赤 57-10)、角川書店、1967、p.628/第2部第5幕「深夜」、11288-11289


Ségolène Le Men, La Cathédrale illustrée de Hugo à Monet. Regard romantique et modernité, CNRS Éditions, Paris, 1998
『ユゴーからモネまでの描かれたカテドラル ロマン主義的視線と近代』
序論 カジモドの目/
CECI TUERA CELA(これがあれを殺すことになろう)/グーテンベルクからゼンフェルダーへ/『パリのノートル=ダム』の挿絵入り版/ゴシックのカテドラル、記憶術/ロマン主義的カテドラルのスペクタクル/カテドラル、〈景色〉、想起の美学/景色の時禱書とピトレスクな相の美学/景色と視線の変容-拡張と集中/結論 - モネと光のカテドラルなど、
224ページ。


Sir Kenneth Clark. "Architectural Backgrounds in XVth Centyru Italian Painting - I", The Arts, no.I, 1946, pp.13-24

 Id.. "Architectural Backgrounds in XVth Centyru Italian Painting - II", The Arts, no.II, 1947, pp.33-42
「15世紀イタリア絵画における建築背景」

 手もとのコピーには
Plate I (Ghiberti, Jacob and Esau, 1425-52, Porta del Paradiso, Eastern Door of the Baptistry in Florence) が抜けていました。

Richard Krautheimer, "The Tragic and Comic Scene : The Baltimore and Urbino Panels", Gazette des Beaux-Arts, 1948.1-6, pp.327-346
「ルネサンスの悲劇・喜劇の舞台装飾 - ボルティモアとウルビーノの板絵」

Joanna Woods-Marsden, "Images of Castles in the Renaissance : Symbols of 'Signoria' / Symbols of Tyranny", Art Journal, vol.48 no.2, Summer 1989, pp.130-137
「ルネサンスにおける城のイメージ 〈領主制〉の象徴/専制の象徴」

 →こちらでも挙げました:ピエロ・デッラ・フランチェスカ《聖シジスモンドとシジスモンド・パンドルフォ・マラテスタ》(1451)の頁の「Cf.」、また→そちら:「怪奇城の肖像(前篇)」の頁の「Ⅰ.15世紀後半、中世末期~初期ルネサンスより(1)」

 少しだけ個々の作家を挙げておくと;

Louis Courajod et Henry de Geymüller, Les estampes attribuées à Bramante avec points de vue iconograohique et architectonique. Extrais de la Gazette des Beaux-Arts avec addition de notes et d'une eau-forte, Libraririe de Rapilly, Paris, 1874
『伝ブラマンテの版画、図像誌および建築術の視点から。ガゼット・デ・ボザールからの抜粋、註と銅版画1点を附す』
28ページ。


Goerge Martin Richter, "Architectural Phantasies by Bramante", Gazette des Beaux-Arts, 1943, tome 23, pp.5-20
「ブラマンテの建築幻想」

Diego Angulo Iniguez, "Bramante et la Flagellation du Musée du Prado", Gazette des Beaux-Arts, 1953.7, tome 42, pp.5-8
「ブラマンテとプラド美術館の《鞭打ち》」

 ブラマンテについては;

アルナルド・ブルスキ、稲川直樹訳、『ブラマンテ - ルネサンス建築の完成者 -』、中央公論美術出版、2002
原著は Arnaldo Bruschi, Bramante, 1973/1985
初版英語版への序文(ピーター・マレー)//
序章/ブラマンテの芸術形成/ロンバルディーアのブラマンテ:初期の問題意識/三次元有機体としての建築の発展/ロンバルディーア後期の活動:方法論への取組みと都市空間への関心/ローマ初期の活動:サンタ・マリーア・デッラ・パーチェの回廊/ユリウス二世とブラマンテの
《大》様式(グランデ・マニエラ):ベルヴェデーレと《古代風ヴィッラ》の再生/ブラマンテの都市メージ/サン・ピエトロ・イン・モントーリオのテンピエット/サン・ピエトロとブラマンテの《盛期様式》(マニエラ・マトゥーラ)/生涯の最期と総括 人間ブラマンテと16世紀(チンクエチェント)建築の展開におけるその作品の意義など、
384ページ。


Pierre Rosenberg, "Louis-Joseph Le Lorrain (1715-1759)", Revue de l'Art, no.40-41, 1978, pp.173-202
「ルイ=ジョゼフ・ル・ロラン(1715-1759)」

 →こちらも参照(「オペラ座の裏から(仮)」の頁の「18世紀後半など」)

Michael Levey, "'The Enchanted Castle' by Claude : subject, significance and interpretation", The Burlington Magazine, no.1028, 1988.1, pp.812-820
「クロードの《魔法にかけられた城》:主題、意味と解釈」

 →こちら:取りあげられている作品の頁、また→そちら(「怪奇城の肖像(前篇)」の頁の「Ⅷ. 17世紀(2)」)でも触れました

David Marshall, "Giovanni Ghisolfi or the 'Monogrammist GAE' at Stouuhead?", The Burlington Magazine, no.1123, 1996.10, pp.685-690
「ジョヴァンニ・ギゾルフィあるいは『モノグラムGAEの画家』?」

Andrea Gottdang, "La 'Sottil'arte della perspettiva'. Paris Bordones Architekturdarstellungen", herausgegeben von Sandra Pisot, Die Poesie der venezianischen Malerei. Paris Bordone, Palma il Vecchio, Lorenzo Lotto, Titian, Hamburger Kunsthalle und Hrmer, 2017, pp.86-103
+ Katalog : "Architekturrezeption und Perspektive", pp.220-233 / cat.nos.68-78

「『透視図法の鋭敏な技芸』 パリス・ボルドーネの建築描写」
ボルドーネとセバスティアーノ・セルリオの『建築の一般規則』/総督への指輪の引き渡し - 新しい建築の衣をつけたヴェネツィア/ローマ、いかに人はそれを知り、いまだ誰も見ないか/アウグストゥスとバテシバのために空けた舞台/物語るもの、演劇的に、寓意的に?
+カタログ:「建築受容と透視図法」


 →こちらでも挙げました:「バルコニー、ヴェランダなど - 怪奇城の高い所(補遺)」の頁
 同じ図録から→そちらも参照:「マネ作《フォリー・ベルジェールのバーと絵の中の鏡》」の頁の「参考文献追補


ジョルジュ・プーレ、金子博訳、「ピラネージとフランス・ロマン派の詩人たち」、『三つのロマン的神話学試論』、1975、pp.121-169+註

 次の論文とともに→こちらでも挙げました「階段で怪談を」の頁の「註7

ヨルゲン・アンデルセン、井手弘之訳、「巨大な夢 - 英国におけるピラネージの影響」、『ユリイカ』、vol.15 no.3、1983.3:「特集 幻想の建築 〈空間〉と文学」、pp.174-185
原著は Jorgen Andersen, "Giant Dreams, Piranesi's Influence in England", English Miscellany, 3, 1952
………………………

 どうしても西欧ものが中心になってしまいましたが、中国の〈界画〉については今のところあまり資料を見つけられずにいて、とりあえず(→こちらも参照(「寄木細工、透視画法、マッツォッキオ、留守模様」の頁の「〈冊架図〉、〈界画〉、イスラーム写本絵画から、ドナテッロ」);

中野美代子、「Ⅰ-7 界画美術館」、『龍の住むランドスケープ 中国人の空間デザイン』、1991、pp.67-80
ある仙島図/界画の技法/「入れ子」構造の絵/都市図さまざま/山中の宮殿/不可能性のトポス

 同じ著者による→こちらを参照:「中国」の頁の「i. 概説、通史など

中野美代子、「Ⅱ-14 定規で描く絵」、『綺想迷画大全』、飛鳥新社、2007、pp.113-120
他の内容は
交錯する異形;ワット・ブラケオのハヌマーン/多頭怪ラーヴァナ/バリ島の海をかきまぜる/悪魔のかたち/マルコ・ポーロの挿絵/さそりと龍の関係/写字生のいたずら/おしゃべりの樹/かわいい魚介たち/仙人飛行図//
空間のあそび;空飛ぶ絨毯/ムガルの架空庭園/まちの模型と楽園の模型/ハンコで埋めた余白/ぎっしり・びっしりの絵/地図としての絵/宗教画の中の小人/天の井戸に何がいる?//
動物たちの旅;果物を献ずるサルたち/サル絵と植民地/鳥の絵 傑作三題/西方へ飛ぶこうもり/マダガスカルから北京へ/角のない犀/ギャロップする馬たち//
いつものできごと;18世紀のフィギュア・スケート/まちなみ散策/橋上マーケット/
画家(ペインター)製図家(ドラフツマン)か/子どもたちのお買物/北斗を蹴とばす/ある船医の絵日記/帝王の行列/帝王の肖像/張光宇(ちょうこうう)作『西遊漫記』など、292ページ。

 併せて;

中野美代子、『チャイナ・ヴィジュアル 中国エキゾティシズムの風景』、河出書房新社、1999
エキゾティシズム;ジュゼッペ・カスティリオーネ - 清朝宮廷画家の絵画と円明園 -/円明園西洋楼 - 廃墟の時間 -/西方への疾走 - カスティリオーネの馬たち -/郎世寧グッズ - よみがえるカスティリオーネ -/異教より異宝を - 清朝のヨーロッパ受容 -/まぼろしの「祺祥重宝」 - 香港返還から思いだすこと -/「中国輸出画(チャイナ・エキスポート・ペインティング)」 - チネリー派の画家たちと初期香港 -/レジデンシーと円明園 - インドと中国の西洋楼 -//
クロノス・ヴィジュアル;宋代風俗画の世界 - くらしの図像誌 -/中国廃墟考 - 紙上の楼閣から廃屋まで -/天の橋と地の橋 - 胎内への道 -/鳥は鳴き、かつ語る - 鳥籠時計やら「鸚鵡地図」やら……/パンテオンの日時計 - クーポラの穴から陽光が…//
スクリプト・ヴィジュアル細目はこちら:「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「漢字、その他」の項
など、
324ページ。


中野美代子、「境界の風景 - 形象としての、あるいは方法としての -」、伊原弘編、『「清明上河図」をよむ』、勉誠出版、2003、pp.113-130

 他の内容は;

序言(伊原弘)/『清明上河図』全図/『清明上河図』跋文集/座談会 『清明上河図』をよむ//
『清明上河図』をよむ;『清明上河図』と北宋末期の社会(伊原弘)/建築から解読する中国中世の都市社会(高村雅彦)/『清明上河図』にみる樹木と石 - 汴京の庭園のかおり -(木津雅代)/『清明上河図』の船を造る(山形欣哉)/テーブルと腰掛から見た『清明上河図』(小泉和子)/その後の『清明上河図』 - 作品史の中の一断章 -(坂倉聖哲)//
画中の世界;『清明上河図』中のひとびとの識字と計算能力(本田精一)/『清明上河図』にみる飲食(日下翠)/あふれる看板 - 消費と健康へのいざない -(伊原弘)/『清明上河図』のテーブルの上(塩卓悟)/『清明上河図』に描かれた桶と樽(小泉和子)/開封銅銭雑話(本田精一)//
比較史からの読み;『清明上河図』と日本の都市景観 - 『年中行事絵巻』『一遍上人絵伝』『洛中洛外図屏風』との比較を通して -(玉井哲雄)/絵画史料としての『清明上河図』 - 日本史からの読み方 -(黒田日出男)//
織りなす世界;『清明上河図』は『金瓶梅』の生みの親?(中野美代子)/『清明上河図』の行交う人々に会い、その運命を読む(清木場東)//
西からのまなざし;「橋の下、水は流るる:『清明上河図』に関するさらなる一考察」より抜粋(ジュリア・K・ムレー)/『清明上河図』と宋代東京の歴史的地理(リンダ・C・ジョンソン)/皇后と葬送、麵と豚 『東京夢華録』と都市紀行文学の萌芽(ステファン・H・ウエスト)など、
394ページ。


 こちら(劉慈欣『三体』三部作へのメモの頁)でも触れました

新藤武弘、「都市の絵画 - 〈清明上河図〉を中心として -」、『跡見学園女子大学紀要』、no.19、1986.3.15、pp.181-206

戸田禎佑、『日本美術の見方 中国との比較による』、角川書店、1997、pp.110-116:「界画 - 空間のイリュージョン」

小川裕充、『臥遊 中国山水画 - その世界』、中央公論美術出版、2008、
  図22+p.211:「伝張択端 清明上河図巻(部分)」、
  図50+p.239:「李容瑾 漢苑図」

板倉聖哲、「画家像としての夏永、その成立と展開 - 《岳陽楼図》を中心に」、『美術フォーラム21』、vol.32、2015.11:「特集 グローバリズムの方法論と日本美術史研究 - 一国主義と受容研究を越えて」、pp.103-109

 中野美代子「境界の風景」の註3に挙げられていたのが;

『界畫特展圖録』、國立故宮博物院、台北、1986
界畫特展説明//
圖版(カラー、33点)/参考圖版(モノクロ、14点、カラー図版で部分図が掲載された作品の全図)//
圖版説明//

Introduction to the Exhibition of Chieh-hua (Ruled-Line Painting) など、
72ページ。


 英文序文は2ページ、英文出品リストあり。他は中国語。
 出品作は台北故宮博物院の所蔵品。


 板倉論文の註1に挙げられていたのが;

Anita Chung, Drawing Boundaries. Architectural Images in Qing China, University of Hawai'i Press, Honolulu, 2004
『境界を引く 清朝の中国における建築的イメージ』
序/〈界画 Jiehua〉の伝統/清帝国の領土:宮廷の表象Ⅰ/理想化された図式:宮廷の表象Ⅱ/動く庭園:揚州の表象Ⅰ/歴史と神話を伝える:揚州の表象Ⅱ/結論など、
222ページ。

………………………

 〈界画〉とは異なりますが;

武田雅哉、『跳べ!大清帝国 近代中国の幻想科学』(リブログラフィクス)、リブロポート、1988、pp.33-38:「第2章 東と西の(ひかり)(かげ)」中の「電線交響曲」の節

 同じ著者による→こちらも参照:「中国」の頁の「i. 概説、通史など

 絵ではありませんが、中国の建築に関わってとても面白かったのが;

『中国古代の建築とくらし 茂木計一郎コレクション』展図録、愛知県陶磁資料館、2008
家型明器と画像磚に見る中国古代のくらし(茂木計一郎)/黄泉の暮らしと住まい - 明器陶屋の世界(田中淡)/中国古代文明における漢という時代(鶴間和幸)//
図版//
中国古代の陶製明器(森達也)など、
120ページ。


 対応すると見なしてよいのでしょうか;

三輪嘉六・宮本長二郎、『家形はにわ 日本の美術 No.348』、至文堂、1995.5
口絵//
考古学としての家形埴輪(三輪嘉六) 家形埴輪の基本;はじめに/考古学に見る家資料/家形埴輪の初見/家形埴輪の形態/堅魚木をもつ家形埴輪//
  家形埴輪の配置;家形埴輪研究への出発/初現期の展開/多数の家形埴輪/さまざまな古墳の家形埴輪/埴輪祭式場の変化/東国への波及/家形埴輪の祭式//
建築史としての家形埴輪(宮本長二郎)家形埴輪前史/建築形式と変遷/豪族居館の構成/カコミ 高床建築と高床埴輪家/建築規模の表現/柱形と大壁形/棟持柱と梁/桁と棟木/斗束/大棟/カコミ 家形埴輪のプロポーション/棟飾り/カコミ 弥生・古墳時代の扉構え/埴輪の終焉と新様式//
特別寄稿 家形埴輪の製作技法について(青柳泰介)//
家形埴輪一覧表など、
98ページ。


『古墳時代の建物 令和4年度 はにわ館特別展』図録、松阪市文化財センター、2022
竪穴住居と堀立柱建物;床面中央に「炉」をもつ竪穴住居/建物内に「竈」をもつ竪穴住居/出土遺物から知る「竈」の構造/堀立柱建物//
埴輪からみた古墳時代の建物;寄棟造の建物/」切妻造の建物/入母屋造の建物/首長墓の家形埴輪にみる建物/特殊な建物? 堀で囲まれた切妻造の家//
建築部材からみた古墳時代の建物;六大A遺跡でみつかった建築部材/柱材/扉口装置/壁材・床材//
まとめにかえて//
特別寄稿 「古墳時代の建物を探る」(穂積裕昌)//
参考文献など、
38ページ。


『家形埴輪の世界 令和6年度春季特別展』図録、橿原考古学研究所附属博物館、2024
概説 家形埴輪の世界//
展示関連地図//
プロローグ 家形埴輪の研究史/宮山古墳の家形埴輪/家形埴輪の展開/エピローグ 家形埴輪の特質//
参考資料/参考文献/あとがきなど、
88ページ。

………………………
 こちらも街景図・建築画の宝庫だったりします;

『異国絵の冒険 近世日本美術に見る情報と幻想』展図録、神戸市立博物館、2001
「異国絵の冒険」とは何か(塚原晃)//
図版と解説 世界の国々と人々//
  異国としてのアジア;故事・物語と異国/南蛮と韃靼/中国と欧羅巴の融合/天竺のイメージ/近隣の異国・異域//
  描かれたヨーロッパ世界;富貴なる異国/理想の異国/流布される異国/戦乱の異国/膨張する異国//
  工芸意匠としての異国;ヨーロッパからの注文によるヨーロッパ風景/ヨーロッパ人とヨーロッパ風景//
桃山時代の異国絵(成澤勝嗣)/描かれたオランダ(岡泰正)/江戸時代の海外情報と異国絵(勝盛典子)/楽園から修羅場へ(塚原晃)など、
162ページ。


 となると

岡泰正、『めがね絵新考 浮世絵師たちがのぞいた西洋』、筑摩書房、1992
のぞき眼鏡への旅/17世紀オランダ風景画と広重/パースペクティブとの出会い/浮絵の誕生 - ニュータイプの浮世絵/のぞき眼鏡とは何か/応挙の眼鏡絵-風景の革新/西洋製風景銅版画の輸入と浸透/眼鏡絵と自然主義/冬のオランダにて/浮世絵の中の投影//
屋上ののぞき眼鏡 - あとがきにかえて//
ヨーロッパの眼鏡絵資料 - C.J.カルデンバッハ氏の論考について/ヨーロッパにおける眼鏡絵について(C.J.カルデンバッハ)など、
280ページ。


岸文和、『江戸の遠近法 浮絵の視覚』、勁草書房、1994
序章 元文4年(1739)のヘッドライン・ニュース/延享2年(1745)のパースペクティヴ -奥村政信「大浮絵」をめぐって -/〈第一世代〉の「浮絵歌舞伎芝居絵」 - 室内空間を見る眼差し -/明和4年(1767)のスナップ・シ ョット - 歌川豊春の「浮絵歌舞伎芝居図」 -/「浮絵新吉原大門口図」の軌跡 - 屋外空間を見る眼差し -/明和7年(1770)のランドスケープ - 〈第二世代〉の「浮絵新吉原大門口図」 -/浮絵の視覚 - はけ先の間から透かして見れば -/終章 寛政7年(1795)のアート・ギャラリーなど、
296ページ。


佐藤守弘、「都市とその表象 - 視覚文化としての江戸泥絵 -」、『美學』、vol.51 no.2、2000.9.30、pp.37-48[ < CiNii Articles

 遡って;

千野香織・西和夫、『フィクションとしての絵画 - 美術史の眼 建築史の眼』、ぺりかん社、1991/97
豊国祭礼図屛風;フィクションとしての絵画 - 熱狂を創造する 美術史から/にぎやかさの演出 - 見えないものを描く//
信貴山縁起絵巻;絵画の中の時間 - 複数の同一人物を描く 美術史から/空を飛ぶ倉 - 斬新な発想とすぐれた表現力 建築史から//
江戸城障壁画下絵;循環する絵画 - 障壁画の構想 美術史から/江戸城を飾った障壁画 - 起絵図で検討した内部空間 建築史から//
近江名所図屛風;志賀唐崎の一つ松 - 名所絵を読む 美術史から/白鬚神社と沖の島 - 絵師は何を描きたかったか 建築史から//
融通念仏縁起絵巻;絵師の作為を読む - 出産は公開されていたか 美術史から/建築内部の表現手法 - 不要なものを省略する 建築史から//
扇面法華経;見られる女と見る男 - 恋の構図としての垣間見 美術史から/扇面に描く曲がった空間 - 無意識のうちの約束事 建築史から//
五街道分間延絵図;移り変わる景観 - 絵の中の道を歩く 美術史から/富士を描くのを我慢する - 景観表現の隠れた工夫 建築史から//
十界図屛風;きらめく雲 - 料紙装飾と絵画 美術史から/描かれた寺は当麻寺か - 描写分析の限界 建築史から//
日高川草子絵巻;追跡と変身の物語 - 絵巻を見る楽しみ 美術史から/般若の面と女性の顔 - 絵師は何をイメージしたか 建築史から//
源氏物語絵巻;複数の情景を合成する - 物語と絵画 美術史から/吹抜屋台の手法 - 大胆な、そしてすぐれた空間表現 建築史から//
春日宮曼荼羅;神々の山 - 風景を荘厳する 美術史から/自由に空を飛ぶ絵師 - 鳥瞰図は普通の表現 建築史から//
伊勢物語図色紙;絵を見る喜び - 作品の「良さ」を言葉で語る 美術史から/演出家としての絵師 - 王朝風雰囲気の道具立て 建築史から//
おわりに - 著者それぞれの後書きなど、
236ページ。


『中世の館と都市 ミクロの空間から 歴史を読みなおす 7』(朝日百科 日本の歴史別冊 6)、朝日新聞社、1994.3
館の空間を読む;中世の(たち) 武士の館を中心に(五味文彦)/会所と草庵 都市の「奥」(伊藤毅)/酒宴の空間 政治を担う場(久留島典子)/能の空間 屋根のある舞台(松岡心平)//
都市の空間を読む;絵巻のなかの都市 鎌倉・京(五味文彦)/堂と広場の風景 中世都市・奈良にみる(安田次郎)/市に都市をみる(桜井英治)//
コラム;京中巷所 公から私の空間へ(高橋敏子)/京都図を読む 平安京図から何がわかるか(上杉和彦)など、
72ページ。


小泉和子・玉井哲雄・黒田日出男編、『絵巻物の建築を読む』、東京大学出版会、1996
まえがき(玉井哲雄)//
Ⅰ;貴族住宅(川本重雄)/中門廊と出入口の構成(同)/町屋(高橋康夫)/網代壁・板壁・土壁 町屋のイメージの変貌(黒田日出男)/武家住宅(玉井哲雄)/煙出と釜殿(保立道久)/庶民住宅 堂と小屋の観点から(宮澤智士)//
Ⅱ;絵巻物にみる中世住宅の寝場所(小泉和子)/殿上の椅子と小蔀(保立道久)/脇息と寄懸り クッションの登場(黒田日出男)//
Ⅲ;絵巻物の建築図は信頼できるか 『一遍上人絵伝』の寺院・神社図を通して考える(藤井恵介)/記号としての竹の縁と柱(小泉和子)/絵巻物の住宅を考古学発掘史料から見る(玉井哲雄)など、
300ページ。


『週刊 絵で知る日本史 22 築城図屛風・城絵図』(集英社ウィークリー・コレクション)、集英社、2011.4.7
築城図屛風と徳川天下普請/この屛風に描かれていると思われるコト・モノ・ヒト/本号の主役たち//
築城図屛風(全図)//
築城を命ぜられた主な大名//
背景 天下普請と大名たちの対応/連載 築城図を読む 22(高橋修)//
築城の再現;城造りは巨石運搬から/築城工事に従事する人々の熱気/本丸と武士たちの姿 大名たちの台所事情/城普請に沸き立つ城下と町人//
連載 歴史烈伝 22 伊達政宗 政宗雑話(東郷隆)/政宗の建てた 仙台城//
コレクション 特集 日本の城郭;城絵図篇/屛風絵篇/古写真篇//
エピローグ・歴史は動く 幕府創立期の外様大名たち/コラム 武将の名言//
歴史探訪 眼で見て歩く 日本の城/家紋コレクション 家紋のヴァリエーション/Museum Informaton 名古屋市博物館など、
36ページ。


 →こちらに《築城図屛風》の頁
 また→そちらで触れました:「怪奇城の図面」の頁や、また「怪奇城の肖像(前篇)」の頁


竹井英文・中澤克昭・新谷和之「編」、『描かれた中世城郭 城絵図・屏風・絵巻物』、吉川弘文館、2023
はじめに(竹井英文)//
鎌倉・南北朝期(中澤克昭)粉河寺縁起/平治物語絵詞/一遍聖絵/蒙古襲来絵詞/男衾三郎絵詞/法然上人絵伝/矢田地蔵縁起/六道絵/聖徳太子絵伝/後三年合戦絵詞/大山寺縁起絵巻/秋夜長物語絵巻/笠置寺縁起絵巻//
室町・戦国期(新谷和之)十二類絵巻/結城合戦絵詞/大乗院寺社雑事記/天橋立図/九世戸龍燈図扇面/築城記/真如堂縁起絵巻/洛中洛外図屏風(歴博甲本)/洛中洛外図屏風(東博模本)/洛中洛外図屏風(上杉本)/釈迦堂春景図/清水寺参詣曼荼羅/八坂法観寺塔参詣曼荼羅/成相寺参詣曼荼羅//
織豊期(竹井英文)辺春和仁仕寄陣取図/小田原陣之時海道筋諸城守衛図/小田原陣之時喜瀬川陣取図/小田原陣之時韮山城仕寄陣取図/小田原陣仕寄陣取図(1)/小田原陣仕寄陣取図(2)/小田原陣仕寄陣取図(3)/聚楽第図屏風/肥前名護屋城図屏風/越後国瀬波郡絵図/越後国頸城郡絵図/付録・翻刻図など、
144ページ。

………………………

 イスラームにおける建築図のほんの一端について;

桝屋友子、『イスラームの写本絵画』、名古屋大学出版会、2014

 中の
「第Ⅱ部 イスラーム写本絵画鑑賞」の「第2章 場所と時間 - 場面設定の工夫」の内「3 室内場面の設定」より、pp.96-100:「(2) 建物の間取りの表現」および図版42-44など、
 また第Ⅱ部「第4章 巻頭口絵の意義」より、pp.129-136:「1 現存最古のイスラーム写本絵画 - サヌアー大モスクのクルアーン写本口絵」および図版82-83など
 (→こちらも参照:「寄木細工、透視画法、マッツォッキオ、留守模様 - 幻想絵画の周辺(仮)より」の頁の「〈冊架図〉、〈界画〉、イスラーム写本絵画より、ドナテッロ」)。


 全体の目次は;
はじめに//
イスラーム絵画の基礎知識 イスラーム地域における絵画;クルアーンと造形芸術/発達した絵画の種類//
  イスラーム地域における写本;写本とは?/写本制作のための素材/写本の制作/写本の構成//
  イスラーム地域の写本絵画 - 書物と略史;クルアーン写本/アラビア語文化圏の挿絵入り写本/ペルシア語文化圏の挿絵入り写本//
イスラーム写本絵画鑑賞 画面の構成 - 写本絵画の枠組み;「立面図画面」の構成/「立面図画面」と「並列画面」/「立面図画面」から「俯瞰図画面」へ/「俯瞰図画面」の構図//
  場所と時間 - 場面設定の工夫;写本挿絵そのものの設定/屋外場面の設定/室内場面の設定/空の表現と時間の設定/光と火//
  枠のはみ出しと細部表現 - 叙述をどう絵画化するか;萌芽期:13~14世紀前半/ジャラーイル朝絵画における確立:14世紀後半/ティムール朝時代における発展:15世紀/トゥルクマーン王朝下での表現:15世紀末/サファヴィー朝時代における定型化:16世紀//
  巻頭口絵の意義;現存最古のイスラーム写本絵画 - サヌアー大モスクのクルアーン写本口絵/写本口絵としての著者肖像画/君主、王族の肖像画と写本口絵/著者像か君主像か?//
  イル・ハーン朝写本絵画における革新;イル・ハーン朝の歴史的背景とタフテ・ソレイマーン/『動物の効用』写本(モーガン図書館、M. 500)/『歴史集成』写本における中国史の挿絵(ナーセル・D・ハリーリー・コレクション、MSS 727)など、
256ページ+カラー図版118ページ。

………………………

『建築のフィギュア プライベート・プロダクツ』(INAX BOOKLET)、INAX出版、2004
建築のフィギュア/ペーター・フリッツのスペシャル・モデル/糸崎公朗の写真+模型=フォトモ/坂啓典の世界遺産ペーパークラフト/伝えたい自国の風景/藤沢みのるの無彩色セラミック・ミニチュア//
建築のフィギュア(小山明)など、
72ページ。


松本文夫編、『MODELS 建築模型の博物都市』、東京大学出版会、2010
大学博物館と新たな実験展示・オープンラボ(林良博)/「幻想美術館(ミュゼ・イマジネール)」建築編の試み(西野嘉章)/つくるモデル、考えるモデル(松本文夫)//
建築の模型 1//
思考の模型;イデアのミュージアム(セルジオ・カラトローニ)/人をつくる建築 - 「屋根の家」から「ふじようちえん」へ(手塚貴晴)/現在に接続する未来(大野秀敏)/
Space Archives - ミュージアムの記憶と保存(洪恒夫)/動くものの意匠-鉄道車輌と動物と(遠藤秀紀)/モデル(ヨコミゾマコト)/貝の建築学(佐々木猛智)/篠原一男論(大松俊紀)/そこにしかない形式(千葉学)/思考モデルとしての博物館と専門メディアの比較-器と枠組みの関係として考える(橋本純)/箱の家 エコハウスを目指して(難波和彦)/太陽系の博物学-天体と形態と表面構造(宮本英昭)/時間の中の「かたち」・時間の中の「デザイン」(岸田省吾)/スマートマテリアルから建築へ(脇田玲)/都市の公共空間と創造性(伊藤香織)//
建築の模型 2//
オープンラボ-創造再生の現場(松本文夫)//
建築の模型 3 など、
296ページ。


 →こちらでも挙げました:「怪奇城の図面」の頁

橋爪紳也、遠藤秀平、『みんなの建築ミニチュア 子供も大人も楽しめる 世界の建造物1000』、芸術新聞社、2017
It's a Small World - みんなの建築ミニチュア -(橋爪)//
ヨーロッパ/北米 中米 南米/アジア/アフリカ オセアニア/日本//
コラム、ミニコラム/関連の建築ミニチュア展覧会
あとがきにかえて ”建築ミニチュア道”宣言(橋爪)など、
150ページ。


 pp.146-147の「関連の建築ミニチュア展覧会」に挙げられたものの後、大阪府立中之島図書館(本館2階 レンタルスペース1)で開催された『みんなの建築ミニチュア展』(2018/7/2-8/30)を見にいって本書を知ったのでした。
 橋爪紳也による→こちらを参照:「怪奇城の外濠」の頁の「v. ゴシック・ロマンス、その他


Henry A. Millon, "Models in Renaissance Architecture", Edited by Henry A. Millon, Italian Renaissance Architecture. From Brunelleschi to Michelangelo, Thames and Hudson, London, 1994/1996, pp.18-73

 →こちら(「怪奇城の図面」の頁)や、同じ頁の→そちらでも触れました

viii. もろもろ(1)

 階段については→「階段で怪談を」(1998)の註や追記等に挙げた文献も参照ください。
 迷宮について→「迷宮など」 < 「図像、図形、色彩、音楽、建築など」 < 宇宙論の歴史、孫引きガイド
 また少しずれるかもしれませんが、鏡について→「マネ作《フォリー・ベルジェールのバー》と絵の中の鏡」(1986)のやはり註9や参考文献追補参照。
 

いろいろなど(1)
廊下など 
塔など
庭園など
グロッタ(グロット)など
劇場と舞台装置など
地下など 
橋など 
建築と写真など 
背景用資料集その他 

 いろいろなど(1);

海野弘、『空間の神話学 玩具・庭園・劇場』、造形社、1971
日本的空間その光と闇 - 原点からの出発 -/スーパーマナリズム/グランド・イリュージョン - だまし絵の空間-/迷宮と迷路/人工庭園 - バロックとオープン・スペース -/玩具の社会学 - ロボットとマヌカン -地図と世界 - 距離空間論 -/世界劇場 - シェイクスピアの舞台 -/幻影劇場 - マニエリスムのからくり舞台 -/バレエ・リュス - 荒々しき魔術 -/光・音・肉体 - 構成主義の舞台 -/都市と森 - 〈建築〉をこえて - など、
216ページ。


海野弘、『部屋の宇宙誌 インテリアの旅』、TBSブリタニカ、1983
部屋の宇宙誌;暖炉/天井/怪獣家具/カーテン/時計/戸棚/チャイニーズ・ルーム/バルコニー/書き物机/家具の秘密/マルケットリ/椅子の背中/部屋の死、死の部屋//
部屋の空間史;マニエリスムの部屋/貝殻と僧侶/バロックの図書館/三つの時代を読む ゴシックの表現、マニエリスム、バロック芸術とインテリア/ロココの歓楽と憂愁//
インテリアの旅;八百屋の宇宙・骨董屋の宇宙/
  部屋をめぐる断想 ジス・イズ・ア〈部屋〉/スペイン風の部屋/カントリーの部屋/ベッドのある部屋/森の中の部屋/鏡のある部屋/ロイヤル・ルーム/タンクに浮かぶ/走る部屋/エラリー・クイーンの家/廊下の迷路/ヴィスコンティの部屋など、
304ページ。


 下線を引いた節のリンク先の他、→こちら(「戸棚、三角棚、鳥籠、他 - 怪奇城の調度より」の頁)や、→そちら(「怪奇城の隠し通路」の頁)で挙げました。
 同じ著者による→こちらの2(『書斎の文化史』他:「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「おまけ」)や、
 そちらの2(『空間のフォークロア』と『魅せられし空間』:本頁下掲「劇場と舞台装置など」)、
またあちら(『都市とスペクタクル』:同)、
 ここ(「ルシファーの夜」:「バロックなど(17世紀)」の頁の「ミルトン」の項)を参照。
 そこでも触れました(『地下都市への旅』中の「空間のフォークロア」:『恐怖の足跡』(1962)の頁中)。
また→あそこ(『366日 絵のなかの部屋をめぐる旅』、2021:本頁上掲「vii. 建築画、街景図、紙上建築など」)、
 こなた:「ロメーン・ブルックス」(1992):「怪奇城の画廊(中篇)」

追補(2023/05/08):海野弘氏の訃報をウェブ上で目にしました。1939年7月10日生まれで、2023年4月5日に逝去、享年83歳とのことです。良い読者だったとはいえないのですが、すぐ上でサイト内リンクをあちこちに散らばらせたように、 何やかやと参考にさせてもらいました。今のところまだ挙げていない『装飾空間論 かたちの始源への旅』(美術出版社、1973)もとても栄養豊富でした。記して追悼に代えたいと思います。

横山正、『透視画法の眼 ルネサンス・イタリアと日本の空間』、相模書房、1977
階段/門/機能/理想都市/二重らせん/楕円幻想/軸線/城砦都市/劇場/無限への出発/透視画法の眼/虚構のまち/本と建築//
泉と洞窟/布置の建築 W.ブラウンフェルス『西ヨーロッパの修道院建築』を読んで/城砦の構想/レオナルドのノオト//
都市のデザイン/アルプスの南/塔の思想 マグダ・レヴェツ・アレクサンダー『塔の思想』を読んで/風土と建築/日本の空間//
形態と素材のあいだ/方形の空間/あそびの把握/ものが本当に「もの」であるとき 草森紳一『江戸のデザイン』を読んで/墓の造形 嶋岡晨『死者たちの語る場所』を読んで/傍国の可怜国/住宅の空間/建築と都市のあいだなど、
274ページ。


 同じ著者による→こちらも参照:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「ii. 図形など

ロバート・ハービソン、浜田邦裕訳、『建築と非建築のはざまで』(SDライブラリー 20)、鹿島出版会、1995
原著は Robert Harbison, The Built, the Unbuilt and the Unbuildable. In Pursuit of Architectural Meaning, 1991
序文/庭園/モニュメント/要塞と理想都市/廃墟絵画/アンビルダブルなど、
208ページ。


近藤豊、『古建築の細部意匠』、大河出版、1967/1972
口絵;移り変わる法隆寺制院前の景観/法隆寺金堂の三態/平等院鳳凰堂の三態/鹿苑寺金閣三態/平等院鳳凰堂中堂の外観と構造/木造多層塔の内部構造//
序言//
日本建築のながれ/日本建築の性格/伽藍配置/金堂(本堂)・仏殿/方丈・客殿・書院/塔(塔婆)/門/基壇と礎石//斗栱/蟇股/笈形および間斗束の装飾/木鼻/手挟/虹梁/天井/屋根/軒まわり/妻飾/懸魚/鵄尾・鬼瓦など/露盤宝珠・相輪/窓/扉/欄間/高欄/須弥壇/格狭間/金具(金物)/平面的装飾文様/神社の本殿/鳥居など、
296ページ。


 →こちら(「拳葉飾りとアーチ - 怪奇城の意匠より」の頁)や、またそちら(「四角錐と四つの球 - 怪奇城の意匠より」の頁)でも触れました。

『日本の美学』、no.16、1991.3、pp.4-205:「特集 空間 - 日本人の空間意識」
洋風画の空間表現(成瀬不二雄)/生と死の祭祀空間(村武精一)/茶室空間の特異性(熊倉功夫)/日本庭園の空間 - 「自然と人間」、「景観と時間」の合一化(進士五十八)/座談会 日本文化の空間(河竹登志夫、高階秀爾、鈴木博之)/日本の仏教彫刻とその空間(水野敬三郎)/日本の劇場空間 空間の生成と変容に関するノート(清水裕之)/辻の風景 空間論のためのノート(守谷毅)/物語文学のまなざしと空間 源氏物語の〈かいま見〉(高橋享)/空間としての間(橋本典子)/舞台造りの空間 パフォーマンスの建築(ナディム・カラム)

志賀洋子、『坂の迷宮』、日本経済新聞社、1997
序章 空間としての坂/化かされる空間/神話の坂/平安京の坂/鎌倉の坂/江戸の坂/坂の棲み分け/江戸の神社と坂/坂の風景など、
214ページ。


日本建築学会編、『空間体験 世界の建築・都市デザイン』、井上書院、1998
表層/光と風/水と緑/街路/中庭/塔/シークエンス/架構/浮遊/集落/群/再生/虚構/建築・都市空間の見方に影響を与えた人々など、
344ページ。


日本建築学会編、『空間演出 世界の建築・都市デザイン』、井上書院、2000
対称/シンメトリー/対比/コントラスト/連続/リズム/転換/コンバート/系統/ネットワーク/継起/シークエンス/複合/コンプレックス/重層/レイヤー/領域/テリトリー/内包/コノテイション/表層/サーフェイス/異相/ディフォーム/空間ボキャブラリーなど、
266ページ。


日本建築学会編、『空間要素 世界の建築・都市デザイン』、井上書院、2003
柱/壁・塀・垣/窓/門・扉/屋根/天井/床/階段・スロープ/縁側・テラス/都市の装置/建築の装置/仮説の装置など、
256ページ。


 →こちら(『影なき淫獣』(1973)の頁)で、またそちら(「四角錐と四つの球 - 怪奇城の意匠より」の頁)で少し触れました
………………………

 廊下など;

井上充夫、「廊について - 日本建築の空間的発展における一契機 -」、『日本建築学会論文報告集』、no.54、1956.10.5、pp.793-796[ < J-STAGE

 →「怪奇城の廊下」の頁で少し引きました
 同じ著者による

井上充夫、『日本建築の空間』(SD選書 37)、鹿島出版会、1969

 ではまず、第Ⅱ章2 で上の論文を踏まえて、古代における〈廊〉の用例を挙げた上で(pp.61-63)、古代(飛鳥・白鳳時代ころ)の寺社における〈回廊〉が〈垣根〉であることが述べられます(pp.63-73)。また pp.133-134(第Ⅲ章2)で平安時代の寝殿造りにおける〈中門廊〉、pp.204-215 で中世・近世の住宅におけるその展開(第Ⅳ章4)、続いて宗教建築でそれに対応する〈権現造り〉について記す中で(pp.215-220)、

「『廊下』という言葉が禅宗寺院より出たと考えられる」

 ことに触れています(p.217)。

「どの場合も、たくさんの建物を連絡する通路という性格が強い。このような、通路を意味する『廊下』の語が、禅宗寺院から出て一般に普及し、次第に『渡殿』や『渡廊』といれかわり、ついにこれらを駆逐して現在に至ったものと思われる」(p.218)。


 同書の目次を挙げておくと;

序章 - 空間よりも実体;/人と神の同居//
彫塑的構成;主体の占有空間/垣根としての回廊/門の機能/汎神的世界観//
絵画的構成;客体のための中庭/正面性の発生/鳳凰堂式プラン/二元的世界観//
内部空間の発展;内部空間発展の要素/客体のための内部空間/複合内部空間/内部空間の自律/空の思想//
幾何学的空間より行動的空間へ;幾何学的空間と行動的空間/幾何学的空間の崩壊と行動の表現/屈折と旋回/流動的世界観など、
296ページ。

野地 修左、多淵 敏樹、「平安時代後期における渡殿と『廊』の用について」、『日本建築学会論文報告集』、第60号、1958.10、pp.585-588 [ < J-STAGE ]

 →「怪奇城の廊下」の頁で少し引きました

草森紳一、『オフィス空間 サラリーマンの場所と生理』、鹿島出版会、1979、pp.199-206:「18 廊下……噛みしめる道」

 他の内容は;
受付……「心のない」応対のヒューマニティ/タイムレコーダー……束縛の礼儀/エレベーター……気まずい箱/ドア……抑圧の出入口/机……その功罪とその仕組み/椅子と姿勢……猫背の言い分/電話……なまぐさい景色/制服……性悪女と意地っ張り男/ファイリング・システム……盲腸も腸である/窓……はめ殺し/湯沸室……寛ぎの水飢饉/トイレ……〈私〉の棄て場/社員食堂……スチュワデスとカツ丼/屋上……賑やかな声/ロビー……公私混同の憩い/名刺……名実論を吹く風/重役室……その権威空間と私的空間について/フランク・ロイド・ライトの超高層オフィス……猿と馬鹿のいる丘など、
230ページ。

海野弘、『部屋の宇宙誌 インテリアの旅』、1983、pp.295-297:「廊下の迷路」

神代雄一郎、「日本建築の空間」(1989)、『間(ま)・日本建築の意匠』(SD選書 235)、鹿島出版会、1999、pp.46-51:「つなぐ - 廊・渡殿」/pp.66-69:「馬道(めどう)」/pp.70-73:「廊橋・亭橋」/pp.74-77:「禅宗伽藍と廊」など

 全体の目次は;
まえがき(平良敬一)//
日本建築の空間(1989)日本人の空間意識 -
()/原初的な時間と空間/建築基本空間の拡大/空間の水平的な結合・展開/垂直方向の空間意識/長大な時空間の交叉/非対称の空間構成へ/不整形な複合空間/内部と外部、建築と風景//
九間論(ここのまろん) - 農耕集落の核から現代の住居単位まで(1969)『利休の茶室』から/帖と坪、
(けん)()/九間の全盛/主座敷の典型/能と蹴鞠(けまり)/天主と軍船/伊勢・出雲・大嘗宮/規準・単位と伝統/農耕集落の核へ/大嘗祭(おおにえのまつり)/悠紀殿・主基殿と廻立殿/神殿と宮殿 - 柱と()/一辺三(げん)の姿/国見と古墳、仮屋と殯宮//
あとがき(松﨑照明)など、
206ページ。


寺島良安、島田勇雄・竹島淳夫・樋口元巳訳注、『和漢三才図絵 14』、1989、「巻第八十一 家宅類」の巻の p..263:「廊下(ほそどの)

藤田勝也、「院政期後半における住居観の変容 - 透渡殿をめぐって -」、『日本建築学会計画系論文集』、第482号、1996.4、pp.191-198 [ < J-STAGE ]

鈴木賢一、「第Ⅱ部 第3章 小学校の廊下の多様化と融合 建築空間のプランニングに関する考察」、『芸術工学への誘い』、巻1、1997.2.28、pp.145-165 [ < 名古屋市立大学 学術機関リポジトリ
Permalink : http://id.nii.ac.jp/1124/00002480/

高木真人、仙田満、「古典文学にみられる廊的空間に関する研究 廊・渡殿・縁における行為を中心として」、『日本建築学会計画系論文集』、第514号、1998.12、pp.263-268 [ < J-STAGE ]

 →「怪奇城の廊下」の頁で少し触れました

藤田盟児、「日本の住宅建築における空間的発展 - 日本文化の空間原理の研究 その1 -」、『名古屋造形芸術大学名古屋造形芸術短期大学紀要』、no.6、2000、pp.45-66 [ < 名古屋造形大学機関リポジトリ

山本真由美、「廊下と階段の変奏 『三四郎』・『草枕』・『明暗』」、『實踐國文學』、no.74、2008.10、pp.41-59[ < 実践女子大学学術機関リポジトリ

 →こちら(「階段で怪談を」の頁の「文献等追補」)、またそちら(「怪奇城の廊下」の頁)でも挙げました

福永素久、「近世城郭における『廊下橋』考 ~ 城郭史研究の視点から見る、本丸・天守へ続く不思議な橋 ~」、『史学論叢』、no.41、2011.3、pp.67-92 [ < 別府大学 機関リポジトリ

 →こちら(「怪奇城の外濠」の頁の「iv. 城など」の項)と、そちら(本頁下掲の「橋など」の項)にも挙げておきます

髙木真人、「中国庭園にみられる多様な廊とその役割」、井戸美里編、『東アジアの庭園表象と建築・美術』、2019、pp.21-43
縁側と廊/網師園にみる中国庭園の空間構成/『園治』における「廊」/中国庭園における廊の形態/中国庭園におけるさまざまな造園手法と廊の関係/中国庭園における多様な廊とその役割

 →こちら(「怪奇城の廊下」)で少し触れました
………

竹内裕二、『イタリア修道院の回廊空間 造形とデザインの宝庫 ロマネスク、ルネサンス、バロックの回廊空間』、彩流社、2011
中世回廊空間の出現に至るまで/初期中世からロマネスクのイタリア回廊空間/イタリアのシトー会回廊空間/13c~17cのイタリア回廊空間など、
300ページ。

 同じ著者による→こちらを参照:「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「路地その他」の項


峰岸隆、『日本の回廊、西洋の回廊 美と祈りの空間』、鹿島出版会、2015
寺院・神社の回廊;序 日本の回廊空間とその誕生//
  寺院における回廊;「囲む回廊」《古代平地寺院》/「迎える回廊」《浄土系寺院》/「巡る回廊」《禅系寺院》//
  神社における回廊;社殿配置と回廊 - 垣からの変化/回廊の形 - 信仰形態と地域性/「仕切る回廊 - 神社建築の特徴/特殊な構成をもつ美の回廊//
  日本型回廊の特徴と意味//
  日本型回廊と現代建築;仮説「回廊=ピロティ」という構造/現代建築における回廊の展開//
修道院・モスクの回廊;序 西洋・中東の回廊空間とその源流//
  修道院における回廊;各修道会の戒律と建築形態/回廊と聖堂と諸室の構成/聖堂と回廊のプロポーション/「求道する回廊」 - ベネディクト型修道院の特徴//
  モスクにおける回廊;礼拝室と回廊における平面形の変化/礼拝室と回廊の空間特性/モスクの宗教的空間構成/「被膜する構造」 - 古典型モスクの特徴//
  修道院・モスクにみる回廊の特徴//
  修道院・モスクの回廊から現代建築へ;巨匠における宗教建築と回廊/日本における西洋型回廊の展開//
結語 「異質性」と「同質性」など、
336ページ。


 写真集;

鈴木恂、『回廊 KAIRO』、中央公論美術出版、2004
266ページ。

 →こちらで少し触れました:「怪奇城の廊下」の頁
………

 また、

浜本隆志、『「窓」の思想史 日本とヨーロッパの建築表象論』(筑摩選書 0027)、筑摩書房、2011

 の内
「第4章 ヨーロッパの閉鎖性と日本の開放性」より pp.107-113;「1 『廊下の発明』と個室の成立」など

 別の箇所を→こちらで挙げました:「バルコニー、ヴェランダなど - 怪奇城の高い所(補遺)」の頁


 上の本の参考文献で見かけたのが;

青木正夫・岡俊江・鈴木義弘、『中廊下の住宅 明治大正昭和の暮らしを間取りに読む』(住まい学体系 102)、住まいの図書館出版局、2009
はじめに/研究の方法について//
日本住宅近代化の端緒 座敷直入型住宅の誕生/中廊下型住宅の生成/中廊下型住宅批判/西洋住宅の模倣/折衷式住宅の発展 居間中心型住宅の創出/停滞の時代/戦後の住様式論//
論文再録・座談会再録;建築計画学の理念と方法(青木正夫、1978)/計画学の揺籃期から現代を考える(青木正夫・広原盛明・重村力・藤森照信・糸長浩司、1998)//
栞・Appendix;青木正夫が教えてくれたもの(鈴木成文・岡俊江・鈴木義弘・植田実)など、
294ページ。


 少し遡って;

柏木博、『「しきり」の文化論』(講談社現代新書 1719)、講談社、2004、pp.218-232:「中廊下式間取りの提案」
「改良」「改善」「改造」へと向かう動き/和洋折衷と和洋両様式/プライバシーと個室の提案

 本全体の目次は;

しきるということ;自己と非自己/アイデンティティ/自己と他者/しきるという思考/空間的しきりと時間的しきり/社会的しきり//
しきられる世界;聖と俗/日常と非日常/集団によるしきり//
生活の中のしきり;住まいのしきり(遮断)の装置/汚れのしきり/私用と共用によるしきり//
しきりの提案;ミース・ファン・デル・ローエによるしきり/中廊下式間取りの提案/50、60年代のモダンリビングの提案/オフィス空間など、
282ページ。


 →こちらでも挙げています:「ギュスターヴ・モロー研究序説」(1985)の頁の「Ⅰ.4. 柱」の補註
 同じ著者による→そちらを参照:「怪奇城の外濠」の頁の「v. ゴシック・ロマンス、その他

申貞仁、「私的ナカロウカ論 シリーズ 私の見た日本 Vol.154」(COLUMN)、pp.42-43(『近代建築』、2016.2?) [ < 近代建築
………

嶋崎礼、「中世における壁内通路とその空間性に関する研究 その天井部の構造の類型的把握から」、『日本建築学会計画系論文集』、第80巻 第716号、2015.10、pp.2347-2354 [ < J-STAGE
DOI : https://doi.org/10.3130/aija.80.2347

 こちらで触れました:「怪奇城の隠し通路」の頁の「隠し扉とからくり

嶋崎礼、「ゴシック教会堂建築におけるトリフォリウムの建設工事終了後の使用法 フランスを中心とした事例の痕跡調査と図像史料分析からの推定」、『日本建築学会計画系論文集』、第85巻 第771号、2020.5、pp.1105-1111 [ < J-STAGE ]
DOI : https://doi.org/10.3130/aija.85.1105

嶋崎礼、「ゴシック建築のトリフォリウム通路とピアの関係性、『日本建築学会計画系論文集』、第85巻 第771号、2020.5、pp.1113-1119 [ < J-STAGE ]
DOI : https://doi.org/10.3130/aija.85.1113

Aya Shimazaki, "Wall and Muralité: Evolution of Wall Passages and Double Wall Structures from Ancient Greece to Medieval France" [ < Academia.edu

 同じ著者による→こちらを参照:「怪奇城の図面」の頁の「2. 模型、建築図面

 嶋崎礼上掲2015年の論文の注5(p.2351)に、

HÉLIOT, Pierre, "Passages muraux et coursières dans les églises gothiques du Nord-Est de la France médiévale, de la Lorraine et des pays du Rhône moyen," Zeitschrift für schweizerische Archäologie und Kunstgeschichite, XXVII, 1970, pp.21-43
「ロレーヌからローヌ川中流地域の、中世フランス北東部のゴシック教会における、壁内通路と歩廊」

という論文が挙げられています。未見なのですが、ウェブ上で


HÉLIOT, Pierre, "Coursières et passages muraux dans les églises romanes et gothiques de l’Allemagne du Nord," Aachener Kunstblätter, Bd. 41, 1971, pp.211-223 [ < Aachener Kunstblätter ]
DOI : https://doi.org/10.11588/akb.1971.0.34860
「北部ドイツのロマネスクおよびゴシック教会における、歩廊と壁内通路」

という、'passages muraux' 'coursières' (とりあえず「歩廊」と訳しました)の順を入れ替え、'dans les églises' 以降の時代・地域の範囲を代えた題の論文を見ることができました。
 'coursière' の語は手もとの仏和辞書では

 「1 [野山の]近道。 2 =
coursive

となっており、
'coursive' はといえば、

 「[[海]][船内を縦に走る]通路、歩廊」

とありました。
'coursière' 'coursier' の女性形ですが、男性形の方は(2)としてやはり

 「[[海]][船首より船尾に通じる]通路、歩廊」

とのことです。しかし上の論文での使い方からして船だけではあるまいと、検索してみればウェブでの
Larousse の該当頁に(→そちら)、

 「1.壁の厚みの内側を、あるいは張出部内を占める、あるいは列をなす支柱に支えられた、狭い通路(ゴシック式教会のトリフォリウムは、原則として
coursière である)」

と記されています。ちなみに(2)として、

 「要塞の(城壁上)巡視路」

となっていました。

 なお嶋崎礼上掲2020年の論文の注46(p.1110)に挙げられていた論文を→あちらでも挙げました:「怪奇城の画廊(前篇) - 〈ギャラリー〉の空間」の頁
 
………

Mark Jarzombek, "Corridor Spaces", Critical Inquiry, vol.36 no.4, Summer 2010, pp.728-770
「廊下空間」
最初の諸廊下/英国の廊下
Corridoor/暗い廊下/廊下の復帰/廊下的な(エピステーメー)/(ドイツの)廊下 Das Korridor/近代の、換気された廊下/反廊下的運動/廊下的な諸想像物/廊下的な未来

 フランスではもともと、

 「
corridor は両側に部屋があって、スピードと効用を強調するのに対し、gallerie はつねに片側だけに部屋があり、もう一方には窓の列がある。gallerie は庭を眺めるための空間で、後には絵を見たり、会話を愉しんだり、また大切なのは、ゆっくりと移動するべき空間なのだ。18世紀になると、フランス語は corridorcouloir と訳し始めることだろう。後者は排水路やふるいを意味する古い単語で、あきらかにまったく異なる - そして肯定的ではない - 含みをはらんでいた」(p.748)

そうです(以下にメモしたいくつかの点ともども、「怪奇城の廊下」の頁や、「怪奇城の画廊(前篇)」でも触れました)。


 "galerie"の語については、ジャン・メスキ、『ヨーロッパ古城物語』、2007、pp.107-109、また p.4、p.156 も参照
すぐ上に挙げた『中廊下の住宅』からすると、"corridor"は〈中廊下〉にあたるのでしょうか。"galerie"は〈縁側〉と同じでないにしても、対応はするといっていいものかどうか。〈片廊下〉という言い方もあるそうです。
 さらに上掲柏木博、『「しきり」の文化論』、2004、p.167 には、

 「こうした中廊下とは別に、日本では部屋の周りにつける外廊下が伝統的につくられてきた。この外廊下も庭に面しているところは、縁側と同じ機能を持っている」

とありました。つまり〈縁側〉と〈外廊下〉が区別されているわけです。


 Jarzombek 論文に戻れば、廊下が建築的プログラムに統合されるのは、17世紀イタリアのフランチェスコ・ボッロミーニによってとのことですが(p.737)、それ以前の用法で、

 「
corridoio は城や宮殿の内外での秘密の路 secret way として用立てられることもあった。たとえば教皇が有事の際に用いることができるよう、ヴァティカンとサンタンジェロ城に関して建てられたもののように。同じく名高いのは、メディチ家によってフィレンツェに築かれた corridoio だ(1565年)。これはアルノ川の一方にあるピッティ宮ともう一方の岸にあるヴェッキオ宮をつなぐもので、上階の高さに配されているため、通りを横切ってアルノ川橋に沿っていながら、誰も中を覗きこむことができない」

とのことです(pp.732-733)(→こちらでも引きました:「怪奇城の隠し通路」の頁)。

 またこの論文では、動線のシステムとしての〈廊下〉は、

 「使用人の区画における通常の窮屈な通路
passageways 」(p.741)

とは区別されているようです。ちなみにこの節は17世紀末のペットワース・ハウスについて述べた箇所で、

 「当時典型的だったように、人々は部屋から部屋へ、あるいは一並びの戸口
enfilade doorways に沿って動いた」

と続きます。ジョン・カーとロバート・アダムによるヘアウッド・ハウス(1759-71)についても、

 「二つの中庭を巡る通路は、家の所有者たちではなく、使用人たちのみによって通られるべきものだった」(p.745)。


 ちなみに引用中の 'enfilade' (英:エンフィレード、仏:アンフィラード)はトレヴァー・ヨーク、村上リコ訳、『図説 イングランドのお屋敷~カントリー・ハウス~』(2015)では、ウィズドローイング・ルームや寝室など

 「を、館の奥側に一列に並べ、出入り口もそろえて並べるという間取りが流行した。この間取りは縦列(エンフィレード)と呼ばれる」

とありました(p.28)。P.30 には図3.8 として図解されています。ただこの説明は、1660~1720年のバロック様式のカントリー・ハウスに関し、

 「前の時代には部屋から部屋を通り抜けて移動していたところ、廊下ができて、そこから部屋にたどり着けるようになった。廊下はフロアの中央を、家の横幅の端から端まで走っていた。この廊下を、手前側と奥側に並んだ部屋の列でサンドイッチのようにはさむという間取りは、当時よく見られたが、それは外観の左右対称を家の内部にも持ち込んだ結果だった」

という文脈で用いられたものでした(p.28)。
 なお同書 pp.84-85 には「ロング・ギャラリー」の項があります。


 上掲の井上充夫『日本建築の空間』(1969)では、

 「いくつもの室が一直線上に配置され、かつ、それらのあいだの間仕切りには、同じ相対位置に戸口が開かれており、一番端の室から一番奥の室までいちどに見通すことができるようになっている。このような室配置の形式はアンフィラードとよばれ、バロック式宮殿に好んで 採用されたものである」

とありました(p.236、p.238)。


 片木篤、『イギリスのカントリーハウス 建築巡礼 11』、1988、p.58 ではロジャー・プラット(1620-84)が設計したコーレスヒル Coleshill (c.1650- )について、

 「平面は立面にもまして革新的であった。全体の矩形は中廊下と前後二列の部屋に分割されている。逆に部屋の並びが二列、中廊下によって結ばれたともいえよう。…(中略)…中世の住宅には廊下はなく、エリザベス朝・ジェイムズ朝の住宅ではギャラリー等の廊下の萌芽が見られただけであった。ここで初めて住宅の端から端までを横断する中廊下がとられ、その結果部屋の中を通らずとも前後双方の部屋に入ることができるようになり、しかもそれがサービス用階段と組合されることによって、使用人が目立たずかつ迅速に動き回れるようになったのである」。

 余談になりますが、

 At the Drive-in, Relationship of Command, 2000(邦題:アット・ザ・ドライヴイン、『リレーションシップ・オブ・コマンド』)

3枚目の7曲目は"Enfilade"(「エンフィレード」)と題されています。5分1秒。歌詞を見ると、建築の話ではないようです。手もとの英和辞書では、建築用語としての意味は載っておらず、軍事用語として、

 名詞で「縦射(にさらされた位置)」、

 動詞で「・・・に縦射を浴びせる」

を意味するとのこと(仏和辞書には

 「1. 一連、一続き/2. [[軍]] tir d'~ 縦射」

とありました)。〈縦射〉は1955年版『広辞苑』によると、

 「前後に重畳する敵や行軍隊形の敵に対し、直角方向から射撃すること」

だそうです。もっとも歌詞がこの意味なのかどうかも、よくわからなかったりしたのでした。
 ギターのオマー・ロドリゲスとヴォーカルのセドリック・ビクスラーが後に結成したマーズ・ヴォルタの曲→「天使、悪魔など」の頁の「おまけ
 

 他方、西欧近世以前の例として - 〈廊下〉というより〈通路〉と呼ぶべきなのかも知れませんが -、

 S.カンタクシーノ、山下和正訳、『ヨーロッパの住宅建築』、1970、p.25

ではエジプト中王国時代のカフン
Kahun の大邸宅について、

 「次に入口の右側に、長い日本の平行した廊下があり、右手の廊下は三つの中庭を囲む家事室と倉庫に行く通路となっていた。ただし発掘を行なったペトリーはこの部分を女の居住部分だと主張している。左手の廊下は主要な中庭につながっており、この中庭の南側には主人の居住部分、西側には女の居住部分が面していた」

とありました。同 p.33 にはまた、

 「窓のある廊下はたとえばシルチェスターのようなローマ帝国の北方の町でよく見かけるが、それはこれらの地方では気候が寒いので囲いをつけた方が具合がよかったからである」。

これは中庭を囲む列柱廊について述べた箇所でした。p.34 の図版参照、また p.35 に

 「ローマ帝国時代、すでに柱廊(コロネード)は窓付きのものも窓のないものもいくつかの部屋に通じる通路として使用されるようになり、中庭(コートヤード)式プランはもっとコンパクトな長方形やU字型のレイアウトへ徐々に移行していった」。


 ピエール=マクシム・シュール、谷川渥訳、『想像力と驚異』、白水社、1983、第1部C「想像力と歴史」、p.31 に、

 「ルイ・ロベール氏がクラロスで行なった発掘によって、…(中略)…地下のアデュトン(ヽヽヽヽヽ)そのものが、階段と、『直角に七回曲がった』30メートルの長さの狭い廊下とともに明るみに出されたからである」

とありました。アデュトン adyton は[至聖所]、同頁。また英語版ウィキペディアの該当頁→こちら。そこからクラロス Claros
( Klaros、ラテン語:Clarus )の頁→そちら。日本語頁もありますが、そちらでは割愛されている "Excavations" の項を参照。また、シュールも挙げている(p.30)

 ロベール・フラスリエール、戸張智雄訳、『ギリシアの神託』(文庫クセジュ 342)、白水社、1963、pp.52-53

ではアデュトンを「奥の院」として、やはりルイ・ロベールの報告からクラロスの同じアポローン神殿について、

 「この神殿のプロナーオス(入口)は、正面が13メートルで、」南北に二つの階段がつく……たかい四つの段をおりると、廊下になり、南北にわかれた道も一つになり、神殿の奥にむ(ママ)う……高さ1.8メートル、幅70センチのこの廊下を通って、30メートルほどすすみ、途中七たび右側にまがる……このようにして最初の部屋に入る。ここが。まる天井の神職の待合室である。…(中略)…それから、背をかがめなければあるけない2.7メートルのトンネルが、第二の部屋にみちびく。まる天井で、前室よりずっと小さい。あまり高くない段がひとつ、奥の道に通じるところにあり、そこには扉か幕がある」

と引用してありました。
 
 なお〈廊下〉を主題とする文章ではありませんが、

岸和郎、「一 美術館の近代」、太田喬夫・三木順子編、『芸術展示の現象学』、晃洋書房、2007、「第5章 建築と場」、pp.149-159

には、近代建築とは

 「それを極めて形而下学的な、即物的なレベルで定義するとすれば、『廊下』の発見ではなかったのか。カーンに従えば、『サービスする空間』としての廊下が発見されたのが近代だった、と言ってもいいのではないか」

という一節がありました(p.149)。


 原口秀昭『20世紀の住宅 空間構成の比較分析』(1994)

には、17世紀ヨーロッパの住宅に関し、

 「中世の住宅では、廊下は基本的にはつくられず、ホールの通り抜けによって各室がつながっていた。この中廊下と両脇のサービス用の階段によって、使用人の動きが合理化されている。中廊下による部屋の連結は、現代から見ると退屈な構成と見えてしまうが、当時としては画期的なものであったのである」(p.8)、

また近代日本の住宅に関し、

 「中廊下は、庶民的な動線の工夫であり、悪く言えば当たり前の平面処理である。武家屋敷においても一部中廊下が見られるが、薄暗い中廊下は一般には作られず、縁側や室の通り抜けによって動線を解決してきたのである。江戸時代の人間が中廊下を発明する知恵もそういった社会基盤もなかったというよりは、単に中廊下を嫌ったからではないのだろうか。中廊下は、狭小な面積の中に近代生活の機能を入れる際、やむをえず採用した方法であったように思われてならない」(p.118)

と述べられていました(→「怪奇城の廊下」の頁でも一部引きました)。えらい言われようであります。


ちなみに上掲の青木正夫他『中廊下の住宅』(2009)に、

 「筆者・青木が東京帝大に入学したのは戦争末期の1944(昭和19)年10月で、最初の製図の課題設計は『住宅』であった。その課題説明において『中廊下住宅は絶対設計してはならない。あれは誰がやっても同じものになる。奥さん連中の扱う住宅である』と宣告された。エスキス審査で中廊下型は『なんだ中廊下型か』と一言を浴びせられるだけで見てもらえず、結局、生活経験の全くない椅子式の居間中心型の平面へと誘導された」(p.167、また pp.244-245)

とありました。最後に言及される〈椅子式の居間中心型の平面〉との関係をめぐる議論の展開等が背景にあって、その内実は一朝一夕にはいかないのでしょうが。
 こちらも文脈は違いますが、上掲の
Mark Jarzombek, "Corridor Spaces", Critical Inquiry, 2010 の後半、とりわけ 'The Modern, Ventilated Corridor' の節以下(pp.761-770)で叙述される、廊下評価/批判の議論と比べることはできるものでしょうか
追補:本格探偵小説における〈隠し通路〉の扱いが連想されたりもします→「怪奇城の隠し通路」の頁参照)。
 やはり他方、近代以前の例として、

 高橋昭子・馬場晶子著、山田幸一監修、『台所のはなし 物語|ものの建築史』、鹿島出版会、1986、p.42

によると、桂離宮の、明治の大修理の際に撤去された「御台所」に関し、

 「南西方向に雁行する『古書院』『中書院』『新御殿』の庭に面した部分には、縁等の通路が設けられており、この部分が表向きの通路である。これとは別に、裏側に『御台所』『御末の間』から、縁や廊下が延びており、『新御殿』まで続いている。即ち、使用人の通路と、主人の通路がまったく別に設けられているのである」。

 また同書第1章11で、近畿の近世町屋の内、

 「京都や奈良といった昔の都に多くみられるもので、間口が狭いために一列に居室を配置することを原則とする」

タイプに関し、その台所は

 「一般に『通り庭』と呼ばれる土間部分を持ち、多くは流しや竈が壁際に並ぶものである」

ことが記されています(p.34)。pp.37-38 も参照。
 〈通り庭〉についてまた;

 島村昇・鈴鹿幸雄他、『京の町家 生活と空間の原理』(SD選書 59)、鹿島出版会、1971、pp.119-134:「トオリニワ」
 

C.アレグザンダー、平田翰那(かんな)訳、『パタン・ランゲージ 環境設計の手引』、鹿島出版会、1984、pp.331-335:「131 通りぬけ部屋 The flow through rooms 」、pp.335-337:「132 短い廊下 Short passages
原著は Christopher Alexander, A Pattern Language, 1977

 全体の簡略な目次は:
本書の使い方;あるパタン・ランゲージ/パタン・ランゲージの要約/パタン・ランゲージの使用法/パタン・ランゲージの詩学//
町;ランゲージの使用法/パタン(1~94)//
建物;ランゲージの使用法/パタン(95~204)//
施行;ランゲージの使用法/パタン(205~253)など、
656ページ。


 「131 通りぬけ部屋」では

 「できるだけ、廊下や通路の使用は避けること」(p.334)、

 「132 短い廊下」では

 「・・・長くて味気ない廊下は、近代建築にまつわるすべての悪の舞台となる」(p.335)

とのことでした。
 同書から→こちら(「階段で怪談を」の頁の「文献等追補」)でも挙げています。そこでは階段についての〈パタン〉を並べたのですが、ちなみにその中には、

 「できるだけ屋内階段を避けること」(p.395)

といったくだりもありました。
 文言だけ切りだしてしまうとなんでそこまで言われなあかんねんといった感がいやますばかりですが、とまれ、前後の文脈とあわせてご覧ください。
 またすぐ後の「134 禅窓 Zen View 」(pp.340-341)、「135 明暗のタピストリー Tapestry of Light and Dark 」(pp.341-343)も参照のこと。
 なお本書には、「203 ちびっ子のほら穴
Child Caves 」(pp.490-491)、「204 開かずの間 Secret Place 」(pp.491-492)といった項目もあります。さすがに「秘密の通路」は見あたらないのが残念なところです。上に記したとおり〈パタン 204〉の原題が「秘密の場所」なので、それでよしとするべきでしょう。
 →そちらで少し触れました:「怪奇城の隠し通路」の頁


 後出の

 清水裕之、『劇場の構図』、1985,p.256

には、1982年に作られたロンドンのバービカン・アートセンターの主劇場において

 「二列のバルコニーが舞台間近まで細く深く張り出している。このように小さな張り出しを側壁に多く取りつけるのは、建築計画上は廊下の面積が多くなるなど、必ずしも容易なことではない」

と記されていました。「廊下の面積が多くなる」ことは、歓迎されない事態であるわけです。

 とこうしたありさまでもあってみれば、

 チェス&コル「家のトポグラフィー ヴィスコンティをめぐって」(1983).



 「それでも廊下があればいい方で、マンションなんかの場合は、廊下もないから疲れる」(p.61)

というくだりに出くわしては大いにほっとするのでした。


 「軍事政権下のタイで自分の映画を公の場で語ることは不可能 - アピチャッポン監督『世紀の光』」、2016.1.8 [ < 骰子の眼webDICE

はアピチャッポン・ウィーラセタクン監督が2006年作の映画『世紀の光』について語るインタビューで、2015年12月に行なわれたものとのことですが、その中でインタビュアー(樋口泰人)が、舞台となる

 「病院の内部ですが、どの病院も〈廊下〉が印象に残ります」

と述べ、それに対してアピチャッポンが応える下りがありました。
 同じ監督の別の作品について→こちらでほんの少し触れました:『私はゾンビと歩いた!』(1943)の頁の「おまけ


 また、 →そちら(『血ぬられた墓標』(1960)の頁の「追補 2」)でも触れたのですが、『白い肌に狂う鞭』の日本版ブルーレイに収められた映像特典の内、「アレクサンドル・ジュス インタビュー〈マリオ・バーヴァの撮影技術〉」(2019)で、マーティン・スコセッシが「バーヴァの映画をこう例えている」として、

 「廊下の映画」

という言葉が引用されていました。素晴らしい!
 

 またフランスのプログレ・バンド

 Arachnoid, Arachnoid, 1979(邦題:アラクノイ『アラクノイの憂鬱』)(→あちらで挙げました:『ウルトラQ』第9話「クモ男爵」(1966)の頁の「おまけ」)

の歌詞の邦訳を何の気なしに見ていたら、CDで5曲目、もとのLPではB面2曲目に当たる
"La guêpe"(「すずめばち」)で、

 「通り、廊下、通路、かつて」(佐藤美奈子訳)

というフレーズが何度か繰り返されていました。原語では;


 "Une rue, un couloir, un passage, une fois"

歌というより台詞ないしナレーション風なのが、個人的には苦手ではあるのですが。

 元ヘンリー・カウでギターのフレッド・フリス、マテリアルのベース、ビル・ラズウェルおよびドラムスのフレッド・マーによる三人組、

Massacre, Killing Time, 1981(1)

1枚目のA面5曲目が
"Corridor"、器楽曲、1分58秒。 
 1. 『フールズメイト』、vol.18、1981.10pp.21-22。
 同、vol.19、1981.12、pp.48-53、p.82。
 『オール・アバウト・チェンバー・ロック&アヴァンギャルド・ミュージック』、マーキー・インコーポレイティド株式会社、2014、p.24。

 スウェーデンのシンフォニック・ロック・バンド;

Anima Morte, The Nightmare Becomes Reality, 2011

 2枚目、全曲器楽曲で、その2曲目が、"Corridor of Blood"、6分5秒。また5曲目は"Passage of Darkness""passage"が「通路」の意味かどうかわかりませんが、ともあれ4分20秒。
 このアルバムは→こちらでも挙げました:「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「おまけ
 

 他方、こちらは江戸時代を舞台にした中短篇小説を集めたもの;

 白井喬二、『怪建築十二段返し』(大陸文庫 1040 し 2-1)、大陸書房、1990

 表題作(1920/大正9)以外に、「江戸天舞教の怪殿」(1922/大正11)、「全土買占の陰謀」(1920/大正9)、「白雷太郎の館」(1921/大正10)が収録されているのですが、いずれにおいても、隠し扉に隠し通路などを備えた大きな建物が主要な舞台となります。表題作には、ある図面を見た登場人物が、

 「…(前略)…この廊下は素敵なものでさア、つまりこの図面は庭に添うた廊下と、廊下に添うた部屋の図面ですな」

と語る場面がありました(p.276)。この人物は「当時江戸で有名な建築師(たてものし)の勘兵衛という男で号を光泉といった」(p.264)のですが、後の場面では、やはりとある建物に忍びこみ、

 「だがその瞬間に、光泉はこの建築の容易ならぬことを知った。廊下と廊下に添うた各部室との間には並々ならぬ、怪建築を施してあることを一目見て観破(みぬい)た」

というのでした(p.292)。


 「『Meiga を探せ!』より、他」中の『虹男』(1949)の頁で挙げた(→こちら

 芥川龍之介、「歯車」(1927/昭和2年)、東雅夫編、『芥川龍之介 妖怪文学館 伝奇ノ匣 3』(学芸M文庫 あ 10-1)、学習研究社、2002

には、

 「廊下は僕にはホテルよりも監獄らしい感じを与えるものだった」(p.197/「1 レエン・コオト」)

 「廊下はきょうも不相変(あいかわらず)牢獄のように憂鬱だった」(p.202/「2 復讐」)

というくだりがありました。

 同じく『虹男』(1949)の頁で取りあげた(→こちらの2);

 角田喜久雄、『虹男』、矢貴書店、1948/昭和23

には、

 「薄暗い廊下がうね\/とつゞき、その光線の殆んどとゞいていない片隅に、古びた甲冑がぬうつと立つているかと思うと、思いもかけない壁の高い所に、色あせた佛畫が幻のようにぼうつと浮上がつている」(p.86/5番目の章「金魚屋敷」2節)

とのくだりがありました。


 「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「おまけ」で挙げた

 マーク・Z・ダニエレブスキー、嶋田洋一訳、『紙葉の家』、ソニーマガジンズ、2002

には、

 「だがやはり『
いつも(オールウェイズ)』は『廊下(ホールウェイズ)』を思わせる。
  これもまたエコーだ」(p.87)

なんて美しいくだりがありました。

 「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「xvii. ブックガイド、通史など」で触れた、SFにおける〈超空間〉などとも比較できるのではありますまいか→こちらの3など
 

 「津の築山遊具など」の頁の→このあたりで触れたカタジナ・コブロの彫刻に関連して、

 Yve-Alain Bois, Painting as Model, The MIT Press, 1990/1993, pp.123-155:"Strzemiński and Koblo : In Search of Motivation"

のなかで、ストゥシェミンスキとコブロの共著になる論文からの引用として、

 「空間的な諸形態は、与えられた共通する色彩に関連づけられることで連結しあい、それらを互いに結びつけ、また外部の空間とも結びつける、多くの〈通路〉を創りだす」(p.149)

 「彫刻の諸形態の配置は、空間を具体的なものにする交差点、および彫刻を空間に結びつけることで空間的な現象の内的統一性を彫刻に与えるような、諸々の〈通路〉を定める」(p.151)

というくだりがありました。仮に〈通路〉としましたが、ボワの英訳では
"corridor"、またボワが参照した次の仏訳では"couloir"でした;

 W. Strzeminski et K. Kobro, textes choisis, traduits et présentés par Antoine Baudin et Pierre-Maxime Jedryka, L'espace uniste. Écrits du constructivisme polonais (Collectuion Slavica), L'Âge d'Homme, Lausanne, 1977, pp.85-125 : W. Strzeminski et K. Kobro, "La composition de l'espace. Les calculs du rythme spatio-temporel"(1931), p.107, p.108

 杉山あかね、「カスパー・ダーヴィト・フリードリヒによる対作品《階段を下りてゆく女性》および《光の方へ上がってゆく女性》を巡る一考察」(『美術史』、第194冊、Vol.LXXII No.2、2023.3、pp.135-150)

の中に、次のくだりがありました;

 「両作品に描かれたのは廊下の突き当たりと階段の途中という、厳密には室内、部屋の中とは呼べない場所で、人が通常はとどまらない、一時的な通過の場所が選択されている」(p.147)。

 「これに対して廊下や階段といった『つなぎ』の建築空間は、過ぎ去ることを常とする通過の場所として、鑑賞者に初めから移り変わる物事を想起させる」(同上)。

 「『つなぎ』の空間の表現はフリードリヒの同時代には他に類例を見ず、逆に室内画そのものといったケルスティング(Georg Friedrich Kersting : 1785~1847)の作例などが顕著な対照をなしている。一方、19世紀末から20世紀初頭にはハマスホイ(Vilhelm Hammershøi 1864~1916)やメルリ(Xavier Mellery : 1845~1921)、ホルスーウ(Carl Vilhelm Holsøe : 1863~1935)といった画家たちの作品に類似例を指摘でき、その意味でフリードリヒは次世代への先駆けとなっていた」(p.150 註26)。
  

エマヌエーレ・コッチャ、松葉類訳、「9 部屋と廊下」、『家の哲学 家空間と幸福』、勁草書房、2024、pp.121-131

◇ この章は3つめの段落から、

「わたしは長い間、この廊下を恐れた」(p.122)、

「わたしは長い間、自宅の外でも、廊下が怖かった」(p.123)、

「わたしは長年、自分が長い廊下であることだけが怖かった」(同)、

「わたしは長いあいだ、廊下を恐れていて、この恐怖を克服するのにかなり長くかかった」(p.124)

と6番目の段落まで、相似た文言が冒頭に配されます。原文ではどうなっているのでしょうか? 以上の段落からなる本章前半は、章題の「部屋」を扱う後半への経路でしかないにせよ、逆に〈廊下〉のあり方にはかなっていると見なすこともできるでしょう。

◇ とまれ、第3段落では、先の一文に続いて、

「そこには窓もなければ何もなく、家のなかをもっと居住可能な場所らしくすることのできるあらゆるものがなかった。…(中略)…それは子どもにとって、お化けと変幻自在の生きものが、無限に広がっていることにほかならなかった」(p.122)

と述べられます。

◇ 第4段落では、

「廊下は同一性をもたない、卑猥で薄暗い場所である。…(中略)…それは変化と変様の空間であるが、物質と精神の動きを支配し、統率する可能性を与えることがない。…(中略)…廊下は場所を変えること、そしてなによりわたしたち自身を変えることのためにある。そこに留まっていることはできない。廊下は、家のなかで、つねに『住む』『留まる』『滞在する』という動詞を拒む場所である」(p.123)。

◇ 第5段落;

「つまり、何ものも自分に属さず、親密なものがないような、虚無の空間であることが怖かった。…(中略)…このドアからは、外界の亡霊が入り込み、お化けと家族の複雑な生活の雑音とが出て行くのだ」(pp.123-124)

等と綴られるのでした。
………

Roger Luckhurst, "Corridor Gothic", Gothic Studies, vol.20 nos.1-2, November 2018, pp.295-310 [ < Edinburgh University Press|Journals
DOI : https://doi.org/10.7227/GS.0050
「廊下ゴシック」
 前置きを経て、第1章に当たる"Cunning Passages, Contrived Corridors"(「気の効いた通路、考案された廊下」?)(pp.296-298)では近現代建築における廊下の位置づけ、
 続く
"Corridor Gothic"(pp.298-302)でゴシック・ロマンスにおける廊下、
 
"The Corridor Shot"「廊下のショット」)(pp.302-304)で恐怖映画における廊下、
 
"Corridor Affects"(「廊下の情動」)(pp.304-307)では、フロイトの〈不気味なもの〉に対して、キェルケゴールやハイデッガーの〈Angst(不安、気がかり)〉の概念を援用して、 ゴシック・ロマンスや恐怖映画における廊下空間の性格づけを試みます。

・2章目の 
"Corridor Gothic"で言及された作品を挙げておくと、

p.299;ウォルポール『オトラント城奇譚』(1765)、
  ラドクリフ『森のロマンス』(1791)および『ユードルフォ城の謎』(1794)、
  オースティン『ノーサンガー・アビー』(1817)
p.300;ポー「アッシャー家の崩壊」(1839)、
  シャーロット・ブロンテ『ジェイン・エア』(1847)、
  ヘンリー・ジェイムズ「愉快(にぎやか)な街角」(1908)、
  W.W.ジェイコブズ「猿の手」(1902)、
  M.R.ジェイムズ「13号室」(1904)
p.301;キプリング「船路(旅路)の果て」(1890)、
  ラヴクラフト「インスマスを覆う影(インスマウスの影)」(1931)、
  ロバート・エイクマン
"The Unsettled Dust"(1968)および"The Hospice"(1975)、
  マーク・Z・ダニエレブスキー『紙葉の家』(2000)、
  ウィル・ワイルズ『時間のないホテル』(2014)、
  ジェフ・ヴァンダミアの「サザーン・リーチ」三部作『全滅領域』・『監視機構』・『世界受容』(2014)

・3章目にあたる 
"The Corridor Shot"で言及されたのは、

p.302;『カリガリ博士』(1920)、
  『悪魔の夜(悪魔の呪い)』(1957、監督:ジャック・ターナー)、
  『たたり』(1963)、
  『ヘルハウス』(1973)、
  『サスペリア』(1977、監督:ダリオ・アルジェント)、
  『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』(1968、監督:ジョージ・A・ロメロ)、
  『バイオハザード』シリーズ(2002、監督:ポール・W・S・アンダーソン、~ )、
  『ポルターガイスト』(1982、監督:トビー・フーパー)、
  『パラノーマル・アクティビティ』(2007、監督:オーレン・ペリ)
p.303;『人喰いトンネル』(2011、監督:マイク・フラナガン)、

そして「廊下的空間を活用した監督たち」、「映画における廊下空間の三人の作家」として、

  ポランスキーの『反撥』(1965)、『テナント/恐怖を借りた男』(1976)、『ローズマリーの赤ちゃん』(1968)、
  デヴィッド・リンチの『イレイザーヘッド』(1976)、『ブルーベルベット』(1986)、『ツイン・ピークス』(1990-91、2017)、
  キューブリックの『現金に体を張れ』(1956)、『突撃』(1957)、『シャイニング』(1980)

を挙げるのでした。

・4章目 
"Corridor Affects"でも;

p.306;C.P.スノー
Homecoming (1962)、
  『アルファヴィル』(1965、監督:ジャン=リュック・ゴダール)
p.307;クローネンバーグの『クライム・オブ・ザ・フューチャー/未来犯罪の確立』(1970)、『シーバース』(1975)および『ラビッド』(1977)、
  『キャンディマン』(1992、監督:バーナード・ローズ)、
  ヘレン・フィリップス、
The Beautiful Bureauctat (2015)、
  ヴィクター・ラヴァル
The Devil in Silver (2012)

が言及されていました。


 →こちらにも挙げておきます:「怪奇城の外濠」の頁の「映画と建築など」の項、また→そちらで少し触れました:「怪奇城の廊下」の頁(同頁の→あちらでも)。
 同じ著者による→ここ(「BFI Film Classics 中の『シャイニング』の巻(2013)/怪奇城の外濠」の頁の「iii. 怪奇映画とその歴史など」の項)、
 そこ(『【ヴィジュアル版】ゴシック全書』(2022)/同頁の「v. ゴシック・ロマンス、その他」の項)を参照
 

追補(2024/4/24):同じ著者による一冊本が刊行されていました;

Roger Luckhurst, Corridor. Passages of Modernity, Reaktion Books, London, 2019
『廊下 近代性の諸通路』
序//
諸起源;廊下以前:古代世界/回廊(クロイスター)とギャラリー:廊下に先行する中世の慣習/私的な透視画法:《廊下の眺め》(ファン・ホーホストラーテン)、1662//
廊下のユートピア、Ⅰ:シャルル・フーリエのファランステール;ギャラリー化したユートピア:トマス・モアからクロード=ニコラ・ルドゥーへ/フーリエの組合建築/ロバート・オウエンの組合員(ファランクス)とアソシエーショニズム主義者たち//
廊下のユートピア、Ⅱ:ペトログラードからバービカン・エステートにいたる社会的住居建設;ソヴィエトの社会的凝縮器/ル・コルビュジエの『屋内の街路』/イギリスの戦後住居建設:空の街路//
通商の廊下:拱廊(アーケード)、展示ホール、モール;拱廊(アーケード):通路建造物/「引き延ばされた鼠捕り」:ヴィクター・グルーエンとショッピング・モールの発明//
コミュニケーションの恍惚:ホテルの廊下;エルスワース・ミルトン・スタットラーと怪物ホテルの廊下/ウォルドーフ=アストリアの孔雀小路(ピーコック・アリ)、そして「踊るリッツの夜(プッティン・オン・ザ・リッツ)」/廊下のブロンド:ホテル探偵もの/ホテルの実存//
矯正(リフォーム)の廊下:監獄、感化院、収容所、病院、学校と大学;ハブ-廊下の監獄/感化院:廊下と反廊下の平面/矯正収容所:ヨーク隠遁所の廊下/トーマス・カークブライドの廊下平面収容所/反廊下的な反精神医学/学校と大学の廊下:無限の彼方へ!//
プライヴァシーへの諸通路:英国の紳士の家;ウィンザー城の大廊下、1829/ロバート・カーの気がかりな廊下、1864/家庭の虚構/曲がった廊下/廊下の列神化:第五代ポートランド公爵//
廊下のディストピア、Ⅰ:官僚制;執務室(カウンティング・ハウス)から事務所(オフィス)へ/権力の廊下:官僚的ディストピア/反廊下的1960年代:ゴダール、ジャック・タチ、ブルース・ナウマン//
廊下のディストピア、Ⅱ:恐怖(ドレッド)とゴシック的なるもの;廊下ゴシック/恐怖(ホラー)映画:廊下のショット/廊下の恐怖(ドレッド)//
結論:通路の果てで//
文献撰など、
336ページ。


 上の"Corridor Gothic"(2018)はおおよそ第9章"The Dystopia of Corridors, II: Dread and the Gothic"(pp.261-285 +"References" : pp.315-318)に対応しています。
 結論の副題
"At the End of the Passage""Corridor Gothic"のところでメモしたように、キプリング「船路(旅路)の果て」(1890)に由来します(p.287)。
 →こちらにも挙げておきます;「怪奇城の廊下」の頁の「プロローグ


 "Corridor Gothic"(2018)に戻って、p.308 註7 で参照されている

Stephan Trüby et al., Corridor, Venice, Marsilo, 2014

 はこの形で検索してみてもわからなかったのですが、『錯乱のニューヨーク』(鈴木圭介訳、ちくま学芸文庫 コ 12-1、筑摩書房、1999;1995年刊本の文庫化、原著は1978)などの著書もあるレム・コールハースが総合ディレクターをつとめ、〈ファンダメンタルズ〉を総合テーマにした2014年の第14回ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展の内、中央パヴィリオンで開かれた『建築の諸要素』展にあわせて作成されたもののようです。

 下に挙げるのは『建築の諸要素』展の全セクションを一冊にしたもので、重くて部厚く、しかし紙は薄く、はなはだ扱いにくい。Tim Lucas, Mario Bava. All the Colors of the Dark(2007) とタメを張りかねません。本書の方がデザインは凝っていますが、ルーカスのバ-ヴァ本の方がまだしも、通読しようという気を起こさせるといえなくもないかもしれません。デザイン的な要素が図版等にかぶっていたり、「扉」のセクションで地を黒にしたことに応じてか、図版の多くがネガポジ反転していたりします。

 とまれ、当初はセクションごとの分冊も刊行されたのでしょうか? 下の本の奥付けでは刊行年は2018年になっており、その時点で一冊にまとめた形にしたのか。そこではセクションごとのノンブルと全体で通しのノンブルが併載されています。ただし通しのノンブルも、目次を含む総論的な中央部分の186ページ分は飛ばしてあるのですが。上の論文 p.310 註58 で挙げられている K. McLeod のテクストのページもセクション内ノンブルと一致するので、中身は同じと見てよいのでしょう;
 

Rem Koolhaas et al., Elements of Architecture, Taschen, 2014/2018
『建築の諸要素』
床(Keller Easterling pp.0-87)/
壁(通しノンブル pp.88-205:セクションごとのノンブル pp.0-117)/
天井(Manfredo di Robilant, C-lab(inaba/clouette pp.206-385:pp.0-179)/
屋根(Jiren Feng, Fang Zhenning, Stephan Petermann pp.386-541:pp.0-155)/
扉(pp.542-697:pp.0-155)/
窓(Manfredo di Robilant, Niklas Maak pp.698-861:pp.0-163)/
ファサード(Alejandro Zaera-Polo, Stephan Trüby pp.862-1071:pp.0-209)/
バルコニー(Tom Avermaete pp.1072-1251:pp.0-179)//
建築家たちのための本(Wolfganf Tilmans 中央部分の pp.3-36)/
献辞(pp.39-40)/
諸要素(Rem Koolhaas pp.41-51)/
建築の諸要素・序(Stephan Trüby pp.60-68)/
編集ノート(pp.69-73)・索引(pp.69-90)・目次(pp.74-88)/
"全範囲保証の心性 vollkasco mentaliteit" *&諸要素のあてにならない未来(Werner Sobe へのインタヴュー pp.91-100 * p.97 参照)/
建築の諸要素 2014年ヴェネツィア・ビエンナーレ国際建築展(会場写真)(pp.101-184)//
廊下(Stephan Trüby, Hans Werlemann, Kevin McLeod 通しノンブル pp.1252-1399:pp.0-147)/
暖炉(Sébastien Marot pp.1400-1555:pp.0-155)/
トイレ(pp.1556-1725:pp.0-169)/
階段(Friedrich Mielke Institut für Scalalogie, Stephan Trüby pp.1726-2033:pp.0-307)/
エスカレイター(pp.2034-2119:pp.0-85)/
エレヴェイター(pp.2120-2241:pp.0-121)/
傾斜路
(pp.2242-2333:pp.0-91)//
奥付け(pp.2336-2338)
2338+186=2524ページ。

 というわけで"corridor"のセクションは中央の総論部のすぐ後、通しノンブルで pp.1252-1399、セクションごとのノンブルで pp.0-147 でした。各項は1~2ページから数ページと、ほとんどが短いものなのですが、総論部の目次(pp.81-82)から拾っておけば(実際のページに記されたものとは一致しない場合があります);

序/語源/建築では下り坂、隠喩では上り坂/廊下の諸類型/狂気から恐慌へ/権力の廊下/横断的廊下対接線的廊下/線的平面(収容所)対園亭平面(病院)/ホールから廊下へ//
廊下=小房複合(Stephan Trüby)廊下 - ある「非=建築」?/監獄 - 小房が廊下を要請する 分離と二重の廊下 分離対静寂/チェリー・ヒル(1821-1836)/ヴィクトリア朝カントリー・ホーム - 紳士化された廊下における自発的な蟄居 ピューリタニズムと廊下 扉が一つだけの部屋 廊下を紳士化する 分離を通して慰安を最大化する 指名された廊下 延長 迷宮/ウェルベック修道院と第五代ポートランド公爵:廊下=小房複合の中でくつろいで//
ウェルベック修道院
(写真: Hans Werlemann)//
廊下の戦争/シェルターとしての廊下/冷戦nの都市型廊下/ペンタゴンの廊下/社会的住居/ナルコムフィン再訪/プルーイット・アイゴー神話/廊下都市/摩天楼の廊下/地的障害の廊下/オランダ式看護家庭廊下//
廊下統語論(Kevin McLeod)237号室/演技における動作=絵文字:屋外の径につながる廊下/奥行き&屋外/二つの迷路 - 迷路はパズルを創りだす廊下である/迷路の中心&終点の浴室/廊下/ロビー/アルマンの事務所/光、色相と絵文字=制作//
風水:廊下を緩和する/ヴァティカン:最初の出口廊下/コード化された廊下/廊下特許/計量化された廊下/国際的建設コード:ある廊下の記述/ある廊下の解剖/排気/乗換廊下:世界貿易センター/廊下の風景/空輸の廊下/ヴィデオ・ゲームの廊下/信号系/水中廊下/最後の出口//
参考文献


 なお Kevin McLeod, "Corridor Syntax"(pp.1350-1357/pp.98-105)は『シャイニング』(1980、監督:スタンリー・キューブリック)を扱ったものです。
 またシュテファン・トゥリュービー論文の第3章およびヴェルレマンが撮影した写真を主にした「ウェルベック修道院」は、次の本の第4章3節ともども、「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「綺想建築など」の項にリンクさせた他、
 "Ceiling"のセクションから"Theatrical Ceiling"の項、
 "Stairs"のセクションから"Theatrical Architecture"の項を→こちら(本頁中の「劇場と舞台装置など」の項)に、
 "Door"のセクションから"Secret Door", "Secrecy, Commodified"の項を→そちらに挙げました:「怪奇城の隠し通路」の頁。


 次の本は目次だけ見てもよくわからないのですが、Mark Jarzombek の前掲論文(2010)ともども、廊下の歴史についてのまとまったモノグラフィーとはいえ(追補:+Roger Luckhurst の上掲論文および単行本→そちらの2および→そちらの3)、ドイツ語はほぼ忘れてしまっており、ちゃんと読むのはいつになるやら知れたものではない。とりあえずわかる範囲で、場合によって原語を添えつつ、章題等を逐語訳しておきますが、いつものことながら、間違いが大いにありうるのでご注意ください
追補:上に挙げた Elements of Architecture より先にこちらを見たので、こんな風に書いたのでした。 Elements of Architecture の"corridor"のセクション、とりわけシュテファン・トゥリュービーの原稿"The Corridor-Cell Complex"(pp.1290-1315/pp.38-63)を見れば多少は見当がつけられそうといっていいものかどうか。

 たとえば、〈領域論(スフェロロギー)
Sphärologie 〉はペーター・スローターダイク Peter Sloterdijk の用語とのことで(p.1291/p.39 note 9)、日本語ウィキペディアに該当頁(→あちら)があるように、邦訳のある著書もあるのですが、ここで参照されている Sphären III. Schãume, 2004 は未訳(ウィキペディアの先の頁で『球体』三部作として項を立てられています)。

 また〈経路論(ホドロギー)
Hodologie 〉はクルト・レヴィン Kurt Lewin に由来し(p.1291/p.39 note 10)、そこに挙げられた本(Feldtheorie in den Sozialwissenschaften, 1963. 目次等は→ここ [ < Fachportal pädagogik ])の原著にあたる英語版(edited by Dorwin Cartwright, Field Theory in Social Science, 1950)はさいわい邦訳されていました;

 猪股佐登留訳、『社会科学における場の理論 増補版』、誠信書房、1956/1979。

最初は第8論文「心理学的生態学」(1943)の四つ目の「例証的研究」中の「A 径路の理論(水路説)」とあるのが〈ホドロギー〉の訳かなと思ったのですが、Google Books の該当頁(→そこ)などを見ると、"Channel Theory"の訳でした。あらためて頁を繰ってみれば、〈ホドロギー空間〉等と表記されていました(pp.35、 38-40、42、125、127、151-152、298、300)。
 とはいえホドロギーについてまとまった説明があるわけではなく、事項索引にも出てこないほどです(p.38 の註11 および p.151 註8 には、Kurt Lewin, "The conceptual representation and the measurement of psychological forces", 1938 を参照とありました).。そこで英語版ウィキペディアの"Hodological space"の頁を見ると(→あそこ)、サルトルの『情動論粗描』(1939、未見)とともに、

  オットー・フリードリッヒ・ボルノウ、大塚惠一・池川健司・中村浩平訳、『人間と空間』、せりか書房、1978(原著は1963)



 ジル・ドゥルーズ、宇野邦一・石原陽一郎・江澤健一郎・大原理志・岡村民夫訳、『シネマ2*時間イメージ』(叢書・ウニベルシタス 856)、法政大学出版局、2006(原著は 1985)

が挙げられていました。前者では第4章第1節が「ホドロジー的空間」と題され、その第3項が「レヴィンのホドロジー的空間」、第4項が「サルトルにおける問題の継承」となっています。後者は人名索引に「レヴィン、クルト」の名が見つかり、そこから pp.178-179 を開けば、「ホドロジー的な空間」が取りあげられていました。

 とこうしてDer Korridor-Zelle-Komplex (The Corridor-Cell Complex)"から、
領域論(スフェロロギー)〉が"<"Zelle (Cell)"(小室、独房)に、
経路論(ホドロギー)
〉が"Korridor (Corridor)"に
対応するということのようです。

 〈横断線 Transversalen (transversal) 〉と〈接線〈Tangentialen (tangential)〉の対については、次の一文のみ引いておきましょう;

 「宮廷風のアンフィラード - 行列する部屋の一直線に並ぶ扉が形作る一点透視画法 - からの根源的な断絶のさなかで、横断線をなす廊下の類型は、ますます接線をなす廊下へと道を譲っていった:一並びの閉じた扉の前を『通り過ぎて歩む』ことが、開いた空間を『通り抜ける』ことを引き継いでひろまったのだ」(p.1293/p.41)。

 ともあれ、
Stephan Trüby et al., Corridor, 2014Elements of Architecture の一部らしいと知れる前に、著者検索で出くわしたのが次の本です; 

Stephan Trüby, Geschichte des Korridors (Architektur und Kulturtheorie, Bd.2), Wilhelm Fink Verlag, 2018
『廊下の歴史』
プロローグ:廊下の射程;廊下概念の道しるべに/革命対進化? 廊下についての読書/ストレス=影 Stress-Schatten :建築、歴史記述と文化的発展(方法へ Ⅰ)/横断線 Transversalen から接線 Tangentialen へ:類型論、
経路論(ホドロギー)Hodologie と領域論(スフェロロギー) Sphärologie の間の廊下=小房 Zelle 複合(方法へ Ⅱ)/まとめと展望//
フラット Beletage、アンフィラードと配分:宮廷風の隠し通路 höfischen Geheimkorridor の創発 Emergenz へ;横断支配 Transversalenherrschaft :中世後期と初期ルネサンスの宮殿建築における水平的な差異化(アヴィニョンの教皇庁、ヴァティカン教皇庁、ヴェネツィア宮殿)/廊下がないところ Korridirlosigkeit での廊下:ルネサンスのイタリア式
主要階(ピアノ・ノビーレ)と都会の上層廊下 Hoch-Korridor /フラットでの廊下:16、17、18世紀のフランス宮廷建築における設計作業 Grundrissarbeit へ/まとめと展望//
廊下=小房複合と18、19世紀における科目 Disziplin の手はずを整えること Veranstaltung ;回廊 Kreuzgang、小部屋、廊下:修道院の模範機能/「廊下様式 Koriidorstil 」と園亭平面 Pavillonplan の間の病院/倍加した廊下、孤立した廊下:「分離システム」の興隆と衰微の間での「監獄学」/ヴォーバン(1633-1707)のシステム対ベルファ Belfa (ベルマ Belma ? : p.146)のシステム:兵舎における廊下/「そのようにまっとうな物怖ろしい廊下 So'n richitiger Graulkorridor 」:貸しアパートにおける廊下共同体 Flurgemeinschaften /まとめと展望//
「固有の四つの壁」:英国のカントリー・ハウスとピューリタニズム;
主要階(ピアノ・ノビーレ)における廊下:パッラーディオ主義の寄与/「大廊下」から迷宮へ:後期ヴィクトリア朝における廊下の紳士階級化 Gentrifizierung /ピューリタニズムの精神病理学:第五代ポートランド公爵のウェルベック修道院、サラ・ウィンチェスターの「神秘の家(ミステリー・ハウス)と比べて/地位の象徴としての廊下:労働者階級の英国テラス付き住宅について/まとめと展望//
無気味な廊下;「おのが家にて主でない」:ジークムント・フロイトの廊下/「屍のみが居住に適する」:ヴァルター・ベンヤミンの廊下/法の内在:フランツ・カフカの廊下と「建築の二つの段階」/まとめと展望//
内面化対外面化:運動学と地政学の間の廊下;近代の反=廊下(1):テイラー小径/近代の反=廊下(2):〈建築的
遊歩道(プロムナード)〉と「道と広場としての家」/集団のための廊下:「社会的 蓄電器(コンデンサー)」対「内なる通り」/内から外へ:ヴェルサイユ条約以後の地理的=軍事的=人道的な廊下/まとめと展望//
エピローグ:パラノイア的クレオド
論など、
380ページ。


* creode / chreod :ギリシア語の chré ("muß":「必須」)と hodos ("Weg":「道」)を合成した語(p.345)。英語版ウィキペディアの該当頁(→こちら)も参照。「発生生物学」の項に続いて「建築」の項があります。

 →「怪奇城の廊下」の頁でも触れました

………

 やはり本全体の文脈の中で見なければならないものですが;

パウル・フランクル、ジェームズ・F・オゴールマン編、香山壽夫監訳、宇佐見真弓・武澤秀一・越後島研一訳、『建築造形原理の展開』、鹿島出版会、1979、pp.182-195:「二、廊下」
原著は Paul Frankl, Die Entwicklungsphasen der neueren Baukunst, 1914 / edited and translated by James F. O'Gorman, Principles of Architectural History, 1968

 全体の目次は;

ジェームズ・S・アッカーマンによる英語版への序/英訳者によるノート(J・F・オゴールマン)/原著者による序文//
問題と方法 - 原著者による序説 -//
空間形態;宗教建築 第一段階(1420年~1550年);同等の付属中心を持つ単純な(グループ)/リズミカルな付属中心を持つ単純な(グループ)/同等の付属中心を持つ第二次秩序の(グループ)/リズミカルな付属中心を持つ第二次秩序の(グループ)/組み合わされた(グループ)/単純な(シリーズ)/リズミカルな(シリーズ)/同等の付属中心をもつ(シリーズ)/リズミカルな付属中心をもつ(シリーズ)(グループ)(シリーズ)の組み合わせ/空間の付加//
  第二段階(1550年~1700年);長軸型教会堂におけるルネットと交叉ヴォールト/長軸型教会堂における相互に結合された礼拝堂(チャペル)群/長軸型教会堂におけるギャラリーとブリッジ/長軸型教会堂におけるバルコニー/他の形による相互貫入/付属中心群と袖廊の縮小/リズムの消失/基本形態/中心型教会堂におけるルネット/中心型教会堂における周歩廊(アンビュラトリー)/中心型教会堂におけるコレッティとブリッジ/中心型教会堂における長軸方向の強調/分節されていないホール/複雑な構成の幾何学/「予期せぬ」ヴォールト/プロテスタントの長軸型教会堂/プロテスタントの中心型教会堂/空間の分割//
  第三段階(18世紀);凸状の空間/凸状の空間部分/ヴォールトの諸形態/「予期せぬ」ヴォールト/閉じた空間の上部の開放/一定の天井高/ホール式教会堂/空間形態の相互貫入/プロテスタントの教会堂/微積分学にもとづく諸形態//
  第四段階(19世紀)//
 世俗建築 
階段第一段階/第二段階/第三段階/第四段階//
    廊下;第一段階/第二段階/第三段階/第四段階//
物体形態;第一段階(1420年~1550年);オーダー/柱列のリズミカルな間隔配分(スペーシング)/分節化された壁/柱列と分節化された壁の組合わせ/枠組み(フレーム)格間(コファリング)/力強さの発生源//
  第二段階(1550年~1700年);支持体の権威失墜/融合と分裂/枠組み(フレーム)格間(コファーリング)/力の伝達物//
  第三段階(18世紀)//第四段階(19世紀)//
可視形態;第一段階(1420年~1550年);調和/明瞭さ/正面性/単一の(イメージ)//
  第二段階(1550年~1700年);対比/明瞭さの欠如/斜め方向の見え方/多数の(イメージ)//
  第三段階(18世紀);無数の(イメージ)/ひとつの視点//
  第四段階(19世紀)//
目的意図;第一段階(1420年~1550年);栄光への渇望/芸術的関心に対する宗教的関心の従属/宗教建築における目的の同等性/世俗建築における目的の同等性/求心的に捉えられた目的//
  第二段階(1550年~1700年);イエズス会/宗教的関心に対する芸術的関心の従属/プロテスタンティズム/カトリックの世俗建築/プロテスタントの世俗建築/遠心的に捉えられた目的//
  第三段階(18世紀);世俗建築/カトリックの教会堂/プロテスタントの教会堂//
  第四段階(19世紀)//
四段階に共通する特徴と相異なる特徴;四段階の定義/四段階の区別/四段階の連続性/伝統と独創性など、
366ページ。


 本書は

 『建築史の基礎概念 ルネサンスから新古典主義まで』(SD選書 240)、鹿島出版会、2005

として判型を小さくして復刻再刊されました。その際アッカーマンによる序(79年訳、pp.5-16)と英訳者によるノート(同、pp.17-19)を割愛、「日本語版への序文」(香山壽夫、pp.5-15)に差し替えてあります。
やはり366ページ。

………………………

 塔など;

佐原六郎、『世界の古塔』、雪華社、1963
東西の仏塔;大和の塔婆/朝鮮の石塔/中国の仏塔/古代インドのストゥーパ/セイロンのダーガバ//
オベリスクと塔;オベリスク/ワシントンのオベリスク塔//
キリスト教の鐘塔;イタリアのカンパニーレ/サクソン塔とその社会的背景/アイルランドの円塔//
回教塔;回教塔概観/螺旋形光塔/クトゥブ・ミナールその他など、
330ページ。


 →こちらで少し引きました:「四角錐と四つの球 - 怪奇城の意匠より」の頁

近藤豊、『古建築の細部意匠』、1967/1972、pp.28-39、p.45=図版頁6:「6 塔(塔婆)」
塔の起源/塔の分類/木塔の例/木塔の一般構造/石塔その他各種の塔

マグダ・レヴェツ・アレクサンダー、池井望訳、『塔の思想 ヨーロッパ文明の鍵』、河出書房新社、1972/1992
原著は Magda Révész-Alexander, Der Turm, als Symbol und Erlebnis, 1953
序論/バベルの塔/塔の意味と機能/現象型のふたつの極、静的タイプと動的タイプ/塔と建物/アルプスの北と南の塔/ギリシア建築はなぜ塔をもたぬのか?/ローマ建築はなぜ塔をもたぬのか?/現代の塔/結論など、
206ページ。


浜島正士編、『塔の建築 日本の美術』、no.158、、至文堂、1979.7
塔建築の歴史/伽藍における塔/仏舎利と本尊/塔建築の種類/形式と構造/平面寸法と枝割/各部の比例//
鑑賞の手引 塔の細部意匠など、
90ページ。

寺島良安、島田勇雄・竹島淳夫・樋口元巳訳注、『和漢三才図絵 14』、1989、「巻第八十一 家宅類」の巻の pp..270-271:「塔」

『ボイマンス美術館展 - バベルの塔をめぐって -』図録、セゾン美術館、1993
バベルの塔 聖書『創世記』11章1-9節/作品解説/作家解説/図版//
バベルの塔 - その造形表現と象徴性(高橋達史)/塔の意味論のために(高山宏)/技術の限界をめぐって(三宅理一)/素晴らしき絵空事、もしくは「嘘をつく力」の偉大さについて - ブリューゲルの《バベルの塔》を讃えて -(高橋達史)など、
62ページ。

 『ボイマンス美術館展』図録2分冊中の1


千葉糺、「『バベルの塔』考察 = ニューヨークから古代メソポタミアまで =」、『学習院高等科紀要』、no.3、2005.7.20、pp.1-30 [ < 学習院学術成果リポジトリ
http://hdl.handle.net/10959/1360

深見奈緒子、「イスラム教のドームと塔」、関口欣也監修、佐藤正彦・片桐正生編、『アジア古建築の諸相 その過去と現状』、相模書房、2005、pp.309-343
外観を目立たせる要素/ドーム/錐状屋根と墓塔/ミナレット/フリンジの伝播

長谷川周、『インド仏塔紀行』、東方出版、2006
はじめに/仏塔伝来ルーツマップ/仏塔の起源//
仏教8大聖地を訪ねて/インドの仏塔/スリランカの仏塔など、
144ページ。


長谷川周、『中国仏塔紀行』、東方出版、2006
中国仏塔分布図/中国の仏塔概要//
楼閣式塔(層塔)/密檐式塔(檐塔)/その他の形式塔(花塔・金剛宝座塔・ラマ塔・亭閣式)など、
160ページ。


トーマス・ファン・レーウェン、三宅理一・木下壽子訳、『摩天楼とアメリカの欲望』、工作舎、2006
原著は Thomas van Leeuwen, The Skyward Trend of Thought : Metaphysics of the American Skyscraper, 1986
序章 すばらしき摩天楼の時代/天空志向「摩天楼 - 革新か伝統か」/万物の復興、あるいは摩天楼の再興/聖なる摩天楼と世俗的な大聖堂/自然成長の神話 - 新聞ビジネスの夢/自然成長の神話2 - アメリカ精神の伏流など、
386ページ。


 →こちらでも挙げました:「『Meiga を探せ!』より、他」中の『K-20 怪人二十面相・伝』(2008)の頁

柴辻政彦、『塼塔 中国の陶芸建築』、鹿島出版会、2007
はじめに//
中国の「塼」;大地の産物/塼塔を詠んだ詩/塼(チュアン)/「瓦」と「塼」/画像塼、碑文塼/仏塼//
「塼」のひろがり;タイル、レンガ、テラコッタ/インドの仏教遺跡/万里の長城と「塼」//
「塼塔」を見てあるく;北京の塼塔建築/天寧寺塔/観星台と白塔/少林寺塔/繁塔/鉄塔/西安(長安)の城壁/大雁塔/小雁塔、山門/善導塔/『世界建築集成 支那建築』//
おわりに、など、
192ページ。


高橋俊介、『巨大高層建築の謎 古代から現代まで技術の粋を集めた建造物のおもしろさ』(サイエンス・アイ新書 SIS-086)、ソフトバンク クリエイティブ株式会社、2008
日本の超高層ビルの歴史と技術/超高層ビルを支える技術、守る技術/摩天楼の歴史と技術/古代の巨大高層建築/巨大高層建築のいろいろなど、
224ページ。


武澤秀一、『空海 塔のコスモロジー』、2009

橋爪紳也、『ニッポンの塔 タワーの都市建築史』(河出ブックス 043)、河出書房新社、2012
はじめに 大地から//
物見の塔 浅草十二階ほか;眺望する欲望/展望塔の発達と衰退//
公共の塔 大阪城天守閣ほか;金鯱を戴く/象徴としての復興天守/現代の天守閣//
電波の塔 東京タワーほか;電波塔の系譜/エッフェル塔の追随者/東京タワー//
大衆の塔 通天閣ほか;初代通天閣/二代目通天閣//
ひとがたの塔 太陽の塔ほか;人型建築 - 彫刻とビルディングのはざま/「自由の女神」と「光雲の大仏」/太陽の塔 - 胎内宇宙での「進化」//
都市の塔 六本木ヒルズ森タワーほか;摩天楼という文明の装置/魔都のスカイライン/砂上の摩天楼/東京の中心/天空の楽園//
塔の塔 東京スカイツリーほか;塔というフロンティア/新たな東京のタワー/天空に伸びる/ジオラマ都市のツインタワー//
あとがき 天空へ、など、
202ページ。

 同じ著者による→
こちらを参照:「怪奇城の外濠」の頁の「v. ゴシック・ロマンス、その他

河村英和(えわ)、『タワーの文化史』、丸善出版、2013
高層タワーへ至る前史 - なぜ人は高いところをめざすのか?/尖塔・鐘楼・時計塔・タワーの付いた公共建築/世界一の高さへの挑戦と展望塔ブーム/塔の美学 - 様々な展望の愉しみ方など、
200ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:「階段で怪談を」の頁の「文献等追補

大澤昭彦、『高層建築物の世界史』(講談社現代新書 2301)、講談社、2015
神々をまつる巨大建造物 - 紀元前3000年頃~紀元後5世紀頃/塔の時代 - 5~15世紀/秩序ある高さと都市景観の時代 - 15~19世紀/超高層都市の誕生 - 19世紀末~20世紀半ば/超高層ビルとタワーの時代 - 1950~1970年代/高層建築物の現在 - 1990年代~現在/終章 高層建築物の意味を考える、など、
440ページ。


トレヴァー・ヨーク、中島智章訳、『図説 イングランドの教会堂』、マール社、2015、pp.91-101:第2部第8章「塔と尖塔屋根 Towers and Spires」
初期の塔/初期イングランド式、および、華飾式の尖塔屋根/垂直式の塔/さらに後の塔と尖塔屋根/鐘/時計/風見

原著は Trevor Yorke, The English Churches Explained, 2010
 全体の目次は;
はじめに//
教会堂の歴史;サクソン時代とノルマン時代の教会堂/初期イングランド式と華飾式の教会堂/垂直式の教会堂/チューダー朝、スチュアート朝、ジョージアン時代の教会堂/ヴィクトリア時代の教会堂//
教会堂の細部;身廊-側廊、交差廊、屋根・小屋根、ポーチ/内陣-祭壇、祭室・礼拝堂、追悼記念碑/塔と尖塔屋根/教会堂構内-十字架と追悼記念碑//
便利な参考資料ガイド/教会堂の年代判定/年表/おすすめ訪問先/用語集/参考文献/索引など、
128ページ。


 →こちら(「怪奇城の画廊(前篇) - 〈ギャラリー〉の空間」の頁)でも触れました。
 同じ著者による→
そちらを参照:「怪奇城の外濠」の頁の「iv 城など

松岡正子、「ギャロン・チベット族における『碉』の記憶と資源化 - 四川省丹巴県の『碉』を事例として」、『国立民族学博物館調査報告』、142号、2017.11.15、pp.239-262 [ < みんぱくリポジトリ

 「碉」(「石」ヘンに「周」) diāo、ATOK文字パレットによると「チョウ」
 イタリアのサン・ジミニャーノはもとより、ジョージア(グルジア)の(アッパー・)スヴァネティ(2018年10月14日放映の『世界遺産』(TBSテレビ→
こちらも参照 [ < 世界遺産TBS番組表 ])で知りました)などと比べたくなるところです。 

今福龍太、『ボルヘス 伝奇集 - 迷宮の夢見る虎』、2019、「Ⅳ バベルの塔を再建すること」

Wolfgang Born, "Spiral Towers in Europe and Their Orienral Prototypes", 1943

 栄螺(さざえ)堂こと三匝(さんそう)堂について→こちらを参照:「階段で怪談を」の頁の「文献等追補

 バベルの塔といえば、「メソポタミア」の頁の「おまけ」で(→このあたり:「おまけ」)

 Minimal Compact, One by One, 1982 から "Babylonian Tower"、

 Steve Hackett, Voyage of the Acolyte, 1975 から "A Tower Struck down"

 News from Babel, Sirens and Silences / Work Resumed on the Tower, 1984 からB面全体である Work Resumed on the Tower

など、また→そちら(「近代など(20世紀~) Ⅴ」の頁の「テッド・チャン」の項)で

  テッド・チャン、「バビロンの塔」、『あなたの人生の物語』、2003

や、→あちら(「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「おまけ」)で

 ブノワ・ペータース作、フランソワ・スクイテン画、古永真一・原正人訳、「塔」(1987)、『闇の国々』、小学館集英社プロダクション、2011

を挙げました。他にもいろいろあることでしょうが、とりあえずは;

 スティーヴン・ミルハウザー、柴田元幸訳、「塔」、『十三の物語』、白水社、2018
 原著は Steven Millhauser, "The Tower"(2007), Dangerous Laughter : Thirteen Stories, 2008

 →「怪奇城の肖像(完結篇)」の頁でも触れました)
 同じ著者による→そちらを参照:『アッシャー家の末裔』(1928)の頁の「おまけ

→「怪奇城の高い所(後篇) - 塔など」の頁も参照ください。
………………………

 庭園など;

 まずは;

澁澤龍彦、「東西庭園譚」、『胡桃の中の世界』、1974

 また

澁澤龍彦、『ヨーロッパの乳房』、立風書房、1973
所収の
「日時計について」、「洞窟について」、「理想の庭園」、「噴水綺談」など


 同書から→
こちら(「怪奇城の外濠」の頁の「iv. 城など」や、またそちら(「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「ボマルツォの〈聖なる森〉」の項」でも挙げています
 澁澤龍彦については→あちらを参照:「通史、事典など」の頁の「おまけ

『庭園 虚構仕掛けのワンダーランド』、鹿島出版会、1984
美しき女庭師の誘惑(彦坂裕)/パラダイスと庭の神話学(関和明)/ヴェルサイユの前後と上下(進士五十八)/庭園と建築思潮(菊地誠)/〈眼〉の庭園学 - 庭園劇場、舞台デザイン、メトロポリス(彦坂裕)/〈自然〉と〈人工〉の相克 - ジーキルとラッチェンスの庭園(片木篤)/公共庭園とユルバニスムの系譜(倉田直道)//
庭園舞台装置百科//
アメリカのランドスケープ・デザインの展開(上山良子)/アメリカのランドスケープ・デザイン私見(ローレンス・ハルプリン)/ローレンス・ハルプリンの新作(上山良子)/ランドスケープ・デザイン小史(マイケル・ローリー)/人類、自然、デザイン(ガレット・エクボ)/アメリカン・ランドスケープのアポリア(上山良子)//
ハンフリー・レプトンの風景式造園術について(彦坂裕)//
博覧会場(植田実)/庭師 ル・コルビュジェ(荒井勝祥)/点綴する庭(曽根幸一)/広場とモニュメントについて(関根伸夫)/遊び場としての庭園(櫻井淳)/〈緑〉の計画学の両義性(八束はじめ)/ボタニカ・ネクロフィリア(関和明)/エデンの園の後日譚(四方田犬彦)/廃墟・死・多言語(菊地誠)//
ドローイング展〈庭園〉(彦坂裕)//
ロンドン-パリ 公園史(関和明、中山道子)/庭園双六(関和明、福田豊)など、
168ページ。


 『SD』804号の特集を単行本化したもの
 →
こちら(「四角錐と四つの球 - 怪奇城の意匠より」の頁)で少し触れました

is、vol.26、1984.10、pp.2-45:「特集 庭園」
対談 人間と庭園の歴史 ルネサンスの庭・神の庭(若桑みどり、横山正)/古代人と庭 庭園前史(益田勝実)/庭に歴史を語らせる かくされた中世的世界のために(桜井好朗)/イギリス庭園の栄光と恥部 絶対王政からロマン主義へ(川崎寿彦)/風景庭園 凸面鏡のなかの〈近代〉の自画像(高山宏)/庭園における政治的なもの 古代中国の山水趣味と宴遊(大室幹雄)/現代都市空間の庭 ポスト・モダニズムと庭園の将来(植田実)/歩行のカダンス アンリ・ド・レニエと庭園(志村信英)/理想の庭園-イマジナリュウム(山口勝弘)/マダンとマダン・ノリ 韓国の〈庭〉の芸能(金両基)/庭の文化装置的機能 作→庭→か→らテレビヘ(粉川哲夫)/湖底の空中庭園 ロシア式庭園の不在について……(鴻英良)/図像(イコン)心像(イメージ)の庭 〈楽園訪問記〉(箱崎総一)

 なお同号には特集外で海野弘 「
二つの階段 部屋の宇宙誌 26」も掲載

高山宏、「庭の畸形学 凸面鏡の中の〈近代〉の自画像」、『目の中の劇場』、1985、pp.155-207
庭の隠喩/アルンハイムへ/〈新奇な美〉/風景庭園/シミュラークルとしての〈絵〉/絵の隠喩

ロバート・ハービソン、浜田邦裕訳、『建築と非建築のはざまで』、1995、pp.13-37:「第1章 庭園」

 →こちらで触れました:「拳葉飾りとアーチ - 怪奇城の意匠より」の頁

『ユリイカ』、vol.28 no.5、1996.4、pp.85-261:「特集 空中庭園」
小鳥たちの夢/石の夢(朝吹亮二)/空中庭園のためのスケッチ、若干(岩成達也)/脳髄の空中庭園 - ヴァレリー「セミラミスのアリア」註釈(中井久夫)/セミラミスのアリア(ポール・ヴァレリー)/ゲオルゲの詩集『架空庭園の書』をめぐって(富岡近雄)/架空庭園の書(シュテファン・ゲオルゲ)/庭という絵「空」ごと - ニルス=オレ・ルンドのコラージュ(高山宏)/フリーメーソンの地下庭園(三宅理一)/バビロンの架空園 - 失われし庭を求めて(1969)(澁澤龍彦)/陰鬱なサルタンの庭園 「空懸かる庭園」論(原研二)/絵画の庭(松浦寿夫)/埋められた不協和音 - キュー庭園を巡るカンヴァセーション・ピーシーズ(安西信一)/蛇の追憶 - 神の箱庭エデンの園をめぐって(竹下節子)/庭が消えた(飯島洋一)/王侯(プリンチペ)の密やかな愉しみ - ボマルツォの庭園(尾形希和子)/爆発を続ける庭園 - シェーンベルクのゲオルゲ歌曲集《空中庭園の書》(岡部真一郎)/「音楽の庭」へ - 武満徹、そしてオーケストラのために(小沼純一)/匂い立つアモールの園へ(高遠弘美)/庭園料理ア・ラ・シュヴァル - ピエール・ガニェールのムニュ・ド・ジェオグラフィ(許光俊)

ジョン・ブルックス、神谷武夫訳、『楽園のデザイン イスラムの庭園文化』、鹿島出版会、1989
原著は John Brooks, Gardens of Paradise. The History and Design of the Great Islamic Garden, 1987
序文(M.A.ザキー・バダウィー)//
序章 庭園の伝統/楽園としての庭園の概念/イスラム庭園の源流/イスラム期のスペイン/イスラム期のペルシャ/ムガル朝のインド/マグリブ、エジプト、シチリア、トルコ/イスラムの景観における水と植物/今日のイスラム庭園とその将来/付録 中東における庭園設計のためのノオトなど、
280ページ。


岩切正介、『ヨーロッパの庭園 美の楽園をめぐる旅』(中公新書 1934)、中央公論新社、2008
イタリア・ルネサンスの庭;初期の簡素な庭/テラスと石段の庭/寓意の庭/バロックの庭/整形庭園+自然園という複合庭 - ボルゲーゼ荘など/イタリア・ルネサンス様式とその後の展開//
フランス幾何学式庭園;フランス幾何学式庭園の誕生 - ヴォー・ル・ヴィコント城の庭/代表的なフランス幾何学式庭園/外国へ広がる//
イギリス風景式庭園;言説の先行と背景/素人造園家の名園/ケントによる風景式庭園の創出/ピクチャレスクの名園/ブラウンの庭/レプトンの庭 - 風景式庭園の最後の旗手/イギリス風景式庭園のその後 - 景観造形へ/外国のイギリス風景式庭園//
イギリス現代庭園;19世紀の庭造り/元祖ジーキルとラッチェンズの庭/現代庭園の聖地/最前線のいま//
スペインのイスラム庭園とパティオ;イスラム庭園/パティオなど、
284ページ。


ロイ・ストロング、圓月勝博・桑木野幸司訳、『イングランドのルネサンス庭園』、ありな書房、2003
原著は Roy Strong, Renaissance Garden in England, 1979/1998
序/ルネサンス庭園/紋章学庭園 - ハンプトン・コート、ホワイトホール、ノンサッチ/エンブレム庭園 - ケニルワース、ティブルズ、ウォラトン、ウィンブルドン、ノンサッチ/マニエリスム庭園Ⅰ - サロモン・ド・コー/マニエリスム庭園Ⅱ - フランシス・ベーコンとその周辺/折衷式庭園 - イサク・ド・コー/折衷式庭園Ⅱ - イニゴ・ジョーンズ、サー・ジョン・ダンヴァーズ、アンドレ・モレ/結論 - ルネサンスからバロックへ、そして魔術から科学へ//
観念を盛る幾何の器 - 初期インテレクチュアル・ヒストリーとしてのルネサンス庭園史研究(桑木野幸司)/花道を飾るデザイナー - 庭園はルネサンスの爛熟を記号化する(圓月勝博)など、
512ページ。


 同じ著者による→こちらも参照:本頁下掲の「劇場と舞台装置」の項

川崎寿彦、『マーヴェルの庭』、研究社、1974
序章 ホモ・ホルトゥーラヌスからクロムウェルまで/マーヴェルと17世紀の庭/庭に自閉する - 「子鹿の死を悲しむニンフの歌」 -/庭を賛える - 「庭」 -/庭を責める - 「庭を責める草刈人」 -/庭でためらう - 「アプルトン屋敷を歌う」 -/庭から歩み去る - 「バーミューダ島」そのほか -/結章 〈世界〉から〈歴史〉へ、など、
348ページ。


川崎寿彦、『庭のイングランド 風景の記号学と英国近代史』、名古屋大学出版会、1983
中世からルネサンスへ/17世紀の宮廷の庭/17世紀の田舎屋敷とその庭/マーヴェルのアプルトン屋敷/庭と牧場の力学/庭と森/海のなかの庭/ミルトンのエデン/新古典主義と庭園/庭園と洞穴(グロットー)/その後の英国庭園とロマン主義/エピローグなど、
386ページ。


川崎寿彦、『楽園と庭 イギリス市民社会の成立』(中公新書 723)、中央公論社、1984
はじめに/パラダイスのパラダイム - 楽園から庭園へ/洋上楽園発見か?/楽園を壊す力/荒野へ降り立つ者たち/開かれた庭へ、そしてその外へ/おわりに、など、
224ページ。


 →こちらで少し引きました:「怪奇城の外濠」の頁の「iv. 城など」の項の中で、〈にせの城(シャム・キャッスル)〉に関して、またそちらでも参照:「怪奇城の隠し通路」の頁の「隠し通路の実際?」中の「追補の2

田路貴浩、『イギリス風景庭園 水と緑と空の造形 建築巡礼 47』、丸善株式会社、2000
ウト・ピクトゥラ・ポエシスと庭園/エンブレマティック・ガーデンの成立/エクスプレッシヴ・ガーデンの兆候/ランドスケープ・ガーデンの展開/ピクチャレスクと庭園など、
112ページ。


遠山茂樹、『森と庭園の英国史』(文春新書 266)、文藝春秋、2002
英国庭園のルーツ/植物の狩人(プラント・ハンター)物語/森と兎のいる風景/ジェントルマンと狩りなど、
208ページ。


髙橋守、『行ってみたい英国庭園 その歴史と名園を旅する』、東京書籍、2004
はじめに//
英国庭園史入門;庭園前史/ローマ風庭園/中世庭園/ルネサンス庭園/ジャコビアン庭園/スチュアート庭園/アーリー・ジョージアン庭園/ジョージアン庭園/リージェンシー庭園/ヴィクトリアン庭園/エドワーディアン庭園/庭園年表//
行ってみたい英国庭園15選;ハンプトン・コート・パレス/ウィルトン・ハウス/ハットフィールド・ハウス/チズウィック・ハウス/クリーブデン/ハム・ハウス/ペンズハースト・プレイス/ヒーバー・カースル/リーズ・カースル/エーセルハンプトン/スタウアヘッド/ネブワース/ワッズドン・マナー/ヘスタークーム/ブリティッシュ・ヒルズ//
付録;英国造園家列伝/庭園用語小辞典//
あとがき/参考文献など、
132ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:「怪奇城の外濠」の頁の「iv. 城など」の項に『英国家具の愉しみ その歴史とマナハウスの家具を訪ねて』、2006

渡邉浩司、「『アーサー王物語』における『異界』 - 不思議な庭園とケルトの記憶」、細田あや子・渡辺和子編、『異界の交錯 宗教史学論叢 10』(上巻)、リトン、2006、pp.127-148
はじめに/『エレックとエニッド』の不思議な庭園/『ゲライント』の「霧の垣」/リンゴの木のなる島/海上から陸上への変換/生首の掛けられた杭の列/『名無しの美丈夫』の庭園/結びに代えて

横田克己、写真:松本学ほか、『フランスの庭 奇想のパラダイス』(とんぼの本)、新潮社、2009
プロローグ/逸脱の小宇宙/愛の洞窟、恋の泉/エディフィスの庭/幾何学の迷宮/見果てぬ夢の異境/都市(パリ)を癒す庭など、
128ページ。


桑木野幸司、「百科全書的空間としてのルネサンス庭園」、『ミクロコスモス 初期近代精神史研究 第1集』、2010、pp.94-140
初期近代庭園史の新たな視点//
16世紀後半の博物学研究の特徴;エンブレムの博物学/16世紀における博物コレクションの流行と博物図譜の発展//
デル・リッチョの理想庭園構想にみられる博物学研究の側面;デル・リッチョの理想庭園構想の概要/「王の森」の博物学的グロッタ 鉱物学的グロッタ、動物学的グロッタ、「王の森」のグロッタに見られる博物学の影響//
百科全書的空間としての庭園;「王の森」の百科全書的グロッタ/博覧教育視線としての庭園


桑木野幸司、『叡智の建築家 記憶のロクスとしての16-17世紀の庭園、劇場、都市』、2013

桑木野幸司、『ルネサンス庭園の精神史 権力と知と美のメディア空間』、白水社、2019
序 イタリア・ルネサンス庭園史の射程//
古代・中世の庭園文化;古代の庭園文化/中世の閉ざされた庭//
ルネサンスにおける風景の発見;文学に綴られた清新な自然観/アルベルティのヴィッラ庭園論/都市と庭園と風景の融合:理想都市ピエンツァ//
メディチ家の初期のヴィッラ庭園;カファッジョーロとトレッビオ/カレッジ/フィエーゾレとポッジョ・ア・カイアーノのヴィッラ・メディチ//
天才ドナート・ブラマンテの造園革命とその影響;ヴァティカンのベルヴェデーレの中庭/絵画としての建築/風景作家ブラマンテと後世への影響//
象徴化するランドスケープ - ラッファエッロの夢;ユリウス二世のローマ都市計画とヴィッラ・キージ/ヴィッラ・マダーマ幻想//
庭園に再現された地誌 - 庭を読む視点の誕生;ヴィッタ・ジューリア/ヴィッラ・カステッロの庭園//
コレクション空間としての庭園;庭の掟/幾何学幻想と植物園//
黄金時代 - ヴィッラ・デステとヴィッラ・ランテ;ヴィッラ・デステ/ヴィッラ・ランテ//
マニエリスム庭園の極北 - グロッタ・グランデとプラトリーノ;都市と庭園:メディチ家の博物学的関心とグロッタ・グランデ/ヴィッラ・プラトリーノ//
結び 終わらない宴//
あとがき - 言の葉が舞う庭など、
400ページ。


 →こちらで挙げました:《ザンクト・ガレン、修道院の理想的平面図》(816-836年)の頁の「Cf.」

桑木野幸司、「メディチ家の叡智の地図 初期近代イタリアの世界地図ギャラリーと地誌表象としての庭園」、『ユリイカ』、2020.6:「特集 地図の世界」、pp.164-172
新大陸とイタリア/メディチ家とプトレマイオス/「地図の間」の構想/コスモスの支配/地理学から地誌学へ - G.ウテンスのヴィッラ庭園画/ヴィッラ・ペトライアとヴィッラ・カステッロ

桑木野幸司、「パドヴァ植物園(1545年)と建築家ダニエーレ・バルバロ 科学・芸術・人文学の交わる空間」、『西洋美術研究』、No.21、2024.10.31:「特集 美術とテクネ-」、pp.57-76
はじめに//
パドヴァ植物園の花壇デザインと天界の表象;パドヴァ植物園の誕生/建築家バルバロ/パドヴァ植物園の形態と美学/バルバロと「占星術的園芸理論」//
パドヴァ植物園と修辞学の伝統;多様性の美学と蝕ぶてん/「庭=歴史」の比喩/建築学と修辞学の類比/美と思考の賦活剤としての多様性/コレクショニズム、常套句、記憶:パドヴァ植物園と劇場のメタファー//
むすび - 精神構造の投影としてのパドヴァ植物園


ミヒャエル・ニーダーマイヤー、濱中春・森貴史訳、『エロスの庭 愛の園の文化史』、三元社、2013
原著は Michael Niedermeier, Erotik in der Gartenkunst, Ein Kulturgeschichte der Liebesgärten 1995/2011
緒言(ハリー・ギュンター)/序文/原史時代と古代の豊饒崇拝、エロティックな庭と神殿の森/ギリシア・ローマ時代の豊饒の森、神殿の庭、愛の園/騎士、放浪芸人、貴婦人への愛、中世の愛の園/ルネサンスの官能のよろこびに満ちた愛の園/太陽王の時代から艶なる庭園まで/シテール島への船出 - 艶なるロココ/庭園革命の時代における愛と官能の発見/エロスとデッサウ=ヴェルリッツ庭園王国/ウィンター・ガーデン、シュレーバー・ガルテン、自然の庭、愛の園-19・20世紀への展望など、
448ページ。


 →こちらでも挙げています:「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「ボマルツォの〈聖なる森〉」の項

小林頼子、『庭園のコスモロジー 描かれたイメージと記憶』、青土社、2014
序章 地上の楽園としての庭園/門 楽園の門・天国の門・地獄の門/囲うこと その1 公の世界の場合/囲うこと その2 私の世界の場合/水と泉 命と権力のシンボル/迷宮(ラビリンス) 惑わしの空間・導きの糸洞窟 その1 自然と芸術の融合としてのルネサンス洞窟/洞窟 その2 古代とキリスト教中世/庭師 癒しの場所を手入れする者/花・樹木・果実 小プリニウスからモネまで/むすびに代えて - 「オランダの庭」、メタファーとしての庭など、
296ページ。


池上俊一、『ヨーロッパ中世の想像界』、2020、pp.80-104+註 pp.116-118:第Ⅰ部2「庭園の変容」
飼い慣らされた自然空間/庭と果樹園の現実/愛の庭/魂の救いの庭からマリアの庭へ/王の庭/むすび
………

John Harvey, Medieval Gardens, B. T. Batsford Ltd., London, 1981/1990
『中世の庭園』
序論/古典的造園術の遺産/千年紀以前:紀元500-1000年/南ヨーロッパの庭園/ノルマン人のもとでの庭園/中世盛期の庭園/庭園とその植物/序-植栽師のパレット/エピローグ-終わりと新たな始まりなど、
216ページ。


Georgina Masson, Italian Gardens, (The World of Art Library: Architecture), Thames and Hudson, London, 1961/1966
『イタリアの庭園』
序/ローマの庭園/中世と初期人文主義の庭園/トスカナの庭園/ローマ・ルネサンスの庭園/マルケとヴェネトの庭園/来たイタリアの庭園など、
288ページ。

 →
こちらで触れました:「四角錐と四つの球 - 怪奇城の意匠より」の頁

Lucia Impelluso, translated by Stephen Sartarelli, Gardens in Art, (A Guide to Imagery), The J. Paul Getty Museum, Los Angeles, 2007
 イタリア語原著は2005年刊
『芸術における庭園』
序/聖なる庭園と世俗の庭園/教皇と領主たちの庭園/王たちの庭園/解放された庭園/庭園は公けのものとなる/庭園の諸要素/庭園における生活/象徴的な庭園/文学的庭園など、
382ページ。


 →こちらで触れました:「四角錐と四つの球 - 怪奇城の意匠より」の頁

Magnus Olausson, "Freemasonry, Occultism and the Picturesque Garden towards the End of the Eighteenth Century", Art History, vol.8 no.4, December 1985, pp.413-433
「フリーメイスン、隠秘学と18世紀末頃のピクチャレスク庭園」
………

中野美代子、「Ⅱ-1 アルンハイムの地所」および「Ⅱ-2 囲まれた庭」、「Ⅲ-4 春画のなかの庭園」、『龍の住むランドスケープ 中国人の空間デザイン』、1991、pp.115-132、
アルンハイムの地所;エリソンの風景観/アルンハイムの地所/ランダーの別荘/ヴァテックの風景観/鉄道旅行による風景の変質//
囲まれた庭;理想的な閉空間/「友松図巻」のなかの閉空間/岩に囲まれた母胎
春画のなかの庭園;中国春画における肉体不在/纏足のままの性戯/無表情の男女/「褻視」的な日本の春画/中国春画の空間/春画のなかの虚構の風景/春画の記号論/小を以て大を観る/芥子に須弥を入れる/春画空間の二重構造/「重屏」のなかの性戯


 また;

中野美代子、『奇景の図像学』、角川春樹事務所、1996
奇景漫歩;内臓の風景/謎の西洋楼/西洋鏡/重屏(ちょうへい)の山水/ダンス・マカーブル/書を読むサル/余白のカニバリズム/山中の太湖石 - 呉彬(ごひん)の岩(上)/増殖する太湖石 - 呉彬(ごひん)の岩(下)/樹上の家/(しょく)の桟道/ロンドンの怪獣/ビザールな怪物たち - 『アンドロメダの解放』(上)/三人のペルセウス - 『アンドロメダの解放』(下)/ティモール島の墓//
スウィングする園林;シナふうパゴダの恐怖/
鞦韆(ぶらんこ)のシンボリズム ポルノグラフィーと中国庭園/石に刻む/太湖石のある風景/園林をつくる視線 壺中天から些小景へ/絵のある石たち/噴水のある庭 澁澤龍彦の庭園論を追って/天の井戸と地の井戸 境界としての幻想空間/桃源郷をめぐる風水 竪坑と井戸と「天井」//
風景のプレパラート;
法螺(ほら)のある風景 地理におけるユーモアとまじめ/二つの方位軸について/秘められたルート 日本の北方と中国の西南と/平安建都の神聖地理学、風水思想/龍の泳ぐ空間/壁のうちそと/風俗図巻のなかの園林/逆さ地図/フローラの時間 マリアンヌ・ノースの旅と植物画など、
320ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:「中国」の頁の「i. 概説、通史など」の項

稲次敏郎、「中国庭園の研究 - 住居と庭園の関係について -」、『東京芸術大学美術学部紀要』、no.22、1987.3.31、pp.1-30

(おさむ)編、『庭園とその建物 日本の美術 No.34』、至文堂、1969.2
日本庭園の特性/庭園の鑑賞/日本庭園の変遷史/日本庭園様式/日本の庭園作者の系統と作風//
図版解説/日本造園法秘伝書とその系統など、
130ページ。


 →こちらで触れました:「津の築山遊具など」の頁

井戸美里編、『東アジアの庭園表象と建築・美術』(KYOTO Design Lab Library 2)、昭和堂、2019
はじめに(編者)//
庭園としての都市 - 東南アジアの都城理念にみるコスモロジー(大田省一)/
中国庭園にみられる多様な廊とその役割(髙木真人)/仇英筆「金谷園・桃李園図」と明代蘇州の庭園雅集文化(植松瑞希)/共鳴する庭園と絵画 - 和歌が介在する風景(井戸美里)/描かれた花鳥と庭 - 大徳寺大仙院花鳥図再考(並木誠士)/Zhuozheng yuan and its Owners : The Making, Sharing, and INterchangeing of Fame(拙政園とその所有者たち - 創作 / 共有 / 交換される名声)Sylvia W.S. Lee The Politics of Ideal Landscape in Joseon Dynasty Korea(朝鮮時代の理想的山水画の政治学 - 〈四時八景図〉から〈山靜日長図八幅〉へ)CHO KyuheeRivalry for Cultural Supremacy : Construction of Architectural Space and Its Representation in 19th-century Choosǒn Society(文化権力をめぐる競争)KIM Soojin : 金秀珍など、
246ページ。

………

 また

『庭 ~ 自然との対話、自己との対話 ~ INAZAWA・現在・未来展 2』図録、稲沢市荻須記念美術館、1992
〈大地〉が主役の美術(中村英樹)//
久野利博/味岡伸太郎/磯部聡/溝口一三//
"人あっての庭"のすすめ(龍居竹之介)など、
36ページ。


『GARDENS』展図録、豊田市美術館、2006
ガーデンズ - さまざまな経験と問いかけ(カトリーヌ・グルー)/ガーデンズ - 小さな秘密の庭へ(能勢陽子)//
展示風景/作家解説など、
136ページ。


 漫画から;

横山裕一、『NIWA The Garden』、イースト・プレス、2007

横山裕一、『アウトドアー』、講談社、2009

 また

横山裕一、「地理」、『ユリイカ』、2020.6:「特集 地図の世界」、pp.98-99

 →こちら(「怪奇城の外濠 Ⅲ」の「綺想建築など」の項)で挙げた有坂蓉子、『ご近所富士山の「謎」 富士塚御利益散策ガイド』(2008)と富士山つながりということで;

牛田吉幸・著、大竹敏之・編集、『名古屋の富士山すべり台』(爽 SO BOOKS)、風媒社、2021
はじめに/富士山すべり台とはなにか/
富士山すべり台図鑑/[観察ポイント]玉石 団地とともに カラーリング 冠雪 頂土 経年変化/コラム 令和のスタンダードは柔らか富士山?/
富士山すべり台はニッチな最高峰の登頂口(大竹敏之)/これも富士山すべり台?/
〝石の山〟から〝クライミングスライダー〟へ - 名古屋市の量産型コンクリート遊具/富士山すべり台を撮る/
各都市のコンクリート築山遊具/ぐるり周遊 富士山すべり台ツアー/全国富士山遊具めぐり/
田中修二教授にきく - 遊具と彫刻、プレイスカルプチャーとは?/
コラム 学校遊具・園庭遊具/富士山グッズカタログ/
富士山すべり台を未来へつなぐ 安藤有雄さん/富士山すべり台をとりまく人たち/
富士山すべり台一覧/既に解体された富士山すべり台/富士山すべり台を探す&調べる/
まさかの新作登場! 富士山すべり台の明日/
あとがき/参考資料など、
158ページ。

 「『富士山すべり台』というのは私の造語です」(p.14)

とのことで、名古屋市役所では〈プレイマウント〉と呼ばれているそうです(同上、また p.91、p.130)。すぐ後には

 「『石の山』『クライミングスライダー』『プレイマウント』という三種類のコンクリート製築山遊具」(pp.14-15)

との言い方もされていました。具体的には「〝石の山〟から〝クライミングスライダー〟へ - 名古屋市の量産型コンクリート遊具」(pp.88-93)や、さらに「各都市のコンクリート築山遊具」(pp.96-99)を参照いただくとして(ちなみに〈築山〉は「つきやま」と読むそうです。漢字変換もできました。〈石の山〉は大阪市では〈石山〉となるらしい:p.97)、「田中修二教授にきく - 遊具と彫刻、プレイスカルプチャーとは?」(pp.110-121)の中に、

 「彫刻が公園遊具と深くかかわるようになるのは、1950年代のプレイスカルプチャー(遊戯彫刻)の誕生に端を発する。提唱したのは彫刻家エゴン・モーラー・ニールセン」(p.112)

とありました。エゴン・モーラー・ニールセン
Egon Møller-Nielsen は1915年、デンマークのコペンハーゲンに生まれ、1959年スウェーデンのストックホルムで歿しました。ともあれプレイスカルプチュアで検索してみて出くわしたのが; 

市川寛也、「彫刻の場としての公園に関する一考察 ― 1950年代から60年代にかけての都市公園・児童公園の事例から」、『美術教育学研究』、48巻1号、2016、pp.73-80 [ < J-STAGE
DOI : https://doi.org/10.19008/uaesj.48.73

 文中で参照されている(p.77 註42-43、図2、p.78 図4-5)次の記事もウェブ上で見ることができました。写真主体の記事です;

プレイスカルプチュアの発祥とその発展途上にある作品群」、『工芸ニュース』、24巻6号、1956.7、p.4 [ < 産業技術総合研究所 東北センター

「プレイスカルプチュアの勝利 エゴン・モーラー・ニールセンの作品」、同上、pp.5-7

プレイスカルプチュア・アメリカ版2題 - SADDLE SLIDE & JIGGLE RING」、同上、pp.8-9

 『名古屋の富士山すべり台』中で名前だけ触れられていた〈タコのすべり台〉(p.111)、〈タコの山〉(p.119)ですが;

西山貞子、『私のタコ デンマークにも誕生「タコの滑り台」』、文芸社、2011
タコの自己紹介/「私のタコ」になった滑り台/写真もあなたの言葉です/タコと別れて北口へ転居/モノトーンの表現とカラー/竹内フォトセミナーの一員に/写真詩集『タコのすべり台』を出版/子どもたちに夢を! 街にうるおいを!/シナリオライター三宅直子さんとの出会い/タコの一人歩き、ではなく/「私のタコ」は10年の付き合い/北海道にいらっしゃいよ/名古屋のタクシーさん、ありがとう/お母さんタコもいたよ/会って来たタコさんたち/尼崎市役所を訪問/タコがもたらした出会い/飛んで()んでデンマーク王国へ!/タコに関わった大人たち/「さようなら」はずっと先に/
あとがき タコは生命をもった物体だ/資料:デンマーク向け遊具「タコの山(A)」など、
144ページ。


 第7章の章題にもあるように、著者には先だって『写真詩集 タコのすべり台 タコとお陽さまの対話』(1993)があるとのことです(未見)。

『ワンダーJAPAN』、no.16(三才ムック vol.304)、2010.7.1、pp.3-35:「たのしい公園遊具大特集」
巨大生物系;カブトムシすべり台(西巣鴨公園)/ハクチョウすべり台(赤羽三和児童遊園)/テントウムシすべり台(幕張第一公園)/うさぎすべり台(うさぎ児童遊園)/赤ベコすべり台(赤ベコ公園)/カバすべり台(東日暮里二丁目児童遊園)/リスベンチ(竜洋海洋公園)・キノコテーブルセット(中央公園)/金魚の遊具(若草子どもの遊び場)・ゾウすべり台(轟の滝公園)//
レトロSF系;土星遊具(雑司ヶ谷中央児童遊園)/人工衛星遊具(桃太郎公園)・ウニ爆弾遊具(東山動植物園)/ロボットすべり台(田井庄池公園)/ロケット遊具(江戸橋公園)//
シュール系;新幹線公衆トイレ(福岡中央公園)/富士山すべり台(裏門前公園)/海賊ブランコ(裏門前公園)・インディアンブランコ(館児童遊園地)/船すべり台(上落合西公園)/チューリップすべり台(八木が谷北公園)/貝すべり台(鳥居崎海浜公園)//
恐竜・怪獣系;怪獣ゴムラと首長竜(タイヤランド)/ゴジラすべり台(くるはま花の国冒険ランド)/プテラノドン東屋(東原親水公園)/恐竜すべり台(総合レクリエーション公園・子供の広場)/タイヤ怪獣(西六郷公園)


 「これまで数回に分けてお届けした公園遊具ミニ特集」(p.3)とのことで、とりあえず手もとにあるのが;

『ワンダーJAPAN』、no.1(三才ムック vol.115)、2005.12.20、pp.90-93:「タコすべり台 35/189」(写真とコメント:D-one)

 →そちらも参照:「津の築山遊具など」の頁、また→同じ頁のあちら
………………………

 グロッタ(グロット)など
 -
grotta はイタリア語(女性名詞)ですが、同じイタリア語に grotto (男性名詞)もあり、『小学館伊和中辞典』(1983)によると、

 前者(「洞窟、岩屋……」)は仏語
grotte (女性名詞)を経て英語 grotgrotto の詩語) に、

 後者(「小洞窟……」)は英語
grotto 「洞窟」「岩屋」

となるとのことです。
 ちなみに、スペイン語では
gruta (女性名詞)、ドイツ語では Grotte (女性名詞)

原研二、「怪奇!人工洞窟館 マニエリスム的洞窟学(スペレオロギー)に寄せて」、『ユリイカ』、第27巻第2号、1995.2:「特集 マニエリスムの現在」、pp.176-196
グロッタ・グランデ/さまざまな器/園亭グロッタ/小動物の型どり/ルスティカ(牧歌風)/ストゥディオロ/機械劇場/音楽機械風景/驚異/悪魔

原研二、『グロテスクの部屋 人工洞窟と書斎のアラベスク』(Serie Meraviglia No.2)、作品社、1996
生成の暗室;グロッタ・グランデ ヘルメティズムの洞窟/観念を盛る器 表象攪乱の世紀/火からくりの男 祝祭アレンジャー、ブォンタレンティ/陶工パリシーの蜥蜴 田舎ぶりのマニエリスム/貝殻館 人工とまごう自然/アルカディア・グロッタ 黄金時代をフェイク/オルペウスの祠 ヴィラ・プラトリーノ、「常春の庭」/機械庭園 ディオラマ・ムジカーレ/ミメーシス 神の御業を盗む//
魔術の庭;サロモン・ド・コー 魔術庭園師/晴れやかなる俯瞰 ホルトゥス・パラティヌス//
ストゥディオロ(書斎/実験室);ムーサエウム 水の精の司るところ/洞窟をなぞる書斎 イザベラ・デステの二重洞窟/ストゥディオロ・アイドル ペトラルカに倣いて/
パズリングの密室 ウルビーノ公書斎、寄木細工の透視空間/田園の換喩装置 ヴェッキオ宮のスクリットイオ/四大の集う部屋 フランチェスコ一世の書斎/実験室/叡知の天蓋 ウフィツィ宮のトリブーナ/繁茂するグロッテスカの華やぎ 生成する怪物たち//
むすび;驚異/恩寵//
暗夜行路 あとがきに代えて、など、
262ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:『オペラの怪人』(1925)の頁の「Cf.

鳥居徳敏、「グロテスク grotesque とロカイユ rocaille - 建築における洞窟空間の系譜 -」、『麒麟』、no.13、2004.3.25、pp.114(1)-94(21) [ < 神奈川大学学術機関リポジトリ

Naomi Miller, Heavenly Caves. Reflections on the Garden Grotto, George Braziller, New York, 1982
『天上の洞窟 庭園グロットについての省察』
序論 - 古典的主題の変容/宇宙の隠喩 - 古典的トポス/聖書の典拠とキリスト教的密儀/人文主義綺想 - ルネサンス庭園/想像の諸世界 - バロックのスペクタクル/壮麗な不適切さ - 風景の中の絵/折衷的逸脱 - 白鳥の歌/エピローグ - イリュージョンの建築など、
142ページ。


Liliane Lange, "La grotte de Thétis et le premier Versaille de Louis XIV", Art de France, no.1, 1961, pp.133-148
「テティスのグロッタとルイ14世の最初のヴェルサイユ」

Lucile M. Golson, "Serlio, Primaticcio and the Architectural Grotto", Gazette des Beaux-Arts, no.1225, 1971.2, pp.95-108
「セルリオ、プリマティッチョと建築グロット」

中野美代子、「人工洞窟(グロットー)」、『仙界とポルノグラフィー』、1995、pp.191-219

小林頼子、『庭園のコスモロジー 描かれたイメージと記憶』、2014、
 pp.137-159:「第6章 洞窟 その1 自然と芸術の融合としてのルネサンス洞窟」/
 pp.161-181:「第7章 洞窟 その2 古代とキリスト教中世」

 また;

下村純一、『不思議な建築 甦ったガウディ』、1986、pp.41-87:「第2章 洞穴 - 甦る太古の揺籃」
………………………

 劇場とその舞台セットというのは映画のセットだけでなく、ルネサンス以来の透視画法の展開ともつながっているのですが、あまり資料を集められずにきてしまいました(「美術の話」中の「オペラ座の裏から(仮)」(2019/8)でも以下に挙げる資料の一部等が参照されます)。とりあえず

福原麟太郎、「彫刻的と絵画的[前] - 舞台構造の歴史と文学の変遷 -」、『美術手帖』、no.45、1951.7、pp.52-57

  同、  「彫刻的と絵画的[後] - 舞台構造の歴史と文学の変遷 -」、『美術手帖』、no.46、1951.8、pp.52-56

菅原太郎、「近世劇場の誕生 - 覚書(1)」、『美學』、no.21、1955.6、pp.14-26

  同、  「近世劇場の誕生 - 覚書(2)」、『美學』、no.24、1956.3、pp.13-25

  同、  「近世劇場の誕生 - 覚書(3)」、『美學』、no.46、1961.9、pp.28-38

Cécile de Banke、加藤壽一訳、『シェイクスピア時代の舞台とその今昔』、印刷所:国際文献印刷社、1978
原著は Cécile de Banke, Shakespearean Stage Production Then & Now, 1954
推薦のことばHugh Miller//
舞台 エリザベスおよびジャコバン時代のシェイクスピア演劇の舞台;劇場建設に至るまで/建築プランに現れた劇場の変遷/エリザベス時代の劇場の組織 - 起源と遺風//
  現代のシェイクスピア戯曲の上演;単一舞台場面の例/複合舞台場面の例/情景の様式と暗示的上演/舞台の簡単な形態//
  エリザベス時代と現代の舞台照明//
  小道具と音響効果;エリザベス時代の演出/現代の演出/舞台道具/役立つ小道具/芝居小道具/音響効果//
俳優と演技 俳優とエリザベス時代におけるロンドンの劇団//
  シェイクスピア劇団の役者;座員/員数および格付/二役/宿屋の内庭および公設劇場に於ける演技/エリザベス時代の役者の稽古//
  復元したエリザベス時代の舞台におけるシェイクスピア時代の演技;現代の舞台を利用するエリザベス時代の演技の概要//
衣裳 エリザベス期の英国における衣裳;舞台衣裳の伝統的壮麗さ/衣裳の費用/歴史上の衣裳/英国の衣裳/象徴的衣裳および想像的衣裳//
  エリザベス時代の衣裳の細目;生地および色/婦人の衣裳/男子の衣裳/装飾とアクセサリーなど、
206ページ。


 原著の「第4章 音楽と舞踏」は割愛
 第1章Ⅰにおけるグローブ座など当時の劇場の再構成にあたっては、
John Cranford Adams による平面図や模型が掲載されています。

海野弘、『空間のフォークロア』、駸々堂、1980
建築から演劇へ;スペクタクルの環境/カーニバルと都市/サーカスの二重の輪/山あげ祭の野外劇/〈けれん〉と〈からくり〉/都市の叛乱と祭り//
劇場のフォークロア;泥棒・乞食・役者の宿 - シェイクスピア劇場/巨鯨の中の芝居小屋/ピタゴラス劇場//
文様的想像力;デザインと自然/中国古青銅器の文様/疾走する木馬/部屋を描く/フェストスの円盤//
土地の精霊;空間の悪魔祓い/日本人の空間的想像力/土地のエクリチュール/猫町のクロニクル/さらばドギイ・タウン//
二つの物語;
アッシャー家設計ノート/空説 松平忠直など、
288ページ。


 同じ著者による→こちらも参照:本頁上掲の「もろもろなど(1)」の項
 とりわけ

『空間の神話学 玩具・庭園・劇場』、造形社、1971
 中の

pp.119-186:「世界劇場 - シェイクスピアの舞台 -/幻影劇場 - マニエリスムのからくり舞 台-/バレエ・リュス - 荒々しき魔術 -/光・音・肉体 - 構成主義の舞台 -」


 また

海野弘、『魅せられし空間 - 広場と劇場の神話学』(PARCO PICTURE BACKS)、PARCO出版、1987
序 現代都市とスペクタクル/サーカス - 囲いこまれた祭の広場/オペラ - 肥大した夢空間/パフォーマンス - 都市から肉体へ、など、204ページ。

清水裕之、『劇場の構図』(SD選書)、鹿島出版会、1985
芸能空間論序説;はじめに/観ること、観られること/芸能空間の基本型/視軸/芸能空間の異化と同化/芸能空間の複合型/二重の正面性/二重の正面性の同化/横から観ること、或いは視軸の三角形/観客の意識による芸能空間の変容//
劇場形態の歴史的展開;ギリシア劇場とローマ劇場/聖史劇の宇宙/ルネサンス/バロック劇場の成立と解体/近代プロセニアムステージの完成とオープンステージの挑戦/近代劇場の解体と重合的劇場空間意識の芽生えなど、
266ページ。


清水裕之、「日本の劇場空間 空間の生成と変容に関するノート」、『日本の美学』、no.16、1991.3:「特集 空間 - 日本人の空間意識」、pp.120-137
演技する場所、観る場所の象徴性/芸能空間の基本型/視軸の三角形/境界の強さ/花道と橋掛り

 同特集からあわせて;

ナディム・カラム、古谷和仁訳、「舞台造りの空間 パフォーマンスの建築」、同上、pp.187-205
舞台造りの概要//
お水取りの祭 建築の舞台設定;二月堂での層/二月堂の歴史的変化の概要//
  行動の舞台設定 - 松明・達陀・お水取り;火と水/練行衆を見るには?/夫松明の祭〈火〉/達陀の祭〈火・水〉/お水取りの儀式〈水〉//
  二月堂の空間概念;巡る/二月堂の内陣を巡る/重ねる//
むすび;永遠と無常/晴と褻


清水裕之、『ヨーロッパの劇場建築 建築巡礼 29』、丸善株式会社、1994
はじめに/イタリア/オーストリア/ドイツ/フランス/オランダ/イギリス/あとがきなど、
112ページ。


高山宏、「星のない劇場」、『目の中の劇場』、1985、pp.15-40

 同、 「王権神授のドラマトゥルギー 遠近法の政治学」、同上、pp.41-67

S.ティドワース、白川宣力・石川敏男訳、『劇場 建築・文化史』、早稲田大学出版部、1986
原著は Simon Tidworth, Theatres. An Architectural and Cultural History, 1973
ギリシア演劇 - 儀式としての演劇/ローマの遺産/中世 - 劇場なき演劇/古典的劇場の復活/絵と額縁/バロック式宮廷劇場/新古典主義の理想/演劇におけるジョージ王朝時代/大歌劇へ/華麗なる時代/ワグナーの改革/ショーとビジネス/これからの舞台とは?、など、
358ページ。


ジョージ・R・カーノードル、佐藤正紀訳、『ルネサンス劇場の誕生 演劇の図像学』、晶文社、1990
原著は George Riley Kernodle, From Art to Theatre. Form and Convention in the Renaissance, 1944
序論 ルネサンス演劇の問題//
劇場の形式とコンヴェンションとのルーツ - 絵画、彫刻及び「タブロー・ヴィヴァン」 舞台的背景ののはじまり - 原始的儀礼、ギリシア演劇及び中世美術;時間、空間及び背景の組織化。原始的解決 - フリーズと行列/ヘレニズムの寄与 - ギリシア演劇及びヘレニズム美術の統一されたアーケード・スクリーン/中世的発展 - 中世及び初期ルネサンスの絵画及び彫刻における背景の三つのタイプ//
  ショウ・ピクチャーとショウ・アーキテクチャー - 「タブロー・ヴィヴァン」;ショウ・ピースとしての祭壇及び墳墓/追憶による王の歓迎 - タブロー・ヴィヴァンの主題と演劇的形式/街頭演劇 - タブロー・ヴィヴァンの舞台形式//
建築的シンボルの劇場 - テレンティウス・アカデミーのファッサード、フランドル、エリザベス朝及びスペインの民衆演劇 第一の舞台ファッサード - ネーデルラントにおける雄弁家団体の舞台;雄弁家団体/雄弁家団体の戯曲/雄弁家団体の舞台/フィフーレン、すなわちタブロー//
  第二の舞台ファッサード - エリザベス朝舞台;美術及びページェントに由来する場面的趣向/舞台ファッサードの外観/エリザベス朝舞台の上のページェント・ショウ/ファッサードの前及び内部でのタブローとダム・ショウ/ファッサードのコンヴェンション/ファッサードの形式//
  アーケード・ファッサード及びカーテン・ファッサード - ドイツ及びスペインのカーテン舞台、学校、イエズス会の舞台、テアトロ・オリンピコ;ドイツ及びスペインにおけるカーテン・ファッサード/テレンティウスの舞台/イエズス会のファッサード/テアトロ・オリンピコ/建築的シンボリズムの原理//
絵画的なイリュージョンの演劇 - イタリアの遠近法的場面、フランス及びイギリスにおける妥協、ウィング及びバック・ドロップ、プロセニアム及び描かれた絵画のバロック装置 イタリアの遠近法的舞台;絵画的なイリュージョン/遠近法的舞台背景のはじまり/遠近法的舞台装置の諸原理//
  遠近法的舞台の枠 - 内舞台、プロセニアム、フロント・カーテン;形式的な要素及びイリュージョニスティックな要素/バック・シャッター及び内舞台/部分的な枠及び形式的なサイド・ハウス/街頭演劇からの枠の趣向-城、アーケード、パヴィリオン、そして凱旋門/遠近法的場面のための完全なプロセニアム・フレーム/フロント・カーテン//
  フランス及びイギリスにおける妥協 -バロック舞台;フランス宮廷での上演における遠近法/オテル・ド・ブルゴーニュ座における、中世から近代へ/場所の統一をめ ぐる論争及びフランス流の解決/イギリスにおける妥協//
結論 劇場の絵画的遺産など、
470ページ。

 邦訳は時間切れ提出の感ありとの印象が残っています。


福田晴虔(せいけん)、『建築と劇場 - 18世紀イタリアの劇場論』、中央公論美術出版、1991
序論 - 近世西欧建築における劇場的特質 はじめに - 方法と対象、及び本論の構成//
  建築に表れた劇場的特質 - ルネサンス;透視図法の発見と舞台背景への応用/ウィトルウィウス解釈と実践/イリュージョニズムとイマジナルな建築/空間範型としての劇場像//
  バロック空間の劇場的特質;隠喩の劇場/透視図法の完成/バロック劇場の変転//
アルガロッティの劇場論 アルガロッティとその建築観;百科全書派文化人アルガロッティ/ネオクラシシズムとアルガロッティ//
  《オペラ論》の内容と特色;《オペラ論》の背景/《オペラ論》のなりたちとその狙い//
  劇場空間のイメージ;風景画としての舞台背景/音響装置としてのオーディトリウム//
  アルガロッティの空間認識//
ミリツィアの劇場論 戦闘的啓蒙主義者ミリツィア;スキャンダルと剽窃の言論人/ミリツィアとネオクラシシズムの建築理論//
  《劇場学》書誌とその構成;刊行をめぐる事情/ミリツィア流演劇論//
  建築的劇場の復権を目指して;円形平面と三分割背景/複合都市施設としての劇場/ミリツィアの《劇場学》の影響//
  ミリツィアの空間認識の問題点//
結論;劇場的空間範型の喪失/ネオクラシシズムの空間理念とその矛盾//
付録 アルガロッティ 《建築論》(1759)訳稿(pp.290-318)//
  アルガロッティ 《オペラ論(1755)》訳稿(pp.319-375)前書き/序章/脚本について/音楽について/歌唱と演技の技法について/舞踏について/舞台背景について/劇場について/結論//
  ミリツィア 《劇場学大全》(1794)訳稿(pp.376-514)はじめに//
    第1章;劇場全般について/劇場に対する反対意見について/折り合いのための提言/劇場の起源/その目的/その分類/詩について/美しき自然/ドラマについて/全ての演劇に共通せる規範//
    第2章;悲劇について/悲劇の規範/悲劇の歴史//
    第3章;喜劇について/喜劇の規範/喜劇の歴史//
    第4章;牧歌劇について//
    第5章;音楽劇について//
    第6章;オペラの筋書について//
    第7章;音楽について/音楽の効果について/音楽の本質について/シンフォニアについて/レチタティーヴォについて/アリアについて/合唱について/音楽による喜劇について//
    第8章;俳優について//
    第9章;舞踏について//
    第10章;装飾について//
    第11章;劇場の素材について/古代の劇場/現代の劇場/古代の劇場と現代の劇場の比較/新劇場計画案//
    第12章;劇場に於ける欠陥の原因とその改善策//
    付図;図版説明/付図//
後書きなど、
592ページ。


 →こちら(ピエロ・デッラ・フランチェスカ周辺《理想都市》(15世紀後半)の頁の「Cf.」や、そちら(セルリオ『建築七書』の第二書(1545)よりの頁の「Cf.」、またあちら(バルバロ『透視図の実際』(1569)よりの頁の「Cf. の cf.」でも挙げました

加藤明子、「パオロ・ヴェロネーゼ絵画における劇場的特質」、『美学』、no.169、43巻1号、1992夏、pp.24-34
はじめに/16世紀イタリアの舞台背景/《カナの婚礼》/《レビの家での晩餐》/テアトロ・オリンピコ/結び

 こちらで触れました:「バルコニー、ヴェランダなど - 怪奇城の高い所(補遺)」の頁

宮本亜門+松葉一清、「第3夜 演劇と建築」、日本建築学会編、校長:伊藤哲夫、『建築空間と想像力 PART 2 建築夜学校'91』、1992、pp.114-153
オリジナルの発生を軸に/日本を背負った劇場/伝統への違和感/劇場の原点/パラーディオの建築と劇場空間/劇場の設計/アイデンティティの是非

『ホックニーのオペラ展』図録、Bunkamura ザ・ミュージアム、芸術の森美術館、名古屋市美術館、兵庫県立近代美術館、広島市現代美術館、水戸芸術館現代美術ギャラリー、1992-93
イメージについて(スティーヴン・スペンダー)/ホックニーが創造したオペラの世界(高橋英郎)/ホックニー ー 舞台からキュビズムの発見まで(山脇一夫)/ホックニーのステージワーク 時間と視線(尾崎真一郎)//
カタログ;『魔笛』/『放蕩者のなりゆき』/『ロシニョール』/『トリスタンとイゾルデ』/『トゥータンドット』//
オペラチャート/年譜/参考文献/インデックスなど、
126ページ。


イーフー・トゥアン、『個人空間の誕生 食卓・家屋・劇場・世界』、1993、pp.123-160:第5章「劇場と社会」+原注(pp.289-292)
pp.266-270(+原注:pp.299(32)-(33))も参照

ウォルター・ホッジス、井村君江訳、『シェイクスピアの劇場 「グローブ座」の歴史』(ちくま文庫 ほ 8-1)、筑摩書房、1993
原著は C. Walter Hodges, Shakespeare's Theatre, 1964
前書き/Ⅰ/Ⅱ//
あとがき - 「
地球(グローブ座」の再現と発掘(井村君江)など、
240ページ。


C・ウォルター・ホッジス、河合祥一郎訳、『絵で見るシェイクスピアの舞台』、研究社出版、2000
原著は C. Walter Hodges, Enter the Whole Army. A Pictorial Study of Shakespearean Staging 1576-1616, 1999
序文/舞台研究の始まり - マローンの伝統/舞台の基本要素/
ワープ効果 - 『リチャード二世』、『ロミオとジュリエット』、『ジュリアス・シーザー』、『ヴェニスの商人』/
音楽室を攻撃せよ! - 『ヘンリー六世・第一部』、『ジョン王』、『じゃじゃ馬馴らし』/
舞台に全軍が登場? - 『終わりよければすべてよし』、『ヘンリー六世・第三部』、『アントニーとクレオパトラ』/
柱は邪魔か? - 『終わりよければすべてよし』、『空騒ぎ』、『恋の骨折り損』/
ベッドはどこに? - 『オセロー』、『ヘンリー六世・第二部』、『ヘンリー四世』二部作/
特殊効果 - 『ヘンリー六世』(第一部、第二部)、『ハムレット』、『マクベス』、『タイア王子ペリクリーズ』、『シンベリン』、『テンペスト』、『ヘンリー六世・第三部』/
ホールでの上演 - 『十二夜』、『間違いの喜劇』、『恋の骨折り損』/
結論を描き出す - 『ハムレット』、『夏の夜の夢』、『リア王』、『ヘンリー八世』/エピローグ 最後の絵など、
280ページ。


『劇場をめぐる旅 芝居小屋建築考』(INAX BOOKLET)、株式会社INAX、1994
江戸の芝居空間(服部幸雄)/日本芝居小屋めぐり(中村ひろみ)/
ヨーロッパの劇場建築 オペラハウスとコンサートホール(清水裕之)/グローブ座とシェイクスピア(前沢浩子)/スペイシャルな空間 ロシア構成主義とバウハウス(鴻英良)/
図版構成 アジアの劇場空間/アジアの劇場空間 宇宙を映す場(宮尾慈良)/
小劇場演劇の芝居空間(扇田昭彦)/一坪の土地とひとりの芸能者 演出家からみた演劇空間(蜷川幸雄)/
劇場建築の現在(伊東正示)/年表 近代演劇空間史(監修:伊東正示+作成:早川朋子)など、
84ページ。


 →こちらでも触れました:「怪奇城の隠し通路」の頁

橋本(のう)、『遠近法と仕掛け芝居 17世紀フランスのセノグラフィ』(中央大学学術図書 49)、中央大学出版部、2000
序論 ルネサンス劇場の誕生;『アンドロメード』/「イタリア式」劇場の成立//
透視図法背景の発達;宮廷バレエ/マウロの『覚え書』/パレ=ロワイヤル座の柿落し/「任意の宮殿」//
仕掛け芝居とフランス・オペラ;『建築書第二書 遠近法』/『オルフェオ』/イタリア・オペラの模倣/独自の発達/ギリシア神話からの脱皮/リュリ//
結論 バロック劇場の幻影など、
308ページ。

エヴリーヌ・ペレ=クリスタン、鈴木圭介訳、『階段 空間のメタモルフォーゼ』、2003、pp.111-145:「第3章 見ることと見られること - 階段と演出」

奈尾信英、「ルネサンス期のイタリアにおける実践的透視図法の展開: ― バルダッサーレ・ペルッツィの舞台背景画における作図法」、『図学研究』、no.39 Supplement 2、2005、pp.1-6 [ < J-STAGE
DOI:
https://doi.org/10.5989/jsgs.39.Supplement2_1

本杉省三、『劇場空間の源流』(SD選書 265)、鹿島出版会、2015
劇場は生きている//
生成する劇場空間;建築家は劇場空間を用意する/劇場を進行形で考えられないか//
祭りから歌舞伎小屋へ;舞台としての道、芝居小屋の原型/芸能と時間 - 舞台空間の時間軸/小屋から劇場へ//
リアルからメタフィジカルへ;プロセニアム劇場の確立と否定の近代/ギリシア劇場が教えるリアリティ/観客と作る芝居の明かり//
オペラ劇場におけるオーケストラピットの存在感;オーケストラはどこにいる/オーケストラピットの誕生/抽象性・幻想性を追求したワーグナーの意志//
活動と呼応する距離感;距離感が生み出す一体感/コンサートホールにおけるオーケストラと観客の距離感/「見る」劇場から「居る」劇場へ//
日本の劇場創成期;明快な直線的舞台へ/近代劇場の計画理念を主導した帝国劇場//
劇場のモダンデザイン;完全な劇場と不完全な場からの出発/パブリックのデザインなど、
254ページ。


小針由紀隆、『クロード・ロラン 17世紀ローマと理想風景画』、論創社、2018、pp.138-151+註 pp.234-236:「理想風景画とステージ・デザイン」
クロードとローマの文化的ミリュー/理想風景画とステージ・デザインの近似性/1666年の素描とステージ・デザイン/前景に立つ引き伸ばされた人物

金沢文緒、「第4章 18世紀ヴェネツィアの舞台美術 - ビビエーナ一族の革新とその影響」、伊藤博明責任編集、『叡智のアルストピア オリエントから、そしてすべては、イタリアへ』(イタリア美術叢書Ⅵ)、ありな書房、2022、pp.151-202+註:pp.258-262
はじめに - フェニーチェ劇場の創建/ビビエーナ一族の革新性/18世紀前半のヴェネツィアの舞台美術とビビエーナ様式/フランチェスコ・アルガロッティの『オペラ論』とヴェネツィア絵画/おわりに 再びフェニーチェ劇場

 こちら(「オペラ座の裏から(仮)」の頁の「舞台装置と透視図法など」)や、そちら(ジュゼッペ・ガッリ・ビビエーナ『建築と透視図法』(1740)の頁の「Cf.」)、またあちら(『偽りの狂女』第二幕(1645年 プチ・ブルボン宮、大広間)の頁の「Cf.」)でも挙げました

フランセス・イエイツ、『世界劇場』、1978

ジュリオ・カミッロ、『劇場のイデア』、2009

パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂』展図録、アーティゾン美術館、2022/11/5-2023/2/5

 なども参照

 また演劇と関係が深く、実際共通する図像が何点も掲載されているのが;

ロイ・ストロング、星和彦訳、『ルネサンスの祝祭 王権と芸術』(上下)(イメージ・リーディング叢書)、平凡社、1987
原著は Roy Strong, Art and Power : Renaissance Festivals 1450-1650, 1984
上巻 壮麗さの研究;中世の伝統/遠く失われた秘儀/国家のスペクタクル//
  見世物と政治;君主制の理念/帝国の視角像 皇帝カール五世の巡幸など、
238ページ。

下巻 見世物と政治(承前);「政治」の壮麗さ カトリーヌ・ド・メディシスとヴァロワ朝の祝祭/王朝の讃美 トスカナ大公フェルディナンドとフィレンツェの「幕合狂言」/絶対主義の幻想 チャールズ一世とスチュアート朝の宮廷仮面劇//
結び/補遺 1494年から1641年にかけての主要な祝祭ならびに出版物など、
200ページ。


 →こちらで触れました;「四角錐と四つの球 - 怪奇城の意匠より」の頁
 同じ著者による→
そちらも参照:本頁上掲の「庭園など」の項/『イングランドのルネサンス庭園』、2003

 また;

海野弘、『都市とスペクタクル』、中央公論社、1982
ページェントの幻想/魚屋のページェント/巨人のページェント/酒池肉林のページェント/機械のページェント/建物のページェント/花火のページェント/妖精のページェント/結婚のページェント/軽業のページェント/ペストのページェント/象と鯨のページェント/顔のページェント/馬のページェント/紋章のページェント/ロビン・フッドのページェント/洋服屋のページェント/アレゴリの街角のページェントなど、
264ページ。


 同じ著者による→こちらも参照:本頁上掲の「いろいろなど(1)」の項

リヒャルト・アレヴィン、カール・ゼルツレ、円子修平訳、『大世界劇場 宮廷祝宴の時代』(叢書・ウニベルシタス)、法政大学出版局、1985
原著は Richard Alewyn / Karl Sälzle, Das große Welttheater - Die Epoche der höftischen Feste in Dokumente und Deutung, 1959
大世界劇場(リヒャルト・アレヴィン) 宮廷の祝宴//
  世俗的祝宴の形態学の試み;馬上の槍試合/狩猟/凱旋式/花火/民衆 - 市民階級 - 貴族/舞踏/祝宴の場所と時間//
  バロック芸術と祝宴;衣裳/肖像画/彫刻と庭園//
  バロック演劇の精神;演劇と禁欲/世界の完全な模像としての演劇/世界の完全な象徴としての演劇/舞台の素材/道化役者の変化/パースペクティヴと幻覚/中間領域としての演劇/仮面と欺瞞/自乗された幻覚/生 - 夢、世界 - 演劇//
宮廷の祝宴 同時代の報告と記録によるカール・ゼルツレの記述;発行者の前書き(エルネスト・グラッシ)/前書き/
フィリップ善良王の祝宴 - リール、1453年/フィレンツェの結婚 - 1579年/カッセルの騎士芝居 - 1596年/魅せられた島の逸楽 - 1664年/レーオポルト一世の結婚に際しての祝宴 - ウィーン、1666-1668年/
ヨーロッパ演劇の200年など、
198ページ。


京谷啓徳、『凱旋門と活人画の風俗史 儚きスペクタクルの力』(講談社選書メチエ 660)、講談社、2017
はじめに/ルネサンスのハリボテ凱旋門/ルネサンスの活人画/ポッセッソ - 新教皇のスペクタクル/「活人画」の誕生 - 18世紀後半~19世紀前半/大衆化する活人画 - 19世紀後半/明治の凱旋門と活人画/新宿帝都座の額縁ショウへ/おわりに、など、
328ページ。


 →こちら(『大反撃』(1969)の頁/活人画について)で、またそちら(「四角錐と四つの球 - 怪奇城の意匠より」の頁)や、あちら(「オペラ座の裏から(仮)」)の頁、あちらの2(同頁、別の箇所)でも触れました
………

Jeanne Bouché, "Servandoni (1695-1766)", Gazette des Beaux-Arts, no.638, 1910.8, pp.121-146
「セルヴァンドーニ(1695-1766)」

Jeanne Lejeaux, "Quelques décors de théâtre du XVIIe siècle", Gazette des Beaux-Arts, 1952.7-12, pp.37-46
「17世紀フランスのいくつかの舞台装飾」

Yves Bottineau, "Architecture éphémère et baroque espagnol", Gazette des Beaux-Arts, no.1191, 1968.4, pp.213-230
「仮設建築とスペイン・バロック」

Anne-Marie Lecoq, "La «Città festeggiante». Les fêtes publiques au XVe et XVIe siècles", Revue de l'Art, no.34, 1976, pp.83-100
「《お祭りを祝う都市》 15-16世紀における公けのお祭り」

Daniel Rabreau, "Des scènes figurées à la mise en scène du monument urbain. Notes sur le dessin «théâtral» et la création architecturale en France après 1750", Études réunies par Georges Brunel, Piranèse et les français. Colloque tenu à la Villa Médicis 12-14 Mai 1976, Académie de France à Rome, 1978, actes - XXIII, pp.443-474
「都市建造物を演出するための舞台図 1750年以後のフランスにおける〈劇場の〉素描と建築的創造についての覚書」

André Chastel, Fables, formes, figures 1, Flammarion, Paris, 1978,
  pp.423-428 : "22. Le lieu de la fête"(1956)
  pp.428-439 : "23. Cortile et théâtre"(1964)

  pp.498-503 : "28. «Vues urbaines peintes» et théâtre"(1974 et 1976)
  pp.537-542 : "32. Cortège et paysage de la fête"(1974)

「22 お祭りの場所」/「23 〈中庭〉と劇場」/「28 《描かれた都市の眺め》と劇場」/「32 行列とお祭りの風景」

David Rosand, Painting in Cinquecento Venice.Titian, Veronese, Tintoretto, Yale University Press, New Haven and London, 1982, pp.145-181 : chapter 4; "Theater and Structure in the Art of Paolo Veronese", pp.282-295 : Notes
『16世紀ヴェネツィアの絵画 ティツィアーノ、ヴェロネーゼ、ティントレット』、第4章「パオロ・ヴェロネーゼの芸術における劇場と構造」
《ダリウスの家族》/〈劇場は絵のように
Ut Pictura Theatrum 〉/パッラーディオの劇場/ヴェロネーゼの〈荘厳なる劇場 Maestoso Teatro 〉/壮麗さと意義/時間を表わす諸々の仕組み/余論 〈舞台装置 Scaenographia 〉についてのダニエーレ・バルバロ

 また同書第5章「ティントレットの宗教画における行動と敬神」中の「2.敬神の劇場」も参照
(pp.190-199 : "2. The Theatter of Piety" in chapter 5; "Action and Piety in Tintoretto's Religious Pictures")

"XV. Der Bildraum der Bühne", Der Traum vom Raum. Gemalte Architektur aus 7 Jahrhunderten, 1986, pp.187-195 (Kurt Löcher), pp.451-469 (Helmut Grosse)
「第15章 劇場の舞台空間」、『空間の夢 7世紀間の描かれた建築』展図録

Jacqueline Decter with the Nicholas Roerich Museum, Messenger of Beauty. The Life and Visionary Art of Nicholas Roerich, Park Street Press, Rochester, Vermont, 1997, pp.46-65 : "The Theater"
Nicholas Roerich; The Life and Art of a Russian Master, 1989 の改題再刊
『美の使者 ニコライ・リョーリフ(レーリヒ)の生涯と幻視的芸術』、5番目の章「劇場」


 リョーリフ(レーリヒ)に関し→こちら(「近代など(20世紀~) Ⅲ」の頁の「xvi. 20世紀神秘学の歴史など」/シャンバラとの関連で)や、またそちら(「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「xix. ラヴクラフトとクトゥルー神話など」/ラヴクラフトとの関連で)も参照

Ben Brewster and Lea Jacobs, Theatre to Cinema. Stage Pictorialism and the Early Feature Film, 1997/2003

Oscar G. Brockett, Margaret Mitchell, Linda Hardberger, Making the Scene. A History of Stage Design and Technology in Europe and the United States, Tobin Theattre Arts Fund, San Antoniio, Texas, 2010
『舞台を作る ヨーロッパとアメリカ合衆国における舞台デザインとテクノロジー』
古代ギリシアとローマの劇場における舞台デザイン/中世の舞台デザイン/イタリア・ルネサンス/1640年から18世紀初頭までのフランスおよび神聖ローマ帝国におけるデザイン/18世紀のデザインにおける
成角舞台(シェーナ・ペル・アンゴロ)の影響/新古典主義とロマン主義 - 対極に立つものの拮抗/写実主義と自然主義/近代主義/アメリカの新たな舞台技術、ロシアの構成主義、叙事的演劇とバウハウス/第二次世界大戦以後と20世紀末/エピローグ 21世紀の方を見ながら、など、
378ページ。


"Theatrical Ceilings", in "Ceiling", Rem Koolhaas et al., Elements of Architecture, Taschen, 2014/2018, pp.272-279 (pp.66-73)
「劇場の天井」、「天井」のセクションより
上の方の眺め/滑車と釣り合い錘:幕の裏の機械類/ガルニエ宮/シカゴ劇場$シドニー・オペラ・ハウス


"Theatrical Architecture", in "Stairs", op.cit., pp.1738-1739 (pp.12-13)
「劇場建築」、「階段」のセクションより


Mari Yoko Hara, “Capturing eyes and moving souls : Peruzzi’s perspective set for La Calandria and the performance agency of architectural bodies”, Renaissance Studies, vol.31 no.4, 2016, pp.586-607
URL: https://doi.org/10.1111/rest.12249
DOI: 10.1111/rest.12249
「目を捉え魂を動かす 『ラ・カランドリア』のためのペルッツィの透視図法舞台と建築的躯体のパフォーマンス的作用」

Zeitspünge. Forshungen zur Frühhen Neuzeit, Band 20, Heft 3/4, 2016 ; edited by Jan Lazardzig and Hole Rößler, Technologies of Theatre. Joseph Furttenbach and the Transfer of Mechanical Knowledge in Early Modern Theatre Cultures
時間跳躍(ツァイトシュプリュンゲ) 初期近世研究』誌、20巻3/4号、2016:『劇場の諸技術 ヨーゼフ・フルテンバッハと初期近世の劇場諸文化における機械的知識の移転』
ヨーゼフ・フルテンバッハと機械的知識の移転 初期近世の劇場諸文化への新たな視野(
Jan Lazardzig, Hole Rößler)//
フィレンツェの祝祭と舞台装置 『図像写本401
Codex iconographicus 401』(バイエルン国立図書館)(Joseph Furttenbach 1591-1667)//
「場所がないので、費用も省くために」 舞台技法の知識:ヨーゼフ・フルテンバッハと文化翻訳の限界(
Hole Rößler)/ウフィッツィの劇場 ベルナルド・ブオンタレンティからジュリオ&アルフォンソ・パリージまでのフィレンツェの舞台(Sara Mamone)/伝統と刷新の間 フルテンバッハの『図像写本401』の光の下での17世紀フィレンツェの舞台装置再考(Giuseppe Adami)/技師の凝視 『図像写本401』(『フルテンバッハ写本』)における空間的・技術的知覚と表象についての所見(Simon Paulus)/知識の成文化の諸形態と機能 ヨーゼフ・フルテンバッハの作品からの一例(Mateo Valleriani)など、
212ページ(扉・目次+pp.271-478 と表記)


 →こちらで少し触れました:「オペラ座の裏から(仮)」の頁の「舞台装置と透視図法など

Catalogue de l'exposition Degas à l'Opéra, Musée d’Orsay, Paris et National Gallery, Washington, 2019-2020

Edited by John Marciari and Laurel O. Peterson, catalogue of the exhibition Architecture, Theater, and Fantasy. Bibiena Drawings from the Jules Fisher Collection, The Morgan Library & Museum, New York, in association with Paul Holberton Publishing, 2021
『建築、劇場と幻想 ジュールズ・フィッシャー・コレクション蔵ビビエーナ一族の素描』
ガッリ・ビビエーナ一族 - 序説
Diane M. Kelder/舞台を作る - 製図工としてのビビエーナ一族Laurel O. Peterson/ガッリ・ビビエーナ一族の劇場芸術Arnold Aronson/ビビエーナを蒐集するJohn Marciari/展覧会出品作の照合表Diane M. Kelder/文献など、
96ページ。


 こちらにも挙げておきます:ジュゼッペ・ガッリ・ビビエーナ『建築と透視図法』(1740)の頁の「Cf. の cf.

 神戸の古本屋で見かけて、なぜか買ってあったのが;

Catalogo a cura di Giovanna Gaeta Bertelà e Annamaria Petrioli Tofani, introduzione di Giovanna Gaeta Bertelà, Feste e apparati Medicei - Da Cosimo I a Cosimo II, (Gabinetto disegni e stampe degli Iffizzi XXXI), Leo S. Olschki Editore, Firenze, 1969
『メディチ家の祝祭と装飾 コジモ一世からコジモ二世へ』
はじめに/カタログなど、
250ページ+図版42ページ。

………

服部幸雄、『大いなる小屋 近世都市の祝祭空間』(叢書 演劇と見世物の文化史)、平凡社、1986
芝居小屋論序説//
都市の中の芝居町/櫓/積物・看板・提灯/鼠木戸/桟敷/上手・下手/
橋・道/船/幕/稲荷町//
役者の紋/役者の名/見得//
讃州金毘羅大芝居訪問記など、
308ページ。


服部幸雄、『江戸の芝居絵を読む』、講談社、1993、pp.41-74:「一 芝居小屋と興業」
歌舞伎誕生/芝居小屋の内を見る/正徳5年の江戸三芝居

寺山修司・矢牧健太郎、『新版 遊びの百科全書 5 遊戯装置』(河出文庫 767E)、河出書房新社、1988、
 pp.198-207:「05-310 歌舞伎のステージにはイリュージョン装置がいっぱい」
 pp.208-215:「05-311 舞台がそっくり入れ替わる大仕掛けの装置」

 「『装置実験室』(『遊びの百科全書』第8巻)所収の、歌舞伎大道具の第一人者、金井俊一郎氏による『歌舞伎芝居の舞台からくり』から引用」(pp.198-199)とのこと。
 また同書、

 pp.194-197:「05-309 亡霊が舞台上にあらわれるイリュージョン創出装置」、

 pp.216-219:「05-312 夢を追う装置は夢の世界のもの」

などもあわせて参照
 →
こちら(『甲賀屋敷』(1949)の頁)や、そちら(「オペラ座の裏から(仮)」の頁の「歌舞伎小屋など」の項)、またあちら(「怪奇城の隠し通路」の頁)でも挙げました 

狩野博幸編著、『近世風俗画 4 祭りとしばい』、淡交社、1991
文学と風俗画/図版など、
148ページ。

岸文和、『江戸の遠近法 浮絵の視覚』、1994
 pp.18-21:「第Ⅰ章第2節 《芝居狂言舞台顔見せ大浮絵》について」、
 pp.41-132:「第Ⅱ章 〈第一世代の〉『浮絵歌舞伎芝居図』 - 室内空間を見る眼差し -」および「第Ⅲ章 明和4年(1767)のスナップ・ショット - 歌川豊春『浮絵歌舞伎芝居図』 -」など

山崎純、岡本真理子、河田克博、麓和善、仙田満、内藤昌、「屋敷雛形における能舞台の研究」、『日本建築学会計画系論文集』、第504号、1998.2、pp.219-226 [ < 名古屋工業大学学術機関リポジトリ
Permalink : http://id.nii.ac.jp/1476/00004544/

田沢裕賀、『遊楽図と歌舞伎図 日本の美術 No.483』、至文堂、2006
はじめに//
慶長期の遊楽図;舟木家本の世界/慶長後期狩野派の遊楽図/風流の踊り/一回性の遊楽//
歌舞伎図と四条河原;描かれた歓楽街/阿国歌舞伎/歌舞伎図屛風/四条河原/四条河原図屛風/若衆歌舞伎/四条河原図画系の遊楽図/北野・四条河原図屛風/歌舞伎図巻/四条河原図の終焉/露殿物語//
邸内遊楽図と風俗画;岩佐又兵衛/江戸を描いた風俗図/桜狩り遊楽図//
対談 島原の太夫とその文化(高橋利樹・田沢裕賀)など、
98ページ。


『歌舞伎 江戸の芝居小屋 歌舞伎座新開場記念展』図録、サントリー美術館、2013
江戸の芝居小屋(田中優子).//
図版;劇場空間の成立 江戸三座とは/歌舞伎の名優たち/芝居を支える人々//
江戸の演劇空間 - 堺町と葺屋町 -(武井協三)/もう一つの「歌舞伎の草子」 - 徳川美術館所蔵「歌舞伎図巻」をめぐって -(深谷大)/初代歌川豊国と劇場図 - 西村屋与八版の三枚続を中心に -(渡邉晃)/市川團十郎と江戸歌舞伎(木村涼)/観客たちの芝居小屋(池田芙美)//
作品解説など、
288ページ。

 →こちらでも触れました:「怪奇城の隠し通路」の頁

片岡愛之助、清水まり、『愛之助が案内 永楽館ものがたり - 出石 IZUSHI -』、集英社、2015
第七回永楽館歌舞伎ドキュメント.//
平成26年11月公演/初役とチーム上方/情の伝わる舞台/出石の人々の永楽館愛/芝居好きの夢/
出石永楽館 近畿最古の芝居小屋のなかはこうなっている!/
不可能を可能にしたもの/もうひとつの故郷/
出石のまち&永楽館の歴史/出石MAP 出石への交通案内/
コウノトリが象徴する土地柄/
コウノトリ 保護と復活の歴史/豊岡 MAP/
城崎温泉との縁/
城崎温泉 MAP/
永楽館がきっかけ/豊かな感動を/
ACCESS 兵庫県豊岡市への交通案内//
永楽館歌舞伎公演 演目リスト(平成20年~平成26年)/参考文献など、
200ページ。

 →こちらで少し触れました:「怪奇城の隠し通路」の頁

 出石(いずし)の永楽館のことは、徳島の(奥)祖谷(いや)の落合集落、および高知の沢田マンション(→そちらも参照:「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「綺想建築、その他」」の項)ともども、R..A.ラファティを「敬愛」し、以前バンヴァードの阿房宮のことを教えてくれた知人が教えてくれました(→あちらで触れました:「近代など(20世紀~ ) Ⅴ」の頁の「ラファティ」の項)。 
………

『新興の烽火 築地小劇場とその時代 舞台・美術・写真』展図録、名古屋市美術館、1999
〈場〉としての劇場、再考 - 村山知義に即して(池田浩士)/構成・舞台 - 大正期新興美術と演劇(五十殿利治)/舞台写真の成立と展開 - 築地小劇場を中心にして -(金子隆一)/“何が彼等をそうさせたか” - 築地小劇場の舞台の上で(竹葉丈)//
演劇的光景・表現としての舞台写真/女優の肖像・花柳はるみと芸術家群像/拡張する実験・劇場の三科と形成芸術など、
120ページ。


笹尾佳代、「劇場 文学の建築空間」、日高佳紀・西川貴子編、『建築の近代文学誌 外地と内地の西洋表象 アジア遊学 226』、2018、pp.200-201
………

加藤幹郎、『映画館と観客の文化史』(中公新書 1854)、中央公論新社、2006
はじめに パノラマ館を見る - 絵画、幻燈、写真、映画、ヴィデオ・ゲーム/序論 理論的予備考察//
アメリカ編 映画を見ることの多様性;パノラム - ジュークボックス映画/キネトスコープ - ひとりで映画を見る/乗物に乗って映画を見る/ヴォードヴィル劇場 - 実演と再現//
  1905年から30年代までの映画館;ニッケルオディオン - 最初の常設映画館/映画宮殿/1930年代の劇場/黒人専用映画館//
  オルターナティヴ映画館;ドライヴ・イン・シアター/屋外上映会/シネマ・コンプレックス/巨大映画館アイマックス・シアター//
  テーマパークの映画館;万国博覧会の映画館/ヘイルズ・ツアーズ - 擬似列車旅行/テーマパーク化する映画/テーマパーク化する街 - ハリウッド//
  観客の再定義//
日本篇 日本映画の問題の傾向と対策;日本の初期常設映画館/連鎖劇 - 映画と演劇の総合/映画館に対する規制/小唄映画 - 文字通りのメロドラマ/トーキー移行期の映画館/1930年代後半の映画館と都市/プログラム小冊子//
  映画都市の誕生 - 戦後京都の場合;ひとは何のために映画館へ行くのか/「近代映画館」の誕生/座って映画を見よう/映画を見てミシンを当てよう/ロケを見に行く市民たち//
  多種多様な観客;ポルノ映画館の観客/試写室の観客 - 慎みとモラル/ホーム・シアターの観客など、
314ページ。

………

 また杉本博司の《劇場》シリーズも参照のこと;

『SUGIMOTO 杉本博司写真集』、リブロポート、1988

 真木悠介「水の黙示録」を収録

『杉本博司』展図録、森美術館、、ハーシュホーン美術館・彫刻庭園、スミソニアン・インスティテュート、ワシントンD.C.、2005-2007
幼少の砌(杉本博司)/不可能な写真(ケリー・ブラウアー)/杉本博司 無限の相貌(デヴィッド・エリオット)//
図版など、
368ページ。

 下に挙げる

L'Opéra de Paris, 1985

 も参照。また


江崎聡子、『エドワード・ホッパー作品集』、東京美術、2022、pp.48-61:「映画館、劇場」
………………………

 地下など;

 →宇宙論史コーナーの「通史、事典など」の頁の「iii. 地学・地誌・地図、地球空洞説など」、
 また「怪奇城の地下」の頁も参照

ガストン・バシュラール、岩村行雄訳、『空間の詩学』、1972、pp.36-71:「第一章 家 地下室から屋根裏部屋まで 小屋の意味」

竹山実、「地下の道 死と生のポリフォニイ」、is、no.14、1981.9;「特集 道」、pp.28-29
密室恐怖と誇大妄想/生と死の相互変換/現代の地下都市計画案

地下空間利用研究グループ、『地下都市 ジオ・フロントへの挑戦』、清文社、1989
推薦のことば(下河辺淳)/はじめに//
地下街から地下都市へ;いま、なぜ地下空間なのか/都市の地下空間利用小史/海外の地下空間活用事例/都市の地下空間を支える技術/都市の地下空間/地下空間における防災対策/地下街から地下都市へ/地下利用にかかわる法制度//
ジオ・フロント開発への挑戦//
[座談会]安全な都市の地下空間活用を目指して//
参考文献など、
320ページ。


ロザリンド・ウィリアムズ、市場泰男訳、『地下世界 イメージの変容・表象・寓意』、平凡社、1992
原著は Rosalind Williams, Notes on the Underground. An Essay on Technology, Society and the Imagination, 1990
まえがき/技術的未来像としての地下社会/発掘 - 真実を求めて地下を掘る/掘削 - 現代生活の下部構造を造る/地下の美学 - 崇高さからファンタジーへ/地下社会における退化と反抗/社会的地下世界への旅/地下に安全を求めて、など、
360ページ。

i
s、no.57、1992.9;「特集 地下世界

武澤秀一、『インド地底紀行 建築探訪 9』、丸善、1995
序 インドの地底空間へ//
地底空間の諸相;原初のステップウェル/地下寺院・地下神殿/水を包み込む階段/地底から立ち上がるタワー群/地底に跳梁するアーチ群/立体格子の地下空間/階段が結ぶ水と大地と空//
地底建築紀行;地底の光と霧/通過儀礼としての階段/地底聖所の水と月/生きているステップウェル/ステップウェルの死(その1)/ステップウェルの死(その2)//
あとがき - インド地底建築が示唆するものなど、
112ペー ジ。


 同じ著者による→こちらを参照:「仏教 Ⅱ」の頁の「v. 仏身論、密教など」の内「空海について」の項

港千尋、『洞窟へ 心とイメージのアルケオロジー』、せりか書房、2001
はじめに//
海底洞窟の驚異;海底洞窟の発見/芸術と時間/測定の問題/二重の壁画・二重の視線//
プロジェクションの神話;投射という現象/「美術の起源」の神話/カプ・ブランの浮彫り/双方向的プロジェクション//
ネガティヴ・ハンドの謎;ガルガスの手/身ぶりと物質/重ね描きと秩序//
記憶のシステム;レーザー光で見る/見てはいけないものなのか/
変質(オルタネーション)反復(レプリケーション)/ニューラル・ダーウィニズム/記憶とカテゴリー/洞窟的(グロテスク)//
脳と洞窟;痕跡と記号/シーイング・アズ/追跡と推論/痕跡から記号へ/トポグラフィックな構造/記号過程としての主観//
美しき動物たち;動物たちが招く/洞窟熊の謎/編年の難しさ/創造性とは何か/心の社会/心の進化理論/創造性としての認知的流動/変形する力/赤と黒/劇的な構成/四次元的パースペクティヴ/概念空間の冒険/表象から運動へ/運動としてのイメージ/洞窟とは何か//
変身の力;不思議な岩/観るということ/内なる洞窟/ブッシュマン・フォークロア/内在する視覚/すべての時の記号/壁の向こう側/予感の力/触覚記号/暁の文字//
ガルガスの手(アンドレ・ルロワ=グーラン)など、
298ページ。

永井太郎、「地下世界の近代」、『福岡大学人文論叢』、第41巻第2号、2009.9、pp.945-983 [ < 福岡大学機関リポジトリ
Permalink : http://id.nii.ac.jp/1316/00001030/

 上掲のロザリンド・ウィリアムズ『地下世界』(1992)とともに先行研究としてあげられていたのが(p.946 および p.978 注1);

谷川渥、『幻想の地誌学 空想旅行文学渉猟』、1996、pp.123-146:「地底の旅」

井辻朱美、『ファンタジー万華鏡(カレイドスコープ)』、2005、pp.134-151:「ファンタジーは地底をめざす」
地層の発見/博物館とファンタジー/地層と時間の逆転/地下における身体体験

 やはり永井太郎「地下世界の近代」(2009)で、近代以前を垣間見る際に参照されていたのが(p.947);

黒田日出男、『龍の棲む日本』、2003、pp.133-168:「Ⅳ 龍が棲む中世〈日本〉」

 関連して;

河東仁、「鯰絵と富士の人穴 - 中世日本における龍-表象の継承と変容 -」、2006

ギュンター・リアー+オリヴィエ・ファイ、古川まり訳、『パリ 地下都市の歴史』、東洋書林、2009
原著は Günter Liehr + Olivier Faÿ, Der Untergrund von Paris. Ort der Schmuggler, Revolutionäre, Kataphilen, 2000
はじめに - 地下に潜む不穏/最初の冒険/石灰岩の採石場(カリエール)/採石場監督局の創立/カタコンブ/丘陵の下で/大溝渠(クロアカ・マクシマ) - 下水道の冒険/コミュナールと怪人/19世紀の地下利用/メトロポリス/地の底での戦争/ふたたび、カタフィルたち//
解説-パリの経歴とその石切り場(奥本大三郎)など、
242ページ。


ジュリア・ソリス、綿倉実香訳、『ニューヨーク 地下都市の歴史』、東洋書林、2011
原著は Julia Solis, New York Underground, 2002
もうひとつのニューヨークの魅力/マンハッタンの生命線/地下鉄システム/地下の巨大建造物/秘密に満ちたトンネル/逃げ道と配管シャフト/迷宮と丸天井/地下世界の魅力//
解説 - ニューヨーク・アングラ・ツアー(海野弘)など、
242ページ。


 こちらで触れました:「怪奇城の地下」の頁の「追補の2

野崎歓、『異邦の香り - ネルヴァル「東方紀行」論』、2010、
  pp.173-198+注 pp.414-415:「第7章 奇想のピラミッド」、
  pp.273-293+注 pp.420-422:「第11章 地底世界とフロイト」

ウィル・ハント、棚橋志行訳、『地下世界をめぐる冒険 闇に隠された人類史』、亜紀書房、2020
原著は Will Hunt, Underground : A Human History of the Worlds beneath Our Feet, 2019
挨拶 - 日本語版に寄せて//
地下へ - 隠されたニューヨーク/横断 - パリの地下納骨堂/地球深部の微生物 - NASAの野望/
赤黄土(レッド・オーカー)を掘る鉱夫たち - アボリジニの聖域/穴を掘る人々 - もぐら男とカッパドキア/迷う - 方向感覚の喪失が生む力/ピレネー山脈の野牛(バイソン)像 - 旧石器時代のルネサンス/暗帯(ダークゾーン) - 「創世記」の闇と意識変容/儀式 - 雨を求め地下に下りたマヤ人//
訳者あとがきなど、
296ページ。


唐戸信嘉、『ゴシックの解剖 暗黒の美学』、2020、pp.185-217:「第6章 地下」

本田晃子、『都市を上映せよ ソ連映画が築いたスターリニズムの建築空間』、2022
  pp.142-194:「第4章 地下の宮殿 - 『僕はモスクワを歩く』と『ナースチャ』における地下鉄空間」
  pp.197-256:「第5章 宮殿から地獄へ - ポスト・ソ連時代の映画における地下鉄空間」

 写真集;

畠山直哉、『Underground』、メディアファクトリー、2000
68ページ。

 同じ写真家による→
こちらを参照:「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「産業建造物など」の項

内山英明、『Japan Underground』、アスペクト、2000
160ページ。

  同、  『Japan Underground II』、アスペクト、2003
136ページ。

  同、  『Japan Underground III』、アスペクト、2005
168ページ。

西澤丞、『Deep Inside』、求龍堂、2006
124ページ。

『ナショナル ジオグラフィック 秘密の地下世界』、日経ナショナル ジオグラフィック社、2015
人の営みの足下で;都市の地下に広がる秘密の世界/命をかけた秘密の通路/Column 地中の空洞 世界の洞窟//
地中ではぐくまれる自然の姿;地中で密かに生みだされた奇岩/足の下のマグマ/海の底の楽園/Column 地中・水中からよみがえった秘宝//
遠い世界、遠い暮らし;断崖に残された古代からの記憶/死者との交感など、
112ページ。


Photographs by Peter Seidel, translated by Christina Rathgeber, Underground. Site of Concealment, Ernst Wasmuth Verlag, Tubingen/Berlin, 1993
 フランクフルト=アム=マイン市科学・芸術局が組織した巡回展 Unterwelten 展図録にあたるとのことです
『地下世界 隠匿の現場』
大地のはらわたからのメッセージ(マンフレート・ザック)//
図版//
ペーター・ザイデルの写真に(クラウス・クレンプ)など、
144ページ。


 前掲の

忠田友幸、『
下水道映画を探検する』、2016、

 も参照

………………………

 橋など;

ゲオルク・ジンメル、「橋と扉」(1909)、北川東子編訳、鈴木直訳、『ジンメル・コレクション』(ちくま学芸文庫 シ 12-1)、筑摩書房、1999、pp.89-100
原著は Georg Simmel, "Brücke und Tür", 1909

 全体の目次は;
第Ⅰ部;愛の哲学断章(1907)/女性心理学の試み(1904)/現在と招来における売春についての覚え書き(1892)/女性と流行(1908)//
第Ⅱ部;いかなる意味でも文学者ではなく(1900)/取っ手(1905)/橋と扉(1909)/ヴェネツィア(1907)/額縁 - ひとつの美学的試み(1902)//
第Ⅲ部;肖像画の美学(1905)/俳優の哲学(1908)/重力の美学(1901)/社会学的美学(1896)//
第Ⅳ部;社会主義とペシミズム(1900)/生の対立と宗教(1904)/ゲルハルト・ハウプトマンの『織工たち』(1892/3)/ベルリン見本市(1896)/よそ者についての補論(1908)/近代文化における貨幣(1898)//
解説;ゲオルク・ジンメル - エッセーの思考(北川東子)/進化のジレンマ - ジンメルの今日的意義(鈴木直)など、
336ページ。


保田與重郎、「日本の橋」(1936/1939)、『改版 日本の橋 保田與重郎文庫 1』、新学社、2001、pp.27-68

 「『文學界』に掲載された『日本の橋』とその他の著作によって、中村光夫とともに保田が第一回池谷信三郎賞を受けたのは昭和11年、27歳の時だった。同作品を巻頭に、『誰ケ袖屛風』ほか四篇を内容とする単行本『日本の橋』が刊行されたのが同年11月21日」、『改版 日本の橋』は「同題前著から、大幅に加筆修正した『日本の橋』と『誰ケ袖屛風』のみを残し、『河原操子』『木曽冠者』を新たに加えて昭和14年に刊行された」とのこと(カヴァー裏解説より)。

 「誰ケ袖屛風」は→こちらでも挙げました:《誰が袖屛風》(メトロポリタン美術館本)の頁

服部幸雄、『大いなる小屋 近世都市の祝祭空間』、1986、pp.161-175:「橋・道」
一筋の白い道/仏たちの渡る橋/獅子の橋がかり/橋を往き交う者/花道の出現

寺島良安、島田勇雄・竹島淳夫・樋口元巳訳注、『和漢三才図絵 5』、1986、「巻第三十四 船橋具」の巻の pp..325-326:「橋」

ベルト・ヘインリッヒ編著、宮本裕・小林英信訳、『橋の文化史 桁からアーチへ』、鹿島出版会、1991
原著は Bert Heinrich, Brücken. Vom Balken zum Bogen, 1983
まえがき/向こう岸へ渡ること/石を積み上げたものから疑似アーチまで/疑似アーチから真のアーチへ/渡し船から石橋まで/半円アーチから籠手型アーチへ/ジャン・ロドルフ・ペロネとヌイイ橋/技術者にとっての新しい問題/そして鋼とコンクリートの時代がきた/ドイツ博物館における橋梁建設の学習について、など、
312ページ。


網野善彦、大西廣、佐竹昭広、『天の橋 地の橋 いまは昔 むかしは今 2』、福音館書店、1991
川をさかのぼる//
最初の橋を見つけた!;ふたつの歌/これも最初の橋/大きな川や深い谷をわたる橋/ふしぎな橋がある!/橋よ天までとどけ/天の浮橋とはなんだろう/葦、葦、葦//
だれが橋を架けたのか?;神か鬼か、それとも人間か/役の行者とは何者か?/鬼神をなだめて橋を架ける - 人柱/水とたたかい、たくさんの橋を架けた行基菩薩/さまざまの願いをこめて人びとは橋を架ける//
橋の神秘;橋供養の日に/橋の上で/橋の下に/橋のたもとで/ふしぎが渦巻く一条戻り橋/異界からの声がきこえる//
橋は別世界との通い路;龍宮へ、鬼の巣窟へ、浄土へ、美女の館へ/あの世とこの世/つなぐもの、断つもの/失われた浄土への橋/もうひとつの別世界 - 宇治//
橋にひそむもの、川にひそむもの;橋の上の人/謎の物語『橋姫物語』を読む/もうひとつのかくれた蛇 - 虹/外国のお話に虹の謎をさぐる/水神と英雄/境と辻/日々は流れる、うたは残る - 賽の河原地蔵和讃/川にたむける・川面にちらす/水神に扇をささげる/流れのかなたに思いを馳せる/流れの〝かなた〟に身を躍らせる//
川をゆく - 淀川水系の場合;宇治の渡しで/渡し守/ひげと悪口/お椀の舟に箸の櫂/一寸法師の謎その一 足駄の力/謎その二 針の刀と住吉の申し子/反橋のイメージ/謎その三 さかのぼったのか、くだったのか?/難波の葦と葦原/淀川水系は水の道/流域の群像//
都の橋 京・大坂・江戸;都を守る三つの橋/京の五条の橋の上/五条の橋と四条河原のにぎわい/淀川をくだる/橋の都 大坂/今昔瓦版/日々は流れる、うたは残る - 橋・流れ・渡し/江戸への旅 - 東海道/江戸の川・江戸の橋/橋の眺め、橋からの眺め//
橋と川(網野善彦)/『一遍聖絵』淀の上野の場面について(大西廣・大西昌子)/矢走舟(佐竹昭広)/「住吉社頭図」の考古学(大西廣)/淀川と西園寺家(網野善彦)//
原文抄;橋姫物語(仮題)/鏡男絵巻/日本書紀の渡し守/武蔵坊絵縁起など、
492ページ。


 →こちら(「階段で怪談を」の頁の「文献等追補」)で触れました

小山田了三、『橋 ものと人間の文化史 66』、法政大学出版局、1991
木橋から石橋へ 橋の起源;橋の発生/橋をつくる人々/橋のもつ内なるイメージ//
  橋の呼称と分類//
  桁橋;一本丸木橋と一枚板橋/古代の橋の構造//
  舟橋//釣橋・吊橋//肘木橋(片持ち橋)と木拱橋//石橋//
アーチ型石橋 眼鏡橋の誕生//
  諸外国の石橋とその構築法;古代ローマ時代の石橋/古代ローマのアーチ型石橋の構築法/ヨーロッパ中世・近世の尖頭アーチ橋/橋の構造理論/中国の石橋とその構築法/中国のアーチ型石橋の工法//
  石橋技術の広がり;長崎県のアーチ型石橋/熊本県のアーチ型石橋/鹿児島県のアーチ型石橋/宮崎県のアーチ型石橋/大分県のアーチ型石橋/福岡県のアーチ型石橋/佐賀県のアーチ型石橋/本州の石橋/わが国のアーチ型石橋n構築法/沖縄県のアーチ型石橋/リブアーチの橋//
  水路用石橋;ヨーロッパの水道橋/わが国の水路用石橋//
  石橋技術の探訪など、
314ページ。


平林章仁、『橋と遊びの文化史』、白水社、1994
序 不思議な橋/鬼が出る恐ろしい橋/神が立つ神聖な橋/神が渡る神聖な橋/柱の信仰と儀礼/妖しげな女の立つ橋/つめの遊び/古代の遊び/橋と宗教儀礼など、
192ページ。


伊藤學、『橋の造形 建築巡礼 30』、丸善株式会社、1995
はじめに/桁橋・トラス橋のかたち/斜張橋の再生と発展/古典アーチ橋の系譜/近代のアーチ橋/長大スパンの華 - 吊橋//
参考文献など、
112ページ。


鈴木充・武部健一、『橋 日本の美術 No.362』、至文堂、1996.7
技術としての橋/日本の伝統的な橋梁/中国の橋梁/絵画に見られる橋/橋とその近辺//
芸術としての橋(武部健一)など、
98ページ。


『日本の美学』、no.28、1998.12、pp.4-120;「特集 橋 つなぐもの、わけるもの」
鼎談 橋と象徴 - 記憶としての文化・市場(山口昌男・高階秀爾・田中優子)//
宇治橋の歌 - 薫大将と浮舟(秋山虔)/橋 - 文明の象徴・想像の場(橋本典子)/日本の橋(大橋良介)/天の橋と地の橋 - 中国の場合(中野美代子)//
渡れない橋(田中優子)/象徴としての橋 - それは縄文人の密会場所から始まる(上田篤)/橋上に立つ - 橋は渡るためではなく(タイモン・スクリーチ)/橋懸りと花道(河竹登志夫)/近松の心中道行と橋(日暮聖)/結び隔てるもの - 橋をめぐる断片(淺沼圭司)など。


川田忠樹、『橋と日本文化』(日本を知る)、大巧社、1999
初めに「はし」ありき/橋の語源考/橋は神々の通い路/記録に残る最初の橋/石橋と打橋 - 『万葉集』にみる橋/船と舟橋/祈りの橋/戦いの橋 - 瀨田の唐橋/妖異の橋/出会いと別れの橋など、
194ページ。


『リビング・ブリッジ|居住橋 ひと住まい、集う都市の橋』展図録、パステルホール(小倉井筒屋新館、北九州)、サントリーミュージアム[天保山]、郡山市立美術館、1999
屋根付き橋に想う(伊藤孝)//
橋と都市(ピーター・マレー)/居住橋の過去、現在、未来(ジャン・デティエールとのインタヴュー)//
中世から18世紀まで(ルース・イートン)/19世紀(同)/20世紀(同、ピーター・マレー)//
テムズ川居住橋コンペティション;21世紀における居住橋実現の可能性(スチュアート・リプトン/デイヴィッド・カドマン)/コンペティション概要(ピーター・マレー)など、
156ページ。


 →こちらでも挙げました:「怪奇城の隠し通路」の頁

D.P.ビリントン、伊藤學・杉山和雄監訳、(財)海洋架橋調査会訳、『塔と橋 構造芸術の誕生』、鹿島出版会、2001
原著は David P. Billington, The Tower and the Bridge. The New Art of Structural Engineering, 1983
隠された伝統:工学における芸術//
鉄の時代;トーマス・テルフォードと新しい芸術形態/ブルネル、スチブンソン、鉄道構造物の形態/グスタフ・エッフェルと三日月形アーチ橋/ジョン・ローブリングと吊橋/ブルックリン橋とエッフェル塔//
鋼とコンクリートの新しい時代;ジェニー、ルート、第一シカゴ派/イーズからアンマンまでの巨大鋼橋/ロベール・マイヤールと鉄筋コンクリートによる新しい形態/ヴォールトの国別の様式/フレシネーが目指した理念/規律と遊び心:コンクリートの新しいヴォールト/新しい高層建築物、新しい橋梁/エピローグ:構造芸術の理念など、
304ページ。


永津禎三、「橋の系譜」、『琉球大学教育学部紀要』、no.58、2001.3、pp.45-68 [ < 琉球大学学術リポジトリ
URI http://hdl.handle.net/20.500.12000/1002

石井信行、『構造物の視覚的力学 橋はなぜ動くように見えるか』(景観学研究叢書)、鹿島出版会、2003
序章//
認知科学とデザイン;力動性の認知/美学における心理学/認知科学とデザインのまとめ//
構造物と力のイメージ;構造物のデザイン論/構造物形態と力のイメージ/力学の知識と力のイメージ/力が表現された橋梁/構造物と力のイメージのまとめ//
理論モデルと方法論;認知科学における方法論の分類/理論およびモデル構築の方法論/方法論のケーススタディー/理論モデルと方法論のまとめ//
力と動きの認知;認知モデル作成の考え方/初期認知/認知の確定/構造物力動性認知モデル/力と動きの認知のまとめ//
視覚的力学のメカニズム;視覚的力学の対象範囲/視覚情報から力と動きの認知への過程/力と動きのイメージとその要因に関する仮説/認知モデルと仮説による既存形態論の統一的再解釈/視覚的力学のメカニズムのまとめ//
彫刻と橋梁の力動性認知;形態分析の考え方/彫刻の分析・解釈/橋梁の分析・解釈/彫刻と橋梁の力動性認知のまとめ//
終章など、
200ページ。


鈴木理生、『江戸の橋』、三省堂、2006
隅田川の橋/橋はどのように造られたか/日本橋界隈の橋/堀と橋/銀座界隈の橋/橋の昔と今など、
272ページ。


佐伯順子、「宇治橋随想 - 絵画と文学が語る京都の橋の魅力」、『美術フォーラム21』、vol.15、2007.5.8:「特集 京都美術曼荼羅」、pp.120-123
愛と死の象徴としての橋/「柳橋水車図」の描く流れと無常 - 橋の図像の比較文化/橋の機能の多義性 - 「滞在型」の橋、祝祭の橋、生活の橋

福永素久、「近世城郭における『廊下橋』考 ~ 城郭史研究の視点から見る、本丸・天守へ続く不思議な橋 ~」、『史学論叢』、no.41、2011.3、pp.67-92

『日本橋架橋百年記念 特別展 日本美術にみる 橋ものがたり - 天橋立から日本橋まで -』図録、三井記念美術館、2011.7.8
日本美術にみる「橋」ものがたり - 天橋立から日本橋まで -(清水実)//
神仏の橋 - 天界・浄土とこの世の架け橋 -/名所・文学の橋/工芸にみる 橋の意匠/諸国の橋/橋の番付 日本大橋尽くし/京の橋/江戸の橋//
作品解説/主な参考文献など、
192ページ。


ダニエル・ストラック、『近代文学の橋 風景描写における隠喩的解釈の可能性』、九州大学出版会、2014
序章 時代と場所を超えて;近代文学と風景描写/「歌枕」と〈別れの橋〉としての橋/民俗や伝説に見られる橋の境界性/近代文学における橋の役割を問う/風景を巨大なメタファーとして読む/本書の構成//
「かけはしの記」に見られる子規の理由なき反抗;文学作品の解釈は可能なのか/文脈効果と共時的文脈/文学に見られる文脈効果/「おくの細道」に見られる隠喩的二重構造/「更科紀行」における〈橋〉の隠喩/「かけはしの記」における〈橋〉の隠喩/伝統の「細道」から離脱する子規//
鏡花の境界性と民俗受容;「化鳥」の橋に見られる境界性/民間伝承と鏡花の橋姫像/「化鳥」における母性と「遊女説」/「羽衣伝説」と能の影響//
「破戒」の風景描写に潜在している隠喩;自然描写と叙情/橋の描写に託されている思想的裏面/テキサスへの「逃避」/タイトルに見られる両義性/「破戒」と「橋のない川」の関係/虚構、リアリズム、そして社会における変化//
「川」に見られる假橋と「神秘感」の一考察;作品構成に見られる「起承転結」/川、そして海の描写/「假橋」によって生じるアイロニー/直助の詩の構成と神秘感の喚起/多重性による神秘感//
橋の視点から見た「斜陽」の恋と革命;橋と恋愛関係/ニコライ堂の見える橋とかず子の決断に関して/「炎の橋」、「恋」、そして旧道徳の超越/橋の視点から見た「革命」の政治的思想性//
三島の「橋づくし」と近代;着想の研究史、そして新説/「橋づくし」に見られる橋のメタファー/運命を逆転させる橋/行動こそ、精神の表現/「橋づくし」に隠されている反近代的思想/謎のエピグラフに関して//
「泥の河」における〈橋〉と〈舟〉の対立;作品の舞台と社会的背景/「泥の河」における〈橋〉と〈川〉のイメージ/異界同士をつなぐ〈橋〉/〈舟〉と〈浮世〉との関連性//
近代文学に見られる隅田川の空間変容;隅田川の歴史及び文学的伝統/渡し舟から橋への変化/鉄橋の登場/関東大震災、そしてその後の復興計画/戦後の喪失感//
終章  近代文学における〈橋〉の記号的伝達性に関して;近代文学における〈橋〉の特徴/「歌枕」から「風景描写」への移行/画一的な〈橋〉の隠喩に見られる「思想性」/橋の視点から見た作家の個性/終わりに//
〈橋〉が登場する主要な近代文学作品一覧など、
370ページ。


中野京子、『中野京子が語る 橋をめぐる物語』、河出書房新社、2014
序章 虹を駈けのぼる//
奇;悪魔の橋/味噌買い橋/犬の飛び込み橋/エッシャーの世界のような/透明な橋/行きどまりの断橋/小役人の幽霊//
驚;金門橋/水面下の橋/ペルシャ王の舟橋/ブルックリン橋/暗殺者の橋/樵のろうそく橋/ツイン・タワーに架けられた橋//
史;ポンテ・ヴェッキオ/鳴門ドイツ橋/古城の跳ね橋/ロンドン橋、落ちた/美妃の橋/橋の要塞化/レマゲン鉄橋/印象派が描いたポン・ヌフ/双体道祖神//
怖;流刑囚の渡る橋/若きゲーテの渡った橋/地獄も何のその/アントワネットは渡れない/グリム童話「歌う骨」/テイ鉄道橋/祈願の橋など、
216ページ。


 →こちらでも挙げました:「怪奇城の隠し通路」の頁
 同じ著者による→そちらを参照:本頁上掲「vii. 建築画、街景図、紙上建築など」の項


曽布川寛、「第5部 中国出土ソグド石刻画像の図像学」、曽布川寛・吉田豊編、『ソグド人の美術と言語』、臨川書店、2011、pp.215-317

 p.256 図5-28 に掲載された《史君墓石槨 東壁外壁画像(模写)》で画面右下から左へのびる橋は、チンワト(チンワント)橋と解釈されているとのことです(p.258)。次に挙げる藤原論文 pp.230-231 および p.240 図7 でも取りあげられています;

藤原達也、「ダエーナーとその図像表現 - ゾロアスター教およびマニ教における死者の運命」、『死生学年報』、vol.13、2017.3.31、pp.213-248

日高佳紀、「橋 文学の建築空間」、日高佳紀・西川貴子編、『建築の近代文学誌 外地と内地の西洋表象 アジア遊学 226』、2018、pp.212-213

磯部勝、『文学に描かれた「橋」 詩歌・小説・絵画を読む』(平凡社新書 922)、平凡社、2019
幣舞(ぬさまい)橋を見た人々;啄木のいた町 - 湯川秀樹 石川啄木 林芙美子 桑原武夫/第七師団の悲歌 - 徳富蘆花 小宮山量平/海霧と霧笛 - 原田康子 更科源蔵//
隅田川の幻景;にぎわいの痕跡 - エドモン・ゴンクール 松尾芭蕉 小林一茶 関根弘/橋を舞台に - 永井荷風 川端康成/「ブリュッケ」風の絵 - 藤牧義夫 松本竣介 州之内徹 ランボー/時代ものを歩く - 平岩弓枝 藤沢周平 池波正太郎//
京都、大阪 「花街」の橋;風を探しに行く - 井原西鶴 与謝蕪村 宇野浩二 富岡多恵子/名残の橋づくし - 近松門左衛門 清少納言 三島由起夫 岡本太郎/女が渡る道頓堀 - 織田作之助/京都灯ともしごろ - 炭太祇 近藤浩一郎 水上勉 村山槐多//
石橋の静かな思想;リアルト橋を下駄はいて - 岡本かの子 ヘンリー・ジェイムズ 須賀敦子 マルコ・ポーロ/蘇州舟遊の記 - 谷崎潤一郎 芥川龍之介/批評する人 - 竹内栖鳳 奥野信太郎 青木正児/失われゆく石橋 - 森敦 橘南谿 川路聖謨 イザベラ・バード//
橋の上にある戦争;逃れ得ない場所 - 小泉八雲 アンブローズ・ビアス ヘミングウェイ/通りがかりの目撃 - 釈迢空 石田波郷 辻征夫/知識人たちの痛手 - 野間宏 堀田善衛 鮎川信夫//
人生は橋を渡る;泣きに行く - 三浦哲郎 フランツ・カフカ 富永太郎 中原中也/隠れ住む男たち - 内田百閒 松本清張 村松有視/向こう側のもの - グレアム・グリーン 池谷信三郎/旅ゆけば橋 - 歌川広重 田上菊舎 十返舎一九 川端龍子など、240ページ。


河上繁樹、「『和』の表象としての服飾模様」、『美術フォーラム21』、vlo.41、2020.5:「特集 図像の誕生と伝播」、pp.24-29
はじめに/州浜のうえの桐竹鳳凰麒麟/和歌をまとう/橋に託された想い/連想の愉しみ/お国の片輪車

 《柳橋水車図》にちなんで→こちら(《柳橋水車図屏風》(メトロポリタン美術館本)の頁の「Cf.」)、
 〈片輪車〉にちなんで→
そちらでも挙げました:《片輪車蒔絵螺鈿手箱》の頁の「Cf.

John Sweetman, The Artist and the Bridge 1700-1920, Ashgate, 1999
『芸術家と橋 1700-1920』
序論:アプローチ/景観と見晴らしの良さ 1700-1800/新たな出会い、新たな効果 1750-1800/遙かな目標、見落とされたつながり 1800-1850/現実と理想 1800-1920など、
214ページ。

………………………

 建築と写真など;

『10+1』、no.23、2001.3、pp.61-172:「特集 建築写真」
現代日本建築写真の系譜(インタビュアー+テキスト:磯達雄)/転位する建築写真 リアリズムからスーパーフラットまで(磯達雄)/Ruin/Desolatio Row 廃墟と写真をめぐって(倉石信乃)/ボルドーの住宅(ホンマタカシ)/建築写真のヴァーチュアリティ(大島哲蔵)/メディアと建築 建築史の中の写真(五十嵐太郎)/コンビニ/パースペクティヴ(阿野太一)/瞬間としての保存=写真 保存の始まりと建築の記憶(清水重敦)/網目状の…… 建築と都市への接点/森山大道と荒木経惟(飯沢耕太郎)/Under construction 首都圏外郭放水路(新良太)/すっきり空っぽ ホンマタカシの写真(トーマス・ダニエル)/建造物のイメージ(ロルフ・ザクセ)/ロバート・ヴェンチューリとパオロ・ポルトゲージにおけるローマの写真(デボラ・ファウシュ)

『建築写真 X-Knowledge HOME 特別編集 No.8』、エクスナレッジ、2006.12
巻頭グラビア 建築へのまなざし、空間へのまなざし ヴォルフガング・ティルマンス/写真家・上田義彦が語るフランク・ロイド・ライト、ミース・ファン・デル・ローエ(後藤繁雄)/20世紀建築写真史 空間の経験と創出(伊藤俊治)/Special Interview 20世紀建築写真の巨匠、ジュリアス・シュルマンをLAに訪ねて(豊田啓介)/複製技術時代における「アウラ」 建築/メディア/写真(菊地誠)//
建築家のメディア戦略;建築家・入江経一が語る「本当の建築」(豊田啓介)/写真によって拡張される建築(松田達)//
伝わる写真/伝わらない写真 もうひとつのまなざしを探して(横山優子)//

Photographs & Architecture(撮影:在本彌生);ノマディスト、エットーレ・ソットサス(後藤繁雄)/カルロ・モリーノのカメラ・オブスキュラ(田代かおる//
Interbau, Berlin, 1957(撮影:野口里佳) 「はたして建築は写るだろうか」という、美しい問い(後藤繁雄)//
打算のない建築写真(エレン・プライス)//
建築史のなかの一コマ/
X-Knowledge HOME : reprise グラビア・アンコール//
現代写真の牽引者たち;歪んだ四角形 - ヴォルフガング・ティルマンスと写真の空間性(清水穣)/「建築写真」を問え(竹内万里子)//
建築雑誌に見る写真 建築と写真がはじめて遭遇するとき(五十嵐太郎)/戦後日本の主要な建築写真家たち(チャート付)(磯達雄)/ルシアン・エヴィル×ル・コルビュジェ 写真家と建築家の協奏(林美佐)など、
160ページ。


『建築の記憶 - 写真と建築の近現代 -』展図録、東京都庭園美術館、2008
序 庭園美術館のアルバム コラム:交錯と継承 - 建築と写真との関わり -(森仁史)/建築と写真との出会い コラム:写された江戸城/近代建築へのまなざし コラム:明治期の宮内省と写真師たち(中村一紀)/建築史学構築のための写真 コラム:建築史学の構築と写真 - 伊東忠太の業績と写真の関係より -(山口俊浩)/写真がとらえたモダンの相貌 コラム:岸田日出刀のカメラアイ-1930年における「構成(コンポジション)」の位相-(梅宮弘光)/写真家の目、建築家の仕事 コラム:建築写真来歴(村井修)/日本建築の美 コラム:桂離宮の美(石元泰博)/現代写真の建築 コラム:写真に撮りにくい建築になってしまうのは、(青木淳)//
建築の記憶 - 写真と建築の近現代 -(岡塚章子)など、
342ページ。


下村純一、『写真的 建築論』、鹿島出版会、2008
はじめに/写真は、建築から始まった//
まずは、建築観察 - どこを撮るか、何がおもしろいか/機材と段どり - 撮影準備、あれやこれや/建築は、写真を語る] - 空間を撮ってわかる、写真の特性/建築的写真論 - 写真は、建築を知っている、など、
112ページ。


 各2~4ページで1件ずつ全35件の建物が取りあげられます。
 同じ著者による→
こちらを参照:「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「綺想建築など」の項

L'Opéra de Paris, (Photo Poche), Centre National de la Photographie, Paris, 1985
『パリのオペラ座』
建物の肖像 抒情的な適性
Bruno Foucart//
図版62点//
オペラ座の建造/建築と装飾/シャルル・ガルニエ年譜/オペラ座の写真家たち(以上
Martine Kahane

 昔の写真(no.1-no.34)は
Delmaet et Durandelle, Marville, Chevojon, Le Deley, Liébert, Solignac
 現代の写真(no.35-no.62)は André Martin による
 →こちら(『オペラの怪人』(1925)の頁の「おまけ」)にも挙げておきます
 本頁上掲の「劇場など」の項も参照

Le photographe et l'architecte. Edouard Baldus, Hector-Martin Lefuel et le chantier du Nouveau Louvre de Napoléon III, (Le dossiers du musée du Louvre. Exposition-dossier du département des Sculptures 47), Musée du Louvre, 1995
『写真家と建築家 エドゥアール・バルデュ、エクトール=マルタン・ルフュエルとナポレオン三世の新たなルーヴルの建設現場』
エドゥアール・バルデュとエクトール=マルタン・ルフュエルによる新たなルーヴルの複製(フランソワーズ・エルブラン)/新たなルーヴルの建設現場:年譜(エマニュエル・ジャカン)/ナポレオン三世のルーヴルの屋外装飾彫刻(マリー=フランス・ルモワーヌ=モリマール)/ナポレオン三世のルーヴルの屋内装飾彫刻(ジュヌヴィエーヴ・ブレ=ボーティエ)/カタログ(ジュヌヴィエーヴ・ブレ=ボーティエ、フランソワーズ・エルブラン)など、
136ページ。

………………………

 背景用資料集その他 - 「怪奇城の外濠」の頁の「iv. 城など」のところで2冊挙げましたが(→こちらを参照)、加えて

かさこ、監修:木村俊幸、『奇観建築・王宮・産業遺産・廃墟 背景ビジュアル資料 8』、グラフィック社、2009
192ページ。

 650カット以上収録とのこと


かさこ、監修:木村俊幸、『ヨーロッパの街並・路地裏・村 背景ビジュアル資料 11』、グラフィック社、2011
192ページ。

 600カット以上収録とのこと


 他方、「主に19世紀末の本や雑誌に掲載された古代から近代にかけての歴史的建物の版画を地域別に分類し収録した」(Ⅰ、Ⅱともにp.3)というのが

ジム・ハーター編、『建物カット集Ⅰ ヨーロッパ・アジア』、マール社、1997

ジム・ハーター編、『建物カット集Ⅱ ヨーロッパ・アメリカ』、マール社、1997
原著は Jim Harter, Images of World Architecture. 1990
 VOLUME 1 古代世界 1;先史時代と古代/古代ギリシャ、ローマ/アフリカ/中東/アジアと太平洋//
   VOLUME 2 古代世界 2-(1)など、
336ページ。

 VOLUME 2 古代世界 2-(2)//
   VOLUME 3 近代世界;先住アメリカ/アングロアメリカ/ラテンアメリカなど、
308ページ。


 そうした資料から出発して、先に進むための技法書ということで、こちらもいろいろとあるのでしょうが、とりあえず目にとまったもの;

Rob Alexander、株式会社Bスプラウト訳、『ファンタジーの世界を描く 建造物編』、ボーンデジタル、2011
原著は Rob Alexander, How to Draw and Paint Fantasy Architecture: From Ancient Citadels and Gothic Castles to Subterranean Palaces and Floating Fortresses、2010
建築入門;中近東建築/中近東のディテール/ロマネスク建築/ロマネスクのディテール/ゴシック建築/ゴシックのディテール/メソアメリカ建築/メソアメリカのディテール/バイキングの建築/アジアの建築/アジアのディテール/現代建築と未来建築/現代建築と未来建築のディテール//
イメージ制作のテクニック;光、影、明暗、形状/遠近感、距離、奥行き/構図とコンセプト/色彩理論と色の使い方/雰囲気とドラマ//
ディテールとテクスチャ;従来の画材/デジタルの画材//木材/木材の接合部/石造りとレンガ造り/草ぶき/漆喰/大理石/風化と老朽化/モザイクと絵タイル/火と煙によるダメージ//
独創的な世界を目指して;明暗の層を作成する/雰囲気を描き出す/光を描く/アイデアを練る/奥行きを設定する/ドラマを作る、など、
128ページ。


 また写真集;

『背景カタログ 西洋ファンタジー編 城・洞窟・墓地・教会/貴族の館・食堂・庭/街並・村など』、マール社、2017
使用規約/How to draw//
城と館;エルツ城/コッヘム城/リューデスハイムの古城/ライン河沿いの古城群/ツヴィンガー宮殿/城館/バスティーユ要塞/墓地・カタコンベ/カルディコット城/カーディフ城/教会//
貴族の館;エントランス/エントランス・ホール/階段~アッパーホール/ポートレイト・ギャラリー(廊下)/クイーンズルーム/キングスルーム/ライブラリー/ラウンジ(応接間)/リフェクトリー(食堂)/パブ/スヌーカー・ルーム/ゲストハウス(民家)/ガーデン//
街と村;ドイツ/フランス&その他/イギリス/自然の風景など、
176ページ。

 2014/08/02 以後、随時修正・追補
怪奇城の外濠 Ⅲ
もろもろ(2)など
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