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イラン
* アヴェスタ語、パフラヴィー語はもとより、ペルシア語の日本語表記は、勉強不足のため残念ながらわかりません。
 例によって、多々誤りもあろうかと思いますが、ご寛恕ください。

 ゾロアスター教の宇宙史についてはじめて目にしたのはおそらく、

荒井献、『原始キリスト教とグノーシス主義』、1971、p.179 および pp.183-187



並河亮、『ウィリアム・ブレイク 芸術と思想』、1978、pp.248-250

 のいずれかでしょうか。

 さて、なぜか『古代の宇宙論』(1976)、
Encyclopedia of Cosmology(1993)、 東と西の宇宙観』(2005)、いずれでも抜けている古代イランないしゾロアスター教の宇宙論ですが、日本語で読めるまとまりのいいものとしては;

ジョン・R・ヒネルズ、井本英一・奥西峻介訳、『ペルシア神話』、青土社、1993
原著は John R. Hinnells, Persian Mythology, 1973/1985
はじめに/古代ペルシアの神話/ゾロアスター教の神話/ズルワン教-ゾロアスター教の異端/ミトラス(ミスラ)教の神話/神話と予言者/神話と王/神話と歴史/神話と儀礼とシンボリズム/神話と信仰など、
316ページ。

 p.46に「古代ペルシア人の宇宙観」を図式化した挿図が掲載されていたりします。
 ちなみに、


土居光知、「西アジア古代伝説」、1960、「3 山と水と木」

 中の pp.287-292 では『ブンダヒシュン』から「第12章は山の創造、第13章は水の創造について語っている」(p.287)部分を紹介、小さくはありますが p.291 に「第16図 ブンダヒスによる世界図」が掲載されていました(平面図)。
 同節は他に、「第13図 ホメーロスによる世界図」、「第14図 ヘロドートスによる世界図」(p.282)、「第15図 創世記による世界図」(p.283)、「第17図 シュメル山を中心とする世界図」(p.292)、さらに後の節では「第38図 北欧のイグドラシル」(p.329)、「第72図 オデュセウスの航海図」(p.388)が挙げられるという優れものであります。


 i ブンダヒシュン』邦訳など 
 ii ゾロアスター教など-邦語文献 
iii 神話、『王書』など 
 iv ゾロアスター教など-洋文献 
 v Encyclopaedia Iranica 
 vi ヘレニズムへの波紋など 
  おまけ 

i. 『ブンダヒシュン』邦訳など

 ゾロアスター教の宇宙論といえば開闢論に始まる宇宙史がメインになるのはよいとして、他にも面白そうなイメージがありそうなというのは、

「三本足の驢馬」、ボルヘス、ゲレロ、柳瀬尚紀訳、『幻獣辞典』、1974、pp.32-33

 が何某か頭に残っていたからでしょう。

 2013年現在、当該箇所の出典となった、ゾロアスター教の開闢論と終末論を含む宇宙史および宇宙誌を記す最もまとまった資料の一つを日本語で読めるようになりました;

野田恵剛、「ブンダヒシュン(I)」、『貿易風 - 中部大学国際関係学部論集 -』、no.4、2009.4、pp.149-186 [ <中部大学附属三浦記念図書館
 書誌URL: https://elib.bliss.chubu.ac.jp/webopac/XC09000058

 同、    「ブンダヒシュン(II)」、『貿易風 - 中部大学国際関係学部論集 -』、no.5、2010.4、pp.120-171 [ <同上 ]
 書誌URL: https://elib.bliss.chubu.ac.jp/webopac/XC10000116

 同、    「ブンダヒシュン(III)」、『貿易風 - 中部大学国際関係学部論集 -』、no.6、2011.4、pp.165-232 [ <同上 ]
 書誌URL: https://elib.bliss.chubu.ac.jp/webopac/XC11000040

 「『ブンダヒシュン』には短いインド版と長いイラン版(大ブンダヒシュン)がある」(上記「(I)」、p.149)が、本訳はイラン版。
「(I)」は第0章から第5B章まで、「(II)」は第6A章から第21E章まで、「(III)」は第22章から第36章まで。

 ボルヘス+ゲレロ『幻獣辞典』の「三本足の驢馬」の典拠は、「第24章 様々なものについて、すなわちそれらがどのように創られ、いかなる敵が来たかについて」の D(10-21)(連載「Ⅲ」、『貿易風』、no.6、2011.4、pp.171-172)
 →こちらでも少し触れています(「原初の巨人、原初の獣、龍とドラゴンその他」の頁内
 また別の箇所について →そちらでも少し触れています(「世界の複数性など」の頁内

 なお訳者の野田恵剛にはこれ以外にも、中世ペルシア語(パフラヴィー語)文書等の訳があり、ウェブ上で見ることができます。
その内宇宙論に関わるものは;


「パフラヴィー・リヴァーヤト」、『国際関係学部紀要(中部大学)』、vol.26、2001.3.25、pp.87-122 [ < CiNii Articles

 「本書はゾロアスター教の一種のアンソロジーであり、儀式を始め、最近親婚、宇宙開びゃく論、終末論、神話などを含む…(中略)…宇宙開びゃく論、終末論、神話などに関する章の和訳を試みたものである」(p.87)。
 とりわけ「第46章世界の創造について」(pp.93-98)の「世界創造の話は『ブンダヒシュン』と多くの点で共通であるが、神が体から世界を創造したというのはここ以外には見られないユニークなものである」とのこと(p.121)。


ザードスプラムの選集 (Ⅰ) - 中期ペルシア語のテキストと訳 -」、『貿易風 - 中部大学国際関係学部論集 -』、no.9、2014.4、pp.73-107 [ < 中部大学附属三浦記念図書館 ]
 書誌URL: https://elib.bliss.chubu.ac.jp/webopac/XC14000048

 「9世紀に成立したとされる中期ペルシア語のテキスト」で、「内容は、世界の創造、ゾロアスターの伝説(伝記)、人間の体の作り、終末論など多岐にわたり、…(中略)…類書の『ブンダヒシュン』と比較される」とのこと(p.73)。

ザードスプラムの選集 (Ⅱ)」、『中部大学全学共通教育部紀要』、no.1、2015.3、pp.35-83 [ <同上 ]
 書誌URL: https://elib.bliss.chubu.ac.jp/webopac/XC15000031

 他の訳業も挙げておけば;

ヨーイシュト・イー・フリヤーンの書」、『名古屋大学文学部研究論集(文学)』、vol.32、1986、pp.1-18 [ < 名古屋大学学術機関リポジトリ
 URI: http://hdl.handle.net/2237/9799

 「この書はジャンルとしては『霊感の文学』(伊藤義教『古代ペルシア』1974: 243f.)あるいは「知恵の文学」に属すると考えられる」(p.1)。

「ザンド・イー・ワフマン・ヤスン」、『国際関係学部紀要(中部大学)』、vol.21、1998.11.30、pp.109-135 [ < CiNii Articles ]

「ザンド・イー・ワフマン・ヤスン(II)」、『国際関係学部紀要(中部大学)』、vol.23、1999.10.30、pp.121-126 [< 同上

 「本書の内容は黙示文学と呼ばれるジャンルに属し、ゾロアスター教的な終末論を扱う。…(中略)…しかし、本書に描かれる敵の侵攻や苦難のようすは宗教的というよりはむしろ歴史的・世俗的」とのこと(p.109)。

「ティシュタル・ヤシュト」、『国際関係学部紀要(中部大学)』、vol.28、2002.3.25、pp.159-204 [ < CiNii Articles ]

 「ティシュトリヤ星(中世ペルシア語形ティシュタル)に捧げられた賛歌で、『アヴェスター』のヤシュト第8章を構成する」(p.159)。

「メーノーグ・イー・フラド : パフラヴィー文学のハンダルズ(教訓)書」、『国際関係学部紀要(中部大学)』、vol.32、2004.3.31、pp.91-204 [ < CiNii Articles ]

「メーノーグ・イー・フラド(II) : パフラヴィー文学のハンダルズ(教訓)書」、『国際関係学部紀要(中部大学)』、vol.34、2005.3.31、pp.25-42 [< 同上

メーノーグ・イー・フラド(III) : パフラヴィー文学のハンダルズ(教訓)書」、『貿易風 - 中部大学国際関係学部論集 -』、vol.1、2006.3.31、pp.289-299 [< 中部大学附属三浦記念図書館
 書誌URL: https://elib.bliss.chubu.ac.jp/webopac/XC13000074

メーノーグ・イー・フラド(IV) : パフラヴィー文学のハンダルズ(教訓)書」、『貿易風 - 中部大学国際関係学部論集 -』、vol.2、2007.4.1、pp.286-300 [< 同上
 書誌URL: https://elib.bliss.chubu.ac.jp/webopac/XC17100102

メーノーグ・イー・フラド(V) : パフラヴィー文学のハンダルズ(教訓)書」、『貿易風-中部大学国際関係学部論集-』、vol.3、2008、pp.258-266 [< 同上
 書誌URL: https://elib.bliss.chubu.ac.jp/webopac/XC17100129

 「パフラヴィー語書『メーノーグ・イ・フラド(Mēnōg ī Xrad)』の第2章のテキストと日本語訳および注…(中略)…特にこの章では人間の死後の魂がチンワド橋と呼ばれる天国と地獄を分ける橋に連れて行かれて悪業の多寡によってどちらに行けるか判定され、義者の魂は天国へ不義者の魂は地獄へ行くことおよび天国と地獄の短い描写がなされる箇所が注目に値する」とのこと(vol.32、p.91)。

アルダー・ウィラーズの書 - 中期ペルシア語のテキストと訳 -」、『中部大学全学共通教育部紀要』、vol.3、2017.3、pp.29-88 [< 同上
 書誌URL: https://elib.bliss.chubu.ac.jp/webopac/XC17000004

 「その内容は主人公の冥界巡りである」(p.29)、「本書の編纂は序章によればアラブ人による征服以後である。おそらくは他の多くのパフラヴィー語書と同じく9・10世紀の成立であろう。しかし内容的には古代イランの来世に関する教義を知るのに重要な資料を多く含んでいる」(p.30)。

パフラヴィー語訳『ウィーデーウダード』第10章-第15章」、『中部大学全学共通教育部紀要』、vol.4、2018.3、pp.33-94 [< 同上
 書誌URL: https://elib.bliss.chubu.ac.jp/webopac/XC18000032

ジャーマースプ・ナーマグ - 中期ペルシア語の終末論的テキスト -」、『中部大学リベラルアーツ論集』、no.1、2019.3、pp.48-57 [< 同上
 書誌URL: https://elib.bliss.chubu.ac.jp/webopac/XC19000021

野田恵剛訳、『原典完訳 アヴェスタ ゾロアスター教の聖典』、国書刊行会、2020
訳者まえがき//
ガーサーと「七章のヤスナ」;ガーサー/七章のヤスナ//
ヤスナ//
ウィスプラド//
ウィーデーウダード//
ヤシュト//
小アヴェスタ;クスティーを結ぶときの呪文/スローシュ・ワージュ/ホーシュバーム/ニヤーイシュン/ガーフ/シーローザ/アーフリーナガーン/ハーゾーフト・ナスク/アーフリーン・イー・ザルドゥシュト//
『アヴェスタ』主要用語解説/『アヴェスタ』関連地図/訳者解説など、
648ページ。


 「なお本書は完訳と題しているが、基本的にはドイツのインド・イラン学者ゲルトナーが校訂したテキストの全訳ということであり、後代の作とみられる、アヴェスタ語のテキストが乱れているもの、欠落の多いもの、反復のみのもの等は省略したことをお断りしておく。また、『ハーゾ-フト・ナスク』(本書第Ⅵ部所収)はゲルトナーのテキスト以外からの追加である」(pp.2-3)
とのことです。

ii.  ゾロアスター教関連で、手もとにあるものから - 邦語文献;

もろもろ(i)
伊藤義教
岡田明憲
もろもろ(ii)
青木健
もろもろ(iii)

木村鷹太郎譯、『アヹスタ經(波斯教)(上) 世界聖典全集 8』、改造社、1920

  同、       『アヹスタ經(波斯教)(下) 世界聖典全集 9』、改造社、1921
 凡例に曰く、原著は James Darmesteter および Laurence HayworthJ.H. Mills の英訳で、 Max Müller ed., The Sacred Books of the East, vols.4(1880), 23(1883), 31(1887)が底本(上、p.2)。 
上巻;ヹンヂーダード/シーローザー/ヤシト//
解題(pp.565-588)など、
592ページ。

下巻;ヤスナ;第一部 聖歌(ガータ)、第二部 ヤスナ/ヸスパラッド/アーフリーンアーガン/ガー/ニヤーイシ//
解題(pp.311-313)など、
374ページ。

 ちなみに訳者については、「日本 Ⅱ」のページの〈古史古伝・偽史〉の項、たとえば長山靖生、『偽史冒険世界』、1996、pp.80-83、102-115 など参照。
 下巻には木村、「ゼンド=アヹスタ經に就て」が収められていますが、その第4節は「日本民族は太古既にアヹスタ經を知れり」と題されています(pp.363-372)。


大久保幸次、「ザラツシトラ敎」、『大思想エンサイクロペヂア 7 宗敎思潮**』、春秋社、1930、pp.155-179
敎祖ザラツシトラ/經典アヴェスタ//
敎理;ザラツシトラ敎發達の徑路について/善神と悪神/二元神の爭闘/善神の最後の勝利//
勤行その他


 同書には他に;
未開民族に於ける宗敎思想(宇野圓空)/道敎要論(小柳司氣太)/印度敎(山本快龍)/囘敎(大久保幸次)/宗敎と科學(曾禰武)/日本敎派神道(補永茂助)/宗敎學概論(石橋智信)/宗敎家研究など、
394ページ。


足利惇氏(あつうじ)、『ペルシア宗教思想』、国書刊行会、1972
原始イラーン民族の宗教思想/波斯宗教思想の特質/波斯の諸宗教;マズダ教とザラツシュトラ、マニ教、マズダク教、ミスラ教/イラニズムとその展開など、
232ページ。

 「本書所載するところの二篇は、一は昭和十六年発行のアテネ叢書本の一部をなすもので、他は同じく十九年に企画せられた世界史講座収録の小生擔当のもので、共に弘文堂より発行せられたものである」とのこと(p.211)。
 なお本書は、

『足利惇氏著作集』全3巻、東海大学出版会、1988、中の『イラン学』

 に収められているもようですが、未見。
 
追補;その後見る機会がありました;

伊藤義教・井本英一編、『足利惇氏著作集 第一巻 イラン学』、東海大学出版会、1988
足利惇氏博士を偲びて(三笠宮崇仁)//
Ⅰ;ペルシアの旅(1949、単著)/波斯「エズド」に於ける拜火教の現況(1936)/「ペルセポリス」と「スーサ」(1937)/イラーンの旅 - ニシャプールとオマル・ハイヤーム(1943)/ニシャプールの詩人(1965)/イスパハンの回想(1969)/シャーナーメ(1959)/イスタンブール1948)//
Ⅱ;ペルシア宗教思想(1941/1972、単著)/古代イラーンの文化と宗教(1941)/イラン文化について1959)/「ゼルヷン教」につきて(1946)/ゾロアストラ教における神観念の一展開(1963)/マガ婆羅門について(1977)//
Ⅲ;近世フランスにおける「東洋學」の成立 - ペルシア學及び印度學の發展を中心として -(1948)//
Ⅳ;西アジアにおける民族移動とその政治性(1978)/アーリヤ民族の文化史的展開 - インド・イランの場合 -(1975)/古代におけるペルシア帝国の世界性(1971)/パルティア王朝史の成立(1949)/パルティア帝国の性格(1962)/ヘレニズムとパルティア(1975)/ササン王朝成立期における宗教的世界(1973)/イスラム世界(1966)//
(自筆原稿);ペルシア文化の東方への波及/古代ペルシア及びその傍近諸國の文化/イラーン民族の宗教と傳説/古代東方と波斯文化//
Ⅵ;不死の信仰概説(1978→こちらを参照:「通史、事典など」の頁の「ix. 他界観・来世観など」の項内)/西アジア文明と日本文明との関係(1976)//
Ⅶ;東西文明とイラン(1972)/世界史におけるペルシア - シルクロードをたどりつつ -(1970)/古代ペルシア文化の変遷(1973)/ペルシア文化の流れ - 東西文明の十字路(1973)//
[横組]Ⅰ;バクトリア及び印度に於ける希臘人(1939)/
Olaf Hansen : Miittelpersisches Lesebuch, Berlin ( Walter de Gruyter & Co. ) 1963, VII, 97p. に寄せて(伊藤義教と共筆)(1964)//
 Ⅱ;中世イランの将棋書(伊藤義教と共筆)(1958)/ペルシア語のクロノロギー - 中・近世語接点の諸相について -(1964)/バクトリアに関する二、三の考察(1965)など、
770ページ。


足利惇氏、「『ゼルヷン教』につきて」、『哲學研究』、no.352、第30巻第7冊、1946.10.10、pp.395-403

足利惇氏、「ゾロアストラ教における神観念の一展開」、『オリエント』、Vol.6 No.3、1963、pp.17-26、61 [ < J-STAGE

足利惇氏・伊藤義教、「Olaf Hansen: Mittelpersisches Lesebuch, Berlin (Walter de Gruyter & Co.) 1963, VII, 97p. に寄せて」、『オリエント』、Vol.7 No.2、1964、pp.77-91 [ < J-STAGE ]

 Artā Vīrāp Nāmak 第1-5章の訳文を含む。

J.デュシェーヌ・ギュイユマン、「イラン宗教」、E.ドリオトン、G.ゴントノー、J.デュシェーヌ・ギュイユマン、稲垣良典訳、『古代オリエントの宗教(カトリック全書 141)』、ドン・ボスコ社、1959、pp.183-269
原著は E. Drioton, G. Contenau, J. Duchesne-Guillemin, Les religions de l'orient ancien, 1957.
イラン宗教小辞典/諸関係など。

 他に
エジプトの宗教」、「古代西方アジアの諸宗教」所収。

エミール・バンヴェニスト、ゲラルド・ニョリ、前田耕作編・監訳、『ゾロアスター教論考』(東洋文庫 609)、平凡社、1996
原著は
Emile Benveniste, The Religion according to the Chief Greek Texts, 1929 および Gherardo Gnoli, De Zoroastre à Mani, 1985
主要なギリシア語文献に見るペルシア人の宗教;資料全般 - ゾロアスターの神話的年代/ヘロドトス/ストラボン/テオポンポスとプルタルコス//
ゾロアスターからマニへ;アヴェスター地誌/ゾロアスターの故国 - その問題点と可能な結論/アケメネス朝の宗教/三世紀のイラン:普遍主義と民族主義の狭間で - マニ教とゾロアスター教の抗争など、
322ページ。

前田耕作編・監修、檜枝陽一郎・中村忠男・与那覇豊訳、『アーリヤの男性結社 スティグ・ヴィカンデル論文集』、言叢社、1997
原著は Stig Wikander, Der arische Männerbund, 1938 など。
アーリヤの男性結社 - インド・イラン言語宗教史研究;Mērakziyānakmaryamaiȳo/アーリヤ語彙における儀礼上の対立/男性結社の神話/カーヴェの旗とパルティア建国//ペルシアおよびインドの叙事詩におけるインド・イラン共通基盤について/ミスラスの秘儀研究/ウラノスの後裔たちの歴史/ゲルマンとインド・イランの終末観/クルド人および『アヴェスタ』における祭り//
ヴィカンデルと同時代の精神たち(前田耕作)など、
270ページ。


ジョルジュ・デュメジル、田中昌司・前田龍彦訳、「大天使の誕生 ユピテル・マルス・クイリヌスⅢ ゾロアスター教の神学形成に関する試論」、『デュメジル・コレクション 3』(ちくま学芸文庫 テ-3-3)、筑摩書房、2001、pp.253-457、pp.467-493
原著は
Georges Dumézil, Naissance d'archanges (Jupiter Mars Quirinus Ⅲ). Essai sur la formation de la théologie zoroastrienne, 1945
ミタンイのアーリヤの神々/「善きことをなす不死者」/ウォフ・マナフとアシャ/クシャスラ/ハルワタート=アムルタート、アールマティなど。

 →こちらでも少し触れています:「天使、悪魔など」の頁の「i. 天使など
………………………

伊藤義教、「ブンダヒシュン書の序・序章と etymologica Bundahišnica について」、『西南アジア研究』、no.6、1961、pp.5-28

伊藤義教、「『先師金言要集』とアンダルズ文献研究序説(上)」、『オリエント』、Vol.7 No.1、1964、pp.1-17 [ < J-STAGE ]

 同、    「『先師金言要集』とアンダルズ文献研究序説(下)」、『オリエント』、Vol.7 No.2、1964、pp.15-31 [ <同上 ]

伊藤義教、「サオシュヤントについて」、『西南アジア研究』、no.17、1966.12.30、pp.55-61

伊藤義教訳、「アヴェスター」、辻直四郎編、『ヴェーダ アヴェスター 世界古典文学全集 第3巻』、筑摩書房、1967、pp.325-395、417-430
ガーサー(ヤスナ第28-34章、43-51章、53章)/七章のヤスナ(ヤスナ第35-42章)/ゾロアストラ教徒の信条告白文(ヤスナ第12章)/ゾロアストラ教徒の祈禱句(ヤスナ第27章より、同第54章より)/大魔の誘惑ほか(ウィーデーウダート第19章)/魂の運命(ハーゾークト・ヤスナ第2章)/ホーム・ヤシュト(ヤスナ第9-11章)/解説など。

 これ以外の『ヴェーダ』等については→こちら:「インド」の頁の「i. 概説など
 なお本訳は、『原典訳 アヴェスター』(ちくま学芸文庫 ア 37 1)、筑摩書房、2012 として、前田耕作の解説(pp.239-252を付して文庫化されました、254ページ。


伊藤義教、「ゾロアストラ伝の一齣とその意義」、『オリエント』、Vol.11 No.1-2、1968、pp.1-31 [ < J-STAGE ]

伊藤義教、「第3サオシュヤントについて」、『オリエント』、Vol.12 No.3-4、1969、pp.57-85 [ < J-STAGE ]

伊藤義教、『古代ペルシア』、岩波書店、1974
第1部 ハカーマニシュ(アケメネス)王朝とその碑文//
第2部 古代ペルシアの文学;古代ペルシアの文学とは/教訓の文学/説話の文学/霊感の文学/英雄の文学/抒情の文学など、
390ページ。

 ゾロアスター教の歴史を表立った主題とする本ではありませんが、随所に関連する項目が言及されています。たとえば、
pp.140-145、181-184(神々について)、
pp.213-218(「イランの歴史」について)、
pp.256-266(『将棋(チャトラング)の解き明かしとネーウ・アルダクシールの案出』)、
pp.300-301(終末論的役割を担う「不死者」
 など。)

伊藤義教、『ゾロアスター研究』、岩波書店、1979
第Ⅰ部;ゾロアスター伝(中世ペルシア語書から)//
第Ⅱ部;論文;xšmāvatō - ガーサーにおける敬語法・卑語法について/ākā(°) - その語意を明らかにしガーサー・テキストのシンタックス的解明に寄与する/Vedic ádhrigu- ならびに Avestan drigu- と arədra- - そのインド・イラン的背景について(ザラスシュトラの信徒に貧者・福者[富者]の別あることを指摘し、初期教会制度の解明にも寄与する/古代イラン語における未来時制 - ザラスシュトラの教義の一特色とかれの預言者的自覚について/「Avestā」の語義について/第六季節祭, Av. spənta-, および Av. ānuš.haxš Ārmaitiš - ゾロアスターの教えが恩寵の宗教であることを示す/古代イラン民族における「罪」と「滅び」 - ゾロアスターとダリウス大王の場合/仏光とイラン要素/バガダート・フラタラク王朝について - 貨幣銘の新解読を通して/阿育王のアラム語碑とそのイラン学的価値について - アヴェスター語の故土にも言及してなど、
528ページ。


 第Ⅰ部は『デーンカルド』第7巻をはじめとするザルドゥシュト(=ザラスシュトラ)の事蹟を記した資料の翻訳からなりますが、冒頭(第7巻第1章;pp.3-19)ではガヨーマルトに始まる人類史が綴られます。
 また第7巻第6章以降(p.86- )はザルドゥシュトの死後を扱い、
第7巻第8章で第1ソーシュヤンス(=サオシュヤント)(p.114-115)、
第7章第9章で第2ソーシュヤンス(pp.125-126)、
第7巻第10章で第3ソーシュヤンス(pp.130-131)それぞれの出現が語られます。
 サオシュヤントについては「古代イラン語における未来時制」(pp.249-255)および「阿育王のアラム語碑とそのイラン学的価値について」(pp.487-492でも扱われており、
「古代イラン民族における『罪』と『滅び』」ではスプンタ・マンユとアンラ・マンユの対(pp.340-341)や「アンラ・マンユの末路」(pp.348-350)について論じられ、
「仏光とイラン要素」で〈西方浄土〉に連なる神的領域(pp.362-373)、〈フワルナフ=光輪〉(pp.374-400)
が取りあげられます。

伊藤義教、『ペルシア文化渡来考 - シルクロードから飛鳥へ -』、岩波書店、1980
Ⅰ 大和朝廷とゾロアスター教徒の来日/Ⅱ 明日香の古影 - イラン要素の虚像と実像/Ⅲ 正倉院の屏風/Ⅳ 二月堂の修二会/Ⅴ ホロスコープなど、
212ページ。


 Ⅲ章以下では『ブンダヒシュン』がさかんに援用されます。
pp.87-92にその概要、
pp.105-111には世界の周囲にあるアルブルズ山に開いた太陽の出入りする180の窓、
pp.126-128ではアルブルズ山に囲まれる七つの州、双方の外に横たわるフラークカルド海、
pp.185-190でイランのホロスコープ
について記されています。この他、
pp.139ー149で『アルダー・ウィーラーブの書』をはじめとする他界遍歴、
pp.156-168でアナーヒターやスパンダルマト
 が言及されます。

伊藤義教、『ゾロアスター教論集』、平河出版社、2001
「アヴェスターの改刪」をめぐりて/名詮自性「ゾロアスター」-東方からのアプローチ-/古期(古代)ペルシア語 artā-ča brazmaniya とその射程/アラム・イラン混成語形とその周辺 - ゾロアスター在世年代論へ -/ヤスナ51:16について - Av. maga(van)-, Vd.maghá(van)- および OP magu- に関連して -/ジャムの十訓とヤスナ32:8/カルデールの「ゾロアスターのカアバ」刻文について/萬葉集にみえるイラン人名について-天武天皇挽歌2首をめぐる諸問題-/法隆寺伝来の香木銘をめぐって/『アオグマダエーチャー』 - ゾロアスター教徒の一葬文 -/イランにおけるビジョン(霊観)の文学/『断疑論』/『好学の子』のテキスト復元とその背景/我観「景教」 - 呼称の背景をめぐりて -//
附録;ゾロアスターとハオマ/ケーシュダーラーン句の解釈について - 『デーンカルド』第3巻から -/再々論「吐火羅・舎衛」考/パルミラと大秦国/ヤサー・アフー・ワルヨー告白文とアシュヴィン双神についてなど、
592ページ。

 サオシュヤント(pp.5-12)、
「最も包括的なゲーティーグ的生命」の語(p.34)、
終末における地表の平坦さ(pp.173-174)、
トゥーラーン人アフラシャーブの館(p.239)、
他界遍歴(pp.256-262)、
未来の予言(pp.262-266)、
『ジャーマースプに関する回想』の訳文(pp.273-322)、
『断疑論』の訳文(pp.323-427)
 などが取りあげられています。

青木健、「ゾロアスター教書籍パフラヴィー語文献『デーンカルド』第3巻訳注・その1」、『東洋文化研究所紀要』、no.146、pp. 72-41、2004.12 [ < 東京大学学術機関リポジトリ
Permalink : http://doi.org/10.15083/00027005

 同  、「ゾロアスター教書籍パフラヴィー語文献『デーンカルド』第3巻訳注・その2」、『東洋文化研究所紀要』、no.147、pp. 192-141、2005.3 [ < 同上 ]
Permalink : http://doi.org/10.15083/00026998

 同  、「故・伊藤義教氏転写&翻訳 : ゾロアスター教書籍パフラヴィー語文献『デーンカルド』第3巻訳注・その3」、『東洋文化研究所紀要』、no.148、pp. 236-178、2005.12 [ < 同上 ]
Permalink : http://doi.org/10.15083/00026992

 同  、「故・伊藤義教氏転写&翻訳 : ゾロアスター教書籍パフラヴィー語文献『デーンカルド』第3巻訳注・その4」、『東洋文化研究所紀要』、no.149、pp. 204-157、2006.3 [ < 同上 ]
Permalink : http://doi.org/10.15083/00026984

 同  、「故・伊藤義教氏転写&翻訳 : ゾロアスター教書籍パフラヴィー語文献『デーンカルド』第3巻訳注・その5」、『東洋文化研究所紀要』、no.150、pp. 150-123、2007.3.16 [ < 同上 ]
Permalink : http://doi.org/10.15083/00026974

 同  、「故・伊藤義教氏転写&翻訳 : ゾロアスター教書籍パフラヴィー語文献『デーンカルド』第3巻訳注・その6」、『東洋文化研究所紀要』、no.151、pp. 270-220、2007.3.23 [ < 同上 ]
Permalink : http://doi.org/10.15083/00026967
………………………

岡田明憲、「ザラスシュトラにおけるAšaと選択 - ゾロアストラ教終末論の根底に在るもの」、『オリエント』、Vol.21 No.2、1978、pp.43-56 [ < J-STAGE ]

岡田明憲、『ゾロアスター教 神々への讃歌』、平河出版社、1982

 「ゾロアスター教とアヴェスタ」(pp.1-43)を序論に、ヤシュト書よりアナーヒター、ティシュトリヤ(シリウス星)、ミスラ、フラワシ、ウルスラグナ(「戦勝」の神格化)、アシ、クワルナフ(光輪)それぞれに奉じられたヤシュトを訳出したもの、
392ページ。

 本書への書評→
森茂男、『オリエント』、vol.26 no.1、1983、pp.108-114 [ < J-STAGE ]


岡田明憲、「ゾロアスター教の火 拝火の教義と儀礼」、is、no.21、1983.6、「特集 火」、pp.33-35
火の神学/種々の火/燃え続ける火など

岡田明憲、『ゾロアスター教の悪魔払い』、平河出版社、1984
ゾロアスター教の思想と儀礼(pp.1-126);最高神と諸神霊/悪魔学と終末論/通過儀礼と年中行事/祭式と潔斎//
ウィーデーウ・ダート(抄訳)/ヤスナ第26章、第55章、第57章、第62章/ウィスプ・ラトシュト書第2章、第5章、第12章など、
336ページ。


岡田明憲、「パールシーと神智学 - ゾロアスター教近代化の一側面 -」、『オリエント』、Vol.28 No.2、1985、pp.66-77 [ < J-STAGE ]

岡田明憲、『ゾロアスターの神秘思想』(講談社現代新書 888)、講談社、1988
ゾロアスター;誕生から啓示まで/伝動の成功と昇天//
光と闇の二元論;思想の根底/人間の生き方/死後の世界//
東西宗教への影響;最後の審判と救世主/天使と悪魔/大乗仏教から密教へ//
秘教の伝統-ゾロアスター教と神秘主義など、
200ページ。

岡田明憲、「Avesta における風と馬」、『オリエント』、Vol.37 No.2、1994、pp.157-169 [ < J-STAGE ]

岡田明憲、「ゾロアスター教の大女神 - Armaiti, Aši, Anahita」、『オリエント』、Vol.39 No.1、1994、pp.85-99 [ < J-STAGE ]

岡田明憲、「アルダー・ウィーラーフの書 -ゾロアスター教徒の霊界旅行」、『ユリイカ』、臨時増刊号vol.26-13、1994.12、「総特集 死者の書 」、pp.342-350

岡田明憲、「ウィーデーウ・ダート」、「アルダー・ウィーラーフの書」、「ワフマン・ヤシュト」、「ゾロアスター伝」、「デサーティール」、藤巻一保・岡田明憲、『東洋秘教書大全』、学研パブリッシング、2012、pp.366-385

 々著者による→こちら(「通史、事典など」の頁の「ix. 他界観、来世観など」)、またそちらも参照:同頁の「x. 事典類など
………………………

上岡弘二、「リグヴェーダに見える人類の始祖 - イランにも関説して -」、『西南アジア研究』、no.6、1961、pp.37-55

上岡弘二、「ゾロアスター教 - 古代ペルシアの拝火教 -」、『不死の信仰 古代文明の謎と発見8』、1978、pp.91-141、266-268
ゾロアスター教を語る前に/真実と虚偽/人間の自由意志と主マズダー/聖なる不死者たち/最後の事柄に関する教えなど

星野陽、「Avesta (Yasht) におけるミトラの研究」、『オリエント』、Vol.11 No.3-4、1968、pp.37-51 [ < J-STAGE ]

古代オリエント集 筑摩世界文學体系 1』、1978、pp.387-399:「ペルシア」
古代ペルシア語碑文(佐藤進訳);ダレイオス一世ペルセポリスd碑文/同 スーサ王宮造営碑文/同 ナクシェ=ルスタムの墓碑/クセルクセス一世邪神(デーワ)崇拝禁止碑文

メアリー・ボイス、山本由美子訳、『ゾロアスター教 三五〇〇年の歴史』、筑摩書房、1983
原著は
Mary Boyce, Zoroastrians - Their Religious Beliefs and Practices, 1979
ゾロアスター教の背景/ゾロアスターとその教え/マズダー礼拝の確立/記録のない数世紀/アケメネス朝時代/セレウコス朝とアルサケス朝/サーサーン朝初期/サーサーン朝中期/サーサーン朝後期/カリフの時代/イル汗国 - ラージャとスルタンの時代サファビー朝とムガル朝時代/カージャール朝とイギリス支配の時代/二十世紀の状況など、
362ページ。

 なお本書は、2010年2月、講談社学術文庫に収められました(未見)。
 →こちらも参照:本頁の「iv. 洋文献

佐藤信夫、『新アルメニア史 人類の再生と滅亡の地』、泰流社、1989

 pp.99-100でズルヴァーン教が言及され、
pp.102-105にアルメニア語資料からの翻訳
が掲載されています。
 →こちらも参照:「西アジア」の頁の「ii. フェニキア、その他

松村一男、「救済としての真実 - 古代イランを中心に -」、吉田泰編、『救済の諸相』、山本書店、1990、pp.163-199
古代イランの救済 - 問題の射程/ガーサーにおける救済観/古代イランのその他の例/古代インドの場合/中間考察/他のインド・ヨーロッパ語民族の場合;アイスランド、アイルランド、古代ギリシア/三つの災禍/古代ローマとヒッタイトの例など

 →こちらに再録:「通史、事典など」の頁の「iv. 神話・神話学など

前田耕作、『宗祖ゾロアスター』(ちくま新書 108)、筑摩書房、1997
ゾロアスター伝説/正典を求めて/ゾロアスターの生涯/イメージと歴史の交錯/コスモロジーから終末へなど、
224ページ。


山本由美子、『マニ教とゾロアスター教』(世界史リブレット 4)、山川出版社、1998
消えた宗教と生き残った宗教/イラン人の信仰と世界観/マニ教の成立と信仰の特色/サーサーン朝におけるゾロアスター教正統の確立/マニ教の発展と消滅など、
84ページ。

 →こちらにも挙げておきます:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「viii. マニ教など


佐藤進、「『アヴェスタ』第五ヤシュト(アルドウィー・スール・バーノー・ヤシュト) - テクストと翻訳 Ⅲ) -」、『立正大学人文科学研究所年報』、37号、2000.3.20、pp.14-27 [ < 立正大学学術機関リポジトリ

 (Ⅰ)は『立正大学大学院紀要』、14号、1998.3
 (Ⅱ)は同上、15号、1999.3
 に掲載とのことですが、未見


「イランの神話・宗教」、『世界神話大事典』、2001、pp.988-1006
イスラム化以前のイラン(ジャン・ヴァレンヌ)/アナーヒターまたはアナヒド(同)/アフラ・マズダーまたはオロマズデス、オフルマズド(同)/ウルスラグナまたはワルフラン、バフラーン(同)/ミスラまたはミフル、ミヒル、メヘル(同)/ワユまたはワイ(ジャン・ルクラン)など

大貫隆、「ゾロアスター教とマニ教」、『グノーシス 陰の精神史』、岩波書店、2001、pp.118-133
マニとマニ教;マニの生涯と著作/マニ教文書/マニ教の神話//
ゾロアスターとゾロアスター教の成立;ゾロアスター教文書/ゾロアスター教とその伝承/ズルヴァン教//
ズルヴァン主義とマニ教神話//研究史と未決問題など

 →こちらにも挙げておきます:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「viii. マニ教など


藤原達也、「インド・イランの太陽神」、松村一男・渡辺和子編、『太陽神の研究 宗教史学論叢7』(上巻)、リトン、2002、pp.49-99
中世インド/中世インドの太陽神図像/後期古代のイラン/紀元前後数世紀のインド・イラン/展望

藤原達也、「古代インド・イランの生と死の神話-カーフィル・カラシュの儀礼と神話を手がかりに-」、松村一男編、『生と死の神話 宗教史学論叢9』、リトン、2004、pp.155-202
カーフィル・カラシュの葬儀と祖霊祭/カーフィル・カラシュの生と死の神話/古代インド・イランの祖霊信仰/イマとヤマの神話など

藤原達也、「ダエーナーとその図像表現 - ゾロアスター教およびマニ教における死者の運命」、『死生学年報』、vol.13、2017.3.31、pp.213-248 「 < 東洋英和女学院大学学術リポジトリ

 こちら(「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「viii. マニ教など」)やそちら(「怪奇城の外濠 Ⅱ」の頁の「橋など」)、またあちら(モロー『ガラテイア』の頁の「Cf. の cf.」)にも挙げておきます

大多和明彦、「ゾロアスター誕生神話の秘密:三位一体論の原型」、『東京家政大学研究紀要 1 人文社会科学』、no.42、2002.2、pp.11-21 [ < 東京家政大学機関リポジトリ
Permalink : http://id.nii.ac.jp/1653/00009091/

大多和明彦、「ゾロアスター教の三位一体論」、『東京家政大学研究紀要』、no.43(1)、2003.2.1、pp.13-18 [ < 東京家政大学機関リポジトリ]

P.R.ハーツ、奥西峻介訳、『ゾロアスター教』(シリーズ世界の宗教)、青土社、2004
原著は
Paula R. Hartz, Zoroastrianism, 2003
ザラスシュトラの善教/ゾロアスター教の父、ザラスシュトラ/ゾロアスター教の歴史/インドのゾロアスター教 - パールシー/ゾロアスター教聖典『アヴェスター』/ゾロアスター教の精神と倫理/祭祀と通過儀礼/未来を見るゾロアスター教など、
192ページ。


香月法子、「ゾロアスター教 創始者のわかる最古の宗教」、『別冊 環 8 オリエントとは何か - 東西の区分を超える -』、藤原書店、2004.6.30、pp.154-161
古代ペルシアの国教/インドへの移住/『アヴェスター』/火の儀礼/鳥葬/現代に生きる宗教
………………………

青木健、「古代ペルシアにおける『生と死』 - ゾロアスター教文献における『骨』と葬送儀礼 -」、松村一男編、『生と死の神話 宗教史学論叢 9』、リトン、2004、pp.57-94
本稿のテーマ/本稿の問題設定/本校の仮説/「死者の復活」の思想/ゾロアスター教の「納骨堂遺跡」/「遺骨の特別視」の意味など

青木健、『ゾロアスター教の興亡 - サーサーン朝ペルシアからムガル帝国へ -』、刀水書房、2006
第1部 サーサーン王朝時代のゾロアスター教思想;ザラスシュトラ・スピターマの到来から10世紀まで/サーサーン王朝時代ゾロアスター教における聖地の概念/サーサーン王朝時代ゾロアスター教の神官聖火:その1/その2/9世紀ペルシア州のゾロアスター教神官団の教義改変システム/第Ⅰ部に関する写真資料集成//
第2部 ムガル帝国時代のゾロアスター教思想;イラン・イスラームにおけるゾロアスター教の遺産/アーザル・カイヴァーンの軌跡 - 古代ペルシアの叡智の復興者? エスファハーン学派の思想家? インドの修行者? -/新聖典『ダサーティール』の創出/アーザル・カイヴァーン学派の聖典思想/アーザル・カイヴァーン学派の哲学思想/アーザル・カイヴァーン学派の神秘主義思想/アーザル・カイヴァーン学派の救世主思想/第2部に関する文献資料解題など、
400ページ。

青木健、「イスラーム文献が伝える多様なゾロアスター教像 : 六-八世紀のアラビア語資料のゾロアスター教研究への応用」、『宗教研究』、no.81-3、pp.653-674、2007.12.30 [ < CiNii Articles ]

青木健、『ゾロアスター教』(講談社選書メチエ 408)、講談社、2008
アーリア民族とゾロアスター教/原始ゾロアスター教教団の成立 - 二元論と白魔術の世界観/ゾロアスター教以外の古代アーリア人の諸宗教/ゾロアスター教の完成 - サーサーン王朝ペルシア帝国の国教として/ペルシア帝国の滅亡とアーリア人の宗教叛乱、そしてイスラーム改宗/ゾロアスター教からイラン・イスラーム文化/パールスィーへ/ヨーロッパにおけるゾロアスター幻想/ゾロアスター教パフラヴィー語文献『ゾロアスターの教訓の書』全訳など、
222ページ。

 下記2冊とあわせて、教義面の記述が詳しいとはいえないものの、ゾロアスター教の多様性を知ることができます。

 また、ヤズィード教についての記述があったりします(pp.93-99)→こちらにも挙げておきます:「イスラーム Ⅲ」の頁の「viii. その他の分派など」中の「ヤズィード派」。

青木健、『ゾロアスター教史 - 古代アーリア・中世ペルシア・現代インド -』(刀水歴史全書 79)、刀水書房、2008
原始アーリア民族の移動/教祖ザラスシュトラの啓示から原始教団の発展(前12~前4世紀)/第一次暗黒時代(前4~後3世紀) - ヘレニズム時代からアルシャク朝時代まで/サーサーン朝ペルシア帝国での国家宗教としての発展(3~10世紀)/第二次暗黒時代(11~16世紀) - ムスリム支配下での改宗と脱出/インドでの大財閥としての発展(16世紀~現代)/現代のゾロアスター教徒とゾロアスター教研究など、
322ページ。


 この本の新版が;

青木健、『新ゾロアスター教史 - 古代中央アジアのアーリア・中世ペルシアの神聖帝国・現代インドの神官財閥 -』(刀水歴史全書 99)、刀水書房、2019
まえがき//
序論/プロローグ 原始アーリア民族の移動/教祖ザラスシュトラの啓示から原始教団の発展(~紀元前4世紀)/第一次暗黒時代(紀元前4~紀元後3世紀) - ヘレニズム時代からアルシャク王朝時代まで/サーサーン王朝ペルシア帝国での国家宗教としての発展(3~10世紀)/第二次暗黒時代(11~16世紀) - ムスリム支配下での改宗と脱出/インドでの大財閥としての発展(16世紀~現代)/エピローグ 日本におけるゾロアスター教徒とゾロアスター教研究など、
368ページ。


 旧版との異同については、「まえがき」の pp.v-vi 参照

青木健、『アーリア人』(講談社選書メチエ 438)、講談社、2009
「アーリア人」とは-古代オリエントとイスラームを繋ぐもの/ウクライナ平原と中央アジアの草原の覇者としてのイラン系アーリア人騎馬遊牧民/世界帝国の樹立者、東西交易の担い手としてのイラン系アーリア人定住民/イスラーム時代以降のイラン系アーリア人/インド系アーリア人とヨーロッパ系アーリア人など、
272ページ。

青木健、「ザラスシュトラの預言者化 : 一〇世紀アラビア語文献に見るアーリア人神官からセム的預言者への変貌」、『宗教研究』、no.83-3、pp.837-860、2009.12.30 [ < CiNii Articles ]

青木健、「ゾロアスター教ズルヴァーン主義研究(1)『ウラマー・イェ・イスラーム』の写本蒐集と校訂翻訳」、『東洋文化研究所紀要』、no.158、pp. 78(203)-166(115)、2010.12 [ < 東京大学学術機関リポジトリ ]
Permalink : http://doi.org/10.15083/00026906

 同、  「初期イスラーム神学ムゥタズィラ派研究2 : 『ウラマー・イェ・イスラーム』の写本蒐集と校訂翻訳」、『東洋文化研究所紀要』、no.159、pp. 66(295)-112(249)、2011.3 [ < 同上 ]
Permalink : http://doi.org/10.15083/00026896

 同、  「ゾロアスター教ズルヴァーン主義研究3 : 『ウラマー・イェ・イスラーム』の写本蒐集と校訂翻訳」、『東洋文化研究所紀要』、no.160、pp. 127(510)-224(413)、2011.12.22 [ < 同上 ]
Permalink : http://doi.org/10.15083/00026882

 同、  「ゾロアスター教ズルヴァーン主義研究4 : 『ウラマー・イェ・イスラーム』の写本蒐集と校訂翻訳」、『東洋文化研究所紀要』、no.161、pp. 118(163)-144(137)、2012.3.27 [ < 同上 ]
Permalink : http://doi.org/10.15083/00026875

青木健、『ゾロアスター教ズルヴァーン主義研究 ペルシア語文献「ウラマー・イェ・イスラーム」の写本蒐集と校訂翻訳』、刀水書房、2012
ゾロアスター教ズルヴァーン主義研究 - 『ウラマー・イェ・イスラーム』の写本蒐集と校訂翻訳 - ゾロアスター教史におけるズルヴァーン主義の位置付け//『ウラマー・イェ・イスラーム』の4つのヴァージョン//『ウラマー・イェ・イスラーム』の写本・刊本・翻訳・研究//『ウラマー・イェ・イスラーム』の新出写本と散逸写本//『カーメ・ボフレ教示書からのウラマー・イェ・イスラーム』の校訂と翻訳と思想//
  『ウラマー・イェ・イスラーム』(UI-1)の校訂と翻訳と思想;『ウラマー・イェ・イスラーム』の校訂/『ウラマー・イェ・イスラーム』の翻訳/『ウラマー・イェ・イスラーム』の思想 全体構造とムゥタズィラ派との関係、『アーバーンの書』とムゥタズィラ派との関係、神の全能性、預言者の必然性、人間の自由意思から見たイスラーム反駁/神の属性否定と超越神観を応用してのゾロアスター教的二元論の擁護、実体・偶有論から見た理性的論証を語るゾロアスター教護教論、理性論から見る善神の最終的勝利の保障、イスラーム思想研究の文脈上の『アーバーンの書』//
  『別版ウラマー・イェ・イスラーム』の校訂と翻訳と思想//新出写本におけるその他のフラグメント//
  5~8世紀のアルメニア語・シリア語文献との比較;4系統の外部資料と先行研究/外部資料の新校訂 コルブのエズニクのアルメニア語文献『異端反駁』、エリシェ・ヴァルダペトのアルメニア語文献『ヴァルダンとアルメニア戦争の歴史』、ヨハナーン・バル・ペンカイェーのシリア語文献『世界年代記』、テオドル・バル・コーナイのシリア語文献『注釈の書』/4つの外部資料のコンコーダンス/UI-KBと4つの外部資料のズルヴァーン主義創造神話 創造以前の原初状態、ズルヴァーンによるオフルマズドとアフレマンの創造、アフレマン支配の9000年?、ズルヴァーン主義と占星術、ズルヴァーン主義創造神話理解の修正//
  10世紀のパフラヴィー語文献との比較;『ブンダヒシュン』の創造神話/原初の状況/無限の空間神ヴァーイと「長期支配の空間」=善なるヴァーイ/善悪闘争の9000年?/第7のゲーティーグ的創造物/ズルヴァーン主義から二元論へ//
  7~12世紀のアラビア語文献との比較;7~8世紀のアラビア語古詩2点/マスゥーディー(956年没)の『警告と修正の書』 「ゾロアスター教の5大原理」、8~9世紀のズルヴァーンとオフルマズドのアッラーへの統合/シャフラスターニー(1153年没)の『諸宗教の書』 4系統の「ズルワーン教」情報、8~9世紀のズルヴァーンとオフルマズドの神格融合、シリア系キリスト教からの伝承、休戦条約を監視する2人の天使、最初期のアフレマン捕囚伝承、西方から東方への波及/ズルヴァーン主義から二元論への過渡期の状況//
  まとめと今後の課題//
  補論;イラン・イスラーム共和国議会図書館所蔵 Majles 13522 Codex の UI-2 改作/サーラール・ジャング図書館所蔵 Persian 3493 Codex の再評価//
ゾロアスター教文献研究解説 ゾロアスター教の文献学的思想・宗教研究//イラン系言語と文字表記//
  ゾロアスター教パフラヴィー語文献概説;神学思想的なゾロアスター教パフラヴィー語文献/教義伝達的なゾロアスター教パフラヴィー語文献/幻想文学・黙示録的なゾロアスター教パフラヴィー語文献/知恵文学的なゾロアスター教パフラヴィー語文献/実用的な世俗パフラヴィー語文献/歴史的・物語的な世俗パフラヴィー語文献/アラビア語に翻訳された散逸パフラヴィー語文献/ゾロアスター教近世ペルシア語文献//
  ゾロアスター教パフラヴィー語写本の書写伝統とコーデックス;ゾロアスター教パフラヴィー語写本のイラン、インドでの書写伝統(~18世紀)/ゾロアスター教パフラヴィー語写本のインド、ヨーロッパへの移動(19世紀~)/主要なゾロアスター教パフラヴィー語写本コーデックスの内容/ゾロアスター教パフラヴィー語写本の所蔵機関/現代ゾロアスター教神官団の拝火神殿/ゾロアスター教パフラヴィー語文献研究者である現代ゾロアスター教神官列伝/ゾロアスター教神官団の位階制/ジャーマースプ・アーサー家の家系//
『ウラマー・イェ・イスラーム』写本ファクシミリ版など、
448ページ。

 本書の第1部は上掲『東洋文化研究所紀要』、no.158、2010no.161、2012 掲載の論文に基づくものですが、
「大きく変更した点が幾つかある」
 とのことで、その内容については p.384 参照。


青木健、『古代オリエントの宗教』(講談社現代新書 2159)、講談社、2012
「聖書ストーリー」と「各民族の神話ストーリー」/マンダ教の洗礼主義 - 1~2世紀のメソポタミアマーニー教のイエス中心主義 - 3世紀のメソポタミア/ペルシアの国教ゾロアスター教ズルヴァーン主義 - 3~8世紀のイラン/ミトラ信仰とアルメニア正統使徒教会 - 4~5世紀のアルメニアイスラームにおけるグノーシス主義の復活 - 8~10世紀のメソポタミア/「聖書ストーリー」に吸収されたザラスシュトラ-9~13世紀のイラン/「今日、われ(アッラー)は宗教を完成させた」など、
230ページ。

青木健、「アーザル・カイヴァーン学派研究 - Dāstān-e Mōbedān Mōbed Dādār Dāddukht の写本蒐集と翻訳校訂 -」、『東洋文化研究所紀要』、no.167、2015.3、pp.348(157)-302(203) [ < 東京大学学術機関リポジトリ ]
Permalink : http://doi.org/10.15083/0002

 同、 「アーザル・カイヴァーン学派研究(2) - Dastan-e Mobedan Mobed Dadar Daddukht の写本蒐集と翻訳校訂 -」、『東洋文化研究所紀要』、no.168、2015.12、pp.147(174)-77(244) [ < 同上 ]
Permalink : http://doi.org/10.15083/00026816

 同、 「アーザル・カイヴァーン学派研究 3 - ポスト・モンゴル期のイスラーム思想史に於けるアーザル・カイヴァーン学派 -」、『東洋文化研究所紀要』、no.169、2016.3、pp.184(379)-97(466) [ < 同上 ]
Permalink : http://doi.org/10.15083/00026807

 「3」について→こちらでも挙げています:「イスラーム Ⅲ」の頁の「viii. その他の分派など」の項、ヌクタヴィー教について

 「4」:『慶應義塾大学言語文化研究所紀要』、no.48、2017.3、pp.9-31
 「5」:『慶應義塾大学言語文化研究所紀要』、no.49、2018.3、pp.1-19
 は未見


 同、 「アーザル・カイヴァーン学派研究 6 - Dāstān-e Mōbedān Mōbed Dādār Dāddukhtの写本蒐集と翻訳校訂 -」、『慶應義塾大学言語文化研究所紀要』、no.51、2020.3、pp.1-16 [ < 慶應義塾大学学術情報リポジトリ(KOARA)

 同じ著者による→こちらも参照:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「viii. マニ教(マーニー教)など」の項

………………………

池上正太、『オリエントの神々(Truth in Fantasy 74)』、新紀元社、2006

 第3章ペルシア神話とゾロアスターの神々(pp.203-261)。神格ごとの解説。


井本英一編、『東西交渉とイラン文化 アジア遊学 137』、勉誠出版、2010
はじめに - 東西交渉とイラン文化(井本英一)/ミトラ信仰の東西(同)/世界精神史におけるゾロアスター教 - 宗教思想の文化交渉面を中心に(岡田明憲)/コラム アナーヒター女神の東西(松村一男→こちらに再録:『神話思考-Ⅱ』、2014/「通史、事典など」の頁の「iv. 神話・神話学区など」)/コラム アーサー王伝説に見られる、スキュタイ神話との顕著な類似(吉田敦彦)/四ツ目の犬・四ツ白の犬(奥西峻介)/ヘレノ・イラニズムと仏教の交流(前田耕作)/大乗仏教に入ったイラン文化的要素 - 阿弥陀仏と極楽をめぐって(森茂男)/佛教説話「井戸のなかの男」の西方伝播 - ペルシア文学の貢献を中心に(杉田英明)/コラム アレクサンダー伝説の東漸(岡本健一)/イランのこぶとりじいさんとその背景(竹原新)/元型、複合、伝播(井本英一)/アレクサンドロスの東征軍とペルシア文化(森谷公俊)/ササン銀器から見た東西文化交流-獅子と虎の描写をめぐって(田辺勝美)/東西交流におけるイラン染織 - 連珠円文錦の系譜(道明三保子)/コラム 花菱の紋様にみる東西交流 - イラン織物と絵絣の関連から(星谷美恵子)/サーサーン朝ペルシア・ガラスの「直」(中国・東方流入)と「風」(中国・東方化)(谷一尚)/コラム 工芸分野からみた古代イランの文化交流(由水常雄)/ソグド人の東方進出とその活動 - 商業活動と外交活動を中心に(森部豊)/隋唐の建国と中国在住ソグド人(山下将司)/パールスィーの中国・日本来航 - 近現代の極東ゾロアスター教文化(青木健)など、
210ページ。


曽布川寛、「第5部 中国出土ソグド石刻画像の図像学」、曽布川寛・吉田豊編、『ソグド人の美術と言語』、臨川書店、2011、pp.215-317
石棺床囲屏浮彫/石槨浮彫の画像/北朝の墓葬形制との比較など

 →こちら(「怪奇城の外濠 Ⅱ」の頁の「橋など」)にも挙げておきます
 同じ著者による→そちらを参照:「中国」の頁の「iv. 他界観など


ジェラード・ラッセル、臼井美子訳、『失われた宗教を生きる人々 中東の秘教を求めて』、亜紀書房、2017、pp.135-190:「第3章 ゾロアスター教徒」

 また;

鈴木中正、「総論 -千年王国運動の世界史的展開」、『千年王国的民衆運動の研究 - 中国・東南アジアにおける -』、 1982、pp.1-106

植村卍、「マルティン・ブーバーの『善悪の諸像』について」、『ユダヤ教思想における悪』、2004、pp.47-68

 なども参照

 他に;

奥西峻介、「Bundahisn の研究(1)」、『大阪外国語大学学報』、no.42(言語編)、1978.3.15、pp.137-155
奥西峻介、「Bundahisn の研究(2)」、『大阪外国語大学学報』、no.45(言語編)、1979.2.19、pp.99-120

 あるというも未見。

 参考までに→

こちら;エリアーデ「悪魔と『善なる神』 - ルーマニア民間信仰における〝宇宙創成神話〟成立の前史」等/「北欧、ケルト、スラヴなど」の頁の「iii. スラヴ、フィンランド、古ヨーロッパなど


 や、

あちら;韓国や沖縄等におけるミロク/シャカの世/「仏教 Ⅱ」の頁の「iv. 弥勒、過去仏、多仏説など


 も参照

iii.  神話と銘打ったもので、手もとにあるものから - 『王書』など;

黒柳恒男、『ペルシアの神話 - 王書(シャーナーメ)より』、泰流社、1980
天地創造/最初の王カユーマルス(在位30年)/フーシャング王(在位40年)/タフムーラス王(在位30年)/ジャムシード王(在位700年)/暴君ザッハーク王(在位1000年)/鍛冶屋カーヴェの活躍/ファリードゥーン王(在位500年)と三人の王子/マヌーチェフル王(在位120年)/勇者ザール/勇者ロスタム/ノウザル王(在位7年)/ザウ王(在位5年)/ガルシャースプ王(在位9年)など、
272ページ。


岡田恵美子、『ペルシアの神話 光と闇のたたかい (世界の神話 5)』、筑摩書房、1982
はじめに-イラン人の心を読む/天地創造の神話/国造りの神話/邪悪の蛇王/善き王ファリードゥーン/英雄時代など、
222ページ。


ヴェスタ・サーコーシュ・カーティス、薩摩竜郎訳、『ペルシアの神話』(丸善ブックス 096)、丸善、2002
原著は Vesta Sarkhosh Curtis, Persian Myths, 1993
古代イラン人世界の神々と天地創造/悪魔と伝説上の生き物と英雄たち/『王書』:フィルドゥーシーの『シャー・ナーメ』/『王書』に登場する伝説上の生き物たち/ゾロアスター、キュロス、アレクサンダーの物語/受け継がれる古代の伝統/おとぎ話と受難劇など、
178ページ。

………………………

フィルドゥシー、黒柳恒男訳、『王書(シャー・ナーメ) ペルシア英雄叙事詩』(東洋文庫 150)、平凡社、1969
ザールの巻/ロスタムの巻/ソホラーブの巻/スィヤーウシュの巻/ビージャンとマニージェの巻/ロスタムとシャガードの巻など、
452ページ。

フェルドゥスィー、岡田恵美子訳、『王書 古代ペルシアの神話・伝説』(岩波文庫 赤 786-1)、岩波書店、1999
第1部 神話の王たちの時代;カユーマルス王(在位30年)/フーシャング王(在位40年)/タフムーラス王(在位30年)/ジャムシード王(在位700年)/ザッハーク王(在位1000年)/フェリドゥーン王(在位500年)//
第2部 英雄伝説の時代;ナリーマン家のサーム/白髪のザール/英雄ロスタム/悲劇のソフラーブ/王子スィヤーウシュ/王子イスファンディヤール/ロスタムの最期など、
384ページ

 「第2章 フーシャング王」の「2 『火の祭』の起源」(p.19)からの引用をエピグラフにしたりしています
 →「引き足し掛け割り虚数無理数」、『染谷亜里可展』図録(2005) [ <三重県立美術館のサイト

Anna CAIOZZO、“Autour de l'ascension céleste dans le Livre des rois de Firdawsî ”、篠田知和基編、『天空の神話 - 風と鳥と星』、楽瑯書院、2009、pp.680(17)-672(25)
「フィルドゥシーの『王書』における昇天をめぐって」
宇宙の支配者としての王、あるいは廃棄された秩序の禁じられた夢/翼のある被造物、鳥と仲介天使たち/神への上昇など


キュターユーン・マズダープール、羽田美希訳、「ゾロアスター教とゾロアスター教徒の変遷」、『イランとイスラム 文化と伝統を知る』、2010、pp.40-54
ゾロアスター教とは/ゾロアスター教の世界観/穢れ/喜びの賞賛/イスラム以降の変化

ハサン・レザーイー・バーグビーディー、森茂男訳、「古代イラン文化のダイワ/デーウ(『悪魔』)」、同上、pp.55-66
古代のアフラとダイワ/ゾロアスターの登場/中期イラン語時代/サーサーン朝滅亡後の変遷

iv. 洋文献

E.W. West, The Sacred Books of the East, vols.5, Pahlavi Texts, Part Ⅰ, The Bundahis, Bahman Yast, and Shâyast Lâ-Shâyast, Oxford at the Clarendon Press, 1880
『東洋の聖なる書物 第5巻 パフラヴィー・テクスト 第1部 ブンダヒシュン、バフマン・ヤシュト、シャーヤシュト・ラー=シャーヤスシュト』
The Bundahis
;インド版(小)ブンダヒシュン/Appendix to The Bundahis; the Selections of Zâd-sparam, Part Ⅰ, Chapters Ⅰ-XI (paraphrases of Bundahis, Ⅰ-XVIIBahman Yast Shâyast Lâ-Shâyast =‘the Proper and Improper’
512ページ(手もとにあるのはコピー)。


E.W. West, The Sacred Books of the East, vols.24, Pahlavi Texts, Part Ⅲ, Dînâ-î Maînôg-î Khirad, Sikand-Gûmânîk Vigâr, Sar Dar, Oxford at the Clarendon Press, 1885

『東洋の聖なる書物 第24巻 パフラヴィー・テクスト 第3部 ディーナー=イー・マイーノーグ=イー・キラド、シカンド=グーマーニーク・ヴィガール、サル・ダル』
Dînâ-î Maînôg-î Khirad =‘Opinions of the Spirit of Wisdom’(p.xv) /Sikand-Gûmânîk Vigâr =‘Doubt-Dispelling Explanation’(p.xxv)/Sar Dar =‘A Hundred Subjects’ conected with the Zoroastrian religion (p.xvvvi)
422ページ(手もとにあるのはコピー)。


H.S. Nyberg, “Questions de cosmogonie et cosmologie mazdéennes”, Journal asiatique, Avril-Juin 1929, pp.193-310/Juillet-Septembre 1931, pp.1-134/Octobre-Décembre 1931, pp.193-244

「マズダ教宇宙開闢論と宇宙論の諸問題」
Mēnōg ī Xrad,chap.8 / id., chap.10 / id., chap.27, 8-13 / id., chap.28 / id., chap.12 / id., chap.22 / id., chap.23 / id., chap.23 / id., chap.24 / Bundahišn, chap.1 / id., chap.3 / シリア語の匿名文献 / 文献学的な註//
データの分析;古代ペルシアにおける〈マズダ教〉の概念/マズダ教教会についての観察/マズダ教神学のいくつかの基本的概念/ブンダヒシュンにおけるズルヴァーン主義形而上学/四形の神/非マズダ教的典拠によるズルヴァーン主義神学/ズルヴァーンの基本的な特徴の要約/ズルヴァーン主義とゾロアスター教//
ズルヴァーン主義体系における創造;メーノーグの第1の図式、第2の図式、第3の図式/非ズルヴァーン主義マズダ教体系の基本的教義/結論;ズルヴァーン型、マズダ型、混合型(手もとにあるのはコピー)

 著者については、上掲前田耕作、「ヴィカンデルと同時代の精神たち」、『アーリヤの男性結社 スティグ・ヴィカンデル論文集』、1997、pp.241-244、
 および後掲
Encyclopædia Iranica 中のNYBERG, Henrik Samuelを参照。

H.W. Bailey, Zoroastrian Problems in the Ninth-Century Books (Ratanbai Katrak Lectures), Oxford at the Clarendon Press, 1943/1971
『9世紀の文献におけるゾロアスター教の諸問題』
序説/
Farrah ;古イラン語での「 hvarnah フワルナフ」/ゾロアスター教文献以外でのFarrahMartōm ;「人間自体、その組成、その構成部分がむかえる運命…(中略)…身体的、心魂的、および不可視界との関係における人間に帰せられた複雑な性格」について(p.78)/
Asmān
;「空」に関する宇宙論の問題/
Patvand ;宗教的伝承・伝統の伝達の問題/Dēn-dipīrīh ;アヴェスター書記法におけるアヴェスターの伝達についてなど、
300ページ。


R.C. Zaehner, Zurvan. A Zoroastrian Dilemma, Biblo and Tannen, New York, 1955/1972
『ズルヴァーン ゾロスター教のジレンマ』
第1部 議論;序論/ゾロアスター教の宗派/サーサーン朝期におけるズルヴァーン主義とマズダ教/善と悪の父/
宇宙論、Ⅰ;ヴァーユ神、マズダ教の宇宙論/宇宙論、Ⅱ;大ブンダヒシュン第1章からのズルヴァーン主義的断片、物質の創造/
諸星/悪霊アーズ、男の誘惑者としての女/三柱の創造者/ズルヴァーン神;四重の神、無限のズルヴァーン、有限のズルヴァーン、死の神、フィルダウスィーの遺言/法と定め;約定と措置、定め//
第2部 テクスト;ズルヴァーンが神として現れるアヴェスターからの章句/アヴェスター以外のゾロアスター教資料でズルヴァーンに関わるテクスト/東方の言語で記されたキリスト教、マーニー教、イスラームの資料からの、ゾロアスター教に対する論争とその評/ギリシャのテクストなど、
512ページ。

 第Ⅰ部第Ⅸ章“The God Zurvān (a) The Fourfold God”(pp.219-231)がずっと気になっております。上掲
Nyberg, “Questions de cosmogonie et cosmologie mazdéennes”, Journal asiatique, Juillet-Septembre 1931, pp.47-68:‘Chapitre Ⅴ. Le dieu quadriforme’
 とあわせて参照。

 →こちらでも少し触れています:「世界の複数性など」の頁

R.C. Zaehner, The Teaching of the Magi. A Compendium of Zoroastrian Beliefs, Oxford University Press, New York, 1956/1975
『マゴスたちの教え ゾロアスター教信仰の大要』
教理問答/原初の二霊と創造/悪霊の来襲/二元論の必要性/人間の最初の親たち/善き宗教/善き倫理/礼典と供儀/死に際しての個々人の審判/身体の復活と永生など、
156ページ。

 パフラヴィー文献からの主題別アンソロジー。

 第9章「死に際しての個々人の審判」から、
Mēnōk i Khrat の1節(p.134)をエピグラフに使ったことがあります
 →「プチ・ポン拾遺 - メリヨンとマティス -」、『ひる・ういんど』、no.69、2000.3.1 [ <三重県立美術館のサイト


R.C. Zaehner, The Dawn and Twilight of Zoroastrianism (History of Religion), Phoenix Press, London, 1961/2002
『ゾロアスター教の黎明と黄昏』
序説/
/第1部 黎明;預言者/七つの章/祭式/ミスラ/ミスラ-イマ-ミトラス/フラヴァシ-ヴァーユ-クワルナフ/アケメネス朝とマゴスたち//
第2部 黄昏;正統を求めて/ズルヴァーン主義の多様性/古典的ズルヴァーン主義/ズルヴァーン/オフルマズドとアフレマン/人間/宗教と王/終焉など、
372ページ。

Marian Molé, ‘La naissance du monde dans l'Iran préislamique’, La naissance du monde. Sources orientales Ⅰ, 1959, pp.299-328.
「イスラーム以前のイランにおける世界の始まり」
序説;オルマズドとアフラマン/供儀による創造と再興/有限の時間//
テクスト;ガーサー/デーンカルド/ダータスターン=イ・デーニーク/ブンダヒシュンなど


Geo Widengren, Die Religionen Irans (Die Religionen der Menschheit 14), W. Kohlhammer Verlag, Stuttgart, 1965
『イランの諸宗教』
序論/ザラスシュトラ以前の時期/ザラスシュトラの生涯と教え/最古のゾロアスター教共同体/メディア王国およびアケメネス朝時代の西方における宗教的状況/北部イランの諸民族の宗教/パルティア時代/サーサーン朝/東部イランの諸民族の宗教。ソグド人/サカ族とその他の東イランの諸民族/結びなど、
410ページ。

Mary Boyce, A History of Zoroastrianism, vol.1 The Early Period, E.J. Brill, Leiden & Köln, 1975

『ゾロアスター教の歴史 第1巻 初期』
異教的背景;全般/異教的イランの神々悪霊たち、悪をなす空想上の存在、最初の人間と英雄たち/死、来世と葬送儀礼/世界の性質とその起源/異教的祭式//
ザラスシュトラとその教え;ザラスシュトラ/アフラ・マズダー、アングラ・マンユと恵み深い不死者たち/二つの状態と三つの時//
信仰の先史期;記録のない数世紀/ザラスシュトラとその息子たちの伝説/清浄の法/補遺:ゾロアスター教の葬送儀礼など、
364ページ(手もとにあるのはコピー)


 →山本由美子、「ゾロアスター教研究の一動向 - M. Boyce の『ゾロアスター教史第一巻』を中心として -」、『オリエント』、vol.22 no.2、1979、pp.130-139 [ < J-STAGE ]
 →こちらも参照:本頁上掲の「ii. 邦語文献

Edited and translated by Mary Boyce, Textual Sources for the Study of Zoroastrianism, The University of Chicago Press, 1984/1990
『ゾロアスター教研究のための典拠集』
序論/伝承と教義/崇拝、祈りと告白/規定としきたり/ザラスシュトラの生涯と伝説/死に際しての魂の定め、天国と地獄のヴィジョン/黙示的テクスト/ゾロアスター教の異端:ズルヴァーン主義/9世紀のパフラヴィー文書からの教義に関わる章句/歴史的テクスト/近代における信仰:19-20世紀など、
176ページ。

 p.17にジョン・R・ヒネルズ『ペルシア神話』(1993)p.4の「古代ペルシア人の宇宙観」を図式化した挿図が再録されています。ちなみにヒネルズは本書を含むシリーズ全体の編集をつとめています。

Ugo Bianchi, "La doctrine zarathustrienne des deux esprits", Selected Essays on Gnosticism, Dualism and Mysteriosophy, 1978, pp.361-389
  "Alcuni aspetti abnormi del dualismo persiano", id., pp.390-405
  "Aspects of Modern Parsi Theology", id., pp.406-416


Shaul Shaked, Dualism in Transformation. Varieties of Religion in Sasanian Iran (Jordan Lectures in Comparative Religion 16), School of Oriental and African Studies, University of London, 1994
『変容する二元論 サーサーン朝イランにおける宗教の多様性』
序論/宇宙開闢論と二元論/終末論と幻視/人間と神的なるもの/宗教的表現の階層/宗教の道具//
附録;キルデールの銘文についての覚書/ゾロアスター教における人間の組成:アヴェスターのリストについての所見/人間の組成についてのパフラヴィー文書の議論/パフラヴィー語における人間に関するいくつかの用語/デーンカルド第3巻からの数節など、
176ページ。

Shaul Shaked, From Zoroastrian Iran to Islam. Studies in Religious History and Intercultural Contacts (Collected Studies Series CS505), Variorum, Hampshire & Vermont, 1995
『ゾロアスター教的イランからイスラームへ 宗教史と文化間接触の研究』
第1部 サーサーン朝ゾロアスター教;ゾロアスター教における秘教的潮流/パフラヴィー文書におけるメーノーグとゲーティーグの概念、および終末論との関連/アフレマン、悪霊、その創造についてのいくつかの覚書/審判者ミフル/ズルヴァーンの神話:宇宙開闢論と終末論//
第2部 イランからイスラームへ;イランからイスラームへ、伝達されたいくつかの主題についての覚書:イブン・アル=ムカッファの統治論における「宗教と主権は双子である」、四人の賢者/イランからイスラームへ、王権の象徴について/Paymān : ギリシア思想およびイスラームと接触したイラン的理念/滑稽な処方と二つの智恵:ムスリムの装いをしたイラン的主題/最初の人間、最初の王:セム=イラン的混淆とイラン的神話の変容/「魂のために」:イスラームに伝えられたゾロアスター教的理念/イスラーム文学におけるいくつかのイラン的主題など、
331ページ。

 なお、Part 1 の‘The myth of Zurvan: cosmogony and eschatology’はズルヴァーンの神話をある種のフォークロアと見なし、組織だった教団の存在を疑問視しています。オルペウス教に対する Linforth, The Arts of Orpheus, 1941 の議論と比較できそうです。
 ズルヴァニズムが実体として存在したことを否定する立場は、後掲 Encyclopædia Iranica 中の Albert de Jong による "ZURVANISM" も参照。

Michael Stausberg, translated by Margret Preisler-Weller, Zarathustra and Zoroastrianism; A Short Introduction, Equinox Publishing Ltd., London and Oakville, 2005/2008
『ザラスシュトラとゾロアスター教』
最初の出会い/全ての始まりはザラスシュトラである/宗教的概念、モデルと語り/倫理、正常とジェンダー/僧制、儀礼と儀礼的下部構造/移行期と祭り/ユダヤ教、キリスト教、イスラームに及ぼしたゾロアスター教の影響など、
136ページ。


 上掲の Shaul Shaked, From Zoroastrian Iran to Islam, 1995 とあわせて、以下も参照;

アンリ・コルバン、神谷幹夫訳、「マズダー教およびイスマーイール派思想における巡回する時間」、『エラノス叢書 1 時の現象学 Ⅰ』、1990

Henri Corbin, Corps spirituel et terre céleste. De l'Iran Mazdéen à l'Iran shî'ite, 1979

 コルバンの他の著作(→こちらを参照:「イスラーム Ⅱ」の頁の「v. シーア派(12イマーム派)など」)でもゾロアスター教とシーア派の関連は繰り返し指摘されます。ただしそれがどこまで歴史的に立証できるかどうかは、別の話となるのでしょうが。

Seyyed Hossein Nasr, “Part Ⅰ-1 Mysticism and Traditional Philosophy in Persia, Pre-Islamic and Islamic”, & “Part Ⅰ-2 Cosmography in Pre-Islamic and Islamic Persia. The Question of the Continuity of Iranian Culture”The Islamic Intellectual Tradition in Persia, 1996, pp.3-9 & pp.10-27

Mohammad Ali Amir-Moezzi, “Part Ⅰ-2 Shahrbānī, Lady of the Land of Iran and Mother of the Imams: Between Pre-Islamic Iran and Imami Shi'ism”, The Spirituality of Shi'i Islam. Beliefs and Practices, 2011, pp.45-100

矢島洋一、「イスラーム思想におけるイラン的要素」、『知の継承と展開 イスラームの東と西 知のユーラシア 2』、2014、pp.45-69
天国の園/ハールートとマールート/スフラワルディーの思想/イランの東と西

Faranak Mirjalili, “Goddess of the Orient : Exploring the Relationship between the Persian Goddess Anahita and the Sufi Journey to Mount Qaf”, Religions, 2011, 12(9), 704 [ < MDPI Open Acess Journals

 〈カーフ山〉に関連して、→こちらにも挙げておきます:「イスラーム Ⅲ」の頁の「x. クジャタ、バハムート、ファラク、その他

v. Encyclopaedia Iranica

 なお、上掲 E.W. West の訳本や大ブンダヒシュンをはじめとして、著作権・版権等の問題のない、ということは古いものということになりますが、ゾロアスター教関係原典の英訳が数多く、

Avesta -- Zoroastrian Archives [ http://www.avesta.org/avesta.html ]

 に掲載されています。

 事典類としては、メソポタミアのページに記した『大英博物館版 図説古代オリエント事典』(2004)、『古代オリエント事典』(2004)、ともにイラン関係の項目を扱っています。

 他方、ウェブ上には

Encyclopædia Iranica [ http://www.iranica.com/ ]

 があり、項目は逐次増えていくようで、2013年5月14日現在、見落としは多々あろうかと思いますが、とりあえず気がついた範囲内で、宇宙論に関係のありそうな項目を挙げてみれば
 (イスラーム(「イスラーム」~「イスラーム Ⅲ」の各頁の随所に)、マーニー教(「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「viii. マーニー教など」)、マンダ教(同「」vii. マンダ教など」)、ミトラス教(「ギリシア・ヘレニズム・ローマ」の頁の「iv. ミトラス教など」)等の項目も掲載されていますが、ここでは原則として省き、それぞれのページに送ります。
 なお以下のカタカナ表記は多々間違いのある可能性が高いのでご注意ください);


項目  見出し等  筆者 
AHRIMAN
アフリマン、アーリマン、アフレマン;
アンラ・マンユ
"demon," God’s adversary in the Zoroastrian religion
〈悪霊〉、ゾロアスター教における神の敵
J. Duchesne-Guillemin
AHURA MAZDĀ
アフラ・マズダー;
オフルマズド
the Avestan name with title of a great divinity of the Old Iranian religion, who was subsequently proclaimed by Zoroaster as God
古代イランの宗教の偉大な神格の称号をもつアヴェスターでの名前、後にザラスシュトラによって神として宣せられる
M. Boyce
ALBORZ (ELBORZ, ELBORS), modern Persian name for the east-west massif in northern Iran, lying south of the Caspian districts
アルボルズ(エルブルズ、エルボルズ、エルボルス)(山脈)。北イランを東西に走る大山塊(マッシーフ)に対する近代ペルシャでの名。カスピ地方の南に横たわる
i. The name Alborz (Av. Harā bərəzaitī, Mid. Pers. Harborz)
i. アルボルズという名称(ハラー・ブルザイティー、ハラー山、ハルボルズ)
W. Eilers
ii. Alborz in myth and legend
ii. 神話と伝説におけるアルボルズ
M. Boyce
  *カーフ山について→

 守川知子監訳、ペルシア語百科全書研究会訳注、「ムハンマド・ブン・マフムード・トゥースィー著 『被造物の驚異と万物の珍奇』(2)」、『イスラーム世界研究』、vol.3 no.1、2009.7、pp.411-412、および 同、註(25)、(27)、

また

 同、「(4)」、vol.4 no.1・2、2011.3、p.517、p.526

も参照。
 また「イスラーム Ⅲ」の頁の「x. クジャタ、バハムート、ファラク、その他」中の少し下の→こちら。  
AMƎŠA SPƎNTA
アムシャ・スプンタ、アメシャースパンド、[ア]マフラスパンド
an Avestan term for beneficent divinity, meaning literally “Holy/Bounteous Immortal” (Pahl. Amešāspand, [A]mahraspand)
善なる神格を表わすアヴェスターの用語、字義通りには「聖なる/恵み深い不死者」を意味する

こちらでも少し触れています:「天使、悪魔など」の頁の「i. 天使など
M. Boyce
ANTHROPOMORPHISM in Iranian religions
イランの諸宗教における擬人神観
Ahura Mazdā in the Gāthās was conceived of, although invisible and immortal, as of human form, with eyes, hands, and tongue; but he was of gigantic size
ガーサーにおけるアフラ・マズダーは、不可視で不死とはいえ、人の形をもつものと考えられていた。目、手、舌があり、ただし巨大な寸法の存在だった
J. Duchesne-Guillemin
APOCALYPTIC
黙示録
i. In Zoroastrianism.
i. ゾロアスター教において
M. Boyce
ĀSMĀN
アースマーン(空、天)
(sky, heavens), in Zoroastrian cosmology the first part of the material (gētīg) world created by Ohrmazd
ゾロアスター教の宇宙論ではオフルマズドによって創造された物質(ゲーティーグ)世界の最初の部分
A. Tafażżolī
上掲 H.W. Bailey, Zoroastrian Problems in the Ninth-Century Books, 1943/1971, pp.120-148 : "IV. Asmān" も参照 
ASTROLOGY AND ASTRONOMY in IRAN
イランにおける占星術と天文学
i. History of astronomy in Iran.
i. イランにおける天文学の歴史
D. Pingree
ii. Astronomy and astrology in the Sasanian period.
ii. サーサーン朝における天文学と占星術
C. J. Brunner
ASTVAṰ.ƎRƎTA
アストヴァト・ウルタ;
サオシュヤント
the Avestan name of the Saošyant, the future Savior of Zoroastrianism
サオシュヤントのアヴェスターにおける名。ゾロアスター教における未来の救世主
M. Boyce
ĀZ
アーズ
Iranian demon known from Zoroastrian, Zurvanite, and, especially, Manichean sources
ゾロアスター教、ズルヴァーン主義、とりわけマーニー教の典拠から知られるイランの悪霊
J. P. Asmussen
AŽDAHĀ, dragon
アズダハー、(ドラゴン)
i. In Old and Middle Iranian.
i. 古代および中世のイランにおいて
P. O. Skjaervø
ii. In Persian literature.
ii. ペルシア文学において
Dj. Khaleghi-Motlagh
iii. In Iranian folktales
iii. イランの民話において
M. Omidsalar
iv. Armenian Aždahak
iv. アルメニアのアズダハク
J. R. Russell
COSMOGONY AND COSMOLOGY
宇宙開闢論と宇宙論
i. In Zoroastrianism/Mazdaism
i. ゾロアスター教/マズダー教において
Philip G. Kreyenbroek
iv. In the Mazdakite religion
iv. マズダクの宗教において
Werner Sundermann
DAIVA
ダイヴァ;
ダエーワ
Old Iranian noun (Av. daēuua-, OPers. daiva-) corresponding to the title devá- of the Indian gods and thus reflecting the Indo-European heritage (*deiu̯ó-).
インドの神々のデーヴァに対応する古代イランの名詞。それゆえインド=ヨーロッパ語族に由来する遺産を反映している
Clarisse Herrenschmidt and Jean Kelllens
DAMĀVAND mountain, town, and administrative district (šahrestān) in the central Alborz region
ダマーヴァンド。中央アルボルズ地方にある山、町、行政区
In Iranian mythology
イラン神話において
Ah??mad Tafaz??z??ol?
DĒW
デーウ
"demon" in the Pahlavi books
パフラヴィー文献における〈悪霊〉
A. V. Williams
DUALISM
二元論
feature peculiar to Iranian religion in ancient and medieval times
古代および中世におけるイランの宗教に固有の特徴
Gherardo Gnoli
DŪZAḴ
ドゥーザク
hell
地獄
Mansour Shaki
ELEMENTS
諸元素
i. In Zoroastrianism.
i. ゾロアスター教において
Mansour Shaki
ESCHATOLOGY
終末論
i. In Zoroastrianism and Zoroastrian Influence
i. ゾロアスター教およびその影響において
Shaul Shaked
EVIL 
i. IN ANCIENT IRANIAN RELIGIONS
i. 古代イランの諸宗教において
Gherardo Gnoli 
FRAŠŌ.KƎRƎTI
フラショー・クルティ
an eschatological term referring to the final renovation and transfiguration of Ahura Mazdā’s creation after evil has been utterly defeated and driven away
終末論の用語。悪が最終的に打ち負かされ追い払われた後における、アフラ・マズダーの創造の最後の更新と変容を指す
Almut Hintze
FRĀXKARD
フラーフカルド、ヴ(ウ)ォウルカシャ海
name of the cosmic ocean in Iranian mythology
イラン神話における宇宙的大洋の名
Ahmad Tafazzoli
GAṆDARƎBA
ガンダルバ
a monster living in the lake Vourukaša
ヴ(ウ)ォウルカシャ海に棲む怪物
Antonio Panaino
GARŌDMĀN
ガロードマーン
the Pahlavi name for heaven and paradise
天と楽園を指すパフラヴィー語の名
William W. Malandra
GĀW Ī ĒWDĀD
ガーウィーエーウダード
or ēwagdād; the name of the primordial Bovine in Zoroastrian mythology
ゾロアスター教神話における原初の牛の名
William W. Malandra
GAYŌMART
ガヨーマルト
or Gayūmarṯ, Kayūmarṯ; the sixth of the heptad in Mazdean myth of creation, the protoplast of man, and the first king in Iranian mythical history
マズダー教創造神話における七つ組の六番目。人間の原型。イランの神話的歴史における最初の王
Mansour Shaki
GAYŌMARD (ARTICLE 2)
ガヨーマルド(第2記事)
in the Zoroastrian tradition, a primordial giant, the first man from whom mankind descends
ゾロアスター教の伝承では、原初の巨人、人類の始祖にあたる最初の人
Carlo Cereti
GĒTĪG AND MĒNŌG
ゲーティーグとメーノーグ
a pair of Middle Persian terms that designate the two forms of existence according to the traditional Zoroastrian view of the world as expressed in the Pahlavi books
対をなす中世ペルシアの用語。パフラヴィー文献において見られるような伝統的ゾロアスター教の世界観によると、現実存在の二つの形態を指す
Shaul Shaked
* 上掲 Shaul Shaked, From Zoroastrian Iran to Islam, 1995, Part one "II. The notions mēnōg and gētīg in the Pahlavi texts and their relation to eschatology"も参照 
GNOSTICISM in Persia
ペルシアにおけるグノーシス主義
i. In the pre-Islamic Iranian world.
i. イスラーム以前のイラン世界において
Kurt Rudolph
HAFT (seven)
ハフト(七)
heptad and its cultural significance in Persian history
ペルシア史における七つ組とその文化的意義
A. Shapur Shahbazi
HAFT KEŠVAR (seven regions)
ハフト・ケシュヴァル(七つの地域、州)
geographical division of the world in Iranian tradition
イランの伝統における世界の地誌的区分
A. Shapur Shahbazi
HAMĒSTAGĀN
ハメースタガーン
intermediate stage between paradise and hell
楽園と地獄の中間段階
Philippe Gignoux
HĀMUN, DARYĀČA-YE , lit. “lake of the plain, lowland”
ハームン湖、ダリャーカ・イェ、「平原、低地の湖」
ii. IN LITERATURE AND MYTHOLOGY
ii. 文学と神話において
Gherardo Gnoli
HELL
地獄
i. IN ZOROASTRIANISM
i. ゾロアスター教において
Philippe Gignoux
HELMAND RIVER the border river of Afghanistan and Persia
ヘルマンド川、アフガニスタンとペルシアの境界の川
ii. IN ZOROASTRIAN TRADITION
ii. ゾロアスター教の伝承において
Gherardo Gnoli
HYSTASPES, ORACLES OF
ヒュスタスペスの託宣
(Gk. Khrēseis Hystaspou), a collection of prophecies ascribed to Vištāspa, the patron and follower of Zarathustra
ザラスシュトラの庇護者・信奉者ヴ(ウ)ィシュタースパに帰せられた預言集
Werner Sundermann
IRAN
イラン
iv. MYTHS AND LEGENDS
iv. 神話と伝説において
John R. Hinnells
KANGDEZ
カングデズ
lit. “Fortress of Kang,” a mythical paradise-like fortress in Iranian folklore
「カングの砦」。イランの民間伝承における神話的な楽園状の砦
Pavel Lurje
MAGIC
魔術、呪術
i. MAGICAL ELEMENTS IN THE AVESTA AND NĒRANG LITERATURE
i. アヴェスタ-とネーラング文献における呪術的諸要素
Antonio Panaino
MICROCOSM and MACROCOSM
小宇宙と大宇宙
in pre-Islamic Iranian thought
イスラーム以前のイラン思想において
Philippe Gignoux
NYBERG, Henrik Samuel
ニーベリ、エンリコ・サムエリ(1889-1974)
1889-1974, Swedish scholar of extremely broad interests, competent in a number of different fields, in both Semitic and Iranian studies
スウェーデンの研究者、きわめて幅広い関心を持ち、セム語族、イラン双方の研究において数多の領域で成果を残した
Carlo G. Cereti
SIMORḠ
シモルグ、スィームルグ
a fabulous, mythical bird
伝説上、神話的な鳥
Hanns-Peter Schmidt
VĀYU
ヴァ(ワ)ーユ
“Wind, Atmosphere, Space,” name of a deity
〈風、大気、空間〉。ある神格の名
William W. Malandra
ZODIAC
黄道帯、獣帯、十二宮
a circle, oblique with respect to the equator, represented on the celestial sphere and divided into twelve equal parts, conventionally of 30° each
天球上で赤道に対し斜め方向に表わされる円環。十二に等分され、伝統的に各30度をなす
Antonio Panaino
ZURVAN
ズ(ゼ)ルヴァ(ワ)ーン
ancient Zoroastrian deity of Time.  Although the etymology of the Avestan word causes difficulty, there is consensus over its basic meaning,  “period (of time).”
古代ゾロアスター教における時間の神格。アヴェスタ-での単語の語源については難点を抱えるが、基本的な意味については同意されている:〈(時間の)周期〉
Albert de Jong
ZURVANISM
ズルヴァーン主義
a hypothetical religious movement in the history of Zoroastrianism. The myth of Zurvan is fairly well known from Armenian, Syriac, Greek, and Arabic sources, but it is not to be found in any Zoroastrian source.
ゾロアスター教史における仮説上の宗教運動。ズルヴァーンの神話はアルメニア、シリア、ギリシア、アラビア語各文献からかなりよく知られているが、いかなるゾロアスター教文献にも見あたらない
Albert de Jong

vi. ヘレニズムへの波及など

ヘロドトス、松平千秋訳、『歴史』(上中下)(岩波文庫 青 405-1~3)、岩波書店、1971-1972

 細目は→こちら:「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「xii. その他
 とりわけ巻一にペルシアの風習など。


プルタルコス、柳沼重剛訳、『エジプト神イシスとオシリスの伝説について』(岩波文庫 青664-5)、岩波書店、1996

 には「マゴス僧のゾロアストレス」の教説について記した箇所があります(pp.88-90)。

大貫隆訳、『キリスト教教父著作集 第19巻 ヒッポリュトス 全異端反駁』、2018、p.70:第1巻2-12~14

 ピュータゴラースについての項の中で「カルデア人のザラタス」こと「ツァラツストラ(ゾロアスター)」(p.430註9)のものとされる宇宙論が記されています。p.243(第6巻23-2)も参照。

Joseph Bidez et Franz Cumont, Les Mages Hellénisés. Zoroastre, Ostanès et Hystape d'après la tradition grecque, vols.Ⅰ&Ⅱ, Arno Press, New York, 1938/1975
『ギリシア化したマゴスたち ギリシアの伝承によるゾロアストレス、オスタネス、ヒュスタスペス』
第1巻 序論//第1部 ゾロアストレス;ゾロアストレスの生涯/ゾロアストレスの教説/ゾロアストレスの著述//
  第2部 オスタネス;神学、天使学、悪魔学/交霊/草と石の効用/錬金術/附録//
  第3部 ヒュスタスペス(ヴィシュタースパ);黙示録/智恵の書/占星術的著述//附録など、310ページ。
第2巻 テクスト 第1部 ゾロアストレス;伝記的証言/教説/著述//
  第2部 オスタネス;伝記的証言/宗教的・魔術的断片/錬金術//
  第3部 ヒュスタスペス;伝記的証言/黙示録の断片/智恵の書/占星術的著述など、
412ページ。

 第2巻のテクストは原文のみで、残念ながら訳されていません。


 なお、次の範疇についてはそれぞれ
ミトラス教(「ギリシア・ヘレニズム・ローマ」の頁の「iv. ミトラス教」)
 マーニー教(「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「viii. マーニー教など」)
 フェヒナー(「ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)」の頁の「フェヒナー」の項)
 ニーチェ(同「ニーチェ」の項)
 シュレーバー(「近代など(20世紀~) Ⅲ」の頁の「xi. ドイツから:シュタイナーの人智学など」)

おまけ

 ゾロアスター教に材を得たフィクションとしては;

フィリップ・Kディック、仁賀克雄訳、『宇宙の操り人形』(ちくま文庫 て-4-2)、筑摩書房、1992

 所収の表題作(pp.7-231)。
原著は
Philip K. Dick, The Cosmic Puppets, 1956

 同じ著者による→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅴ」の頁の「フィリップ・K・ディック」の項

トマス・バーネット・スワン、風見潤訳、「ヴァシチ」、『薔薇の荘園』(ハヤカワ文庫 SF267)、早川書房、1977、pp.99-165
原著は Thomas Burnett Swann, ‘Vashti’, 1965, in The Manor of Roses and Other Stories, 1966

大和右尚、『聖者流離譚 光輪の章』(ソノラマ文庫 や 5-1 558)、朝日ソノラマ、1991

 ゾロアスターを主人公にした物語。続きが出たかどうかは不詳。


山田正紀、 『エイダ』、1994

牧野修、『アシャワンの乙女たち』(ソノラマ文庫 ま 3-3)、朝日ソノラマ、2004

諏訪緑、『西の国の物語 ~ペルシア神話より~』(flowers フラワーコミックスa FCa3315)、小学館、2010

 同、  『砂漠の花の物語 ~ペルシア神話より 2~』(flowers フラワーコミックスa FCa4264)、小学館、2012

 『王書』のザールの物語、ヘブライの『ヨナ書』および外典『トビト書』と続いてから、両系列が交差し、ルシフェル/アハリマンにからむという話。
 「ユダヤ Ⅲ」のページにも挙げておきましょう(→こちら:「おまけ」)。また→そちら(「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「xxiii. 日本の漫画、アニメーションその他」)や、あちら(「天使、悪魔など」の頁の「おまけ」)にも挙げておきます


諸星大二郎、『西遊妖猿伝 西域篇』(第2巻)(KCDX 1901 MORNING)、講談社、2010
~同『3』(2011)、『4』(2012)

 に収められた「粟特城(ぞくとくじょう)の章」(第9回~第18回)、「毒敵山(どくてきさん)の章」(第19回~第23回)は、ソグド人と祆教(けんきょう)ことゾロアスター教に関わる舞台で展開します。なおこの舞台は同『6』(2015)まで地続きです。

 ちなみに、音楽方面では、

Museo Rosenbach, Zarathustra, 1973 (邦題:ムゼオ・ローゼンバッハ、『ツァラトゥストラ組曲』)

 というのがありましたが、テーマになっているのはニーチェの方でした。なので→「ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)」の頁の「ニーチェ」の項に挙げておきます。

 また、

Holger Czukay, Movies, 1979(邦題:ホルガー・シューカイ、『ムーヴィーズ』)(1)

 所収の
‘Persian Love’はラジオで流れたイランの歌曲をエアチェック、編集したというものですが(2)、ゾロアスター教とは関係ありそうにはないのでした。
1. 後藤美孝、(日本版CD、ライナー・ノーツ)、註6。
 また、
The Bible. rock magazine 04、ロックマガジン社、1981、p.182。
 『ジャーマン・ロック集成 ユーロ・ロック集成2』、マーキームーン社、1994、p.53。
 大鷹俊一監修、『ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・プログレッシヴ・ロック』、音楽之友社、1999、p.38、またpp.150-151。
 大鷹俊一監修、『レコード・コレクターズ増刊 プログレッシヴ・ロック』、2010、p.62。
 立川芳雄、『プログレッシヴ・ロックの名盤100』、リットーミュージック、2010、p.127。
 『別冊カドカワ vol.1 総力特集 プログレッシヴ・ロック』、2012、p.175。
 小柳カヲル、『クラウトロック大全』(ele-king books)、Pヴァイン、2014、p.27。
 松山晋也監修・編集、『カン大全 - 永遠の未来派』(別冊ele-king)、Pヴァイン、2020、p.153。
 メンバーだったカンのアルバム→こちらを参照(「近代など(20世紀~)」の頁の「おまけ」)

Dead Can Dance, Toward the Within, 1994

7枚目の2曲目がPersian Love Song、2分56秒。ゾロアスター教とはやはり関係はないのでしょうが、トラッドを編曲したものとのことです・
 他のアルバムから、など→こちらに挙げました;『インフェルノ』(1980)の頁の「おまけの2
 
 関係なさそうついでに、

Miles Davis, Dark Magus, 1974(邦題:マイルス・デイビス、『ダーク・メイガス』)(2)
2. 中山康樹、『マイルスを聴け! Version 8』、双葉社、2008、pp.514-515。
 後藤雅洋、『一生モノのジャズ名盤500』(小学館新書 101)、小学館、2010、p.200。

 さらについでに;

Third Ear Band, The Magus, 1974/2004(邦題:サード・イアー・バンド、『ザ・メイガス』)(3)

 制作時お蔵入りになった4枚目。4曲目がタイトル・チューン。
 →こちら(「バロックなど(17世紀)」の頁の「おまけ」)や、あちら(『マクベス』(1971)の頁)も参照
3. 『ユーロ・ロック・プレス』、vol.22、2004.8、pp.96-97。
 ストレンジ・デイズ』、no.62、2004.11、p.177。
2013/05/14 以後、随時修正・追補 
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