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エジプト
* 古代エジプト語の日本語表記は、勉強不足のため残念ながらわかりません。
そこで、
大英博物館 古代エジプト百科事典』(1997)
で見つけることができたものは、そちらに従いました。
 他方、言及している資料が他の方法で表記している場合、引用は出典に従い、統一することはしません。
 ともあれ例によって、多々誤りもあろうかと思いますが、ご寛恕ください。

 さて、古代エジプトの文化については少なからぬ本が出ていますが、宇宙論ということで目に入ったのは;

J.M.プラムリー、「古代エジプトの宇宙論」、『古代の宇宙論』、1976、pp.1-30および口絵1-14とその説明(pp.xii-xiii)。
宇宙の構造/〈原初の水(ヌン)〉/「三つの最も重要で、最もよくあとづけられる宇宙論」(p.12);ヘルモポリス(八柱神、原初の卵と鳥、蓮の花)、ヘリオポリス(アトゥム、〈原初の丘〉、九柱神)、メンフィス(プタハの心臓と舌による創造)/創造の目的;マアト、ヒケ/彼岸など。


 i 神話、信仰等 
 ii 原典からの邦訳 
 iii 来世/他界観など 
 iv 科学史・天文学史的なものなど 
 v 事典類など 
 vi 神話、信仰等 - 洋文献 
 vii 来世/他界観など - 洋文献 
 viii ウェブ上より 
 ixi 八柱神(オグドアス)〉について - ウェブ上より 
  おまけ 

 神話・信仰等について、手もとにあるものから;

比屋根安定、『埃及宗教文化史』、春秋社、1930
人文地誌/国勢および文化の歴史的変遷/宗教諸相の歴史的変遷/神統論と神観念との発達/祭司 祭儀 呪術/神話及び伝説/経典及び宗教文学/霊魂観及び来世信仰/塑像 神殿 陵墓/異邦及び基督教時代に於ける埃及宗教など、
302ページ。

 著者は専門のエジプト学者ではなく、
「僅に私蔵する諸書の著者
Budge, Petrie, Brested, Moret, Erman, Sayce, Meyer, Wiedemann, Steindorf, Maspero, Mackenzie, Spiegelberg, Read, Periot, Clipiez の先達に随うて、Nile 河を瀬踏みしたに過ぎない」(自序 p.1)
 とのこと。
 なお著者については;

寺崎暹、『比屋根安定 草分け時代の宗教史家(シリーズ民間日本学者 41)』、リブロポート、1995。


エチエンヌ・ドリオトン、「エジプトの宗教」、E.ドリオトン、G.ゴントノー、J.デュシェーヌ・ギュイユマン、稲垣良典訳、『古代オリエントの宗教(カトリック全書 141)』、ドン・ボスコ社、1959、pp.5-87
原著は E. Drioton, G. Contenau, J. Duchesne-Guillemin, Les religions de l'orient ancien, 1957.
信仰/宗教思想/エジプト宗教の歴史的発展/宗教的慣習/死者の礼拝など。


 他に
古代西方アジアの諸宗教」、「イラン宗教」所収。


フランソワ・ドマ、大島清次訳訳、『エジプトの神々』(文庫クセジュ 401)、白水社、1966
原著は François Daumas, Les dieux de l'Égypte, 1965
われわれの認識をかたちづくる資料源/いかにしてエジプト汎神殿に近づくか。古代神学の諸方法/上部エジプトの地方神/デルタ地帯の地方神/神学の構成/多神教と一神教など、
146ページ。


S.H. フック、吉田泰訳、『オリエント神話と聖書』、山本書店、1967
原著は S.H. Hooke, Middle Eastern Mythology, 1963

 2章が
エジプトの神話;オシリス神話/太陽神レーの神話/ナイル川の神話など

 他に;
序章/メソポタミアの神話ウガリットの神話/ヒッタイトの神話ヘブライの神話/ユダヤ教黙示文学の神話的要素/新約聖書における神話的要素/キリスト教の神話と儀礼など、
282ページ。


ジョン・A・ウィルソン、「エジプト」、H.フランクフォート、H.A.フランクフォート、J.A.ウィルソン、トーキルド・ヤコブセン、山室静・田中明訳、『古代オリエントの神話と思想 哲学以前』、社会思想社、1971、pp.37-145
原著は Henri Frankfort, Henrichte Antonia Groenewegen Frankfort, John Albert Wilson, Thorkild Jacobsen, Before Philosophy; The Intellectual Adventure of Ancient Man, 1946
宇宙の本性;地理的考察/宇宙論/宇宙開闢説の性質//
国家の機能//人生の価値など。

 他に
メソポタミアのパートと、序論「神話と現実」、結論「神話からの思想の解放」など、
338ページ。


山崎亨、「古代エジプトにおける創造神話について - メンフィスとヘリオポリスにおける -」、『基督教研究』、vol.38 no.1-2、1974.2.18、pp.1-20 [ <同志社大学学術リポジトリ

E.A.ウォーリス・バッジ、石上玄一郎・加藤富貴子訳、『古代エジプトの魔術 生と死の秘儀』(mind books)、平河出版社、1982、
原著は E.A. Wallis Budge, Egyptian Magic, 1899
エジプトの魔術の起源/魔術の護符/魔法の像/魔法の絵と呪文/魔力ある名前/魔法の儀式/悪魔憑き・夢・星占い・変身など、
256ページ。

 なお、以後もくりかえし登場する著者については、

酒井傳六、『ウォーリス・バッジ伝 古代発掘の物語』、リブロポート、1987、
424ページ。


ロザリー・デイヴィッド、近藤二郎訳、『古代エジプト人 その神々と生活』、筑摩書房、1986
原著は A. Rosalie David, The Ancient Egyptians: Religious Beliefs and Practices, 1982
先王朝および初期王国時代の社会/古王国時代/第一中間期と中王国時代/新王国時代/他の宗教への影響など、
316ページ。

 開闢論については pp.58-63.、
 ピラミッド・テキストについて pp.86-91、
 中王国期の他界観とオシリス神について pp.129-139、
 テーベの創造神話 pp.152 など。


J.チェルニー、吉成薫・吉成美登里訳、『エジプトの神々』(ロッコウブックス)、六興出版、1988
原著は Jaroslav Černý, Ancient Egyptian Religion, 1952
神々の誕生/神々のすがた/古代エジプト人と神々/神々のまつり/エジプト人と異国の神々など、
238ページ。

 開闢論については pp.53-59、
 宇宙の構造については pp.65-70、
 他界観については pp.110-135など。


ヴェロニカ・イオンズ、酒井傳六訳、『エジプト神話』、青土社、1988
原著は Veronica Ions, Egyptian Mythology, 1968
信仰と神々//
世界の創造;ヘリオポリス/メンフィス/ヘルモポリス/テーベ/その他//
神々;「最初の時」の神々など//死後の生活-オシリス崇拝の普及など、
312ページ。

 同じ著者による→こちらを参照:「インド」の頁の「ii. インドの神話とその周辺

三笠宮崇仁、『古代エジプトの神々 - その誕生と発展 -』、日本放送出版協会、1988
ナイルの恵み「ハピ」/来世の王「オシリス」/現世の王「ホルス」/太陽の都「ヘリオポリス」の神々/「ラア」とピラミッド/「アメン=ラア」の出現/セム語族の神々と印欧語族の神々/「アテン」一瞬の輝き/神助と神罰/神とあがめられた鳥・獣など、
236ページ。


笈川博一、『古代エジプト 失われた世界の解読』(講談社学術文庫 2225)、講談社、2014
原著は中公新書、中央公論社、1990
古代エジプトの国土と人々/古代エジプトの歴史/宗教と神話/死と来世/言葉と文字/文学作品/王の王、ラアメス二世など、
256ページ。


リュシ・ラミ、田中義廣訳、『エジプトの神秘 - 甦る古代の叡智 イメージの博物誌 22』、平凡社、1992
原著は
Lucie Lamy, Egyptian Mysteries: New Light on Ancient Knowledge, 1981
ナイル//
創造;四つの教化センター/ヘリオポリス/メンフィス/ヘルモポリス/テーベ/神話と魔術/
生成;エジプト人の心性/永遠と永続//
復帰;イニシエーション/存在の微細な元素/葬儀//
王墓:二つの道/[ドゥワトにあるものの書]//
図版//
訳者解題;隠れた叡智を求めて、など、
104ページ。

 『イメージの博物誌』シリーズについて→こちらを参照:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「i. 図像など

西本真一、「古代エジプトの方位観」、『建築雑誌』、vol.108 no.1347、1993.9、pp.40-41 [ < CiNii Articles (有料)

ジョージ・ハート、阿野令子訳、『エジプトの神話』(丸善ブックス 012)、丸善、1994
原著は
Georges Hart, Egyptian Myths, 1990
天地創造伝説;ヘリオポリス/メンフィス/ヘルモポリス/アメン/クヌムとテーベの神統記//
王権神話/「偉大な魔術者」イーシス/大洪水神話//
太陽神による下界の旅;下界の書/洞穴の書/諸門の書//
歴史から伝説へ/空想上の物語など、
162ページ。


ヤン・アスマン、吹田浩訳、『エジプト 初期高度文明の神学と信仰心』、関西大学出版部、1997
原著は Jan Assmann, Ägypten: Theologie und Frömmigkeit einer frühen Hochkultur, 1984/1991
神の身近さの諸次元 エジプトの多神教の暗黙の神学;地域の、あるいは崇拝の次元/宇宙/言語、あるいは神話の次元/神話/3つの次元の意味についての包括的評価//
明示された神学 神学的なディスクール(談話)の展開;ディスクールの単一的性格/中王国における弁神論と神学/新しい神々など、
338ページ。

 本書の書評;
吉成薫、『オリエント』、vol.41 no.2、1998、pp.253-261 [ < J-STAGE
 また、
吹田浩、「古代エジプト思想とヘブライとヘレニズムの思想における『一者性のテーマ化』 - ヤン・アスマンの所説をめぐって -」、『オリエント』、vol.41 no.2、1998、pp.166-180 [< 同上 ]


「エジプトの神話・宗教」、『世界神話大事典』、2001、pp.108-161
ファラオ時代の宇宙創成説(フィリップ・デルシャン)/ファラオ時代の神の擬人化(同)/神々と神性(同)/祭儀(同)/死(同)/メロエの宗教(ジャン・ルクラン)/イシス ギリシア・コプト語文書の魔神(ミシェル・タルディユ)/イシス信仰 ギリシアとローマ帝国の場合(ジャン・ルクラン)/神々の運命 中世から18世紀まで(エリック・イヴェルセン)など

クリスチアヌ・デローシュ=ノブルクール、小宮正弘訳、『エジプト神話の図像学』、河出書房新社、2001
原著は
Christiane Desroches Noblecourt, Amours et fureurs de La Lointaine: Clés pour la compréhension de symboles égyptiens, 1995
神の渡し守たち/〈遠方〉の女神/時にはある種の紋切型の考えをくつがえすことができなければならない/〈王の称号〉……補足として/普遍的シンボルと母神/ファラオとナイルの源/大河とそのシンボルをめぐって/墓の装飾と神の四季/エジプトの獣帯など、
252ページ。


 「シストルム」というタイトルの、日本のバンド PARA の曲に関連して触れました →下の「おまけ

近藤二郎、「古代エジプト古王国時代の太陽神信仰と有翼日輪の成立」、松村一男・渡辺和子編、『太陽神の研究 宗教史学論叢8』(下巻)、リトン、2003、pp.7-24
太陽神ラーの名/スネフェル王と太陽信仰/アル=ギーザ台地の3大ピラミッド/第5王朝の出現/太陽神殿の構造と規模/有翼日輪の意味/有翼日輪の誕生など

村治笙子、仁田三夫=写真、『カラー版 古代エジプト人の世界 - 壁画とヒエログリフを読む -』(岩波新書 922)、岩波書店、2004
古代エジプトを歩く/エジプト人にとっての「世界」/人々を描く/すべてが文字になる/あの世とこの世/壁画をめぐる//
古代エジプト人の墓壁画(屋形禎亮)など、
204ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:本頁下掲の『図説 エジプトの「死者の書」』(2002)


池上正太、『エジプトの神々 (Truth in Fantasy 64)』、新紀元社、2004
古代エジプト文明/太陽と王権の神々/ヘリオポリスの神々/諸神と人間たちなど、
260ページ。


深谷雅嗣、「古代エジプトのアメン神に関する一考察 - アメンは大気の神か? -」、『宗教研究』、no.79(4)、2006.3.30、pp.340(1232)-341(1233) [ < CiNii Articles

杉亜希子、「古代エジプト新王国時代における『生命の水』の図像表現とその機能」、『オリエント』、vol.50-2、2007、pp.55-89 [ < J-STAGE ]
DOI : https://doi.org/10.5356/jorient.50.2_55

内田杉彦、「古代エジプトの神話と呪術」、『明倫短期大学紀要』、no.20(1)、2017、pp.27-35 [ < 明倫短期大学 学術情報リポジトリ

 同じ著者による→こちらを参照:本頁下掲の「古代エジプトの『死後の世界』」(2002)

 原典からの翻訳として;

杉勇・三笠宮崇仁編、『古代オリエント集 筑摩世界文學体系 1』、筑摩書房、1978

「メンフィスの神学」(杉勇訳、pp.480-482)、
「ピラミッド・テキスト」の一部(屋形禎亮訳、pp.579-594)、
「アメン・ラー賛歌」(屋形禎亮訳、pp.595-603/pp.604-609)
などが収められています。

 他に;
シヌヘの物語/ウェストカー・パピルスの物語/難破した水夫の物語/生活に疲れた者の魂との対話/雄弁な農夫の物語/
イプエルの訓戒/ネフェルティの予言/
ホルスとセトの争い/二人兄弟の物語/ウェンアメン旅行記/
宰相プタハヘテプの教訓/メリカラー一世の教訓/アメンエムハト一世の教訓/ドゥアケティの教訓/アニの教訓/アメンエムオペトの教訓/オンク・シェションクイの教訓/
ラー・ホルクアティ讃歌/アテン讃歌/ナイル讃歌/オシリス讃歌/単一神への讃歌/
センウセルト三世讃歌/トトメス三世讃歌/
セド祭の碑文/ミンの大祭の碑文/
「後期エジプト選文集」より

 以上エジプトの部分は
杉勇・屋形禎亮、『エジプト神話集成』(ちくま学芸文庫)、筑摩書房、2016
 として文庫化された模様(未見)

 本書には他に
シュメール、アッカド
ウガリット、ヒッタイト、アラム

ペルシアのパートなど、
690ページ。


塚本明廣、「ピラミッド・テキスト:翻訳と注解(1)」、『研究論文集/佐賀大学文化教育学部』、vol.5 no.2、2001.3、pp.91-110 [ < 佐賀大学機関リポジトリ
 第1章~第32章(章節番号については p.93 参照)

 同、   「ピラミッド・テキスト:翻訳と注解(2)」、『研究論文集/佐賀大学文化教育学部』、vol.6 no.2、2002.3、pp.89-110 [ < 同上 ]
 第33章~第71D章

 同、   「ピラミッド・テキスト:翻訳と注解(3)」、『研究論文集/佐賀大学文化教育学部』、vol.7 no.2、2003.2、pp.59-78 [ < 同上 ]
 第72章~第171章

 同、   「ピラミッド・テキスト:翻訳と注解(4)」、『研究論文集/佐賀大学文化教育学部』、vol.8 no.2、2004.3、pp.25-57 [ < 同上 ]
 第172章~第222章

 同、   「ピラミッド・テキスト:翻訳と注解(5)」、『研究論文集/佐賀大学文化教育学部』、vol.9 no.2、2005.2、pp.75-110 [ < 同上 ]
 第223章~第255章

 同、   「ピラミッド・テキスト:翻訳と注解(6)」、『研究論文集/佐賀大学文化教育学部』、vol.11 no.2、2007.1、pp.79-110 [ < 同上 ] 
 第256章~第271章

 同、   「ピラミッド・テキスト:翻訳と注解(7)」、『研究論文集/佐賀大学文化教育学部』、vol.12 no.2、2008.1、pp.115-143 [ < 同上 ]
第275章~第321章

 古代のエジプト語研究に主眼が置かれたもので、当初は全訳が予定されていたようですが(「(1)」、p.92)、
「ピラミッド・テキストは、このあと延々と第759章2291節まで続くのであるが、これまでのペースから推して、全文の訳注を終えるにはさらに数倍の紙幅と期間とを要すると思われる。そこで、ウナス王ピラミッドの本文が完結するこの機会を機に、…(中略)…この一連の翻訳と注釈の作業をひとまず終了することとしたい」
とのこと(「(7)」、p.138)。


田中達譯、『埃及死者之書(上) 世界聖典全集 10』、改造社、1930

 同、    『埃及死者之書(下) 世界聖典全集 11』、改造社、1930
 上巻は;
序歌7編/日中出現の諸章、第1章~133章など、
412ページ。
 下巻は;
日中出現の諸章、第134~190章/附加篇;ネシ-コンスの死者之書(pp.233-243)、呼吸之書(pp.244-252)、羅馬期の死者之書(pp.253-254)/解題(pp.255-331)など、
342ページ。


 凡例に曰く、A.H.Wallis Budge, The Book of the Dead, 1901版の翻訳(上、p.1)。
 初版は1920。


 [国立国会デジタルコレクション]に収録されていました→こちら(『世界聖典全集.  前輯 第10巻』)、およびそちら(『世界聖典全集.  前輯 第11巻』)

 →下の「おまけ」で川端康成「死者の書」(1928)での引用について触れています

 来世/他界観を主軸にしたものとして;

酒井傳六、「ピラミッドとスフィンクス 永生・不死への願い」、『不死の信仰 古代文明の謎と発見8』、1978、pp.31-90、264-266
よみがえるピラミッド/太陽とナイル/ピラミッド・テキスト/代表的ピラミッドなど

石上玄一郎、『エジプトの死者の書 宗教思想の根源を探る』、人文書院、1980
序章/『死者の書』の歴史/『死者の書』の原本/古代エジプトの神々/呪術的思想/『死者の書』の概略/二つの讃歌/古代エジプトの葬制/オシリスの法廷/エジプト人の来世観/結語など、
272ページ。

 → 同じ著者によるこちらも参照:「通史、事典など」の頁の「ix. 他界観・来世観など」。

 なお著者には、

『ヌンの海から来た人々』、平河出版社、1988

 もあり、主としてエジプトとインドの文化の関係を扱っています;
太陽崇拝の風土/蛇類に対する崇拝と敵視/家牛の崇拝について/蓮華の神聖視/その霊魂観などの章を含む、
288ページ。

矢島文夫=文、遠藤紀勝=写真、『カラー版 死者の書 古代エジプトの遺産パピルス』、社会思想社、1986
古代エジプトへの招待/ヒエログリフとパピルス文書/アニのパピルス『死者の書』;古代エジプトの神々、『死者の書』その起源と概説/パピルスの復元/付・古代エジプトのシンボルなど、
184ページ。

 「カイロのパピルス研究所で復元した〈アニのパピルス〉(遠藤撮影」の紹介を中心としている」(p.180)。

エーリク・ホルヌング、屋形禎亮訳、「魚と鳥 - 古代エジプトの人間像」、『エラノス叢書 3 人間のイメージⅠ』、平凡社、1992、pp.147-207+pp.230-236:解題Ⅲ(屋形禎亮)
原著は Erik Hornung, “Fisch und Vogel : Zur ägyptischen Sicht des Menschen”, Eranos Jahrbuch 52-1983

矢島文夫、「現代を照らすエジプト - 死者への書・死者からの書」、『ユリイカ』、臨時増刊号vol.26-13、1994.12、「総特集 死者の書」、pp.172-182

ヨアン・ペテル・クリアーノ、桂芳樹訳、「古代エジプトの異界旅行」、同上、pp.224-231
原著は Ioan Peter Couliano, Out of this World - Other Worldly Journeys from Gilgamesh to Albert Einstein, 1991, chapter 4

長谷川蹇、「エジプトの『死者の書』とは何か」、同上、pp.232-237

多田智満子、「死後という謎 - エジプトの死者の書から」、同上、pp.238-245

 同じ著者による→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「多田智満子

吉村作治、『ファラオと死者の書 古代エジプト人の死生観』(小学館ライブラリー 60)、小学館、1994
エジプト魔術の歴史/神話のなかの魔術/母なる神・イシスの正体/再生の呪術/魔力の宿る護符/パピルスに記された不思議占星術・錬金術・悪魔など、
254ページ。

村治笙子・片岸直美=文、仁田三夫=写真、『図説 エジプトの「死者の書」(ふくろうの本)』、河出書房新社、2002
「呪文」で探る古代エジプト人の彼岸/西方へ旅立つものとの別れ/来世で守られる死者/太陽信仰の世界/自由なバー/オシリス神の死者の裁判/来世での至福の生活など、
128ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:本頁上掲の『カラー版 古代エジプト人の世界』(2004)

内田杉彦、「古代エジプトの『死後の世界』」、『明倫歯誌』、no.5(1)、2002、pp.59-63 [ < CiNii Articles

 同じ著者による→こちらを参照:本頁上掲の「古代エジプトの神話と呪術」(2017)

深谷雅嗣、「死者との交歓 - 生命力の分配を通じた古代エジプトの葬祭儀礼 -」、細田あや子・渡辺和子編、『異界の交錯 宗教史学論叢10』上巻、リトン、2006、pp.43-68
「あの世」の世界と都市景観/歴代の葬祭儀礼と谷の祭/谷の祭-国家儀礼と民衆儀礼/花束と宴会/王の葬祭施設と私人墓など

近藤二郎、「古代エジプトの霊魂観」、『アジア遊学 128 古代世界の霊魂観』、勉誠出版、2009.12、pp.13-22
古代エジプトにおける人間存在に欠かせない要素/再生の確実性:太陽信仰とオシリス信仰/古代エジプトの死生観/心臓の計量/古代エジプトの天国、「イアルの野」など

岡田明憲、「死者の書」、藤巻一保・岡田明憲、『東洋秘教書大全』、学研パブリッシング、2012、pp.354-357

和田浩一郎、『古代エジプトの埋葬習慣』(ポプラ新書 031)、ポプラ社、2014
自然環境と死生観の形成/来世の世界/葬儀/墓を造る/死者とともに-副葬品の意味/来世の値段/庶民と死など、
324ページ。


大城道則、『古代エジプト 死者からの声 ナイルに培われたその死生観』(河出ブックス 082)、河出書房新社、2015
プロローグ - 死者からの声;古代エジプトの「死者への手紙」/ナイル河の向こう側/舟とともにあの世へと旅立つ//
冥界への扉としてのナイル河;自然地形から見た境界線 - 河・山・坂・洞窟・辻/人工的な境界線 - 橋・神殿・門/死者と生者の境界線と不滅の魂//
ミイラにみる宗教観・信仰心の芽生え;古代エジプト人の信仰心の発展/ミイラの作り方とカノポス壺/王の墓としてのピラミッド//
神話と宗教文書にみる古代エジプトの神々の世界;創世神話と多神教世界/宗教文書と文学作品の中の死/死者の王オシリス神とオシリス神話//
化粧と装身具からみた来世観;化粧と女性とタトゥー/王笏と指環と鏡が持つ意味/アミュレットの役割//
ツタンカーメン王墓は何を語るのか;「永遠の家」に描かれた開口の儀礼/ツタンカーメン王墓出土の副葬品/ツタンカーメンのサンダル//
エピローグ-死に逝く者への祈りなど、
260ページ。

 科学史・天文学史的な視点からは;

O.ノイゲバウアー、『古代人の精密科学』、1984、pp.65-88:「第4章 エジプトの数学と天文学」

アンドレ・ピショ、山本啓二訳、『科学の誕生(上) 古代オリエント』、せりか書房、1995
原著は André Pichot, La Naissance de la scince, vol.1. Mésopotamie, Égypte, 1991

 2章「エジプト」に「宇宙論、天文学、暦法」(pp.216-231)の節があります。

 他の目次は;
メソポタミア細目はこちら:「メソポタミア」の頁の「科学史・天文学的な視点のもの
エジプト;歴史/技術/文字/記数法/度量衡/計算/数学(算術、幾何学、エジプト数学の評価)/医学/結論など、
264ページ。

 下巻は『科学の誕生(下) ソクラテス以前のギリシア


ロナルド・A. ウェルズ、「エジプトの天文学」、『望遠鏡以前の天文学 -古代からケプラーまで』、2008、pp.11-26
前王朝および初期王朝時代/古王国時代/中王国時代/新王国時代/プトレマイオス王朝時代/エジプトの遺産など

近藤二郎、『わかってきた星座神話の起源 エジプト・ナイルの星座』、誠文堂新光社、2010
古代エジプトの暦と時/古代エジプト人の宇宙観/古代エジプトの星座-北天の星座/南天の星座/デンデラ神殿の天体図/ヘレニズム時代の科学と天文学など、
192ページ。

 → 同じ著者によるこちらも参照:「メソポタミア」の頁の「科学史・天文学史的な視点のもの
 

 事典類として;

マンフレート・ルルカー、山下圭一郎訳、『エジプト神話シンボル辞典』、大修館書店、1996
原著は Manfred Lurker, Lexikon der Götter und Symbole der alten Ägypter, 1974 / 1987

 「エジプト・シンボリズムの世界 序論」、「エジプトの文化史と宗教史」に続いて
 本編。ABC順、
 176ページ。


 →こちらで少し引用しました:「四角錐と四つの球」の頁

イアン・ショー&ポール・ニコルソン、内田杉彦訳、『大英博物館 古代エジプト百科事典』、原書房、1997
原著は Ian Shaw and Paul Nicholson, The British Museum Dictionary of Ancienr Egypt, 1995
 あいうえお順、
 670ページ。


ステファヌ・ロッシーニ、リョト・シュマン=アンテルム、矢島文夫・吉田春美訳、『図説 エジプトの神々事典』、河出書房新社、1997
原著は Stéphane Rossini et Ruth Schmann-Antelme, Nétèr, Dieux d'Égypte, 1992
 序説として
古代エジプトの神々と神話;古代エジプトの神々の真のすがた/世界の創造;聖なる地理学、神統論と宇宙生成論、各種の神話系列/国土の保護者としての神々/暦法、
 エジプトの神々として各神格について全64項目、
 辞典と索引として神聖動物誌、用語集、ノモス(諸国誌)、信仰中心地など、
248ページ。

リチャード・H・ウィルキンソン、内田杉彦訳、『古代エジプト神殿大百科』、東洋書林、2002
原著は Richard H. Wilkinson, The Complete Temples of Ancient Egypt, 2000
神殿、国土、そして宇宙/永遠の家-神殿の発達と盛衰/神々にふさわしき建造物-神殿の造営、成長と変遷/世界の内なる世界 - 神殿の各部分とその意義/天と地の間に-神殿の宗教的機能/神々と諸王の神殿 - ナイルをさかのぼって/現代の調査と保存修復など、
256ページ。

 →こちら:「四角錐と四つの球」の頁)や、そちら(「怪奇城の隠し通路」の頁の「隠し扉とからくり」末尾の「追補」)で少し引用しました。またあちら(「階段で怪談を」の頁の「文献等追補」中の「もろもろ」)でも挙げました

リチャード・ウィルキンソン、内田杉彦訳、『古代エジプト神々大百科』、東洋書林、2004
原著は
Richard H. Wilkinson, The Complete Gods and Goddesses of Ancient Egypt, 2003
エジプトの宗教と神々//
神々の興亡;神々の誕生/神々による支配/神々の黄昏//
神々の性格;「神聖なもの」のかたち/神々の顕現/エジプトと一神教//
神々の崇拝;神々への奉仕/民間信仰と敬虔/「神聖なもの」との関わり//
王権と神々;王 - 神々と人間のはざまで -/死せる王と神/神々の王権//
エジプトの神々;「神聖なもの」の多面性/神々のグループ/人間の姿の男神たち/人間の姿の女神たち/哺乳動物の姿の神々/鳥の姿の神々/爬虫類・両生類・魚の姿の神々/無脊椎動物・昆虫の姿の神々/無生物の姿の神々//
不滅の遺産など、
256ページ。
 

E.A.Wallis Budge, The Gods of the Egyptians. Studies in Egyptian Mythology, volume 1 & 2, Dover Publications, Inc., New York, 1969
 原著は1904年刊。
『エジプト人の神々 エジプト神話研究』
1巻;エジプトの神々/神と〈神々〉の概念/初期の神々と州=神々/天における神々の仲間たち/冥界/地獄と呪われた者/神々の最古の仲間たちと創造/神々と世界の創造の歴史/ラー、太陽神とその諸形態/ラーの神話/ラーとイシスの伝説/人類の殲滅/トト、マアトおよび彼と結びつく他の女神たち/ハトホルとハトホル=女神たち/ホルス=神々/メンフィスの大いなる三柱、プタハ、セクメト、ネフェルテムなど、
526ページ。
2巻;アムン、アムン=ラーとテーベの三柱/ハピ、ナイルの神/エレファンティネの三柱/アテン、太陽の神と日輪/ヘリオポリスの神々の大いなる仲間たち/オシリス/オシリス讃歌/『死者の書』よりオシリス讃歌/オシリス讃歌/オシリスのさまざまな名前/イシスとオシリスについてのプルタルコスの神話的歴史/オソラピスあるいはセラピス/イシス/イシスの嘆き/セトとネフティス/インプウあるいはアヌビス/ホルスのキップス(石碑や護符の一種)/異邦の神々/雑多な神々/聖なる獣や鳥など、
432ページ。

 1巻 pp.265-267 では『ピスティス・ソピア』(→こちら:「グノーシス諸派など Ⅱ」の頁の「v. ナグ・ハマディ写本の発見以降など」)における〈外なる闇〉がラーの敵手たちと比較され、
 また同 p.279 では前者における七頭のバシリスク蛇がピラミッド・テクストにおける七頭の蛇と関連づけられていたりします。

James H. Breasted, Development of Religion and Thought in Ancient Egypt, University of Pennsylvania Press, Philadelphia, 1959
 原著は1912年刊。
『古代エジプトにおける宗教と思想の展開』
自然と国家がその刻印を宗教に刻む - 最初の体系/生と死 - 墓所での滞在 - 死がその刻印を宗教に刻む(初期から紀元前25世紀まで)/死者の王国 - ピラミッド・テクスト - 天空への上昇(紀元前30世紀から25世紀まで)/死者の王国 - 最初の天での彼岸(紀元前30世紀から25世紀まで)/彼岸のオシリス化(紀元前30世紀から25世紀まで)/倫理的感覚の出現 - 倫理的ふさわしさと彼岸 - 懐疑主義と苦難の問題(紀元前29世紀から18世紀まで)/社会的諸力がその刻印を宗教に刻む - 最初の社会的再生(紀元前22世紀から18世紀まで)/古い王家の彼岸の大衆化 - オシリスの勝利 - 良心と死者の書 - 呪術と倫理(紀元前22世紀から1350年まで)/帝国の時代 - 世界国家がその刻印を宗教に刻む - 最初の一神教 - アクエンアテン(紀元前1580年から1350年まで)/個人的敬虔の時代 - 僧侶制と最初の頽唐期(紀元前1350年以降)など、
380ページ。


Patrick Boylan, Thoth. The Hermes of Egypt, Ares Publishers, Inc., Chicago, 1987
 原著は1922年刊。
『トト エジプトのヘルメース』
トトの名前/オシリスとホルスの伝説におけるトト/トトとヘリオポリスの九柱神/トトと太陽の舟におけるラー/月の神格としてのトト/トトの諸象徴/ラーの代理としてのトト/月の神格としてのトトの特別な諸機能/社会的秩序と聖なる儀礼の創設者としてのトト/〈神的な言葉〉の著者としてのトト/全知のトト/創造者としてのトト/呪術におけるトト/死者の神としてのトト/エジプトの儀礼におけるトト/トトの主な神殿と聖地など、
216ページ。


 →こちらで少し触れています:「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「本・書物(天の書)」。

Serge Sauneron et Jean Yoyotte, ‘La naissance du monde selon l'Égypte ancienne’, La naissance du monde. Sources orientales Ⅰ, 1959, pp.17-91.
「古代エジプトによる世界の始まり」
エジプトの宇宙開闢論の一般的性格;
創造以前の世界/デーミウールゴス/始まりの丘/デーミウールゴス顕現の諸様態/創造の手順/創世の完成//
ヘリオポリスに由来するテクスト//
ヘルモポリスの宇宙開闢論の諸主題//
メンフィスに由来する宇宙開闢論のテクスト//
テーベに由来する宇宙開闢論のテクスト//
エスナ(ラトポリス)の宇宙開闢論のテクスト//
エピローグなど


Siegfried Morenz, Egyptian Religion, Cornell University Press, Ithaca & New York, 1973
原著は Aegyptische Religion, 1960
『エジプトの宗教』
エジプト文明の宗教的起源/神々/崇拝者たち/神的な命令、指導と霊感:神々の機能/祭儀と敬神:人間のふるまい/倫理とその宗教への関係/エジプトの神学/エジプトの宇宙開闢論と進化の教義/死と死者/聖なる書物/エジプトの宗教と外の世界など、
380ページ。


Erik Hornung, translated by John Baines, Conceptions of God in Ancient Egypt. The One and the Many, Routledge & Kegan Paul, London, Melbourne & Henley, 1983
原著は Der Eine und die Vielen, 1971
『古代エジプトにおける神々の概念 一と多』
歴史的導入部/神に対するエジプトの用語とその用法/神々の名前と組み合わせ/神々の描写と現われ/神々の特性/神的なふるまいと人間の反応/万神殿の分類と分節など、
296ページ。

Erik Hornung, translated by Elisabeth Bredeck, Idea into Image. Essays on Egyptian Thought, Timken Publishers, New York, 1992
原著は Geist der Pharaonenzeit, 1989(英訳は12章中9章のみ)
『観念からイメージへ エジプト思想に関する試論』
言葉とイメージ/諸起源/時間と永遠/限界とシンメトリー/彼岸/宇宙としての神殿/マアトの概念/祝典としての歴史/身体と魂など、
210ページ。

 →こちらで少し触れています:「世界の複数性など」の頁

Richard Patrick, All Color Book of Egyptian Mythology, Octopus Books, London, 1972
『エジプト神話の総色刷り本』
創造神たち、そして宗教的思想の中心地/主な神々/二つの地の主/来世/エジプトの聖なる動物など、
72ページ。

 カラー図版による画集的性格の啓蒙書。

Ugo Bianchi, "Seth, Osiris et l'ethnographie", Selected Essays on Gnosticism, Dualism and Mysteriosophy, 1978, pp.103-125

Mubabinge Bilolo, Les cosmo-théologies philosophiques d'Heliopolis et d'Hermopolis. Essai de thématisation et de systématisation, Publications Universitaires Africaines, African University Studies, Kinshasa, Libreville & Munich, 1986
『ヘリオポリスとヘルモポリスの哲学的宇宙=神学 主題化と体系化の試み』
ヘリポリスの宇宙=神学;
ヘリオポリスの思想における諸存在の創成/ヘリオポリスの歴史の哲学/エジプトの人間論/存在と歴史の終わりの問題//
ヘルモポリスの宇宙=神学;八柱神:ヌン - ヘフ - ケク - アムン/ニアウの概念/〈卵〉と〈蓮〉のシンボリズムの宇宙=神学的次元/トトの作品としての世界:創造に関するヘルモポリスの神学について、など、
260ページ。


Mubabinge Bilolo, Méta-Ontologie Éggyptienne du -IIIe millénaire,. Madu a Meta-Utun : Tum-Nunu ou Sha-Ntu, (Académie de la Pensée africaine. Academy of African Thought, Section I, Vol.8), Publications Universitaires Africaines, African University Studies, Munich, Kinshasa, Paris, 2008
『紀元前三千年紀におけるエジプトのメタ=存在論』
綜合的序論;
Tum-Ntu, Sha -uNtu、そして Nina-Ntu5/〈メタ=メタ=存在〉の影/三つの典拠:ピラミッド・テクスト、コフィン・テクスト、神名表/本研究の始まり/計画//
〈メタ=存在論〉:
Mdw Š3e-Ntw “Madwa Sha-ntu”〈存在、非存在、生成の起源の学〉:Š3e Wnnt “ Sha-Untu”/メタ=存在論の後発的定義/彼方と Wnnt / Nti の起源を考える//
メタ=存在の〈始源〉“Nina-Sha-Ntu”〈自己創造者〉 -Ḫprds.f/単一性と Pśš 〈自己=二分化〉/〈唯一〉-Wc /単一性=普遍性/単一性=無比性/単一性と〈三位一体=家族〉の創造//
メタ=存在の〈諸属性〉;〈生〉、マアト、〈霊性、思考と言葉〉/〈全にして無〉
Tm / Tm.tj /〈人間形態〉/〈太陽形態〉と〈高みにある神〉/〈多名性〉/〈言い表わせないもの〉、〈知りえないもの〉、〈目に見えないもの〉//
Sha-Ntu の〈存在=人間極性〉;ピラミッド・テクストにおける存在=人間極性/創造者/万物の〈太陽〉/神名表における存在=人間極性//
メタ=存在の〈倫理的な局面〉;〈出来事の主〉/〈裁き手にして報いを与える者〉/〈与える者〉と〈人々の摂理〉/〈あらゆる真の繁栄の主〉/〈守護者〉(
Ḫwif)、〈父〉(It) 、人類の〈牧者〉(Mniw)/〈全知者〉と〈遍在者〉/〈人類の恋人〉/弱者への〈マアトと連帯との恋人〉//
〈メタ=存在〉
Sha-Ntu Atum-Ra :〈有閑神〉か?;ビッケルによる〈有閑神〉としてのアトゥム/文化的蔑称としての〈有閑神〉/ケメト語テクストの言語/神名表のメタ=存在論など、
212ページ。

 上掲前著同様、古代エジプトとバントゥー語族のルバ族それぞれの神学を連絡させようという動機に発した著述で、前著以上に、 いささか論争的な性格が目につきます。→「アフリカ」のページにも挙げておきました

James P. Allen, Genesis in Egypt. The Philosophy of Ancient Egypt Creation Accounts, (Yale Egyptological Studies 2), Yale Egyptological Seminar, Yale University, New Haven, 1988
『エジプトにおける創世記 古代エジプトの創造説話の哲学』
エジプト的宇宙//創造の諸要素//
創造の過程;質料の起源/空虚の創造/世界の限定/秩序の創造/多様性の展開/太陽の役割//
創造の手段;〈魔術〉の力/プタハ/質料の
内=形成(インフォメイション)/創造者/エジプトにおける創世記など、
118ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:本頁下掲「viii. ウェブ上より」中の Allen, "La Cosmologíá de los Textos de las Pirámides", 1989/2002

Vincent Arieh Tobin, Theological Principles of Egyptian Religion, Peter Lang, New York, Bern, Frankfurt am Main & Paris, 1989
『エジプトの宗教の神学的原則』
エジプトの宗教の性質/エジプトにおける神話と祭式/エジプトの神々/創造の神話=神学/マアト/エジプトの王権/オシリス/不死/普遍主義と一神教/エジプトの倫理/エジプトの神学的綜合など、
224ページ。


Edited by Byron E. Shafer, Religion in Ancient Egypt. Gods, Myths, and Personal Practice, Cornell University Press, Ithaca and London, 1991
『古代エジプトにおける宗教 神々、神話と個人的実践』
序論
(Byron E. Shafer)//
古代エジプトにおける神性と諸神(David P. Silverman)神的なものの諸概念/神々(自然現象および抽象と結びつけられた神々 地方および国家の諸神性 葬礼の諸神性 家族と個人的な神々 異国の神々)/王権と神性//
古代エジプトの諸宇宙開闢論と宇宙論(Leonard H. Lesko)諸宇宙開闢論/宇宙論/エピローグ//
社会、倫理と宗教的実践(John Baines)序説-宗教、秩序と不運/社会的諸条件/作法、倫理と伝記/伝記と宗教的実践/倫理と神義論/呪術と占い/宗教的経験と敬神-早期の証言/宗教的経験と敬神 - 新王国の諸展開など、
232ページ。


 第2章に当たる Lesko"Ancient Egyptian Cosmogonies and Cosmology"(pp.88-122)中には、ヘリオポリス、ヘルモポリス、メンフィスなどの他に、テーベ版開闢神話をよく伝えるものとして、プトレマイオス朝のテクストに残された「コンスの宇宙開闢論 Khonsu Cosmogony」が引用されていました(pp.105-106。下掲の→こちらに挙げた二論考も参照)。

Dimitri Meeks and Christine Favard-Meeks, translated by G.M. Goshgarian, Daily Life of the Egyptian Gods, Cornell University Press, Ithaca & New York, 1996
原著は La vie quotidienne des dieux égyptiennes, 1993
『エジプトの神々の日常生活』
彼ら自身の間での神々;起源、運命、歴史/位階、特権、グループ/神的な身体/空間と場所/知性と知識//
神々と人類とを仲介する;宇宙の機構と普遍的な神/大地の上の神々/他界の神々、他界における神々/死者から新たに生まれた神へ/今にもぐらつく宇宙の機構など、
250ページ。

Barbara S. Lesko, The Great Goddesse of Egypt, University of Oklahoma Press, 1999
『エジプトの偉大な女神たち』
初期の女性たちと信仰の最初の証言/空の女神ヌト/ネイト、サイスの貴婦人にして万物の創造者/二人の貴婦人:遙かな過去のなごり/ハトホル、愛の女神/ムトと聖なる猫たち/イシス、魔術に傑しもの/神殿、その儀礼と聖職者など、
320ページ。

Mark Smith, On the Primaeval Ocean. (The Carlsberg Papyri 5. CNI Publications 26). The Carsten Niebuhr Institute of Near Eastern Studies, Museum Tusculanum Press, University of Copenhagen, 2002
『原初の海について』
276ページ。

 コペンハーゲン大学の Carsten Niebuhr 研究所、フィレンツェの「G. Vitelli」パピルス学研究所などに分散した、しかし一つの文書をなすと思われる、宇宙開闢論を扱ったデモティック文字の断片群の校訂、翻訳、註釈。ただし損傷が激しいため、平行すると思われる資料との比較によらないと理解が難しく、その分逆に、註釈が充実しているという本です。

‘The Book of the Heavenly Cow’, translated by Edward F. Wente, Jr., in William Kelly Simpson ed., The Litterature of Ancient Egypt, Yale University Press, New Haven & London, 2003, pp.289-298
「天の雌牛の書」、『古代エジプトの文学』所収

 このテクストの大筋は

大林太良編、『世界の神話』、1976、pp.179-180:「70 天の雌牛(古代エジプト)」

 で紹介されていました。
 下掲のUCLA Encyclopedia of Egyptology 収録の項目(2010)も参照→こちら


Anne-Sophie vin Bomhard, The Naos of the Decades. From the Observation of the Sky to Mythology and Astrology. (Underwater Archaeology in the Canopic Region in Egypt, Oxford Centre for Maritime Archaeology; Monograph 3), Institute of Archaeology, University of Oxford, 2008
十分角(デカン)厨子(ナオス) 空の観察から神話と占星術へ』
起源と一般的記述/王と神/創造とデカンの出現/デカンの総体的呈示/各デカンの研究など、
290ページ。

 ルーヴル美術館が屋根部分を、アレクサンドリアのグレコ=ローマン博物館が基部と背部の壁を蔵していた「十分角(デカン)厨子(ナオス)」の、新たな断片が1999年に発見されたことを受けた、全体像解読の試み。
 「創造の話」の節で、ナオスに記された開闢論のテクストが訳され、論じられています(pp.54-76)。

E.A.Wallis Budge, Egyptian Religion. Egyptian Ideas of the Future Life, Routledge & Kegan Paul, London, Boston and Henley, 1980
原著は1899年刊。
『エジプトの宗教 来世に関するエジプトの観念』
全能なる神への信仰/復活する神オシリス/エジプト人の〈神々〉/死者の審判/復活と不死など、
198ページ。


The Book of the Dead. The Hieroglyphic Transcript of the Papyrus of ANI, the Translation into English and an Introduction by E.A.Wallis Budge, Late Keeper of the Egyptian and Assyrian Antiquities in The British Museum, Citadel Press, New York, 1960
 原著は1913年刊、
 704ページ。
『死者の書 アニのパピルスの転写 大英博物館エジプト・アッシリア遺物の前管理人E.A.バッジによる英訳と序論』

R.O.Faulkner, The Ancient Egyptian Pyramid Texts. Oxford University Press, 1969
330ページ。
『古代エジプトのピラミッド・テクスト』
発言 nos.1-759。

R.O.Faulkner, The Ancient Egyptian Coffin Texts. Spells 1-1185 & Indexes, Aris & Phillips, Oxford, 2004 / 2007
 原著は三分冊;1973/1977/1978、
 286+308+204ページ。
『古代エジプトのコフィン・テクスト』
呪文 nos.1-354 / 355-787 / 788-1185.


R.O.Faulkner, The Ancient Egyptian Book of the Dead. The British Museum Press, 1972 / 1985 / 2010
192ページ。
『古代エジプトの死者の書』
呪文 nos.1-189.


Eingleitet, übersetzt und erläutert von Erik Hornung, Ägyptische Unterweltsbücher, (Die Bibliothek der alten Welt),Artemis Verlag, Zürich ind München, 1972 / 1984
『エジプトの冥界の書』
アムドゥアト/門の書/洞穴の書/地の書/同系のテクストからの見本;太陽連禱、ヌト像、昼の書、夜の書など、
528ページ。


Andreas Schweizer, edited by David Lorton, The Sungod's Journey through the Netherworld. Reading the Ancient Egyptian Amduat, Cornell University Press, Ithaca & London, 2010
原著は Seelenführer durch den verborgenen Raum, 1994
『太陽神の冥界行 古代エジプトのアムドゥアトを読む』
闇への沈入/アムドゥアト-隠された部屋の書/アムドゥアトのタイトル/1時間目:狒狒の歓喜/2時間目ウェルネスの豊饒の野/3時間目:オシリスの水で舟を漕ぐ/4時間目:ソカルの蛇の地/5時間目:ソカルの洞穴の神秘/6時間目:太陽神の骸と光の再生/7時間目:アポフィス、太陽の敵/8時間目:衣の支給/9時間目:太陽神の乗組員/10時間目:太陽神の護衛/11時間目:時の更新/12時間目:原初の闇の終焉/終結:更新の五つの段階など、
232ページ。

 著者はユング派の精神科医。


Erik Hornung, translated by David Lorton, The Ancient Egyptian Books of the Afterlife, Cornell University Press, Ithaca and London, 1999
原著は Altägyptische Jensaitsbücher, 1997
『古代エジプトの冥界の書』
ピラミッド・テクスト/コフィン・テクスト/死者の書/呼吸の書//
新王国の冥界の書;アムドゥアト/12の洞穴の呪文/門の書/冥界の謎めいた書/洞穴の書/地の書/さまざまな場面//
空の書;ヌトの書/昼の書/夜の書//
ラー連禱/天の雌牛の書/永遠を過ごすことの書など、
188ページ。

 原典の翻訳ではなく解説です。


Translated by David Warburton, revised and edited by Erik Hornung and Theodor Abt, The Egyptian Amduat. The Book of the Hidden Chamber, Living Human Heritage Publications, Zürich, 2007
『エジプトのアムドゥアト 隠された部屋の書』
446ページ。

 ウェブで出くわしたものから;

M. A. Moret, "Le lotus et la naissance des dieux en égypte," Journal asiatique, onzième série, tome IX, mai-juin 1917, pp.499-513 [ < Giorgio Samorini Network
「エジプトにおける蓮と神々の生誕」

  定方晟『インド宇宙論大全』(2011)、p.285 註5 に挙げられていました

Philippe DERCHAIN, ‘Le papyrus Salt 825 (B. M. 10.051) et la cosmologie égyptienne,’ Le Bulletin de l’Institut français d’archéologie orientale, no.58, 1959, pp.73-80
「パピルス Salt 825 (B. M. 10.051) とエジプトの宇宙開闢論」

André BARUCQ, ‘Les textes cosmogoniques d'Edfou d'après les manuscrits laissés par Maurice Alliot,’ Le Bulletin de l’Institut français d’archéologie orientale, no.64, 1966, pp.125-167
「モーリス・アリオが残した原稿によるエドフの宇宙開闢論テクスト」
序/テクスト"C"、およびテクスト"A"でのその変奏/テクスト"B":ŠBTY・Wのタブローの註釈/テクスト"D":創造のタブローの註釈


Richard A. Parker and Leonard H.Lesko, "The Khonsu Cosmogony", Edited be John Baines, T.G.H. James, Anthony Leahy and A. F. Shore, Pyramid Studies and Other Essays Presented to I. E. S. Edwards The Egypt Exploration Society, 1988, pp.168-175 + plates 34-37 [ < Academia.edu
「コンスの宇宙開闢論」

 上掲 Byron E. Shafer, Religion in Ancient Egypt. Gods, Myths, and Personal Practice (1991)所収の Lesko, "Ancient Egyptian Cosmogonies and Cosmology"も参照→こちら
 他方、「テクストの私の翻訳はレスコによるものとはかなり異なる」(p.169 右段)という次の次(Eugene Cruz-Uribe、1994)も参照;


James P. Allen, traducción de Rosa María Thode, "La Cosmologíá de los Textos de las Pirámides", 2002, pp.1-23 [ < La Tierra de los Faraones. Egiptología.org
「ピラミッド・テクストの宇宙論」
原著は
"The Cosmology of thePyramid Texts", Yale Egyptological Studies 3. Religion and Philosophy in Ancient Egypt, 1989

 
同じ著者による→こちらを参照:本頁上掲「vi. 神話、信仰等 - 洋文献」中の Allen, Genesis in Egypt, 1988

Eugene Cruz-Uribe, "The Khonsu Cosmogony", Journal of the American Research Center in Egypt Vol.31,
1994, pp.169-189 [ < Academia.edu ]
「コンスの宇宙開闢論」

Susanne Bickel, La cosmogonie égyptienne. Avant le Nouvel Empire, Edition Universitaires Fribourg Suisse, Vandenhoeck & Ruprecht Göttingen, 1994 [ < Zurich Open Repository and Archive
『エジプトの宇宙開闢論 新王国以前』
緒言/序//
宇宙開闢論の諸観念;第一段階:先存在 - ヌン//
  第二段階:移行期;創造者:アトゥム;自己生成/孤独/アトゥムとレーの関係ヌンとアトゥムの間の会話/同時性と共実体性/他の創造神たち?//
    創造の時機;〈最初〉/現在と始源の時間//
    創造の場所;メヘト=ウェレト/始源の丘//
  第三段階:創造;序//
    創造の諸様態;手と口/唾/呼息/からだ/汗/意志-jb と力-3hw(h は下に ‿  )/目 太陽の目の諸神話/創造的な言葉//
  創造された諸要素と第四段階:展開と維持;序//差異化の原理//神々の創造//
    息子=創造者の概念;シュー/プタハ/ハピ/ヘカ/息子=創造者たちに共通する諸相///
    テフヌト-マアト//
    天と地の創造と分離;創造の局面/構造化の局面//
    人類の創造//創造された諸要素:要約//
  人間とその創造者//
  悪の導入と世界の終わり;悪の導入/世界の終わり//
  卵と鳥たち//
諸観念の諸総体 - 神話;諸観念の諸総体//
  中王国における創造神話の状態;定式化の諸類型/文脈の役割/叙述と神話/言語としての神話//
  地方的諸伝統の問題系//
結論/参考文献など、
346ページ。


Michèle BROZE, ‘Les sept propos de Méthyer. Structure narrative et théorie du savoir dans la cosmogonie de Neith à Esna,’ Le Bulletin de l’Institut français d’archéologie orientale, no.99, 1999, pp.63-72
「Méthyer の七つの話 エスナのネイトの宇宙開闢論における語りの構造と知識論」

Frédéric Servajean, ‘Duality,’ UCLA Encyclopedia of Egyptology, Department of Near Eastern Languages and Cultures, UC Los Angeles, 2008
「二元性」
静的な関係における二元性/動的な関係における二元性/世界を把握するためのメカニズム


Nadine Guilhou, ‘Myth of the Heavenly Cow,’ UCLA Encyclopedia of Egyptology, Department of Near Eastern Languages and Cultures, UC Los Angeles, 2010
「天の雌牛の神話」
物語/応用/意味群/言語と書法/他の文献への諸関係


 
上掲 The Litterature of Ancient Egypt (2003)収録の英訳も参照→こちら

Brett McClain, ‘Cosmogony (Late to Ptolemaic and Roman Periods),’ UCLA Encyclopedia of Egyptology, Department of Near Eastern Languages and Cultures, UC Los Angeles, 2011
「宇宙開闢論(プトレマイオス朝期およびローマ時代)」
ヘリオポリスの諸伝統/メンフィスの諸伝統/ヘルモポリスの諸伝統/地域分化


Jens Jørgensen, "Myth and cosmography : on the union of Re and Osiris in two types of religious discourse", Horn, Marteen et.al. (eds.), Current Research in Egyptology 2010: Proceedings of the Eleventh Annual Symposium, Oxford 2011, pp.71-80 [ < Academia.edu ]
「神話と宇宙誌:二つのタイプの宗教的言説におけるラーとオシリスの合体について」
序/ジャンルと文脈/神話に対するエジプト学的諸アプローチ/諸宇宙誌/神話的語り口/これまでの諸解釈/儀礼/結論/文献

 ここでの〈宇宙誌〉は、ラーが夜の太陽舟に乗って航行する冥界を記述した、『門の書』などのテクストに記されたものを指します。その中で〈世界の終末〉(p.75)や〈数百万年〉(p.76)にまつわる文言も取りあげられます。


Cloé Caron, Des hommes de larmes, des hommes de tristesse ? La conception anthropogonique dans les Textes des Sarcophages du moyen empire égyptien (2040-1785), mémoire présenté comme exigence partielle de la maîtrise en histoire, Université du Québec à Montréal, mars 2014 [ < Academia.edu ]
『涙でできた人間たち、悲しみでできた人間たち? エジプト中王国(紀元前2040-1785)のコフィン・テクストにおける人間創成論的概念』
序//
涙でできた人間たち、悲しみでできた人間たち? 歴史記述の総括と問題系;歴史記述の総括:紀元前20世紀後半以来のエジプトの宇宙開闢論および人間創成論の受けとられ方/問題系//
涙でできた人間たちの起源:宇宙開闢論的および言語学的な文脈;人間たちの特異な創造の起源での言葉遊び/創造過程の四つの段階/アトゥムと人間創造/最初の言葉遊びの意義と範囲/予備の結論:悲しみなしの涙//
神的実体の諸存在:共有された創造の諸様態、および人間たちと神々の起源の共有;序/涙による創造、人間独自のものか?/本性の近さ:神々と人間たちの神的起源について/メソポタミアの人間創成論の光に照らしたエジプトの人間創成論/予備の結論:神的流体としての涙、あるいは人間たちと神々の起源の区別の無さ//
共実体性、水性、相互性:創造された世界の中での人間の本質;序/共実体的な調和:〈万物のヌン性〉/創造における水の重要さ:豊饒、浄化と再生/涙でできた人間たち:創造のために賦活する/予備の結論:ヌーと実体を共にし、創造された世界を賦活する人間たち//
結論など、
173ページ。


 エジプトにおける〈原初の水〉は一般に〈ヌン Noun / Nun 〉と記されますが、この呼び方は新王国以降にしか確認されておらず、そのため本書では、引用の場合を除いて、〈ヌウ(ヌー) Nouou 〉とするとのことです(p.49 note 30。次に挙げる2016年の論考も同様)。

Cloé Caron, "L'ambiguïé du sacré dans la pensée cosmogonique égyptienne : Nouou et les fluides créateurs", Actes ducolloque «Le sacré dans tous ses étas», organisé par l'AEPOA (Association des Études du Proche-orient ancien) le 21-22 avril 2016 à l'UQAM, pp.10-19 [ < Academia.edu ]
「エジプトの宇宙開闢論的思想における聖なるものの両義性:ヌウと創造的流体たち」
葬礼の文脈での宇宙開闢論//
ヌウ - 絶対的両義性?;周縁的なヌウ/再生させ浄化するヌウ/ヌウ、恐るべき状態//
神的な流体:口から出る液体の場合;唾、創造的力のヴェクトル/唾、癒し浄化する力の所持者/唾の禍事をもたらす可能性/体液、多価的な効力のある他の流体//
結論


Cloé Caron, "Réflexions sur la pensée cosmogonique en Égypte ancienne : le poids des concepts dans son analyse", Cahiers d'histoire, volume 34, numéro 2, été 2017, pp.29-43 [ < Érudit (erudit.org) ]
「古代エジプトにおける宇宙開闢論的思想についての省察:その分析においての諸概念の重さ」
DOI : https://doi.org/10.7202/1041541ar
近代人によって見られた古代近東の思想/象徴主義か即物性か?/二元性と共実体性


Julian Cooper, "Between this world and the Duat. The land of Wetenet and Egyptian cosmography of the Red Sea", Edited by Camilla Di Biase-Dyson and Leonie Donovan, The Cultural Manifestations of Religious Experience. Studies in Honour of Boyo G. Ockinga, Ugarit-Verlag, Münster, 2017, pp.383-394 [ < Academia.edu ]
「この世界とドゥアトの間 ウェテネトの地と紅海についてのエジプトの宇宙誌」

Guilherme Borges Pires, "Before Time, after Time: existential time markers in Ancient Egypt - beginning, end and restart. A preliminary approach (with a special focus on the Heliopolitan conception)", RES Antiquitatis 1, 2019, pp.143-157
「時間の前、時間の後:古代エジプトにおける実存的時間の目印 - 始源、終末と再始動 予備的アプローチ(とりわけヘリオポリスの概念に焦点をあてて)」
序/古代エジプトの時間概念についての手短な覚書/時間と創造 - 不活性から活動へ/「時間の後」:時間の終わり?/最終所見


 なお、個人的に最も興味のあるヘルモポリスの八柱神(オグドアス)に関する基本文献は

Kurt Sethe, Amun und die acht Urgötter von Hermopolis, Abhandlungen der Preussischen Akademie der Wissenschaften, 1929(『アムンとヘルモポリスの八柱の原初神』)

 のようなのですが、残念ながら未見。


追補:その後ウェッブ上にPDFで掲載されているのを、さいわいにも見ることができました→こちら [ < Internet Archive
そこで副題も含めあらためて、とりあえず目次のみですが;

Kurt Sethe, Amun und die acht Urgötter von Hermopolis. Eine Untersuchung über Ursprung und Wesen des ägyptischen Götterkönigs, Abhandlungen der Preussischen Akademie der Wissenschaften, 1929. Phil-Hist. Klasse. Nr.4 (Einzelausgabe), Verlag der Akademie der Wissenschaften, Berlin, 1929
『アムンとヘルモポリスの八柱の原初神 エジプトの神々の王の起源と本質についての一調査』
テーベとテーベの神々;都市テーベとそこでのアムン崇拝の時代/カルナックでのアムンの礼拝場所/アムンの顕現形態/テーベの他の神々とのアムンの関係//
ヘルモポリスの八柱神;ヘルモポリス、八柱の原初神の都市とその宗教史/総体としてのヘルモポリスの八柱神/ギリシア時代のエジプト語テクストによる八柱神の教義/アムンと八柱の原初神のための死霊崇拝の地としてのメディネト・ハブ/総体としての八柱神の意味と意義/八柱神の構成、個々の場合/八柱神の個々の成員の意味と意義//
テーベの神々アムンとアマウネト;ヘルモポリスと八柱神への元々の結びつきの痕跡/アムンという名と不可視性の思想/気息の神としてのアムン/大気の神としてのアムンの遍在性/精霊としてのアムン/大気の神と光の神の混淆/ヘルモポリスのアムンのテーベとその地への移植/エピローグ アムンとヤハウェ//
成果の要約など、
138ページ。


 上掲の Serge Sauneron et Jean Yoyotte, "La naissance du monde selon l'Égypte ancienne"(1959)Mubabinge Bilolo, Les cosmo-théologies philosophiques d'Heliopolis et d'Hermopolis (1986) などなどをはさんで、近年八柱神(オグドアス)の問題に取り組んでいるのが;

Chrstiane Zivie-Coche, "L'Ogdoade à Thèebes à l'époque ptolémaïque et ses antécédent", dans Christophe Thiers (éd.), Documents de Théelogies Thébaines Tardives (D3T 1), Cahiers 《Égypte Nilotique et Méditerranéenne》 (CENiM) 3, Montpellier, 2009, pp.167-225 [ < DOCPLAYER
「プトレマイオス朝のテーベにおける八柱神(オグドアス)とその前歴」
序論に代えて//
テーベの典拠;カルナックの神殿における儀礼の場面/儀礼的な奉献と王の形容辞//
八柱神(オグドアス):図像誌、名称、伝説、神学;図像誌/名称/神性たちの伝説と側柱/神学//
最初の成果//
補遺;カルナックの神殿の碑銘、八柱神(オグドアス)が登場しない場面、他のさまざまな碑銘における八柱神(オグドアス)への言及/プトレマイオス朝期およびローマ時代の、テーベ左(西)岸および〈テーベのパラディウム〉における八柱神(オグドアス)の表象

 同じ著者には次の二点の論考もありますが、未見;

Christiane Zivie-Coche, "L'Ogdoade à Thèebes à l'époque ptolémaïque (II). Le périptère du petit temple de Médinet Habou", dans Chr. Thiers (éd.), D3T 2, CENiM 8, 2013, pp.227-284
「プトレマイオス朝のテーベにおける八柱神(オグドアス) Ⅱ メディネト・ハブの小神殿の列柱室」

Christiane Zivie-Coche, "L'Ogdoade à Thèebes à l'époque ptolémaïque (III). Le pylône du petit temple de Médinet Habou", dans Chr. Thiers (éd.), D3T 3, CENiM 13, 2015, pp.327-397
「プトレマイオス朝のテーベにおける八柱神(オグドアス) Ⅲ メディネト・ハブの小神殿の塔門」

 少し間を置いて、同じ『晩期テーベ神学の諸資料』誌に、共同研究として;

Christiane Zivie-Coche et Lorenzo Medini, "L'Ogdoade hors de Thèebes : à Edfou et Dendera", dans Chr. Thiers (éd.), D3T 4, CENiM 27, 2021, pp.185-267 [ < Academia.edu
「テーベ外での八柱神(オグドアス):エドフとデンデラにて
エドフにおける八の都の者たち(クムヌ);エドフの神殿の儀礼的場面;撒香と灌奠/蓮の奉納/ヘフとハウヘトがいる諸場面//
  八柱神(オグドアス)についてのエドフにおける他の言及//
  奉献の場面における八の都の者たち(クムヌ)の図像誌;完全に人間形態/蛙の頭の男性たちと蛇の頭の女性たち/太陽をあがめる猿たち//
  結論//
デンデラにおける八の都の者たち(クムヌ)神秘的な廊下/ケスケントの礼拝堂/ハルソムトゥスの礼拝堂/祀堂(ペル=ウェル)/Ouâbet/奉献の広間/金銀細工師の工房/顕現の広間(Z、多柱広間/ナオスの外/プロナオス/クリプト/オシリスの西礼拝堂2/ローマ時代のマンミシ/イシスの神殿/図像誌と名称/デンデラ固有の特性と機能/結論に向けて:テーベからエドフを通ってデンデラへ//
附録;エドフにおける八柱神(オグドアス)の名と書記法/デンデラにおける八柱神(オグドアス)の名と書記法


  その間に;

Christiane Zivie-Coche, "L'Ogdoade d'Hermopolis à Thèbes et ailleures ou l'invention d'un mythe", Egitto e Vicino Oriente Vol. 39, 2016, pp. 57-90 [ < JSTOR
「ヘルモポリスからテーベへ、そして他の地での八柱神(オグドアス)、あるいはある神話の発明 」
新王国以前//紀元前第二千年期および第一千年期におけるヘルモポリスの八柱神(オグドアス)//ヘルモポリス外での第二千年期における八柱神(オグドアス)への言及//プトレマイオス朝期以前の第一千年期の資料群//図像誌//八柱神(オグドアス)の成員の名称//
プトレマイオス朝期の神殿;テーベの諸神殿/プトレマイオス朝期の他の神殿//
パピルス文書;『ファイユームの書』/神話便覧/『原初の海について』のテクスト/『デモティックによるメンフィスの宇宙開闢論』、P. Berlin 13603//
結論として


 また高等研究実習院の年報 Annuaires de l'École pratique des hautes études に掲載された、1971年から2005年までの講義録がサイト Persée に(→こちら)、2006~2007年は抜けているのですが、2008年から2020年までの分が Open Edition Journals に載っており(→そちら)、そこで各年の講義ないしゼミの概要が記されていました、全体のタイトルは"Religion de l'Égypte ancienne"(古代エジプトの宗教)で、2005~2016年における〈八柱神(オグドアス)〉についての原稿の細目からうかがえるように、上掲の各論文の土台になっているようです。関連のありそうなもののみ抜きだすと;

"Religion de l'Égypte ancienne. Conférence de Mme Christiane Zivie-Coche", Annuaires de l'École pratique des hautes études. Année 1992, tome 101, pp.109-114
 ウェブページの左欄に Plan として章分けされています;
  I. Statut de l'écriture
II. Les cosmogonies : le Noun
III. Lectures ptolémaïques
IV. Séminaire de troisième heure
[Activités et publications]
 
  Ⅰ. 書くことの地位
Ⅱ. 諸宇宙開闢論:ヌン
Ⅲ. プトレマイオス朝期資料の読解
Ⅳ. 第三時限のゼミ
[活動と出版]
 
この内「Ⅱ 諸宇宙開闢論:ヌン」(pp.111-113)がここでの関心の対象となります(以下、他の章は割愛)。

Année 1993-1994, tome 102,
1993, pp.129-137
I. Les cosmogonies : le Noun (suite)
II. Les cosmogonies : les caractéristiques spécifiques du créateur; Le dieu incréé / Le dieu autogène
(pp.129-134)
 
Ⅰ. 諸宇宙開闢論:ヌン(承前)
Ⅱ. 諸宇宙開闢論:創造者固有の特性;創造されざる神/自生の神
 
Année 1994-1995, tome 103,
1994, pp.137-143
 
  I. Cosmogonies (suite)
(pp.137-140)
 
  Ⅰ. 諸宇宙開闢論(承前) 
Année 1995-1996, tome 104,
1995, pp.179-189
 
  I. Un aspect de la pensée cosmogonique : l'être et la fonction du démiurge
(pp.179-183)
 
  Ⅰ. 宇宙開闢論的思想の一局面:宇宙製作者(デーミウールゴス)の存在と機能 
Année 1996-1997, tome 105,
1996, pp.185-194
  I. Histoire de cosmogonies ; Des Coffin Texts à L'Enseignement pour Mérikarê / Le Livre de kaVache du ciel ou La Révolte des hommes
(pp.185-189)
  
  Ⅰ. 諸宇宙開闢論の歴史;コフィン・テクストから『メリカラー王への教訓』へ/『天の雌牛の書』あるいは『人間たちの叛逆』
Année 2005-2006, tome 114,
2005, pp.127-137
  I. L'Ogdoade : questions autour d'une cosmogonie
(pp.127-133)
 
  Ⅰ. 八柱神(オグドアス):ある宇宙開闢論をめぐる諸問題 

 以下、Open Edition Journals より(Plan はなし);

Année 2006-2007, tome 115,
2008, pp.73-83
https://doi.org/10.4000/asr.153
I. L'Ogdoade: élaboration et évolution d'une cosmogonie, du Nouvel Empire à l'époque ptolémaïque (suite)
(pp.73-78)
Ⅰ. 八柱神(オグドアス):ある宇宙開闢論の彫琢と展開、新王国からプトレマイオス朝へ(承前) 
Année 2007-2008, tome 116,
2009, pp.95-107
https://doi.org/10.4000/asr.611
L'Ogdoade, élaboration et évolution d'une cosmogonie (suite) : Thèbes, à l'époque ptolémaïque
(pp.95-101)
八柱神(オグドアス)、ある宇宙開闢論の彫琢と展開(承前):テーベ、プトレマイオス朝
Année 2008-2009, tome 117,
2010, pp.87-99
https://doi.org/10.4000/asr.792
I. L'Ogdoade, élaboration et évolution d'une cosmogonie (suite) : la cosmogonie du temple de Khonsou à Thèbes
(pp.87-92)
Ⅰ. 八柱神(オグドアス)、ある宇宙開闢論の彫琢と展開(承前):テーベのコンス神殿の宇宙開闢論
Année 2009-2010, tome 118,
2011, pp.51-62
https://doi.org/10.4000/asr.937
  I. L'Ogdoade, élaboration et évolution d'une cosmogonie (suite) : temples de la rive gauche thèbaine
(pp.pp.51-58)
  Ⅰ. 八柱神(オグドアス)、ある宇宙開闢論の彫琢と展開(承前):テーベ左(西)岸の諸神殿
Année 2010-2011, tome 119,
2012, pp.57-66
https://doi.org/10.4000/asr.1047
  I. L'Ogdoade, élaboration et évolution d'une cosmogonie (suite) : : le pylône ptolémaïque du petit temple de Medinet Habou
(pp.57-62)
  
  Ⅰ. 八柱神(オグドアス)、ある宇宙開闢論の彫琢と展開(承前):メディネト・ハブの小神殿のプトレマイオス朝期の塔門
Année 2011-2012, tome 120,
2013, pp.33-47
https://doi.org/10.4000/asr.1152
  I. L'Ogdoade, élaboration et évolution d'une cosmogonie (suite) :
  1. La cour romaine du petit temple de Medinet Habou
  2. Le temple de Médamoud
(pp.33-39)
  Ⅰ. 八柱神(オグドアス)、ある宇宙開闢論の彫琢と展開(承前):
 1. メディネト・ハブの小神殿のローマ時代の中庭
 2. メダムードの神殿
Année 2012-2013, tome 121,
2014, pp.77-86
https://doi.org/10.4000/asr.1223
  I. L'Ogdoade, élaboration et évolution d'une cosmogonie (suite) :
  1.Le temple de Tôd
  2. Le temple d'fErmant et le Bucheum
  3. Le temple du Deir el-Roumi
  4. Le temple de Deir Chelouit
  5. Le temple d'Edfou
  6. Les dieux morts : conférences de Marc Gabolde
(pp.77-84)
 
  Ⅰ. 八柱神(オグドアス)、ある宇宙開闢論の彫琢と展開(承前):
 1. トゥードの神殿
 2. アルマントとブケウムの神殿
 3. デイル・エル=ムリの神殿
 4. デイル・シャルウィートの神殿
 5. エドフの神殿
 6. 死せる神々:マルク・ガボルドの講演
 
Année 2013-2014, tome 122,
2015, pp.125-136
https://doi.org/10.4000/asr.1346
  I. L'Ogdoade, élaboration et évolution d'une cosmogonie (suite) :
  1. Le temple d fEdfou
  2. Le temple de Dendara
  3. Les temples de Kom Ombo et Philae
  4. Le temple d'Esna
  5. Le Livre du Fayoum
(pp.125-130)
  
  Ⅰ. 八柱神(オグドアス)、ある宇宙開闢論の彫琢と展開(承前):
 1. エドフの神殿
 2. デンデラの神殿
 3. コム・オンボとフィラエの神殿
 4. エスナの神殿
 5. 『ファイユームの書』
Année 2014-2015, tome 123,
2016, pp.61-66
https://doi.org/10.4000/asr.1425
  I. L'Ogdoade, élaboration et évolution d'une cosmogonie (fin) :
  1. Le papyrus de Tebtynis, Florence PSI inv. I 72, x + 4, 11 - x + 7,8
  2. Le texte dit de 《l'Océan primordial》
  3. 《La cosmogonie memphite démotique》, P.Berlin 13603
(pp.61-65)
  
  Ⅰ. 八柱神(オグドアス)、ある宇宙開闢論の彫琢と展開(結):
 1. テブトゥニスのパピルス、フィレンツェ PSI inv. I 72, x + 4, 11 - x + 7,8
 2. いわゆる『原初の海について』のテクスト
 3. 『デモティックによるメンフィスの宇宙開闢論』、P. Berlin 13603
 

Mofeda El Weshahy, Faten Hamdy El Elimi, Sherin M. Hafez, Samar M. Mosleh, "Study of the Ogdoad Scenes in the Late Period", حولية الاتحاد العام للآثاريين العرب "دراسات فى آثار الوطن العربى (The Conference Book of the General Union of Arab Archeologists), vol.16 issue 16, November 2013, pp.133-150 [ < Egyptian Journals (EKB Journal Management System) ]
DOI : 10.21608/cguaa.2013.32558
「後期における八柱神(オグドアス)がいる諸場面の研究」
序//
八柱神(オグドアス)//
資料;Bannentiu の墓(第26王朝)/ヒビスの神殿((第27王朝)/ハワラ(第30王朝)/サフト・エル=ヒンナー(第30王朝)/ファイユーム(プトレマイオス三世の時代)/デンデラの神殿(プトレマイオス六世の時代/フィラエの神殿(プトレマイオス八世ないし12世の時代)/エスナの神殿(カラカラ、22代ローマ皇帝)//
結論/表からの結論


 序説として八柱神(オグドアス)の各神を解説する中に、次のくだりがありました;

「ナウネトは黄泉へいたる原初の深淵の女神だと信じられている。彼女は、始源の創造の傷と信じられている、否定の12の帳を守護している。これらのひび割れへの接近は、ヌンであったところの虚へと導くことだろう」(p.138)。

典拠は何なのでしょうか?

 他の領域と関連づけたもの;

José Nunes Carreira, ‘Hermopolitan traditions in Philo Byblius' Phoenician History,CADMO. Revista do Insituto Oriental da Universidade de Lisboa, no.1, 1991, pp.31-44
「ビュブロスのピュローンのフェニキア史におけるヘルモポリスの伝承」

Renata G Tatomir, "When the Gods Play the Roles of the Particles. Sexuality and Quantum Language in the Perceptions of the Ogdoade of Hermopolis", Proceedingd of the Second International Congress for Young Egyptologists 2006, 2008, pp.503-521 [ < Academia.edu
「神々が素粒子の役割を演じる時 ヘルモポリスの八柱神(オグドアス)の認知におけるセクシュアリティと量子言語」
研究方法としての分野越境/ヘルモポリスの神学、ビッグ・バンと量子論/量子の振舞のパターン/最後に、シューがどうした?
 

おまけ

 いささか怪しげなもの - 勘違いしていたら深謝;

ウォリス・バッジ編纂、今村光一編訳、『世界最古の原典 エジプト死者の書 古代エジプト絵文字が物語る6000年前の死後の世界』、たま出版、1994
アニの霊の告白/死の河を渡る/新しい世界への入口/霊界の構造/オシリスの闘い/霊たちの生活/霊界のあちこち/霊の生活の知恵と修行/霊界の祭りや儀式/葬儀と死後/霊界の伝説と神々/凶霊の国/極楽/神の国/ラアの舟など、
248ページ。

 「本訳書は博士の
“The Book of the Dead”のうちの最大の特色たる死者のあの世での生活ぶりを描いた部分だけを抜粋し、それをこのような形に“編んで”みたものである」(p.243)とのこと。

ジョン・アンソニー・ウェスト、大地舜訳、『天空の蛇 禁じられたエジプト学』、翔泳社、1997
原著は John Anthony West, Serpent in the Sky, 1993
序文(グラハム・ハンコック)//
はじめに/序章/息を吹き返すピタゴラス/天空の蛇/古代エジプトの科学と美術/神話、シンボル、言語、文学/人類の神殿/エジプト - アトランティスの遺産//
付録;ゴーリとレーナーによるスフィンクス調査/スフィンクス関連情報(追記)//
結び 古きを送り出す//
解説(ピーター・トンプキンズ)/訳者あとがき/参考文献など、
492ページ。

 「アルザス出身の数学者であり、哲学者であるR・A・シュヴァレ・ド・ルービッチ(1891年-1962年)」(R. A. Schwaller de Lubicz)、
 「『シンボル主義者』と呼ばれたルービッチによる古代エジプトの解釈」、
 「シュヴァレの研究を理解する鍵となる全三巻の大作『人類の神殿(Le Temple de l'Homme)』」、
 「この『天空の蛇』は、エジプト学に対するシュヴァレの過激な考えを徹底的に検討し、紹介するために、一般読者向けに書かれたものである」(以上「はしがき」1ページ目)。


Rosemary Clark, The Sacred Tradition in Ancient Egypt. The Esoteric Wisdom Revealed, Llewellyn Publications, Woodbury, Minnesota, 2000
『古代エジプトにおける聖なる伝統』
聖なる科学/宇宙論/聖なる天文学/神的な家/死者の家/神殿の主たち/通過儀礼など、
456ページ。

………………………

 古代エジプト以降のイメージとしてのエジプトについて;

プルタルコス、柳沼重剛訳、『エジプト神イシスとオシリスの伝説について』(岩波文庫 青664-5)、岩波書店、1996

齋藤忍随、「悪霊テューポーンⅠ イーシス・オシーリス神話」、『エピステーメー』、vol.4 no.2、1978.2、「特集 風・プネウマ 生と死のスーユ」、pp.32-38

アプレイウス、呉茂一訳、『黄金のろば』(上下巻)(岩波文庫 赤118-1/118-2)、岩波書店、1956/1957

 また;

ヘロドトス、松平千秋訳、『歴史』(上)(岩波文庫 青 405-1)、岩波書店、1971、

 巻二(エウテルペの巻);カンビュセスのエジプト遠征でエジプトの風習と宗教が詳述されています。

大貫隆訳、『キリスト教教父著作集 第19巻 ヒッポリュトス 全異端反駁』、2018、pp.139-141:第4巻43-4~44

 占星術についての項(2)の中でエジプト人のものとされる数秘学的宇宙開闢論が記されています。pp.150-151:第4巻51、pp.242-243:第6巻21~23も参照。

Sarolta A. Takáks, Isis & Sarapis in the Roman World, (Religions in the Graeco-Roman World. vol.124), E.J.Brill, Leiden, New York & Koln, 1995
『ローマ世界におけるイシスとセラピス』
後期共和国/各国/ライン地方/ドナウ地方など、
236ページ。

………………………

亀谷学、「ピラミッドという驚異」、山中由里子編、『〈驚異〉の文化史 中東とヨーロッパを中心に』、2015、pp.306-316
ピラミッドの驚異性/ピラミッドへのアプローチ/中世イスラーム世界のピラミッド学の集大成

Jean Leclant, “En quête de l'egyptomanie”, Revue de l'Art, no.5, 1969, pp.82-88.
「エジプト・マニアを探して」

Brian A. Curran, Anthony Grafton, Pamela O. Long, and Benjamin Weiss, Obelisk. A History, Burndy Library, Cambridge, Massachusetts, 2009
『オベリスク ある歴史』
序/古代エジプトの聖なるオベリスク/ローマの諸オベリスク/生き残り、再生、変容:中世からルネサンスへ/盛期ルネサンス:古の智恵と至上権/ヴァティカンのオベリスクを動かす/石を変化させる:エジプト学、古物趣味と魔術/バロック的読解:アタナシウス・キルヒャーと諸オベリスク/威光:現実的で妄想的な/18世紀:新たな視野/ナポレオン、シャンポリオンとエジプト/クレオパトラの針:ロンドンとニューヨーク/20世紀、そして、など、
384ページ。


 →こちらで触れました:「四角錐と四つの球」の頁
 後になって出くわした本で、同じ頁のすぐ後に付け加えたのが;


ラビブ・ハバシュ、吉村作治訳、『エジプトのオベリスク』、六興出版、1985
原著は Labib Habachi, The Obelisks of Egypt. Skyscrapers of the Past, 1977
序/未来へのタイムカプセル/神秘に包まれた建立法/ピラミッドを支える思想/神の都の金字塔/輝く新都の護り神/海を渡ったオベリスク/現代の摩天楼の中に//
文献/解説 - あちがきにかえて -(吉村作治)など、
232ページ。


 →そちらでも触れました:「怪奇城の図面」の頁
 なお本書を知ったのは芦辺拓『綺想宮殺人事件』(2010)によってでした(p.373)


有田忠郎、「イシス変幻」、『ユリイカ』、vol.15 no.69、1983.6:「特集 神秘主義」、pp.42-47

荒俣宏、『99万年の叡智 近代非理性的運動史を解く』、1985、pp.48-63:「第1部2 エジプトの魔力」
西洋文明の故地はどこだ/ヒエログリフ=暗号装置/流行するエジプト/勝利のモニュメント

 また;

荒俣宏編著、『エジプト大遺跡 Fantastic Dozen 3』、リブロポート、1990
『エジプト誌』-ナポレオンと古代の復活//
考古学篇;アスワン周辺/テーベ周辺/デンデラ周辺/ベニ・ハッサン周辺/メンフィス周辺/古代遺物//
博物学篇;哺乳類/両生・爬虫類/魚類/水生無脊椎動物/植物など、
160ページ。


 同じ著者による→こちらも参照:「魔術、神秘学、隠秘学など」の頁の「通史など

三宅理一、『エピキュリアンたちの首都』、1989、「第3章 エジプト復活」

 また、

空想の建築 - ピラネージから野又穫へ - 展』図録、町田市立国際版画美術館、2013、「Ⅰ 空想の古代 Part 1 エジプトへの憧憬」

 も参照。

ユルギス・バルトルシャイティス、有田忠郎訳、『イシス探求 バルトルシャイティス著作集 3』、国書刊行会、1992
原著は Jurgis Baltrušaitis, La quête d'Isis, 1967/1985
フランス革命期におけるエジプトの神統系譜説/歌劇とフリーメーソンのエジプト/パリの最初の歴史家ジル・コロゼのイシスたち/フランスのイシスたちとアピス/ゲルマニアのイシス/ゲルマニア・イタリアのオシリス/東インドのエジプト/中国のエジプト/西インドとイングランドのエジプトなど、
434ページ。


 →こちらで少し引用しました:「四角錐と四つの球」の頁
 バルトルシャイティスについては→そちらも参照:「バロックなど(17世紀)」の頁の「キルヒャー」の項


マリオ・ペルニオーラ、岡田温司・金井直訳、『エニグマ エジプト・バロック・千年終末』、ありな書房、1999
原著は Mario Perniola, Enigmi. Il momento egizio nella società e nell'arte, 1990
千年終末の謎;秘密・襞・謎/鏡としてのヴィデオ・カルチャー/「もの」の文化に向けて/ヴァーチャリティと完全さ/芸術・時間・空間//
バロックの謎、ネオ・バロックの謎;バロック・表現主義・非表現主義/バルタザル・グラシアンにおける戦略的な美と謎の才能//
イタリアの謎;20世紀イタリア絵画の謎と陶酔/イタリア的感受性の謎など、
208ページ。

ジャン・リシェ、「ロマン派のイシス 母=妻の神話 ヘレネ、ソフィア、マリア」、『世界神話大事典』、2001、pp.863-864

田中純、『冥府の建築家 ジルベール・クラヴェル伝』、2012

 とりわけⅡ 第6章中の4節目「『造形的価値』への寄稿3 『エジプトの表現』」(pp.280-289)など

伊藤博明、「キルヒャーとオベリスク」、『19世紀学研究』、vol.9、2015.3;「[特集] アタナシウス・キルヒャー」

 エジプトに材を得たフィクションも;


テオフィル・ゴーチエ、小柳保義訳、「クレオパトラの一夜」、『魔眼』(現代教養文庫 1391)、社会思想社、1991

  同、 田辺貞之助訳、 「ミイラの足」および「ミイラ物語」、『ミイラ物語 世界幻想文学体系 7』、国書刊行会、1975

原著はそれぞれ Théophile Gautier, ‘La nuit de Cléopâtre’, 1838/ ‘Le pied de momie’, 1840/ ‘Roman de la momie’, 1857

レオポルド・ルゴーネス、大西亮訳、「アラバスターの壺」、『アラバスターの壺 女王の瞳 ルゴーネス幻想短篇集』(光文社古典新訳文庫 K Aル 3-1)、光文社、2020、pp.77-103
  同、 「女王の瞳」、 同上、pp.105-148

原著はそれぞれ Leopoldo Lugones, ‘El vaso de alabastro’, 1923/ ‘Los ojos de la reina’, 1923
なお両作は続きものになっています。

 『死者の書』といえばエジプトのもの、チベットのものとともに折口信夫『死者の書』(1939/1943)が思い浮かびますが、また;

川端康成、「死者の書」(1928)、『水晶幻想・禽獣』(講談社文芸文庫 か-F2)、講談社、1992、pp.59-89

 上の文庫版に掲載された羽鳥徹哉「作家案内 - 川端康成」によると、

「人間救済を目指す川端は、文学書だけでなく、聖書や仏典、当時出ていた世界聖典全集の中のエジプトの『死者の書』、インドの『リグ・ヴェーダ』等の他、フラマリオンやロッジの心霊学関係の本を熱心に読んだ」

 とのことです(p.306。
東雅夫編、『川端康成集 片腕 文豪怪談傑作選』(ちくま文庫 ふ 36-1)、筑摩書房、2006、編者「解説 心霊と性愛と」、
また
仁平政人、「川端康成における心霊学とモダニズム」、坂井セシル他編、『川端康成スタディーズ 21世紀に読み継ぐために』、笠間書院、2016、pp.96-105
も参照)。同文庫版所収の「抒情歌」(1932)でもそうした文献が引きあいに出されます
(『川端康成集 片腕 文豪怪談傑作選』の最後に収められた未発表の「時代の祝福」(1927頃)も参照)。

 さて、川端の「死者の書」には冒頭近くと末尾近くの二箇所で、エジプトの『死者の書』から引用されるのですが、これは上掲世界聖典全集版田中達訳版(1930;初版は1920)より引かれたものでした;

「我は形なき物体より存在するに至れり……(後略)」(pp.62-63)

 は上巻、「日中出現の諸章」第83章、pp.255-256

「汝は自ら純潔の上衣もて己れの身を纏う……(後略)」(p.89)

 は下巻、同第172章6、p.176

 なお上の文庫版では二つめの引用中、三つめの文「腰の肉は汝の」に続く文字は漢字の「力(ちから)」のようにも見えますが、田中達訳版では片仮名の「カ」で、〈バ〉とともに古代エジプトの霊魂観の重要な概念です(ちなみに「腰の肉」中の「の」は入らない。「えうにく」とルビ)。

 戻って折口信夫『死者の書』と田中達訳『埃及死者之書』の関係については、
安藤礼二、『光の曼陀羅 日本文学論』、講談社、2008
 所収の
「『死者の書』の謎を解く」(p.318)
 や
「光の曼陀羅 『初稿・死者の書』解説」(pp.399-401、また pp.406-412)
 などを参照

 やはり『死者の書』に言及するのが;

アルジャノン・ブラックウッド、紀田順一郎・桂千穂訳、「炎魔」、『妖怪博士ジョン・サイレンス』(角川ホラー文庫 509-1)、角川書店、1994、pp.171-286
原著は Algernon Blackwood, “The Nemesis of Fire”, John Silence, Physician Extraordinary, 1908

 邦訳は1976年刊本の文庫化
 ブラックウッドについて→こちらも参照:「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「ブラックウッド」の項
 ちなみにそこでも挙げた
ブラックウッド、南條竹則訳、『人間和声』(光文社古典新訳文庫 K Aフ 9-2)、光文社、2013
 の訳者解説によると、ブラックウッドには、長篇『波 - エジプトの後日談』(1916)や中篇「砂」などの「一連のエジプト物」(p.364)があるとのことです。

中島敦、「木乃伊(ミイラ)」、『中島敦全集 1』(ちくま文庫 な 14-1)、筑摩書房、1993、pp.19-26
 4篇からなる「古譚」中の一。初出は1942

 「文字禍」ともども、この短篇について知ったのは澁澤龍彦、『思考の紋章学』、1977、「円環の渇き」ででした(pp.198-200 )。


中島敦、「セトナ皇子(仮題)」、『中島敦全集 3』(ちくま文庫 な 14-3)、筑摩書房、1993、pp.323-326
 遺稿。執筆時期不明。初出は1959

 同じ著者による→こちらを参照:「メソポタミア」の頁の「おまけ

竹宮恵子、『ファラオの墓』(全8巻)(フラワーコミックス)、小学館、1975-1976

石ノ森章太郎、「ファラオ・ウイルス編」、『サイボーグ009 20 未来都市(コンピュートピア)編』(秋田文庫 5-20)、秋田書店、1996
 初出は1980

 石ノ森章太郎について→こちらも参照:「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「xxiii. 日本の漫画、アニメーションその他


ロバート・ブロック、柿沼瑛子訳、「猫神ブバスティス」、『暗黒界の悪霊』(ソノラマ文庫海外シリーズ 15)、1985

  同、 同、「セベク神の呪い」、同

  同、 同、「顔のない神」、同

  同、三宅初江訳、「暗黒のファラオの神殿」、大瀧啓裕編、『クトゥルー 3 暗黒神話体系シリーズ』、青心社、1989

原著はそれぞれ Robert Bloch, ‘The Brood of Bubastis’,1937 / ‘The Secret of Sebek’,1937 / ‘The Faceless God’,1936 / ‘Fane of the Black Pharaoh’, 1937

 同じ著者による→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「xix. ラヴクラフトとクトゥルー神話など
 また次の2点や後掲の黒史郎『未完少女ラヴクラフト 2』とあわせて、ラヴクラフトとクトゥルー神話について→そちらを参照:同上


H.P.ラヴクラフト、大瀧啓裕訳、「ナイアルラトホテップ」、『ラヴクラフト全集 5』(創元推理文庫 523-5)、東京創元社、1987、pp.31-37
原著は H. P. Lovecraft, “Nyarlathohotep”, 1920

H.P.ラヴクラフト、大瀧啓裕訳、「ファラオとともに幽閉されて」、『ラヴクラフト全集 7』(創元推理文庫 F ラ-7)、東京創元社、2005、pp.169-210
原著は H. P. Lovecraft, “Imprisoned with the Pharaohs”, 1924

ティム・パワーズ、大友墨人訳、『アヌビスの門』(上下巻)(ハヤカワ文庫FT FT181/FT182)、早川書房、1993
原著は Tim Powers, The Anubis Gates, 1983

 解説の中村融「パワーズの出世作」は、〈エジプトマニア〉の概観ともなっています(下巻、pp.389-394)。
 同じ著者による→こちら(「アメリカ大陸など」の頁の「おまけ」)や、またそちら(『フランケンシュタイン』(1931)の頁の「おまけ」)も参照


荒木飛呂彦、『ジョジョの奇妙な冒険 8 Part 3 スターダストクルセイダース 1』(集英社文庫(コミック版) あ 41-10)、集英社、2002 ~ 『ジョジョの奇妙な冒険 17 Part 3 スターダストクルセイダース 10』(あ 41-19)、2002
1989~1992年連載、同1989~1992年コミックス版刊本の文庫化

 同じ著者による→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「xxiii. 日本の漫画、アニメーションその他


新熊昇、『アルハザードの遺産』、青心社、1994、pp.165-232:「三 カルナクの棺

 プトレマイオス一世治下のアレクサンドリアを出発点に、マネト(マネトーン→こちらを参照:「メソポタミア」の頁)が主人公をつとめ、あまつさえミイラと化しては復活、クライマックスは怪獣ものです。

アン・ライス、広津倫子訳、『ザ・マミー』(上下巻)(徳間文庫 ラ5-7/ラ5-8)、徳間書店、1997
原著は Ann Rice, The Mummuy, 1989

エンキ・ビラル、貴田奈津子訳、『不死者のカーニバル ニコポル三部作 1』、河出書房新社、2000

  同、 『罠の女 ニコポル三部作 2』、同、2000

  同、 『冷たい赤道 ニコポル三部作 3』、同、2001

原著は Enki Bilal, La foire aux immortels, 1990 /
 La femme piège, 1980 /
 Froid équateur, 1992


 三部作の 1 と 2 を映画化したのが


『ゴッド・ディーバ』(エンキ・ビラル監督、2004、原題;Immortel, ad vitam

 同じ著者による→こちらを参照:「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「おまけ

山岸凉子、『ツタンカーメン』(全3巻)(潮漫画文庫)、潮出版社、2002

  同、 「イシス」および「ハトシェプストⅠ/Ⅱ」、『イシス』(潮漫画文庫)、潮出版社、2003

 山岸凉子について→こちらも参照:「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「xxiii. 日本の漫画、アニメーションその他

篠田真由美、『聖なる血』(NON NOVEL)、祥伝社、2004

 『龍の黙示録』シリーズの第4巻。舞台は現代の日本ですが、いろいろとエジプト・ネタが出てきます。ちなにシリーズ第7巻

篠田真由美、『魔道師と邪神の街 魔都トリノ』(NON NOVEL)、祥伝社、2007

 では、ヘルモポリス八柱神が一、アモンの連れあいアマウネトなんて名前が飛びだしました(p.360、p.368。またp.351も参照)。そういえば→こちらに挙げた

篠田真由美、『イシュタルの子』(廣済堂文庫 784 し10-1)、廣済堂出版、1999

 では同じくヌウの連れあいナウネトの名が登場します(p.355、pp.401-402)。


 などをはじめとして、あまたあるものと思われ、またユニヴァーサルの古典

 『ミイラ再生』(1932、監督カール・フロイント)

からハマー・プロの

 『ミイラの幽霊』(1959、監督テレンス・フィッシャー)

を経て、

 『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』(1999、監督スティーヴン・ソマーズ)

などにいたる一連の〈呪いのミイラ〉ものも忘れてならないところですが
(石上三登志、「怪奇城の伝説 5 イム・ホ・テップの禁断世界」、『吸血鬼だらけの宇宙船 怪奇・SF映画論』、奇想天外社、1977、pp.238-247;
 ジョン・ランディス、アンフィニジャパン・プロジェクト訳、『モンスター大図鑑』、ネコ・パブリッシング、2013、pp.122-129
など、また→こちらも参照:『ミイラの復活』(1940)の頁)、
宇宙論的なイメージと交差するものとしては先に挙げた中島敦「セトナ皇子(仮題)」とともに;

長岡良子、『ナイルのほとりの物語』(全11巻)(ボニータコミックス)、秋田書店、1993-1998

 第9巻から最終巻までの「VOL.17 天空の神話」で主人公は、ヘロドトスを連れに、「天命の書」を求めてエジプトからメソポタミアへと時間を超えて旅し、宇宙の実相を垣間見ることになります。

こちら(「メソポタミア」の頁の「おまけ」)や、そちら(「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「xxiii. 日本の漫画、アニメーションその他」)、またあちら(「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「おまけ」)にも挙げておきます

 ヘロドトスについては→ここ(「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「xii. その他」)と→そこ(本頁本項の上掲箇所

 〈ディスク・ワールド〉シリーズから

テリー・プラチェット、『ピラミッド』、1999

 ミイラも復活します。

神林長平、『ラーゼフォン 時間調律師』(徳間デュアル文庫)、徳間書店、2002

 出渕裕監督のアニメーション『ラーゼフォン』(2002)のノヴェライズならぬ「シェアワールド・ノベル」(カヴァー裏表紙)、256ページ。参考文献として上掲『図説 エジプトの「死者の書」(ふくろうの本)』が挙げられています。

 同じ著者による→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅵ」の「神林長平」の項

 →そちらにも挙げておきます:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「おまけ

高野史緒、『ラー』(ハヤカワSFコレクション Jシリーズ)、早川書房、2004

 同じ著者による→こちら(「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「おまけ」)や、またあちら(「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「おまけ」)を参照

ニール・ゲイマン、金原瑞人・野沢佳穂訳、『アメリカン・ゴッズ』(2001)、2009

 さまざまな文化圏の神々とともに、トト、アヌビス、バステト、ホルスといったエジプトの神々も登場、〈死後の審判〉の場面もあります。
 同じところ、および→こちらで挙げた(「ロマン主義、近代など(18世紀末ー19世紀)」)の頁の「ハイネと〈流謫の神々〉その他」)

マイケル・スコット、橋本恵訳、『錬金術師(アルケミスト)ニコラ・フラメル』、2007

 を始めとする全6巻の連作にも、バステト、オシリス、イシスなどが登場します。

黒史郎、『未完少女ラヴクラフト 2』、2013

 ブバスティスが顕現します。


『キング・オブ・エジプト』、2016、監督:アレックス・プロヤス
原題は Gods of Egypt

 ホルスとセトの争いを主軸に、オシリス、イシス、ネフティス、ハトホル、トト、アヌビス、さらにラーとその舟、アポフィスまで登場します。
 監督のプロヤスは『スピリッツ・オブ・ジ・エア』(1989)、『ダークシティ』(1998)で一部のファンから大いに期待され続けているのでした
 (『スピリッツ・オブ・ジ・エア』について→こちらでも挙げました:「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「諸星大二郎」の項、
   『ダークシティ』について→そちらでも触れました:「怪奇城の地下」の頁)。

 美術の方面からは、モローの《ナイル河に捨てられたモーセ》を挙げておきましょう。

モロー、《ナイル河に捨てられたモーセ》、1878
ギュスターヴ・モロー
《ナイル河に捨てられたモーセ》
1878年


* 画像をクリックすると、拡大画像とデータが表示されます。 
 ちなみに、

Kansas, Leftoverture, 1976
(邦題;カンサス、『永遠の序曲』)(1)

 4枚目のB面最後の曲
“Magnum Opus”(「超大作」、8分26秒)の冒頭を聞くといつも、古いハリウッド映画で見たであろう場面、ピラミッドを造営するため奴隷たち(?)が巨大な石を押していて、監視役(?)が鞭を鳴らす、といった情景が思い浮かぶのですが、曲のタイトルが言及しているであろう(?)ヨーロッパの錬金術が、その初期においてエジプトと結びつくと見なされていたこと以上の関連はなさそうなのでした。 
1. 舩曳将仁監修、『トランスワールド・プログレッシヴ・ロック DISC GUIDE SERIES #039』、シンコーミュージック・エンターテイメント、2009、p.16。
 →こちら(「インド」の頁の「おまけ」)や、またそちら(「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「おまけ」)も参照

 ところでこの曲は、

Pavlov's Dog
のセカンド・アルバム At the Sound Of Bell (1976、邦題;パブロフス・ドッグ『条件反射』)(2)
 B面ラスト
“Did you see him cry”(邦題;「孤独の涙」)や
2. 同上、p.20。『ストレンジ・デイズ』、no122、2010.1、「デヴィッド・サーカンプ〈パヴロフス・ドッグ」、p.31。

 →こちら:「北欧、ケルト、スラヴなど」の頁の「おまけ」、またジャケットのイメージに関して→そちら(「怪奇城の高い所(後篇) - 塔など」の頁)でも触れました。
Starcastle のセカンド・アルバム Fountains of Light (1977、邦題;スター・キャッスル『神秘の妖精』)(3) 3. 同上、p.23。

 →こちら(「近代など(20世紀~) Ⅱ」の頁の「おまけ」)でも触れました。
 とあわせて、ころころ曲相が変わりつつ、各ころころはリフでできているという、

ジェントル・ジャイアント(→こちらを参照:「ルネサンス、マニエリスムなど(15~16世紀)」の頁の「おまけ」)



初期の
PFM(→そちら(「日本 Ⅱ」の頁の「おまけ」)や、あちら(「ルネサンス、マニエリスムなど(15~16世紀)」の頁の「おまけ」)を参照)

に通じる曲作りが、アメリカのバンドによってもなされていることを教えてくれたものです(これら今でいうシンフォニック系とは別に、
Frank Zappa and the Mothers of Invention, One Size Fits All (1975、邦題;フランク・ザッパ&ザ・マザーズ・オブ・インヴェンション『ワン・サイズ・フィッツ・オール』)(4)

 というのもありましたし、さらにさかのぼって
4. 岸野雄一、「フランク・ザッパ ディスコグラフィー」、『ユリイカ』、vol. 26 no.5、1994.5:「特集 フランク・ザッパ 越境するロック」、p.237。
 舩曳将仁監修、前掲書、p.12。和久井光司、『フランク・ザッパ キャプテン・ビーフハート ディスク・ガイド』(レコード・コレクターズ2月増刊号)、2011、pp.66-67。

 このアルバムから→こちら(「アメリカ大陸など」の頁の「おまけ」)を、
 また、→そちら(「原初の巨人、原初の獣、龍とドラゴンその他」の頁の「おまけ」)、
またあちら(「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「おまけ」)、
ここ(「中央アジア、東アジア、東南アジア、オセアニアなど」の頁の「おまけ」)、
そこ(「日本 Ⅱ」の頁の「おまけ」)、
あそこ(『ウルトラQ』第9話「クモ男爵」'1966)の頁の「おまけ」)、
こっち(「近代など(20世紀~) Ⅱ」の頁の「v. ルーディ・ラッカーなど」中の『時空ドーナツ』(1981)のところ)
も参照
Chicago, Chicago ( 1970、邦題;シカゴ、『シカゴⅡ(シカゴと23の誓い)』)(5)

 所収の
“Ballet for a Girl in Buchannon”(邦題;「バレエ・フォー・ア・ガール・イン・バキャノン」)なんてのもあったのですが)。 
5. 『ストレンジ・デイズ』、no.119、2009.10、「シカゴ アルバム解説」、p.101。

 さて、話を戻せば、
アラン・パーソンズ・プロジェクトにアルバム『ピラミッド』(1978)(6)
があり、
アース・ウィンド・アンド・ファイアー
にもエジプトに関わるイメージがあったかと思いますが、レコードが手もとにないのでおくとして、ここでは
6. 大鷹俊一監修、『ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・プログレッシヴ・ロック』、音楽之友社、1999、p.21。
 大鷹俊一監修、『レコード・コレクターズ増刊 プログレッシヴ・ロック』、2010、p.103。
 立川芳雄、『プログレッシヴ・ロックの名盤100』、リットーミュージック、2010、p.121。
 →こちらも参照:『アッシャー家の末裔』(1928)の頁の「おまけ

Utopia, RA, 1977(邦題;ユートピア、『太陽神』)(7)

 を挙げておきましょう。アルバム全体が太陽神ラーをテーマにしているわけではなさそうですが(B面1曲目は「ヒロシマ」)、裏ジャケットにはメンバー4人が古代エジプト風の衣装を着て、ピラミッド型に配された写真を載せ、さらに4人の顔がピラミッドの各面を占める切り抜き付録までついていました。歌詞を見ると、A面1曲目、バーナード・ハーマンの
“Overture: Mountain Top and Sunrise”から地続きでつながる“Communion with the Sun”は、文字どおりラー讃歌となっています。
 
7. 舩曳将仁監修、前掲書、p.85。
 同じタイトルのアルバムが

Eloy, RA, 1988(邦題;エロイ、『輪廻』)(8)

 ドイツのバンドの14枚目とのことですが、『2001年宇宙の旅』(1968、監督:スタンリー・キューブリック)のラストを思わせるジャケット表、左遠景に白いピラミッドが描かれていました。歌詞は直接エジプトの太陽神に触れているわけではなく、最後の曲の最後に「(老子)」となっていたりします。
8. 『ジャーマン・ロック集成 ユーロ・ロック集成2』、マーキームーン社、1994、p.189。
 
 また、

Popol Vuh, In den Gärten Pharaos, 1972 (邦題;ポポル・ヴー、『ファラオの庭で』)(9)

 アコースティックな楽器がメインになる前で、まだムーグ・シンセサイザーが用いられていたセカンド・アルバム。LPであればA面全部を占めていたであろうタイトル曲では、オルガンやシンセサイザーのポワーンという響きに、サード・イアー・バンドと比べられなくもなさそうなパーカッションがからみ、やがてエレクトリック・ピアノが加わるのでした。ちなみにやはりB面で1曲の
‘vuh’は、波のように揺れるパイプ・オルガン風の響きがひろがる、教会音楽を思わせなくもない曲です。
9. 『ジャーマン・ロック集成 ユーロ・ロック集成2』、マーキームーン社、1994、p.77。
 小柳カヲル、『クラウトロック大全』(ele-king books)、Pヴァイン、2014、p.152。
 
 

 ポポル・ヴーに通じるところがなくもないのが;

Third Ear Band, Alchemy, 1969(→こちらを参照:「錬金術など」の頁の「おまけ」)

 のB面1曲目
"Egyptian Book of the Dead"

Slapp Happy, Sort of, 1972(→こちらを参照:「日本 Ⅱ」の頁の「おまけ」)

 のA面5曲目
“Tutankhamun”

Kate Bush, Never for Ever, 1980

 よりA面ラスト、
“Egypt”(→こちら:「北欧、ケルト、スラヴなど」の頁の「おまけ」や、
そちら:「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「おまけ」、
またあちら:『バンパイア・ラヴァーズ』(1970)の頁の「おまけ」、
ここ(「近代など(20世紀~) Ⅱ」の頁の「おまけ」)も参照)

Captain Beefheart and the Magic Band, Doc at the Radar Station, 1980(10)

 時たまメロトロンが鳴り響く11枚目、A面5曲目"Sue Egypt"、2分56秒。この曲でも中間部と末尾でメロトロンが弾かれます。'Sue'というのは女性の名前なのでしょうか?
10. マイク・バーンズ、茂木健訳、『キャプテン・ビーフハート』、河出書房新社、2006、pp.301-311。
 和久井光司、『フランク・ザッパ キャプテン・ビーフハート ディスク・ガイド』(レコード・コレクターズ2月増刊号)、2011、p.155。

 同じアルバムから→こちら(「中国 Ⅱ」の頁の「おまけ」)や、そちら(『吸血鬼』(1932)の頁の「おまけ」)を参照
 別のアルバムから→あちらを参照:「マネ作《フォリー・ベルジェールのバー》と絵の中の鏡」の頁の「おまけ
 

Tuxedomoon, Holy Wars, 1985

 よりB面ラスト、
“Egypt”(→こちらも参照:「アメリカ大陸など」の頁の「おまけ」)
 この曲はグループのメンバーのソロ・アルバム

Steven Brown, Music for Solo Piano (or Solo Piano Music), 1984
 でも演奏されています(→そちらも参照:「中国 Ⅱ」の頁の「おまけ」)。 

 次のバンドは一貫してエジプトをテーマにしているとのことですが、とりあえず手元にある;

Nile, Black Seeds of Vengeance, 2000(→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「おまけ」)

Voivod, The Outer Limits, 1993

 カナダのプログレ成分いりメタル・バンドの7枚目より4曲目、
"The Nile Song"、4分0秒。
 ピンク・フロイドのサウンド・トラック・アルバム『モア』(1969)からのカヴァーとのこと(未聴)。


Return to Forever, featuring Chick Corea, Where Have I Known You Before, 1974(チック・コリア・アンド・リターン・トゥ・フォーエヴァー、『銀河の輝映』)(→こちらも参照:「通史、事典など」の頁の「おまけ」)

 4枚目にして、ジャズ・ロックないしプログレ色の濃くなった第2期の2枚目、掉尾を飾るのは
"Song to the Pharoah Kings"(「ソング・トゥ・ザ・ファロア・キングズ」)、14分25秒。
 タイトル中の
"pharoah"は、英語版ウィキペディアの該当ページ(→こちら)や Discogs の該当ページ(→そちら)などでは"pharaoh"となっており、その後訂正されたのかどうかは詳らかにしません。 Wiktionary では"pharoah"(→あちら)は"Misspelling of pharaoh"とのことですが、フリー・ジャズ系のサックス奏者ファラオ・サンダース Pharoah Sanders をはじめとして、この綴りの人名や地名はいくつもあるようです。
 器楽曲ですが、ともあれエジプトの神皇のことらしいということで、挙げておきましょう。


Septicflesh, Communion, 2008

 ギリシアのシンフォニック・デス・メタル・バンド、7枚目の2曲目が "Anubis"、4分17秒。
 同じアルバムから→こちら(「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「おまけ」)を参照

 
 日本のバンド

ミスター・シリウス、『ダージ』、1990(10a)

 6曲目「ナイルの虹」は6部構成、21分24秒の大曲です。
10a. ヌメロ・ウエノ、たかみひろし、『ヒストリー・オブ・ジャップス・プログレッシヴ・ロック』、マーキームーン社、1994、pp.192-194。
 舩曳将仁監修、『トランスワールド・プログレッシヴ・ロック DISC GUIDE SERIES #039』、シンコーミュージック・エンターテイメント、2009、p.173。

 さらに、アルバムまるまる捧げたのが;

アルスノヴァ、『死者の書 Reu nu oert em hru』、1998/2006(11)

 曲目を挙げておくと

"Prologue: Re",
"ANKH",
"Interlude 1 : Horus",
"The 42 Gods",
"Interlude 2 : Anubis",
"Field of laru",
"Interlude 3 : Thoth",
"The Judgement of Osiris",
"Interlude 4 : Shu",
"Ani's Heart and Maat's Feather",
"Epilogue : Hapi"

 (手もとの再発版にはボーナス・トラックとして
"Succubus 2005"が収録)。歌無しのキーボード中心のバンドです。
 ライヴ・アルバム


アルスノヴァ、Force for the Fourth "Chrysalis"、2005/2008(12)

 に
"The 42 Gods"が入っています。
 また


アルスノヴァ、Lacrimaria、2001/2006

 は既存の作品を集めた編集版ですが、3曲目が"ISIS"で、『黄泉の国の女神達』(→こちらも参照:「インド」の頁の「おまけ」)のフランス版に収録されていたとのこと。
11. 『ユーロ・ロック・プレス』、vol.28、2006.2、pp.9-11。
 舩曳将仁監修、『トランスワールド・プログレッシヴ・ロック DISC GUIDE SERIES #039』、シンコーミュージック・エンターテイメント、2009、p.146。
 Cf., ヌメロ・ウエノ、たかみひろし、『ヒストリー・オブ・ジャップス・プログレッシヴ・ロック』、マーキームーン社、1994、p.60。


12. 『ユーロ・ロック・プレス』、vol.40、2009.2、pp.58-59。

 もう一つ日本のバンドでもう一つ「イシス」;

G-Schmitt, gArNeT, 1988

 LP(フル・アルバム)としては1枚目、そのB面ラスト、"ISIS (Darkness)"、5分23秒。
 (→こちらもを参照:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「おまけ」)
 
 こちらも日本のバンド、

アフター・ディナー、『パラダイス・オブ・レプリカ/パラダイス・オブ・リミックス』、1989/2000(13)

 2枚目に4組のアーティストによるリミックス・ヴァージョンを加えたCDの8曲目(もとのLPではB面3曲目)
"KA-NO-PU-SU-NO-HA-KO"、7分54秒。歌詞カードによるとタイトルは「カノプスの箱」で、大英博物館にミイラを見に行くというお話です。
 「地下世界の地図を見つけ
  扉の奥の通路を抜ける」
と歌われます。
 
13. 『ユーロ・ロック・プレス』、vol.9、2001.5、p.16
 舩曳将仁監修、『トランスワールド・プログレッシヴ・ロック DISC GUIDE SERIES #039』、シンコーミュージック・エンターテイメント、2009、p.145。
 『オール・アバウト・チェンバー・ロック&アヴァンギャルド・ミュージック』、マーキー・インコーポレイティド株式会社、2014、p.234。
 Cf., 『フールズ・メイト』、no.24、November 1982、p.60。
 
 またまた日本のバンド

PARA, X-GAME, 2006(→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅱ」の頁の「おまけ」)

 1枚目の3曲目が
"Systrum"、器楽曲、10分56秒。
 〈シストルム〉は古代エジプトで用いられた「ガラガラのような楽器」 『大英博物館 古代エジプト百科事典』、1997、p.221)。
 上掲のクリスチアヌ・デローシュ=ノブルクール、小宮正弘訳、『エジプト神話の図像学』(2001)の「Ⅳ 普遍的シンボルと母神」中には、「シストルムとメナト」(pp.98-99)、「アーチ型シストルム」(p.99)、「門型シストルム」(pp.107-109)、「門型シストルムの働き」(pp.111-113)という項がありました。
2013/04/30 以後、随時修正・追補 
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