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Ⅱ 洋書類など

iv. ナグ・ハマディ写本の発見以前など


 こちらも大よそ刊行年順で;

Wilhelm Bousset, Hauptprobleme der Gnosis, Neudruck der a. Auflage von 1907, Vandenhœck&Ruprecht in Gõttingen, 1973
『グノーシスの主要問題』
〈7〉と〈(メーテール)〉;グノーシス諸派の教義についての概観/7つの星の霊の表象のバビロニア宗教起源(サービア教徒、ミトラスの密儀)/主要問題、星神の悪霊化-〈7〉とマンダ教におけるルーハー/問題の解決、ペルシアの宗教の影響。後期ペルシア宗教における星の位置/マニ教の体系とピスティス・ソピアにおける捕らえられたアルコーン/ユダヤ教における〈7〉の教説の痕跡/まとめ//
〈母〉と〈知られざる父〉;〈母〉像。秘跡とその祈禱における支配的な描像。母への奉仕としての売春。マニ教の体系における第3の使者。ヘレーネー=セレーネー/知られざる父//
グノーシスの二元論;厳格に二元論的な体系-バシリデース、バルダイサンなど。ニコライ派の宇宙開闢論(サンクニアトン)。緩和され一元論的な改革-マルキオーン。ポイマンドレースなど。マンダ教。マニ教-グノーシス的二元論の起源/調停的な体系。〈
仲介者(メシテース)〉像(ミトラス)-セツ派、ペラテース派、ナハシュ派、ドケータイ、ヒッポリュトスによるバシリデース、大いなる宣教(アポパシス・メガレー)。ウァレンティノス派のホロス。マルキオン派。バルク書など/クレメンス文書とズルヴァーン主義における二元論的体系。クレメンスおよび類似の洗礼宗派におけるペルシア的なもの(ザラスシュトラ、フヴァルナー、拝火に対する論争)//
原人間;キリスト教的=グノーシス主義的表象、とりわけナハシュ派とクレメンス文書の体系において/マンダ教およびマニ教の教説/異教的グノーシス圏内での教説(ポイマンドレース、ナハシュ派、アッティスの密儀、プローティーノスのグノーシス派、ゾーシモスなど)/ユダヤ的表象(ピローン、ユダヤ教黙示文学、後代の思弁、メタトロン、エノク)/ペルシアの思弁/インドの影響(アヴァターラの教義)/まとめ/(類縁する神話)//
諸元素と位格;ペルシアの宗教における諸元素の崇拝。クレメンス文書、エルカサイ(7つの原料)、シモン派、マニ教など。位格内での諸元素の変容//
グノーシス的救済者像;緒言。マンダ教の体系における救済者像。真珠の歌。冥界行/救済者シモン。グノーシス的救済者の異教における手本。救済者とソピアー/原啓示と歴史的啓示//
密儀;概説/洗礼-水浴、封印、水を飲むこと、洗礼の効果/塗油/聖体拝領(コプト語グノーシス文書の秘跡)/グノーシス固有の秘跡-魂の上昇、新婦の部屋、とりわけ密儀祭の機会//
グノーシス的諸体系の起源;グノーシス的諸体系の基本教義/その他の諸理念(固有の二元論、原人間、三つ組-父、母、息子など)/錯綜した諸体系-バルベーロー・グノーシス、ウァレンティノス派、マニ教の体系-ピスティス・ソピア//
補説;ヤルダバオート/プタヒル/数72/人間論的二元論/ニムロドとザラスシュトラ/ザラスシュトラ=セツ/サマリアの洗礼宗派//
補足と訂正など、
404ページ
(手もとにあるのはコピー)。

 ブセットは〈宗教史学派〉に属する研究者とみなされています。
 同じ学派のライツェンシュタインの→こちらも参照:「ギリシア・ヘレニズム・ローマ」の頁の「iii. ヘレニズム、ローマの諸宗教とその周辺


Eugène de Faye, Gnostique et gnosticisme. Étude critique des documents du gnosticisme chrétien aux IIͤ et IIIͤ siècles, Ernest Leroux, Paris, 1913 / AMS Press, New York, 1978
『グノーシス主義者とグノーシス主義 2-3世紀のキリスト教グノーシス主義資料の批判的研究』
序論;問題/方法/グノーシス主義的諸派・結社の分類//
偉大なグノーシス主義者たちとその最初の弟子たち;バシリデース/ウァレンティノス/ウァレンティノスの弟子たち/マルキオーンとその弟子アペッレース//
『ピロソプーメナ』のグノーシス主義者たち/『ピロソプーメナ』のウァレンティノス/テオドトスの抜粋//
コプト語グノーシス主義文書;『ピスティス・ソピア』の諸文書/ブルース・パピルスの諸文書//
反異端論者のグノーシス主義者たち;マルコスとその信奉者たち/オピス派あるいはグノーシス派、区別と分類/反聖書的グノーシス主義者たち/〈母〉の信奉者たち/放埒主義的グノーシス主義者たち/グノーシス主義者たちと伝説//
グノーシス主義と諸グノーシス主義;グノーシス主義的体系の多様性/グノーシス主義の一体性/グノーシス主義の進化//
結論//附録;プローティーノスのグノーシス主義者たち/キリスト教文献におけるグノーシス主義者たち/バルダイサンなど、
484ページ
(手もとにあるのはコピー)。


Hans Leisegang, Die Gnosis, Fünfte Auflage, Alfred Kröner Verlag, Stuttgart, 1985
1924刊本の再刊
『グノーシス』
グノーシスの概念と起源/グノーシス思想/魔術師シモン/オピス派/バルベーロー・グノーシス派/バシリデースと彼に帰せられる宗派/カルポクラテース派/マルキオーン/ウァレンティノス/プトレマイオス/マルコス/ピスティス=ソピアなど、
414ページ。


 しばしば再録される「オピス派の図表」は著者が再構成したもので、p.20 の向かい面に掲載されています。
 「グノーシス諸派など」の頁の冒頭で記したように(→こちら)、種村季弘『悪魔禮拝』(1974)の p.46 で名を参照されていました。


F. C. Burkitt, D.D., Church & Gnosis. A Study of Christian Thought and Speculation in the Second Century. The Morse Lectures for 1931, Cambridge at the University Press, 1932 / AMS Press, New York, 1978
『教会とグノーシス 2世紀におけるキリスト教思想と思弁の研究』
序論;グノーシス/原始教会の信仰/パウロ/旧約聖書の問題//
哲学的グノーシス主義;占星術/
身体(ソーマ)(セーマ)/魔術/2種類のグノーシス的伝承/ウァレンティノス/バルベーロー・グノーシス主義者たち/バルベーローという名に関する註//
エジプトのグノーシス的諸作品;ピスティス・ソピア/人間について悩む神/マモン/アベラメントー/イェウの書/バシリデースとアブラクサス//
第4福音書-マンダ教とキリスト教;第4福音書と洗礼者ヨハネ/マンダ教徒たち/マンダ・ダイエーという語についての註//
教会と旧約聖書など、
166ページ
(手もとにあるのはコピー)。


 次の本はいわゆるグノーシス主義についてのものではなく、新約聖書周辺での〈グノーシス〉という用語についての解説です;

Rudolf Bultmann, translated and edited by J. R. Coates, Gnosis, (Bible Key Words from Gerhard Kittel's Theologisches Wörterbuch zum Neuen Testament), Adam and Charles Black, London, 1952
原著は1933年刊
『グノーシス(ゲルハルト・キッテルの『新約聖書神学用語事典』から聖書のキーワード)』
緒言(J.R.コウツ)//
ギリシア文献におけるグノーシス//
グノーシスの用法;
神の知識/贈り物/力//
旧約聖書//70人訳での用法(ゲオルク・ベルトラム)//
ユダヤ教の用法;ラビ文献等/ピローン//
初期キリスト教の用法;日常言語/旧約聖書の影響/グノーシスの影響;パウロ等、ヨハネ、マタイ 11-27//
後の展開//合成語等など、
82ページ。


Hans Jonas, Gnosis und spätantiker Geist. Erster Teil : Die mythologische Gnosis, Vandenhoeck & Ruprecht, Göttingen, 1988
『グノーシスと古代末期の精神 第1部:神話論的グノーシス』
初版は1934年
緒言(ルドルフ・ブルトマン、1934)/第2版への著者緒言、1954/第3版への緒言、1964//
研究の歴史と方法論//
神話論的グノーシス グノーシスのロゴス//
  グノーシスの現存在の姿勢;宇宙/
宿命(ヘイマルメネー)宿命(ヘイマルメネー)摂理(プロノイア)宿命(ヘイマルメネー)(プシューケー) 魂の素性、悪霊論、解放/補説 〈(プネウマ)〉の同義語、人間論的二段階性と三段階性/グノーシスの革命的要素 グノーシス的寓意、グノーシス的宿命論、世界の神々と世界の神、グノーシス的倫理、グノーシス的〈自己〉、グノーシス的な神/補説 プラトーン主義的言語の役割について、仮現論とギリシア憎悪//
  グノーシス的神話論と思弁;マンダ教の宇宙開闢論/イラン型-マニ教の救済劇/真珠の歌//シリア=エジプト型;一般的図式/男性原理グループ バルク書とその類例(三原理体系)、ポイマンドレースとその類例(原人間体系)/女性原理グループ 魔術師シモン、ウァレンティノス派体系への移行//ウァレンティノス派の体系//まとめと移行//
  グノーシスの新たなテクスト(第3版以降);ナグ・ハマディ文庫への所感/ナグ・ハマディのバルベーロー・グノーシス文書/ウァレンティノス派の『真理の福音』//
第3章2節「マニ教の救済劇」への補足など、
472ページ。

 ヒゲ文字です。


Hans Jonas, herausgegeben von Kurt Rudolph, Gnosis und spätantiker Geist. Zweiter Teil : Von der Mythologie zur mystischen Philosophie. Erste und zweite Hälfte, Vandenhoeck & Ruprecht, Göttingen, 1993
クルト・ルドルフ編、『グノーシスと古代末期の精神 第2部:神話論から神秘主義哲学へ』(前半・後半)
前半の初版は1954年(第2版:1966年)。未完
序論 客体化とその形態変異の問題について;神話の客体化/客体化としてのグノーシス神話/客体化の領野でのグノーシス概念/さまざまな実践的グノーシス概念//
グノーシスの領域における古代の(アレテー)〉概念の解決;ヘルメース文書における〈
(アレテー)〉/キリスト教グノーシス主義において/教区キリスト教における(アレテー)〉/マンダ教徒とマニ教によれば/アレクサンドレイアのピローンにおける(アレテー)〉//
終末(エスカトン)〉の先取りとグノーシス的(アレテー)〉概念の成立;教区キリスト教における〈神のグノーシス〉/ヘルメース主義における神観と完成/ミトラス教の典礼における〈アパタナティオスモス〉/密儀宗教における観想と完成/付記 密儀宗教における神話解釈の過程について//
アレクサンドレイアのピローンにおける神認識、観想と完成;理論的な神認識/神秘主義的な神認識//
2世紀から3世紀まで、あるいは:神話論的グノーシスから哲学的=神秘主義的グノーシスへ//
3世紀の体系-オーリゲネース;偉大な体系の同時代性(オーリゲネース、プローティーノス、マーニー)/原理論によるオーリゲネースの体系/原理論の体系のグノーシス的性格//
プローティーノスについての断片;編者前言//プローティーノスの世界に対する立場とグノーシスの世界拒否/プローティーノスの徳論-分析と批評/永遠と時についてのプローティーノス/グノーシス主義とプローティーノスにおける魂//
グノーシスという主題についての補説;グノーシスという現象の類型論的および歴史的定義/「真珠の歌」-ある象徴の事例研究、およびグノーシス主義のユダヤ起源の主張/グノーシス、実存主義とニヒリズムなど、
426ページ。

 223ページ(「3世紀の体系-オーリゲネース」)までヒゲ文字です。
 「第7章1節 グノーシスという現象の類型論的および歴史的定義」には英語からの邦訳があります;

ハンス・ヨナス、出村みや子訳、「グノーシス現象の射程 類型論的・歴史的アプローチ」、『現代思想』、vol.20-2、1992.2、「特集 グノーシス主義」、pp.70-82

 本書の普及版にあたるのが;

ハンス・ヨナス、『グノーシスの宗教』、1986


 2015年秋、邦訳が出ました!→こちらを参照:「グノーシス諸派など」の頁の『グノーシスと古代末期の精神』』(第一部・第二部)、2015
 邦訳の目次を見れば上の拙訳がいかにいい加減かよくわかります

Edwin Cyril Blackman, Marcion and His Influence, S. P. C. K., London, 1948 / AMS Press, New York, 1978
『マルキオーンとその影響』
序論//
マルキオーンの教会 附録;〈カトリック〉の語の用法について/エルンスト・バルニコル、『2世紀における教会の成立とマルキオーンの時代』/マルキオーンは洗礼において3部の祈りを用いたか?//
マルキオーンと新約聖書の正典;正典性の意味/新約聖書の諸文書の徐々なる正典化/マルキオーンの影響/他の影響因子/J.ノックス、『マルキオーンと新約聖書』//
マルキオーンと新約聖書のテクスト;マルキオーンの方法/マルキオーンのテクストの影響/マルキオーンの序言/反マルキオーン的序言/ラテン語のマルキオーン的新約聖書//附録;ラオディケア人への書簡/タティアノスとマルキオーン/マルキオーン的詩篇//
マルキオーンの二元論;マルキオーンの二元論の性質/ケルドンの影響/形而上学的ではないマルキオーンの二元論/テルトゥリアヌスの批判/比較点-ルターとカガワ(賀川豊彦)/マルキオーンとグノーシス主義者たち一般/マルキオーンと使徒信条//
マルキオーンのキリスト論//マルキオーンのパウロ主義//マルキオーンと新約聖書//
附録;マルキオーンのテクストは古ラテン語に影響を及ぼしたか?/マルキオーンのテクストは古シリア語に影響を及ぼしたか?、など、
188ページ
(手もとにあるのはコピー)。

v. ナグ・ハマディ写本の発見以降など

R. McL. Wilson, The Gnostic Problem. A Study of the Relations between Hellenistic Judaism and the Gnostic Heresy, A. R. Mowbray & Co. Limited, London, 1958
『グノーシス的問題 ヘレニズム・ユダヤ教とグノーシス的異端の関係の研究』
緒言/
離散のユダヤ教/アレクサンドレイアのユダヤ教とピローン/新約聖書時代におけるグノーシス主義とキリスト教/初期のグノーシス諸派/後期のグノーシス主義とキリスト教哲学者たち/2つのグノーシス文献原本-『ヨハネのアポクリュフォン』と『真理の福音』//
ユダヤ教とグノーシス主義;神の理念/世界の創造と本質/人間論/救済/救済者//
ディアスポラ、諸神混淆主義とグノーシス主義など、
286ページ。


 ウィルソンはグノーシス主義の形成におけるユダヤ教的要素の大きさを指摘するのですが、その手続きは慎重かつ堅実で、クロノロジーや各時期における用語の使用法について、それぞれの間に横たわる違いを等閑視して2世紀のグノーシス主義との関連を強調することには批判的で、キリスト教以前のユダヤ教グノーシス主義の存在を性急に仮定することもしません。ローマ世界の中での当時の状況に対する応答として、ユダヤ教および1世紀においてはあくまでその分派の1つであったキリスト教と、異教の哲学や密儀宗教との出会いが、グノーシス主義が生まれる土壌であると見なされます。ただその点ではピローン(第2章、〈ロゴス〉をはじめとする仲介者論が主に取り扱われる)、パウロ、クムラン宗団(第3章)なども同様で、それぞれの対応との違いから、さまざまなグノーシス諸派の姿を浮かびあがらせようとするのでした(第4-5章は教父文書から、第6章で当時公刊されていたナグ・ハマディ文書2点)。その上でユダヤ教からの貢献を見積もっていくわけですが、神学、仲介者論、創造論などに対し、救済論については異教哲学の立場に近いとされます。

Serge Hutin, Les gnostiques, (Que sais-je?, 808), Presses Universitaires de France, 1958/1978
『グノーシス主義者たち』
序論//
グノーシス主義的姿勢;救済する認識/人間の悲惨/宇宙開闢論と救済論/祭儀、儀礼と密儀/倫理/終末論//
グノーシス主義者たちの歴史;キリスト教以前およびキリスト教外のグノーシス主義/キリスト教グノーシス主義/マニ教と新マニ教/錬金術とグノーシス/イスラームにおけるグノーシス主義/グノーシス主義者の生き残り/当代のグノーシス主義的〈湧出〉//
結論など、
128ページ。

 著者のセルジュ・ユタンについては、同じ文庫クセジュで『英米哲学入門』(1959)、『錬金術』(1972)、『秘密結社』(1972)などが邦訳されています。
 また、→こちらも参照:「近代など(20世紀~) Ⅲ」の頁の「x. フランスから


Edited by Robert M. Grant, Gnosticism. A Source Book of Heretical Writings from the Early Christian Period, Harper & Brothers, New York, 1961/1978
『グノーシス主義 初期キリスト教時代の異端文献原典集』
序論//
最古のキリスト教グノーシスの諸体系;魔術師シモン/メナンドロス/サトルニノス/バシリデース/カルポクラテース カルポクラテース、義に関するエピパネース/ケリントス/エビオン派/ニコライ派/ケルドン/エンクラティス派とタティアノス/バルベーロー・グノーシス派/セツ=オピス派/カイン派//
コプト語で発見された初期グノーシス資料;マリアの福音書/ヨハネのアポクリュフォン//
2-3世紀の副次的な資料;オピス派の図表 ケルソスの記述、オーリゲネースの記述/ユスティノスによるバルク/エズニクによるマルキオーン派の教義/ナハシュ派の釈義 アッティスへの賛歌、ナハシュ派、アッティスへの賛歌の釈義、ナハシュ派の賛歌/真珠の歌//
バシリデースとイシドロス;バシリデースの体系/断片/イシドロス、バシリデースの息子 分割できない魂について、預言の
parchor の説明/倫理//
ウァレンティノスとその学派;書簡と説教(断片) 書簡、説教/真理の福音/プトレマイオスによるウァレンティノス派の体系 プレーローマ、プレーローマにおける擾乱と修復、境界の仕事-ソピアの回復、プレーローマの外の欲望(アカモート)とデーミウールゴス、救済、啓示、聖書の証拠/プトレマイオスによるヨハネの釈義/プトレマイオスのフローラへの手紙/マルコスの礼拝 預言、聖餐、洗礼、終油の秘跡/ヘラクレオーンのヨハネ釈義//
ヘルメース文書からの文選;第1論文(ポイマンドレース)/第4論文(クラテールあるいはモナド)/第7論文(神の無知)/第13論文(再生に関して)//
グノーシス思想に対する異教側からの反論;プローティーノス/ポルピュリオスなど、
254ページ。


Hans-Martin Schenke, Der Gott 《Mensch》 in der Gnosis. Ein religionsgeschichtliche Beitrag zur Diskussion über die paulinische Anshauung von der Kirche als Leib Christi,Vandenhoeck & Ruprecht, Göttingen, 1966
『グノーシスにおける神=〈人間〉 キリストの躰としての教会というパウロの見解に関する議論への宗教史的寄与』
序論/〈人間〉という神の呼称の証言/これまでの研究における神=〈人間〉/『ヨハネのアポクリュフォンに』おける神=〈人間〉/神=〈人間〉という『ヨハネのアポクリュフォン』の教説のグノーシス的意義/『ポイマンドレース』における神=〈人間〉/ナグ・ハマディ文庫の世界の起源に関する失題文書における神=〈人間〉/ゾーシモスによる神=〈人間〉/『ナハシュ派の説教』における神=〈人間〉/『アルコーンの本質』における神=〈人間〉/神=〈人間〉の教説の二つの類型/神=〈人間〉の教説の起源/寓意から神話へ/神=〈人間〉の教説の二つの類型の結びつき/神=〈人間〉というグノーシス的教説とマニ教との関連/グノーシス主義者、ユダヤ教徒、キリスト教徒による『創世記』1,26f. についての思弁/ユダヤ黙示文学における人の子/結論など、
192ページ。


 →こちらにも挙げておきます:「原初の巨人、原初の獣、龍とドラゴンその他」の頁

Werner Foerster, english translation edited by R. McL. Wilson, Gnosis. A Selection of Gnostic Texts. 1. Patristic Evidence, Oxford at the Clarendon Press, 1972
原著は Eingeleitet, übersetzt und erläutert von Werner Foerster, unter Mitwirkung von Ernst Haenchen und Martin Krause, Die Gnosis. Erster Band : Zeugnisse der Kirchenväter, 1969
『グノーシス グノーシス文献選集 1 教父の証言』
序論-グノーシス//
シモンとメナンドロス;魔術師シモン/ドシテオス/メナンドロス//
最初のキリスト教グノーシス主義者たち;序説/ケリントス/カルポクラテースとエピパネース/サトルニロス/カイン派//
マルキオーンの仲間;序説/ケルドン/アペッレース/セウェルス//
バルクの書(エルンスト・ヒェンヒェン);序説/ヒッポリュトス『全異端反論』Ⅴ, 26f. の記事//
バシリデース;エイレナイオス『異端反駁』Ⅰ 24, 3-7 によるバシリデース/ヒッポリュトスによるバシリデース/ヒッポリュトス『全異端反論』Ⅶ 20, 1-27, 13 の報告/教父たちの所見と断片//
オピス派とオピアン;オピス派/エイレナイオス『異端反駁』Ⅰ 30, 1-15 の記事/オピアン/オーリゲネース『ケルソス駁論』Ⅵ, 24-38 の記事//
バルベーロー・グノーシス;『ヨハネのアポクリュフォン』とエイレナイオスにおける記述との関係(マルティン・クラウゼ)/エイレナイオス『異端反駁』Ⅰ 29, 1-4 によるバルベーロー・グノーシス派/『ヨハネのアポクリュフォン』(マルティン・クラウゼ)//
ウァレンティノス派 Ⅰ-プトレマイオスの体系;ウァレンティノスとその学派/エイレナイオスの記事/エイレナイオス『異端反駁』Ⅰ 1, 1-8, 6/アレクサンドレイアのクレメンス『テオドトスからの抜粋』§43, 2-65, 2/プトレマイオスのフローラへの手紙//
ウァレンティノス派 Ⅱ-ヘラクレオーンの断片//
ウァレンティノス派 Ⅲ-ヒッポリュトスの記事;序説/ヒッポリュトス『全異端反論』Ⅴ 29, 2-36//
ウァレンティノス派 Ⅳ-マルコスその他;ウァレンティノスと弟子たちに関するエイレナイオス『異端反駁』Ⅰ 11, 1-12, 3/魔術師マルコス/エイレナイオス『異端反駁』Ⅰ 13, 1-21, 5 の報告(→こちらも参照:「言葉、文字、記憶術/結合術、書物(天の書)など」の頁)//
ウァレンティノス派 Ⅴ-『テオドトスからの抜粋』とエピファニオスの記事;『テオドトスからの抜粋』/ウァレンティノス派に関するエピファニオスの記事//
ウァレンティノス派 Ⅵ-ウァレンティノス;序説/ウァレンティノスの断片//
三原理を含む体系 Ⅰ-総論的序説とモノイモス;14-10章への序説/アラビア人モノイモス/ヒッポリュトス『全異端反論』Ⅷ 12, 1-15, 2 の報告(→そちらも参照:「言葉、文字、記憶術/結合術、書物(天の書)など」の頁)//
三原理を含む体系 Ⅱ-『大いなる宣教(メガレー・アポパシス)』;序説/ヒッポリュトス『全異端反論』Ⅵ 9, 4-18, 7 の記事//
三原理を含む体系 Ⅲ-ナハシュ派;序説/ヒッポリュトス『全異端反論』Ⅴ 6, 3-11, 1 の報告//
三原理を含む体系 Ⅳ-ペラテース派;序説/ヒッポリュトス『全異端反論』Ⅴ 12, 1-17, 13 の報告//
三原理を含む体系 Ⅴ-セツ派とアルコーン派;エピファニオス『パナリオン』ⅩⅩⅩⅨ 1, 1-5, 3 によるセツ派/エピファニオス『パナリオン』ⅩL 1, 1-8, 2 によるアルコーン派/ヒッポリュトスによるセツ派/ヒッポリュトス『全異端反論』Ⅴ 19, 1-22, 1 の報告//
三原理を含む体系 Ⅵ-ドケータイ;序説/ヒッポリュトス『全異端反論』Ⅷ 8, 2-10, 11 の報告//
放埒主義的グノーシス主義者たち;個々の所見(エイレナイオスとアレクサンドレイアのクレメンス)/エピファニオスによって記述されたグノーシス主義者たち/『パナリオン』ⅩⅩⅤ 2, 1-ⅩⅩⅥ 13, 7//
ポイマンドレース;序説/ポイマンドレース、『ヘルメース選集』Ⅰ 1-32/『ヘルメース選集』Ⅶ 1-3//
トマス行伝;序説/第1の行伝/第3の行伝/真珠の歌/トマス行伝からの他の節など、
376ページ。


Werner Foerster, english translation edited by R. McL. Wilson, Gnosis. A Selection of Gnostic Texts. 2. Coptic and Mandaic Sources, Oxford at the Clarendon Press, 1974
原著は Eingeleitet, übersetzt und erläutert von Martin Krause und Kurt Rudolph, herausgegeben von Werner Foerster, Die Gnosis. Zweite Band : Koptische und mandäischen Quellen, 1971
『グノーシス グノーシス文献選集 2 コプト語尾およびマンダ教原典』
コプト語原典(マルティン・クラウゼ) 序論;ナグ・ハマディでの発見/選択と翻訳//
  アダムの黙示録/エウグノストスの手紙/アルコーンの本質/真理の福音/復活に関する教え/フィリポによる福音書/魂の解明/闘技者トマスの書//
マンダ教原典(クルト・ルドルフ)細目はこちら:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「vii. マンダ教など
など、
368ページ。


Otfried Hofius, Der Vorhang vor dem Thron Gottes. Eine exegetisch-religionsgeschichtliche Untersuchung zu Hebräer 6, 19 f. und 10, 19 f., (Wissenschaftliche Untersuchungen zum Neuen Testament 14), J. C. B. Mohr (Paul Siebeck), Tübingen, 1972
『神の玉座の前の帷 「ヘブル人への手紙」6-19、10-19 への釈義的=宗教史的研究』
序論//古代ユダヤ教における天の帷の表象 神の玉座の前の帷;古代ユダヤ教の
(パルゴド)思弁の形象/古代ユダヤ教の(パルゴド)思弁の由来//
      天と地の間の帷;典拠の所見 ラビ文献における宇宙的帷、ユダヤ=ヘレニズムの幕屋象徴における宇宙的帷、ラビ的幕屋象徴のある証言における宇宙的帷/表象の由来と意義//
グノーシスにおける天の帷の表象 プレーローマと宇宙との間の帷;原父の被造物としての帷/ピスティス・ソピアの不法な作品としての帷//
  アイオーン界における帷//成果//
「ヘブル人への手紙」における天の帷の表象 受け継がれた(カタペタスマ)思弁;天の
(カタペタスマ)の場所 「ヘブル人への手紙」における元型的聖所、(カタペタスマ)-神の玉座の前の帷/(カタペタスマ)表象の宗教史的由来//
  「ヘブル人への手紙」6-19、10-19 における天の(カタペタスマ)の伝承の用法;「ヘブル人への手紙」10-19/「ヘブル人への手紙」6-19//
結論など、
130ページ。


Edwin M. Yamauchi, Pre-Christian Gnosticism. A Survey of the Proposed Evidences, 2nd edition, Wipf and Stock Publishers, Eugene, Oregon, 1973
『キリスト教以前のグノーシス主義 提唱された証言の検討』
前書き(
F. F. Bruce)//
序論/キリスト教以前のグノーシス主義を基礎とした新約聖書の釈義/教父の証言/ヘルメース文書の証言/イランの証言/シリアの証言/コプトの証言/マンダ教の証言/ユダヤの証言/キリスト教以前の贖罪者神話/方法論の批判/10年後のキリスト教以前のグノーシス主義再考など、
280ページ。

 キリスト教以前にグノーシス主義が存在したことを主張するのではなく、そうした主張が根拠を欠くことを論じた本です。
 同じ著者による→こちらも参照:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「vii. マンダ教など


Text edited by Carl Schmidt, translation and notes by Violet Macdermot, Pistis Sophia, (The Coptic Gnostic Library), E. J. Brill, Leiden, 1978
『ピスティス・ソピア』
緒言//
序論;アスキュー写本の歴史/写本の記述/内容の概観//
テクストと翻訳;(第1の書) 1-62章/(第2の書) 63-101章/(第3の書) 102-135章/(第4の書) 136-148章など、
826ページ。

 カール・シュミットが校訂したコプト語テクスト(1925)を左頁に掲載。
 何らかの宇宙論が前提とされているのはわかるのですが、それがなかなか明確になってくれない、もどかしさを感じた憶えがあります。
 下記 Fallon, The Enthronment of Sabaoth, 1978, pp.128-132 も参照のこと。
 「エジプト」の頁で、Wallis Budge, The Gods of the Egyptians, 1904/1969 が『ピスティス・ソピア』に言及している点は→こちら
 そこで触れられていた〈外なる闇〉とそこに棲まう龍については、(第3の書) 126-131章(pp.635-675)で、七頭のバシリスク蛇については p.283, 285, 299, 313, 319 などで述べられています。

Text edited by Carl Schmidt, translation and notes by Violet Macdermot, The Books of Jeu and the Untitled Text in the Bruce Codex, (The Coptic Gnostic Library), E. J. Brill, Leiden, 1978
『ブルース写本のイェウの書と無題の書』
緒言//
序論;ブルース(ブルキアヌス)写本の歴史/写本の記述/内容//
テクストと翻訳;イェウの第1の書 1-41章/イェウの第2の書 42-52章/無題の書 1-21章など、
372ページ。

 カール・シュミットが校訂したコプト語テクスト(1892)を左頁に掲載。
 もどかしさは『ピスティス・ソピア』と同様ですが、『無題の書』における〈都市〉のイメージは興味深かったことでした。C.G.ユング、『心理学と錬金術 Ⅰ』、1976、pp.154-156 でも取りあげられています。
 →こちらにも挙げておきます:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「v. 建築など

 『イェウの第2の書』に関してすぐ下の
Fallon, The Enthronment of Sabaoth, 1978, pp.126-128

 も参照のこと。

 また本頁下掲の
Birger A. Pearson, Gnosticism and Christianity in Roman and Coptic Egypt, 2004, Part 2-9"Gnostic Iconography", pp.261-267
 で『イェウの書』に挿入された文字図表が論じられています。

Francis T. Fallon, The Enthronment of Sabaoth. Jewish Elements in Gnostic Creation Myths, (Nag Hammadi Studies 10), E. J. Brill, Leiden, 1978
『サバオートの即位 グノーシス主義創造神話におけるユダヤ的諸要素』
序論;文献/サバオートの物語//
2つの物語の関係-共通の伝承;共通の伝承/共通の伝承のありうべき同定/伝承の早期の段階//
『アルコーンの本質』におけるサバオートの物語 釈義;サバオートの悔い改め/サバオートの上昇と即位/サバオートの玉座=戦車の創造/天使たちの創造/サバオートの教示/右と左への分割//
  機能//機能の確認と年代//
『この世の起源について』におけるサバオートの物語 釈義;サバオートの悔い改め/サバオートの上昇と即位/サバオートの玉座=戦車の創造/天使たちの創造/サバオートの教示/右と左への分割//
  機能//サバオートの物語-後期グノーシス文書におけるその反省?//
結論など、
168ページ。


 ナグ・ハマディ写本の『アルコーンの本質』および『この世の起源について』2篇にのみ見られる、ヤルダバオートの裔であるサバオートがプレーローマ界からの啓示に出会って悔悛し、引きあげられて玉座に就いたという説話を主題としたもの。まず2つのヴァージョンを比較し、長い方が成立時期がくだるとはかぎらないと断った上で、分析の結果、より短い『アルコーンの本質』版を先行するものと見なします。次いで各説話を逐次註釈する。その結果、まず『アルコーンの本質』版では、旧約聖書でも新約聖書でもなく、中間期ユダヤ教における黙示的幻視・昇天のモティーフを出発点としていること、また説話の機能を、ヤルダバオートとは区別されるかぎりでのサバオートに照らして、旧約の神およびユダヤ人を位置づけることにあると見なします。次いで『この世の起源について』版では、そこにウァレンティノス派の影響が加わり、関心の焦点が神学的なものから人間論-人間の三分割説に移行していることが指摘されます。
 なお第4章Cで『イェウの第2の書』と『ピスティス・ソピア』も手短かに取りあげられています。

Ugo Bianchi, Selected Essays on Gnosticism, Dualism and Mysteriosophy, (Studies in the History of Religion (Supplements to Numen) XXXVIII10), E. J. Brill, Leiden, 1978
『グノーシス主義、二元論、秘儀智についての試論撰』
二元論;宗教史における二元論(仏語)/宗教史的範疇としての二元論(伊語)//
二元論と民族学;デーミウールゴス的トリックスターと宗教民族学(独語)/狩猟民族の文化におけるトリックスターとデーミウールゴス(伊語)/二元論の歴史のために-アフリカのコヨーテ、青い狐(仏語)/セト、オシリスと民族誌(仏語)/プロメーテウス、ティーターンのトリックスター(独語)/トラキアの宗教の二元論的諸相(英語)//
秘儀智;通過儀礼、秘儀とグノーシス(ギリシア=東方の異教における神秘学史のために)(仏語)/原罪と〈先立つ〉罪(仏語)/オルペウス教は存在した(仏語)/プシューケーと運命 グノーシス主義の救済論とオルペウス教=プラトーン主義の救済論との照応の問題について(英語)/ミトラス教とグノーシス主義(英語)//
グノーシス主義;グノーシス主義の諸起源の問題と宗教史(仏語)/グノーシス主義の諸起源についての研究視野(仏語)/グノーシス主義と人間論(独語)/仮現論 神的なるものの臨在の双価性についての特異な理論(英語)/人間論と悪の概念 グノーシス主義的釈義の諸典拠(仏語)/マルキオーン 聖書的神学者かグノーシス主義的博士か?(仏語)/バシリデース、あるいは悲劇的なものについて(伊語)/バルダイサンの二元論の源泉(伊語)/附録 アダム諸書における救済(仏語)//
イランの二元論2つの霊についてのゾロアスター教の教義(仏語)/ペルシアの二元論の変則的な諸相(伊語)/近代パールスィー神学の諸相(英語)//
附録:グノーシス主義研究の用語法、定義、方法についての近年のいくつかの議論について(仏語)など、
480ページ。

 書名にある
mysteriosophy には何か定まった邦訳はあるのでしょうか?

Wilferd Madelung, Religious Schools and Sects in Medieval Islam, 1985, "Dualist Religions": XX "Abū‘Īsā al-Warrāq über die Bardesaniten, Marcioniten und Kantäer"(1981)

 スペインの本屋で見つけた本です;

Introducciones, traducción y notas por José Montserrat Torrents, Los gnósticos, Ⅰ y Ⅱ, (Biblioteca Clásica Gredos, 59 y 60), Editorial Gredos, Madrid, 1983/1990
『グノーシス主義者たち』(全2巻)
第1巻 総合的序論 〈グノーシス〉と〈グノーシス主義〉という概念の画定//2世紀のグノーシス主義の典拠;一次資料/二次資料//研究の現状//
  ユダヤ教グノーシス;1-2世紀のユダヤ教/ユダヤ教グノーシスの起源//
  2世紀のキリスト教グノーシス主義;一般的性格/グノーシス主義の優勢 旧約聖書の釈義に基づいたグノーシスの呼称、新約聖書の釈義に基づいたグノーシスの呼称//
  翻訳選集//
リヨンのエイレナイオス『異端反駁』(第1の書);序説//
  緒言//第1の書 第1部-ウァレンティノス派;プトレマイオスによる大規模な解説/ウァレンティノス派の多様性//
    第2部-ウァレンティノス派の〈祖先たち〉//第3部-ウァレンティノス派の〈父たち〉;バルベーロー・グノーシス派/オピス派/他の諸宗派//第1の書の結論//附録など、
290ページ。

第2巻 ローマのヒッポリュトス『全異端駁論』 序論;特殊な問題-〈ナハシュ派〉に関する解説/写本と刊本//
  緒言//第5の書;目次と総合的序論/ナハシュ派と〈グノーシス主義者たち〉についての解説 ナハシュ派論評の前半、〈グノーシス主義者たち〉論評、ナハシュ派論評の後半、魂の讃歌/ペラテース派/ユスティノスの『バルクの書』//
  第6の書//第7の書//第8の書//
他の原典;序論/ユダヤ教グノーシス/オピス派/エピファネース/バシリデース/ウァレンティノス派//放埒主義的グノーシス主義者たち//附録など、
422ページ。


Edited with introductions by Willis Barnstone, The Other Bible, HarperSan Francisco, 1984/2005
『もう一つの聖書』
序論/第2版への註//
創造神話;エノクの秘密の書(第2エノク)(ユダヤ偽典)/ヨベル書(ユダヤ偽典)/アッガダー(ミドラシュ、偽典、初期カバラーからのユダヤの伝説)/マニ教の創造神話(グノーシス主義)(マニ教と他のグノーシス諸派)/ヨハネの秘密の書(グノーシス主義)/世界の起源について(グノーシス主義)/アルコーンの位格(グノーシス主義)/アダムの黙示録(グノーシス主義)/フィリポの福音(グノーシス主義)/シェームの釈義(グノーシス主義)/大いなるセツの第2論文(グノーシス主義)/世界の創造と異邦の人(マンダ教グノーシス主義)/カバラー//
歴史と物語;イザヤの殉教(ユダヤ偽典)/第4マカベア書-理性の至高性について(ユダヤ偽典)/ペルペトゥアとフェリキタスの受難(キリスト教殉教者行伝)/アヒカルの物語(ユダヤ偽典)/創世記アポクリュフォン(死海写本)/宗規要覧(死海写本)/ダマスコ文書(死海写本)/光の子と闇の子の戦い(死海写本)/アリステアスの手紙(ユダヤ偽典)//
知恵文学と詩;ソロモンの詩篇(ユダヤ偽典)/感謝の詩篇(死海写本)/ソロモンの頌歌(ユダヤ偽典、ユダヤ人キリスト教)/真理の福音書とウァレンティノス派の思弁(グノーシス主義)/トマスの福音書(グノーシス主義)/真珠の歌(グノーシス主義)/マニ教讃歌群(グノーシス主義)/コプト語讃歌の書(マニ教グノーシス主義)//
福音書;ヘブライ人の福音書(ユダヤ人キリスト教)/エビオン派の福音書(ユダヤ人キリスト教)/マルコの秘密の福音(キリスト教外典)/ヤコブの黙示録(グノーシス主義)/バルトロマイの福音書(キリスト教外典)/ニコデモの福音書(キリスト教外典)//
幼時福音書;ヤコブの幼時福音書(マリア生誕)(キリスト教外典)/偽マタイの幼時福音書-祝福されたマリアの誕生と救世主の子供時代に関する書(キリスト教外典)/トマスの幼時福音書(キリスト教外典)/ラテン語幼時福音書-イエス生誕(キリスト教外典)/アラビア語幼時福音書-山羊に変えられた子供たち(キリスト教外典)//
行伝;外典使徒行伝とヨハネ行伝(キリスト教外典)/ペテロ行伝(キリスト教外典)/パウロ行伝(キリスト教外典)/アンデレ行伝(キリスト教外典)/トマス行伝(キリスト教=グノーシス主義外典)//
黙示録;エノク書(第1エノク)(ユダヤ偽典)/エノクの秘密の書(第2エノク)(ユダヤ偽典)/シビュラの託宣(ユダヤ偽典)/バルクの黙示録(第2バルク)(ユダヤ偽典)/エズラの黙示録(第4エズラ)(ユダヤ偽典)/イザヤの昇天(キリスト教外典)/ペテロの黙示録(キリスト教外典)/パウロの黙示録(キリスト教外典)/トマスの黙示録(キリスト教外典)/キリスト教シビュラ託宣(キリスト教外典)/ヘルメース・トリスメギストス-ポイマンドレース(異教グノーシス主義)/ヘルメース・トリスメギストス-アスクレピオス(異教グノーシス主義)/ヘルメース・トリスメギストス-神の両性性について(異教グノーシス主義)/闘技者トマスの書(グノーシス主義)/三形のプローテンノイア(グノーシス主義)/雷、全き心(グノーシス主義)//
さまざまなグノーシス的テクスト;魔術師シモン/ウァレンティノスとプトレマイオスによるウァレンティノス派の体系/プトレマイオスのフローラへの手紙/バシリデース/ナハシュ派の詩篇/ユスティノスによるバルク/マルキオーン/カルポクラテス/カイン派/セツ派/セツ=オピス派/オピス派の図表//
マニ教およびマンダ教のグノーシス的テクスト;→細目はこちら(マニ教:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁)と、そちら(マンダ教:同上)//
神秘主義的文献;神的な玉座=戦車(死海写本)/ゾハル、光輝の書(カバラー)/偽ディオニューシオスの神秘神学(キリスト教)//
附録;プローティーノス『エンネアデス』(異教)など、
800ページ。

 既訳のアンソロジー。同じ編者による→あちらも参照:本頁下掲の Edited by Willis Barnstone and Marvin Meyer, T
he Gnostic Bible
, 2003

 ユダヤ教聖書の外典・偽典の邦訳→ここを参照:「ユダヤ」の頁の「ii. 聖書偽典、黙示文学など
 新約外典の邦訳→そこを参照:「キリスト教(古代および東方正教会)」の頁の「i. 『新約聖書』とその周辺


Gedaliahu A. G. Stroumsa, Another Seed : Studies in Gnostic Mythology, (Nag Hammadi Studies 24), E. J. Brill, Leiden, 1984
『もう一つの種子 グノーシス神話学研究』
序論-グノーシス神話学とセツ派神話//
悪の起源から正義の起源へ 〈悪は何処より(ウンデ・マールム)〉-黙示文学からグノーシス神話へ;黙示文学/ラビ文献/ピローンとキリスト教教父/グノーシス的再解釈//
  誘惑者としてのアルコーンたち;人の娘たち/エバの誘惑/ナグ・ハマディ文献におけるエバとアルコーンたち/エバと蛇/カインとセツの生誕/ノーレア/バルベーロー/アルコーンたちの誘惑/巨人たちと流産児たち//
グノーシス的種族 セツと子供;セツ/子供//
  グノーシス的救済史;アダムの黙示録/子供の讃歌/大異変、書板と救済者の到来//
  聖なる地誌;セイリス/約束の地//
  神の息子たちあるいはセツの息子たち?//
反響と反射;ヘルメース的伝承におけるグノーシス的諸要素//
  マニ教的装いにおけるグノーシス神話;セツの形象/アルコーンたちの誘惑/流産児たち/巨人たちと『巨人の書』//
結論-グノーシス的性の神話など、
208ページ。


 『アダムの黙示録』を焦点に、グノーシス主義にとって最重要の課題であった悪の起源にまつわる諸神話を練りあげるにあたって、『創世記』6:1-4の堕天使たちが人の娘たちと交わって巨人を生みだしたという物語と、その『第1エノク書』等における展開が出発点になったであろうこと、またグノーシス主義に歴史観が欠落しているという見解は誤っており、セツとその血統に関する伝承を軸に自前の救済史観を組みたてたことなどを、具体的な事例に則して立証しようとする本。グノーシス主義はユダヤ教周縁部の、とりわけ聖書釈義の伝統を起源にするのではないかと著者は主張します。

Howard M. Jackson, The Lion Becomes Man. The Gnostic Leontomorphic Creator and the Platonic Tradition, (SBL Dissertation Series 81), Scholars Press, Atlanta, Georgia, 1985
『獅子は人となる グノーシス主義における獅子形の創造者とプラトーン主義的伝承』
トマスの福音書;イエスの謎めいた語録/テクスト批判的問題/オクシュリュンコス・パピルス 654/要約//
グノーシス主義における獅子形の創造者;旧約聖書/オーリゲネース『ケルソス駁論』/『ピスティス・ソピア』/『ヨハネのアポクリュフォン』/マンダ教およびマニ教文献/要約//
グノーシス的綜合の形成;旧約聖書と初期キリスト教/エゼキエルの〈活物〉とメルカヴァー/黄道十二宮の獅子/クヌーミス/ヤーヴェ、ミオスと二つのレオントポリス/オルペウス教の宇宙開闢論ミトラス教の獅子頭像/要約
プラトーン主義的伝承;獅子と情念/プラトーン主義的伝承/寓話のコプト語グノーシス文書版/要約など、
256ページ。


 タイトルは『トマスの福音書』第7語録からとられたものです(→『トマスによる福音書』(1994)、p.132 参照)。この語録の謎めいた表現の背景を探るべく、旧約聖書における神を獅子になぞらえる比喩が、グノーシス主義において価値顚倒させられ、獅子頭神ヤルダバオートに転じたこと、その前提としてヘレニズム=ローマ時代において占星術が振るった大きな影響力、およびそこでの獅子座・太陽の位置、それがエジプトのレオントポリス(=テル・エル=ムクダム)周辺において太陽神の一相としてのクヌーミスやミオス(=マヘス)とヤハウェとの習合につながったであろうこと、同時代の平行現象としてのオルペウス教やミトラス教における獅子頭神のイメージ、そうした神観がプラトーンの〈魂/激情(テューモス)〉説を通じて心理的次元に適用され、第7語録の表現の背景となったことなどを論じています。
ギリシア語やラテン語原文の引用に英訳が付けられないのは研究者を対象とする本ではあり、おそろしく多いわけでもないので致し方ないとするにせよ、一文をやたら長く引き伸ばす傾向があるため、当方の読解力不足のためいささか読むのに難渋した憶えがあります。

Jorunn Jacobsen Buckley, Female Fault and Fulfilment in Gnosticism, The University of North Carolina Press, Chapel Hill, London, 1986
『グノーシス主義における女性の失墜と成就』
緒言/『バルクの書』における超越とセクシュアリティ/マンダ教における霊ルーハーの救済/『ヨハネのアポクリュフォン』-ソピア、アダムとヤルダバオート/アレクサンドレイアのクレメンス『テオドトス抜粋』における女性、男性と天使たち/『トマスの福音書』における語録114 の一解釈/〈聖霊〉は二重の名である/グノーシス主義文献における女性像の視野など、
196ページ。

 著者はマンダ教の研究を持ち場としています→こちらも参照:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「vii. マンダ教など


Douglas M. Parrott, “Gnosticism and Egyptian Religion”, Novum Testamentum, 39-1, 1987.1, pp.73-93
「グノーシス主義とエジプトの宗教」

Bentley Layton, The Gnostic Scriptures. A New Translation with Annotations and Introductions, (The Anchor Bible Reference Library), Doubleday, New York, 1987/1995
『グノーシスの聖典 新たな翻訳と註・各序説』
総合的序論 本コレクションの内容//グノーシスの聖典とキリスト教の聖書;聖典、正典と多様性/グノーシスの聖典/ウァレンティノス派の著述/結論//
  一次資料の性質 ギリシア語原典//他の言語による原典;エイレナイオス/聖典写本の古い翻訳//
古典的グノーシスの聖典;歴史的序説//ヨハネによる秘密の書/アダムの啓示/支配者たちの実在/雷-全き知性/三形態の最初の思考/大いなる不可視の霊の聖なる書、あるいはエジプト人の福音書/ゾーストリアノス(抜粋)/異邦人(抜粋)/セツの三枚の書板/サトルニノス(聖エイレナイオスによる)/グノーシス主義者たち(聖エイレナイオスによる)/「他の」グノーシス的な教え(聖エイレナイオスによる)/グノーシス主義者たち(ポルピュリオスによる)/セツ派(聖エピファニオスによる)/アルコーン主義者たち(聖エピファニオスによる)/グノーシス主義者たち(聖エピファニオスによる)//
ウァレンティノスの著述;歴史的序説//ウァレンティノスの神話(聖エイレナイオスによる)//
  失なわれた作品の断片;子供の内にある神的な言葉(断片A)/『三つの性質について』(断片B)/アダムの話す能力(断片C)/アダムの名前(断片D)/『アガトプースへ』-イエスの消化力のある組織(断片E)/死の王国の消滅(断片F)/『友人たちについて』-共通の知恵の源(断片G)/『付属物について』-神の幻視(断片H)//
  夏の収獲、附録-後の寓意的解釈//真理の福音//
ウァレンティノス派;歴史的序説//グノーシス神話のプトレマイオス版(聖エイレナイオスによる)/使徒パウロの祈り/プトレマイオスのフローラへの手紙/復活に関する論考(レギヌスによる)/フィリポによる福音書//
関連文献 聖トマスの学派;歴史的序説//真珠の歌、あるいはインド人たちの国における使徒ユダ・トマスの讃歌/トマスによる福音書/トマスの書-完全なるものに手紙を書く闘技者//
  初期における他の流れ;歴史的序説//
    バシリデースの著述 歴史的序説//バシリデースの神話(聖エイレナイオスによる)//
      失なわれた作品の断片 宇宙論的断片;存続する諸実体の八性(断片A)/世界の唯一性(断片B)//
        倫理的断片;選択は自然と信仰と徳を伴なう(断片C)/徳の状態(断片D)/選ばれた者は世界を超越する(断片E)/人の苦しみと摂理の善性(『註釈』、23)(断片G)/赦されうる罪(断片H)//
    ヘルメース文集(抜粋);歴史的序説//第1論文-ポイマンドレース/第7論文-人の最大の悪は神を知らないことであること、など、
572ページ。


 本書で〈グノーシス主義者〉ないし〈古典的グノーシス主義者〉とされているのは、自らそう呼称していたという証言のある、近年〈セツ派〉と呼ばれることの多い一派に限定されています。これに〈古典的グノーシス主義者〉の教義を発展させたとされるウァレンティノスとその後継者たちを加えて、著訳者は〈グノーシス主義〉の主軸をなすものと見なしているようです。他方同時代の別の流れの例として、トマス文書、バシリデース(古典的グノーシス主義との類縁を示すとともに、アレクサンドレイアでウァレンティノスに影響を及ぼした可能性がある)、非キリスト教圏のヘルメース文書から2例が挙げられています。
 なお余談になりますが→こちら(「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「おまけ」や、そちら(「〈宇宙論〉と〈宇宙観〉など、若干の用語について」の頁)で少し触れました

Edited by Karen L. King, Images of the Feminine in Gnosticism, (Studies in Antiquity & Christianity), Trinity Press International, Harrisburg, Pennsylvania, 1988/2000
『グノーシス主義における女性性のイメージ』
編者序言//
試論と応答;ジェンダーについてのグノーシス主義的視野の多様性
(Michael A. Williams)/ジェンダーとジェネレイション-コプト語用法についての観察、およびウァレンティノス派テクストに対する教父の注目(Deirdre J. Good)/「ジェンダーとジェネレイション」への応答(John H. Sieber)/プルーネイコス-グノーシス主義テクストにおける知恵を言い表わすための色彩豊かな表現(Anne Pasquier)/「プルーネイコス」への応答(Marvin W. Meyer)/ナグ・ハマディ文庫におけるユダヤとギシリアのヒロイン(Madeleine Scopello)/「ユダヤとギリシアのヒロイン」への応答(Douglas M. Parrott)/ナグ・ハマディ写本における女神としてのソピア(Pheme Perkins)/まさに女神、まさに人-イエスのより良い自己(James M. Robinson)/「まさに女神、まさに人」への応答(Charles W. Hedrick)/ヒッポリュトスの『全異端反駁』におけるグノーシス主義的〈留保財産〉の女性像(Luise Abramowski)/「女性像」への応答(Ron Cameron)/『ヨハネのアポクリュフォン』におけるソピアとキリスト(Karen L. King)/「ソピアとキリスト」への応答(John D. Turner)/霊的なエバを追う-『アルコーンの本質』と『フィリポの福音書』における心像と解釈(Elaine Pagels)/「霊的なエバを追う」への応答(Mary Rose D'Angelo)/「聖霊は二重の名である」-『フィリポの福音書』における聖霊、マリアとソピア(Jorunn Jacobsen Buckley)/「聖霊は二重の名である」への応答(Kurt Rudolph)/処女性と顚覆-『アルコーンの本質』における諸力に抗するノーレア(Anne McGuire)/「処女性と顚覆」に対する応答(Ross S. Kraemer)/ノーレア再訪(Birger A. Pearson)/コリント書の帷とグノーシス主義的両性具有(Dennis Ronald MacDonald)/「コリント書の帷」への応答(Bernadette J. Brooten)/女性性から逃げ去れ-グノーシス文献における反女性主義と社会的環境の問題(Frederik Wisse)/ローマ帝国東方における女性の禁欲主義の社会的機能(Antoinette Clark Wire)/「女性の禁欲主義の社会的機能」への応答(Elisabeth Schüssler Fiorenza)/放埒的か解放されたのか-いわゆる放埒主義的グノーシス主義共同体における女たち(James E. Goehring)/グノーシス諸派における性教育(Richard Smith)/「グノーシス諸派における性教育」への応答(Elisabeth A. Castelli)/損なわれた種子と聖なる器-アウグスティヌスのマニ教徒としての過去(Elisabeth A. Clark)/「損なわれた種子と聖なる器」への応答(Paula Fredriksen)//
総会講演;『創世記』1-3 におけるアダムとエバと蛇
(Elaine Pagels)など、
478ページ。


 編者による→こちらも参照(本頁下掲の Karen L. King, What Is Gnosticism?, 2003

Jaap Mansfeld, Studies in Later Greek Philosophy and Gnosticism, Variorum Reprints, London, 1989
『後期ギリシア哲学とグノーシス主義の諸研究』
悪しき世界とデーミウールゴス-パルメニデースとエンペドクレースからルクレーティウスとピローンにいたる〈グノーシス的〉モティーフ/ナグ・ハマディにおけるヘーシオドスとパルメニデース

 →その他の掲載論文はこちら:「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「xii. その他


Birger A. Pearson, Gnosticism, Judaism, and Egyptian Christianity, Fortress Press, 1990/2006
『グノーシス主義、ユダヤ教とエジプトのキリスト教』
序論/フリートレンダー再訪-アレクサンドレイアのユダヤ教とグノーシス主義の諸起源/グノーシス主義文献における聖書釈義/ナグ・ハマディの『真理の証言』(CG Ⅸ, 3)におけるユダヤ教アッガダー的諸伝承/グノーシス主義文献におけるセツの形象/グノーシス主義文献におけるノーレアの形象/カインとカイン派/グノーシス主義文献におけるメルキゼデクの形象/グノーシス主義におけるユダヤ的諸要素とグノーシス主義的自己定義の展開/『ヘルメース文書Ⅰ(ポイマンドレース)』におけるユダヤ的諸要素/プラトーン主義としてのグノーシス主義/ピローン、グノーシスと新約聖書/ナグ・ハマディの写本Ⅸにおける反異端的警告/初期エジプト・キリスト教におけるグノーシス主義など、
248ページ。

 同じ著者による→こちら:本頁下掲の Gnosticism and Christianity in Roman and Coptic Egypt, 2004)や、またあちらも参照:同、Ancient Gnosticism. Traditions and Literature, 2007


 著者はグノーシス主義の起源を、ユダヤ教の聖書釈義に見るという立場をとっています。序論を除き13の論考の内、1から9まではこの説の検証が主題でした。
 第1論文はユダヤ教起源説を早い時期に立てた
Moritz Friedländer, Der vorchristliche jüdische Gonosticismus, 1898 を再評価しようとしたもの。
 第2論文で扱うのは『ヨハネのアポクリュフォン』の人間創造のくだり。
 第10論文「プラトーン主義としてのグノーシス主義」では主として『マルサネース』が取りあげられています。宇宙論史の点でも興味深いところでした。
 第12論文「ナグ・ハマディの写本Ⅸにおける反異端的警告」では『メルキゼデク』と『真理の証言』が主な分析対象です。
 最終論文では
Walter Bauer, Rechtgläubigkeit und Ketzerei im ältesten Christentum, 1934 の説の紹介を枕に、アレクサンドレイアで一時的ないし恒久的に活動したウァレンティノス、バシリデース、カルポクラテースについての検証を含んでいます。

Ioan P. Couliano, The Tree of Gnosis. Gnostic Mythology from Early Christianity to Modern Nihilism, Harper SanFrancisco, 1992
原著は Ioan P. Couliano, Les Gnoses Dualistes d'occident, 1990
『グノーシスの木 初期キリスト教から近代のニヒリズムにいたるグノーシス的神話論』(西洋の二元論的グノーシス)
序論//
二元論-年代記/グノーシス主義についての諸神話-序論/グノーシス的神話 1-堕ちた知恵/グノーシス的神話 2-無知なデーミウールゴス/法の廃棄と現実の父-シノペのマルキオーン/マニ教の神話/パウロ派あるいは民衆的マルキオーン主義/ボゴミール派-偽二元論/カタリ派の二つの宗教/グノーシスの木/近代のニヒリズム/エピローグ-人々が遊ぶゲームなど、
316ページ。

 同じ著者による→こちらを参照:「通史、事典など」の頁の「ix. 他界観・来世観など


 これもスペインの本屋で見つけた本です;

César Vidal Manzanares, Los evangelios gnósticos. Traducción directa de los originales, con introducción, comentarios y notas, (Colección Enigmas del Cristianismo), Ediciones Martínez Roca, S. A., Barcelona, 1991
『グノーシス的福音書 原典訳・序論・註釈・註』
序文(ピラール・フェルナンデス・ウリエル)//
緒言/トマスの福音書/エジプト人の福音書/真理の福音/マリアの福音書/フィリポの福音書など、
168ページ。


Edited by Richard T. Wallis, associate editor : Jay Bregman, Neoplatonism and Gnosticism, (Studies in Neoplatonism : Ancient and Modern 6), State University of New York Press, Albany, 1992
『新プラトーン主義とグノーシス主義』
前書き
(R. Baine Harris)/序論(Richard T. Wallis, associate editor : Jay Bregman)
降神術-デミウールギア:ヘレニズム思想と宗教における論争的争点(John P. Anton)/二元論-プラトーン的、グノーシス的、キリスト教的(A. H. Armstrong)/グノーシス主義とプローティーノスの反グノーシス論争における〈第2の神〉(Francisco García Bazán)/シュネシオス、ヘルメース文書とグノーシス(Jay Bregman)/〈プレーローマ〉と叡智的宇宙-比較研究(John M. Dillon)/プローティーノスの反グノーシス論争とポルピュリオスの『キリスト教徒に抗して』(Christos Evangeliou)/ラテン語『アスクレピオス』の神学教義(Stephen Gersh)/グノーシス主義と新プラトーン主義における否定神学(Curtis L. Hancock)/『三部の教え』(NH Ⅰ, 5)のプラトーン主義(John Peter Kenney)/プローティーノス、マリウス・ウィゥトリヌスとアウグスティヌスにおける叡智的三つ組(Peter Manchester)/「そこには多くの眠り」-プローティーノスとグノーシス主義におけるエロースとプシューケーの神話(Patricia Cox Miller)/「父の名は息子」(『真理の福音』38)(Raoul Mortley)/グノーシス主義における降神術的傾向とイアンブリコスの降神術概念(Birger A. Pearson)/グノーシス的宇宙における美、数、および秩序喪失(Pheme Perkins)/プローティーノスとグノーシス主義者たちにおける発出の理論(Jean Pépin)/ボストラのティトスとリュコポリスのアレクサンドロス-キリスト教およびプラトーン主義によるマニ教二元論に対する反駁(Gedaliahu G. Stroumsa)/数とその影(要旨)(Ara Alexandru Sismanian)/マーニーの双子とプローティーノス-〈自己〉に対する問い(Leo Sweeney, S. J.)/グノーシス主義とプラトーン主義-ナグ・ハマディからプラトーン主義化するセツ派テクストと後期プラトーン主義文献へのその関係(John D. Turner)/プローティーノス、ヌーメニオスとグノーシス主義における魂とヌース(Richard T. Wallis)/グノーシス主義と中期プラトーン主義における高位の摂理、低位の摂理と宿命(Michael A. Williams)など、
544ページ。

 →こちらにも挙げておきます:「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「x. 新プラトーン主義


Edited with an introduction by David M. Scholer, Gnosticism in the Early Church, (Studies in Early Christianity 5), Garland Publishing, Inc., New York, London, 1993
『初期教会におけるグノーシス主義 初期キリスト教研究 第5巻』
グノーシス主義
(Arther Darby Nock)/近年の論争におけるキリスト教以前のグノーシス主義、新約聖書とナグ・ハマディ(Edwin Yamauchi)/グノーシスとギリシア哲学(Arthur Hilary Armstrong)/傲慢なアルコーンと淫らなソピア-グノーシス的叛乱におけるユダヤ的諸伝承(Nils A. Dahl)/グノーシス文献におけるヘブライ語聖書(ミクラー)の用法、権威と釈義(Birger A. Pearson)/シモンとグノーシス主義の諸起源(R. McL. Wilson)/グノーシスとグノーシス主義-方法論における研究(Henry A. Green)/女性性から逃げ去れ-グノーシス文献における反女性主義と社会的環境の問題(Frederik Wisse)/どれだけの数のグノーシス主義者がいるのか?(Alan E. Samuel)/ウァレンティノスを求めて(G. C. Stead)/セツ派グノーシス主義-文献史(John D. Turner)/グノーシス的資料における自我宣言(George W. MacRae)/倫理とグノーシス主義者たち(R. McL. Wilson)/ナグ・ハマディの諸論文における食事および性のエンクラティス主義(R. McL. Wilson)/何が母なる神に起こったのか?-初期キリスト教における相容れない神のイメージ(Elaine H. Pagels)/ソピアと母=父-グノーシス的女神(Pheme Perkins)/〈グノーシス的崇拝〉-問題の現状(David H. Tripp)/復活の日からウァレンティノスにいたるイエス(あるいは使徒信条へ)(James M. Robinson)/内的多様性と葛藤のための証拠としての初期キリスト教文献の使用(Frederik Wisse)/なぜ教会はグノーシス主義を拒んだのか(George W. MacRae)/エイレナイオスのグノーシス主義反駁における神学的および非神学的動機(Gérard Vallée)など、
420ページ。


Alexander Bölig und Christoph Markschies, Gnosis und Manichäismus. Forschungen und Studien zu Texten von Valentin und Mani sowie zu den Bibliotheken von Nag Hammadi und Medinet Madi, (Beihefte zur Zeitschrift für die neutestamentliche Wissenschaft und dir Kunde der älteren Kirche 72), Walter de Gruyter, Berlin, New York, 1994
『グノーシスとマニ教 ウァレンティノス派とマーニー、ナグ・ハマディとマディーナト・マーディー文庫のテクストの調査研究』
クリストフ・マルクシース 古代教会における哲学的聖書神学の危機、あるいは、哲学的聖書解釈と神話論的異端との間のウァレンティノスとウァレンティノス派グノーシス;前言/聖書と哲学の仲介-〈護教論的仲介神学者〉としてのウァレンティノス/ウァレンティノスの学派とその誤解-哲学的聖書注解から異端的創作神話へ//
クリストフ・マルクシース 
ウァレンティノスと〈ウァレンティノス派〉グノーシスへの新古のテクストと調査-J. E. GrabeF. C. Baur から B. Aland まで;ウァレンティノスの原典/ウァレンティノスの原典のこれまでの調査/新たな仮説-グノーシス主義者ウァレンティノスへの新たな調査/結論-ウァレンティノス派への今後の調査課題/附録 (Ps.-?) Didymus, Trin. Ⅲ 42 (Ps.-?) Cyrill, Catech. 6, 17-19 対照表//
アレクサンダー・ベーリッヒ グノーシス主義研究のためのマディーナト・マーディーおよびナグ・ハマディでの発見の意義;前提と発見の経緯/現状/ナグ・ハマディ文庫/マディーナト・マーディー文庫/コプト語文献における〈生における場所〉/コプト語文献の原本の〈生における場所〉/ナグ・ハマディ文書の文学的種類/諸伝承/余論 ナグ・ハマディ文書におけるアラム語的要素の問題と〈生における場所〉にとってのその意義/グノーシス主義の宗教史的係留/グノーシスの霊的土台のための証言としてのナグ・ハマディ文書/マニ教の認識と宗教史的整理のための意義におけるコプト語=マニ教テクスト/宗教史的成果//
アレクサンダー・ベーリッヒ マニ教のヌース形而上学のギリシア的背景へ;序言/マニ教によるヌース/エジプト人によるヌース/前ソークラテース派によるヌース/プラトーンによるヌース/アリストテレースによるヌース/クセノクラテースによるヌース/中期プラトーン主義におけるヌース/ストアにおけるヌース/結論と成果//
アレクサンダー・ベーリッヒ マニ教とキリスト教など、
328ページ。

 →こちらにも挙げておきます:「グノーシス諸派など」の頁の「viii. マニ教など
 マルクシースによる→そちらも参照:「グノーシス諸派など」の頁の『グノーシス』、2009
 ベーリッヒによる著者→あちらも参照:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「viii. マニ教など」中の Eingeleitet, übersetzt und erläutert von Alexander Böhlig, inter Mitwirkung von Jes Peter Asmussen, Die Gnosis. Dritter Band : Der Manichäismus,, 1980


Nathaniel Deutsch, The Gnostic Imagination. Gnosticism, Mandaeism, and Merkabah Mysticism, (Brill's Series in Jewish Studies 13), E. J. Brill, Leiden, New York, Köln, 1995
『グノーシス的想像力 グノーシス主義、マンダ教とメルカヴァー神秘主義』
問題/グノーシス主義とメルカヴァー神秘主義を定義する/聖典と釈義/宇宙論と上昇/神学など、
174ページ。

 同じ著者による→こちらも参照:本頁下掲の Nathaniel Deutsch, Gurdians of the Gate. Angelic Vice Regentcy in Late Antiquity, 1999
 →そちら(「ユダヤ Ⅱ」の頁の「xi. メルカヴァー/ヘーハロート神秘主義など」)と、またあちら(「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「vii. マンダ教など」)にも挙げておきます。

vi. ウィリアムズ『再考』を一応の目安に、その他

Michael Allen Williams, Rethinking “Gnoticism”. An Argument for Dusmantleing a Dubious Category, Princeton University Press, Princeton, New Jersey, 1996
『〈グノーシス主義〉再考 疑わしい範疇を取り除くための議論』
序論//
〈グノーシス主義〉をもって研究者はどのような種類のものを意味しているのか? 4つの事例瞥見;序説/『ヨハネのアポクリュフォン』/プトレマイオスとウァレンティノス派キリスト教/グノーシス主義者ユスティノス/シノペのマルキオーン/〈グノーシス主義〉と何か?//
範疇としての〈グノーシス主義〉;序説/〈グノーシス主義〉と自己定義/類型論的構成物としての〈グノーシス主義〉/範疇として〈グノーシス主義〉に対する代案//
抗議としての釈義?、あるいは解釈学的問題解決?;序説/徹底的でない解釈学的価値反転/通例特定の問題に結びつけられた価値反転/結論//
寄生?、あるいは革新?;序説/特殊な有機体対通常の過程/革新の動因/動的な過程としての革新/隠喩対説明/結論//
反宇宙的世界拒否?、あるいは社会=文化的順応?;序説/神話論的象徴と社会的現実/社会的相互作用と関与の一般的水準/社会=政治的逸脱の度合い/文化的距離を減らす試み/社会的脱落者?/先取りを断つ/結論//
身体憎悪?、あるいは人間の完成?;序説/否定的な身体/神的な身体/結論//
禁欲主義……?;序説/禁欲主義的実践と生活様式/完成と家族/結論//
……あるいは放埒主義?;序説/問題のある証言/直接証言の一例/結論//
決定論的選良主義?、あるいは回心の包括的な理論?;序説/倫理的
parenesis/霊的民族性、回心と成長/摂理、宿命と自由意志/補充と回心/結論//
彼らは何処から来たのか……;序説/革新として〈グノーシス主義〉を定義する際の問題/問題の革新を説明する/結論//
……そして彼らが遺したもの;序説/成功する運動と成功しない運動/文庫の内容とその社会的文脈との関係に関するこれまでの諸理論/ナグ・ハマディ写本内での論文の選定と配列/結論//
結論など、
358ページ。

 前掲カレン・L・キング『マグダラのマリアによる福音書』p.313 註38 で、
「ごく最近ミカエル・ウィリアムズは、このグノーシス主義という項目に分類される資料の多様性を正確に描くためには、その類型論的な定義が不備であることを論証している」
と紹介しています。キング自身の範疇批判は→こちらを参照:本頁下掲の Karen L. King, What Is Gnosticism?, 2003
 代案としてウィリアムズが提唱するのは、
“biblical demiurgical traditions”というものです(p.51)。直訳すると〈聖書的デーミウールゴス的諸伝承〉となり(津田謙治、『マルキオン思想の多元論的構造』、2013、p.36、註70 では「聖書的で造物主的なもの」と訳されています)、これだけでは意味がとりにくいのですが、聖書の神を低位の世界制作者と見なす諸伝承といったところでしょうか。宇宙の創造者を根源的な存在ではなく、それ以後のものと見なすのは比較的ありふれているので、この場合〈聖書の神〉に限定するのがみそということなのでしょう。
 Birger A. Pearson, Gnosticism and Christianity in Roman and Coptic Egypt, 2004, Part 2-7"Gnosticism as a Religion"はウィリアムズの批判に対する応答。

Kurt Rudolph, Gnosis & spätantike Religionsgeschichte. Gesammelte Aufsätze, (Nag Hammadi and Manichaen Studies 42), E. J. Brill, Leiden, New York, Köln, 1996
『グノーシスと古代末期の宗教史 論文集』
緒言//
グノースティカ;グノーシスとグノーシス主義 研究と影響の歴史/認識と救い-グノーシス/〈グノーシス〉と〈グノーシス主義〉-その定義と新約聖書諸文書との関係の問題/グノーシス-世界宗教あついは宗派/グノーシスの救済論と〈社会的場所化〉の問題/古代末期におけるグノーシスの救済論、〈社会的場所化〉と役割に向けて/グノーシスとマニ教における知識人、知識人宗教とその諸表象/文学的類概念としてのグノーシス的〈対話〉/グノーシス的原人間=アダム思弁の基本類型/初期ユダヤ教の周縁現象とグノーシス主義成立の問題/ソピアとグノーシス-〈グノーシスと初期ユダヤ教〉問題への所見/聖書とグノーシス-とりわけナグ・ハマディからのグノーシス文献におけるユダヤ=聖書的テクストの理解に向けて/グノーシスにおける遵法闘争/古代グノーシスとマニ教における秘密と秘密保持/グノーシス的旅-此岸と彼岸における/〈教会〉とグノーシスとの論争における〈キリスト教的〉と〈キリスト教〉/エジプトの初期キリスト教-異端と正統の間で/〈イスラーム・グノーシス〉の問題 - H.ハーム、『初期イスマーイール派の宇宙論と救済論』(1978)に向けて//
マンダイカ細目はこちら:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「vii. マンダ教など」//
マニカイカ細目はそちら:同、「viii. マニ教など」、など、
796ページ、

別冊;索引、
70ページ。

 同じ著者による→こちら(「グノーシス諸派など」の頁のクルト・ルドルフ、『グノーシス 古代末期の一宗教の本質と歴史』、2001)や、またあちら(「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「vii. マンダ教など」中の Kurt Rudolph, Theogonie, Kosmogonie und Anthropogonie in den mandäischen Schriften, 1965)も参照


Translated with commentary by Robert A. Pretty, Adamantius. Dialogue on the True Faith in God. De Recta in Deum Fide, (Gnostica 1), Peeters, Leuven, Belgium, 1997
『アダマンティオス 神への真の信仰についての対話』
前書き
(G. S. Dicker)/賛辞(V. Stevenson)/伝記的省察(G. Barnes)/叢書編者の序言(G. W. Trompf)//
序論 タイトルと主題;もとのタイトル/主題/アダマンティオスの論敵たち//
  著者-著述の時期と場所;著者/著述の年代/創作の場所/結論//
  対話;文学的形式/対話の出典と重要性/受容者と目的/テクストの統合性/テクストの歴史//
  対話の教え//ギリシア語テクスト//
翻訳と註釈;第1部/第2部/第3部/第4部/第5部など、
226ページ。

 対話の相手はそれぞれマルキオーン派、バルダイサン派、ウァレンティノス派と設定されています(pp.6-8)。


Nathaniel Deutsch, Gurdians of the Gate. Angelic Vice Regentcy in Late Antiquityn, (Brill's Series in Jewish Studies 22), E. J. Brill, Leiden, Boston, Köln, 1999
『門の守護者たち 古代末期における天使的副摂政制』
序論 古代末期における仲介//
神話と釈義;トリックスター-副摂政の影/神話制作的釈義//
メタトロンを讃えて;神的人間としてのメタトロン/神的天使としてのメタトロン//
メタトロンの失墜//アバトゥルの嘆き;創造的な光の存在としてのアバトゥル/アバトゥルの退位/司祭としてのアバトゥル/アバトゥルとメタトロン/位格的諸伝承/計りのアバトゥル/アバトゥルと天的な水//
サバオートの回復//結論//附録;イエス/アル・ジーリーの〈完全人間〉/ヘルメースなど、
194ページ。

 同じ著者による→こちらも参照:本頁上掲の Nathaniel Deutsch, The Gnostic Imagination. Gnosticism, Mandaeism, and Merkabah Mysticism, 1995
 →そちら(「ユダヤ」の頁の「vi. マガーリヤその他と天使論」)や、あちら(「ユダヤ Ⅱ」の頁の「xi. メルカヴァー/ヘーハロート神秘主義など」)、またここ(「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「vii. マンダ教など」)にも挙げておきます。


Nicolas Förster, Marcus Magus. Kult, Lehre und Gemaindeleben einer valentiniaschen Gnostikergruppe. Sammlung der Quellen und Kommentar, (Wissenschaftliche Untersuchungen zum Neuen Testament 114), Mohr Siebeck, Tübingen, 1999
『魔術師マルコス あるウァレンティノス派グノーシス主義集団の礼拝、教義と共同体生活 原典集成と註釈』
序説//
魔術師マルコスとその学派 原典の集成と調査/リヨンのエイレナイオス『異端駁論』Ⅰ 13 への註釈/リヨンのエイレナイオス『異端駁論』Ⅰ 14 への註釈/リヨンのエイレナイオス『異端駁論』Ⅰ 15 への註釈/リヨンのエイレナイオス『異端駁論』Ⅰ 16 への註釈//
総括と結論;マルコスの生涯/マルコスの教説の根本思想/マルコスの教説と西方および東方ウァレンティノス派との関係/どのような典拠からマルコスはその教義体系を作りあげたか?/マルコス派の共同体生活と礼拝実践/マルコス派グノーシスを通した初期カトリック教会の挑戦/2-3世紀のキリスト教徒はマルコス派がどうなるようにすることができたか?/2-3世紀の宗教性の地平におけるマルコスのグノーシスなど、
498ページ。


 →こちらにも挙げておきます:「言葉、文字、記憶術/結合術、書物(天の書)など」の頁


Karen L. King, What Is Gnosticism?, The Belknap Press of Harvard University Press, Cambridge, Massachusetts, London, 2003
『グノーシス主義とは何か?』
序論/なぜグノーシス主義を定義するのはかくも難しいのか?/異端としてのグノーシス主義/アドルフ・ヴォン・ハルナックとキリスト教の本質/宗教史学派/グノーシス主義再考/ナグ・ハマディ以後Ⅰ-諸範疇と諸起源/ナグ・ハマディ以後Ⅱ-類型論/グノーシス主義の終焉?など、
358ページ。

 前掲 Williams, Rethinking “Gnoticism”, 1996 とともに、〈グノーシス主義〉という範疇を問い直した本です。
ウィリアムズがグノーシス主義の特徴とされたものを検証したのに対し、キングは〈グノーシス主義〉という概念自体が近代の所産であることを、研究史をたどりながら見ていきます。

 同じ著者による→こちら(「グノーシス諸派など」の頁中の『マグダラのマリアによる福音書』、2006や、そちら(本頁下掲の The Secret Revelation of John, 2006)、またあちら(「グノーシス諸派など」の頁のペイゲルスとの共著『「ユダ福音書」の謎を解く』、2013)も参照、編著として→ここ:本頁上掲の Images of the Feminine in Gnosticism, 1988/2000

Edited by Willis Barnstone and Marvin Meyer, The Gnostic Bible, New Seeds, Boston and London, 2003
『グノーシス主義的聖書』
グノーシス主義、グノーシス主義者たちと〈グノーシス主義的聖書〉(マーヴィン・マイヤー)/光を通す-聖なるテクストを訳す(ウィリス・バーンストーン)//
初期の知恵福音書;序説(マーヴィン・マイヤー)//トマスの福音書/ヨハネの福音書//
グノーシス的知恵の文献;序説(マーヴィン・マイヤー)//バルクの書(ユスティノス)//
  セツ派の文献;ヨハネの秘密の書/支配者たちの実在/アダムの啓示/最初の思考の三つの形態/セツの三つの柱/異邦人の幻視/ゾーストリアノスの説教/エジプト人の福音書の洗礼儀礼/雷/ペテロからフィリポへの手紙//
  ウァレンティノス派の文献;真理の福音/フィリポの福音書/フローラへの手紙(プトレマイオス)/ヨハネ福音書への注釈(ヘラクレオーン)/復活に関する論考/使徒パウロの祈り/ウァレンティノス派の典礼読解/ヤコブの秘密の書/十字架の円舞//
  トマスと他のシリア語文献;ソロモンの歌/真珠の歌/トマスの書//
  グノーシス的知恵の補足文献;魂の釈義/世界の起源について/シェームの釈義/大いなるセツの第2論文/マリアの福音書/ナハシュ派の説教//
ヘルメース文献;序説(ウィリス・バーンストーン)//ポイマンドレース/第8のものと第9のものについての講話/感謝の祈り//
マンダ教の文献;細目はこちら:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「vii. マンダ教など」//
マニ教の文献;細目はそちら:同上「viii. マニ教など」//
イスラーム神秘主義の文献;序説(マーヴィン・マイヤー)//書物の母(ウンム・アル・キターブ)//
カタリ派の文献;細目はあちら:同上「ix. ボゴミール派、カタリ派など」//
エピローグ-グノーシスの内なる光についての歴史的瞑想(ウィリス・バーンストーン)など、
872ページ。

 既訳のアンソロジー。同じ編者による→ここも参照:本頁上掲の Edited with introductions by Willis Barnstone, The Other Bible, 1994/2005


Stephen Haar, Simon Magus : The First Gnostic?, (Beihefte zur Zeitschrift für die neutestamentliche Wissenschaft und die Kunde der älteren Kirche 119), Walter de Gruyter, Berlin, New York, 2003
『魔術師シモン 最初のグノーシス主義者?』
序論;目的と根拠/構造と方法/アプローチを輪郭づける//
調査の歴史;準備的所見/行伝の歴史的価値をめぐる論争の枠内で観察されたシモン/グノーシス主義の性質と起源をめぐる論争の枠内で観察されたシモン/結論//
典拠;序説/ギリシア=ローマの古代の文献におけるマゴスたちへの言及/新約聖書におけるシモンの物語/紀元400年以前の古代キリスト教著述家におけるシモンの物語/要約的結論//
魔術師シモン;序説/ギリシア=ローマ世界における魔術/ユダヤ魔術/マタイの幼時物語におけるマゴスたち/行伝における〈魔術師〉シモンと他の〈魔術師たち〉//
グノーシス主義者シモン;序説/用語法の共通見解に向けて/古代キリスト教著述家からの証言//
結論;準備的所見/メッシーナの定義とシモン/古代キリスト教著述家とシモン/シモンについての〈シモン〉/最終結論など、
410ページ。


Birger A. Pearson, Gnosticism and Christianity in Roman and Coptic Egypt, T & T Clark International, New York, London, 2004
『ローマおよびコプト・エジプトにおけるグノーシス主義とキリスト教』
序論//
エジプトのキリスト教;エジプトにおける初期キリスト教研究の現今の争点/1世紀のアレクサンドレイアにおけるキリスト教徒とユダヤ人/『マルコ行伝』における古代アレクサンドレイア/アレクサンドレイアの聖ペテロに帰されたコプト語説教『富める者について』/エジプトのエノク/コプト語エノクのアポクリュフォン//
エジプトのグノーシス主義;一宗教としてのグノーシス主義/グノーシス主義的儀礼とイアンブリコスの論文『エジプトの密儀について』/グノーシス主義的図像誌/マニ教文献におけるセツの形象など、
318ページ。

 第1部は Gnosticism, Judaism, and Egyptian Christianity, 1990/2006 の巻末に収められた"Gnosticism in Early Egiptian Christianity"を引き継ぐもので、
 第1論考はグノーシス主義的なものも含んだ同時代資料のリスト。
 第6論考は表題にある断片の翻刻・英訳ですが、これだけでは意味がとりづらく、前半の解説および先立つ第5論考とあわせて何とか趣旨がとらえられるというものです。
 第2部の第1論考は「友人」(p.208)である
Williams, Rethinking “Gnoticism”, 1996 における〈グノーシス主義〉というカテゴリーに対する批判に応答するもの。
 第2論文ではイアンブリコスとの比較で『エジプト人の福音書』、『セツの3つの柱』、『マルサネース』が取りあげられています。
 第3論文ではオーリゲネースの『ケルソス駁論』で言及されたオフィス派の図表、確実にグノーシス主義との関係を認めうる銘入り護符2例、『イェウの書』(→こちらを参照:本頁上掲 The Books of Jeu and the Untitled Text in the Bruce Codex, 1978)に挿入された文字図表が扱われています。
 最終論文はやはり前著の第4論文
"The Figure of Seth in Gnostic Literature"のマニ教版。

 同じ著者によるものとして、また→そちらも参照:本頁下掲の Ancient Gnosticism. Traditions and Literature, 2007

Carl B. Smith Ⅱ, No Longer Jews. The Search for Gnostic Origins, Hendrickson Publishers, Peabody, Massachusetts, 2004
『もはやユダヤ人ではない グノーシス主義の起源の探求』
序論//
グノーシス主義の定義とグノーシス主義の起源についての諸理論 グノーシス主義の定義;定義のさまざまな試み/反宇宙的二元論-グノーシス主義独特の特徴/諸定義についての結論//
  グノーシス主義の起源についての諸理論;キリスト教の異端としてのグノーシス主義/イラン的二元論の所産としてのグノーシス主義/プラトーン主義の哲学的思考の所産としてのグノーシス主義/ヘルメース主義の所産としてのグノーシス主義/異教の宗教的諸神混淆主義の所産としてのグノーシス主義/ユダヤ的思弁の所産としてのグノーシス主義//
グノーシス主義の諸起源-ユダヤの社会的・政治的危機:ハスモン朝期-ダグラス・パロット/1世紀のパレスティナとシリア-クルト・ルドルフ/第1次ユダヤ叛乱(紀元66-74年)-ロバート・M・グラント/両叛乱間の時期(紀元70-135年)-ニルス・ダール/バル・コホバの叛乱(紀元132-135年)-エドウィン・ヤマウチ、ステファン・G・ウィルソン、アラン・シーガル/エジプトを焦点に-バーガー・A・ピアスン、ヘンリー・A・グリーン/結論//
トラヤヌス帝下のユダヤ叛乱-歴史的再構成とその含意 反乱の歴史記述//
  ユダヤ叛乱の諸原因;前史と政治的諸原因/社会経済的諸原因/宗教的諸原因//
  叛乱の分析と再構成//叛乱の諸効果;ローマ人への諸効果/土着の住民への諸効果/エジプトのユダヤ人共同体への諸効果/キリスト教徒への諸効果//
グノーシス主義の諸起源のための編年史的・地誌的考察 〈グノーシス的〉教師たちの編年史;グノーシス主義の諸起源についての一般的陳述/サマリアの魔術師シモン(紀元40-65年? を盛期)/サマリアのメナンドロス(1世紀末から2世紀初め)/小アジアのケリントス(1世紀末から2世紀初め)/アレクサンドレイアのカルポクラテース(エジプト、120年代)とエピパネース/アンティオキアのサトルニノス(シリア、120年代?)/アレクサンドレイアのバシリデース(エジプト、120-150年代)/後期のグノーシス主義的教師たち/観察と結論//
  グノーシス主義に対する論争作品の編年;初期キリスト教の論争家たちとグノーシス主義/ユダヤ教の論争家たちとグノーシス主義/中期プラトーン主義、グノーシス主義に対するその論争/グノーシス主義をめぐる諸論争とグノーシス主義の諸起源//
セツ派グノーシス主義、異端の地誌とグノーシス主義の諸起源のための提案 セツ派グノーシス主義-不動の種族;セツ派グノー史主義に関連する地誌/エジプトのセトとセツの不動の種族//
  グノーシス的〈異端〉の地誌;サマリア/シリア=パレスティナ/小アジア/エジプト//
  紀元115-117年のユダヤ叛乱以前におけるエジプトの宗教的文脈;ユダヤ叛乱以前のエジプトにおけるユダヤ教/ユダヤ叛乱以前のエジプトにおけるキリスト教//
  グノーシス主義の諸起源のための提案-「どのようにしてそれは起こったかもしれないのか」;疎外されたユダヤ知識人層の間でのグノーシス主義の勃興/ユダヤ人キリスト教の中からのグノーシス主義の勃興/ユダヤ教ないしユダヤ人キリスト教に改宗したプラトーン主義の徒/提案の要約と結論など、
336ページ。


Karen L. Kiing, The Secret Revelation of John, Harvard University Press, Cambridge, Massachusetts, London, 2006
『ヨハネの秘められた啓示』
序論/翻訳//
語り;理念-神的な領域/問題-破断/結果-世界における人間の状況/結論-救済/ユートピア的欲望、社会批判と抵抗//
解釈の戦略;方法と戦略/プラトーン主義化する哲学/モーセス/知恵文学/ヨハネの福音書/逆襲する嘘と欺き/テクストの歴史など、
412ページ。

 同じ著者による→→こちらも参照:本頁上掲の What Is Gnosticism?, 2003


Birger A. Pearson, Ancient Gnosticism. Traditions and Literature, Fortress Press, 2007
『古代のグノーシス主義 諸伝承と文献』
序論//
グノーシス主義とは何か?;グノーシスとグノーシス主義-定義の諸問題/グノーシス主義-その本質的な諸特徴/歴史的文脈-プラトーン主義とユダヤ教/グノーシス主義-諸典拠//
初期グノーシス主義の教師たちと諸体系についての反異端論者の報告;魔術師シモン/メナンドロス/サトゥルニヌスあるいはサトルニロス/2つのアジアの異端-ニコライ派とケリントス/カルポクラテース派/グノーシス主義者ユスティノス/オピス派とオピアン/カイン派//
セツ派あるいは古典的グノーシス主義;教父たちのセツ派についての説明/エイレナイオスとエピファニオスによって記されたグノーシス主義者たち/コプト語で保存されたセツ派グノーシス文書/証言を評価する//
グノーシス主義的聖書解釈-グノーシス主義的創世記;「初めに」-知られざる神/「神は創造した」-グノーシス主義的デーミウールゴス/ソピア-処女、母、娼婦/「人を造ろう」/「蛇はより賢かった」/カイン、サマエルの息子/セツ、救済者/ノーレア-淫らな娘にしてグノーシス主義のヒロイン/宇宙的災厄-堕天使たち、洪水、火災/結論//
バシリデースとバシリデース的グノーシス;典拠/バシリデースの神話論的・哲学的体系/イシドロスと他のバシリデース主義者たち/結論//
ウァレンティノスとウァレンティノス派グノーシス;ウァレンティノスの教説/プトレマイオスと西方ウァレンティノス派/ヘラクレオーン/テオドロス/マルコスとマルコス派/コプト語で保存されたウァレンティノス派の著書/結論//
3原理の諸体系;ナハシュ派/ペラテース派/ドケータイ/アラビア人モノイモス/セツ派/シェームの釈義(NHC Ⅶ, 1)//
つながりのよくわからないコプト語グノーシス主義文書;『祝福されたエウグノストス』(NHC Ⅲ, 3, Ⅴ, 1)と『イエス・キリストのソピア』(NHC Ⅲ, 4, BG, 3)/『ヤコブのアポクリュフォン』(NHC Ⅰ, 2)/『この世の起源について』(NHC Ⅱ, 5; ⅩⅢ, 2)/『魂の解明』(NHC Ⅱ, 6)/『パウロの黙示録』(NHC Ⅴ, 2)/『(第1)ヤコブの黙示録』(NHC Ⅴ, 3)/『(第2)ヤコブの黙示録』(NHC Ⅴ, 4)/『雷-全き心』(NHC Ⅵ, 2)/『ある大いなる力の概念』(NHC Ⅵ, 4)/『大いなるセツの第2論文』(NHC Ⅶ, 2)/『ペテロの黙示録(啓示)』(NHC Ⅶ, 3)/『フィリポへのペテロの手紙』(NHC Ⅷ, 2)/『真理の証言』(NHC Ⅸ, 3)/『ヒュプシプロネー』(NHC ⅩⅠ, 4)/『マリアの福音書』(BG, 1)/『ピスティス・ソピア』/『イェウの書』//
トマス=キリスト教;『トマス行伝』と『真珠の歌』/『トマスの福音書』(NHC Ⅱ, 2)/『闘技者トマスの書』(NHC Ⅱ, 7)//
ヘルメース・トリスメギストスとヘルメース的グノーシス;『ヘルメース文書 1-ポイマンドレース』/『ヘルメース文書 7』/『第8のものと第9のものについての講話』(NHC Ⅵ, 6)/『アスクレピオス』21-29(NHC Ⅵ, 8)/『感謝の祈り』(NHC Ⅵ, 7)//
マーニーとマニ教;マーニーの生涯/マーニーの著作/マニ教の神話体系/マニ教共同体の生活と崇拝/ローマ帝国におけるマニ教//
マンダ教徒たち-古代グノーシス主義の現存する形見;マンダ教文献/マンダ教の教義と神話論/マンダ教の儀礼と倫理/歴史におけるマンダ教徒たち//
エピローグ-グノーシス主義の持続性など、
378ページ。

 各資料の解題。見取り図として有用です。ただし著者のグノーシス主義ユダヤ教起源説の香り入り。
 同じ著者による→こちら(本頁上掲 Birger A. Pearson, Gnosticism, Judaism, and Egyptian Christianity, 1990/2006)や、またあちらも参照:前掲 Birger A. Pearson, Gnosticism and Christianity in Roman and Coptic Egypt, 2004


 この他、「ユダヤ」のページ中「vi. マガーリヤその他と天使論」で挙げた諸文献や、

Gershom Scholem, Jewish Gnosticism, Merkabah Mysticism, and Talmudic Tradition, 1960/1965

Joseph Dan, The Ancient Jewish Mysticism, 1993

Joseph Dan, Jewish Mysticism. Volume 1 : Late Antiquity, 1998

Joseph Dan, Jewish Mysticism. Volume 3 : The Modern Period, 1999, pp.367-390:“Samael and the Problem of Jewish Gnosticism”, pp.415-433:“Kabbalistic and Gnostic Dualism”

Peter Schäfer, Mirror of His Beauty. Femine Images of God from the Bible to the Early Kabbalah, 2002

ロラン・ゲッチェル、『カバラ』、1999、pp.42-48:「第1章 Ⅴ メルカーバー神秘主義とグノーシス主義」


Henry Corbin, “De la gnose antique à la gnose ismaélienne”, Temps cyclique et gnose ismaélienne, 1982, pp.167-208

 なども参照

 ただし、ショーレムなりコルバンなりが、〈グノーシス〉について記す際の、歴史性と非歴史性との天秤がどう傾いているか、またショーレムとコルバン二人にとって歴史性のあり方は大いに異なるであろうことなどに、注意する必要があります。
 ショーレムについては→こちら:「ユダヤ Ⅱ」の頁の「ix. ショーレムの著作とその周辺」」、
 コルバンについては→そちら(「イスラーム Ⅱ」の頁の「v. シーア派など」などを参照

2013/12/29 以後、随時修正・追補
グノーシス諸派など Ⅲ
マンダ教、マニ教(マーニー教)、ボゴミール派、カタリ派など
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