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バロックなど(17世紀)
 i 個々の著述家など Ⅰ
アルント(1555-1621)、ガリレイ(1564-1642)カンパネッラ(1568-1639)、フラッド(1574-1637)など
 ii ケプラー(1571-1630)など
iii ベーメ(1575-1624)、その他
iv 薔薇十字団、その他
v デカルト(1596-1650)など
 vi 個々の著述家など Ⅱ
キルヒャー(1602-1680)、ミルトン(1608-1674)、シラノ(1619-1655)、トマス・ヴォーン(1621-1666)、パスカル(1623-1662)、バーネット(1635?-1715)、ステノ(1638-1687)、フォントネル(1657-1759)など
vii ニュートン(1642-1727)など
viii ライプニッツ(1646-1716)など
  おまけ
シェイクスピア(1564-1616)その他 

* そもそも西欧の近世の何たるかもよくわかっていませんが、
 とりあえず大まかにその前半は、美術史でいうところのバロック期、17世紀あたり、
 後半はロココ期、18世紀あたりとしておきます。
 といいつつ、前の時期・次の時期にかぶるものも出てきたりすることでしょう。
 ともあれ例によって、多々誤りもあろうかと思いますが、ご寛恕ください。

i. 個々の著述家など Ⅰ

アルント(1555-1621
ガリレイ(1564-1642
カンパネッラ(1568-1639
フラッド(1574-1637 

 ヨハン・アルント(1555-1621);

アルント、南原和子訳、「真のキリスト教(抄)」、『キリスト教神秘主義著作集 12 16世紀の神秘思想』、2014、pp.349-527+註、解説と解題

 邦訳は全4巻中の第4巻「自然の書」
………………………

 ガリレオ・ガリレイ(1564-1642);

ガリレオ・ガリレイ、山田慶児・谷泰訳、『星界の報告 他1篇』(岩波文庫 青 906-5)、岩波書店、1976
星界の報告/太陽黒点にかんする第2書簡など、
178ページ。

 前者は1610年、後者は1613年刊。


ガリレオ・ガリレイ、青木靖三訳、『天文対話』(上下)(岩波文庫 青 906-1/2)、岩波書店、1959/1961
1632年刊の『(プトレマイオスとコペルニクスとの)二大世界体系についての対話』の全訳。
上;献辞/第1日/第2日など、
442ページ。

下;第3日/第4日など、
308ページ。

 「第1日」はアリストテレス『天体論』の註釈の形をとり(下、「解説」、pp.278-280)、
 「第2日」は地上の物理的現象、
 「第3日」は天界の天文現象、
 「第4日」は潮汐現象を扱う(同、p.281)。

豊田利幸責任編集、『世界の名著 21 ガリレオ』、中央公論社、1973
ガリレオの生涯と科学的業績(豊田利幸)私とガリレオとの出会い/ガリレオが生まれる前の世界情勢/ガリレオの誕生とその生い立ち/ガリレオの科学的業績(ガリレオの経済生活/仕事の原理/相対性原理)/ガリレオの宗教裁判/ガリレオ以後(アカデミア・デル・チメント/クリスティアン・ハイゲンス)/ガリレオと中国および日本/ガリレオ名言集/あとがき//
レ・メカニケ(豊田利幸訳)機械の学問および道具から引き出される有用性について/定義/前節でのべた場合についてのいくつかの注意/竿秤と梃子について/輪軸と車地について/複滑車について/螺子について/揚水用のアルキメデス螺旋について/打撃力について//
偽金鑑識官(山田慶児・谷泰訳)(原書絵枠のなかのタイトル文)/(出版物検閲官の検閲後評文、1623/2/2)/ウルバン八世教皇聖下へ、1623/10/20/(序文)/1~53/(ヨハンネス・ファベルより)/(フランチェスコ・ステッルーティ氏よりガリレオ氏へ)など、
582ページ

第21巻付録63;ガリレオと現代(湯川秀樹・豊田利幸対談)、12ページ。

 豊田利幸「ガリレオの生涯と科学的業績」は p.5 から p.210 までの大作。
 その内「ガリレオの誕生とその生い立ち」中には、最初の研究論文
 「小天秤(ラ。ビランチェッタ)」
の全訳が(pp.37-41)、
「ガリレオ以後」中の「2 クリスティアン・ハイゲンス」には、
 ハイゲンス、『光についての論考』、1690、「第1章 真直ぐに伸びる光線について
の全訳が含まれています(pp.153-170)。
 ちなみに『レ・メカニケ』は pp.211-270(豊田論考、p.50、pp.65-66、pp.70-76 も参照)、
 『偽金鑑識官』は pp.271-547(豊田論考、pp.107-110 参照)。
 →こちら(「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「おまけ」/ダニエレブスキー『紙葉の家』に関連して)で触れました


金山弘昌、「第2章 ベルニーニとガリレオ - 盛期バロック美術と科学革命の関係」、伊藤博明責任編集、『叡智のアルストピア オリエントから、そしてすべては、イタリアへ』(イタリア美術叢書Ⅵ)、ありな書房、2022、pp.63-102+註:pp.248-253
はじめに ベルニーニ家の蔵書目録にみられるガリレオの著書/「顔を白塗りにした男」 - 彫刻の立体性と芸術比較論(パラゴーネ)/ダフネの翻る髪の毛と「慣性の法則」/新たな宇宙形状論(コスモグラフィー)への関心と逡巡 - 天動説と地動説、円と楕円/おわりに

大貫義久、「ガリレオにおける学知の圏域 コペルニクス問題をめぐって」、『ユリイカ』、no.798、vol.55-1、2023.1:「特集 コペルニクス 『天球の回転について』から『チ。 - 地球の運動について -』へ」、pp.104-113
コペルニクス問題へ/ベッラルミーノ『フォスカリーニ宛の書簡』/ガリレオ『クリスティーナ大公母宛の書簡』/結びにかえて

Stillman Drake, “Galileo”, Cosmology. Historical, Literary, Philosophical, Religious, and Scientific Perspectives, 1993 / 2008, pp.235-238
ガリレオ
Stillman Drake, “Galileo and the Inquisition”, op.cit., pp.575-580
「ガリレオと異端審問」
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 トンマーゾ・カンパネッラ(1568-1639);

カンパネッラ、坂本鉄男訳、『太陽の都・詩篇』(古典文庫 11)、現代思潮社、1967
太陽の都/詩篇//
解説;トンマーゾ・カンパネッラ略伝/『太陽の都』について、など、
188ページ。

 『太陽の都』は1602年、獄中で執筆イタリア語により執筆、1623/1637年ラテン語版が出版。


トンマーゾ・カンパネッラ、澤井繁男訳、『ガリレオの弁明』(ちくま学芸文庫 カ 20-1)、筑摩書房、2002
 1991年刊本の文庫化。
出版社から好意ある読者への挨拶/枢機卿ボニファーチョ・カエターニ閣下への献辞/序文/
反ガリレオ説/親ガリレオ説/第4、第5章の回答へと導く3つの前提条件/第1章で提示した反ガリレオ説への回答/第2章の親ガリレオ説で提示された論題をいかに大切に扱うか//
コスモロジー概説 - 古代からルネサンス末期まで/訳者解説 カンパネッラの知的位相など、
216ページ。

 原著は1616年夏に執筆、1622年出版。


トンマーゾ・カンパネッラ、村松真理子・池上俊一訳、「事物の感覚と魔術について」(1620)(第4巻)、『原典 ルネサンス自然学 上』、2017、pp.579-638
19章+エピローグ
………………………

 ロバート・フラッド(1574-1637);

ジョスリン・ゴドウィン、吉村正和訳、『交響するイコン フラッドの神聖宇宙誌』(クリテリオン叢書)、平凡社、1987
原著は Joscelyn Godwin, Robert Fludd. Hermetic Philosopher and Surveyer of Two Worlds, 1979
序論 両世界の探求あるいはロバート・フラッドの天路歴程//
図版とその解説;大宇宙/カバラ/ピラミッドと一弦琴/風と天候計/小宇宙としての人間/自然をまねる猿/小宇宙の諸技術//
訳者解説 始原への旅など、
320ページ。


 →こちらで少し触れました;「四角錐と四つの球 - 怪奇城の意匠より」の頁
 同じ著者による→そちらを参照:「通史、事典など」の頁の「iii. 地学・地誌・地図、地球空洞説など」の項


デジレ・ハースト、高橋誠訳、「R.フラッドとW.ブレイク」、『ユリイカ』、vol.15 no.69、1983.6:「特集 神秘主義」、pp.154-169
原著は Désiré Hirst, Hidden Riches. Traditional Symbolism from the Renaissance to Blake, 1964, chapter 4

 →こちらにも挙げておきます:「ロココ、啓蒙思想など(18世紀)」の頁の「v. ブレイクなど
 同じ著者による→そちらを参照:本頁下掲の「iii. ベーメ、その他

 以下も参照;

W.パウリ、「元型的観念がケプラーの科学理論に与えた影響」、1976

フランセス・イエイツ、『世界劇場』、1978

Peter J. Ammann, "The Musical Theory and Philosophy of Robert Fludd", Journal of the Warburug and Courtauld Institutes, vol.30, 1967, pp.198-227
「ロバート・フラッドの音楽理論と哲学」

ii. ヨハネス・ケプラー(1571-1630)など

 ケプラーに興味を抱くきっかけとなったのは、プラトーンのところでも挙げた(→こちら:「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「vi. プラトーン」)

澁澤龍彦、「プラトン立体」、『胡桃の中の世界』、1974、pp.27-49

 です。
 澁澤龍彦については→こちらを参照:「通史、事典など」の頁の「おまけ
 (関連して「寄木細工、透視画法、マッツォッキオ、留守模様 - 幻想絵画の周辺(仮)より」のページの→そちらもご覧ください)。
 その頃見ることのできたのは;


アーサー・ケストラー、小尾伸弥・木村博訳、『ヨハネス・ケプラー 近代宇宙観の夜明け』(新装版 現代の科学 12)、河出書房、1977
原著は Arthur Koestler, The Watershed. A Biography of Johannes Kepler, 1960
これは The Sleepwalkers, 1959 の第4章を独立させたもの(p.Ⅰ、p.353)
まえがき(ジョン・H・ダーストン)//
若き日のケプラー/『宇宙の神秘』/つのる苦しみ/チコ・ブラーエ/チコとケプラー/法則の発表/失意のケプラー/ケプラーとガリレオ/混沌と調和/花嫁を計算する/晩年など、
372ページ。


W.パウリ、村上陽一郎訳、「元型的観念がケプラーの科学理論に与えた影響」、C.G.ユング、W.パウリ、河合隼雄・村上陽一郎訳、『自然現象と心の構造 非因果的連関の原理』、海鳴社、1976、pp.147-251
原著は Carl Gustav Jung, Wolfgang Pauli, The Interpretation of Nature and the Psyche, 1955
はじめに/元型的観念がケプラーの科学理論に与えた影響//
付録;人間の霊魂が自然の一部であるという命題に対するフラッドの反論/四という数の特性についてのフラッドの論点/プラトン主義的、ヘルメス主義的傾向:ヨハネス・スコトゥス・エリウゲナ

 同書所載のユングの論文は「共時性:非因果的連関の原理」、
 全280ページ。

 すぐ上のフラッドの項でも挙げましたが、パウリに関して→こちらにも挙げておきます:「近代など(20世紀~)」の頁の「おまけ
 ユングの論考は→そちらで触れました:「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「おまけ」・モーゲンスターン『地下図書館の海』にちなんで


ヨハネス・ケプラー、渡辺正雄・榎本恵美子訳、『ケプラーの夢』、講談社、1972
訳者序言(渡辺正雄)//
夢、もしくは月の天文学に関する遺作(ルードウィヒ・ケプラー、1634)//
ヨハネス・ケプラーの夢もしくは月の天文学;レヴィニアからのデーモン/プリヴォルヴァ半球について/スブヴォルヴァ半球について//
天文学的な夢に関するケプラーの註//地理学的もしくはよりふさわしくは月理学的付記//
ケプラーの生涯(渡辺正雄)//訳者解説図など、
214ページ。


 この他、

『ガリレオ、ケプラー集 世界大思想全集 31』、河出書房新社、1963

 が『新しい天文学』と『世界の調和』の抄訳を収めていたとのこと(未見)。

 その後;

ヨハネス・ケプラー、大槻真一郎・岸本良彦訳、『宇宙の神秘 五つの正立方体による宇宙形状誌』、工作舎、1982
献辞/読者への序//
コペルニクス説の正しい理由とその説の解説/本論の概要/五つの正立方体が二種類に分けられる理由および地球が正しく位置づけられている理由/三つの立体が地球のまわりを囲み、残りの二つが中に入る理由/立方体が正立方体の第一のもので、最も高所に位置する[二つの]惑星のあいだにくる理由/木星と火星のあいだに正四面体がくる理由/第二次立体の序列と特性について/金星と水星のあいだに正八面体がくる理由/惑星間の立体の配置、それにふさわしい特性、立体から明らかにされる惑星相互の親縁性/いくつかの高貴な数の起源について/獣帯の分割と星位/正立方体に内接しまた外接する球の計算について/本書の第一の目的、すなわち、五つの立方体が諸軌道のあいだにくることの天文学的証明/距離の補正と、プロスタパイレシスの差異/月に関する私見および立体と軌道の素材について/水星に関する補説/全体として見たときの、正立体から算出されるプロスタパイレシスとコペルニクスのそれとの不一致について。および天文学の精確さについて/個別的に見たときそれぞれの惑星に残っている不一致について/軌道に対する運動の比はどうであるか/諸数値が不整合であることから何が推論されるか/等化円の中心から見ると惑星は一定の速さで動く理由/天文学より見た宇宙の始めと終り、およびプラトン年について//
後気 幾何学精神に導かれて(簡単な解説を兼ねて)(大槻真一郎)など、
376ページ。

 原著は1596年刊行
 第2章の終わり、第3章の前(p.96 と p.97 の間)に貼りこまれた「図表Ⅲ 諸惑星軌道の大きさと5つの幾何学的正立体による諸惑星軌道間の距離を示す」→こちらに画像の頁


ヨハネス・ケプラー、岸本良彦訳、『宇宙の調和 不朽のコスモロジー』、工作舎、2009
献辞//
調和比のもとになる正則図形の可知性と作図法から見た起源、等級、序列、相異/調和図形の造形性/調和比の起源および音楽に関わる事柄の本性と差異/地上における星からの光線の調和的配置と気象その他の自然現象を引き起こす作用/天体運動の完璧な調和および離心率と軌道半径と公転周期の起源//
解説(岸本良彦)など、
622ページ。

 原著は1619年刊行


 →こちらにも挙げておきます:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「iv. 音楽など

ヨハネス・ケプラー、岸本良彦訳、『新天文学 楕円軌道の発見』、工作舎、2013
序論/仮説の比較について/古人の説にならった火星の第1の不整について/第2の不整すなわち太陽もしくは地球の運動の研究 あるいは運動の物理的原因に関する多彩にして深遠な天文学の鍵/物理的原因と独自の見解による第1の不整の真の尺度の探求/緯度について//
解説(岸本良彦)など、
686ページ。

 原著は1609年刊行


渡辺正雄編、『ケプラーと世界の調和』、共立出版、1991
休みなき60年 - ケプラーの生涯とその時代(E.J.エイトン:同じ著者による→こちらを参照:本頁下掲の「viii. ライプニッツなど」)/異端か正統か - ケプラーと神学(同)/宇宙の完全性を求めて - ケプラーのコスモロジー(J.V.フィールド)/惑星運動の秘密をさぐる - ケプラーの天文学(E.J.エイトン)/理性で聴く惑星の音楽(小川劯)/占星術への寄与と批判(J.V.フィールド)/多面体の幾何学から対数まで - ケプラーの数学(同)/光と視覚および望遠鏡 - ケプラー光学の展開(田中一郎)/雪と花のかたち - ケプラーの雪月花(Ⅰ)(榎本恵美子)/月のすがた - ケプラーの雪月花(Ⅱ)(渡辺正雄)/中国と日本におけるケプラー(橋本敬造:同じ著者による→そちらを参照:「中国」の頁の「iii. 科学史・天文学史とその周辺」)など、
284ページ。


ニック・コラーストロム、大熊昭信訳、「ケプラーの占星術信仰」、『ユリイカ』、vol.25-6、1993.6;「特集 占星術 照応と象徴のコスモロジー」、pp.172-188
原著は Nick Lollerstrom, "Kepler's Belief in Astrology", History of Astrology. Clio and Urania confer., 1989
解説/『テルシアム・インテルウェンス』すなわち『中間の第三の人間』/『占星術の確かさの基礎について』/暦の制作者/二人の注目すべき文通相手/12宮なんて捨ててしまえ?/『宇宙の調和』/結語

P.R.クロムウェル、下川航也・平澤美可三・松本三郎・丸本嘉彦・村上斉訳、『多面体』、2001、pp.140-182:「第4章 幻想性、調和性、一様性」
ケプラーの生涯/解かれた謎/宇宙の構造/いろいろな形の貼り合わせ/菱形多面体/アルキメデス立体/星型多角形と星型多面体/半立体的多面体/一様多面体

山本義隆、『磁力と重力の発見』、2003、第3巻、「第18章 磁気哲学とヨハネス・ケプラー」
ケプラーの出発点/ケプラーによる天文学の改革/天体の動力学と運動霊/ギルバートの重力理論/ギルバートのケプラーへの影響/ケプラーの動力学/磁石としての天体/ケプラーの重力理論

大愛崇晴、「ケプラーにおける協和音の問題」、『美學』、no.228、2007.3.30、pp.55-68[ < CiNii Articles

山本義隆、『世界の見方の転換』、第3巻、2014、第12章、付記C、付記D
第12章 ヨハネス・ケプラー - 物理学的天文学の誕生;メストリンとの出会い/ケプラーの出発点/宇宙の調和的秩序/ティコ・ブラーエとの出会い/ケプラーとウルスス/天文学の仮説について・幾何学的仮説と自然学的仮説/物理学としての天文学/物理学的太陽中心理論/ケプラーの第0法則/円軌道の破綻/地球軌道と太陽中心理論の完成/等速円運動の放棄と面積法則/楕円運動への道
ケプラーの第1法則/第2法則の完成/第3法則とケプラーの物理学/プラトン主義と元型の理論/ケプラーにとっての経験と理論/おわりに-物理学の誕生//
付記C ケプラーの法則に関連して;火星軌道の決定 その1 第0法則の検証/火星軌道の決定 その2 等化点モデルの検証/地球軌道の決定 離心距離の2等分について/卵型軌道近似の誤差/楕円軌道の磁気作用による説明/火星軌道の決定 その3 直径距離と面積法則/ケプラーの思考の実例 第3法則の力学モデル//
付記D ケプラーと占星術;ケプラーの占星術批判/星相の理論と有魂の地球


ヨハネス・ケプラー、田中一郎訳、「屈折光学」(1611)、『原典 ルネサンス自然学 下』、2017、pp.893-969

D. P. Walker, "Kepler's Celestial Music", Journal of the Warburug and Courtauld Institutes, vol.30, 1967, pp.228-250
「ケプラーの天界の音楽」

 同じ著者による→こちらを参照:「ルネサンス、マニエリスムなど(15~16世紀)」の頁の「i. 通史・概説的なものなど


W. H. Donahue, “Kepler”, Cosmology. Historical, Literary, Philosophical, Religious, and Scientific Perspectives, 1993 / 2008, pp.239-262
「ケプラー」


 伝記小説という形で;

ジョン・バンヴィル、高橋和久・小熊令子訳、『ケプラーの憂鬱』、工作舎、1991
原著は John Banville, Kepler, 1981/83
宇宙の神秘/新天文学/屈折光学/世界の調和/夢//
ジョン・バンヴィル小論(高橋和久)など、
376ページ。


 ケプラーが登場するフィクションということで→こちらも参照:本頁下掲の「おまけ

iii. ヤーコプ・ベーメ(1575-1624)、その他

ヤコブ・ベーメ、征矢野晃雄訳、『黎明(アウロラ)』、牧神社、1976
 1921年刊本の復刊
ヤコブ・ベーメに就いて(征矢野晃雄)//
序言+第1章~第27章の内、第18章~第26半ばまで章は割愛、
452ページ。

 細目は次の訳を参照

 復刻版は後掲の南原実『ヤコブ・ベーメ 開けゆく次元』、月報(山下武「ベーメ復興について思うこと」)、ヤコブ・ベーメ参考文献一覧とセット


 処女作『アウローラ』(1612)の全訳が;

ヤーコプ・ベーメ、薗田坦訳、『アウローラ 明け初める東天の紅 ドイツ神秘主義叢書 8』、創文社、2000
本書について好意ある読者に寄せる著者の序言/自然に於ける神的本質の探究について/いかに神と自然の本質は考察されるべきかについての指針/きわめて祝福され、勝利に充ちた、聖にして聖なる三重性、父、子、聖霊なる神、そして唯一なる神について/聖なる天使の創造について。一つの指針あるいは開かれた天上の門/天使の体的実体、本質および固有性について/いかに天使と人間は、神の似姿および像であるか/天使の外延、場所、居住および統轄について。創造ののち、それらは始めにいかに成立し、またいかにしてそのようになったか/天使の王国のまったき体について。大いなる秘義/優雅にして親愛なる、また慈愛深き神の愛について/神的な力における第六の根源=霊について/神的な力における第七の根源=霊について/聖天使の誕生と到来、および統轄、秩序、そして天上の歓喜の生について/ルチフェルの王国の、恐るべき、嘆かわしい、悲惨な堕落について/いかにして天上の最も美しい天使ルチフェルが最も忌まわしい悪魔になったか/ルチフェルにおける罪の始源の、第三の相あるいは形姿について/ルチフェルとその天使たちにおける罪の始源の、第七の相あるいは形姿について/潰敗せる自然の嘆かわしい惨めな状態、そして聖なる神の統治に代わる四元素の起源について/天と地、そして第一日の創造について/創造された天、地と水の形姿、そして光と闇について/第二日について/第三日について/星々の誕生と第四日の創造について/地の上方の深みについて/星々の合=体化について/星々の誕生の全身体すなわち全占星学、あるいはこの世界の全身体について/土星について/著者の結語。書簡10.38など、
442ページ。


南原実訳、『キリスト教神秘主義著作集 13 ヤコブ・ベーメ』、教文館、1989
シグナトゥーラ・レールム - 万物の誕生としるしについて - (全16章、1622)/神智学書簡(1618-1624)/ベーメの生涯と作品(アブラハム・フォン・フランケンベルク、1651)/プリンキピアの表(1624)/フィロソフィアの球-あるいは永遠の奇跡の目 - 魂に関する40の問いから(1620)/自然の輪 三重の生命から(1620)/J.ベーメの各作品に寄せられたフィギュア(1682の全集から)/ドイツの神智学者ヤコブ・ベーメンの深遠なるプリンキピアについて(ウィリアム・ロー、1763)など、
488ページ。


ヤコブ・ベーメ、四日谷敬子訳、「真の心理学」、『哲学』、no.9 vol.3-4、1989 冬:「特集 神秘主義 テクノロジーとカルト」、pp.128-161

 ドイツ語標題では『魂に関する40の問い』(1620)。第1問全280節中、102節まで。

ヤーコプ・ベーメ、四日谷敬子訳、『無底と根底 ベーメ神秘主義主要著作集』、哲学書房、1991
六つの神智学的要点/神の観想/恩寵の選び(第6章まで)//
解説-生涯、著作、影響史など、
372ページ。

 『六つの神智学的要点』と『恩寵の選び』は1620年成立、『神の観想』は『キリストへの道』(次の訳書)所収


ヤコブ・ベーメ、福島正彦訳、『キリストへの道』、松籟社、1991
真の改悛について/聖なる祈りについて/真の平静について/新しい再生について/超感性的な生について - 師と弟子との対話 -/神を見る高貴な門/光明にみたされた魂とみたされない魂との対話/四つの気質に関する慰めの書など、
288ページ。

 原著は1624年刊行


 他に

『ベーメ小論集 ドイツ神秘主義叢書 9』、創文社

 があります(未見)。

 また

岡部雄三・門脇由紀子訳、『キリスト教神秘主義著作集 14 17・18世紀のベーミストたち』、教文館、2010
ジョン・ポーディジ(1607-81);テオロギア・ミスティカ(1683、抄)/まことの知恵の石に関する哲学的書簡(1698)//
ジェーン・リード(1623-1704);数多の庭を潤す泉(1696-1701、抜粋)/創造の御業の驚異(1695)/ヴィジョンの山へ昇る(1699、抄)//
トマス・ブロムリー(1629-91);安らぎの安息日への道(1655、抄)//
フィラデルフィア協会設立と振興の理由から抜粋した信条集(1697)//
アブラハム・フォン・フランケンベルク(1593-1652);知恵の根拠に関する断案(1640)/書簡(1634-1652)/ラファエルあるいは癒しの天使(1639/1676)//
ヨハン・ゲオルク・ギヒテル(1638-1710);書簡(1680-1708)//
ヨハン・ヴィルヘルム・ユーバーフェルト(1659-1732);書簡(1700-1708)//
アンゲルス・シレシウス(1609-77);詩(1657,1675//
クヴィリーン・クールマン(1651-89);神の啓示すなわち幻視(1688)//
ゴットフリート・アーノルト(1666-1714);異端者の歴史をめぐる概括的所見(1729)/神の知恵ソフィアの神秘(1700)/詩//
ウィリアム・ロー(1686-1761);愛の霊(1752,1754)//
『最上の敬虔と知恵』序文(1675)、
814ページ。

………………………

南原実、『ヤコブ・ベーメ 開けゆく次元』、牧神社、1976
生涯;25歳のある日まで/残された25年//
パノラマ;無からはじまって……/欲の七段の梯子/ルチファの反逆/第3の創造/アダムとソフィア/大団円/新たなはじまり//
作品一覧など、
246ページ。

 上掲征矢野晃雄訳、『黎明(アウロラ)』とセット


南原実、『極性と超越 ヤコブ・ベーメによる錬金術的考察』、新思索社、2007
はじめに/序章/本論/終章/ヤコブ・ベーメの生涯など、
202ページ。


稲生永、「ベーメ『黎明』+南原実『ヤコブ・ベーメ 開けゆく次元』 開かれた地平へ」、『牧神』、no.7、1976.11:「特集 神秘主義について」、pp.79-81

D.ハースト、高田康也訳、「ヤコブ・ベーメと17世紀の英国」、同上、pp.126-143

 原著の記載なし。
 同じ著者による→こちらを参照:本頁上掲の「フラッド


南原実、「球体マンダラ」、同上、pp.144-155

中井章子、「ベーメとサン-マルタンにおける神秘思想」、『理想』、no.565、1980.6:「特集 神秘主義」、pp.72-84
ヤコブ・ベーメ - 人間の新たな誕生/パスカリとサン-マルタン - 万物の回復

 →こちらにも挙げておきます:「ロココ、啓蒙思想など(18世紀)」の頁の「サン=マルタン

今泉文子、「ヤーコプ・ベーメをめぐって」、『ユリイカ』、vol.15 no.69、1983.6:「特集 神秘主義」、pp.128-137

福島正彦、『ベーメ倫理思想の研究』、松籟社、1984
序言-本稿の意図と方法//
ベーメ倫理思想の背景 - その生涯と内面的神秘説 -;内面的神秘説の萌芽 - 処女作以前 -/内面的神秘説の成立 - 処女作誕生 -/内面的神秘説の成熟 - 処女作以降 -//
ベーメ倫理思想の特質 - 「無底」との関連より見た - 「無底」について;ベルジャーエフのベーメ論と本章の視点/神と悪の問題/「無底」と「深淵」/突如と戦慄//
  人間、神性、自由;ドストエフスキーとベーメとの共通の象徴と両極性/人間と神性/「無底」の自由/イヴァン・カラマーゾフの問題と「無底」説//
  「無底」の愛と浪漫的憧憬;ベーメとシェリングとの一般的共通性/シェリングの「無底」説とベーメの見解との具体的共通点/ノヴァーリスのベーメ批評/両者の具体的共通点-憧憬の所在//
  善の問題 - 「全て善し」について;C.ウィルソンのベーメ論と本章の問題/ベーメのエクスタシー/悪の問題・再説/「全て善し」の意味-受容//
結語など、
256ページ。


福島正彦、「ベーメの神智学とヘーゲル」、『人文学論集』、no.5、1987.3.20、pp.85-95 [ < OPERA 大阪府立大学学術情報リポジトリ

 →こちらにも挙げておきます:「ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)」の頁の「ヘーゲル

福島正彦、「ベーメの人間観 : その基礎的データーとシェリング(一)」、『人文学論集』、no.14、1996、pp.17-33 [ < OPERA 大阪府立大学学術情報リポジトリ

 同、 「ベーメの人間観 : その基礎的データとシェリング(二)」、『人文学論集』、no.15、1997.1.10、pp.15-30 [ < 同上]

大村春雄、『ベーメとヘーゲル』、高文堂出版社、1987
ベーメとドイツ哲学/ベーメ小論/Verstand - ベーメの場合 -/Natur- ベーメの場合 -/人間的自由と非合理主義の哲学 - シェリングを中心に -/ヘーゲル『精神の現象学』/語ること、私念、判断/ヘーゲルの論理学について/ヘーゲルの論理学/ヘーゲル哲学とキリスト教/ヘーゲルにおける存在学と神学/ヘーゲル論理学における端緒の問題など、
252ページ。


 →こちらにも挙げておきます:「ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)」の頁の「ヘーゲル

金子晴勇、「ベーメとシェリングの「根底」学説 : プロテスタントの神秘思想(2) 」、『聖学院大学論叢』、vol.11 no.3、1999.3.25、pp.25-42 [ < SERVE(聖学院情報発信システム) ]

バサルブ・ニコレスク、土田知則訳、「ベーメ的宇宙における構造と自己-組織化」、『現代思想』、vol.20-2、1992.2:、「特集 グノーシス主義」、pp.136-147
原著は Basarab Nicolescu, “Structure et auto-organisation dans l'univers boehemien”, La science, le sens et l'évolution, 1988
三元的な構造/〈現実〉の七元的な自己=組織化

岡村康夫、「無底と悪」、『山口大学哲学研究』、no.1、1992、pp.76-93 [ < YUNOCA(山口大学学術機関リポジトリ) ]

岡村康夫、「ヤーコプ・ベーメの初期思想」、『山口大学哲学研究』、no.4、1995、pp.19-44 [ < YUNOCA(山口大学学術機関リポジトリ) ]

岡村康夫、「ヤーコプ・ベーメの初期思想(2)」、『山口大学哲学研究』、no.5、1996、pp.1-18 [ < YUNOCA(山口大学学術機関リポジトリ) ]

岡村康夫、「存在の秘儀」、『山口大学哲学研究』、no.7、1998、pp.41-60 [ < YUNOCA(山口大学学術機関リポジトリ) ]

岡村康夫、『無底と戯れ ヤーコプ・ベーメ研究』、昭和堂、2012
神の戯れ~ヤーコプ・ベーメの神~ 二つの原理の交互転入的関係としての神の根源態;永遠の無としての無底/眼あるいは鏡としての無底/無と欲動、神の眼の二重性/欲動と意志、火と光との戯れ//
  円環運動としての神の根源態;戯れとしての七つの性質の円環運動/二重の円環運動/三つの原理//
神の大いなる戯れ~ヤーコプ・ベーメの世界~ 神の自己内創造;喜び溢れる戯れとしての神の自己内産出/七つの性質による戯れの活性化//
  天使の創造とルチフェルの離反;神の自己内観照と天使の創造/ルチフェルの離反//
  世界の人間の創造;「光あれ!」/アダムの創造/アダムの堕落/「嘆きの谷」としての外的世界//
神の道具~ヤーコプ・ベーメの人間~ 神の像としての人間;三つの原理と三つの世界/二重の創造//
  大いなる危険;ルチフェルの驕慢/アダムの反意志/魂の無底性//
  キリストへの道;懺悔/放下/沈黙//
  神の道具;聖なる魂と神なき魂/魂のうちの小さな火花/無となること//
ヤーコプ・ベーメの生涯;ベーメの生きた時代/ベーメの生涯/おわりに、など、
224ページ。


 同じ著者による→こちら(「ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)」の頁の「iii. シェリングなど」)や、そちら(同頁同項の少し下)を参照

中井章子、「フィロゾフィーとテオゾフィー - シェリング『人間的自由の本質』の自然哲学とベーメの世界生成論 -」、『シェリング自然哲学とその周辺』、2000、pp.147-177
『自由論』における「ベーメ的なもの」の位置づけ/「神の実存の根拠」からの事物の生成 - 『自由論』第14段落/二重の原理と人間の成立 - 『自由論』第15段落//
ベーメの世界生成論;ベーメにおける世界生成論/神の顕現としての世界の生成/神の顕現=世界の生成の三つの次元 「無」から「有」へ、有象の二つのあらわれ -「欲の七つの姿」、外なる自然の創造//
シェリングの「フィロゾフィー」とベーメの「テオゾフィー」


薗田坦、「ヤーコプ・ベーメとグノーシス主義」、『グノーシス 陰の精神史』、2001、pp.282-295
ベーメにおける「知」の根本性格/神的本質と神的創造/天使の創造とルチフェルの堕落など

 →こちらに再録:本頁下掲の薗田『無底と意志-形而上学』(2015)

岡部雄三、『ヤコブ・ベーメと神智学の展開』、岩波書店、2010
序章 ヨーロッパ神秘思想における「乙女ソフィア」;聖書のなかのソフィア/ビンゲンのヒルデガルト/ハインリッヒ・ゾイデ/ヤコブ・ベーメ/ゴットフリート・アーノルト//
ヤコブ・ベーメの神秘思想 神秘体験;ヨーロッパ意識の危機とベーメの神秘体験/再生と新しい創造/世界と人のなかへ-15分間の体験以後//
  創造と悪;無、意志、創造/無に顕現する意志と知恵/永遠の自然/二つのプリンキピウム/悪の可能性とルチフェル//
  メルクリウス - 『デ・シグナトゥラ・レールム』を中心として -;永遠の自然におけるメルクリウス 第1プリンキピウムにおける毒のメルクリウス、第2プリンキピウムにおける神のメルクリウス、変容するメルクリウス/外なる自然におけるメルクリウス 天地創造における火と水のメルクリウス、惑星におけるメルクリウス、地上におけるメルクリウス/アダムとメルクリウス/イエス・キリストとメルクリウス/百合の時代-人間と万物の再生//
ヨーロッパの神智学 ライデンへの道 - Q.クールマンの神秘体験 -;詩と神秘思想/詩人シレシウスと詩人クールマン/ライデンへの道//
  ヘルメス学と神秘学との結合 - J.ポーディジの『知恵の石』について -;ポーディジの生涯と著作について/『知恵の石』の思想的異義について/『知恵の石』という用語について/『知恵の石』の内容について/むすびに代えて/[翻訳]真正にしてまことの知恵の石に関する根源的にして哲学的なる書簡//
  人間の聖化と展開について - マルセの神秘思想 -;生涯と著作/禁欲苦行と人間の聖化/アダムの神話と意志の自由/魂の浄化と天界/むすび//
啓蒙思想との闘争 『ベンガルの虎』 - エッカルツハウゼンの動物寓話について -;エッカルツハウゼンの生涯/エッカルツハウゼンとバイエルンの18世紀後半期の思想運動/エッカルツハウゼンの『ベンガルの虎』 ヨーロッパ文明批判、変革-新しい君主統治をめざして//
  ラーヴァター観相学の理論背景と愛の理念 - 『観相学断章』を中心として -;ラーヴァターの生涯/ラーヴァターの観相学 『観相学断章』の構成、ラーヴァターの観相学への歩み、科学としての観相学、ラーヴァター観相学の理論的背景、観相学の目的-愛の実践、観相の実際//
終章 詩と歴史から神秘神学へ - アーノルトの思想的特質について -;アーノルトの生涯/神の知恵ソフィアの神秘体験/教会の歴史と異端への新しい視点/神秘神学の構想/イエス・キリストの復活としての「再生」/むすび//
付論 歴史と再生 - アーノルトの神秘思想について -;ソフィア体験/異端史の研究/神秘神学/ラディカリスムスの克服//
解説(中井章子)など、
368ページ。


 ベーメ論ではありませんが、同じ著者による;

岡部雄三、『ドイツ神秘思想の水脈』、知泉書館、2011
ロゴスと神 宗教のことば - ロゴスと宇宙の響き;ことばは誰のもの?/神とことば/霊、息、生命とことば/神のことばの誕生/言霊とヤコブ・ベーメ/宇宙に鳴り響くことば//
マイスター・エックハルト(1260-1328年)細目はこちら:「キリスト教(西欧中世)」の頁の「エックハルト」//
パラケルスス(1493-1541年)細目はそちら:「ルネサンス、マニエリスムなど(15~16世紀)」の頁の「iv. パラケルススなど」//
アンゲルス・シレシウス(1624-77年) 魂の浄化とヘルメス学 - アンゲルス・シレシウス『ケルビムの遍歴者』について;生涯とカトリック改宗/改宗の動機/神秘神学/『ケルビムの遍歴者』序文/「神化」の歌/フランケンベルクの影/魂のヘルメス学//
  『ケルビムの遍歴者』 - アンゲルス・シレシウスの神秘神学詩について;『ケルビムの遍歴者』の書名について/神秘神学詩人シレシウス/無とそのメタファ/霊の貧しさと神の子の誕生//
近代日本とキリスト教;立志と神 - 富太郎・敬宇・鑑三 -//
随想;神産石と曼荼羅樹/シュヴァルツェナウの春/神秘家たちの聖なる森ペンシルヴァニア/ヴォルフェンビュッテルにて//
おわりに 未知の世界へ、など、
346ページ。


能木敬次、「グノーシス思想とロマン派の思想家たち Ⅱ.『グノーシス思想とドイツ観念論』 前編『ドイツ観念論への前章としての近代ドイツの思想家たち』」、『日本経大論集』、41巻2号、2012.3.31、pp.79-99 [ < 日本経済大学リポジトリ

 「Ⅰ」はドイツ観念論を主に扱っているので同じ著者による他の論文とあわせ
 →こちらに挙げました(「ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)」の頁中の「xiii. ロマン主義、象徴主義の周辺など」の項


薗田坦、『無底と意志-形而上学 - ヤーコプ・ベーメ研究 -』、創文社、2015
ヤーコプ・ベーメの生涯と事蹟;J.ベーメの生涯と事蹟//
無底と意志-形而上学;無底・意志・自然 - J.ベーメの意志-形而上学について -/J.ベーメにおける神と世界創造 - 自然の「7つの性質」をめぐって -/J.ベーメにおける創造と悪の起源/補章 自由と悪 - J.ベーメの「無底」をめぐって -//
ヤーコプ・ベーメの思想的背景;ルネサンスの自然観について - N.クザーヌスからJ.ベーメへ -J.ベーメとグノーシス主義/ベーメとシェリング-神・自然・無底をめぐって-//
ベーメ断想;『アウローラ』について/ゲルリッツ紀行 - J.ベーメの生地をたずねて - など、
222ページ。

 →こちらで少し触れています:「〈宇宙論〉と〈宇宙観〉など、若干の用語について」の頁
 同じ著者による→そちらを参照:「ルネサンス、マニエリスムなど(15~16世紀)」の頁の「ii. クザーヌスなど


板橋勇仁、『底無き意志の系譜 ショーペンハウアーと意志の否定の思想』、法政大学出版局、2016、pp.175-205+註 pp.233-237;「第2部第8章 意志の自由と想像/構想の活動 ベーメの『Imagination』を手引きとして」

Alexandre Koyré, La philosophie de Jacob Boehme, Librairie Philosophique, (Bibliothèque d'histoire de la philosophie), Paris, 1929
『ヤーコプ・ベーメの哲学』
序//
人と環境//
教説の最初の粗描 - 明け初めるアウローラ//
ヤーコプ・ベーメの思想の進化-過渡期の著作;神的本質の三つの原理/人間の三重の生/魂の40の問い//
ヤーコプ・ベーメの教説;神/神的自然/創造/人間//
結論など、
544ページ
(手もとにあるのはコピー)

 同じ著者による→こちらを参照:「ルネサンス、マニエリスムなど(15~16世紀)」の頁の「i. 通史・概説的なものなど


 錬金術に関して→そちらも参照:「錬金術など」の頁

iv. 薔薇十字団、その他

種村季弘、『薔薇十字の魔法』、出帆社、1975
薔薇十字の沿革;秘密結社/ベーメ主義者/フリーメーソン/山師と神秘家/女性の道士/19世紀パリ//
薔薇十字の魔法;黄金造成/四大精霊/続・四大精霊/超空気の謎/不死の人/光学魔術/テレパシー//
愚者の旅//
化学の結婚//
薔薇の秘蹟など、
286ページ。

 同じ著者による→こちらを参照:「通史、事典など」の頁の「iii. 地学・地誌・地図、地球空洞説など

 錬金術に関して→そちらも参照:「錬金術など」の頁

マンリー・P・ホール、『カバラと薔薇十字団 象徴哲学体系 Ⅲ』、1981

フランセス・イエイツ、山下知夫訳、『薔薇十字の覚醒 隠されたヨーロッパ精神史』、工作舎、1986
原著は Francis Amelia Yates, Rosicrucian Enlightenment, 1972
序/王家の婚礼 王女エリザベスとファルツ選帝候の結婚/ボヘミアの悲劇 ファルツ選帝候フリードリヒ5世の凋落/薔薇十字運動の潮流 ジョン・ディーからボヘミアの悲劇へ/ふたつの薔薇十字宣言 『名声(ファーマ)』と『告白(コンフェッシオ)』/第三の薔薇十字文書 『C.ローゼンクロイツの化学の結婚』/薔薇十字哲学の代弁者たち ロバート・フラッドとミハエル・マイヤー/ドイツの薔薇十字騒動 その隆盛と終焉/フランスを襲った薔薇十字恐慌 流言と論争/イギリスでの薔薇十字てんかい フランシス・ベーコンとその著作/イタリアの自由主義者と薔薇十字宣言 パオロ・サルピからトマソ・カンパネラへ/アンドレーエの薔薇十字解釈 キリスト教協会の結成とユートピア都市構想/コメニウスとボヘミア薔薇十字騒動 『世界の迷宮』に描かれた顛末/目に見えない学院から英国学士院(ロイヤル・ソサエティ)へ 薔薇十字運動の新たな展開/薔薇十字的錬金術へのアプローチ アシュモールとニュートン/薔薇十字主義とフリーメーソン 秘教的ルネサンスの遺産/薔薇十字啓蒙運動 歴史から消えた一時代//
薔薇十字宣言『
友愛団の名声(ファーマ・フラテルニタティス)』/『友愛団の告白(コンフェッシオ・フラテルニタティス)』/補遺 薔薇十字宣言 書誌学的な注など、
444ページ。

 →こちら(「四角錐と四つの球 - 怪奇城の意匠より」の頁)や、またそこ(「カッヘルオーフェン - 怪奇城の調度より」の頁)でも挙げました。
 同じ著者による→そちらを参照:『ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統』


クリストファー・マッキントッシュ、吉村正和訳、『薔薇十字団』(ちくま学芸文庫 マ 21-1)、筑摩書房、2003
1990年刊本の文庫化
原著は
Christopher McIntosh, The Rosicrucians, 1980/1987
序文(コリン・ウィルスン)//
古代思想の再発見/ドイツにおける神秘主義の伝統/テュービンゲンのサークル/薔薇十字宣言の余波/薔薇十字団の展開/「哲学者の石」の探求/黄金薔薇十字団/薔薇十字の君主/フランスにおける復活/「黄金の夜明け教団」の成立と分派/文学に登場する薔薇十字団のアデプトたち/現代の薔薇十字運動/結論//
付録 「ヘレドム薔薇十字位階」//
訳者付論 始原の夢-西欧魔術の変容など、
346ページ。


ヨーハン・ヴァレンティン・アンドレーエ、種村季弘訳・解説、『化学の結婚 付・薔薇十字基本文書』、紀伊國屋書店、1993
化学の結婚(1616)/薔薇十字の名声(1614)/薔薇十字の信条告白(1615)/全世界の普遍的かつ総体的改革(1614)//
『化学の結婚』解題(付・図版)/ヴァレンティン・アンドレーエと薔薇十字団 解説など、
350ページ。


アンドレーエ、中井章子訳、「化学の婚礼」(1616)、『キリスト教神秘主義著作集 16 近代の自然神秘思想』、1993、pp.113-227+註

 錬金術に関して→こちらも参照:「錬金術など」の頁

 また;

ヨハン・ヴァレンティン・アンドレーエ、加藤守通訳、「クリスティアノポリス」(1619)、『原典 ルネサンス自然学 下』、2017、pp.705-795

 次も参照;

三宅理一、『マニエリスム都市 シュトラスブルクの天文時計』、1988、pp.199-224:「Ⅸ 薔薇十字の都市」

フィリップ・ウィルキンソン、関谷冬華訳、『まぼろしの奇想建築』、2018、pp.36-39:「クリスティアノポリス」


中井章子、「薔薇十字団とグノーシス主義」、『グノーシス 陰の精神史』、2001、pp.295-308
薔薇十字団とは/薔薇十字団の三つの文書/アンドレーエとその周辺/17世紀の薔薇十字団とグノーシス主義

モンフォーコン・ド・ヴィラール、田中雅志訳、『ガバリス伯爵 或いは隠秘学をめぐる對話』、北宋社、1994
「国王の出版特認状」要約/第一の對話/第二の對話/第三の對話/第四の對話/第五の對話/閣下への手紙//
奇書『ガバリス伯爵』の書誌論考(吉田八岑)/訳者あとがきなど、
226ページ。

 原著は1670年出版。

………………………

 以下、17世紀から前後にはみだしますが;

M.H.ニコルソン、小黒和子訳、『暗い山と栄光の山 無限性の美学の展開』(クラテール叢書 13)、国書刊行会、1989
原著は Marjorie Hope Nicholson, Mountain Gloom and Mountain Glory. The Development of the Aesthetics of the Infinite, 1959
序論 - 視界はいまだ狭く -/文学的遺産 - 山はまた山に連なり -/神学におけるディレンマ - 「主の論争」 -/新しい哲学 - 果てしなき知の新しい遠景が開ける -/地質学におけるディレンマ - 天にも届く山々 -/地球の聖なる理論 - 壊れた世界の廃墟 -/バーネット論争 -山々は鳴動し -/無限性の美学 - アルプスはアルプスに続く/新しい叙景詩 - 遠い天体も今や無限の大陸に見える -/エピローグなど、
548ページ。


 章名に出たバーネット以外に、本頁下掲のキルヒャーのところでも挙げましたが(→こちら)、双方に関連して→そちらにも載せておきましょう:「通史、事典など」の頁の「iii. 地学・地誌・地図、地球空洞説など

M.H.ニコルソン、小黒和子訳、『円環の破壊 17世紀英詩と〈新科学〉』、みすず書房、1999
原著は Marjorie Hope Nicholson, The Breaking of the Circle. Studies in the Effect of the “New Science” on Seventeenth-Century Poetry, 1950/1960
序章/「巧みに造られた小世界」/完全な円環/一つの世界の死/円環の破壊/満足と切望など、
358ページ。

 →こちらにも挙げておきます:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「ii. 図形など
 同じ著者による→そちらも参照:「通史、事典など」の頁の「星、月、太陽など


『キリスト教神秘主義著作集 16 近代の自然神秘思想』、教文館、1993
パラケルスス(1493/34-1541);聖ヨハネ草について(1525頃)/磁石の力について(1525頃)/魔術について(1537/38)/神と人の合一について(1537/38)//
ヨハネス・バプティスタ・ファン・ヘルモント(1579-1644);医術の日の出(1683)//
ヨーハン・ヴァレンティン・アンドレーエ(1586-1654);化学の婚礼(1616)//
フリードリヒ・クリストフ・エーティンガー(1702-1782);聖書とエンブレムの辞書(1776)//
フランツ・アントン・メスマー(1734-1815);動物磁気発見のいきさつ(1779)/パリ科学アカデミーとの関係(1781)//
カール・フォン・エッカルツハウゼン(1752-1803);自然の魔法の力(1819)//
フランツ・フォン・バーダー(1765-1841);光の父としての稲妻(1815)//
フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヨーゼフ・フォン・シェリング(1775-1854);クララとの対話(1809-1812?)
解説 ヨーロッパ近代の自然神秘思想など、
658ページ。


エルンスト・カッシーラー、花田圭介監修、三井礼子訳、『英国のプラトン・ルネサンス ケンブリッジ学派の思想潮流』、工作舎、1993
原著は Ernst Cssirer, The Platonic Renaissance in England, 1953
独語原本は Ernst Cssirer, Die platonische Renaissance in England und die Schule von Cambridge, 1932
若い読者の方々へ - 解説に代えて(花田圭介)//
序論 - ケンブリッジ学派の歴史上の位置と使命//フィレンツェのプラトン・アカデミア、イギリス人文主義への影響//ケンブリッジ学派の宗教思想//
イギリス精神史におけるケンブリッジ学派の位置;経験論/ピューリタニズム//
宗教史におけるケンブリッジ学派の重要性//ケンブリッジ学派の自然哲学//ケンブリッジ学派の終焉と影響、シャフツベリーなど、
246ページ。

 同じ著者による→こちらを参照:「通史、事典など」の頁の「iv. 神話・神話学など


エルンスト・ハルニシュフェガー、松本夏樹訳、『バロックの神秘 タイナッハの教示画の世界像』、工作舎、1993
原著は Ernst Harnischfeger, Mystik im Barock : Das Weltbild der Teinacher Lehrtafel, 1980
序説/王女/神秘主義とカバラ/原-秘密教義/人文主義(フマニスムス)霊的(スピリチュアル)自然研究/教示画の製作者たち/教示画/教示画と17世紀の絵画//
付論 ドイツ・ヘルメス主義の潮流(松本夏樹);秘教的図像の成立背景/薔薇十字運動のドイツ的側面/教示画に秘められた錬金術哲学/教示画がもたらした思想潮流/18世紀フリーメイソン運動への継承/ドイツ・フリーメイソンの興亡など、
436ページ。

 付論がpp.228-359 に及びます。

 同じ訳者による→こちらも参照:「ユダヤ Ⅲ」の頁の「xvi. キリスト教カバラー、隠秘学的模作など

ライナルド・ペルジーニ、伊藤博明・伊藤和行訳、『哲学的建築 理想都市と記憶劇場』、ありな書房、1996
原著は Raynardo Perugini, Dell'architettura filosofica, 1983
プロローグ;哲学的建築の始祖 - ヘルメス・トリスメギストス/神話都市〈アドセンティン〉 - 『ピカトリクス』//
理想的都市国家 - トンマーゾ・カンパネッラ//
薔薇十字運動-ヨーハン・ヴァレンティン・アンドレーエ;理想世界の巡礼 - コメニウス/記憶術と哲学的建築//
記憶術的建築 - ジョルダーノ・ブルーノ//
記憶劇場の理念 - ジュリオ・カミッロ・デルミーニオ//
霊的機構と神殿概念 - ロバート・フラッド//
驚異としての古代都市 - アタナシウス・キルヒャー//
エピローグなど、
152ページ。

 記憶術・結合術について→こちらも参照:「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「記憶術・結合術
 →そちらにも挙げておきます:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「v. 建築など


 ちなみに、クプカに《哲学的建築 Architecture philosophique 》と題された絵があって、このタイトルは1936年以来とのことですが(『クプカ展』図録、愛知県美術館、宮城県美術館、世田谷美術館、1994、p.140 / cat.no.114)、直接関係はなさそうなのでした; クプカ《哲学的建築》 1913-24年
クプカ《哲学的建築》 1913-24

* 画像をクリックすると、拡大画像とデータが表示されます。 

オットー・マイヤー、忠平美幸訳、『時計じかけのヨーロッパ 近代初期の技術と社会』、平凡社、1997
原著は Otto Mayr, Authority, Liberty & Automatic Machinery in Earky Modern Europe, 1986
はじめに//
権威主義のシステム;機械じかけの時計 - その製作者と利用者/時計のメタファーの起源/時計じかけの宇宙/権威主義的な秩序の概念/時計のメタファーの拒絶//
自由主義のシステム;天秤のイメジャリーと均衡/引力と斥力/自動的に釣り合いをとる政治システム/経済思想における自動制御/自動制御と自由主義的な秩序概念/実際的な技術における自動制御のメカニズムなど、
326ページ。


 本書を参考文献としてあげていたのが→こちら:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の橋本毅彦『描かれた技術 科学のかたち サイエンス・イコノロジーの世界』』(2008)のところ
 →そちらでも少し触れました:「ギリシャ・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「ルクレーティウス」のところ
 時計のメタファーをめぐってについて→あちらも参照:「通史、事典など」の頁の『エピステーメー』、vol. 5 no.2、1979.2、「特集 時計 クロノスの変容」のところ


アレン・G・ディーバス、川﨑勝・大谷卓史訳、『近代錬金術の歴史』、平凡社、1999
原著は Allen G. Debus, The Chemical Philosophy. Paracelsian Science and Medicine in the Sixteenth and Seventeenth Centuries, 1977
序//
第1部;ルネサンスにおける化学と自然/ケミカル・フィロソフィー/パラケルスス論争/ロバート・フラッドによる総合//
第2部;断ち切られた旧世界観の連鎖 - ファン・ヘルモントによるケミカル・フィロソフィーの再定式化/変容するケミカル・フィロソフィーⅠ - 自然・教育・国家/変容するケミカル・フィロソフィーⅡ - 新たな化学と医学に向けて//
後記など、
654ページ。


ジャン・デスパニエ、『自然哲学再興 ヘルメス哲学の秘法 ヘルメス叢書 2』、1977

ラムスプリンク/デュ・マルティノー、『賢者の石について 生ける潮の水先案内人 ヘルメス叢書 4』、1977

マルク=アントニオ・クラッセラーム、『闇よりおのずからほとばしる光 ヘルメス叢書 5』、1979

スタニスラス・クロソウスキー・デ・ロラ、『錬金術図像大全』、1993

 なども併せて、錬金術に関して→こちらも参照:「錬金術など」の頁

Katharine Brownell Collier, Cosmogonies of Our Fathers. Some Thories of the Seventeenth and the Eighteenth Centuries, Kessinger Legacy Reprints
1934年刊本の復刻
『我らが父祖たちの宇宙開闢論 17世紀および18世紀のいくつかの理論』
概観;諸体系の衝突/フラッド、科学と創世記の初期の調停者/デカルト、アリストテレースの好敵手/モーセの科学的正確さの問題に対する教育者のアプローチ/キルヒャー、カトリック科学者/17世紀の二人の神学者/バーネット、論争の刺激者/熱狂的な論争者たち/レイ、生物学者/ライプニッツ、哲学者/ル・クレルク、初期の近代主義者/ウィストン、数学者/ウッドワード、蒐集家/文学における宇宙論への言及/グルー、合理主義者とモンシャルヴィル、夢想家/ディッキンソン、原子論者/ウィッティ、反デカルト主義者とダーラム、天文学者/調和への努力の30年/モーセを科学と和解させるための大陸での試み/18世紀の諸歴史/ビュッフォン、動物学者/世紀半ばのフランスでの諸理論/大洪水と水没した大地/拡張する宇宙と創世記/ド・リュック、近代科学者/時代の終わり//
論題別検討;諸天/天の影響/原初の光/物質の分類/置き違えられた諸元素/地震と噴火/山々、金属と鉱物/自発的発生、種の永続と化石/最初の人間など、
500ページ。
 

坂本邦暢、「第2章 ピエール・ガッサンディの原子論 エピクロス主義、キリスト教、新科学」、田上孝一・本郷朝香編、『原子論の可能性 近現代哲学における古代的思惟の反響』、2018、pp.59-81
はじめに/エピクロス哲学の歴史/聖職者にして文献学者にして自然哲学者/新たな天文学と原子論/摂理の導入と分子/おわりに

青木滋之、「第3章 ジョン・ロックと近代粒子説 近現代の存在論、認識論への影響」、同上、pp.83-110
はじめに/ガッサンディとロック/ボイルとロック/
『人間知性論』での粒子説の展開 - 物体の性質と本質、自然学の限界;物体の一次性質/二次性質の区別/実在的本質と唯名的本質/認識論と自然学の限界/
おわりに

v. ルネ・デカルト(1596-1650)など

 まずは;

神野慧一郞訳、「世界論 または光論」、野田又夫責任編集、『世界の名著 22 デカルト』、中央公論社、1967、pp.75-160
われわれの諸感覚とその諸感覚を生みだす事物との差異について/火の熱と光はなんであるか/堅さおよび流動性について/空虚について。また、われわれの感覚がある物体を知覚しないのはどうしてか/元素の数とその性質について/新しい世界の記述。その世界を構成する物質の諸性質について/この新しい世界の自然法則について/この新しい世界の太陽と星の形成/遊星と彗星の起源とコースの一般論。特に彗星について/遊星一般について。特に地球と月について/重さについて/海の干潮と満潮について/光について/光の諸性質について/新しい世界の天空の様相は、そこの住人にとっては、われわれの世界の天空の様相と同じように見えるはずであること

 1633年夏には書き上げられていたとのこと(p.34、p.37)。

 他に;
デカルトの生涯と思想(野田又夫)//
方法序説/省察/哲学の原理(第1・第2部)/情念論/書簡集など、
572ページ。


井上庄七・水野和久・小林道夫・平松希伊子訳、『科学の名著 第Ⅱ期 7 デカルト 哲学の原理』、朝日出版社、1988
デカルトの自然哲学と自然学(小林道夫);序章 デカルトと『哲学の原理』/デカルト自然学の形成過程/デカルトの自然哲学 - 形而上学と力学 -/天体論と宇宙生成論 - 『哲学の原理』第三部 -/地球の生成と地上の諸現象 - 『哲学の原理』第四部 -/デカルトと近代科学/翻訳について//
エリザベト王女への献辞/著者から仏訳者にあてた手紙(仏訳序文)//
人間的認識の原理について/物質的事物の原理について/可視的世界について/地球について、など、
416ページ。

 原著は1644年ラテン語で、1647年仏訳版が出版。


 また;

赤木昭三訳、「気象学」、『デカルト著作集 1 方法序説および三つの試論』、白水社、1973、pp.223-353
地上の物体の本性について/水蒸気と蒸発物について/塩について/風について/雲について/雪について、雨について、雹や霞について/嵐について、雷について、また大気中に起こる他のすべての火について/虹について/雲の光について、また天体にときおり見られる円環ないし光環について/いくつもの太陽の出現について

 原著は「方法序説」、「屈折光学」、「幾何学」とともに1637年に刊行された(p.370)。
 虹に関連して→こちら(「『Meiga を探せ!』より・他」中の『虹男』(1949)の頁で挙げました。

 他に;
方法序説/屈折光学/幾何学//
解説など、
506ページ。


近藤洋逸、『デカルトの自然像』、岩波書店、1959
科学者デカルト;デカルトの「自然」/動物学者デカルト//
『宇宙論』は「作り話」か;問題の提起/『宇宙論』は「作り話」である(ラポルト)/動的自然像/ラポルト説の批判/『宇宙論』は「作り話」ではない/『創世記』と『宇宙論』//
『宇宙論』と『人体の記述』;『宇宙論』の哲学的基礎/宇宙の進化/地球の進化/動物の発生学的研究//
『宇宙論』の構想をめぐる問題;『宇宙論』の発想と進捗/『宇宙論』の構想の基礎//
ベークマンとデカルト;ベークマンとの邂逅/ベークマンの自然学/衝突の理論/ベークマンとデカルト//
神と世界;デカルトの不安/永久真理説/連続創造説/物質の本性(1)/物質の本性(2)/物質の本性(3)/空虚の否定/なにゆえに物質即延長とせねばならなかったのか//
精神と物体;物心分離の「証明」(1)/物心分離の「証明」(2)/精神の本性/心身の実体的合一//
明晰判明知;「本質」論/明晰判明知の規則//
神と観念;デカルトの循環論法/神への道/生具観念(1)/生具観念(2)/生具観念(3)//
デカルトの反対者たち;ガッサンディ/ロベルヴァール、ホイヘンス、ホッブス/メルセンヌ/パスカル/デカルトと反対者たち//
自然学における失敗と成功;自然学における失敗/落下論/複振子論/慣性法則 仕事/方法論的考察//
結語など、
368ページ。


 デカルトの連続創造説を、アビダルマ仏教の 刹那滅論やアシュアリー派の原子論とあわせて引きあいに出したことがあるのですが(→こちら:「仏教」の頁の「ii. アビダルマの自然学、刹那滅論など」や、そちら:「イスラーム」の頁の「ii. 思想史・哲学史的なものなど」、またあちら:「近代など(20世紀~) Ⅲ」の頁の「x. フランスから」を参照)、その際、デカルトに関して念頭に置いていたのが本書でした。

 また、本書第2章で問題となるデカルトの『世界論』ないし『宇宙論』における〈寓話 fable〉については、「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」のページの「vi. プラトーン」の項でもふれたように(→ここいらを参照)、プラトーンのいわゆる〈神話(ミュートス)〉と比較できるのではないかと思われます。
 デカルトの場合については、また;

持田辰郎、「寓話と仮説」、『理想』、no.589、1982.6:「特集 デカルト」、pp.29-40

 また、シェリングの『諸世界時代』も参照→こちら:「ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)」の頁の「iii. シェリングなど

小林道夫、『デカルトの自然哲学』、岩波書店、1996
序論//『規則論』の過渡的思想;新しい学問論 - 「普遍数学」の構想 -/『規則論』の認識論とアリストテレス主義//
永遠真理創造説 - デカルトの自然哲学の形而上学的基礎 -;永遠真理創造説の意味/デカルトの主要著作における永遠真理創造説の登場//
自然学の基礎づけとしての『省察』;コギトとアリストテレス主義経験論の排除/神の存在証明 - 万物の創造者あるいは作出原因としての神 -/数学的物理学の設定 - 物質的事物の本質規定と存在証明 -//
デカルトの自然学と古典力学の形成;デカルト自然学の基本概念と自然法則/デカルトの科学方法論/アリストテレス自然学の批判/ニュートンにおける力学形成の土台 - 『哲学の原理』第二部をめぐって -/静力学におけるデカルトの貢献 - 仕事の概念の定式化と仮想変位の概念の提示 -/流体力学におけるデカルトの業績 - 液体の噴出速度と噴出後の運動の問題 -//
デカルト自然学の限界と問題;宇宙論的物理学の構成 - 物質と延長空間の同一化 -/デカルトの質量概念/デカルトの重心概念/デカルトの重力概念と天の微細物質/デカルトと物体の自由落下の問題/デカルトと複振子の振動中心の問題//
デカルト自然学の批判的改編 - ホイヘンス、ニュートン、オイラーの場合 -;ホイヘンスによるデカルト自然学の継承と改編/デカルトの自然哲学に対するニュートンの批判/オイラーのデカルト主義とニュートン力学の発展//
結び デカルト自然学の価値と射程など、
234ページ。


ジュヌヴィエーヴ・ロディス-ルイス、福居純訳、『デカルトと合理主義』(文庫クセジュ 417)、白水社、1967
原著は Geneviève Rodis-lewis, Descartes et le rationalisme, 1966
デカルト 理性と方法;明証性と確実性/直観と演繹/方法から哲学へ//
  懐疑とコギト;根本的懐疑/「コギト」/わたしはなんであるか//
  神;拠りどころとしての神への必然的依存/完全な無限の観念による神の証明/存在論的証明/神と真理/デカルトの循環//
  自由と理性の正しい使用;誤謬の責任/明証と自由/最良の判断の限界//
  人間と世界;デカルトの二元論/物体の存在とわたしの身体/精神と身体との結合/物体の科学 自然学の一般的原理、デカルトの世界、生物//
デカルトの遺産と偉大なる合理主義 デカルト哲学の限界;デカルト学派/マルブランシュのデカルト的出発点/スピノザ哲学のデカルト的種子/ライプニッツの反デカルト説//
  理性と方法;形而上学的・数学的合理主義/スピノザ的観念の肯定的力/マルブランシュによる普遍的理性への統一/ライプニッツの形式主義//
  神;神と真理/スピノザ哲学による「神即自然」/マルブランシュとライプニッツによる神と「完全性の秩序」あるいは「最善なるものの選択」//
  人間と世界;精神と身体との間の対応/マルブランシュの機会原因論/スピノザの平行論/ライプニッツによる予定調和説//
  人間の自由;後デカルト派における人間の自由の限界/マルブランシュにおける自由と恩寵/ライプニッツにおける自発性と最善なるものの選択/スピノザと知性による解放//
むすびなど、
168ページ。


吉田健太郎、「デカルトと連続創造説 - 作動原因のデカルト的理解に向けて -」、『愛知教育大学研究報告. 人文・社会科学』、no.49、2000.3、pp.33-41 [ < 愛知教育大学学術情報リポジトリ(AUE Repository) ]

山田俊弘、「地球論におけるデカルト対ガッサンディ - 特にステノとの関係を考慮して -」、『哲学・科学史論叢』、no.6、2004.1、pp.131-167 [ < 東京大学学術機関リポジトリ(UT Repository) ]

 以下に再録;

山田俊弘、『ジオコスモスの変容 デカルトからライプニッツまでの地球論』、2017、pp.51-85:「第2章 デカルトと機械論的な地球像」
デカルトの地球論/デカルトの地球論の背景と問題/ガッサンディの地球論/ステノにおけるデカルトとガッサンディ

矢島道子・和田純夫編、『はじめての地学・天文学史』、2004
第Ⅰ章2「地学 地球論の発生と展開」(山田俊弘)には、「機械論的な地球論の典型、デカルトの地球論」、「デカルトの批判者、ガッサンディ」の節があります(pp.66-72)。

橋本毅彦『描かれた技術 科学のかたち サイエンス・イコノロジーの世界』、2008、pp.86-93:「宇宙のネジ」、および pp.102-109:「精気の噴水」

 後掲

吉井正和、「デカルトと若きニュートン ニュートン初期草稿群の研究」、1977

 も参照

Brian S. Baigrie, “Descartes, René (1596-1650)”, “Descartes's Mechanical Cosmology”, Encyclopedia of Cosmology. Historical, Philosophical, and Scientific Foundations of Modern Cosmology, 1993, pp.160-164, 164-176

vi. 個々の著述家など Ⅱ

キルヒャー(1602-1680
ミルトン(1608-1674
シラノ(1619-1655
トマス・ヴォーン(1621-1666
パスカル(1623-1662 
バーネット(1635?-1715 
ステノ(1638-1687 
フォントネル(1657-1759 

 アタナシウス・キルヒャー(1602-1680);

 キルヒャーと言えばまずは澁澤龍彦の名が思い浮かびます。とりあえず一つだけ;

澁澤龍彦、「A.キルヒャーと遊戯機械の発明」、『澁澤龍彦集成 第Ⅳ巻』、桃源社、1970:「美術評論篇」中の「美術論の周辺」、pp.128-136

 初出は『SD』、1969.5
 澁澤龍彦については→こちらを参照:「通史、事典など」の頁の「おまけ


 澁澤が参照したであろうバルトルシャイティスの著作でもキルヒャーは頻出し、邦訳の『バルトルシャイティス著作集』全4巻いずれもその例に洩れません。すでに挙げた

ユルギス・バルトルシャイティス、『イシス探求 バルトルシャイティス著作集 3』、1992

 とともに、

ユルギス・バルトルシャイティス、種村季弘・巖谷國士訳、『アベラシオン バルトルシャイティス著作集 1』、国書刊行会、1991

  同、 高山宏訳、『アナモルフォーズ バルトルシャイティス著作集 2』、同上、1992

  同、 谷川渥訳、『鏡 バルトルシャイティス著作集 4』、同上、1994

 もあわせてご参照ください。
 バルトルシャイティスについては→こちら(「キリスト教(西欧中世)の頁の「i. 文化史的なものの」の項」や、そちら(「拳葉飾りとアーチ - 怪奇城の意匠より」の頁)も参照

 『鏡』は→あちらでも挙げました:「マネ作《フォリー・ベルジェールのバーと絵の中の鏡》」の頁の註9および文献追補

中野美代子、「『支那図説誌』 アタナシウス・キルヒャー」、『中国の青い鳥 シノロジーの博物誌』、1985、pp.187-195

川島昭夫、「アタナシウス・キルヒヤーの窃視」、『現代思想』、vol.13-2、1985.2:「特集=博物学のすすめ 蒐められた物の世界像」、pp.92-101

ジョスリン・ゴドウィン、川島昭夫訳、『キルヒャーの世界図鑑 よみがえる普遍の夢』、工作舎、1986
原著は Joscelyn Godwin, Athanasius Kircher. A Renaissance Man and the Quest for Lost Knowledge, 1979
失われた知識の探求 遅れてきたルネサンス人;科学と神学の断層/想像力の復活/『忘我の旅』と『大いなる知識の術』//
  綺想者の生涯;奇蹟の時代/ローマへの道/冒険、研究、そして信仰//
  古代神学と比較宗教;偶像崇拝の起源/シンボルの体系/異端への密やかな憧憬/キルヒャーからライプニッツへ//
万物遊覧;ノアの方舟 - 空想動物と分類学のこころみ/バベルの塔 - 巨大建築と言語の史学/ラティウム - ラテン民族の原風景を訪ねて/中国 - 中国文明エジプト起源説/エジプトのオイディプス - 神聖文字の解読と秘教の系譜/音楽 - 自動演奏機とコンピュータの初歩/普遍的魔術師 - 宇宙の磁石としての神/地下世界 - 火成論、自然発生説、反錬金術//
アタナシウス・キルヒャー頌 略伝と驚異博物館(澁澤龍彦);デカルトが気にした男/祭壇の下の心臓/博物館の行方//
  『シナ図説』の想像力(中野美代子);大秦景教流行中国碑/漢字と菩薩/海馬の謎をめぐって/飛翔する亀//
  三人のキルヒャリアン - キルヒャー自然学の継承(荒俣宏);視覚の勝利-ガスパール・ショットの場合/珍奇の学 - ガスパール・ショットの場合/自然発生 - フィリッポ・ブオナンニの場合/音と真空 - ガスパ・ベルティの場合など、
326ページ。


Joscelyn Godwin, Athanasius Kircher's Theatre of the World, Thames & Hudson, London, 2009
『アタナシウス・キルヒャーの世界劇場』
プロローグ-興味深い時代/キルヒャーの生涯と著作-概観/口絵/キルヒャーの著作の挿絵/誤読された古代/保存された古代/想像された古代/自然なるもの - 火と水/自然なるもの - 空気と地/音楽/過去と現在の機械/機械 - 磁気的なものと視覚的なもの/地図と平面/異国的なるもの/神々の像/教訓的図像など、
304ページ、挿図410点。


 同じ著者による→ここを参照:「通史、事典など」の頁の「iii. 地学・地誌・地図、地球空洞説など」の項

荒俣宏編著、『バロック科学の驚異 WONDERS OF THE BAROQUE SCIENCE ファンタスティック12 10』、リブロポート、1991
普遍叡智をきわめた超人 - A.キルヒャーとその業績(荒俣宏)//
ノアの方舟/支那図説/地下世界/キルヒャー博物館自然史標本目録など、
180ページ。


 同じ著者による→そこも参照:「魔術、神秘学、隠秘学など」の頁

米沢敬、「支那図説 アタナシウス・キルヒャー イメージの王国への旅」、『総解説 世界の奇書』、1991、pp.67-68

松村恒、「A.キルヒャー『図解中国』所載の梵語字母表」、『印度學佛教學研究』、vol.40 no.1、1991.12、pp.471-467 [ < J-STAGE

 「通史、事典など」の頁の「iii. 地学・地誌・地図、地球空洞説など」で記したように、

矢島道子・和田純夫編、『はじめての地学・天文学史』、2004

 第Ⅰ章2「地学 地球論の発生と展開」(山田俊弘)には、「ジオコスモスとは何か-キルヒャーの地下世界論」の節があります(pp.73-79)。

 また上掲

M.H.ニコルソン、『暗い山と栄光の山』、1989、pp.217-222

鈴木潔、「アタナシウス・キルヒァーの情動説」、『言語文化』、9巻4号、2007.3.10、pp.697-720 [ < 同志社大学学術リポジトリ

間瀬玲子、「ネルヴァルとアタナシウス・キルヒャー」、『筑紫女学園大学・筑紫女学園大学短期大学部紀要』、no.6、2011、pp.103-114[ < CiNii Articles

 →ネルヴァルに関連してあそこにも挙げておきます:「ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)」の頁の「vii. ネルヴァルなど」の項


アタナシウス・キルヒャー、菊池賞訳、『普遍音楽 調和と不調和の大いなる術』、工作舎、2013
献辞/恵み深き読者へのまえがき-然るべき安寧と境遇を願いつつ//
解剖学//
楽器;絃楽器/気鳴楽器、あるいは空気、風、息を吹き込んで鳴らす楽器/クルーサあるいは打楽器//
比較-新旧の音楽、二種;問題提起/実践論/情動的音楽//
魔術;自然哲学/協和音と不協和音の魔術/劇場の音楽/音響の魔術/奇蹟論の学習/音楽の隠匿術、秘密の記譜法//
類比-自然のデカコルドンすなわち十管の楽器;十管の楽器など、
448ページ。

 1650年の原著の、アンドレアス・ヒルシュによるドイツ語抄訳(1662)を底本とした邦訳(p.441)。


 →こっちにも挙げておきます:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「iv. 音楽など」の項、
  また→こっちの2でも触れました:「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「おまけ/ダニエレブスキー『紙葉の家』に関連して


『19世紀学研究』、vol.9、2015.3;「[特集] アタナシウス・キルヒャー」 [ < 新潟大学学術リポジトリ Nuar

 桑原聡、「[特集] アタナシウス・キルヒャー」、pp.1-3

 桑原聡、「キルヒャーとクンストカマー」、pp.5-19

  →そっちでも挙げています:「ホワイト・キューブ以前の展示風景」の頁

 坂本貴志、「キルヒャーの古代神学的宇宙論 - 『普遍的種子』と『シナのイシス』 -」、pp.21-38

  →あっちでも挙げています:「世界の複数性など」の頁

 伊藤博明、「キルヒャーとオベリスク」、pp.39-72

  こなた(「エジプト」の頁の「おまけ」)や、またそなた(「四角錐と四つの球」の頁)でも挙げました

 前田良三、「キルヒャーと可視性のメディア - メディア文化史的注記 -」、pp.73-92

 上掲の伊藤博明論文を「改稿したもの」(p.239 註3)が;

伊藤博明、「第1章 17世紀ローマのエジプトマニア - サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ広場のオベリスクをめぐって」、伊藤博明責任編集、『叡智のアルストピア オリエントから、そしてすべては、イタリアへ』(イタリア美術叢書Ⅵ)、ありな書房、2022、pp.9-62+註:pp.239-247
はじめに/キルヒャーとエジプト/ヘルメス・トリスメギストスと「古代神学/ルネサンスのヒエログリフ/ヒエログリフの「理念的な読み」/サンタ・マリア・ソプラ・ミネルヴァ広場の象とオベリスク/オベリスクに刻まれた「神的知恵」

 やはり→こちら(「四角錐と四つの球」の頁)に挙げました

山田俊弘、『ジオコスモスの変容 デカルトからライプニッツまでの地球論』、2017、pp.87-117:「第3章 キルヒャーの磁気と地下の世界」
キルヒャーのイタリア体験-碩学が生まれるまで/地球論としての『マグネス』/『マグネス』から『地下世界』へ/ジオコスモスをめぐるキルヒャーとステノ

Hélène Tuzet, Le cosmos et l'imagination, 1965/1988, pp.55-61: Première partie - VI, "Un cosmos de transition: Athanasias Kircher"

Brian A. Curran, Anthony Grafton, Pamela O. Long, and Benjamin Weiss, Obelisk. A History, 2009, pp.160-177 : "7 Baroque Readings : Athanasius Kircher and Obelisks", + notes : pp.324-325

 この他に、ウリッセ・アルドロヴァンディ(1522-1605)とともにキルヒャーが「全編を通じての主人公」(伊藤博明、「解説 『自然の占有』の位置づけ」、p.756)だというのが;

ポーラ・フィンドレン、伊藤博明・石井朗訳、『自然の占有 ミュージアム、蒐集、そして初期近代イタリアの科学文化』、ありな書房、2005
原著は Paula Findlen, Possessing Nature : Museum, Collecting, and Scientific Culture in Early Modern Italy, 1994
プロローグ//
ミュージアムの位置づけ;「閉ざされた小部屋の中の驚異の世界」/パラダイムの探求/知識の場//
自然の実験室;科学の巡礼/経験/実験の遂行/医学のミュージアム//
交換の経済学;蒐集家の発明/創出/学芸庇護者、宮廷仲介者、そして戦略//
エピローグ 古いものと新しいものなど、
784ページ。


 →あなたにも挙げておきます:「ホワイト・キューブ以前の展示風景」の頁
………………………

 ジョン・ミルトン(1608-1674);

ミルトン、平井正穂訳、『失楽園』(上下)(岩波文庫 赤 206-2/3)、岩波書店、1981
上;第1巻~第6巻、
446ページ

下;第7巻~第12巻//解説など、
434ページ

 原著は1667年刊。


 →こちらにも挙げておきます:「天使、悪魔など」の頁の「おまけ」、また→そちら(「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「おまけ」/ダニエレブスキー『紙葉の家』に関連して)で触れました


才野重雄訳注、『ミルトン詩集』、篠崎書林、1976
解説//
キリスト降誕の朝によせて/讃歌/歓楽の人/沈思の人/コウマス/復楽園/闘士サムソンなど、
390ページ。


谷口江里也翻案、『ドレの失楽園』、宝島社、2010

 ドレ(1832-1883)の原著は1866年

 ドレによる『神曲』→こちらを参照:「キリスト教(西欧中世)」の頁の「ダンテ


海野弘、「ルシファーの夜」、『地下都市への旅』、青土社、1980、pp.215-225
彼方なる溟漠へ/ネオ・クラシックの美学/スパルタの肉体/地獄の天使

 同じ著者による→こちらを参照:「怪奇城の外濠 Ⅱ」の頁の「いろいろなど(1)」
………………………

 シラノ・ド・ベルジュラック(1619-1655);

 シラノに興味を持ったのは、

澁澤龍彦、『胡桃の中の世界』、1974

 の表題作に引用されていた宇宙=林檎説からでしょうか(p.245)。

 澁澤龍彦については→こちらを参照:「通史、事典など」の頁の「おまけ


シラノ・ド・ベルジュラック、伊東守男訳、『月と太陽諸国の滑稽譚』(ハヤカワ・SF・シリーズ 3178)、早川書房、1968
原著は Cyrano de Bergerac, Histoire comique des états et empires de la lune et du soleil

 1650頃完成、没後削除版が刊行(pp.252-253)。

 先の宇宙=林檎説は、「月の巻」の始めの方に記されています(pp.16-17)。

ガストン・バシュラール、岩村行雄訳、『空間の詩学』、思潮社、1972、pp.195-197(第7章「ミニアチュール」のⅡ)

 で、ピエル=マクシム・シュールの論文「ガリヴァーのテーマとラプラスの定理」と合わせて、参照されていました。シュールの論文はさいわい、

ピエール=マクシム・シュール、谷川渥訳、『想像力と驚異』、白水社、1983、pp.92-111+原註 pp.259-263、訳註 pp.309:no.62-311:no.79:第2部第5章「ガリヴァーのテーマとラプラスの公準」

 で見ることができます。シラノの一節は p.108 に引用(「Ⅹ 胡桃の殻とラプラスの公準」)。この論文ではまた、〈パスカルのダニ〉も扱われているので、→そちらにも挙げておきます:本頁少し下の「パスカル」の項

原著は Pierre-Maxime Schuhl, L'imagination et le merveilleux - La pensée et l'action, 1969
 全体の目次は:
序論//
想像力 - 想い出・イマージュ・観念;想い出と夢/驚異的想像力・絵画・映画/想像力と歴史//
驚異・感情性・イマージュ;驚異の心理学/リュシアン・レヴォ=ブリュールと魔術的思考/ブレイクの『無垢と経験の歌』における迷子のテーマ/人形・子供・大人/ガリヴァーのテーマとラプラスの公準/骨学と想像力/リュンケウスのテーマと解剖学/想像上の動物のテーマ/パーディタ、自然と人為/ヴェルサイユ庭園の冬の散歩が教えてくれること/騎士の像/イマージュと映画的抽象/驚異から現実界への移行方法についての考察/囚われ状態におけるイマージュの戯れ/ドビュッシーの古い調べについて//
プラトン的想像力と現実界アリアドネの糸/善のくびき・必然の綱・ヘスティアの機能/想像力と結晶学 - あるいはプラトン哲学と鉱物学/プラトンと薬力学的探診の理念/プラトンとアカデメイアの政治的活動//
身振りと眼差し;裁つことと縫うこと/三分割の場合 - フランスの鉄道の等級区分について/右手と左手/外科医と哲学者/衣装の心理学の若干の様相に関する覚書/眼差しについての考察など、
330ページ。


 「訳者あとがき」に、
「わが国ではいちはやく澁澤龍彦氏が『胡桃の中の世界』において本書を大きく取り上げておられる」(p.327)
 とありました。
 →あちらでも少し引きました:「怪奇城の外濠 Ⅱ」の頁の「廊下など」の項、
 また、→ここでも触れました:「怪奇城の図面」の頁

………………………

 トマス・ヴォーン(1621-1666);

岡田典之、「光と水と霊 - トマス・ヴォーンの錬金術的世界像 -」、『龍谷紀要』、34巻2号、2013.3.15、pp.1-20 [ < 龍谷大学学術機関リポジトリ(R-SHIIP) ]

 →こちらにも挙げておきます:「錬金術など」の頁
………………………

 ブレーズ・パスカル(1623-1662);

 パスカルに興味を持ったのは、シラノの場合と同じく


澁澤龍彦、『胡桃の中の世界』、1974

 の表題作に引用されていた「だに」の話からでしょうか(pp.245-246)。

パスカル、松浪信三郎訳・注、『定本 パンセ』(上下)(講談社文庫 D1/2)、講談社、1971
 定本『パンセ』について/ポール・ロワイヤル版『パンセ』序文//
  分類されているパンセ;秩序/空虚/悲惨/倦怠と、人間の本質的性質/現実の理由/偉大/相反/気ばらし/哲学者たち/最高善/ポール・ロワイヤルにおいて/始め/理性の服従と、その運用/神のこの証明方法の長所/人間の認識から神への移行/他の諸宗教の虚像/この宗教を愛すべきものたらしめること/この宗教の基礎と、異論に対する回答/立法は象徴的なものであった/ラビ文書研究/永続性/モーセの証拠/イエス・キリストの証拠/予言/特殊な象徴/キリスト教的道徳/結論/
  分類されていないパンセ;第1輯~第18輯など、
516ページ。

下 分類されていないパンセ(続);第19輯~第33輯//
  『第1写本』に収録されていないパンセ;『草稿原本』に拠るパンセ/『第2写本』に拠るパンセ/ポール・ロワイヤル版『パンセ』に拠るパンセ/『ヴァラン稿本』に拠るパンセ/『ペリエ写本』に拠るパンセ/『ゲリエ写本』に拠るパンセ/パスカルに帰せられる語録/ジャン・メナール氏によって発見された未刊のパンセなど、
538ページ。


 こちら(「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「おまけ」/ダニエレブスキー『紙葉の家』に関連して)で触れました

 先の「だに」の話は、「第1部 分類されているパンセ、第15綴 人間の認識から神への移行」中の199番に記されています(上巻、pp.219-220)。
 この挿話については、「階段で怪談を」(1998)でふれたことがあります(→註8 のあたり)。→こちら(「仏教 Ⅱ」の頁の「iii. 華厳経、蓮華蔵世界、華厳教学など」)や、そちら(「世界の複数性など」の頁)、あちら(「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「xix. ラヴクラフトとクトゥルー神話など」中のユージン・サッカーの著書について)も参照
そこでも挙げていますが;

ホルヘ・ルイス・ボルヘス、「パスカルの球体」および「パスカル」、『異端審問』、1982、pp.15-19、pp.142-146

 また「パスカル」の別訳は;

土岐恒二訳、『エピステーメー』、vol.3 no.6、1977.7;「特集 空間」、pp.65-67

 ボルヘスについて→こちらも参照:「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「ボルヘス

 同特集号にはさらに;

飯塚勝久、「《無限の空間の永遠の沈黙》 パスカルと近代の宇宙観」、同上、pp.125-135

ピエール=マクシム・シュール、谷川渥訳、『想像力と驚異』、1983、pp.92-111:第2部第5章「ガリヴァーのテーマとラプラスの公準」中の「Ⅷ パスカルのダニから胚種入れ子説へ」(pp.104-107+原註 pp.261:no.24-262:no.32、訳註 p.310:no.71-no.77)

渡辺昭造、「パスカルと『複数世界』 - 宇宙の「永遠の沈黙」か、それとも…? -」、『研究紀要. 第四分冊, 短期大学部(III)』、聖徳大学、no.25、1992.12.15、 pp.1-13[ < CiNii Articles

 同、 「パスカルと『複数世界』 - 宇宙の「永遠の沈黙」か、それとも…? -」、『研究紀要. 第四分冊, 短期大学部(III)』、聖徳大学、no.26、1993.12.3、 pp.1-9[ < 同上

 同じ著者による→こちら(「ユダヤ」の頁の「vii. ユダヤ思想史など」)や、またそちらも参照:「キリスト教(西欧中世)」の頁の「iii. 哲学史的なものなど

 →あちらにも挙げておきます:「世界の複数性など」の頁
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 トマス・バーネット(1635?-1715);

スティーヴン・J・グールド、『時間の矢 時間の環 地質学的時間をめぐる神話と隠喩』、1990、「第2章 トマス・バーネットの時間の戦場」

M.H.ニコルソン、『暗い山と栄光の山』、1989、「第5章 地球の聖なる理論 - 壊れた世界の廃墟 -」および「第6章 バーネット論争 - 山々は鳴動し -」

 また

ガブリエル・ゴオー、『地質学の歴史』、1997、pp.70-76

マーチン・ゴースト、『億万年(イーオン)を探る 時間の始まりへの旅』、2003、pp.69-77

 なども参照

神尾美津雄、「THOMAS BURNETの地球論 - 崇高と美」、『英文學研究』、vol.54 no.1・2、1977.12.1、pp.55-68[ < CiNii Articles (有料)

 この論文ともう一つの論文をあわせて収録したのが;

神尾美津雄、「第5章 地球物語 - トマス・バーネット『聖なる地球論』 -」、『闇、飛翔、そして精神の奈落 - イギリス古典主義からロマン主義へ -』、1989、pp.142-175
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 ニコラウス・ステノ(1638-1687);

ニコラウス・ステノ、山田俊弘訳、『プロドロムス 固体論』、東海大学出版会、2004
序文/論文の概要/問題解決のための諸原則/基本的な三命題/個々の固体についての記述/トスカーナ地方に見られる大地の変化//
解説など、
220ページ。

 原著『固体のなかに自然に含まれた固体についての論文の前駆』は1669年刊(p.v)


 上掲

山田俊弘、「地球論におけるデカルト対ガッサンディ - 特にステノとの関係を考慮して -」、2004

 も参照、また

矢島道子・和田純夫編、『はじめての地学・天文学史』、2004

 第Ⅰ章2「地学 地球論の発生と展開」(山田俊弘)には、
「ステノが地球史の時代区分を行う」、
「ステノは大地の事物をどのように研究していたのか」
 の節があります(pp.79-87)。


山田俊宏、「ニコラウス・ステノ、その生涯の素描 新哲学、バロック宮廷、宗教的危機」、『ミクロコスモス 初期近代精神史研究 第1集』、2010、pp.236-253
誕生からコペンハーゲン大学卒業まで/オランダでの修学時代/フランスを経てイタリアへ/名声と論争/宗教家としての活動と死

 そしてステノを「この『地球』をめぐる航海の案内人にみたて」ているというのが(p.2);

山田俊弘、『ジオコスモスの変容 デカルトからライプニッツまでの地球論』、2017

 「地球論におけるデカルト対ガッサンディ」(2004)は第2章、「ニコラウス・ステノ、その生涯の素描」(2010)はプロローグ第3節に組みこまれました。
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 ベルナール・ル・ボヴィエ・ド・フォントネル(1657-1759);

ベルナール・ル・ボヴィエ・ド・フォントネル、赤木昭三訳、『世界の複数性についての対話』、工作舎、1992
序文/第1夜 地球は自転し、また太陽の回りを回る惑星であること/第2夜 月は人の住む地球であること/第3夜 月世界の特徴および他の惑星にも人が住んでいること/第4夜 金星、水星、火星、木星、土星の世界の特徴/第5夜 恒星はすべて太陽で、それぞれがその世界を照らしていること/第6夜 これまでの対話で示された考えの正しさを確認させる新しい考えと天空においてなされた最近の発見など、
228ページ。

 原著
Bernard le Bovier de Fontenelle, Entretiens sur la pluralité des mondes は1686年初版(第5夜まで。第6夜は翌年の再版で追加、p.208)。訳は生前最後の改訂版である1742年版による(pp.221-222)。

 次に挙げる本と合わせ、→こちらにも挙げておきます:「世界の複数性など」の頁

横尾広光、『地球外文明の思想史 - 多数世界論か唯一世界論か』、1991、「第9章 フォントネルと地球外文明思想」
フォントネルの生涯/「世界の複数性についての対話」/「世界の複数性についての対話」のその後/旧思想を爆破する武器としての地球外文明思想/科学の普及、「啓蒙」ということ/科学アカデミー、デカルト物理学の敗退

 フォントネルのことから説き起こしたのが;

松浦寿夫、「非飽和性の庭 2 白井美穂『Cosmicomics』展、その他」、『ART TRACE PRESS』、no.5、2019.6.28、pp.284-289

vii. アイザック・ニュートン(1642-1727)など

河辺六男訳、『世界の名著 26 ニュートン 自然哲学の数学的諸原理』、中央公論社、1971
ニュートンの15枚の肖像画(河辺六男);ニュートンの実像と虚像/ニュートン家系譜/衆多の者跋渉らん、而して知識増すべし - ダニエル書12章4節 -/ニュートンの櫃/誤謬-誤謬、幾何学ニアラズ/林檎の実の落ちたころ/ルカス教授/ニュートンをめぐる男たち(1) - ロバート・フック/ニュートンをめぐる男たち(2) - エドマンド・ハリー/ニュートンをめぐる男たち(3) - ジョン・フラムスティード/ニュートンの大学改革論/ロンドン塔の下/ベーコンの夢みたベーコン/ニュートンのラプラース的転倒/めぐまれしニュートンよ//
自然哲学の数学的諸原理 ニュートンに捧げるエドマンド・ハリーの頌詞/読者への著者の序文(第1版序文)/第2版への著者の序文/第3版への著者の序文/定義/公理、または運動の法則//
  物体の運動について;第1章~第14章//
  物体の運動について(抵抗のある媒質中における);第1章~第9章//
  世界体系について;哲学することの諸規則/現象/命題/一般的注解など、
580ページ。


 原著 Isaac Newton, Philosophiae naturalis principia mathematica は1687/1713(第2版)/1726(第3版)刊

渡辺正雄編、田中一郎訳、『科学の名著 6 ニュートン 光学』、朝日出版社、1981
「科学革命」とニュートンおよび『光学』(渡辺正雄)//
ニュートン光学の成立(田中一郎);光学前史/ルネサンスの光学/近代光学の展開/ニュートン光学の展開//
光学 すなわち光の反射、屈折、回折および色についての論考 アイザック・ニュートン卿の序文;第1版への序文/第2版への序文/第4版への序文//
  第1篇;第Ⅰ章~第Ⅱ章//
  第2篇;第Ⅰ章~第Ⅳ章//
  第3篇;第Ⅰ章//
巻末付録 ニュートン『光学講義』草稿など、
460ページ。


 原著 Isaac Newton, Opticks or a Treatise of the Reflections, Refractions, Inflections and Colours of Light は1704/1717(第2版)/1721(第3版)/1730(第4版)刊

吉井正和、「デカルトと若きニュートン ニュートン初期草稿群の研究」、『エピステーメー』、vol.3 no.6、1977.7;「特集 空間」、pp.159-170
運動の基本法則/運動の概念/空間、世界/結語

佐々木力、「『プリーンキピア』の自然哲学 - ニュートン主義の世界概念(上) -」、『思想』、no.762、1987.12、pp.37-67
ニュートン『プリーンキピア』の300年//
『プリーンキピア』の形成と構造;ニュートン力学の成立過程/一般読者にとっての『プリーンキピア』//
ニュートン主義の普及手段としてのボイル・レクチャーズ;ベントリーの1692年反無神論公園/ニュートン-ベントリー往復書簡//
成熟期ニュートンの自然哲学 - 『プリーンキピア』第2版の「一般注解」と『光学』の「疑問」


  同、 「ニュートンの宗教的・政治的世界 - ニュートン主義の世界概念(下) -」、『思想』、no.763、1988.1、pp.99-137
科学と宗教の相互交流;ニュートン科学の〈イデオロギー〉的次元/回帰宇宙像の構想/神と絶対空間/古典ギリシャ数学への畏敬//
ニュートン主義の社会史的含意;イギリス革命とニュートン思想/ニュートン主義と啓蒙主義/ニュートンとヴェーバー的「資本主義の精神」


和田純夫、『プリンキピアを読む ニュートンはいかにして「万有引力」を証明したのか?』(ブルーバックス B-1638)、講談社、2009
プリンキピアとは;プリンキピア誕生まで/知識に関する時代背景/「世界の体系」への道……プリンキピア第Ⅲ編前半//
プリンキピアの諸定理;用語の定義と運動の基本法則/第Ⅰ編
Section 1 準備/第Ⅰ編 Section 2 向心力と面積速度一定の法則/第Ⅰ編 Section 3 ケプラーの法則の証明/第Ⅰ編 Section 6~8 時刻と位置/第Ⅰ編 Section 9 軌道自体が回転する運動/第Ⅰ編 Section 11 2体問題・3体問題/第Ⅰ編 Section 12 大きさのある物体の重力/第Ⅰ編 Section 13 球体でない天体の引力……ニュートンの積分/第Ⅱ編 Section 1~9 抵抗を及ぼす媒 質内での物体の運動 抵抗力と重力を受ける質点の運動、流体の性質、振り子、物体の形状と抵抗、波動、渦/第Ⅲ編命題18以降 地球の形(命題18~20)、潮汐の理論(命題24、命題36、命題37)、その他/終わりに、など、
296ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:「近代など(20世紀~)」の頁の「ii. 1990年台前後

B.J.T.ドブズ、寺島悦恩訳、『ニュートンの錬金術』、平凡社、1995
原著は Betty Jo Teeter Dobbs, The Foundation of Newton's Alchemy or “The Hunting of the Greene Lyon”, 1975/1983
前書き//
「緑のライオンを求めて」;序/略伝/ニュートン錬金術の歴史/研究の資料と手法//
17世紀錬金術の思想的背景;序/往古の錬金術の性質とその救済論的機能 - ユングのモデル/物質と精神の関係/往古の錬金術の変化/錬金術と機械論哲学//
17世紀錬金術 - その内的発展と宗教・哲学・自然哲学との関係;錬金術と教義宗教/錬金術書出版の高まり/錬金術・機械論・改革/ハートリブ派とその化学的錬金術/世紀中葉の梗概ならびにプレヴュー/結論//
ケンブリッジにおける化学と錬金術;歴史的問題/アイザック・バロウ(1630-77年)/ヘンリー・モア(1614-87年)/「F氏」(1633-75年)/大きなサークル/若きニュートンの化学//
最初期のニュートン錬金術 - 1668-75年;序 - 手稿資料/金属の「水銀」 - 初期の処方/湿式で抽出される「水銀」 - 第1の実験/乾式で抽出される「水銀」 - 第2の実験/アンチモンの星状レグルス/異なった5つの方法による星状レグルス - 第3の実験/金属の形成と生成に関するセンディウォギウスの理論/網-第4の実験/アマルガム法-第5の実験/惑星の変容 - 方法論瞥見/鍵 - ケインズ手稿18/大きなサークル/結論//
ニュートンによる錬金術と機械論の統合;序/「一なる普遍物質」とその変成/ニュートンの物質的エーテルと媒介の概念に関する詳説/新しい力の概念の創造/ニュートンの成熟した化学思想/金属変成/結論//
エピローグ//
付録;アイザック・ニュートン卿の錬金術文書/星状レグルス製造をめぐるニュートンの小論/「鍵」 - ケインズ手稿18、ラテン語原文と英訳/ニュートンの錬金術研究に関する時代区分私案など、
446ページ。


B.J.T.ドッブズ、大谷隆昶訳、『錬金術師ニュートン ヤヌス的天才の肖像』、みすず書房、2000
原著は Betty Jo Teeter Dobbs, The Janus Faces of Genius. The Role of Alchemy in Newton's Thought, 1991
アイザック・ニュートン、炉辺の哲学者/生長作用と摂理/宇宙創成と歴史/世界における神の活動様式 - 『プリンキピア』以前 -/世界における神の活動様式 - 『プリンキピア』の頃 -/世界における神の活動様式 - 『プリンキピア』以後、1687-1713年 -/世界における神の活動様式 - 『プリンキピア』以後、1713-1727年 -/エピローグ//
付録;「生長における自然の明らかな法則および過程について」/「ヘルメス」/「『闇の中より発する光』から」/「実験と観察、1692年12月および1692/3年1月」/「実地」など、
458ページ。


Richard S. Westfall, “Newtonian Cosmology”, Cosmology. Historical, Literary, Philosophical, Religious, and Scientific Perspectives, 1993 / 2008, pp.263-274
ニュ-トン主義宇宙論
 

佐藤文隆、『宇宙論への招待 - プリンキピアとビッグバン -』、1988

松山壽一、『ニュートンからカントへ 力と物質の概念史』、2004

アイザック・ニュートン、吉本秀之訳、「酸の本性について」、『原典 ルネサンス自然学 下』、2017、pp.1239-1243

 1691頃、あるいは1691/92の早い時期

 なども参照

viii. ゴットフリート・ヴィルヘルム・ライプニッツ(1646-1716)など

 ライプニッツの『単子論(モナドロジー)』を読んだ時の印象は、何よりイメージが鮮やかだというものでした(短いし)。とりわけ各モナドが宇宙を映す鏡であるという〈各中全の原理〉は、華厳やプローティーノスに通じるもので、パスカルの〈ダニ〉ともども、「階段で怪談を」(1998→註8 のあたり)でふれました→こちら(「仏教 Ⅱ」の頁の「iii. 華厳経、蓮華蔵世界、華厳教学など」)や、あちら(「世界の複数性など」の頁)も参照;

ライプニツ、河野与一訳、『単子論』(岩波文庫 33-616-1)、岩波書店、1951
ライプニツ著作刊行本//
實體の本性及び實體の交通並びに精神物體間に存する結合に就いての新説(1695);新説/新説最初の草稿/新説に對するフシェの異議/フシェの異議備考/新説の第一解明/新説の第二解明/新説の第三解明(抜粋)//
理性に基づく自然及び恩恵の原理(1714)//単子論(1714)//
附録;認識、眞理、觀念に關する考察(1684)/第一哲學の改善と實體概念(1694)/事象の根本的生産(1697)/自然そのもの(1698)など、
366ページ。


『世界の名著 25 スピノザ・ライプニッツ』、中央公論社、1969
スピノザとライプニッツ(下村寅太郎)//
スピノザ エティカ(1675年に完成、没後に遺稿として刊行)//
ライプニッツ 形而上学叙説(1686)//モナドロジー(1714)//
  小品集;対話-事物とことばとの結合(1677/8)/位置解析について-ホイヘンスへの手紙(1679/9/8付け)/学問的精神について(1677-80)/事物の根本的起原(1697/11/23付け)/必然性と偶然性-コストへの手紙(1707/12/19付け)/モナドについて-ワグナーへの手紙(1710/6/4付け)など、
534ページ。


 なおスピノザ(1632-1677)については→こちらも参照:「ユダヤ」の頁の「vii. ユダヤ思想史など

下村寅太郎・山本信・中村幸四郎・原亨吉監修、澤口昭聿訳、『ライプニッツ著作集 1 論理学』、工作舎、1988
結合法論(1666)(抄)/普遍的記号法の原理(1679)/普遍的計算の試論/概念と真理の解析についての一般的研究(1686)/論理形式の作図による証明(1686頃)/理性の数学(1690頃)/三段論法の形式の数学的決定(1690頃)/[計算](1690)/幾何学的記号法(1679)など、
414ページ。


 →こちらにも挙げておきます:「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「記憶術・結合術

 同監修、原亨吉・佐々木力・三浦伸夫・馬場郁・斎藤憲・安藤正人・倉田隆訳、『ライプニッツ著作集 2 数学論・数学』、工作舎、1997
数学論;普遍的総合と普遍的解析、すなわち発見と判断の技法について(1679頃)/普遍数学(1695頃)/数学の形而上学的基礎(1715頃)//
数学;[ガロアへの手紙]無限算へのアプローチ(1672末)/[ホイヘンスへの手紙]算術的求積(1674/10)/重心論による求積解析1-2(1675/10/25、1675/10/26)/求積解析第2部(1675/10/29)/3個の[実]根を持つ立方方程式の解法、虚の量の介入によって表現された実根、および第6の算術演算について(1675)/逆接線法(1676/7)/オルデンバーグへの手紙(1676/8/24)/接線の微分算(1676/11)/オルデンバーグへの手紙(1677/6/21)/誤謬が避けられ、精神があたかも手をひかれるように導かれて、数列が容易に見出される、新しい解析の実例(1678/6)/有理数によって表わされた、外接正方形に対する円の真の比について(1682/2)/分数式にも無理式にも煩わされない極大・極小ならびに接線を求める新しい方法、またそれらのための特別な計算法(1684/10)/接触角と接合角の性質、および実践的数学において扱いにくい図形をそれに代わるより簡単な図形で置き換える際の、これらの角についての新考察(1686/6)/深奥な幾何学ならびに不可分者と無限の解析について(1686/7)/ホイヘンスへの手紙1-2(1690/10/13, 1690/[11])/柔軟なものが自身の重さによって描く曲線について、また任意個の比例中項と対数を見出すためのその曲線の格別な利用法について(1691/7)/ニュートンへの手紙(1693/3/17)など、
398ページ。


 同監修、原亨吉・横山雅彦・三浦伸夫・馬場郁・倉田隆・西敬尚・長島秀男訳、『ライプニッツ著作集 3 数学・自然学』、工作舎、1999
数学;無限級数による極めて一般的な新しい法則を用いて超越的な問題にも拡張される実用幾何学についての補説(1693/4)/計量幾何学についての補遺、あるいは、あらゆる求積を運動によって最も一般的に遂行すること、また同様にして接線の与えられた条件から曲線を多様に作図すること(1693/9)/位置解析について(1693)/微分算の新しい適用と、接線に関して与えられた条件から線をさまざまなかたちで作図することへのその応用(1694/7)/向背心等速曲線の問題の正しい作図。そこではなお、接合の性質と微分算について、また超越曲線の作図について、より一般的なことが論じられる。それらの一方は極めて幾何学的であるのに反し、他方は実は機械的であるが、この上なく一般的である。加えて、超越曲線の発見法を普遍的にして、それがあらゆる場合を含み、かつ与えられた点を通るようにする仕方(1694/8)/すべての量を1と0によって表わす驚くべき表記法。これは、事物が神と無から由来すること、すなわち創造の神秘、を表現している(1696/5)/ヨハン・ベルヌイへの手紙(1696/6/16)/代数学の新機軸(1697)/真の幾何学的解析(1698)/数についての新しい学問試論(1701/2/26)/等差数列をなす数の冪乗数として表わされる数列、さらに、いくつかのそういう冪乗数から合成される数として表わされる数列、そのような数列の各列は周期的であることの証明(1701/11)/和と求積に関する無限の学問における解析新例(1702/5)/冪と微分の比較における代数計算と無限小計算の注目すべき対応、および超越的同次の法則(1710)/スローンへの手紙/ユークリッドの基礎について(1712?)/趣意書(1713/7/29)/微分算の歴史と起源(1714-)/(補遺1)演算規則を用いた解析計算の最要点(1679/12)/(補遺2)諸方程式から文字を除くこと、あるいは複数の方程式を1個に還元することについて、事実この論文では、単純な方程式に関する一般的な諸定理が提示される(1684/1/12)//
自然学;自然法則に関するデカルトおよび他の学者たちの顕著な誤謬についての簡潔な証明(1686)/天体運動の原因についての試論(1689)/「天体運動の原因についての試論」の解説(1706頃) 補遺 著者が自らの惑星運動の自然学的な仮説を弁護するために友人に書き送った書簡からの抜粋(1706)/運動の諸法則に関する力学試論(1691頃)/物体の力と相互作用に関する驚歎すべき自然法則を発見し、かつその原因に溯るための力学提要(1695)/光学、反射光学、屈折光学の唯一の原理(1682)など、
622ページ。


 同監修、谷川多佳子・福島清紀・岡部英男訳、『ライプニッツ著作集 4 認識論 「人間知性新論」(上)』、工作舎、1993
序文/生得的概念について/観念について(1703夏-1705夏)、など、
342ページ。


 同監修、谷川多佳子・福島清紀・岡部英男訳、『ライプニッツ著作集 5 認識論 「人間知性新論」(下)』、工作舎、1995
言葉について/認識について、など、
390ページ。


 同監修、佐々木能章訳、『ライプニッツ著作集 6 宗教哲学 「弁神論」(上)』、工作舎、1990
序文 1~36/信仰と理性の一致について 1~87/神の正義、人間の自由、悪の起源について 1~106/107~240(1710/5)、など、
352ページ。


 同監修、佐々木能章訳、『ライプニッツ著作集 7 宗教哲学 「弁神論」(下)』、工作舎、1991
神の正義、人間の自由、悪の起源について 241~417/三段論法形式での論争要約/ホッブズ論 - ホッブズ氏が英語で出版した著作『自由、必然性、偶然』についての考察/キング『悪の起源』考 - 英語で最近出版された『悪の起源』という著作についての考察/神の大義 - 神の正義をそれ以外の神の完全性ならびにその全作用と両立させることいより弁ぜられたるところ、など、
334ページ。


 同監修、西谷裕作・竹田篤司・米山優・佐々木能章・酒井潔訳、『ライプニッツ著作集 8 前期哲学』、工作舎、1990
対話 - 事物と言葉の結合、ならびに真理の実在性についての(1677)/観念とは何か(1678)/認識、真理、観念についての省察(1684)/自然の法則の説明原理-神の知恵の考察によって自然の法則を説明するために有用な普遍的原理についてのライプニッツ氏の書簡。マルブランシュ師の返答への回答として(1687)/24の命題(1690)/実在的現象を想像的現象から区別する仕方について(1690?)/実体の本性と実体相互の交渉ならびに心身の結合についての新たな説(1695)/事物の根本的起源について(1697/11/23)/感覚と物質から独立なものについて-プロイセン王妃ゾフィー・シャルロッテへの手紙(1702)/唯一の普遍的精神の説についての考察(1702)/形而上学叙説(1686)/アルノーとの往復書簡(1686~1690)など、
446ページ。


 同監修、西谷裕作・米山優・佐々木能章訳、『ライプニッツ著作集 9 後期哲学』、工作舎、1989
生命の原理と形成的自然についての考察(1705)/動物の魂(1710)/アリストとテオドールとの最初の対話に続く、フィラレートとアリストとの対話(1711)/デ・フォルダー宛書簡(抄)(1699~1706)/デ・ボス宛書簡(抄)(1706~1716)/モナドロジー〈哲学の原理〉(1714)/理性に基づく自然と恩寵の原理(1714)/ライプニッツとクラークとの往復書簡(1715~1716)など、
456ページ。


 同監修、山下正男・谷本勉・小林道夫・松田毅訳、『ライプニッツ著作集 10 中国学・地質学・普遍学』、工作舎、1991
中国学細目はこちら:「中国 Ⅱ」の頁の「おまけ」//
地質学;プロトガイア(1691頃)//
普遍学;百科全書あるいは普遍学のための予備知識/普遍学の基礎と範例/諸学問を進展させるための格率/確実性の方法と発見術に関する序論 - 論争を終結させ、わずかの間に大なる進歩をもたらすための/普遍的記号法 - その起源と価値/普遍的記号法 - その論理的一般原理など、
326ページ。


 →こちらにも挙げておきます:「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「記憶術・結合術

ライプニッツ、岡部英男訳、「必然的真理と偶然的真理」、 『哲学』、no.8、1989秋:「可能世界 神の意志と真理」、pp.98-114

 1686年頃の草稿

G.W.ライプニッツ、伊豆蔵好美訳、「真の神秘神学について」、『哲学』、no.9 vol.3-4、1989 冬:「特集 神秘主義 テクノロジーとカルト」、pp.162-168
………………………

橋本由美子、「分割・連続・運動 - ライプニッツ自然観の視界を拓く試み -」、『思想』、no.751、1987.1、pp.84-96
一;アトムの外にあるもの、「第一要素」批判/アトム/協合運動//
二;連続/原因と結果の同等性-力の保存/運動の条件/弾性
(élasticité)

『現代思想』、vol.16-12、1988.12、pp.63-209:「特集 ライプニッツ バロックの哲学」
ライプニッツと現実性(柄谷行人)/普遍数学と記号化への意思(斎藤正彦・佐々木力・山本信)/曖昧だと言われるライプニッツの無限小概念(石黒ひで)/マテシスの理念と空間の形而上学 「普遍数学」構想を介して対峙するライプニッツとデカルト(伊豆蔵好美)/万学と普遍学との間 表出するコスモロジー(佐々木能章)/ライプニッツにおける表出の概念 記号論のキーコンセプト(クラウス・D・ダッツ)/裸のモナドへ(宇野邦一)/直観と体系(小沢秋広)/ヴォルテールとライプニッツの遭遇(イヴォン・ベラヴァル)/ライプニッツのユニコーン(高山宏・森毅)/結合術とロマン主義的機智(ヴィッツ)(ジョン・ノイバウアー)/可能世界と現実世界(パオロ・ロッシ)

E.J.エイトン、渡辺正雄・原純夫・佐柳文男訳、『ライプニッツの普遍計画 バロックの天才の生涯』、工作舎、1990
原著は Eric John Aiton, Leibnitz. A Biography, 1985
社会的・政治的・思想的背景/幼年時代から青年時代へ 1646-1667/政界および学界への第1歩 1667-16724/パリ 1672-1676/ヨハン・フリードリッヒ公のハノーヴァー 1676-1679/エルンスト・アウグスト公のハノーヴァー 1680-1687/南ドイツ、オーストリア、イタリアへの大旅行 1687-1690/エルンスト・アウグスト公のハノーヴァー 1690-1698/ハノーヴァーとベルリン 1698-1705/ハノーヴァー、ヴォルフェンビュッテル、そしてベルリン 1705-1710/ハノーヴァーとウィーン 1711-1716/エピローグなど、
536ページ。

 同じ著者による→こちらを参照:本頁上掲の「ii. ケプラーなど


ジル・ドゥルーズ、宇野邦一訳、『襞 ライプニッツとバロック』、河出書房新社、1998
原著は Gilles Deleuze, Le pli. Leibniz et le baroque, 1988
襞;物質の折り目/魂の中の襞/バロックとは何か//
さまざまな包摂;十分な理由/不共可能性、個体性、自由/一つの出来事とは何か//
身体をもつこと;襞における知覚/二つの階/新しい調和など、
250ページ。


平井靖史、「世界の選択と諸モナドの創造」、『哲学誌』、no.40、1998.3.20、pp.96-112 [ < 首都大学東京機関リポジトリ『みやこ鳥 MIYAKO-DORI』 ]

駒城鎮一、「普遍法学の夢 - ライプニッツとカバラ」、『富山大学紀要. 富大経済論集』、vol.46 no.2、2000.11、pp.357-390 [ < 富山大学学術情報リポジトリ ToRepo

平井浩、「『ライプツィヒ学報』に寄せられたG.W.ライプニッツの『プロトガイア』予告文の翻訳」、『地質学史懇話会会報』、no.14、2000、p.17 [ < Physica Subterranea 『地下世界の自然学』 < bibliotheca hermetica

平井浩、「地下世界:ライプニッツ以前の地学史研究の課題」、『地質学史懇話会会報』、no.16、2001、p.13-17 [ < Physica Subterranea 『地下世界の自然学』 < bibliotheca hermetica

 同じ著者による→こちらを参照:「ルネサンス、マニエリスムなど(15~16世紀)」の頁の「i. 通史・概説的なものなど

石黒ひで、『ライプニッツの哲学 - 論理と言語を中心に - 増補改訂版』、岩波書店、2003
序論/真理保存的置換の原理/結合法(アルス・コンビナトリア)/感性的性質の観念/ライプニッツの無限小概念/主語と述語(関係的および非関係的述語)/モナド・属性・偶有性・関係/仮定的真理/必然性と偶然性など、
296ページ。

 英語初版は1972、日本語初版は1983


矢島道子・和田純夫編、『はじめての地学・天文学史』、2004

 第Ⅰ章2「地学 地球論の発生と展開」(山田俊弘)には、「ライプニッツの原始地球論」の節があります(pp.87-92)。

池田真治、「ライプニッツの無限論と『連続体の迷宮』」、『哲学論叢』、no.31、2004.9.1、pp.37-51 [ < 京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI) ]

町田一、「可能なセクストゥスたち - ライプニッツにおける世界の構成原理 -」、『哲學』、no.116、2006.3、pp.57-72 [ < KOARA 慶應義塾大学学術情報リポジトリ

イーヴァル・エクランド、『数学は最善世界の夢を見るか?』、2009、「第2章 近代科学の誕生」

ホルスト・ブレーデカンプ、原研二訳、『モナドの窓 ライプニッツの「自然と人工の劇場」』、産業図書、2010
原著は Horst Bredekamp, Die Fenster der Monade. Gottfried Wilhelm Leibnitz' Theater der Natur und Kunst, 2004/2008
導入;プラン/ガーター結び/襞なす衣装のコスモス/ペンタグラムと振動するスクリーン//
展示品の劇場;クンストカマー(人の手になるものの蒐集室)の役割/コレクション歴訪/劇場概念の変数/ベッヒャーの『自然と人工の劇場』//
パリの『思考遊び』;テクスト/ゲーリッケ球体/モデルと自動機械/大道芸人と賭博宮殿//
光と影のゲーム;影絵劇場/光の運び手としての影/葛藤を起こす遠近法の力//
数学的計算;アナモルフォーズ/ヴィジュアル批判/数学記号に絵としての性格を持たせる/無限性と超数学的〈視〉//
感覚的認識と直感;ものそのものの力/自然言語の強み/魂、およびモナドの身体/一望(coup d'œil)と神の視のあり方//
化石、および大地の芸術理論;女芸術家なる自然/複製の芸術/博物史のディレンマ/女遠近法芸術家としての自然//
素描と下絵;素描の特性/クロード・ペローのルーヴル宮/ヴォルフェンビュッテルとウィーンの楕円建築/メダル用とセレモニー用の図像プラン//
生きた図書館としての図説アトラス;パリのお手本/図説アトラスの様々なコンセプト/図像学による目録化/図版の生彩とユートピア//
アカデミーとその劇場;ベルリンでの部分的成功/ドレスデンでの努力/ウィーンにまつわる野心/死後、サンクト・ペテルブルクにての計画実現//
結び;指し示すことの栄光/計算と直感:ライプニッツのアクテュアリティ//
付録;典拠(1668-1716)/
Drole des Pensee の翻訳など、
352ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「ボマルツォの〈聖なる森〉」のところ

福谷茂、「ライプニッツの創造論 (一)」、『近世哲学研究』、no.14、2010.12.25、pp.15-35 [ < 京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI) ]

 同、 「ライプニッツの創造論 (二)」、『近世哲学研究』、no.17、2013.12.25、pp.34-55 [ < 同上]

 →こちらで少し触れています:「世界の複数性など」の頁


内井惣七、『ライプニッツの情報物理学 実体と現象をコードでつなぐ』(中公叢書)、中央公論新社、2016
まえがき//
力学の基礎は情報の形而上学;ライプニッツの情報論的転回/ライプニッツはなぜ「力」を導入したか/ニュートンとライプニッツ、「力」の比較/慣性運動の扱い/活力と死力/衝突と運動の相対性/『モナドロジー』でお能動と受動/チューリングマシンとプログラムの構造/『モナドロジー』とプログラムの多層構造/動力学における能動と受動//
空間と時間の起源;「状況分析」と空間/時間はどうなるか/ライプニッツ時間論を解読する/モナド界のモデル/現象の時間/運動の相対性と同時性/慣性の法則と相対性//
休憩章 モナドロジーと音楽
慣性と重力、ライプニッツ的構想の一つの形;ニュートンのバケツと慣性の法則/ライプニッツ哲学の一元的解釈に向けてなど、
268ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:「近代など(20世紀~)」の頁の「iii. 2000年代~

山田俊弘、『ジオコスモスの変容 デカルトからライプニッツまでの地球論』、2017、pp.219-244:「第8章 ライプニッツと地球の起源」
ライプニッツの地下世界への関心/『プロトガイア』と原始地球/ステノからライプニッツへ - 両者の交流の背景/歴史の総合を企てるライプニッツ

池田真治、「第4章 ライプニッツと原子論 〈アトム〉から〈モナド〉へ」、田上孝一・本郷朝香編、『原子論の可能性 近現代哲学における古代的思惟の反響』、2018、pp.111-152
はじめに//
初期ライプニッツの原子論 - 物体的アトムの精神的基礎づけ;ローゼンタールの森での思索/物質の現実的無限分割説/ライプニッツと化学的原子論/泡体説/ホッブスのコナトゥス概念の受容と精神化//
中期ライプニッツの原子論批判 - 物体的アトムから実体的アトムへ;実体的形相の復権/物理的アトムから実体的アトムへ/コルドモアの物体的原子論/ライプニッツのコルドモア批判/『形而上学叙説』とアルノーとの往復書簡/中期ライプニッツの「物体的実体説」/心身適合説//
後期ライプニッツとモナド論 - 実体的アトムからモナドへ;単純実体としてのモナド/モナドの登場/過渡期のモナド概念/モナドと物体的実体//
おわりに

おまけ

 西欧の17世紀に材をとったフィクションも数限りなくあることでしょう。
 薔薇十字団を扱ったものも、上掲マッキントッシュ『薔薇十字団』(1990/2003)の「第11章 文学に登場する薔薇十字団のアデプトたち」などで述べられています。ここでは、錬金術の用語をちりばめ、クリスチャン・ローゼンクロイツが登場するアニメ


『アキハバラ電脳組』(1998、監督:ふじもとよしたか)

 を挙げておきましょう。

トーマス・パヴェル、江口修訳、『ペルシャの鏡』、工作舎、1993
原著は Thomas Pavel, Le miroir persan, 1977

 5章中の第1章は「ライプニッツの形而上学叙説への批判的注釈」と題されています。

水見稜、『夢魔のふる夜』(ハヤカワ文庫 JA 229)、早川書房、1986
 1983年刊本の文庫化

 ケプラーが主人公で、ティコやガリレオも登場します。
 同じ著者による→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「水見稜

 音楽方面からは、シェイクスピア(1564-1616)の『テンペスト』(1610-1611)に材を得たという

Gryphon, Midnight Mushrumps, 1974(1)

 のA面全体を占めるタイトル曲を挙げておきましょう。18分58秒。
1. 『ユーロ・ロック・プレス』、vol.13、2002.5、pp.86-87: 高山直之、「GRYPHON 古楽、トラッド・ロックの合成獣」。
 深見淳・松崎正秀監修、『UKプログレッシヴ・ロック メインストリーム・エディション~The Golden Era』(THE DIG presents Disc Guide Series #017)、シンコーミュージック、2004、p.96。
 立川芳雄、『プログレッシヴ・ロックの名盤100』、リットーミュージック、2010、p.79。
 →こちらも参照:「キリスト教(西欧中世)」の頁の「おまけ
 
 'mushrump'は古語で'mushroom'を意味するそうです。日本語版ウィキペディアの「グリフォン(バンド)」の頁(→そちら)によると、曲の題名は「『テンペスト』に登場するフレーズにちなんで名付けられた」とのことでした。そこで検索してみると、第5幕第1場で、プロスペローとエリアルが交互に台詞を交わす、前者の五つ目の台詞に、

 "and you whose pastime is to make midnight mushrumps, that rejoice to hear the solemn curfew"

とありました。福田恆存訳では、「丘に、森に、川や鎖された沼のほとりに棲む小さな妖精たち」(Ye elves of hills, brooks, standing lakes and groves)に呼びかけて、

 「真夜中の茸造りを楽しみ、厳かな日没の鐘の音を聴いて喜ぶ汝ら」
   (シェイクスピア、『夏の夜の夢・あらし』(新潮文庫 [赤] 20H)、新潮社、1971、p.214)

となっています。
 『テンペスト』といえば;

『プロスペローの本』、1991、監督:ピーター・グリーナウェイ

 また

フィリス・ゴットリーブ、藤井かよ訳、『オー・マスター・キャリバン!』(ハヤカワ文庫 SF 462)、早川書房、1982
原著は Phyllis Gottlieb, O Master Caliban!, 1976

 何より

禁断の惑星』、1956

 加えて、「『Meiga を探せ!』より、他」の頁で触れた(→こちら

『エクス・マキナ』、2014、監督:アレックス・ガーランド

 ちなみに、『テンペスト(あらし)』の有名な一句、

「吾らは夢と同じ糸で織られているのだ」
"We are such stuff as dreams are made on"

は第4幕第1場のプロスペローの台詞で(シェイクスピア、福田恆存訳、『夏の夜の夢・あらし』、1971、p.206) 、

 『お気に召すまま』の


「世界はすべてお芝居だ」
"All the world's a stage"

は第2幕第7場のジェイクイズの台詞(シェイクスピア、阿部知二譯、『お氣に召すまま』(岩波文庫 1969-1970)、岩波書店、1939、p.96)にあります
(→こちらでも引きました;「オペラ座の裏から(仮)」の「追補」
 また→そちら(「近代など(20世紀~)」の頁中のミチオ・カク、斉藤隆央訳、『パラレルワールド』、2006)のところ)。
 プラトーン『法律』第1巻644Dの「神の操り人形」という一句(→あちらを参照)とあわせて引きあいに出したことがありました(→三重県立美術館ニュース、no.118、2010.11.26、『ひろがるアート~現代美術入門篇~』関連記事[ <まぐまぐ!のサイト ])。

追補 上記メルマガの記事が「2019年4月15日より無料バックナンバーの公開を停止しております」とのことでリンク切れなので、
ここに転載しておきました;「ギリシャ・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「vi. プラトーン(プラトン)」の項の中。


 『ハムレット』第2幕第2場のハムレットの台詞、


「たとえ胡桃の殻のなかに閉じこめられていようとも、無限の天地を領する王者のつもりになれる男だ」
"I could be bounded in a nutshell and count myself a king of infinite space"
(シェイクスピア、福田恆存訳、『ハムレット』、p.64)

 を知ったのは、

澁澤龍彦、『胡桃の中の世界』、1974


 の表題作での引用(p.240)によるものと思いますが、この1文はずいぶん有名なものらしく、

シュボーン・ロバーツ、『多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者』、2009、p.3


 で本全体のエピグラフとして用いられたり、

ルディ・ラッカー、『4次元の冒険』、1989、p.136

チャールズ・サイフェ、『異端の数 ゼロ』、2003、p.97

ジョン・D・バロウ、『無限の話』、2006、p.156

アレックス・ビレンケン、『多世界宇宙の探検』、2007、p.156

ケイティ・マック、『宇宙の終わりに何が起こるのか』、2021、第7章のエピグラフ(p.260)


 で引かれたりもしています。

 シェイクスピアからは、また、ポランスキーが監督した『マクベス』(1971)のサウンドトラック;

Third Ear Band, Music from Macbeth, 1972(2)
2.  The Bible. rock magazine 04、ロックマガジン社、1981、p.74。
 『200CD プログレッシヴ・ロック』、立風書房、2001、p.75。
 『ユーロ・ロック・プレス』、vol.22、2004.8、pp.96-97。
 深見淳・松崎正秀監修、『UKプログレッシヴ・ロック メインストリーム・エディション~The Golden Era』(THE DIG presents Disc Guide Series #017)、シンコーミュージック、2004、p.146。
 立川芳雄、『プログレッシヴ・ロックの名盤100』、リットーミュージック、2010、p.64。
 →こちら(「通史、事典など」の頁の「おまけ」)や、そちら(「錬金術など」の頁の「おまけ」)、またあちら(「イラン」の頁の「おまけ」)、ここ(「アメリカ大陸など」の頁の「おまけ」)も参照

 また

野阿梓、『兇天使』、1986

 にはハムレットだのシェイクスピア本人も登場します。

 シェイクスピアに関連して、「古城と怪奇映画など」で
 → こちら(『ハムレット』、1948)、そちら(『マクベス』、1948)、あちら(『オセロ』、1952)、ここ(『蜘蛛巣城』、1957)、そこ(『マクベス』、1971)
 またこちら(『禁断の惑星』、1956)、合わせてこちら(『恐怖のロンドン塔』、1939)やあちら(『恐怖のロンドン塔』、1962)
も参照

2014/04/01 以後、随時修正・追補
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