ロココ、啓蒙思想など(18世紀) |
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* そもそも西欧の近世の何たるかもよくわかっていませんが、 とりあえず大まかにその前半は、美術史でいうところのバロック期、17世紀あたり、 後半はロココ期、18世紀あたりとしておきます。 といいつつ、前の時期・次の時期にかぶるものも出てきたりすることでしょう。 ニュートンの『光学』(1704)やライプニッツの『 ともあれ例によって、多々誤りもあろうかと思いますが、ご寛恕ください。 ともあれ前置き代わりに; 坂本賢三、「18世紀科学における空間意識」、樋口謹一編、『空間の世紀』、筑摩書房、1988、pp.164-194 問題の所在/「空間」の発見/空間の拡大/多様な空間/内包的空間 同書には他に; 序論-なぜ空間の世紀か(樋口謹一)/空間の政治経済学(阪上孝)/18世紀フランスの「国制」像 - モープー期を中心として -(石井三記)/18世紀後半における空間の消滅(芝井敬司)/ヴォルネーのオリエント観 - 18世紀ヨーロッパにおける外部世界認識の一事例 -(服部春彦)/アメリカ - 拡大する空間 -(小林清一)/ディドロあるいは原子の飛躍(市田良彦)/地球と人類の発見 - ビュフォンの『自然誌』 -(西川祐子)/廃墟の18世紀 - あるいは甘美な憂鬱の夢について -(富永茂樹)/庭のなかの風景(小西嘉幸)/空間の爆発 - ヴィジオネールたちの建築 -(浅田彰)など、 368ページ。 |
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i. エマヌエル・スウェーデンボリ(スウェーデンボルグ)(1688-1772)など 神秘家としての面とは別に、スウェーデンボリに面白そうな宇宙開闢論があることを知ったのは、「通史・事典など」のページ最初の方で挙げたアーレニウスの本を読んだ時でした(→こちらを参照); 一戸直藏訳、『宇宙創成史』では pp.164-179 寺田寅彦訳、『宇宙の始まり』では pp.144-157 そうした面については、また; ヒューゴ・オドナー他、高橋和夫編訳、『スウェーデンボルグの創造的宇宙論』、めるくまーる、1992 スウェーデンボルグの原子論・星雲説;宇宙論者としてのスウェーデンボルグ(講演、1910年)(アイザイアー・ターンスリー)/ スウェーデンボルグと現代の宇宙論(講演、1935年)(ハラルド・ガーディナー)/ 宇宙論者、スウェーデンボルグ(1988年)(グスターフ・アレニウス)// スウェーデンボルグの創造的宇宙論 創造的宇宙論(1964年)(ヒューゴ・Lj・オドナー);神と創造/霊的な太陽/霊的な太陽の連続的スフィア/創造の因果的連鎖/自然の拡大/有機体の創造/人間-創造の目的など、 278ページ。 原著はそれぞれ Isaiah Tansley, Swedenborg as Cosmologist, 1912 Harold Gardiner, Swedenborg and Modern Ideas of the Universe, 1936 Gustaf Arrhenius, Swedenborg as Cosmologist, 1988 Hugo Lj. Odhner, Creation, 1964 第1部で扱われるのは、『哲学・鉱物学論集』全3巻中の第1巻『原理論 Principia』(1734) なおグスターフ・アレニウスは、上記『宇宙創成史』ないし『宇宙の始まり』の著者スヴァンテ・アレニウスの孫に当たるとのこと(p.256)。 柳瀬芳意、「スエデンボルグの宗教思想の一端について - とくにその宇宙創造論における生命と物質との起原について -」、『牧神』、no.7、1976.11:「特集 神秘主義について」、pp.50-61 スエデンボルグの所説の根底について/生命の起原と物質の起原について。または精神的なものと非精神的なものの起原について。 A.アクトン、高橋和夫訳、『転身期のスウェーデンボリ』(フィロソフィア双書 19)、未來社、1987 原著は Alfred Acton, An Introduction to the Word Explained. A Study of the Means by which Swedenborg the Scientist and Philosopher Became the Theologian and Revelator, 1927 スウェーデンボリの霊界への参入;[プロローグ]・すべての奇蹟を超えて/必要とされた長時間の準備/スウェーデンボリの準備における遺伝的要因/幼年期における準備/後年における準備/最初の前兆/初期の夢/初期の試練/『生物界』/『夢日記』/主の顕現/スウェーデンボリの二重思考/主の第二の顕現/この幻視に対するスウェーデンボリの態度/スウェーデンボリの霊的視覚の開示/スウェーデンボリの罪の告白/その準備の本質的部分であるスウェーデンボリの罪の告白/スウェーデンボリの夢の中の女性たち/『夢日記』を書いた頃のスウェーデンボリの生活で起こった小事件/スウェーデンボリの『夢日記』と彼の学術著作/『生物界』のエピローグ/1744年の4月中に起こった幻視/主が再びスウェーデンボリに現われる/『五感』/『脳』への補遺/霊界へのより緊密な接近。宮殿の中にある共同体/スウェーデンボリの幻視が彼の著述計画に及ぼした影響/科学的・哲学的著作の最後の著作/スウェーデンボリ、ひとりの霊に話しかけられる/スウェーデンボリ、現実に霊界に入ることを許される/危険との遭遇/『神の崇拝と神の愛』/啓示者の務めへの召命// スウェーデンボリの生涯における中間期;スウェーデンボリの聖言研究。最初の「聖書索引」/『創造の歴史』、「歴史的聖言の講解」/鉱山局辞職/霊的意味を伴う「聖書索引」、「メモラビリア索引」/『天界の秘密』の著述/スウェーデンボリの準備著作の概要/スウェーデンボリは、あたかも彼自身によるかのように準備した/神学著作への準備としての中間期の諸著作/合理的啓示のためには「自らによるものとして」が必要であった// 結論など、 246ページ。 原著全6章中の第3章、第4章、第6章の訳(p.237)。 高橋和夫、『スウェーデンボルグの思想』(講談社現代新書 1235)、講談社、1995 科学者としての出発;天文学・機械工学の修業/王国の鉱山技師として/『 霊へのめざめ;解剖学と霊魂探求/宗教的危機と『夢日記』/神学者への転身// その霊的世界;『天界の秘義』の出版/死と死後の世界/天界と地獄// 「創世記」を読み直す;天地創成の6日間/エデンの園と堕罪の神話// 普遍宗教への道;神、宇宙、人間/「救済神」イエス・キリスト/真のキリスト教の復元// 晩年の日々;中小の神学著作群/カントによる千里眼批判/異端裁判と予告した死/ロンドンの「新エルサレム」教会など、 234ページ。 スウェーデンボリ自身の著作の邦訳については; 山本康彦、「スウェーデンボルグ文献目録」、日本スウェーデンボルグ協会(JSA)編、『スウェーデンボルグを読み解く』、春風社、2007、pp.275-304 他の目次は; まえがき(高橋和夫)// 日本篇;「霊性」回復への強い希求 - 鈴木大拙再考(吉永進一)/鈴木大拙のスピーチ(吉永進一)/鈴木大拙の「霊性」の概念について(高橋和夫)/鈴木大拙とスウェーデンボルグ(山本康彦)/新井奥邃について(瀬上正仁)/現代に通ずる〝教育への嘆き〟 - 「よろしく他人の子と平等に公視を」(高橋和夫)/新井奥邃のキーワード(工藤正三講演/瀬上正仁抄録)/森有札とスウェーデンボルグ神学(瀬上正仁)/田中正造の二人の師 - 新井奥邃と岡田虎二郎(瀬上正仁)/仏教雑誌のスウェーデンボルグ(吉永進一)/らいてうの「天才」(吉永進一)/イサム・ノグチ(大賀睦夫)// 欧米篇;『ツァイト』特集記事(高橋和夫)/リンネの『神罰』(高橋和夫)/ブラームスの霊感(瀬上正仁)/スウェーデンボルグの世界観への宗教心理学的探求 - フロイトの精神分析的自我理論の視点から(岡田正彦)/ジェニー・アップルシード - 森の教えとりんごの木(伊藤和子)/フロイトとリンカーンはスウェーデンボルジャン?(JSA編集部)/ジョージ・ブッシュ博士(JSA編集部)/西インド諸島のスウェーデンボルジャニズム(大賀睦夫)/アンドルー・カーネギー - 社会進化論者かスウェーデンボルジャンか?(大賀睦夫)// 現代篇;宇宙時代のスウェーデンボルグの宗教(高橋和夫)/スウェーデンボルグの全体論(大賀睦夫)/スウェーデンボルグ神学と臨床パストラル・カウンセリング(國枝欣一)/公開講座「死後のいのち」を担当して(大賀睦夫)/千年王国とは何か(高橋和夫)/現代日本の児童文学者とスウェーデンボルグ(米田恵子)/朝鮮半島のスウェーデンボルジャンたち - 元山の「イエス教会」小史(延恩株)// あとがき(大賀睦夫)など、 310ページ。 吉永進一「仏教雑誌のスウェーデンボルグ」および「らいてうの『天才』」を再録したのが→こちら:「日本 Ⅱ」の頁の「xi. 近代など」 邦訳のうち手もとにあるのは; イマヌエル・スエデンボルグ、柳瀬芳意訳、『宇宙間の諸地球』、静思社、1958 原著は Emanuel Swedenborg, The Earths in the Universe, 1758 宇宙間の諸地球/水星/木星/火星/土星/金星/月の霊たちと住民/主が我々の地球に生まれることを良しとされて、他の地球に生まれることを良しとされなかった理由/星天の第1の地球/星天の第2の地球/星天の第3の地球/星天の第4の地球/星天の第5の地球など、 140ページ。 イマヌエル・スエデンボルグ、柳瀬芳意訳、『天界と地獄』、静思社、1962 原著は Emanuel Swedenborg, De coelo et inferno (Heaven and Hell), 1758 ヘレン・ケラー女史の賛辞 - その著 わたしの宗教 から -// 天界;天界と地獄に対する著者の序/主は天界の神である/主の神的なものは天界を作っている/天界における主の神的なものは主に対する愛と隣人に対する仁慈である/天界は二つの王国に区別されている/三つの天界が在る/諸天界は無数の社会から成っている/各社会は形の小さな天界であり、各天使は最小の形の天界である/全天界は一つの全体として一人の人間を表象している/諸天界の各社会は一人の人間を表象している/ここから各天使は完全な人間の形をもっている/天界は全体としても部分としても人間を表象しているのは、主の神的な人間的なものによっている/天界の凡ゆる物と人間の凡ゆる物との相似がある/天界と地の凡ゆる物との相似がある/天界の太陽/天界の光と熱/天界の四方位/天界の天使たちの状態の変化/天界の時間/天界の表象と外観/天使たちが着て現れる衣服/天使たちの住居と家庭/天界の空間[領域]/天界の形-天界の交りと伝達[連り]とはその形に従って行われている/天界の政治/天界の神礼拝/天界の天使たちの力/天使たちの言葉/人間に対する天使たちの言葉/天界の文書/天界の天使たちの知恵/天界の天使たちの無垢[無邪気]の状態/天界の平安の状態/天界と人類との連結/聖言による天界と人間との連結/天界と地獄とは人類から発している/天界における異邦人、または教会外の人々/天界の小さな子供たち/天界の賢い者と単純な者/天界の富んだ者と貧しい者/天界の結婚/天界の天使たちの任務/天界の喜びと幸福/天界の無辺// 霊たちの世界と人間の死後の状態;霊たちの世界とは何か/人間は各々その内部では霊である/人間は死から甦って、永遠の生命へと入って行く/人間は死後完全な人間の形をもっている/人間は死後も世にいたときに持っていた知覚、記憶、思考、情愛の一切を持っており、その地的な身体をのぞいては何一つ後に残さない/人間は死後も世におけるその生命のままに生きている/各々の者の生命の楽しさは死後それに相応した楽しさに変化する/死後の人間の最初の状態/死後の人間の第二の状態/死後の人間の第三の状態、すなわち、天界に入る者たちの、教えを受ける状態/何人も直接的な慈悲からは天界へ入らない/天界に入る生活を送ることは一般に信じられているほど困難ではない// 地獄;主は地獄を支配されている/主は何人も地獄へ投げこまれないが、霊が自分自身をそこへ投げこむ/地獄の凡ての者は自己と世への愛から発する悪と悪から発する誤謬にいる/地獄の火とは何か、歯がみとは何か/奈落の霊の悪意と邪悪な術策/地獄の外観、位置、数/天界と地獄との間の均衡/人間は天界と地獄との間の均衡を通して自由をもっている、など、 492ページ。 イマヌエル・スエデンボルグ、柳瀬芳意訳、『神の愛と知恵 - 宇宙創造論 -』、静思社、1961 原著は Emanuel Swedenborg, Sapientia angelica de divino amore et de divina sapientia (The Divine Love and Wisdom), 1763 第1部~第5部など、 288ページ。 エマヌエル・スウェーデンボルグ、高橋和夫訳編、『霊界日記』(角川文庫 ス 10-1)、角川書店、1998 原著は Emanuel Swedenborg, Memorabilia (The Spiritual Diary) で、1747年から1765年にかけて書かれ、没後編集された。邦訳は約6000の記載事項のうち約270節(p.6)。 スウェーデンボルグの心霊体験/さまざまな霊や天使/霊界の心理学/霊界全体の構造、および霊魂と肉体の交流/天界と愛/罪・罰・運命・奇蹟・予言などについて/霊的洞察/霊界で出会った人びと/スウェーデンボルグの 230ページ。 また; スエデンボルグ、鈴木大拙訳、『天界と地獄』(講談社文芸文庫 す E-1)、講談社、2016 天界/精霊界/地獄界// 附録 スエデンボルグ小伝(ゼームス・スヒヤース)// 解説 鈴木大拙のスウェーデンボルグ(安藤礼二)など、 568ページ。 1910年刊本の文庫化 鈴木大拙、『スエデンボルグ』(講談社文芸文庫 す E-2)、講談社、2016 スエデンボルグ(1913);緒言/前半生/後半生/一隻の霊眼/人物・生涯/所見・所言一般// 新エルサレムとその教説(スエデンボルグ著、鈴木貞太郎(大拙)訳)(1914);序/新しき天と新しき地及び新しきエルサレムとは何の義なるかと云うこと/教説序品/善と真/意志と智性/外人と内人/愛の概説/自我の愛と世間の愛/隣人に対する愛即ち仁/信/信心/良心/自由/功力/懺悔及び赦罪/新生/誘惑/洗礼/聖餐/復活/天界と地獄/教会/聖典即ち聖言/神慮/主/教会と社会との統治制度// 参考資料 大拙とスウェーデンボルグ その歴史的背景(吉永進一);はじめに/懐疑と経験/明治20年代のスウェーデンボルグ/大拙とスウェーデンボルグ/大拙のスウェーデンボルグ論/宗教から迷信まで/結語// 解説 「霊性」と「浄土」の起源(安藤礼二)など、 268ページ。 上掲『スウェーデンボルグを読み解く』(2007)の「日本篇」も参照。 同じ著者による→こちらを参照:「仏教 Ⅱ」の頁の「iii. 華厳経、蓮華蔵世界、華厳教学など」の項 また双方の解説を執筆した安藤礼二に関し→そちらも参照:「日本 Ⅱ」の頁の「xi. 近代など」内 後者の「参考資料」を執筆した吉永進一に関し→あちらも参照:同頁の同項内 後掲の 金森誠也編訳、『霊界と哲学の対話 カントとスヴェーデンボリ』、1991 竹村直之、「Views of the human imagination - ブレーク、ポー、スウェーデンボルグ -」、1996 も参照 J.L.ボルヘス、木村榮一訳、『語るボルヘス 書物・不死性・時間ほか』、2017、pp.55-80:「エマヌエル・スヴェーデンボリ」 |
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ii. 個々の著述家など Ⅰ
ヨハン・ヤーコプ・ショイヒツァー(1672-1733); 荒俣宏編著、『神聖自然学 PHYSICA SACRA ファンタスティック12 2』、リブロポート、1990 バロック期図像の万華鏡(荒俣宏)// 旧約聖書;創世記/出エジプト記/レビ記/民数記/申命記/ヨシュア記/士師記/サムエル記/列王紀/歴代志/ヨブ記/詩篇/箴言/伝道の書/雅歌/イザヤ書/エレミヤ書/エゼキエル書/ダニエル書/ヨナ書// 新約聖書;マタイによる福音書/ルカによる福音書/ヨハネによる福音書/使徒行伝/ローマ人への手紙/ヨハネの黙示録など、 194ページ。 ここで紹介されているのはショイヒツァーの『神聖自然学』(1723、全4巻) 同じ著者による→こちらも参照:「魔術、神秘学、隠秘学など」の頁 ……………………… ヨハン・フリードリッヒ・ハウク(1680-1753); 岡部雄三訳、「聖書の神秘的解釈 総序、創世記」、『キリスト教神秘主義著作集 15 キエティスム』、教文館、1990、pp.265-340 一般に『ベルレブルク聖書』と呼ばれ、1726年刊。 「数名の執筆協力者を得てハウクが20年あまりの歳月をかけて完成させた、 で、 「『聖書の神秘的解釈』は、その総序と創世記序の全訳、および創世記冒頭から2章4節までのほぼ8割強の抄訳」 とのこと(p.523)。 ……………………… ヴォルテールことフランソワ=マリー・アルエ(1694-1778); ヴォルテール、植田祐次訳、「ミクロメガス 哲学的物語」、『カンディード 他5篇』(岩波文庫 赤 518-1)、岩波書店、2005、pp.5-45+訳注 原著は Voltaire, Micromégas, 1752 他に; この世は成り行き任せ バブーク自ら記した幻覚(1748)/ザディーグ 東洋の物語(1747/48)/メムノン または人間の知恵(1749)/スカルマンタドの旅物語 彼自身による手稿(1756)/カンディードまたは ……………………… ピエール=ルイ・モロー・ド・モーペルテュイ(1698-1759); イーヴァル・エクランド、『数学は最善世界の夢を見るか? 最小作用の原理から最適化理論へ』、2009、「第3章 最小作用の原理」 目次が示すように、本書の扱う範囲は広きに及びますが、「筆者はモーペルテュイにあまり好意的ではないが」(「訳者あとがき、p.300」)と述べられつつ、ある意味でモーペルテュイが狂言回しの役割をつとめていると見なせなくもありません。 ジョン・D・バロウ、林一・林大訳、『宇宙論大全』、2013、註 pp.38-39 の *16 も参照 ……………………… ジョルジュ=ルイ・ルクレール・ビュフォン(1707-1788); ビュフォン、菅谷暁訳、『自然の諸時期』(叢書・ウニベルシタス 456)、法政大学出版局、1994 原著は Buffon, Des époques de la nature, dans Histoire naturelle, générale et particulère, supplément t.5, 1778 緒論/第1期 このとき地球と惑星が形をなした/第2期 このとき固まった物質が、地球内部の岩石と、地表の巨大なガラス質の塊を形成した/第3期 このとき水がわれわれの大陸を覆った/第4期 このとき水が引き、火山が活動し始めた/第5期 このときゾウなどの南の動物が北の大地に住みついた/第6期 このとき大陸が分離した/第7、そして最終期 このとき人間の力が自然の力を補佐した//『自然の諸時期』で報告された事柄の証拠となる注// 付1 『一般と個別の自然誌』の構成/付2 度量衡換算表など、 442ページ。 ジャック・ロジェ、ベカエール直美訳、『大博物学者ビュフォン 18世紀フランスの変貌する自然観と科学・文化誌』、工作舎、1992 原著は Jacques Roger, Buffon, un philosophe au jardin du Roi, 1989 野心に満ちた知的ブルジョワ;ルクレール家の社会的地位の上昇と個人的野心/アカデミー会員になった豪農/アカデミーから王立植物園へ/王立植物園園長// 新たな博物誌;『博物誌』の準備/新しい方法論/地球の記述と地球の理論/惑星の形成について/発生から生殖へ/生殖から生命の問題へ/「人間の博物誌」/人類学の誕生/顰蹙をかった高名な著者// 長い忍耐を要した『博物誌』;まじめな学究生活/自然と人間/動物から人間へ/同定、命名、記載/生物の同一性と多様性/種、属、科……新たな分類を目指して// 歴史を視野に入れて;不屈のエネルギー/「熱情的な素質をもった幅広い視野」/歴史と自然// エピローグ 長い一生の終わりに、など、 574ページ。 西川祐子、「地球と人類の発見 - ビュフォンの『自然誌』 -」、『空間の世紀』、1988、pp.223-252 地球規模の自然誌/差異と中心 - 人種分布図と形容詞序列/中心の動揺 - 平均余命表から人口動態調査へ/「自然の諸時代」の楽観論 - ルソーとビュフォン ……………………… デイヴィッド・ヒューム(1711-1776); 宇宙論の歴史においてヒュームが占める位置を教えてくれたのは、 伊藤邦武、『偶然の宇宙』、2002 の第Ⅰ部「驚くべき自然の秩序と奇跡」でした。 そこで取りあげられているのが、 デイヴィッド・ヒューム、福鎌忠恕・斎藤繁雄訳、『自然宗教に関する対話 ヒューム宗教論集 Ⅱ』(叢書・ウニベルシタス 70)、法政大学出版局、1975/1989 序説 パンフィロスからヘルミッポスへ/第1部~第12部など、 196ページ。 原著 David Hume, Dialogue concerning Natural Religion は没後1779年の出版 ジョン・D・バロウ、『無限の話』、2006、pp.257-258 も参照 木島泰三、「第5章 ヒューム『対話』のエピクロス的宇宙論 古代原子論とダーウィン主義の間」、田上孝一・本郷朝香編、『原子論の可能性 近現代哲学における古代的思惟の反響』、2018、pp.153-179 はじめに/近代における目的論的自然観とイギリスの自然神学/ダーウィンとヒューム/古典的エピクロス主義とダーウィン主義の差異と連続性/『対話』の中でのエピクロス的宇宙論の位置づけ/ フィロのエピクロス的宇宙論の考察;フィロのエピクロス的宇宙論の概観/フィロの宇宙論の近代性/フィロの宇宙論とダーウィン的進化論の比較/クレアンテスの批判/ ヒュームの葛藤と『対話』の多声性/おわりに ……………………… トーマス・ライト(1711-1786); Steven J. Dick, Pluraliy of Worlds. The Extraterrestial Life Debate from Democritus to Kant, 1982, pp.159-165, 171-172 ジョン・D・バロウ、林一・林大訳、『宇宙論大全』、2013、pp.53-56 および註 p.9 の *6 も参照 ……………………… ドゥニ・ディドロ(1713-1784); ディドロ、新村猛訳、『ダランベールの夢 他四篇』(岩波文庫 青 624-2)、岩波書店、1958 ダランベールとディドロとの対談(1769)/ダランベールの夢(1769)/対話の続き(1769)/或哲学者と×××元帥夫人との対談(1774)/肖像奇談(1768)など、 220ページ。 ディドロ、今野喜和人訳、「『百科全書』項目 - 神智学者」、『18世紀叢書 Ⅹ 秘教の言葉 - もうひとつの底流』、国書刊行会、2008、pp.437-467 原著は “Théosophes”, Encyclopédie ou dictionnaire raisonné des sciences, des arts et des métiers, …, 1765 本書には他に; マルチネス・ド・パスカリ「諸存在の再統合論」/ルイ=クロード・サン=マルタン「誤謬と真理」など、 488ページ。 市田良彦、「ディドロあるいは原子の飛躍」、『空間の世紀』、1988、pp.194-222 エピステーメーの〈内部の外部〉/「折衷主義」のはらむ問題/自然-人間観/「飛躍」 田口卓臣、『怪物的思考 近代思想の転覆者ディドロ』(講談社選書メチエ 619)、講談社、2016 はじめに-ディドロから思想史の森へ:『自然の解明に関する断想』を読む// 幾何学と実験科学の間で;序 思想史的通説への疑問/「私の精神の動きと歩み」/幾何学と実験科学の調停に向けて/四つの逸脱// 寓話、再録、補遺;序 文学的表現の分析に向けて/思考の複数性 - アリスティッポス証言の書き換えと転用/発見の予測不能性 - イソップ寓話の再録とその補遺/職人の「手作業」 - ルソー『学問技芸論』との対比/「ひと」のユートピア - 『百科全書』項目「鋼」との比較// 偏差、怪物、夢想;序 二分法の廃棄/「推測の連鎖」/触覚、嗅覚、直観的思考の群れ/「体系」の「夢想」性 - 「存在の連鎖」理論の剰余/「怪物」の発生学 - 前成説と後成説の間で// 流体、異種混交、理論的離脱;序 「あまりにも不安定なひとつの全体」 - 電気・磁気の発生学/流体的思考と「体系A+X」/思考方式の異種混交 - オーロラと方位磁針の連関をめぐって/「地球の理論」からの離脱 - ビュフォン、モーペルテュイ、ル・モニエに抗して// 寄生、内破、創出;序 「他者の言葉」の亀裂に向けて/「体系的配列」の変容可能性 - ニュートンの「形而上学」への介入/「方法主義」のカリカチュア - ビュフォンに基づくリンネの分類学への介入/先行仮説の徹底化 - モーペルテュイの有機体形成論への内在的批判// 「私」の位置どり、「後世」への開け;序 自然(学)から人間(学)へ/「なんのために」から逸脱する「いかにして」 - ベーコンの「目的原因」批判を踏まえて/不可識別者同一の原理 - クラーク-ライプニッツ論争からルクレティウスへ/「私」を「後世」に向けて開くこと - 「1000年後」の視点// 終章 近代思想の転覆者ディドロ - アドルノ&ホルクハイマー、フーコーとともに考える、など、 248ページ。 『自然の解明に関する断想』(1753)が取りあげられます。 |
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iii. イマヌエル・カント(1724-1804)など まずは; カント、高峯一愚訳、「天界の一般自然史と理論」(1755年)、『カント全集 第10巻 自然の形而上学』、理想社、1966、pp.7-189+訳注 原著は Immanuel Kant, Allgemeine Naturgeschichte und Theorie des Himmels, oder Versuch von der Verfassung und dem mechanischen Ursprunge des ganzen Weltgebäudes nach Newtonischen Grundsätzen abgehandelt, 1755 恒星間の体系的体制の概要、同じくそのような恒星系が多数あることについて;以下の叙述の理解に必要なニュートンの宇宙科学の最も不可欠な根本概念の摘要/恒星間の体系的体制について// 自然界の最初の状態、諸天体の形成、それらの運動の諸原因および特に惑星系における、また全創造に関する諸天体の体系的関繋の諸原因について;惑星宇宙一般の起源とその運動の諸原因とについて/惑星の種々なる密度と惑星の諸質量の関係とについて/惑星軌道の離心率と彗星の起源とについて/月の起源と惑星の自転運動とについて/土星の環の起源とこの惑星の昼夜回転をこの星の諸事情から計算することについて/黄道光について/空間ならびに時間の面からの無限性の全範囲における創造について 付録 総じて太陽の一般理論と歴史/総じて宇宙の組織を力学的に理論化することが正当であることの一般的証明、特に今の理論の確実なゆえんについて// 自然の諸類比に基づいて種々なる惑星の居住者を比較する試論 付録 天体の居住者について// 結語 他に 「自然科学の形而上学的原理」(1786)を所収、 480ページ。
この他、 亀井裕訳、『カント全集 第1巻 自然哲学論集』、理想社、1966 活力測定考(1747)/地震論(1756)/物理的単子論(1756)/自然地理学講義草案(1757)/月の火山(1785)/天候におよぼす月の影響(1794)など、 378ページ。 宮島光志訳、『カント全集 第16巻 自然地理学』、岩波書店、2001 原著は Immanuel Kants physische Geographie, 1802 第1巻 編者の序/自然地誌 序論/数学的予備概念// 自然地理学叙説 第1部;水について/陸について/大気圏/地球がかつて被り、いまでも被っている大変動の話/付録 航海について// 第2巻 第2部 地球上に分布するものに関する個別的な観察;人間について/動物界/植物界/鉱物界 金属、塩類について、石類について、土について、化石について、鉱物の起源について// 第3部 世界各地の自然的特徴に関する地理学的概括など、 576ページ。 金森誠也編訳、『霊界と哲学の対話 カントとスヴェーデンボリ』、論創社、1991 スヴェーデンボリとカント 『神秘な天体』(抜萃) - スヴェーデンボリ/シャルロッテ・フォン・クノーブロッホ嬢への手紙(1758)-イマヌエル・カント// 『形而上学の夢によって解釈された視霊者の夢』(1766)-イマヌエル・カント 詳述する前に、きわめてわずかなことしか約束しない前書き// 独断編;好き勝手に解きほぐしたりあるいは断ち切ることができる混乱した形而上学的な糸の結び目/霊界との連帯を開くための隠秘哲学の断片/反カバラ。霊界との共同体をとりこわそうとする通俗哲学の断片// 歴史編;それが本当かどうかは読者の皆さんの随意の探求にお委せする一つの物語/夢想家の有頂天になった霊界旅行/本論文全体の実践的結末// 同時代人の批評;『形而上学の講義』(抜萃・1) - イマヌエル・カント/『形而上学の講義』(抜萃・2) - イマヌエル・カント/モーゼス・メンデルスゾーンあての手紙(1764/11/6) - ヨーハン・ゲオルク・ハーマン/モーゼス・メンデルスゾーンあての手紙・1(1766/2/7) - イマヌエル・カント/モーゼス・メンデルスゾーンあての手紙・2(1766/4/8) - イマヌエル・カント/『視霊者の夢』の批評(1767) - モーゼス・メンデルスゾーン/『視霊者の夢』の批評(1766/3/3) - ヨーハン・ゴットフリート・ヘルダー/ホランドあての手紙(1766/4/7) - ヨーハン・ハインリッヒ・ランベルト/『夢の批評』(1766/9/23) - コーハン・ゲオルク・ハインリッヒ・フェダー/スヴェーデンボリあての手紙(1766/12/4) - フリードリッヒ・クリストフ・オエティンガー/「キリストの大司教職についての会話」から(1772) - フリードリッヒ・クリストフ・オエティンガー/『宗教と全神学への完全な入門』(抜萃)(1767) - ハインリッヒ・ヴィルヘルム・クレム/イマヌエル・カントへの手紙(1771/3/18) - ヒエロニムス・ゴットフリート・ヴィルケス/「スヴェーデンボリが夢想家の一人だということはすでにはっきりきまったことなのかどうなのかをしらべる試み」(1786) - 匿名氏/『イマヌエル・カントの生涯と性格の叙述』(抜萃)(1912) - ルートヴィッヒ・エルンスト・ボロフスキーなど、 206ページ。 宇宙論史の上で、きちんと読まないまでも、おおざっぱなところだけでも押さえておくにこしたことはなさそうなのが; カント、篠田英雄訳、『純粋理性批判』(全3巻)(岩波文庫 6397-6400/6401-6404/6405-6408)、岩波書店、1961/1961/1967 原著 Immanuel Kant, Kritik der reinen Vernunft は1781初版
〈アンチノミー〉に関しては、仏教における〈十四難無記〉(→こちらを参照:「仏教」の頁の「i. 須弥山/三千大山世界/四大劫・六十四転大劫など」)やフッサールにおける〈 ……………………… 浜田義文、『若きカントの思想形成』、勁草書房、1967 生い立ちとその時代;人間カント/家系/家庭の雰囲気/母親とピエティスムス/ケーニヒスベルク/フリードリヒ学院/大学生生活/「フリードリヒの世紀」/時代の思想状況// 自然研究(Ⅰ);独立宣言/綜合の企図/家庭教師時代/自然研究の意義/宇宙論の思考法/「危険な旅行」// 自然研究(Ⅱ);統一的宇宙像/宇宙進化論/宇宙における人類の位置/機械論と目的論/自然讃美// 神の存在証明;大学私講師への就任/決定理由の原理/自由意志/神観の位置づけ/唯一可能の証明法/自然神学的証明の改良// 転回;危機/社交生活/人間の自覚/学校形而上学の批判/「道徳的感情」// 美と崇高;「観察者の目」/徳の諸相/メランコーリカー/女性論/精神病論// 人間の使命;ルソーとの対話/転回の意義/講義プラン/『視霊者の夢』/英知界の構想/知恵の立場など、 448ページ。 松山壽一、『ニュートンからカントへ 力と物質の概念史』、晃洋書房、2004 『ニュートンからカントへ 力と物質の自然哲学』(1997)の増補改訂版 序論 カント研究に対するニュートン研究の意義 - 概念史的またはポリフォニックなテクスト読解 -// 力と運動 - ニュートン受容とカント『活力測定考』の力学観 -;イギリスにおけるニュートン学派の形成/デカルト主義とオランダにおけるニュートン受容/ドイツにおけるニュートン受容とヴォルフ主義/ヴォルフ力学とカント力学/カント力学とニュートン力学// 力と渦 - ニュートンの引力-斥力説とカントの宇宙発生論 -;原子論と自然神学/引力-斥力説の受容/引力-斥力説と渦動説/宇宙体系の規則性と跳躍力の起源/星雲説と最善観/博物学から自然史へ// 引力-斥力とモナド - ニュートン派の引力-斥力説とカントの自然モナド論 -;ニュートンの原子論と物質論/キールの物質論と引力-斥力説/ヘールズの自然神学と引力-斥力説/デザグリエの原子論と引力-斥力説/ボスコヴィッチの点原子論/ライプニッツのモナド論とヴォルフの要素概念/カントの自然モナド論// 付録 原典翻訳 レオンハルト・オイラー『物体の諸要素に関する考察』(1746年)など、 232ページ。 明珍昭次、「『天界の一般自然史と理論』 - カント哲学の原点 - カント研究(覚書1-a)」、『福島大学教育学部論集』、vol.21 no.1、1969.11、pp1-20 [ < 福島大学学術機関リポジトリ FUKURO ] 小松光彦、「カント宇宙論の根底と超越論的理性の冒険 - 批判哲学形成史への非学問的序説の試み -」、『哲學』、no.67、1978.3、pp.49-64 [ < KOARA 慶應義塾大学学術情報リポジトリ ] エンゲルハルト・ヴァイグル、三島憲一・宮田敦子訳、「カント - ケーニヒスベルクの空 - 啓蒙の都市周遊(8) -」、『思想』、no.853、1995.7、pp.135-151 序/遅れた啓蒙主義/1744年の彗星/大宇宙の構造状態について 坂本貴志、「天上界への魂の帰昇と宇宙論 - ロンギノスとカントの崇高について -」、『山口大学文学会志』、no.61、2011.2.28、pp.107-122 [ < YUNOCA(山口大学学術機関リポジトリ) ] 本論を組みこんだ単著→こちらを参照:本頁下掲の「vi. ヴィアット『』ロマン主義の隠秘学的源泉(1770-1820)』など」 また; 坂本貴志、『〈世界知〉の劇場 キルヒャーからゲーテまで』、2021、pp.185-222:「第7章 普遍自然史 イマヌエル・カント」 任正爀、「第6章 カント『天界の一般自然史と理論』の検討とその科学史的評価」、『朝鮮科学史における近世 洪大容・カント・志筑忠雄の自然哲学的宇宙論』、2011、pp.158-187 時代背景とその自然観// 『天界論』の基本内容;銀河系の構造/太陽系の起源/土星の環の形成と自転速度の計算/宇宙の全体的構造と生成消滅/宇宙体制の秩序と神の存在/宇宙人の存在と特徴// カントの宇宙論の特徴と基本性格// カントと洪大容の宇宙論の比較検討;根本素材による宇宙生成論/階層的構造を持つ無限宇宙/宇宙人の性格 Gordon G. Brittan, “Kant, Immanuel (1724-1804)”, “Kant's Cosmology”, Encyclopedia of Cosmology. Historical, Philosophical, and Scientific Foundations of Modern Cosmology, 1993, pp.334-335, 335-343 ……………………… 渡辺二郎、「カントの空間論 『超越論的感性論』の存在意義」、『エピステーメー』、vol.3 no.6、1977.7;「特集 空間」、pp.106-124 坂部恵、『カント』(講談社学術文庫 1515)、講談社、2001 1980刊本の文庫化 カント思想の優位;近代日本の子の屈折を通して見たカント/学問と人間の間/人間主体の自覚と相対化の間// カントの生涯と思想形成;少年カントとその時代/大学時代・家庭教師時代/『天界の一般自然史と理論』とその周辺/人間の発見-ヒューム、ルソーとの出会い/理性批判の哲学への道/批判哲学期から晩年まで// カントの著作;著作概観/『自然地理学』/『人間学』/『純粋理性批判』『プロレゴーメナ』/『自然科学の形而上学的原理』/『人倫の形而上学の基礎』『実践理性批判』/『人倫の形而上学』/『判断力批判』/『もっぱら理性の境界内での宗教』/『オプス・ポストムム』// カントの思想と現代;主体主義のゆく末/言語のあり方をめぐる諸問題など、 486ページ。 エーリッヒ・アディッケス、赤松常弘訳、『カントと物自体』(叢書・ウニベルシタス)、法政大学出版局、1974 原著は Erich Adickes, Kant und das Ding an sich, 1924 序論//多数の物自体の現存在は自明であること//相互関係にある物自体と現象//触発する原因としての物自体//物自体とカテゴリー// 物自体にたいするいわゆる懐疑なるもの;超越的なものに関する、カテゴリーの絶対的および相対的没意義性(適用不可能性)/『純粋理性批判』のなかのフェノメノンとヌーメノンに関する章/『純粋理性批判』のなかの反省概念の多義性に関する章// 結論など、 300ページ。 中島義道、『カントの時間論』(岩波現代文庫 学術 40)、岩波書店、2001 『カントの時間構成の理論』(1987)の改題・加筆版 時間論の書としての『純粋理性批判』 - 文庫版への「まえがき」に代えて -// 序章 問題の提起// 時間を構成する作用としての〈われ思う〉;超越論的統覚/私の現存在/私の身体// 時間の経験的実在性(Ⅰ) - 時間構成と物体構成 -;「内的感官の形式」としての時間/「純粋直観」としての時間/「運動の尺度」としての時間/超越論的時間規定/〈経験的〉主観的時間の問題// 時間の経験的実在性(Ⅱ) - 時間構成と自我構成 -;観念論論駁/自己規定/自己触発/二重触発について/過去・未来・現在の構成// 時間の超越論的観念性;理念としての時間(Ⅰ) - 第1アンチノミー/理念としての時間(Ⅱ) - 第3アンチノミーなど、 304ページ。 黒崎政男・坂部恵・浅田彰・柄谷行人、「共同討議 カントのアクチュアリティ」、『批評空間』、no.Ⅱ-19、1998.10.1、pp.6-31 田山令史、「射影幾何学とカント空間」、『仏教学部論集』、no.95、2011.3、pp.1-16 [ < 佛教大学論文目録リポジトリ(BAKER) ] 武蔵義弘、「カントと連続創造説」、『千葉大学人文社会科学研究』、no.23、2011.9、pp.169-180 [ < 千葉大学学術成果リポジトリ ] 小谷英生、「第6章 コペルニクス的転回と原子論 カントのライプニッツ受容と批判」、田上孝一・本郷朝香編、『原子論の可能性 近現代哲学における古代的思惟の反響』、2018、pp.181-200 はじめに/ 前批判期の議論 - モナド論の修正と擁護;『活力測定考』におけるモナド論/『物理的モナド論』における展開/前批判期の原子論理解/ 批判期におけるモナド論批判;モナド論批判の前提としてのコペルニクス的転回/「反省概念の多義性」におけるライプニッツ批判/「第二アンチノミー」におけるモナド論批判/ おわりに 瀬戸一夫、「『コペルニクス的転回』の哲学的洞察」、『ユリイカ』、no.798、vol.55-1、2023.1:「特集 コペルニクス 『天球の回転について』から『チ。 - 地球の運動について -』へ」、pp.254-260 叙述の微妙さに隠されている疑問点/対象を規定する能動的な認識/認識の対象と客観性の真相/結びに代えて |
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iv. 個々の著述家など Ⅱ
ジェイムズ・ハットン(1726-1797); ジェームズ・ハットン、高田紀代志・下坂英訳、「《地球の体系》概要」、『エピステーメー』、vol.4 no.4、1978.5;「特集 地球 - 時空の読解」、pp.116-121 原著は James Hutton, “Abstract”, 1785 スティーヴン・J・グールド、『時間の矢 時間の環 地質学的時間をめぐる神話と隠喩』、1990、「第3章 ジェイムズ・ハットンの地球論 - 歴史を持たない機関」 ジャック・レプチェック、平野和子訳、『ジェイムズ・ハットン 地球の年齢を発見した科学者』、春秋社、2004 原著は Jack Repcheck, The Man Who Found Time. James Hutton and the Discovery of the Earth's Antiquity, 2003 日本語版序文 「斉一説」が新しい地球間と出会うとき(川上紳一)// プロローグ/時の深奥を覗き見る/最初のアダムとイヴが、そしてカインとアベルが……/ 解題補遺 ハットンの業績とキーワードの解説(J.レプチェック)など、 284ページ。 ……………………… マルチネス・ド・パスカリ(1727-1774); マルチネス・ド・パスカリ、今野喜和人・長谷川光明訳、「諸存在の再統合論」、 『18世紀叢書 Ⅹ 秘教の言葉-もうひとつの底流』、2008、pp.7-210 原著 Martinès de Pasqually, Traité de la réintegration des êtres dans leurs premières propriétés. Vertus & puissances spirituelles & divines は 「いくつか作られた筆写原稿の形で、団員(ある程度以上の位階を得た物のみ)の間で回し読みがなされたと思われる」(p.473) というもので、刊行されたのは1899年になってから(p.475)。 ……………………… クール・ド・ジェブラン(1728-1784); 間瀬玲子、「クール・ド・ジェブランの『原始世界』とネルヴァルの作品の関連性」、『筑紫女学園大学・筑紫女学園大学短期大学部紀要』、no.1、2006、pp.129-137[ < CiNii Articles ] →ネルヴァルに関連してこちらにも挙げておきます:「ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)」の頁の「vii. ネルヴァルなど」 ……………………… フランツ・アントン・メスマー(1734-1815); ロバート・ダーントン、稲生永訳、『パリのメスマー 大革命と動物磁気催眠術』、平凡社、1987 原著は Robert Danton, Mesmerism and the End of the Enlightenment in France, 1968 大革命前夜の熱狂 メスメリスムと民衆科学/メスマー、パリに到着す メスマー派の活動/アカデミズムへの挑戦 メスメリスムにおける急進的傾向/〈原初の調和〉をもとめて 急進的政治理論としてのメスメリスム/メスマーからユゴーへ 19世紀のメスメリスム/終章// 附録;動物磁気についての命題/パリの素人学者の環境/普遍的調和協会/ 268ページ。 フランツ・アントン・メスマー、本間邦雄訳、「動物磁気発見のいきさつ」(1779)/「パリ科学アカデミーとの関係」(1781)、『キリスト教神秘主義著作集 16 近代の自然神秘思想』、1993、pp.281-328+註 富山太佳夫、「動物磁気説と催眠現象」、『地球ロマン』、復刊4号、1977.3:「総特集 秘教外伝」、pp.88-95 マリア・M・タタール、『魔の眼に魅されて メスメリズムと文学の研究』、1994 も参照 ……………………… フレデリック・ウィリアム・ハーシェル(1738-1822); Michael J. Crowe, “15. William Herschel”, Cosmology. Historical, Literary, Philosophical, Religious, and Scientific Perspectives,1993 / 2008, pp.281-287 渡邊香里、「惑わぬ星の『コペルニクス』たち 恒星天文学の起こり」、『ユリイカ』、no.798、vol.55-1、2023.1:「特集 コペルニクス 『天球の回転について』から『チ。 - 地球の運動について -』へ」、pp.240-248 恒星の変化や運動について/ウィリアム・ハーシェル - 「天の自然史」/ジョン・ハーシェル - 星を「物理的に」見る 息子のジョン・ハーシェルについては→こちらを参照:「ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)」の頁の「ジョン・ハーシェル」の項 ……………………… ドナチアン・アルフォンス・フランソワ・ド・サド侯爵(1740-1814); マルキ・ド・サド、澁澤龍彦訳、「ロドリグあるいは呪縛の塔」、 『怪奇小説傑作集 4』(創元推理文庫 501D)、東京創元社、1969、pp.9-35、 またマルキ・ド・サド、澁澤龍彦訳、『恋のかけひき』(角川文庫 赤 239-3)、角川書店、1973、pp.56-86 原著は D. A. F. de Sade, “Rodrigue ou la tour enchantée”, Les crimes de l'amour, nouvelles héroïques et tragiques, vol.3, 1800 バイロンの『カイン』やフローベール『聖アントワヌの誘惑』と比較してみてください。 →こちらにも挙げておきます:「天使、悪魔など」の頁の「おまけ」 『澁澤龍彦集成 Ⅱ サド文学研究篇』、桃源社、1970 サド侯爵の生涯(1964)/サド裁判をめぐって(1960-69)/作品解説(1962-66)/サド復活(1959-67)など、384ページ。 「ロドリグあるいは呪縛の塔」を含む『恋の罪』の書誌は p.225、解説「『恋の罪』について」は pp.275-278 澁 澤龍彦については→こちらを参照:「通史、事典など」の頁の「おまけ」 ロラン・バルト、篠田浩一郎訳、『サド、フーリエ、ロヨラ』、みすず書房、1975 原著は Roland Barthes, Sade, Fourier, Loyola, 1971 サドⅠ/ロヨラ/フーリエ/サドⅡ/生涯など、 318ページ。 →『悪徳の栄え』(1963) < 「古城と怪奇映画など」 も参照 また、 『ルナシー』(2005、監督:ヤン・シュヴァンクマイエル) では、サドを元にした「侯爵」という人物が登場します。 ……………………… ルイ=クロード・サン=マルタン(1743-1803); 中井章子、「ベーメとサン-マルタンにおける神秘思想」、『理想』、no.565、1980.6:「特集 神秘主義」、pp.72-84 村井文夫・今野喜和人訳、『キリスト教神秘主義著作集 17 サン=マルタン』、教文館、1992 タブロー・ナチュレル - 神と人間と宇宙の関係について - (1782)(抄)/ 渇望する人(1790)(抄)/ 自然の解読 - ものの精神について - (1800)(抄)など、 526ページ。 今野喜和人、『啓蒙の世紀の神秘思想 サン=マルタンとその時代』、東京大学出版会、2006 序;イリュミニスムとエゾテリスムについて/人と作品// 啓蒙と反啓蒙のはざまで 哲学者の敵、神学者の敵 - サン=マルタンとルソー;神の敵の敵/ルソーへのまなざし// 言語論における〈啓蒙〉と反〈啓蒙〉 - 恣意性をめぐって;ピュセイ説対テセイ説/「起源」のアポリア/原初言語の「機械的」形成/サン=マルタンの場合/むすびにかえて - クール・ド・ジェブランと18世紀// イリュミニスムとイデオローグ - サン=マルタン-ガラ論争;論争の経緯と争点/親ルソー対反ルソー?// 神秘思想家のフランス革命 革命とイリュミニスム;フリーメーソン/カトリーヌ・テオ事件/神の加護// 『革命についての手紙』;市民サン=マルタン/「人類の革命」/宗教戦争// 普遍学に向けて - 小説『クロコディル』を読む;啓蒙主義/既成教会/オカルティズム/大団円、もしくは普遍学の誕生// ニコラ・ド・ボヌヴィル - 「マルチニストの革命家」;生涯/マルチニスムとの関わり/陰謀テーゼ// ジャック・カゾット - 「反革命マルチニスト」;カゾットの革命観/マルチニスムとの関わり// 革命後のサン=マルタン// ロマン主義と神秘思想 サン=マルタンとシャトーブリアン;『キリスト教精髄』と『霊的人間の使命』/自然と心情/「誠実な文人」と「幻視の人」// バルザックとサン=マルタン;トゥーレーヌの人/マルチニスムとカトリシズム/バルザック的世界へ// サン=マルタンにおける人間と自然;自然の沈黙、自然の 終章 マルチニスムの光芒;フランス/ドイツおよびスラヴ圏/その後の展開など、 376ページ。 ルイ=クロード・サン=マルタン、今野喜和人・長谷川光明訳、「誤謬と真理」、『18世紀叢書 Ⅹ 秘教の言葉-もうひとつの底流』、2008、pp.211-435 原著は Louis-Claude de Saint-Martin, Des erreurs et de la vérité, ou les hommes rappellés au principe universel de la science, 1775 で、 「序文+全7章から第2章と第6章を除いて訳出したものである」(p.213)。 サン=マルタンの処女作にあたる(p.477)。 今野喜和人、「サン=マルタン - フランス革命期の『スピリチュアリスト』 -」、鶴岡賀雄・深澤英隆編、『スピリチュアリティの宗教史[上巻] 宗教史学論叢 15』、リトン、2010、pp.11-29 思想革命としてのフランス革命/「スピリチュアリスト」として ……………………… ピエール=シモン・ラプラス(1749-1827); Gordon G. Brittan, “Laplace, Pierre-Simon, Marquis de (1749-1827)”, “Nebular Hypothesis”, Encyclopedia of Cosmology. Historical, Philosophical, and Scientific Foundations of Modern Cosmology, 1993, p.355, p.436 ……………………… ヨハン・ヴォルフガング・ゲーテ(1749-1832); ゲーテ、高橋義人編訳、前田富士男訳、『自然と象徴 - 自然科学論集 -』(冨山房百科文庫 33)、冨山房、1982 解題(高橋義人)// 自然観;神と世界/『形態学論考』誌 序 - 有機的自然の形成と変形 -/『色彩論』序// 方法論;自然の調和/自然の渾沌/単子とエンテレケイア/根本現象と生成/象徴と寓意/主客の融合/理念と経験/認識の枠組/認識の手段/認識の諸段階/分極性と高昇/分析と総合/自然と芸術// 形態学;自然の同一性と原型/メタモルフォーゼ/自然の非同一性/諸論各説/二つの系のあいだで// 色彩論;観点と方法/色彩の成立と各種の色彩/色彩現象の法則/絵画と色彩/反ニュートン/虹など、 408ページ。 ゲーテ、木村直司編訳、『地質学論集・鉱物篇』(ちくま学芸文庫 ケ 6-4)、筑摩書房、2010 形態学的序論 - 無機物の形成と変形//鉱物学;ハルツ山地/テューリンゲンの森/ボヘミアの森// 地質学;地球の生成理論/山々の観想学的考察/岩石の水成論と火成論/地層構造学的試論// 解説 ゲーテの地球との対話など、 504ページ。 ゲーテ、木村直司編訳、『地質学論集・気象篇』(ちくま学芸文庫 ケ 6-5)、筑摩書房、2010 気象学;予備的考察/リューク・ハワードの自伝的素描/ハワードによる雲の形態/ハワードの術語/ハワードの雲形論への三部曲/ワイマール公国気象観測者への指示/カールスバ^トでの観察/気象学的日記/気象学的後記/気象観測に関するツェルター宛書簡/気象学試論/気象学断章// 天文学;イェーナの博物館と天文台/『年代記』の記述から/地球の起源(『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』第2巻第9章)/天文学者マカーリエの形姿(『ヴィルヘルム・マイスターの遍歴時代』)// 科学方法論補遺;中間報告/シラーとの最初の出会い/エルンスト・シュティーデンブロートの精神現象解明のための心理学/数学とその濫用について-ならびに個々の科学部門の周期的優勢について/科学的発見の起源がおよぼす影響についての一般的考察/発明と発見/著述界の大気現象-優先権・先取権・予備的占有権・剽窃・所有権・横領/和解の提案// 解説 ゲーテの気象学研究-雲の象徴性など、 416ページ。 気象学篇の2番目から5番目までの掲載論文のタイトルにある「(リューク・)ハワード」について、→こちらを参照:「通史、事典など」の頁の「天空について」の項 ゲーテ、高橋健二訳、『ファウスト』(角川文庫 赤 57-10)、角川書店、1967 原著は Johann Wolfgang von Goethe, Faust で、第1部は1808年刊、第2部は歿後の1833年刊 722ページ。 →こちら(「天使、悪魔など」の頁の「おまけ」)や、そちら(「怪奇城の外濠 Ⅱ」の頁の「vii. 建築画、街景図、紙上建築など」)でも挙げました 『色彩論』については→あちらを参照:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「iii. 色彩など」 G.F.ハルトラウプ、「錬金術師としてのゲーテ」、『パイデイア』、no.10、1971.6.15:「特集 シンボル・錬金術」、pp.69-93 原著は Gustav F. Hartlaub, "Goethe als Alchemist", Euphorion, no.48, 1954 ルドルフ・シュタイナー、高橋巖訳、「岩塊の中の理念 《ゲーテの世界観》」、『エピステーメー』、vol.4 no.4、1978.5;「特集 地球 - 時空の読解」、pp.124-129 原著は Rudolph Steiner, “Gedanken über Entwicklungsgeschichte der Erde”, Goethes Weltanschauung, 1897 シュタイナーについては→ここを参照:「近代など(20世紀~) Ⅲ」の頁の「xi. シュタイナーの人智学など」 坂本貴志、『〈世界知〉の劇場 キルヒャーからゲーテまで』、2021、pp.263-285:「第9章 メタモルフォーゼ ヨーハン・ヴォルフガング・ゲーテ」 pp.270-272 で『詩と真実』第2部第8章から引用された断章、「『ルチファー神話』とも呼ばれるゲーテの世界創造譚」(p.272)の別訳が; ゲーテ、山崎 山崎章甫訳・岩波文庫版『詩と真実』は全4巻からなります。その第1部(1997)巻末に寄せられた「解説」中で、上の箇所の訳をはじめとして参照したと挙げられているのが(pp.385-386); 木村 pp.40-65:「第2章 若きゲーテの世界像」 研究状況/宇宙発生論的神話/反時代的考察方法 pp.293-343:「第9章 ゲーテにおける自然の形而上学」 ゲーテの宇宙発生論の自然科学的意義;自然の神秘的起源/自然の根本性質/自然と精神の相関関係// ゲーテの自然哲学的科学方法論;自然に即した方法論/分析と総合の交叉作用/カント哲学の影響 全体の目次は; まえがき/ゲーテ像の変遷 - ゲーテ研究史の一断面 -/若きゲーテの世界像/ゲーテ青年期の宗教思想/『ヴェルテル』とその時代/ゲーテの愛と自然の神秘主義/人間のメタモルフォーゼ/ゲーテの古典主義的異教性/ゲーテのロマン主義批判/ゲーテにおける自然の形而上学/ファウストとゲーテの精神的世界など、 398ページ。 上に挙げた第2章、第9章1だけでなく、「第10章 ファウストとゲーテの精神的世界」の「1 ファウストと自然」の「(1) 自然哲学的前提」(pp.345-348)でも取り扱われているのに加えて、「索引 事項」中の「宇宙発生論」の項を見ると、件の神話が本書全体の通奏低音をなしているものと見なせそうです。 また冒頭には口絵として、ゲーテのコスモゴニーと「著しく一致している」(p.304/第9章1-1)ものとして、 ゲオルク・フォン・ウェリング(ヴェリング) Georg von Welling (1655-1727)の『魔術=カバラー的および神智学的著作 Opus mago-cabbalisticum et theosophicum 』(1735) 所収の図表3および4が掲載されています(p.54/第2章2 も参照)。 この本のことは、『詩と真実』では、同じ第2部第8章の少し前の箇所に出てきていました; p.214、p.216。 ちなみに「第8章 ゲーテのロマン主義批判」の「3 芸術家による実践」(pp.289-293)および「4 ロマン主義に対する二面的評価」(pp.293-300)では、ルンゲやフリードリヒなどに対するゲーテの評価について記されていました。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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v. ウィリアム・ブレイク(1757-1827)など ブレイクの詩集の邦訳は各種ありますが、とりあえず 梅津濟美訳、『ブレイク全著作』、名古屋大学出版会、1989 *;まえがき// 詩的素描(1783)/[7ページ稿本](1777に近い頃)/[月の中の島](1784暮れ近く又はその少し後)/『詩的素描』の1本に書かれた詩(1789『無垢の歌』彫版に近い頃)/ラーヴァターの『人間についての箴言』に対する書き込み(1788)/スヴェーデンボリの『天国と地獄』に対する書き込み(1788頃)/すべての宗教は一つである(1788頃)/自然宗教はない(1788頃)/ティリエル(1789頃)/セルの書(1789)/無垢の歌(1789)及び経験の歌(1794)/スヴェーデンボリの『神の愛と神の知恵』に対する書き込み(1790)/スヴェーデンボリの『神の摂理』に対する書き込み(1790頃)/フランス革命(1791)/天国と地獄の結婚(1790-1793頃)/[手帖]からの詩と断片(1790-1793頃)/断片「一人の妖精が僕の膝の上ではね回った」(1793頃)/アルビオンの娘たちの幻想(1793)/アメリカ 一つの予言(1793)/公衆に/子供たちのために 楽園の門(1793)/ユリゼンの[第1の]書(1794)/ヨーロッパ 一つの予言(1794)/ロスの歌(1795)/アハニアの書(1795)/ロスの書(1795)/僕は盗人に/四人のゾアたち(1797)/ウォトソンの『バイブルの弁護』に対する書き込み(1798)/ベイコンの『随筆集』に対する書き込み(1798頃)/ボイドのダンテへの『歴史的注』に対する書き込み(1800頃)/トマス・グレイの詩集のためのブレイクの水彩による挿画に附された詩行(1800頃) **;[手帖]からの詩と断片(1800-1803頃)/[ピカリング稿本]からの詩(1803頃)/トマス・ウィリアム・マルキンの線描について(1805頃)/[手帖]からの覚え書き(1807)/ブレアの『墓』への挿画献呈の詩(1808)/『サー・ジョシュア・レイノルズ著作集』に対する書き込み(1808)/ミルトン(1804)/[手帖]からの諷刺詩、詩、及び断片(1808-1812頃)/展覧会の広告類とモック録(1809)/ブレイクのチョーサーの趣意書類(1809-1810頃)/[公衆への訴え](1810頃)/[最後の審判の一幻想](1810)/エルサレム(1804)/永遠の福音(1818頃)/両性のために 楽園の門(1818頃)/シュプルツハイムの『精神異常に関する所見』に対する書き込み(1819頃)/バークリの『シリス』に対する書き込み(1820頃)/[ラオコーン](1820頃)/ホメロスの詩について ヴェルギリウスについて(1820頃)/アベルの亡霊(1822)/チェニーニの『絵画論』に対する書き込み(1822頃)/ウィリアム・アプコットの署名帖への書き入れ(1826)/ワーズワースの『詩集』に対する書き込み(1826)/ワーズワースの『逍遙篇』に対する書き込み(1826)/ソーントンの『主の祈り、新訳』に対する書き込み(1827)/絵画作品に添えられたことばなど// 年譜など、 *、**通しで1486ページ。 土岐恒二、「ブレイクの秘教神話」、『ユリイカ』、vol.6-9、1974.7.20:「総特集 オカルティズム」、pp.192-199 『牧神』、no.5、1976.1:「特集 ウィリアム・ブレイク - 予言と神秘の書」 ブレイクの絵/ブレイクの跡をたずねて(船戸英夫)/ブレイクの芸術観(W.B.イエィツ)/幻視・芸術(R.カスナー)/人間の実力ということ(梅津濟美)/予言とノンセンス-ブレイクの造語をめぐって(高橋康也)/ブレイクと革命の神話(鳥海久義)/ブレイク研究文献について(谷口茂)/ブレイク神話辞典(江河徹編)// アルビオンの娘たちの幻想(鳥海久義訳)/アメリカ(江河徹訳)/ヨーロッパ(船戸英夫訳)// 抒情詩と予言書(江河徹)/倫理と生の価値-初期予言書(原好男)/性の幻想-『ピカリング稿本』について(岸英朗)// ユリゼンの書(増谷外世嗣訳)/アハニアの書(伊東好次郎訳)/ロスの書(岸英朗訳)/ロスの歌(平沼孝之訳)// ブレイクの象徴と影像-ユリゼンの形象過程をめぐって(増谷外世嗣)/『ジェルサレム』と黙示録的想像力(前田昌彦)/幻視の二面性(土屋繁子) 他に; サロメ 連作第1回 - 宗教から芸術へ(井村君江)/牧神の周辺 1 - 騒人閑話 1(鷲巣繁男)/スウィンバーンの詩集 - わが書影 3(矢野峰人)など、 274ページ。 J.ブロノフスキー、高儀進訳、『ブレイク 革命の時代の予言者』、紀伊國屋書店、1976 原著は Jacob Bronowski, William Blake. A Man without a Mask, 1944、後に William Blake and the Age of Revolution と改題(p.321) 予言者の仮面/煽動文書/悪魔の車輪/無垢と経験/仮面をつけぬ人など、 328ページ。 並河亮、『ウィリアム・ブレイク - 芸術と思想 -』、原書房、1978 序章 ブレイク研究の長い道程// 彼の詩と絵画における幻像と表現;「幻像」と表現/三大預言書における象徴と表現/ブレイクの幻像と象徴/象徴の変容と運動の法則/リズムと運動/線と輪郭と幻像/ブレイクにおけるシンメトリーと渦巻/ブレイクの絵画におけるグロテスク// 象徴に託された意味と思想;ブレイクの神話の構造と性格/アルビオン - ブレイクの神話の神々/カバラ神秘主義とブレイクの神秘思想/さまざまな神秘主義との類似と差異/聖書、奇蹟とブレイク/多神教、仏教とブレイクの思想/ドルーイディズムとストーン・ヘンジ/ブレイクにおいてゴシックの意味するもの/デカルト、ワーズワースの自然/「神は姿を隠した」/「神の死」 - イエイツとブレイク// ブレイクの「預言書」における黙示の意味;「多重の幻像」/「アーリントン・コート絵画」/ブレイクにおける黙示の新しい意味など、 512ページ。 ゾロアスター教(→こちら:「イラン」の頁)やマニ教(→そちら:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「viii. マニ教など」)のところで触れたように、随所で比較のためにさまざまな宇宙論について言及しているという点でも、印象に残っています。 土屋繁子、『ブレイクの世界 幻視家の予言書』(研究社選書 5)、研究社、1978 序/原点としてのヴィジョン/エネルギーと想像力/時間と永遠/予言書『ミルトン』/予言書『ジェルサレム』/最終的なヴィジョンなど、 198ページ。 「宙吊りの形相」(1989)でブレイクの詩の一節を引用したのはこの本の始めの方(pp.9-10)からでした(→こちら)。 梅津濟美訳『ブレイク全著作』では **、p.779、[ピカリング稿本]からの詩の内、「無垢の占い」の冒頭となります。→そちら:「仏教 Ⅱ」の頁の「iii. 華厳経、蓮華蔵世界、華厳教学など」や、あちら:「世界の複数性など」の頁中も参照 土屋繁子、『ヴィジョンのひずみ - ブレイクの「四人のゾア」 -』、あぽろん社、1985 序/神話の成立/『ヴェイラ』と『四人のゾア』の間/想像力と理性/時間/アポカリプス/ヴィジョンのひずみなど、 272ページ。 本書の書評; 大熊昭信、「書評 土屋繁子著『ヴィジョンのひずみ - ブレイクの「四人のゾア」 -』 あぽろん社 昭和60年」、『英文学研究』、63巻1号、1986、pp.148-152 [ < J-STAGE ] DOI https://doi.org/10.20759/elsjp.63.1_148 デジレ・ハースト、高橋誠訳、「R.フラッドとW.ブレイク」、『ユリイカ』、vol.15 no.69、1983.6:「特集 神秘主義」、pp.154-169 キャスリーン・レイン、吉村正和訳、『ブレイクと古代』、平凡社、1988 原著は Kathleen Raine, Blake and Antiquity, 1977、大著『ブレイクと伝統』の簡略版(p.298) 序/ニンフの洞窟/プシュケの神話/コレーあるいはペルセポネの神話/プラトン年の神話/錬金術の地下世界/科学に反抗する預言者// 訳者付論 - ヤヌス化する始原など、 304ページ。 滝口晴生、「宇宙卵・世界卵・ブレイク」、『〈身体〉のイメージ - イギリス文学からの試み』、ミネルヴァ書房、1991、pp.222-240 [ < 主要業績リスト < 滝口ホームページ ] 竹村直之、「Views of the human imagination - ブレーク、ポー、スウェーデンボルグ -」、『英米文化』、no.26、1996.3.30、pp.41-51 [ < CiNii Articles ] →ポーに関してこちら(「ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)」の頁の「viii. ポーなど」)、スウェーデンボルグに関してそちら(本頁上掲「i. スウェーデンボリなど」)にも挙げておきます 大熊昭信、『ウィリアム・ブレイク研究 「四重の人間」と性愛、友愛、犠牲、救済をめぐって』、彩流社、1997 序章 ブレイクの思想パターン - 「四重の人間」と性愛、友愛、犠牲、救済;「四重の人間」とはなにか/性愛と友愛、犠牲と救済/ブレイクの四極の構造/各章の概要// 神話の語り手をめぐって;「四重の人間」/神話の語り手// 分魂 - ブレイク神話の構成原理;ブレイクの難解さ/ブレイクの霊体観/ブレイクの霊魂の分割について - 分魂の仮説的な再構成/ブレイクの霊体観の展開/自壊する体系4// 霊魂の運命 - ブレイク神話の世界と体系;人間の魂の運命/『天国の門』を読む// 両性具有 - 性愛と友愛;両性具有の思想/否定的な性/肯定的な性/創造的な生または友愛と普遍的愛の思想/性愛と友愛と犠牲// 啓蒙思想とブレイク;性の思想から政治の思想へ/神話学と啓蒙主義と オルク伝説と四つのゾアの寓意;オルク伝説/オルク循環の構造とその意味/アルビオンと四つのゾアの寓意// 犠牲を超えて - 人類学的想像力と対立の論理;犠牲への想像力/犠牲の習俗とオルク伝説/キリストの磔刑-贖罪、非暴力、許し/革命の論理と弁証法/対立の論理と否定の論理/弁証法と対立の論理/神義論を越えて/過程神学を超えて// 「詩霊」と寓意画的手法;寓意画的文体/神話の語りと寓意画的手法/ブレイクの解釈をめぐって// 救済 - ブレイクの時空;「霊的感覚」/ブレイクの時空の追体験-『四つのゾア』の草稿の3頁と4頁を読む/ブレイクとクロノトポス/ブレイクと自由など、 436ページ。 P.アクロイド、池田雅之監訳、峰巣泉・伊藤茂・高倉正行訳、『ブレイク伝』、みすず書房、2002 原著は Peter Ackroyd, Blake, 1995 ああ、なぜ私は異形の顔に生まれたのか/聖書は想像力とヴィジョンに満ちている/目にするものはすべてヴィジョン/若いっころは彫版に夢中だった/すべてのものは永遠なり/アルビオンの子らが建てた寺院/ギリシャ・ローマの手本は無用/わが眼はいつも汝の上に注がれて/商売の大海原へ/それで彼はおとなしくなった/ランベスからすべてが始まった/粉砕する動輪/エルサレムの内なる宮/怒りの眼/猛火の中を歩きて/地獄のバイブル/ニュートンの眠り/運命の女神を嘲り続けて/フェルパムの谷/告発者 スコウフィールド/絶望/有機的に統合され、細かく区分された/歓喜とともに立ち上がる/私は隠れている(いた)/素描ではなく、霊感/言葉が部屋のそこかしこを飛ぶ/私は立ち上がる/永遠に生き続ける想像力など、 498ページ。 『越境する芸術家 - ブレイクの思想的源泉 - ランターズ、マグルトニアンズ、グノーシス、その他(松島正一)/震える身体のディスプレイ ー ブレイクと18世紀神経医文化(石塚久郎)/「ヤハウェと二人の息子サタンとアダム」 - 『ラオコーン群像』と「詩は絵のごとく」の終焉または完成(鈴木雅之)/血液、セクシュアリティ、主権への欲望 - ブレイクの複合芸術(今泉容子)/美術史のなかのウィリアム・ブレイク(高橋裕子)など、 196ページ。 鈴木雅之、「ウィリアム・ブレイクとグノーシス主義」、『グノーシス 異端と近代』、2001、pp.174-186 江口飛鳥、「ブレイクと18世紀の神話論 - 神話叙述から文学へ -」、松村一男・山中弘編、『神話と現代 宗教史学論叢 12』、2007、pp.211-231 はじめに - ブレイクの「私的神話」/人間の堕落と再生/自然宗教と古代/「文学」としての聖書/神話をリメイクする Paul A. Cantor, Creature and Creator. Myth-making and English Romanticism, 1984/85, Part One: "Paradise Lost and Paradise Regained" ブレイクとその妻ケイトを主人公に、その神話世界を舞台にしたフィクションとして; レイ・ファラデイ・ネルスン、矢野徹訳、『ブレイクの飛翔』(ハヤカワ文庫 SF 1106)、早川書房、1995 原著は Ray Faraday Nelson, Timequest, 1985 「ユダヤ」のページ「i. 『創世記』とその周辺」の項で触れたように、もとの勤め先はブレイクの『ヨブ記』を所蔵しています→こちらを参照 ちなみに画家・版画家としてのブレイクについてはとりあえず、 『ウィリアム・ブレイク展』図録、国立西洋美術館、1990 ウィリアム・ブレイク(1757-1827)(マーティン・バトリン)/ブレイクと職業としての版画制作(ロバート・N・エシック)/ウィリアム・ブレイクの視覚的表現手段の発展(マーティン・バトリン)/「わたし自身bの心がわたしの教会である」ブレイクとフランス革命(デイヴィッド・バインドマン)// カタログ 作品解説(ゲルト・シフ/マーティン・バトリン)// 年譜/参考文献/展覧会歴など、 314ページ。 を参照。 この図録では cat.nos.87-90(pp.231-247)に掲載されている『ヨブ記』(1825)については、また; 浅川泰、「ウィリアム・ブレイク『ヨブ記』について(Ⅱ)」、『紀要』、no.8、北海道立近代美術館、1986.3、pp.39-47 同、 「ウィリアム・ブレイク『ヨブ記』について(Ⅲ)」、『紀要』、1990、1990.3、pp.37-45 (「(Ⅰ)」は残念ながら未見) アンソニー・ブラント、岡崎康一訳、『ウィリアム・ブレイクの芸術』、晶文社、1982 原著は Anthony Blunt, The Art of William Blake, 1959 序文/ 初期のブレイク/ブレイクと崇高なるもの/ブレイクの絵画における夢想と制作/最初の彩飾本/聖書とミルトンの挿絵/最終段階 - 『イエルサレム』、ヨブ記、ダンテ// 付録;『ビット』と『ネルスン』の意味/トマス・バッツのためにブレイクが制作した聖書画の主題など、 168ページ+図版64ページ。 潮江宏三、『銅版画師ウィリアム・ブレイク』(京都ブックス 2)、京都書院、1989 修業時代;「銅版画師ブレイク」/パースの素描学校その他/ブレイクが銅版画師という職業を選んだこと/「師匠選び」の逸話/師匠ジェームズ・バサイア/18世紀英国版画界の事情/銅版画の技法と流派 - トーン・プロセスの隆盛/ライン・プロセスの諸流派/ブレイクの批判と立場/ブレイクの徒弟修行/徒弟ウィリアム・ブレイク// 銅版画師ブレイク;世の習いのままに - 複製銅版画師として/トマス・ストザート/ジョン・フラックスマン/ヘンリー・フューズリ/レリーフ・エッチング、または彩飾本/銅版画の萌芽 - 原型的人間像/挿絵化の試みと「歴史画」の複製化/エンブレム風に - 《楽園の門》/恐ろしい神 - 族長と預言者/悪の根源をもとめて - モノタイプの色彩版画// この世の軋轢;『シェークスピア・ギャラリー』、あるいは取り残された銅版画師/銅版画の挿絵 - ヤングの《夜想》/おせっかいなパトロンと動物たちの《バラード》/二度目の機会は奪われて// 「銅版画家」を求めて;理論の熟成/銅版画家として - 《カンタベリーの巡礼》/最初の間奏曲 - リトグラフ/新しい方法を試みる - 二つの《歓楽》/再び間奏曲 - 木版画/「銅版画・挿絵」の集大成 - 《ヨブ記》/再現の試み - ダンテの《神曲》// 付録;銅版画の技法について、など、 366ページ。 Martin Myrone, Gothic Nightmares. Fuseli, Blake and the Romantic Imagination, Tate Britain, 2006, Tate Publishing 他に→こちら(《エニサーモンの喜びの夜》旧称《ヘカテ-》1795頃)や、そちら(《大いなる赤い龍と海から現われた獣》1805頃)、またあちら(《病の孔:偽造者たち(『地獄篇』第29歌46-84・第30歌49-99)》1824-27)、ここ(《ネブカドネザル》1804-05頃)、そこ(《ヨブ記》(1825)より第15図「ベヘモトとレヴィアタン」)、そこの2(《蚤の幽霊》(1819-20頃)/「メソポタミア」の頁の「おまけ」)も参照 また下の「おまけ」も参照:上掲ネルスン『ブレイクの飛翔』に加えて、 イル・トロノ・デイ・リコルディ、『ウィリアム・ブレイクの幻影』、1994 さらに、「『Meigaを探せ!』より、他・目次」の頁で、ブレイクの作品が映る映画として、 『秘密の儀式』(1968→あそこ)、 『ベビー・ルーム』(2006→あそこの2)、 『セイント・モード/狂信』(2019、→あそこの3) に触れました。また「怪奇城の画廊(完結篇)」の頁で触れたように(→あそこの4)、今のところネタは割れていないのですが、 『たたり』(1963) にはブレイク風(?)の画面が登場しました。 |
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vi. ヴィアット『ロマン主義の隠秘学的源泉(1770-1820)』(1979)など 余談:革命期の幻視的建築家たちなど 長尾伸一、「根源への無限の階梯 - 18世紀前半の世界喩と初期ニュートン主義 -」、『經濟論叢』、vol.156 no.4、1995.10、pp.56-82 [ < 京都大学学術情報リポジトリ KURENAI ] 同じ著者による→こちら(「」ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)の頁の「xiii. ロマン主義、象徴主義の周辺など」)や、そちら(「日本 Ⅱ」の頁の「xi. 近代など」)、またあちら(「世界の複数性など」の頁中)も参照 坂本貴志、『秘教的伝統とドイツ近代 ヘルメス、オルフェウス、ピュタゴラスの文化史的変奏』、ぷねうま舎、2014 時代と思想;啓蒙の時代と魔術師たち/シラーの小説『視霊者』と秘密結社/「魂の不死性」を巡る問い/「ユーリウスの神智学」/「ヘイ・カイ・パン」の思想と「存在の連鎖」/「世界の複数性」/ヘルメス的伝統と古代神学// 崇高とカバラ的宇宙論;ロンギノスの崇高と天上界への魂の帰昇/レトリカとカドゥケウス/カントの崇高と宇宙論/「非物質的世界のひとつの巨大な総体」というトポス - カント『視霊者の夢』/スウェーデンボリの「マクシムス・ホモ」とユダヤ神秘主義カバラ// シラーの美学と秘教的伝統;「魂の国」対「リヴァイアサン」 - シラーの悲劇『ドン・カルロス』/神的人間の没落と二種のアプロディーテ/「魂の不死性」を巡る二律背反の解決/美と崇高による神性の形成// メタモルフォーゼ;イシス/「植物の変身」 - ゲーテにおけるイシス幻想/オルフェウスの詩学/「天球の音楽」/ピュタゴラス派に寄せるバラード// 幻想と政治;「天球の音楽」と「霊魂の国」と自動人形 - E.T.A.ホフマン/動物磁気/フロイトの「集合的無意識」/密儀宗教と神権政治/シラーの「美的国家」など、 316ページ。 本書の一部となった論文→こちらを参照:本頁上掲の「iii. カントなど」 坂本貴志、『〈世界知〉の劇場 キルヒャーからゲーテまで』(未来哲学双書)、未来哲学研究所/ぷねうま舎、2021 すでにいろいろと出てきていますが、概論的なものとして(第2巻は19世紀を扱っています); Auguste Viatte, Les sources occultes du romantisme. Illuminisme, théosophie 1770-1820, Ⅰ Le préromantisme, Librairie Honoré Champion, Paris, 1979 『ロマン主義の隠秘学的源泉 照明主義、神智学 1770-1820 Ⅰ 先ロマン主義』 照明主義の源泉へ;前言 - 神智学者によって定義された神智学/どのようにして人は神智学者になるか/先駆者たち/教説の器/これらさまざまな典拠は、共通するどんな教説を生みだすか// 最初のマルティニスム;創設者/マルティニスムの外的局面/教説 数の理論、流出、人間の〈原罪〉、諸存在の復興は普遍的なものだろうか?/弟子たち// スウェーデンボルグ主義者たち;スウェーデンボルグ 神学者/彼は〈言葉〉の神秘的な意味を研究する/幻視者/影響/アヴィニョンの照明主義者たち/アヴィニョンの照明主義者たち-宗派の教義 讃えられる聖処女、錬金術から降神術へ、山上の儀式、大天使たちとその託宣/1789と新たな統治の接近// 神秘的諸共同体;諸宗派の埃/第1のタイプ - 観想的な共同体/第2のタイプ - 魔術師たちの共同体/統合の試み - その主唱者/総会// サロンと市井の照明主義 1. 最初に通俗化を進めた物 - ラヴァター;キリスト教徒/神秘家/予言者// 2. ;流通の例/文学者と知識人/サン=マルタン、世俗の説教師/カゾットと十字架の侯爵夫人// 3. ;カリオストロの先行者/カリオストロ/カリオストロの伝説/錬金術師、降霊術師、治癒者、トランプ占い/動物磁気論// 革命的照明主義;千年王国論の急増/ブルボン公爵夫人/神秘主義の政治的利用/新異教主義へ/ニコラ・ボンヌヴィルの共産主義的宗教// サン=マルタン、神智学者・神権政治家;隠秘学の放棄/マルティニスムの変容/革命の体験/神秘的脱皮と正統教会への回帰// 照明主義の敵手たち;合理主義と正統教会を同時に攻撃する照明主義者たちの軽率さ/合理主義への攻撃/戦い/戦いの後など、 332ページ。 Auguste Viatte, Les sources occultes du romantisme. Illuminisme, théosophie 1770-1820, Ⅱ La génération de l'empire, Librairie Honoré Champion, Paris, 1979 『ロマン主義の隠秘学的源泉 照明主義、神智学 1770-1820 Ⅱ 帝政の世代』 第2部 帝政の世代(1800-1820) 残滓;神智学と先ロマン主義/千年王国論、市井の照明主義の残滓 ル・ノルマン嬢/マルティニスムからキリスト教へ/ジャンス、その師アントワーヌ・ド・ラ・サルとその好敵手アザイ/孤立した者たち-コエッサン、デュポン・ド・ヌムール/クイントゥス・オークレールと新異教主義-シェ・ド・スルスソルと内なる教会/ロマン主義とドイツの神智学-ベーメ、ラヴァター、サン=マルタンの増大する影響/エッカルツハウゼンとその著作/ユング・シュティリング、プロテスタントの教皇/哲学者と詩人たち、ゲーテからノヴァリスへ// ジョゼフ・ド・メストル伯爵;若年の読書とフリーメーソンとしての経歴/マルティニスト-ヴィラモツおよび知られざる哲学者との関係/流謫の経験-サンクト=ペテルブルグのマルティニスト社会/マルティニスムのカトリック採用 世界の統一性/照明主義者についてのジョゼフ・ド・メストルの最終的な判断とジョゼフ・ド・メストルについての照明主義者の最終的な判断// ド・スタール夫人とその周辺;出発点/コッペの会議/キエティストたちとマルティニストたち/ツァヒャリアス・ヴェアナー、愛の巡礼/神秘的危機の終焉とその文学的利用// 夢想家と幻想作家たち;ボナールとシャトーブリアン/セナンクール/シャルル・ノディエ/年老いたボンヌヴィルのグループ パッシーの仲介者たち/文学的利用 学識あるノディエ/痴愚礼賛 1828年の照明体験がノディエをまったき神智学体系の彫琢へと導く// ファーブル・ドリヴェ;入信以前 文人/問題のある入信 文献学者、東洋学者/運命の形而上学 モーセの教えと合理的多神教の統合 ピュータゴラース主義者/〈その〉創世記 宇宙開闢論、終末論 新異教的・ヒンドゥー教的歴史/政治的帰結// クリューデナー夫人;その出自/アルザスの神秘的土壌で/女予言者の登場/パリ滞在/終焉// バランシュとリヨンのグループ;バランシュ/プラトーン主義、ピュータゴラース主義、オリエンタリズム ファーブル・ドリヴェ エックシュタイン男爵/リヨンのグループ/バランシュは自分が霊感を授けられたと信じる 通過儀礼の理論/バランシュの教説 人間の起源 堕罪と回復 啓示、伝統、神権政治 我々の来るべき運命/文字によるキリスト教から聖霊によるキリスト教へ// 照明主義の再生へ;カトリック的照明主義/古えの神智学の継続/オエネ・ヴロンスキ/マルティニスムの継続/当初の政治/まとめ// 附録;照明主義者とユダヤ人/ペルネティとノルデンスキョルドの文通/コペンハーゲンの照明主義者についての友人ゲルトルーデ・サザランへ宛てたネッテ・ラヴァターの手紙の抜萃/サン=マルタンの未公刊の手紙/ジャン=ジャックの世紀のある幻視者 - ブロオン嬢など、 332ページ。 ネルヴァル、入沢康夫訳、「幻視者 あるいは社会主義の先駆者たち」、『ネルヴァル全集 Ⅳ 幻視と綺想』、筑摩書房、1999、pp.11-320 原著は Gérard de Nerval, Les illuminés ou les précurseurs du socialisme, 1852 伯父の蔵書/ビセートルの王様(16世紀) ラウール・スピファーム/ビュコワ神父の物語(17世紀)/ニコラの告白(18世紀) レチフ・ド・ラ・ブルトンヌ/ジャック・カゾット(18世紀)/カリオストロ(18世紀)/クイントゥス・オークレール(フランス共和国) トラキアの秘法 →こちらにも挙げています:「ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)」の頁の「vii. ネルヴァルなど」 Hélène Tuzet, Le cosmos et l'imagination, 1965/1988, pp.339-357: Troisième partie - VI, "Cosmogonies vitalistes : I. Delisle de Sales, adorateur du Feu / II. Restif de la Bretonne, ou le cœeur humain dévoilé" ……………………… 余談:革命期の幻視的建築家たちなど 次の本の第2章にあるように、宇宙論と関係のあるものもありつつ、そうとも言い難いものもありますが、とりあえず余談ということで、革命期の幻視的建築家たちとその周辺について(→こちらからも指示しておきます:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「v. 建築など」。 またブレー関連の画像を→そちら(「言葉、文字、記憶術・結合術、書物(天の書)など」の頁の「おまけ」)および→あちら(「オペラ座の裏から(仮)」の頁中)に、ルドゥー関連の画像を→ここに載せました:同上); 三宅理一、『エピキュリアンたちの首都』、学藝書林、1989 フリーメーソンと建築;パリのフリーメーソンたち/フリーメーソンと建築家/「エトワール・ポレール」会の場合/建築家ルカミュ・ド・メジエール/フリーメーソン神殿とその意味/入会式と饗宴/エピキュリアンの祝宴// 宇宙論としての建築;地球のかたち/ニュートン主義の広まり/地球と天体/ベルヴェデーレの集合所/穀物取引場の建設/建築家と天文学者/建築家ヴィエル・ド・サン=モー/奉献の石// エジプト復活;エジプトの意義/ヒエログリフ/古代観の変容/ピラミッドの意味/建築家ブロンニャール/モーペルチュイの庭園/秘儀の空間// 秘教の世界;エゾテリスムの意味/廃墟の庭園/モンソー庭園とシャルトル公/試練の体験/建築家ルクー/地底の建築/神々のアルカディア// 革命精神とアルカイスム;フランス革命と建築家/連盟祭の実施/建築監ボワイエ/最高存在の祭典/モニュメントの建立/科学と芸術の神殿/ペール・ラシェーズ墓地など、 382ページ。 「第3章 エジプト復活」は→こちらにも挙げておきます:「エジプト」の頁の「おまけ」 同じ著者による→そちらを参照:「キリスト教(西欧中世)」の頁の「おまけ」 浅田彰、「空間の爆発 - ヴィジオネールたちの建築 -」、『空間の世紀』、1988、pp.320-349 バロックと新古典主義//ギリシアとローマ - ふたつの起源// ブレと幾何学の自立/ルドゥー、ルクーと《語る建築》/産業のシンボリズム エミール・カウフマン、白井秀和訳、『三人の革命的建築家 ブレ、ルドゥー、ルクー』、中央公論美術出版、1994 原著は Emil Kaufmann, Three Revolutionary Architects. Boullée, Ledoux, and Lequeu, 1952 序論// エティエンヌ=ルイ・ブレ;その師たち/ブレの人間像/芸術家としてのブレ/思想家としてのブレ// クロード=ニコラ・ルドゥー;生涯と性格/実施された建物もしくは計画のままに留まった建物/パリの ジャン=ジャック・ルクー;ルクーの生涯/ルクーの作品など、 468ページ。 Visionary Architects. Boullée, Ledoux, Lequeu, University of St. Thomas, Houston, City Art Museum of St. Louis, The Metropolitan Museum of Art, New York, The Art Institute of Chicago, M. H. De Young Memorial Museum, San Francisco, 1967-1968 『幻視的建築家たち ブレ、ルドゥー、ルクー』 12行(ルイス・カーン)/緒言(ドミニク・デ・メニル)/序論(J.-C.ルマニー)// ブレ/ルドゥー/ルクー/デプレ/追随者たちなど、 240ページ。 Helen Rosenau, “Boullée and Ledoux as Town-Planners. A Re-assessment”,Gazette des Beaux-Arts, no.1142, 1964.3, pp.173-190 「都市計画者としてのブレとルドゥー 再評価」 Jean-Marie Pérouse de Montclos, “De la villa rustique d'Italie au pavillon de banlieue”, Revue de l'art, no.32, 1976, pp.23-36 「イタリアの田舎風ヴィッラから郊外の家屋へ」 John D. Bandiera, “The City of the Dead : French Enghteenth-Centyru Designs for Funerary Complexes”,Gazette des Beaux-Arts, no.1368, 1983.1, pp.25-32 「死者の都 葬祭複合体のためのフランス18世紀のデザイン」 Jean-Marie Pérouse de Montclos, “《De nova stella anni 1784》 ”, Revue de l'art, no.58-59, 1983, pp.75-84 「《新たな星より 1784年》」 Monique Mosser, “Le rocher et la colonne. Un thème d'iconographie architecturale au XVIIIe siècle ”, Revue de l'art, no.58-59, 1983, pp.53-74 「岩と柱 - 18世紀における建築図像詩の一主題」 Monique Mosser, “Le temple et la montagne : généalogie d'un décor de fête révolutionnaire ”, Revue de l'art, no.83, 1989-1, pp.21-35 「神殿と山 - 革命祭のある舞台装置の系譜学」 ……………………… エティエンヌ=ルイ・ブレ(1728-1799); Philippe Madec, Boullée, Fernand Hazan, 1986 『ブレ』 借家現状書/世俗的芸術家の履歴/作品における切断の感覚/ブレの建築計画/都市建築/都市の表象としての建築と国土// 附録;ブレ/ディドロ、あるいはなぜブレはその著述を『芸術についての試論』と題し、『建築についての試論』と題さなかったのか、など、 140ページ。 Jacues de Caso, “《Venies ad tumulos. Respice Sepulcra》 Remarques sur Boullées et l'architecture funéraire à l'âge des lumières”, Revue de l'art, no.32, 1976, pp.15-22 「《Venies ad tumulos. Respice Sepulcra》 ブレと啓蒙の時代における葬祭建築についての備考」 ……………………… クロード=ニコラ・ルドゥー(1736-1806); 磯崎新、篠山紀信、八束はじめ、三宅理一、『幻視の理想都市 ショーの製塩工場 建築行脚 10』、六耀社、1980 ショーの製塩工場 - 純粋形態と宇宙的思考の合一 -(磯崎新)/中心の構図(磯崎新)/図版(撮影・篠山紀信)/図版解説(磯崎新)// クロード=ニコラ・ルドゥー『芸術・習俗・法制との関係から考察された建築』;序 愛はすべてを支配する(三宅理一訳)/製塩工場の基本構想(三宅理一訳)/図版テクスト(八束はじめ訳)// クロード=ニコラ・ルドゥー - その栄光と呪詛と復活の神話(八束はじめ)など、 256ページ。 篠田浩一郎、『空間のコスモロジー』、岩波書店、1981、pp.7-32:「1 ルドゥーと都市の理論」 この章に先だって「プロローグ」、 その後は; 〈ユークロニー〉 - 過去の時間のユートピア/美味学からコカ・コーラへ/『悪の華』と詩語の空間/文明と情念 - フーリエ 1/芳香と象形文字 - フーリエ 2/象徴とインド思想 - ピエール・ルルー/アダムの時間 - ジュール・ヴェルヌ/輪舞する自然 - ミシュレ 1/破壊と再生 - ミシュレ 2/エピローグ - ユートピアとしての言説など、 320ページ。 ベルナール・ストロフ、多木浩二・的場昭弘訳、『建築家ルドゥー』、青土社、1996 原著は Bernard Stoloff, L'affaire Claude-Nicolas Ledoux. Autopiste d'un mythe, 1977 序//クロード=ニコラ・ルドゥー……;建築家クロード=ニコラ・ルドゥー、1736~1792/理論化クロード=ニコラ・ルドゥー、1793~1806/ルドゥーとその時代// ユートピア主義的建築家;フランスにおける塩 1770~1790/最初の計画/王、最初の計画と「発注」/決定した計画、製塩所の記述/製塩所の社会学的起源と意味// あるいは明晰な理論家なのか;芸術、習俗、法制との関係から考察された建築/建築の理論家、C.N.ルドゥー/都市計画の理論家、C.N.ルドゥー// 結論 なぜC.N.ルドゥーを学ばねばならないのか、など、 234ページ。 アルベルト・マングェル、野中邦子訳、『奇想の美術館 イメージを読み解く 12章』、白水社、2010、「10 哲学としての建築 C-N.ルドゥー」 原著は Alberto Manguel, Raeding Pictures, 2000 同じ著者による→こちらを参照:「通史、事典など」の頁の「x. 事典類など」 矢野陽子、「第7章 ルーヴシエンヌのパヴィリオン」、『装飾と建築 フォンテーヌブローからルーヴシエンヌへ』(フランス近世美術叢書Ⅰ)、ありな書房、2013、pp.213-266+註 デュ・バリー夫人/ルドゥーによる新パヴィリオンの建設/フラゴナールの連作「恋のなりゆき」/返却とヴィアンへの注文/ルドゥーと/あるいはデュ・バリー夫人の決断 小澤京子、『ユートピア都市の書法 クロード=ニコラ・ルドゥの建築思想』、法政大学出版局、2017 序論;本著の概要と意義/ルドゥ研究の系譜/ルドゥの生涯、主な建築作品と『建築論』の経緯// 建築は詩のごとく( Ut poesis architectura );建築の綴字法/円と球体/「語る建築」とアルファベットの結合術/エンブレムとしての建築/結語 文字と可読性// 性的建築と身体管理の契機-醇化・教育・監視;建築の性的身体/文筆家ルドゥの陰画としての建築家サド/教育と労働における性的な契機/結語 連帯と結合// 書物の中の/書物としての理想都市;イメージとテクストの連関/入信儀礼から終末へ/イメージとテクストの協働と裏切り/結語 世界のモデルとしての書物// 世界創造主としての建築家;宇宙の建築家/宇宙と都市/眼としての建築(家)/結語 世界創造の模倣と「建築の起源」の再演// 結語など、 288ページ。 同じ著者による→こちらを参照:「怪奇城の外濠 Ⅱ」の頁の「vii. 建築画、街景図、紙上建築など」 本書の書評; 大橋完太郎、「ユートピア建築家の夢と革命都市」、『表象』、no.12、2018.3(「特集 展示空間のシアトリカリティ」号)、pp.249-252 +小澤京子、「ブックガイド」、同、p.253 Michel Gallet, “La jeunesse de Ledoux”,Gazette des Beaux-Arts, no.1213, 1970.2, pp.65-92 「ルドゥーの若年」 Bernard Stoloff, “Claude-Nicolas Ledoux et La Saline d'Arc-et-Senans. Genèse d'une œuvre achevée”,Gazette des Beaux-Arts, no.1297, 1977.2, pp.65-72 「クロード=ニコラ・ルドゥーとアルク=エ=スナンの製塩場 完成作品の生成」 Serge Conard, "De l'architecture de Claude-Nicolas Ledoux, considéré dans ses rapports avec Piranèse", Études réunies par Georges Brunel, Piranèse et les français. Colloque tenu à ka Villa Médicis. 12-14 Mai 1976 (Académie de France à Rome II), Edizioni dell'Elefante, 1978, pp.161-180 「クロード=ニコラ・ルドゥーの建築について、ピラネージとの関係において」 Helen Rosenau, “Ledoux (1736-1806) An Essay in Historiography”,Gazette des Beaux-Arts, no.1372-1373, 1983.5-6, pp.177-186 「ルドゥー(1736-1806) 歴史記述の試み」 Michel Gallet, “Les inédits de Claude-Nicolas Ledoux : Un versant ignoré de son utopie ”,Gazette des Beaux-Arts, no.1458+1459, 1990.7+8, pp.9-28 「クロード=ニコラ・ルドゥーの未刊文書 - そのユートピアの知られざる一側面」 写真集です; La Saline Royal. d'Arc et Senans, Fondation Claude-Nicolas Ledoux, 1988 『アルク=エ=スナンの王立製塩所』 144ページ。 撮影:Beatrix von Conta, Georges Fessy, Marc Paygnard ……………………… ジャン=ジャック・ルクー(1757-1825?); Philippe Duboy, Jean Jacques Lequeu. Une enigme, Hazan, 1986/1987 『ジャン=ジャック・ルクー ある謎』 緒言(ロビン・ミドルトン)// プロローグ-不作法/ある中国の百科全書/比喩論的空間/装飾と罪悪/貧血症=映画-図版/結論づける瞬間など、 368ページ。 Günter Metken, “Jean-Jacques Lequeu ou l'architecture rêvée ”,Gazette des Beaux-Arts, no.1155, 1965.4, pp.213-230 「ジャン=ジャック・ルクーあるいは夢みられた建築」 Jacques Guillerme, “Lequeu et l'invention du mauvais goût”,Gazette des Beaux-Arts, no.1160, 1965.9, pp.153-166 「ルクーと悪趣味の発明」 Werner Szambien, “L'inventaire après décès de Jean-Jacques Lequeu ”, (《CURIOSA》), Revue de l'art, no.91, 1990, pp.104-107 「ジャン=ジャック・ルクー歿後の目録」 ルクーに言及しているものとして; 飯島洋一、「〈幻想〉の終焉 動物建築を通して見えてくるもの」、『ユリイカ』、vol.25 no.1、1993.1:「特集 幻想の博物誌」、pp.158-166 幻想とは何か/日常の外部としての狂気=幻想/日常化した狂気=幻想/奇怪な動物建築 岡﨑乾二郎、『抽象の力 近代芸術の解析』、亜紀書房、2018、pp.313-350:「白井晟一という問題群 2」、pp.351-370:「白井晟一という問題群 3」 タイトルどおり白井 |
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おまけ 美術の方面から、ゲーテの『色彩論』に想を得たターナーの作品; |
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ターナー 《光と色(ゲーテの理論) - 洪水の後の朝 - 創世記を書くモーセ》 1843年頃 * 画像をクリックすると、拡大画像とデータが表示されます |
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……………………… 西欧の18世紀を扱ったフィクションと来れば、ディケンズの『二都物語』(1859)や池田理代子『ベルサイユのばら』(1972-73)がすぐに思い浮かぶことでしょうし、カリオストロだのサン=ジェルマン伯爵だのが暗躍する話もどっさりありそうですが、ここはとりあえず; 『バロン』(1989、監督:テリー・ギリアム) 『マルキ』(1989、監督:アンリ・グゾヌー) 『ジェヴォーダンの獣』(2001、監督:クリストフ・ガンズ) また、既に挙げた ネルスン、『ブレイクの飛翔』、1995 ブレーの展覧会を準備する建築家の話が; 『建築家の腹』、1987、監督:ピーター・グリーナウェイ この映画について; 長尾重武、『ローマ - イメージの中の「永遠の都」』、1997、pp.113-132:「4 『建築家の腹』を読む」 |
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音楽方面から; Curved Air, Phantasmagoria, 1972(邦題:カーヴド・エア、『ファンタスマゴリア - ある幻想的な風景 -』)(1) の1曲目、“Marie Antoinette”(「マリー・アントワネット」)を挙げておきましょう。 |
1. 深見淳・松崎正秀監修、『UKプログレッシヴ・ロック メインストリーム・エディション~The Golden Era』(THE DIG presents Disc Guide Series #017)、シンコーミュージック、2004、p.73。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
Emerson, Lake & Palmer, Brain Salad Surgery, 1973(邦題:エマーソン・レイク&パーマー、『恐怖の頭脳改革』)(2) のやはり1曲目、“Jerusalem”(「聖地エルサレム」)は、ブレイクの詩にチャールズ・ヒューワード・パリー(1848-1918)がつけた曲(1916)を編曲したもの。 ブレイクの詩は『ミルトン』 (1804)の序詩で、上掲『ブレイク全著作』(1989)では **、pp.860-861 にあたります。 |
2. 『マーキー別冊 ブリティッシュ・ロック集成』、マーキームーン社、1990、p.92。 大鷹俊一監修、『ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・プログレッシヴ・ロック』、音楽之友社、1999、p.70。 『200CD プログレッシヴ・ロック』、立風書房、2001、p.51。 巽孝之、『プログレッシヴ・ロックの哲学』(serie ‘aube’)、平凡社、2002、p.116。 前掲『UKプログレッシヴ・ロック メインストリーム・エディション~The Golden Era』、2004、p.22。 『プログレッシブ・ロック入門』、河出書房新社、2007、p.75。 大鷹俊一監修、『レコード・コレクターズ増刊 プログレッシヴ・ロック』、2010、pp.46-47。 『別冊カドカワ vol.1 総力特集 プログレッシヴ・ロック』、2012、p.138。 岩本晃一郎監修、『ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック100』(Masterpiece Albums vol.2)、日興企画、2012、p.44。 『エマーソン・レイク&パーマー 文藝別冊 KAWADE夢ムック』、2016.7、pp.190-191、また長澤唯史、「『新たなエルサレムの夢』-EL&Pとポストモダン的崇高」、同、pp.82-91 →こちらも参照:『インフェルノ』(1980)の頁中 |
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Dead Can Dance, Spleen and Ideal, 1985 2枚目のA面ラスト、5曲目は"Mesmerism"、3分53。 同じアルバムから、他→こちらに挙げました;『インフェルノ』(1980)の頁の「おまけの2」 |
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Il Trono dei Ricoldi, Il Trono dei Ricoldi, 1994(邦題:イル・トロノ・デイ・リコルディ、『ウィリアム・ブレイクの幻影』)(3) イタリアのシンフォニック系90年代プログレ。邦題にあるように、歌詞にブレイクの詩を用いています。全4曲の 1曲目、“The King of Memories”(19分59秒)は『ユリゼンの[第一の]書』(1794)第1章第2節から第3章第1節まで(上掲『ブレイク全著作』(1989)では*、pp.388-391)に省略とアレンジを加えたもの、 2曲目“A Memorable Fancy”(4分14秒)は『天国と地獄の結婚』(1790-93)頃に5度挿入される「記憶すべき心象」の最初のもの(同上、pp.282-283)、 3曲目“On the Rising Sun”(13分34秒)は『無垢の歌』(1789)の5番目の詩「小さな黒んぼの男の子 The Little Black Boy」(同上、pp.204-205)に省略とアレンジを加えたもの、 4曲目“Visions of the Daughters of Albion”(18分3秒)は『アルビオンの娘たちの幻想 目は心臓が知る以上のものを見る』(1793)(同上、pp.344-356)に省略とアレンジを加えたもの。 |
3. 片山伸監修、『ユーロ・プログレッシヴ・ロック The DIG Presents Disc Guide Series #018』、シンコーミュージック、2004、p.147。 |
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2014/04/04 以後、随時修正・追補 |
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