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ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)
i 個々の著述家など
ファーブル・ドリヴェ(1767-1825)、ヘーゲル(1770-1831)、サルヴェルト(1771-1839)、シュレーゲル(1772-1829
ii フーリエ(1772-1837)など
iii シェリング(1775-1854)など
iv 個々の著述家など Ⅱ
バランシュ(1776-1840)、バイロン(1788-1824)ショーペンハウアー(1788-1860)、ジョン・ハーシェル(1792-1871)、ハイネ(1797-1856)と〈流謫の神々〉その他バルザック(1799-1850)、フェヒナー(1801-1887
 v ユゴー(1802-1885)など
 vi 個々の著述家など Ⅲ
ブルワー=リットン(1803-1873)、ブランキ(1805-1881
 vii ネルヴァル(1808-1855)など
 viii ポー(1809-1849)など
 ix 個々の著述家など Ⅳ
エリファス・レヴィ(1810-1875)、デュ・ボア=レーモン(1818-1896)、ドフォントネー(1819-1856)、スペンサー(1820-1903)、フローベール(1821-1880)、マクドナルド(1824-1905
x ブラヴァツキー(1831-1891)と神智学など
xi 個々の著述家など Ⅴ
ヘッケル(1834-1919アボット(1838-1926)とヒントン(1853-1907)、マッハ(1838-1916)、パース(1839-1914)、シュレー(1841-1929)、ハルトマン(1842-1906)、ニーチェ(1844-1900ウェルズ(1866-1946
xii ロマン主義、象徴主義の周辺など
xiii モルモン教など
  おまけ 

* そもそも西欧の近代の何たるかもよくわかっていませんが、
 とりあえずその前半を大まかに18世紀末から19世紀あたりとしておきます。
 といいつつ、前の時期・次の時期にかぶるものも出てきたりすることでしょう。
 ともあれ例によって、多々誤りもあろうかと思いますが、ご寛恕ください。

i. 個々の著述家など Ⅰ

ファーブル・ドリヴェ(1767-1825 
ヘーゲル(1770-1831 
サルヴェルト(1771-1839 
シュレーゲル(1772-1829 

 ファーブル・ドリヴェ(1767-1825);

田中義廣、「ファーブル・ドリヴェの世界観」、『仏文研究』、no.12、1983.1.25、pp.134-149 [ < 京都大学学術情報リポジトリ KURENAI

田中義廣、「アガルタと太初の伝統」、『オカルト・ムーヴメント [近代隠秘学運動史]』、1986、pp.92-115
ファーブル・ドリヴェと哲学的人類史;摂理・意志・運命/哲学的人類史/ラムの帝国/イルシュの反乱/オルフェウス、モーゼ、ブッダ/ヘブライ語の復興//
サン・チーヴ・ダルヴェードルとアガルタ;シナルシー/アガルタ//
ルネ・ゲノンと世界の王;世界の王//
結び

 →こちらにも挙げておきます:「近代など(20世紀~) Ⅲ」の頁の「ルネ・ゲノン」の項


高尾謙史、「運命・意志・摂理 - ファーブル・ドリヴェとバランシュ -」、『言語文化』、no.23、1986.12.20、pp.41-54 [ < 一橋大学機関リポジトリ HERMES-IR

 →バランシュに関連してこちらにも挙げておきます:本頁下掲の「バランシュ」の項


田中義廣、「哲学的人類史  ファーブル・ドリヴェ インド起源説の原点」、『総解説 世界の奇書』、、1991、pp.191-195

間瀬玲子、「ネルヴァルとファーブル・ドリヴェ - モーゼの宇宙進化論 -」、『筑紫女学園大学紀要』、no.17、2005、pp.51-59[ < CiNii Articles

 →ネルヴァルに関連してこちらにも挙げておきます:本頁下掲の「vii. ネルヴァルなど

ジョスリン・ゴドウィン、『音楽のエゾテリスム フランス「1750-1950」秘教的音楽の系譜』、2001、「第3章 ファーブル・ドリヴェ」
奇蹟に満ちた時代/「ギリシア旋法」とナポレオン戴冠記念「オラトリオ」/聾唖者の治療/幻の書『音楽』/秘密結社「真のメーソンと天の耕作」
………………………

 ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル(1770-1831)
 については、テオゴニアとか自然哲学などの面でいろいろとあるのでしょうが、今まであまり資料を集めないままに来てしまいました。とりあえず;


G.W.F.ヘーゲル、村上恭一訳、『惑星軌道論』(叢書・ウニベルシタス 324)、法政大学出版局、1991
原著は G. W. F. Hegel, Dissertatio philosophica de Orbitis Planetarum, 1801
惑星の軌道に関する哲学的論考 
ニュートン天文学の原理の批判的論究 物理学・力学・数学;ニュートンの誤謬/数学的形式主義と物理的実在性/ニュートン物理学における力の概念/ケプラーの法則とそのニュートン的解釈/力の分割//
  対立する二つの力;幾何学的推理/遠心力の物理的実在性/力の同一性と区別に関する真の哲学的概念/真の幾何学における全体と部分/遠心力と求心力との同一性/両力の区別の不合理な結論//
  物質と重力;重力の算定における難しさ/真の二契機[空間・時間]の統一としての重力の概念/ニュートンにおける虚妄の一例-重量と形状の独りよがりの自立性/物質の概念-物質と力との関係。ニュートン学派の神頼み//
太陽系の基礎的原理の哲学的叙述 一般的原理-差別を措定する同一性//
  両極の実在的差別;凝集線あるいは度量関係の結節の系列/力の中心と無差別点/両極性の諸形式-磁石・振子・太陽系//
  勢位(ポテンツ)の観念的差別;点・時間・精神/点から線・[線から]面への移行/平方と立方(物体の落下とケプラーの法則)/惑星の運動の特性//
補遺-惑星間の距離の問題//
惑星の軌道に関する哲学的論考への暫定的テーゼ//
付録(K.ローゼンクランツ『ヘーゲル伝』より);惑星の軌道に関する論考/1801年8月27日の教授資格取得討論//
解題;教授資格取得論文をめぐって/就職論文の主題/惑星間の距離の問題/ティティウス=ボーデの法則と小惑星の発見/原典と各種の訳書について、など、
252ページ。


宮下春三、「ヘーゲル論理学の始元」、『山脇学園短期大学紀要』、no.5、1967.11.3、pp.1-13[ < CiNii Articles

宮本十蔵、「ヘーゲルの自然観についての一考察」、『人文科学論集』、no.2、1967.12.15、pp.1-8 [ < 信州大学学術情報オンラインシステム SOAR

ルネ・セロー、高橋允昭訳、『ヘーゲル哲学』(文庫クセジュ 542)、白水社、1973
原著は René Serreau, Hegel et l'hégélianisme, 1962
緒論;はじめに/伝記//
ヘーゲル哲学の先駆者たちとその体系の主導的諸原理;ヘーゲルとカント/ヘーゲル的弁証法/ヘーゲルとカント以後の哲学者たち(フィヒテとシェリング)/ヘーゲルとスピノザ/ヘーゲル的弁証法の先駆者たち/ヘーゲルとアリストテレス/汎論理主義 ヘーゲルとデカルト派/唯心論と唯物論//
ヘーゲルの哲学体系の本質的な諸テーマ;ヘーゲルの観念論/理念と概念/思惟と普遍的なもの/体系の区分//
宗教上の問題とヘーゲル学派の分裂;青年時代の神学的著作/宗教哲学に関する講義/ヘーゲルにおけるキリスト教/神の問題/魂の不滅の問題/ヘーゲル的自然主義の諸性格/ヘーゲル学派の分裂//
政治上の問題(ヘーゲルからマルクスへ);ドイツ憲法/法哲学/ヘーゲルの政治思想/政治面でのヘーゲル右派と左派/ヘーゲルと汎ゲルマン主義/ヘーゲルとマルクス主義//
19世紀ヨーロッパにおけるヘーゲル主義;ドイツにおけるヘーゲル哲学の後退/フランスにおけるヘーゲル主義 ヴィクトル・クーザン/ロシアにおけるヘーゲル主義/イギリスにおけるヘーゲル主義/イタリアにおけるヘーゲル主義/他のヨーロッパ諸国におけるヘーゲル主義//
ヘーゲルと現代思想;ヘーゲルの青年期の諸論文/現象学/ヘーゲルと前-実存主義的思潮/ヘーゲルと実存主義//
結論など、
172ページ。


近藤良樹、「生成の論理 - ヘーゲル弁証法とこれの批判 -」、『待兼山論叢. 哲学篇』、no.9、1975.12、pp.1-16 [ < 大阪大学学術情報庫 OUKA

西羽義夫、「ヘーゲルと神の存在証明」、『大阪大学人間科学部紀要』、no.2、1976、pp.43-79 [ < 大阪大学学術情報庫 OUKA ]

山口誠一、『ヘーゲルのギリシア哲学論』、創文社、1998
序論;ヘーゲル研究の難局/新しい人文古典主義とヘーゲル/ヘーゲルの思弁的解釈の広がり//
ヘーゲル研究史から見た古代ギリシア哲学問題 日本のヘーゲル研究史と古代ギリシア哲学問題;日本のヘーゲル研究の過去と前途/日本のヘーゲル研究史概観/日本のヘーゲル研究の特質と空隙//
  ドイツのヘーゲル研究と古代ギリシア哲学問題;第二次大戦後のドイツにおけるヘーゲル研究/近年の研究動向の概観/ヘーゲルの古代ギリシア論の研究管見//
  『哲学史講義』筆記録研究の現状;ミシュレ編『哲学史講義』の問題点/グリースハイムの講義筆記録//
思弁哲学の源泉 『精神現象学』から『哲学史講義』へ;日本の『精神現象学』研究回顧/『精神現象学』研究の特質/『精神現象学』研究の空隙//
  ヘーゲルと観想の幸福;幸福観をめぐるヘーゲルとアリストテレスの相違/理性と思考対象との同一性/徳の概念をめぐるヘーゲルとアリストテレスの相違/絶対知と幸福//
  理性をめぐって;推論の中項としての理性/観念論の現象学的規定/カテゴリーについて//
  理性の根源;「アリストテレス講義」の特質/ヌースの接触と推論の中項//
  ヘーゲル元素論と推論の中項 - 『ティマイオス』篇 32a-b 解釈への註釈;自然の推論と比関係/ヘーゲルのイデア理解/四元素間の四項推論/「イェーナ自然哲学」の元素論//
  ソクラテスの彫塑的問答法;序/ソクラテスの問答の根源/ヘーゲルのソクラテス解釈/彫塑的問答法の特質//
ヘーゲルの新プラトン主義理解 若きヘーゲルにおける概念と全一論;序/ヘーゲルの絶対概念の独自性/若きヘーゲルの概念/「運命草稿」の全一論/ヘーゲルの全一論の淵源//
  ヘーゲルと新プラトン主義の伝統;ヘーゲルの中世哲学理解の問題点/中世新プラトン主義の伝統/ヘーゲルの新プラトン主義理解の問題点//
  ヘーゲルから見た新プラトン主義;新プラトン主義の総合性/発出論の原型/プロクロスの三位一体論//
  純粋概念の新プラトン主義的根源-『精神現象学』序言の一節への註釈;序/概念の自己運動と哲学史との関係/ヘーゲルの新プラトン主義理解の基本点/ヘーゲル哲学の哲学史的位置//
資料;ヘーゲル『霊魂論』翻訳断片/ヘーゲル「アリストテレス講義」-グリースハイムの未公刊筆記録(1825/26)から-/ベルリン期ヘーゲル未公刊講義筆記録一覧/ヘーゲル-古代ギリシア関係研究文献目録(1839~1996)/『精神現象学』日本語文献目録(1923~1995)など、
372ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「x. 新プラトーン主義


伊坂青司、「『新しい神話』の理念とヘーゲルの神話論 - 『一般哲学概論』講義草稿(一八〇三年)の考察 -」、『人文研究 : 神奈川大学人文学会誌』、no.153、2004、pp.13-37 [ <神奈川大学学術機関リポジトリ

 また、「バロックなど(17世紀)」のページの「iii. ベーメ、その他」の項で挙げた

福島正彦、「ベーメの神智学とヘーゲル」、1987

大村春雄、『ベーメとヘーゲル』、1987

 また

山崎照雄、『根源と流動 - Vorsokratiker・Herakleitus・Hegel 論攷 -』、1985

 なども参照
………………………

 ウゼーブ・サルヴェルト(1771-1839);

高尾謙史、「サルヴェルトの『オカルト科学について』」、『大東文化大学紀要 人文科学』、no.46、2008.3、pp.21-49 [ < 大東文化大学機関リポジトリ
………………………

 フリードリヒ・シュレーゲル(1772-1829);

酒田健一、「法衣のデミウルゴス - フリードリヒ・シュレーゲルの『世界生成論』 -」、『Waseda Blatter』、no.12、2005.3.25、pp.3-24 [ <早稲田大学リポジトリ

ii. シャルル・フーリエ(1772-1837)など

シャルル・フーリエ、巖谷國士訳、『四運動の理論』(上下)(古典文庫 34)、現代思潮社、1970
原著は Charles Fourier, Théorie des quatre mouvements et des destinées générales. Prospectus et annonce de la découverte, 1808
 序文//
  予説;予告される発見の導きとなった指標および方法/農業組合について/情念引力、およびそれと確固たる学問との関係について/不確実な学問による理性の迷妄/文明人の一般的先入観/プラン//
  第1部 解説篇 要旨/例外について//運命に関する一般概念;定義と分類/四運動の等級/社会的運動/社会秩序の諸段階および諸期劃//
    略説 前期壊乱的創造について;北極冠/上昇壊乱の第1期、混成セクト/[系列の解体]/不統一家族に組織された五期劃について/累進セクト社会と不統一家族社会との好対照/情念引力による自然の研究について/[情念樹とその枝]/情念引力/社会諸期劃の性格、噛合い、段階/社会的不統一の段階における諸天体の幸福および不幸について//
    エピローグ 社会的転身の間近いことについて
  第2部 描写篇 要旨//第1略説 第7期の累進所帯について 第1略説の扱う題目の順序不統一所帯における男の倦怠/累進所帯または9集団部族/第7期における両性の和合方式/文明における女の地位低下/第6期への導きとなっているべき矯正策 恋愛丁年、恋愛団体/恋愛抑圧制度の害悪//
    第2略説 結合秩序の栄光について 第2略説の扱う題目の順序学問および芸術の光輝/芝居と遍歴騎士団/結合美食術 結合美食術の政治面、結合美食術の材料面、結合美食術の情念機構/軍隊招集のための色恋政策//
    エピローグ 道徳哲学の遺棄について、など、
340ページ。

下 第3部 確証篇 序言 方法的軽率について/要旨//
    第1証明 フリー・メイスンについて//第2証明 島国による独占について//幕間 文明の発展体系//
    第3証明 商業の放縦について;序文/政治経済学と商業論争との起源/破産による社会体の劫略/買占めによる社会体の劫略/投機による社会体の劫略/商業漏失による社会体の劫略/商業についての結論/第4段階を導く定数抑制による文明秩序の衰微//
    エピローグ 地球の社会的混沌について//
  補遺;抜け落ちた章 有機的運動および複合反対運動について/ノートA/文明人への勧告//
  解説など、
292ページ。

フーリエ、田中正人訳、「産業的協同社会的新世界(抄)」、『世界の名著 続8 オウエン、サン・シモン、フーリエ』、中央公論社、1975、pp.437-537+訳注

ロラン・バルト、『サド、フーリエ、ロヨラ』、1975

巖谷國士、『幻視者たち - 宇宙論的考察』、1976 より
 pp.9-39:「万有引力考-宇宙論的エロティスム」/
 pp.85-123:「シャルル・フーリエ-絶対的隔離の思想」/
 pp.205-228:「愛の新世界-女性解放のための一資料」


篠田浩一郎、『空間のコスモロジー』、1981、pp.121-165:「5 文明と情念-フーリエ 1」/「6 芳香と象形文字-フーリエ 2」

シモーヌ・ドゥブー、今村仁司監訳、大谷遊介・堅田研一・勝田千恵子・中村典子・安川慶治訳、『フーリエのユートピア』、平凡社、1993
原著は Simone Debout, L'utopie de Charles Fourier, l'illusion réelle, 1978
序文 (ジュ)の代わりに関係の遊戯(ジュ)を/フーリエ小伝//
約束の地、あるいはシャルル・フーリエによる分析と群論/現実としての幻想/
調和(アルモニー)にとって有効な「音階からの孤絶」/フーリエとデカルト哲学/未開の福音/シャルル・フーリエの言説におけるイマージュと計算/移行の都市など、
366ページ。


ヘリベルト・ベッカー編、酒井昌美訳、『フーリエとブルトン - ドイツにおけるシュルレアリスム研究序説 -』、啓文社、1993
原著は Hrsg. von Helbert Becker, Ode an Charles Fourier. Surrealismus und utopischer Sozialismus / André Breton, 1982
十字路 - ブルトン、フーリエ、プエブロ・インディアン(ヘリベルト・ベッカー)/シャルル・フーリエへの頌歌(オード)(ブルトン)/注/シャルル・フーリエへのオードと秘教的伝統(ジェラール・シェーファー)/何故フーリエか?(オクタヴィオ・パス)/亡命中のブルトン(ロベール・ルベル)/宇宙の調和的統一(ニコラウス・アイヒホルン)//
《シャルル・フーリエへの頌歌(オード)》;ドイツ語原書所収のドイツ語訳詩/フランス語原詩など、
254ページ。


大塚昇三、「フーリエ研究によせて」、『経済学史学会年報』、vol.31 no.31、1993、pp.106-111 [ < J-STAGE

大塚昇三、「シャルル・フーリエと周期性」、『經濟學研究』、vol.57 no.3、2007.12.6、pp.13-28 [ < 北海道大学学術成果コレクション HUSCAP

大塚昇三、「シャルル・フーリエにおける『系列』と『観念』の形成にかんする試論 - 『文明のカーストおよび亜カーストの階梯』を中心に -」、『經濟學研究』、vol.65 no.1、2015.6.11、pp.167-182 [ < 同上 ]

ジョナサン・ビーチャー、福島知己訳、『シャルル・フーリエ伝 幻視者とその世界』、作品社、2001
原著は Jonathan Beecher, Charles Fourier. The Visionary and His World, 1986
序章//在野の独学者;幼年時代/革命の10年間/建築改革から普遍的理論体系へ/地方小商店員/リヨン・ジャーナリズム/「作品上演の前に現れたパロディ」/「有徳の田園」/最初の弟子/大論執筆//
理論;文明批判/情念の解剖学/理想共同体/調和社会の教育/調和社会の労働/愛の新世界/歴史と輪廻/宇宙詩//
パリの予言者;大論発行/パリの地方人/『産業の新世界』/サン=シモン主義者たち/機関紙創刊/ファランジュ建設/晩年//
終章など、
522ページ。


ジョスリン・ゴドウィン、『音楽のエゾテリスム フランス「1750-1950」秘教的音楽の系譜』、2001、「第4章 フーリエとフーリエ主義者たち」
輪廻転生と宇宙進化論/宇宙の音楽/人間の音楽/弟子たち/フーリエの思想的源泉

シャルル・フーリエ、福島知己訳、『愛の新世界』、作品社、2006
原著は Charles Fourier, Le nouveau monde amoureux 生前未刊の草稿より(pp.634-643)
Ⅰ/Ⅱ 第4部第10節 最終的綜合 愛の新世界、あるいは唯物的と心情的との二種類の愛の釣り合い/Ⅲ 第11節 恋愛短調聖人位への緒論 長調・短調の情念聖人位について/Ⅳ 第12節 累乗共感について、あるいは兼有・継起・両義式の多婚愛および全婚愛/Ⅵ 第12節(第3覚書)第3略述 全婚愛について、および多婚愛の第2略述の終わり//
Ⅵ 補遺 調和世界の恋愛についての補足;Ⅵ-1/Ⅵ-2/Ⅵ-3 [宇宙創成論]//
附録//解説/用語集など、
718ページ。


石井洋二郎、『科学から空想へ よみがえるフーリエ』、藤原書店、2009
序章 「空想(そらおも)い」した人々//
フーリエの軌跡;協同体と情念引力 - 『四運動の理論』(1)/地球の生涯をめぐって - 『四運動の理論』(2)/呼びかけるテクスト - 『四運動の理論』(3)/オーウェンとフーリエ - 『家庭的農業的協同体概論』/フーリエの夢想都市 - 『産業的協同社会的新世界』/恋愛のポリティクス - 『愛の新世界』(1)/美食学の誕生 - 『愛の新世界』(2)//
フーリエの射程;拡散する波動 - フーリエを読む作家たち/パサージュの思考 - フーリエとベンヤミン/変革への意志 - フーリエとブルトン/快楽の言語 - フーリエとバルト//
終章 いま、なぜフーリエか、など、
360ページ。


フレドリック・ジェイムソン、『未来の考古学 Ⅱ 思考の達しうる限り』、2012、pp.7-34:「一 フーリエ、あるいは存在論とユートピア」 

Hélène Tuzet, Le cosmos et l'imagination, 1965/1988, pp.359-371: Troisième partie - VII, "Cosmogonies vitalistes (suite): I. Charles Fourier, hygiéniste du cosmos"

iii. フリードリヒ・ヴィルヘルム・ヨーゼフ・フォン・シェリング(1775-1854)など

 いわゆる『自由論』を読んだ時は、ベーメじゃん、と思ったことでした;


シェリング、茅野良男訳、「ブルーノ」(1802)、『世界の名著 続9 フィヒテ シェリング』、中央公論社、1974、pp.249-390+訳注

  同、 渡辺二郎訳、「人間的自由の本質」(1809)、同上、pp.391-500+訳注

  同、 岩崎武雄訳、「哲学的経験論の叙述」(1836)、同上、pp.501-573+訳注

 他に;
フィヒテとシェリングの生涯と思想(岩崎武雄)/フィヒテ 知識学への第一序論(岩崎武雄訳)/フィヒテ 人間の使命(量義治訳)など、656ページ。


 刊行中のシェリング著作集;

松山壽一編、『シェリング著作集 1b 自然哲学』、燈影舎、2009
自然哲学に関する考察(1797)/宇宙霊について(1798)/自然哲学大系の第1草案 講義用(1799)/自然哲学大系への草案序説(1799)/学問研究法に関する講義 第11-13講(1803)など、
428ページ。


伊坂青司・西村清和編、『シェリング著作集 3 同一哲学と芸術哲学』、燈影舎、2006
同一哲学;私の哲学大系の叙述(1801)/哲学大系の詳述(1802)//
芸術哲学;芸術の哲学(1802-03、04-05)//
補遺;大学における研究の方法についての講義(1803) 第14講、第8講/哲学一般に対する自然哲学の関係について(1802)/哲学との関連からみたダンテについて(1803)など、
468ページ。


藤田正勝編、『シェリング著作集 4a 自由の哲学』、燈影舎、2011
哲学と宗教(1804)/人間的自由の本質とそれに関連する諸対象についての哲学的探求(1809)/シュトゥットガルト私講義(1810)など、
296ページ。


諸岡道比古編、『シェリング著作集 5b 啓示の哲学』、燈影舎、2007
『啓示の哲学』第1書「啓示の哲学への序論」全8講(1841-42、1844-45)など、
228ページ。


 『啓示の哲学』邦訳の続きは→少し飛んでこちらに下記

 2014年4月現在未刊なのは;
『1a 自我の哲学』;哲学の原理としての自我について/独断論と批判主義に対する哲学的書簡
『2 超越論的観念論の体系』
『4b 歴史の哲学』;諸世界時代 第1草稿
『5a 神話の哲学』;神話の哲学への歴史的批判的序論 第10、22、24講、他


追補:続刊は文屋秋栄から〈新装版〉という形で行なわれ、既刊巻には改訂が加えられるとのこと。そこで;

山口和子訳、『〈新装版〉シェリング著作集 4b 歴史の哲学』、文屋秋栄、2018
諸世界時代 第1巻 過去(第1草稿 1811年)
序;学の理念、その本来の対象と方法/魂の内なる二原理と弁証法/哲学と観想(
Schauen)/学と物語//
第1巻 過去 序 過去および時間に関する形而上学的な考察;過去の本来的な概念の提示/根源存在(
Urwesen)における過去の深淵/時間の有機的関係//
  根源存在の本質構造;一切の存在を超えた永遠で自由な根源存在/或る無(
ein Nichts)にして全である根源存在/超神的純粋性(Lauterkeit)//
  根源存在展開の可能性 - 永遠なるものにおける矛盾の生起、時間の起源;内的な運動に留まる純粋性と第二の意志の発生(展開の可能性)/時間と永遠性/時間の可能性としての「実存への意志」(
das Wille zur Existenz)/神性(愛)と、我性からなる収縮する意志(実存の根底)/非・存在者(das Nichtseyende)としての第二の意志/存在(非・存在者)の力/同一の本質の二側面としての存在者と存在(非・存在者)//
  根源存在展開の基礎;実存への道(
Weg zur Existenz)/太古における収縮する力の優位/展開の法則 - 展開における原理の先行性と優位性の区別/統一の諸概念/すべての存在するものはその反対をはらむ(A=-A)/判断における紐帯と概念/二重存在としての実存するもの/原初の戯れる快/自然生成の可能性の基礎 - 原像および精神的質料の形成/精神的質料の現われとしての優美//
  神の永遠な自然あるいは現実存在(
Daseyn)の生成 - 質料の生成とカオス;分離への欲求の発生/二つの意志の葛藤がもたらす「最初に存在するもの」における収縮と拡大/二力の戦いにおける最初の生(永遠な自然)の発生/質量の産出/戦いからカオスの成立へ - 個の中心の形成/個的生の最初の形式としての旋回運動/身体的性質(感覚能力や表象能力の基礎)の瞬間的な現われ/根源存在の苦悩/自然生成の端緒における悪夢と不安/太鼓の祭祀における旋回と音楽//
  シェリングの体系の哲学史的位置づけ;神の内なる自然の先行性/スピノザとの比較/物質の放下(
Gelassenheit)/体系の主体あるいは原理のプロテウス的本性/シェリングの体系の哲学史的正当化/原初的生における二重性/思惟の歴史における「野蛮な原理」//
 第1草稿後半 実存するものにおける矛盾の解決;矛盾の最提示/子の産出による矛盾の解決/子と言葉/産出(
Zeugung)/愛による子の産出/収縮する力の過去への後退/子(愛)の支配する現在の始まり/子による紐帯の分節/自然と精神(霊)界の成立/「実存するもの」の展開に関する弁証法的な再説明 - 統一と対立との統一/存在者と存在との対立と内的な統一 - 昼と夜、善と悪/存在者と存在との量的な相違と最終的な統一/将来における父と子との統一 - 永遠な生成/絶対精神としての第3のペルソナ//
  神的ペルソナへの考察 - キリスト教神学における神の思惟に関する批判的考察;ペルソナの展開 - 進展と不変性/太古の宗教における神的ペルソナの継起の表象/キリスト教の影響/三ペルソナの非時間的な継起とそれぞれの独立性//
  時間の生成論;過去、現在、未来の同時的成立/時間と永遠/世界と時間の生成/世界と時間の始まり - 始まりであることを止めない始まり/カントの時間論批判/力動的な時間論/全時間としての瞬間/時間の有機的展開と精神(霊)の作用/空間の内にある諸事物と時間//
  根源存在の展開と体系;最初の流出論/最初の二元論(第二の意志が第一の意志から現れた段階)/汎神論的二元論 - 「実存するもの」における統一/キリスト教における統一と対立との統一//
  必然性と自由に関する思惟の最後のまとめ;絶対的自由と性格/恣意と自由/二種類の自由 - 父と子の自由/非合理的な父的原理とプラトン//
  シェリングの体系の正当化;精神の体系/従来の形而上学批判/神の存在証明批判//
諸世界時代 第1巻 過去(第2草稿 1813年)
第1巻 過去 序 過去および時間に関する形而上学的な考察//
  根源存在の本質構造;時間と生における二原理の矛盾/至高なるものにおける矛盾/矛盾に関する弁証法的説明/矛盾の解決/矛盾なき無制約者/或る無(
ein Nichts)にして全なる安らえる意志/物質の放下(Gelassenheit)//
  根源存在展開の可能性 - 永遠なるものにおける矛盾の生起;永遠性の内なる自己自身への憧憬/産出力としての第二の意志の発生 - 展開の可能性/非・存在者としての第二の意志と自然//
  根源存在展開の基礎 - 実存への道;二原理の統一(精神)とポテンツ論/統一と対立との統一/神的自然の展開 - 生と永遠性/精神的質料/質料・自然の先行性/自然界の原素材としての精神的質料/イデアの産出/将来の霊界の可能性/外的なポテンツからの解放と夢/自然の産出原理としてのイデア/我からの解放/神の原初的生と智//
  現実存在生成への途上;自己認識の可能性/二意志の葛藤と決断の可能性/積極的に否定する意志への変容と肯定する意志との対立/矛盾と自由/根拠の関係 - 過去、現在、未来の同時性/永遠な行(
That)と性格/決断と啓示の始まり - 諸原理の同時性からポテンツの継起へ/否定する意志の先行/神の行と啓示に関する再考 - 「始まりであることを止めない始まり」//
解説 訳語について;
die WeltalterWesen, Existenz, Daseinsetzen//
  存在(
Seyendes)者と存在(Seyn)//「存在」の根源的な不安//物語的哲学と新しい存在論への試みなど、
268ページ。


 見出し・小見出しは訳者によるもの(p.vii)。
 1814-15年の第3草稿があるが、いずれも未完(pp.222-224)。

 第1草稿中に

「これまであの原初的な状態をあえて言葉につなぎとめようとしてきたが、これは、学的にではなく、比喩的あるいは神話的にしかなされえなかった」

 とありました(Ⅰ139:p.88)。そこに附された訳注(98)では、

「世界の生成は神話を介してのみ語りうるとする『ティマイオス』のプラトンの言葉に似ている」

 と記されています(pp.215-216)。「解説」第Ⅳ節「物語的哲学と新しい存在論への試み」も参照。
 プラトーンとともにデカルトも思い起こされるところです。→こちら(「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「vi. プラトーン」)や、そちら(「バロックなど(17世紀)の頁の「v. デカルトなど」)も参照

 上掲の燈影舎版『シェリング著作集 5b 啓示の哲学』(2007)を巻6a『啓示の哲学 上』に改め;

諸岡道比古編、『〈新装版〉シェリング著作集 6b 啓示の哲学 中』、文屋秋栄、2021
啓示の哲学 第一部(1858年/『啓示の哲学』全37講中、第2書、全15講=第9講~第23講)//
解説など、
540ページ。


諸岡道比古編、『〈新装版〉シェリング著作集 6c 啓示の哲学 下』、文屋秋栄、2022
啓示の哲学 第二部(1858年/『啓示の哲学』全37講中、第3書、全14講=第9講~第23講)//
解説など、
536ページ。


シェリング、中井章子訳、「クララとの対話」(1809-1812?)、『キリスト教神秘主義著作集 16 近代の自然神秘思想』、1993、pp.403-520+註

藤田健治、『シェリング』(思想学説全書 11)、勁草書房、1962
序論 シェリング哲学と現代//
前期の哲学 シェリング哲学の出発点//自然哲学//
  先験的観念論の体系;理論哲学/実践哲学/芸術哲学//
  同一哲学//芸術哲学大系//
過渡期または転換期の哲学;哲学と宗教/自由意志論/「世代」の哲学//
後期の哲学;後期の哲学成立の基盤としてのヘーゲル批判/積極哲学//
シェリング哲学の本質とその究極的意義//附録 愛と実存-シェリングの生の基盤の一断面として-など、
356ページ。


青木茂、「個体と非存在 - シェリング後期思想における非存在の問題 -」、『東京女子大學論集』、vol.16 no.2、1966.3.1、pp.1-29 [ < 東京女子大学学術情報リポジトリ

眞方やすか、「シェリングの自由論 - 『人間的自由の本質』と『世代』草稿を中心として - (一)」、『東京女子大學論集』、vol.18 no.2、1968.3.1、pp.75-97 [ < 東京女子大学学術情報リポジトリ

 同、 「シェリングの自由論 - 『人間的自由の本質』と『世代』草稿を中心として - (二)」、同上、vol.19 no.1、1968.9.1、pp.17-32 [ < 同上]

一柳やすか、「シェリングの自由論 - 『人間的自由の本質』と『世代』草稿を中心として - (三)」、同上、vol.25 no.1、1974.9.1、pp.27-50 [ < 同上]

山本清幸、『積極哲学への回帰 バアダーとシェリング』、九州大学出版会、1983
序説 シェリング中期;実在・観念論/二つの自由論/汎神論と有神論//
ロマンティシズムの後期形態とシェリング;ボェーメ受容と後期ロマンティシズム/フランツ・フォン・バアダー/無にして全(ボェーメの神観 1)/写像と根底(ボェーメの神観 2)/シュレーゲルの汎神論論難/正しく解された汎神論//
人間における悪の自由;悪の自由論、悪と病いとの比喩 自由悪の正しい概念(バアダー)/自然から上昇してきた人間の我性(
Selbstheit) 自由悪は被造物の頂峯においてのみ可能である/弁神のために説かれた欠如悪 自由悪をとらえ得ない弁神論(ライプニッツ)/無からの創造と欠如悪 伝統的存在論と欠如悪論(アウグスティヌス)/悪の傾向(Neigung)と悪の霊感(Begeisterung) 近代の自然主義・地上主(カント)/哲学的悪論の批評にお永遠なけるバアダー=シェリング的なもの 哲学的悪論の欠陥はすべてその非宗教性にあると考えられる/啓示の必然と悪の必然 「人間的自由論」に残存しているシェリングの旧態//
人間の叡智性;
(Tat)の自由と内的必然 人間の叡智性/シェリング的有神論 道徳と宗教、神の人格性とその無底なる愛//
シェリングの時間論 「世代論」成立の根拠;「或るもの」の
essentiaexistentia、その勝義的原因/積極哲学への媒介としての自由論哲学/時間の「過去」的創始と「現在」的始元/消極哲学と積極哲学 (補注1)B原理について/「何ものをも意思しない意志」と超越的自由 (補注2)自由の自体的無性について//
「過去」的原理としての必然と自由;「真の過去」と原理/「必然」と
矛盾的(ヽヽヽ)同一性/始原としての非存在の概念、「必然」の完全な概念/「自由」の超越性、()にして全//
世代論における世界(Welt)の概念;ディアレクティークをめぐるヘーゲルとシェリングの問題点/自由の
explicatio、啓示としての「世界」創造/「必然」に対する「自由」の直接的作用による「世界」的自然/外的自然の可能的基底である第1勢位/精神界(Geisterwelt)の可能的基底である第2勢位と普遍霊(allgemeine Seele)としての第3勢位など、
272ページ。


長島隆、「シェリングの『ポテンツ』論 - 『ポテンツ』論と弁証法」、『日本医科大学基礎科学紀要』、no.9、1989.3.31、pp.69-84[ < CiNii Articles

高尾由子、「シェリングにおける堕落論」、『哲学・思想論叢』、no.8、1990、pp.45-56 [ < つくばリポジトリ (Tulips-R) ]

浅沼光樹、「シェリングにおける神と自然過程」、『哲学論叢』、no.23、1996、pp.1-129 [ < 京都大学学術情報リポジトリ KURENAI

橋本崇、「シェリングの『世界時代』における構想力の論理」、『東海大学紀要. 文学部』、no.71、1999、pp.1-12[ < CiNii Articles

北澤恒人・長島隆・松山壽一編、『シェリング自然哲学とその周辺』、梓出版社、2000
シェリング自然哲学のパースペクティヴ - いまなぜシェリング自然哲学か? -(西川富雄)/自然の哲学(J.ヤンツェン)/シェリングとゲーテ - 自然と抽象化 -(森淑仁)/ニュートンとシェリング-重力概念をめぐって-(松山壽一)/スティフェンス自然学の特質 - 個別と思弁 -(中里巧)/初期ゲレス自然哲学における思弁と経験の関係(北澤恒人)/フィロゾフィーとテオゾフィー - シェリング『人間的自由の本質』の自然哲学とベーメの世界生成論 -(中井章子)/シェリングとガルヴァニスムス - シェリングにおける「化学」論の一断面 -(長島隆)など、
212ページ。


小田部胤久、「『詩の戯れ』と『秘儀の厳粛さ』 - シェリング『サモトラケの神々について』の読解の試み -」、『美学芸術学研究』、no.19、2001.3.24、pp.113-129 [ < 東京大学学術機関リポジトリ UTokyo Repository

山口和子、『後期シェリングと神話』、晃洋書房、2004
『自由論』に至るまでの近代批判と神話;最初期の神話研究ノート/美的観念論への道/自然哲学と神話/カント、フィヒテからの離反/美と真理//
『自由論』と神話;「根底」と自然のデュナミーク/自由と「根底」/英知的行と悪の実在性//
シェリングのディレンマ;生の苦悩/深淵的自由/神概念の脱キリスト教化//
神の存在証明;存在の起源への希求/動詞的な
Ist/「純粋な Daß」とポテンツ/ポテンツ論と存在/宇宙論的証明と Daß//
美しき、魅力ある誤り;
Krisis の想起としての神話/根源的 Poesie/第1のポテンツ/Urzufall とペルセフォネ/神話と芸術/新しい学-シェリングとヴィーコ//
神話的原理の射程-結論に代えて//
附録;『自由論』(1809)/『諸世界時代』(1811-14)/『神話の哲学』『啓示の哲学』講義/シェリングの歴史観 神と個の自由、非合理な原理、神話など、
242ページ。


マルクス・ガブリエル、小野純一訳、「シェリング『世界年代』の述定存在論」、『国際哲学研究』、別冊5、2014.10.31、pp.25-39 [ < 東洋大学学術情報リポジトリ

マルクス・ガブリエル、中島新訳、「シェリング『世界年代』における時間哲学」、同上、pp.56-70 [ < 同上 ]

 同じ著者による→こちらも参照:「近代など(20世紀~)」の頁の「iii. 2000年代~

菅原潤、「悪論と神話論のあいだ ― シェリング『世界の年代』(Weltalter)の射程」、同上、pp.71-79 [ < 同上 ]

岡村康夫、「シェリングにおける哲学と宗教について」、同上、pp.80-93 [ < 同上 ]

 同じ著者による→こちらを参照:「バロックなど(17世紀)「」の頁の「iii. ベーメ、その他

永井晋、「神の収縮(ツィムツム) - シェリング『世界年代』とルリアのカバラー -」、同上、pp.94-100 [ < 同上 ]

 →こちらにも挙げておきます:「ユダヤ Ⅲ」の頁の「xvii. 応用篇など

小野純一、「収縮をめぐるシェリングとイブン=アラビー」、同上、pp.101-121 [ < 同上 ]

 →こちらにも挙げておきます:「イスラーム Ⅲ」の頁の「イブン・アラビー」の項

菅原潤、岡村康夫、永井晋、小野純一、長島隆、「総合討論」、同上、pp.122-141 [ < 同上 ]

長島隆、「Weltalter の研究動向とマルクス・ガブリエルのシェリング研究」、同上、pp.142-160 [ < 同上 ]

 →こちらで少し触れています:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「おまけ

板橋勇仁、『底無き意志の系譜 ショーペンハウアーと意志の否定の思想』、法政大学出版局、2016、pp.155-174+註 pp.230-233;「第2部第7章 意志の自由の脱-自性 シェリングの『Ekstase』をめぐって」

岡村康夫、『シェリング哲学の(つまず)き 「世界時代」の構想の挫折とその超克』、昭和堂、2017
はじめに//
『世界時代』について 序//
  「根源存在者の展開の歴史」としての「学」の構想 - 序について -;超世界的原理/超世界的原理への転置/神智学と哲学(宗教と哲学)//
  「思想の深淵」としての「過去」 - 序に続く部分について -;沈黙と静寂の時代/新たな深淵//
  「根源存在者」の本質構造 - 第一部について -;「永遠なる自由」としての「根源存在者」/「何ものも意欲しない意志」としての「根源存在者」/「純一さ」と「矛盾」・「対立」//
  「根源存在者」の展開の可能性 - 第二部について -;永遠なる憧れ/二つの等しく永遠なる意志//
  「根源存在者」の展開の可能性 - 第三部について -;展開の可能化への問いの準備/自然展開の可能化/精神世界の可能化/根源存在者の展開の可能化//
  「根源存在者」の展開の現実化 - 第四部について -//
  結論部について//
  後半部について;過去の生起/神思想について/時間論/三つの体系/必然性と自由/学の沈黙//
  第Ⅰ部 まとめ//
『世界時代』以前と以後について 序//
  直接性(直接経験) - 『哲学と宗教』について -;反省と知的直観/思惟する者の捨象//
  主体性・実存性・無底性 - 『自由論』について -;自由と体系/中心存在者/我性に死に切るということ//
  無底的自由 - 『シュトゥットガルト私講義』について -;体系の原理/根源存在者の意志/人間精神の三つのポテンツ//
  脱我性 - 『学としての哲学の本性について』 -;絶対的主体/深淵的自由/脱我/哲学の立場//
  消極哲学から積極哲学へ - 『最近の哲学の歴史に寄せて』について -;シェリング哲学について/ヘーゲル哲学について/神智主義//
  超経験的なものへ - 『哲学的経験論の叙述』について -;本来的事実の究明/事実の学的解明/事実の究極/超経験的なもの//
  思惟の沈黙 - 『顕示の哲学への序論あるいは積極哲学の基礎づけ』について -;旧形而上学の解体/消極哲学としての理性学/消極哲学と積極哲学/積極哲学の構想//
  第Ⅱ部 まとめ//
おわりに/あとがき/参考文献など、
332ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:「バロックなど(17世紀)「」の頁の「iii. ベーメ、その他

 他にも、「バロックなど(17世紀)」のページの「iii. ベーメ、その他」の項に挙げた文献の随所で、シェリングが言及されています。 

iv. 個々の著述家など Ⅱ 

バランシュ(1776-1840 
バイロン(1788-1824 
ショーペンハウアー(1788-1860 
ジョンハーシェル(1792-1871 
ハイネ(1797-1856)と〈流謫の神々〉その他
バルザック(1799-1850 
フェヒナー(1801-1887 

 ピエール=シモン・バランシュ(1776-1840);

 上掲

高尾謙史、「運命・意志・摂理 - ファーブル・ドリヴェとバランシュ -」、1986

高尾謙史、「リヨン市立図書館のバランシュ草稿について」、『一橋論叢』、vol.103 no.3、1990.3.1、pp.358-364 [ < 一橋大学機関リポジトリ HERMES-IR
………………………

 ジョージ・ゴードン・バイロン(1788-1824);

バイロン、島田謹二訳、『カイン』(岩波文庫 赤 216-3)、岩波書店、1960
原著は Lord Byron, Cain. A Mystery, 1821
序/第1幕/第2幕/第3幕など、
188ページ。


 サドの「ロドリグあるいは呪縛の塔」やフローベール『聖アントワヌの誘惑』と比較してみてください。
 →こちらにも挙げておきます:「天使、悪魔など」の頁の「おまけ

黒田修、「『カイン』にみるバイロンの宗教心 - 人類にとっての希望の火を求めて -」、『大手前女子大学論集』、no.16、1982、pp.43-86 [ < CiNii Articles

黒田修、「バイロンの『天と地』 - 自我の解放と救済 -」、『大手前女子大学論集』、no.17、1983、pp.22-35 [ < CiNii Articles

広本勝也、「バイロンの劇詩『カイン』 - 『聖なる主題』について -」、『慶應義塾大学日吉紀要 言語・文化・コミュニケーション』、no.35、2006、pp.35-58 [ < KOARA 慶應義塾大学学術情報リポジトリ

Paul A. Cantor, Creature and Creator. Myth-making and English Romanticism, 1984/85, Part Three - chapter 5: "The Metaphysical Rebel"
………………………

 アルトゥール・ショーペンハウアー(1788-1860);

ショーペンハウアー、西尾幹二訳、『意志と表象の世界 Ⅰ』(中公クラシックス W36)、中央公論新社、2004

  同、  同訳、  『意志と表象の世界 Ⅱ』(中公クラシックス W37)、中央公論新社、2004

  同、  同訳、  『意志と表象の世界 Ⅲ』(中公クラシックス W38)、中央公論新社、2004
原著は Schopenhauer, Die Welt als Wille und Vorstellung, 1819
Ⅰ;ショーペンハウアーの修業時代(鎌田康男)//
  第1巻 表象としての世界の第一考察 根拠の原理に従う表象、すなわち経験と科学との客観 第1節~第16節/
  第2巻 意志としての世界の第一考察 すなわち意志の客観性 第17節~第29節など、
382ページ。

Ⅱ;第3巻 表象としての世界の第二考察 根拠の原理に依存しない表象、すなわちプラトンのイデア、芸術の客観 第30節~第52節/
  第4巻 意志としての世界の第二考察 自己認識に達したときの生きんとする意志の肯定ならびに否定 第53節~第56節など、
362ページ。

Ⅲ;第4巻(承前) 第57節~第71節/第1版への序文/第2版への序文/第3版への序文など、
322ページ。
正編全訳、付録「カント哲学批判」のみ割愛(凡例)


板橋勇仁、『底無き意志の系譜 ショーペンハウアーと意志の否定の思想』、法政大学出版局、2016
序//
ショーペンハウアーにおける意志の否定と自由 表象と意志 意志の現象としての世界;表象と根拠律/表象と意志/意志の根拠の無さ/意志の客体化とイデア//
  意志の否定と自由 底無き意志の現象における自由;生への意志と苦悩/意志の自己認識による意志の否定/意志の否定と「無」/底無き意志の自由//
ショーペンハウアーと底無き意志の系譜 意志の否定と〈哲学の方法〉 ヘーゲルの「無」との対話;現象の廃棄という思想と〈哲学の方法〉/『意志と表象としての世界』とヘーゲルの『世界史哲学講義』におけるインド評価/ヘーゲルの『大論理学(第二版)』における「無」の思想の特性/ショーペンハウアーにおける「無」の思想と〈哲学の方法〉//
  意志の自由における〈自己〉 ニーチェの「力への意志」へ;〈自己〉の自由への問い/底無き「力への意志」/ニヒリズム/永劫回帰の「この瞬間」/〈自己〉の生の創造/ショーペンハウアーにおける〈底無き意志の自由〉と〈自己〉//
  意志の否定と底無き自覚 初期・中期西田哲学の「直観」から;〈底無き意志〉と〈自己〉の自己認識/『善の研究』における底無き経験/唯一活動としての底無き意志 - 西田のショーペンハウアー理解の特性/意志の否定と自己認識 - 「知的直観」/意志における活動性と静性/底無き活動の「場所」 - 『働くものから見るものへ』/底無き活動の自覚としての「直観」//
  底無き自覚と自由 後期西田哲学の「行為的直観」から;底無き活動の自覚とその実践性への問い/〈限定するものなき限定〉としての自覚/自覚の矛盾的自己同一/行為的直観の世界とその「動揺」/我々の自己の「我執」と絶対者/自己の「底無き自由」//
  意志の自由の脱-自性 シェリングの「Ekstase」をめぐってショーペンハウアーのシェリングへの態度/『エアランゲン講義』における永遠なる自由/「Ekstase」における自由/自己根拠的な次元を超えて//
  意志の自由と想像/構想の活動 ベーメの「Imagination」を手引きとしてベーメとショーペンハウアー/底無き「唯一なる意志」/神の「Imagination」/底無き和合の共-想像/構想/意志の自由としての共-想像/構想//
結/あとがきなど、
260ページ。

………………………

 ジョン・フレデリック・ウィリアム・ハーシェル(1792-1871);

Michael J. Crowe, “Herschel, John Frederick William (1792-1871)”, Encyclopedia of Cosmology. Historical, Philosophical, and Scientific Foundations of Modern Cosmology, 1993, pp.269-273

 父のウィリアム・ハーシェルについては→こちらを参照:「ロココ、啓蒙思想など(18世紀)」の頁の「ウィリアム・ハーシェル」の項
………………………

 ハインリヒ・ハイネ(1797-1856)と〈流謫の神々〉その他;

ハインリヒ・ハイネ、小沢俊夫訳、『流刑の神々・精霊物語』(岩波文庫 赤 418-6)、岩波書店、1980
原著は Heinrich Heine, Elementargeister, 1835-36 / Götter im Exil, 1853
精霊物語/流刑の神々など、
216ページ。


 ちなみにハイネに倣って、〈流謫の神々〉系とでも呼べそうな範疇を認めることができるでしょうか;

ジャン・レー、篠田知和基訳、『マルペルチュイ』(1943)、1979

ダグラス・アダムス、安原和見訳、『長く暗い魂のティータイム』(1988)、2018

ニール・ゲイマン、金原瑞人・野沢佳穂訳、『アメリカン・ゴッズ』(2001)、2009

マリー・フィリップス、青木千鶴訳、『お行儀の悪い神々』(2007)、2009

オーエン・コルファー、安原和美訳、『新 銀河ヒッチハイク・ガイド』(2009)、2011

 ゲイマンの『アメリカン・ゴッズ』の「謝辞」に、
「第1稿を書き上げたあとで気づいたのは、ほかにも多くの作家が、作者よりもずっとまえから同じテーマに取り組んでいたということだ。とくに、作者が大好きな古風な作家、ジェイムズ・ブランチ・キャベルはそうだし、いまは亡きロジャー・ゼラズニィもそうだ。そしてもちろん、比類なき作家であるハーラン・エリスンも、『死の鳥』という作品集のなかで同じテーマを扱っている」
 とありました(下巻、pp.436-437)。

 キャベルについて見る機会のあったのは;

J.B.キャベル、杉山洋子訳、『夢想の秘密』(世界幻想文学大系 29)、国書刊行会、1979

原著は James Branch Cabell, The Cream of the Jest, 1917

 他に『ジャーゲン』(1918)が1952年に邦訳されているとのことですが、未見。
 『夢想の秘密』を最終巻とし、『ジャーゲン』も含む18巻からなる『マニュエル伝』(1927-30)のことを指しているのでしょうか。
追補;
 『ナイトランド・クォータリー』、vol.20、2020.4:『バベルの図書館』所載の
岡和田晃、「幻想文學の必修科目 - ジェイムズ・ブランチ・キャベル《マニュエル伝》」(p.158)
 によると、『ジャーゲン』と『イヴのことを少し』の訳が国書刊行会から2019年刊行(未見)、『土の人形』が続刊予定とのことでした。 続くページからは
ジェイムズ・ブランチ・キャベル、垂野創一郎訳、「デミウルゴスについて」
 が掲載されていました(pp.159-171)。
「『マニュエル伝』の第一巻『生の彼方に(Beyond Life)』(1919)の第二章のみを訳出したもの…(中略)…この『生の彼方に』は小説形式の長篇エッセイで…(中略)…ここで語られているのは『人はなぜ物語が必要なのか』『物語はなぜリアリズムであってはならずロマンスでなくてはならないのか』」
 とのことです(訳者、「note」、p.171)。タイトルの〈デミウルゴス〉はプラトーンやグノーシス諸派でのそれではなく、ロマンスの制作者を指します。


 ゼラズニイについては 『わが名はコンラッド』(1966)や『光の王』(1967)他が念頭に置かれているのでしょうか→こちらも参照:「近代など(20世紀~) Ⅴ」の頁の「ゼラズニイ」の項

ハーラン・エリスン、伊藤典夫訳、『死の鳥』(ハヤカワ文庫 SF2085)、早川書房、2016

 は日本で編集された短篇集ですが、その「解説」中に、「この中篇(『死の鳥』)を中心に、同傾向のテーマの短篇を集めた『死の鳥の物語』」とありました(pp.404-405)。ゲイマンが挙げているのはその

Harlan Ellison, Deathbird Stories : A Pantheon of Modern Gods, 1975
 で、元の形で全訳はされていないようですが、序+19篇中、邦訳『死の鳥』には

「鞭打たれた犬たちのうめき」(元の形では1番目)

「プリティ・マギー・マネーアイズ」(7)

「竜討つものにまぼろしを」(10)

「北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中」(18)

「死の鳥」(19)

 の5篇が収められています。
 この内「鞭打たれた犬たちのうめき」は元の副題『近代の神々の万神殿』に見合う、近代に誕生した新たな神の話です。
 「北緯38度54分、西経77度0分13秒 ランゲルハンス島沖を漂流中」は〈狼男〉ロレンス・タルボットが主役で、エリスンの『狼男』讃とあわせて→こちらおよびそちらに挙げておきます。
 また「死の鳥」はたぶんにグノーシス主義的な色合いが濃いので、→あちらに挙げておきます:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「おまけ」。
 同じく日本での編集による

ハーラン・エリスン、伊藤典夫・他訳、『ヒトラーの描いた薔薇』(ハヤカワ文庫 SF2122)、早川書房、2017

 には

「バシリスク」(6)(受苦せる人物が、マールス神のペットであるバシリスクと感応するという話)

「血を流す石像」(12)(ビルの上方に飾られた石像がいかなる要因によるものか、命を得て、殺戮の限りを尽くすという、ただそれだけの話)

「苦痛神」(15)(宇宙中の生きとし生けるものに苦痛を与えることを任とする神の話。彼の上位には〈エトス族〉がいる。この点は下掲『世界の中心で愛を叫んだけもの』所収の「ピトル・ポーウォブ課」と比べられるでしょうか)

 の3篇(この他、下掲の「大理石の上に」、天国と地獄が舞台で神(々)も登場する表題作、とある受苦の宿命を背負った人物の話「睡眠時の夢の効用なども参照」)、
 またこちらは元の形通りらしき先立つ短篇集、

ハーラン・エリスン、浅倉久志・伊藤典夫訳、『世界の中心で愛を叫んだけもの』、1979

 には

「101号線の決闘」(2)(自動車同士の決闘が公認された世界のお話。深読みすれば、生贄であるところの王の交代劇となるでしょうか)

「ガラスの小鬼が砕けるように」(9)(とある屋敷に住む若者たちが精霊に変容してしまう話)

「名前のない土地」(14)(逃亡者がプロメーテウスと交替する話。ちなみに『ヒトラーの描いた薔薇』所収の「大理石の上に」もプロメーテウスにまつわるお話でした)

 の3篇が既に収録されていました(この他、「眠れ、安らかに」、「鈍いナイフで」などに、やはりある種の受難者の姿が描かれています)。

マイケル・スコット、橋本恵訳、『錬金術師(アルケミスト)ニコラ・フラメル』、理論社、2007
原著は Michael Scott, The Alchemyst : The Secrets of the Immortal Nicholas Flamel, 2007

マイケル・スコット、橋本恵訳、『魔術師(マジシャン)ニコロ・マキャベリ 〈アルケミスト2〉』、理論社、2008
原著は Michael Scott, The Magician : The Secrets of the Immortal Nicholas Flamel, 2008

マイケル・スコット、橋本恵訳、『呪術師(ソーサレス)ペレネル 〈アルケミスト3〉』、理論社、2009
原著は Michael Scott, The Sorceress : The Secrets of the Immortal Nicholas Flamel, 2009

マイケル・スコット、橋本恵訳、『死霊術師(ネクロマンサー)ジョン・ディー 〈アルケミスト4〉』、理論社、2011
原著は Michael Scott, The Necromancer : The Secrets of the Immortal Nicholas Flamel, 2010

マイケル・スコット、橋本恵訳、『魔導師(ワーロック)アブラハム 〈アルケミスト5〉』、理論社、2012
原著は Michael Scott, The Warlock : The Secrets of the Immortal Nicholas Flamel, 2011

マイケル・スコット、橋本恵訳、『伝説の双子ソフィー&ジョシュ 〈アルケミスト6〉』、理論社、2013
原著は Michael Scott, The Enchantress : The Secrets of the Immortal Nicholas Flamel, 2012

 全6巻というのはいささか長すぎるような気もしますが、設定にはなかなか面白がれるところがあります;
 人類以前に地球は「エルダー族
Elders 」によって支配されていた。その本拠は「ダヌー・タリス Danu Talis 」という大陸にあったが、沈んでしまい、今はアトランティスと呼ばれている(第1巻33章;p.363、第6巻巻末の「読者のみなさんへ」)。
 エルダー族には古層のグレート・エルダー族と一般のエルダー族、ダヌー・タリス沈没以後の第二世代の区別があるが、神話の神々として崇拝された者たちもいた。第1巻だけでもケルト神話からスカアハとモリガン、エジプト神話のバステト(なので→こちらでも挙げました:「エジプト」の頁の「おまけ」)、ギリシア神話のヘカテに北欧神話の宇宙樹イグドラシル(なので→そちらでも挙げました:「北欧、ケルト、スラヴなど」の頁の「おまけ」)などが登場、こうした面子はその後もぞろぞろ増えていきます。
 またこの世界は数多くの「シャドウレルム shadowrealm 」とつながっている。「交差点ともよばれる」シバルバ(第4巻5章;p.42、第5巻1章;p.15、名はマヤの神話より)をはじめとして、ポケット宇宙めいた異世界シャドウレルムごとにその性格や時間の進行が異なり、後には地球もシャドウレルムの一つと呼ばれたりしていました(たとえば第4巻25章;p.143、第5巻17章;p.125)。(→そちらの2(「ピラネージ《牢獄》より」の頁の「おまけ」で、スザンナ・クラーク『ピラネージ』における〈分流世界〉に関連して)や、そちらの3(劉慈欣『三体』三部作へのメモの頁)で触れました)。
 人間の内にはエルダー族によって、あるいは他の方法で不死の身となった者たちがいる。本連作に登場する人間は主人公の双子の姉弟を除いて、ほとんどがその範疇に含まれます。ちなみに第4巻では「二天」こと宮本武蔵が加わります(第4巻29章;p.164)。ついでながら、日本の鬼が第5巻28章;p.215、ヌエが同第31章;p.244で言及されます。
 そうした不死者である錬金術師ニコラ・フラメル(→あちらも参照:「錬金術など」の頁)とその妻ペレネルをやはり不死のジョン・ディー(→ここも参照:「ルネサンス、マニエリスムなど(15~16世紀)」の頁の「ジョン・ディー」の項)が襲撃し、フラメル夫妻が所持していた『コデックス』とも呼ばれる『アブラハムの書』を強奪するところからお話は始まります。
「『アブラハムの書』は人類より古い言語で書かれており、その言語はつねに形を変えながら動いている。大量の知識があんなに薄い本におさまっているのは、そのせいだ」(第2巻9章;p.84)、「文字は、数学的にきちんと決まった順番で変化する。…(中略)…星や天体の動きと月の満ち欠けに連動している」(第2巻22章;p.223)
という、これまた興味深い代物です。
 他方、随処でエルダー族より遡る歴史のあることがほのめかされていたのですが(たとえばイドグラシルの根に封じられていたニドホグは、「おそらく地球より古い」(第2巻34章;p.321)とされます)、第3巻では「アルコン族
Archon 」が登場、「エルダー族より前に、十二人のアルコン族が地球を支配していた」とのことです(第3巻32章;p.278)。第4巻36章でさらに古い古代族、「さらにその前の地神族 Earthlords が支配する〈時なき時の時代〉」(同42章;p.259)のことが記されます。
 
〈Archon〉の名称がグノーシス主義由来らしき点とともに、「古き者」(第1巻10章;p.103)とも呼ばれる〈Elders〉という呼び名、第2巻7章(p.61)で登場するダゴン、第4巻36章と第6巻74章での「名もなき都市」、名のみ言及される「マッドネス山脈」(第6巻54章;p.409)などは、クトゥルー神話と関係があるのでしょうか?
 エルダー族にせよ不死者にせよ、その性格づけがあまりに人間的なのはどうかとも思うのですが、他方、「ピーター・ガブリエルやジェネシス、ピンクフロイド…(中略)…マイク・オールドフィールドとブライアン・イーノ」(第1巻、p.322)、「ピンクフロイドの伝説のアルバム『狂気』」(第4巻9章;p.66)、「ジェスロ・タル…(中略)…ジョニ・ミッチェル」(同;p.67)、「イサオ・トミタとか、コドウとか、キタロウとか」(第4巻53章;p.354)などの名が挙げられる点をもって、帳消しと見なせるでしょうか。
………………………

 オノレ・ド・バルザック(1799-1850);

H・ド・バルザック、沢崎浩平訳、『セラフィタ 世界幻想文学大系 6』、国書刊行会、1976
原著は Honoré de Balzac, Séraphîta, 1834
セラフィトゥス/セラフィタ/セラフィタ=セラフィトゥス/聖所の雲/別れ/天国に至る道/昇天など、
264ページ。

 →こちらにも挙げておきます:「天使、悪魔など」の頁の「おまけ


西岡範明、「バルザックの神秘思想」、『ユリイカ』、vol.6-9、1974.7.20:「総特集 オカルティズム」、pp.186-191

ガストン・バシュラール、「『セラフィタ』」、『火の精神分析』、1978、pp.243-256

沢崎浩平、「天使の性をいかに描くか - バルザック『セラフィタ』の場合 -」、『夜想』、no.21、1987.7:「特集 天使」、pp.83-89

 『「絶対」の探求』(1834)は→こちらに挙げておきます:「錬金術など」の頁の「おまけ
………………………

 グスターフ・テオドール・フェヒナー(1801-1887);

福元圭太、「魂の計測に関する試論 - グスターフ・テオドール・フェヒナーとその系譜(1) -」、『かいろす』、no.47、2009.11.27、pp.33-48 [ < 九州大学附属図書館

  同、 「フェヒナーにおけるモデルネの『きしみ』 - グスターフ・テオドール・フェヒナーとその系譜(2) -」、『言語文化論究』、no.26、2011.2.7、pp.1-21 [ < 同上 ]

  同、 「『ツェント・アヴェスター』における賦霊論と彼岸 - グスターフ・テオドール・フェヒナーとその系譜(3) -」、『言語文化論究』、no.28、2012.3.2、pp.121-134 [ < 同上 ]

福元圭太、「『精神物理学原論』の射程 : フェヒナーにおける自然哲学の自然科学的基盤」、『西日本ドイツ文学』、no.24、2012.11.30、pp.13-27 [ < 九州大学附属図書館 ]

グスタフ・フェヒナー、服部千佳子訳、『フェヒナー博士の死後の世界は実在します』、成甲書房、2008
 邦訳の底本は Gustav Fechner, The Littele Book of Life after Death, 1904
 原著は1836年初版
人は三度生きる/永遠で不滅なもの/人の内部に入り込む霊たち/高次元の霊と人類の発達/死者があなたのもとを訪れる/霊的世界の究極の姿/霊的人生における高次元の交流/天国が見えるようになる/永遠の存続を定めた法則/なぜ幽霊を恐れるのか/魂を信じる、あなた自身を信じる//
解説(ウィリアム・ジェームス)など、
160ページ。


 上の邦訳での解説の執筆者であるジェイムズにはまた;

ウィリアム・ジェイムズ、吉田夏彦訳、『多元的宇宙 W・ジェイムズ著作集 6』、1961(デジタル・オンデマンド版、2014)、pp-103-135:「第4講 フェヒナーについて」

 同書中他の箇所でもフェヒナーに言及されます。またあわせて;

伊藤邦武、『ジェイムズの多元的宇宙論』、2009、pp.191-214:第Ⅱ部第2章1「フェヒナーの宇宙像」

 W・ジェイムズのフェヒナー論が大きな役割を果たすのが、「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「ブラックウッド」の項で挙げた;

アルジャナン・ブラックウッド、八十島薫訳、『ケンタウロス』、1976

岩淵輝、『生命(ゼーレ)の哲学 知の巨人フェヒナーの数奇なる生涯』、春秋社、2014
序//
誕生から学生時代まで(1801年-1830年頃);小村の牧師の家に生まれる/医学部入学と医学への失望//
ゼーレの探求者への道(1830年頃-1848年頃);苦学の中で物理学講座の正教授に/人はこの世に三度生きる/光を恐れる奇病との闘い/フェヒナーの親戚だった音楽家シューマン夫妻/植物にも生の息吹(ゼーレ)がある//
精神物理学と光の世界観(1848年頃-1887年);1848年前後の物質主義の躍進/物質主義全盛の時代に抗して/フェヒナーの法則を発見し精神物理学の創始者に/実験美学の創始とダーウィン進化論批判/霊媒師に騙されたフェヒナー/後世におけるフェヒナーの崇拝者、フロイトとマーラー/最晩年のフェヒナーなど、
432ページ。

v. ヴィクトル・ユゴー(1802-1885)など

 ユゴーの『サタンの終わり』のことを初めて知ったのは、


カート・セリグマン、『魔法 - その歴史と正体』、1961

 の p.232 でした(書名は挙がっていませんでしたが)。
 『サタンの終わり』は今のところ邦訳を見つけられないでいます。そこで;

Victor Hugo, La légende des siècles. La fin de Satan. Dieu, édition établie et annotée par Jacques Truchet, Bibliothèque de la Pléiade, Gallimard, 1950
『諸世紀の伝説 サタンの終わり 神』
諸世紀の伝説(第1集:1859、第2集:1877、第3集:1883)/サタンの終わり(歿後1886刊)/神(歿後1891刊)など、
1358ページ。


 →こちらにも挙げておきます:「天使、悪魔など」の頁の「おまけ

 また、『諸世紀の伝説』については、

村上曉子、「オディロン・ルドンと想像力絵画の諸問題(1)」、『美術史』、no,84、1972.3、pp.119-142

 の随所で引用されている諸節に惹かれたのでした。
 こちらも全訳はされていないようですが、部分訳として;


辻昶・稲垣直樹・小潟昭夫訳、『ヴィクトル・ユゴー文学館 第1巻 詩集』、潮出版社、2000

 の pp.139-185:「諸世紀の伝説」として第1集から
「女性の聖別式」、
「良心」、
「眠れるボアズ」、
「父親殺し」、
「王女の薔薇」、
「哀れな人々」、
「大空」(抄)、
 同じく第1集から pp.331-354:
「サテュロス」
 を所収


杉山正樹、「ヴィクトル・ユゴに於ける宇宙開闢論 - 人間の誕生を中心として-」、『研究年報/学習院大学文学部』、no.7、1961.3.31、pp.233-281 [ < 学習院学術成果リポジトリ

渡辺誠一、「ヴィクトル・ユゴーの『悪』について」、『明治大学大学院紀要』、no.8、1970.12.24、pp.931-945 [ <明治大学学術成果リポジトリ

渡辺誠一、「ヴィクトル・ユゴーの『サタンの終り』」、『明治大学教養論集 』、no.101、1976.2.1、pp.1-42 [ <明治大学学術成果リポジトリ ]

渡辺誠一、「ヴィクトル・ユゴーの『サテュロス』 - サテュロスと神々 -」、『明治大学教養論集 』、no.124、1979.2.1、pp.35-71 [ <明治大学学術成果リポジトリ ]

渡辺誠一、「ヴィクトル・ユゴーの『神』 - 『神』の構造 -」、『明治大学教養論集 』、no.160、1983.2.1、pp.67-94 [ <明治大学学術成果リポジトリ ]

渡辺誠一、「ヴィクトル・ユゴーの『神』 - 未完成 -」、『明治大学教養論集 』、no.171、1984.2.28、pp.61-81 [ <明治大学学術成果リポジトリ ]

稲垣直樹、『ヴィクトル・ユゴーと降霊術』、水声社、1993
プロローグ/それは、こうして始まった……/それは、現在を映す鏡なのか?/それは、未来を映す鏡なのか?/ほんとうに霊がしゃべるのか?/降霊術の本質は何か?/テーブルが作品を書く?/ユゴーには「ゴースト」ライターがいた?/比較文化の視点から/エピローグなど、
260ページ。


稲垣直樹、「ユゴーとグノーシス主義」、『グノーシス 異端と近代』、2001、pp.161-173

稲垣直樹、『フランス〈心霊科学〉考 宗教と科学のフロンティア』、2007、「第2章 創造的シンクレティズムの時空-ヴィクトル・ユゴーの「降霊術」体験」 

安齋千秋、『フランス・ロマン主義とエゾテリスム』、1996、pp.207-244:「三 その三 ユゴーのエゾテリスト的稟質 - ジャージー島での心霊術体験 -」

黒死館逍遙 別巻 まぼろしたてもの考 Ⅱ 「ノートルダム・ド・パリ」を読む』、2012

 なお、ユゴーは魅力的な素描の描き手でもありました。その一例
こちら(《十字架のある城》(1850)の頁や、
 そちら(《二つの城》》(1850)の頁、
 あちら(ユゴー《三つの塔がある城のシルエット》(切り抜き絵・型紙、1855)の頁、
 ここ(《夜に照明された城》(1856)の頁、また
 そこ(《公正(正義)》(1857)の頁
を参照。また
あそこ(『ノートル=ダム・ド・パリ』/「怪奇城の地下」の頁の「追補」)や、
 こっち(同上/「怪奇城の高い所(後篇) - 塔など」の頁)
でも触れました。

vi. 個々の著述家など Ⅲ 

ブルワー=リットン(1803-1873 
ブランキ(1805-1881 


 エドワード・ブルワー=リットン(1803-1873);

ブルワー・リットン、平井呈一訳、「幽霊屋敷」、『怪奇小説傑作集 1 英米編Ⅰ』(創元推理文庫 F ン 11)、東京創元社、1969/2006、pp.9-81
原著は Edward Bluwer-Lytton, “The Haunted and the Haunters, or The House and the Brain”, 1859

 ジョン・ランディス編、宮﨑真紀訳、『怖い家』、エクスナレッッジ、2021、pp.37-72
 (同じ編者による→こちらを参照:「怪奇城の外濠」の頁の「iii. 怪奇映画とその歴史など

 エドワード・ブルワー=リットン、「幽霊屋敷と幽霊屋敷ハンター」
として別訳が収録されていたので、久しぶりだと読んでみたところ、平井呈一訳版の「解説」で、
「後半に謎の不死の人物が出てきて、主人公と神秘哲学の問答をするくだりがありますが、あすこがじつは作者の言いたいミソなのであります」(p.458)
とされていた部分が抜けていました。平井訳で p.63 以降です。宮﨑訳の「収録作家略歴・補遺」に、
「本作には、怪奇現象の謎解きとなる後日談が加えられた版もある」(p.344)
とあったのが、平井訳の底本ということなのでしょう。
 あらためて読んでみて印象的だったのは(すっかり忘れていたので)、
「幽霊が出るのは、世人の説とは逆に、あれは自然の法則によって出るもので、けっして超自然なことではない」(平井訳、p.35)
という語り手が開陳する議論でした;
「…(前略)…かつてこの家で企てられ、その家で行なわれた罪深い思考と行為を、怪異のうちに再現もします。…(中略)…つまり、むかしその家で演じられた古い芝居の、不完全な、バラバラな、断片的なきれっぱしにすぎません」(pp.70-71)
というくだりは、『幽霊屋敷の蛇淫』(1964)、『リサと悪魔』(1973)、『セリーヌとジュリーは舟でゆく』(1974)などを思い起こさせずにいません。またランディス編のアンソロジー『怖い家』に収録された作品の内、ブラックウッドの「空き家」(1906)やM・R・ジェイムズの「呪われた人形の家」(1923)でも、過去に起きた出来事が再現・反復されるという現象が描かれていました。
 なおこの小説には、ルドンが挿絵を寄せています(1896、リトグラフ、扉絵+6点)。
『ルドンをめぐる巨匠たち』展図録、岐阜県美術館、熊本県立美術館、広島県立美術館、1985-86、p.203/M160-164、p.205/M165-166、p.211
 また
『オディロン・ルドン展』図録、東京国立近代美術館、兵庫県立美術館、愛知県美術館、1989、p.195/cat.nos.195 a, b(Ⅰ、Ⅱのみ)

エドワード・ブルワー=リットン、小澤正人訳、『来るべき種族』(叢書・エクリチュールの冒険)、月曜社、2018
原著は Edward Bluwer-Lytton, The Coming Race, 1871

 邦訳は2007年刊の自費出版本に加筆修正したもの
………………………

 ルイ=オーギュスト・ブランキ(1805-1881);

A.ブランキ、M.アバンスール・V.プロス編、浜本正文訳、『天体による永遠』、雁思社、1985
原著は Auguste Blanqui, Instructions pour une prise d'armes, l'éternité par les astres et autres textes, établis et présentés par Miguel Abensour et Valentin Pelosse, 1972
 ブランキの原本は1872年初版
序 天文学と革命(河野健二)//
天体による永遠 - 天文学的仮説 -(A.ブランキ);宇宙-無限/無際限/星々との限りない距離/天体の物理的組成/ラプラスの宇宙生成論に対する所見-彗星/世界の起源/宇宙の分析と総合/エピローグ//
『天体による永遠』をめぐるジャーナリズムの反響/幽閉者の解放(M.アバンスール)//
付録;『天体による永遠』の第2版用プラン/M.ドマンジェと「ブランキ監獄年表」//
訳者解説など、
280ページ。

vii. ジェラール・ド・ネルヴァル(1808-1855)など

 ネルヴァルについてもいろいろあるのでしょうが、とりあえずは「朝の女王と精霊たちの王ソリマンの物語」と「オーレリア」ということで;

ネルヴァル、野崎歓・橋本綱訳、「東方紀行」、『ネルヴァル全集 Ⅲ 東方の幻』、筑摩書房、1998、pp.3-593
原著は Gérard de Nerval, Le voyage en orient, 1851
序章;東方へ//
カイロの女たち;コプト式結婚/女奴隷たち/ハレム/ピラミッド/帆かけ舟/サンタ=バルバラ号/山岳地帯//
ドルーズ派とマロン派;レバノンの王子/囚われの人/カリフ・ハーキムの物語/アッカルたち、アンチ=レバノン山脈/エピローグ//
ラマダンの夜;スタンブールとペラ/劇場と祭り/講釈師たち/バイラム//
補遺

 「朝の女王と精霊たちの王ソリマンの物語」は「ラマダンの夜 Ⅲ 講釈師たち」に含まれています(pp.436256-531)。

 また、ドゥルーズ派に関連して→こちらにも挙げておきます:「イスラーム Ⅲ」の頁の「ドゥルーズ派」の項

 別訳は

G.ド・ネルヴァル、篠田知和基訳、『東方の旅』(上下)(世界幻想文学大系 31A/B)、国書刊行会、1984
上巻、402ページ、
下巻、434ページ。


ネルヴァル、田村毅訳、「オーレリア あるいは夢と人生」、『ネルヴァル全集 Ⅴ 夢と狂気』、筑摩書房、2003、pp.45-111
原著は Gérard de Nerval, Aurélia ou le rêve et la vie, 1855、第2部は歿後公刊
[第1部]/第2部/オーレリア草稿

 また、

ネルヴァル、入沢康夫訳、「幻視者 あるいは社会主義の先駆者たち」、『ネルヴァル全集 Ⅳ 幻視と綺想』、筑摩書房、1999、pp.11-320
原著は Gérard de Nerval, Les illuminés ou les précurseurs du socialisme, 1852

 →細目はこちら:「ロココ、啓蒙思想など(18世紀)」の頁の「vi. ヴィアット『ロマン主義の隠秘学的源泉(1770-1820)』(1979)など


岡隆、「Nerval の Cainisme について」、『長崎大学教養部紀要 人文科学篇』、vol.2 no.1、1962.3.31、pp.18-34 [ < 長崎大学 学術研究成果リポジトリ

『思潮』、no.6、1972.7.1、「テーマ G・ド・ネルヴァルと神秘主義」
ネルヴァル像への接近(入沢康夫・渋沢孝輔・稲生永)//
ネルヴァルの黒い太陽 『オーレリア』の黙示文学性(稲生永)/オルフィスムとその周辺 再生の憧憬・永遠の女性・冥界下り(大浜甫)//
偶然・夢・狂気・現実 ネルヴァルにおける認識論的懐疑(井田三夫)/夜の彷徨 『十月の夜』と漂泊のテーマ(篠田知和基)/散策游行をめぐる閑談 旅立ちからロマン派的カーニヴァルまで(小浜俊郎)//
象徴学とカバラ・マソニスムと数知学 作品典拠としての秘教諸説(ジャン・リシェ)/ロマン的魂と夢 生の変容と存在の開示(アルベール・ベガン)/夢想による円環の構造 錯乱する時間と空間(ジョルジュ・プーレ)//
昼盲者ネルヴァル 夢幻宇宙の深層(ルネ・ドーマル))/不眠の祝聖と夢の色彩について サント・ブーヴに反論して(マルセル・プルースト)//
同時代の証言 狂死の謎を巡って(アルセーヌ・ウーセィ)//ネルヴァルとゴーティエ ルーベンス風の女性を求めて(井村実名子)//
王者の末裔 ネルヴァルとリラダン(齋藤磯雄)/似肖 ネルヴァルとボードレール(金子博)/ケルト神話をめぐる覚書 自然渇仰と不滅再生について(饗庭孝男)/括弧の中の暗闇 ネルヴァルのもどかしさ(安藤元雄)/『オーレリア』再読 ネルヴァルとわたし(生田耕作)/薄命の四時間 パリからロワジイへ(鈴村和成)など、
290ページ。


稲生永、「隠秘思想の誘惑 ジェラール・ド・ネルヴァルの場合」、『ユリイカ』、vol.6-9、1974.7.20:「総特集 オカルティズム」、pp.168-185
磁気催眠術(マニェチスム)の夕べ(1840年冬の体験)/眼の落ち窪んだ女のすがたの予兆(1841年2月の体験)/「オリエントの方へ!」 - 狂気の発作(1841年2月)/ぼくは皇帝ヨゼフ・ボナパルト王の私生児だ - 手相術の試み(1841年3月)/ぼくの体内にナポレオンの霊魂がのりうつって……(1853年8月の体験)/夢解きの書『オーレリア』/俺は牡蠣だ!(ゴーチエ)/小さな四角い紙切れ/200巻の書物からなるバベルの塔(1853年8月)/原初の調和の回復

稲生永、「ネルヴァルと古代インド思想の幻(Ⅰ) - 『オーレリア』研究 -」、『立教大学フランス文学』、no.5、1975.3、pp.11-37 [ < 「立教大学フランス文学」データベース ]

 同、  「ネルヴァルと古代インド思想の幻(Ⅱ) - 『オーレリア』と『ウパニシャッド』 -」、『立教大学フランス文学』、no.6、1976.3、pp.17-52 [ < 同上 ]

 同、  「ネルヴァルと《エメラルド聖板》の幻 - 『オーレリア』研究 -」、『立教大学フランス文学』、no.10、1981.3.20、pp.1-22 [ < 同上 ]

『カイエ』、vol.2 no.2、1979.2、pp.47-247:「特集・ネルヴァル 幻視者の系譜」
獄中記-1832年、サント=ペラジー(ネルヴァル)/ボードレールとネルヴァル(河盛好蔵)/黒い太陽(佐藤朔)/回想のネルヴァル(菅野昭正)/透し彫り(抄)(アンドレ・ブルトン)/幻のフュナンビュール(井村実名子)/女王の幻 - ネルヴァルの女性神話(稲生永)/ネルヴァル奇聞(ギョーム・アポリネール)/ジェラール・ド・ネルヴァル(ジャン・ジロドゥ)/ネルヴァルとドイツ文学(飯吉光夫)/『幻想詩篇』傍題(土岐恒二)/討議 ネルヴァルと日本文学(中村真一郎・篠田一士・入沢康夫・井村実名子)/鍵と烏と角燈 - ネルヴァルの死んだ場所(入沢康夫)/ネルヴァル/ペルスヴァル - 『オーレリア』と『聖杯の物語』(天沢退二郎)/エリュアールの見たネルヴァル(支倉寿子)/前世の記憶-ボスコとネルヴァル(有田忠郎)/狂気の言語 - ミクロ・レクチュールの試み 「ローレライ」序章をめぐって(篠田知和基)/「螺旋」と「渦巻」(イェイツ・ノート 2) - ネルヴァルとイェイツ一斑(出淵博)/『幻想詩篇』論(アントナン・アルトー)/ネルヴァルを読むアルトー(田村毅)/ウィーンの恋-反カザノヴァから反ドン・ジュアンへ(小林茂)/ヘレネ、アリラ、リリト(大浜甫)/『幻想詩篇』の二大ソネ(フランソワ・コンスタン)

稲生永、「神秘と幻想 - フランス・ロマン派の場合」、『理想』、no.565、1980.6:「特集 神秘主義」、pp.59-71
夢または地獄下り/万物照応/オーレリア/女神イシスの幻/ナポレオン崇拝または霊魂の転移/謎の墓碑銘アエリア・ラエリア・クリスピス

入沢康夫、『ネルヴァル覚書』、花神社、1984
序詩 銅の海辺で/序章 マケイシュバラの笛/東方(ヽヽ)への旅/「狂気」と「旅」のはざまで/よみがえった死者 */**/***/ナポリの一夜 */**/***/菫色の薔薇・深淵の聖女 */**/***/瀆聖への叱責/一枚の草稿の謎 */**/***/愛神の島にて/小説『阿呆大王』はいつ書かれたか/古い土地・古い歌 */**/詩の領土など、
294ページ。

 同じ著者による→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「入沢康夫」の項


大濱甫、『イシス幻想 ネルヴァルの文学とロマン主義の時代』、芸立出版、1986
運命;青春/愛/旅/狂気//
作品;『アカデミーもしくは見つからぬ会員』/『ファウスト』第1部の翻訳/『ピヰッロ』/『レオ・ビュルカール』/『ジェニー・コロン宛書簡』/『コリッラ』/『ウィーンの恋』/『ファウスト』第2部の翻訳/『多島海』/『暁の女王と精霊の王ソロモンの物語』/『イシス』/『ジャック・カゾット』/『モンテネグロ人』/『ハイネの詩』/『ファイヨール侯爵』/『カリオストロ』/『クィントゥス・オークレール』/『ハールレムの版画師』/『ド・ビュコワ神父の物語』/『オクタヴィ』/『十月の夜』/『シルヴィ』/『パンドラ』/『オーレリア』//
死後;晩年・死/作品集/ネルヴァル復興など、
456ページ。


安齋千秋、『フランス・ロマン主義とエゾテリスム』、1996、
 pp.13-39:「一 原初への復権 réintégration の夢- ネルヴァルの『物言う鳥』」、
 pp.169-205:「三 その二 ネルヴァルと秘義結社」

井田三夫、『ネルヴァルの幻想世界 その虚無意識と救済願望』(慶應義塾大学法学研究会叢書 別冊[13])、慶應義塾大学出版会、2005
序論//
詩作品における二つの精神の流れ;初期詩篇『オドレット』試解 - 「祖母」、「従妹」について/詩作品における生への意識と死への意識の変遷・交錯-「従妹」から「オリーヴ山のキリスト」をへて「エル・デスディチャド」へ/「ファンテジー」から「黄金詩篇」をへて「アルテミス」へ//
偶然・夢・狂気・現実 - ネルヴァルにおける認識論的懐疑;アザール意識の変容 - 偶然の問題/「いまひとたび」の神話/夢・狂気・現実-認識論的懐疑へ//
空間的・心理的動性への欲求 - ネルヴァルの救済願望をめぐって;「移動」への欲求の諸相とその意義/意識の運動・志向性とその諸相//
罪責意識について - 『愛の書簡』『オーレリア』の精神的・宗教的意味;『愛の書簡』における罪責意識/『オーレリア』における罪責意識/倫理的罪責意識/形而上学的・宗教的罪責意識/最後に-罪責意識の精神的・宗教的意味//
『シルヴィ』の世界から『オーレリア』の世界へ - 虚無意識と救済願望の間;『シルヴィ』の世界とその〈虚無〉について-昼(生)の意識と夜(死)の意識の葛藤/『シルヴィ』について-ヒロインシルヴィをめぐって//
喪神意識と黒い太陽について - 『オリーヴ山のキリスト』と『オーレリア』の世界;喪神意識=虚無意識/「オリーヴ山のキリスト」とジャン=パウルの『ジーベンケース』の断章その他との比較/「黒々とした底無しの眼窩」=黒い太陽/喪神意識=求神意識 - ネルヴァルはニーチェの先駆者?//
ネルヴァルの死について;謎の死/矛盾/殉教/残された謎など、
506ページ。


 本頁上掲「ファーブル・ドリヴェ」のところで挙げた;

間瀬玲子、「ネルヴァルとファーブル・ドリヴェ - モーゼの宇宙進化論 -」、2005

 「ロココと啓蒙思想など(18世紀)」の頁の「クール・ド・ジェブラン」のところで挙げた;

間瀬玲子、「クール・ド・ジェブランの『原始世界』とネルヴァルの作品の関連性」、2006

 「バロックなど(17世紀)」の頁の「キルヒャー」のところで挙げた;

間瀬玲子、「ネルヴァルとアタナシウス・キルヒャー」、2011

辻川慶子、「ネルヴァル神秘主義再考 - 『幻視者たち』「ジャック・カゾット」における引用、歴史、断片の詩学 -」、『フランス語フランス文学研究』、no.94、2009.3.18、pp.93-105 [ < CiNii Articles

野崎歓、『異邦の香り - ネルヴァル「東方紀行」論』、講談社、2010
遊歩への誘い;異国憧憬/サイードからネルヴァルへ/フイユトニスト・ジェラール/文学の分かれ道/旅行記の歴史/遊歩者としての旅人/「ジェラール・ド・ネルヴァルの生きた墓」/ボードレールからネルヴァルへ//
旅人が名前を失うとき;巡礼者たち/きみへの手紙/名前のない旅人/気まぐれとジグザグ/馬車から馬車へ/裸の旅人/東方へ//
女の都;
女の匂い(オドール・ディ・フェミナ)/センチメンタルな旅人/旅のプリアピスム?/「典型」の罠/盛り場にて/遊歩する女/羊をめぐる冒険/接近と遁走//
女神の島;死の圏域へ/死者たちの国/絞首台の立つ光景/読書する旅人/夢の旅行記/幻想を絶たれた世紀の子/考古学者の当惑/旅の原理としての女神//
迷路の中へ;失望する旅人/夢の遊歩術/夢の素材/罪深きオリエンタリスト/二人の花嫁/フローベールと花嫁/かぐわしい迷路/エキゾチズムの彼方//
逆説と真理;花嫁探し/結婚相談とお見合い/逆説の効用/奴隷市場にて/オリエンタリズム絵画に抗って/外国語のレッスン//
奇想のピラミッドピラミッド接近/ピラミッド内部へ/古代秘儀をめぐる地下水脈/超演劇的スペクタクル/地下世界の生命/大砂塵//
レバノンの一角獣;さすらいの旅路/ベイルート、感覚の喜び/東方問題/歓待の掟/ジュネとネルヴァル/一角獣の幻影//
惑乱するカリフ;ドルーズ派の神/ハシッシュの誘惑/夢の共有/渦を巻く思考/神の化身たち/神々の祝祭/悲しき肉体//
夢の波;腰砕けのヒーロー/陶酔と眠り/夢の中の再会/『千一夜』的エクリチュール/スタンブールのカフェで/青銅が溶けて流れ出すとき/火の河//
地底世界とフロイト魔神的なものの影/魔物たちと地下世界/大洪水以前、アダム以前/幻想の図書館/ネルヴァルとフロイト/芸術家小説//
幻想的家系図;フリーメーソンの誘惑/東西文明の融和/世界の市民/秘密結社の考古学/系譜学的欲望/アカシアの木の下で/寡婦としての女神//
寛容の帝国;コンスタンチノープル到着/恐怖の帝国/首なし死体との遭遇/動き出す旅行記/賛美と消費/スルタンの憂愁/「その永続は間違いあるまい」/帝国から帝国へ//
蕩児の帰還;未刊の完結性/結婚か死か/素晴らしい瞬間/禁欲と再生/フランス語への帰還/旅人かへらず//
夜の果てへの旅;夜の魅惑/アンチロマン/危険な階級/作家の使命/面影の誘惑/天国の光景/夜の香り/死後の世界への旅/反オリエンタリズム/黒い太陽に照らされて、など、
440ページ。



 こちら(「魔法の手」(1832)に関し;『Meigaを探せ!』より、他・目次」の頁の『悪魔の手』(1943)のところ)や、そちら(伝ネルヴァルの「悪魔の肖像」に関し;「怪奇城の画廊(中篇)」の頁の「プロローグ」)、またあちら(デッド・カン・ダンス『』の「黒い太陽」に関し:『インフェルノ』(1980)の頁の「おまけの2」)も参照

viii. エドガー・アラン・ポー(1809-1849)など

ポオ、八木敏雄訳、『ユリイカ』(岩波文庫 赤 306-4)、岩波書店、2008
原著は E. A. Poe, Eureka. A Prose Poem, 1848
224ページ。

 別訳が;

牧野信一・小川和夫訳、「ユリイカ」、『ポオ全集 3』、東京創元社、1970(新装版)、pp.428-548

 同書にはまた;

ポール・ヴァレリイ、吉田健一訳、「『ユリイカ』をめぐって」、pp.813-828
原著は Paul Valéry, “Au sujet d'Euréka”, 1923

 ポオによる〈天上での対話〉(後出の子安惠子論文参照)は;

松原正訳、「エイロスとカルミオンとの対話」、同上、pp.279-285
“The Conversation of Eiros and Charmion”, 1839

松原正訳、「モノスとウナの対話」、同上、pp.294-305
“The Colloquy of Monos and Una”, 1841

松原正訳、「言葉の力」、同上、pp.406-411
“The Power of Words”, 1845

 また;

小泉一郎訳、「催眠術の啓示」、『ポオ全集 2』、東京創元社、1970(新装版)、pp.320-333
“Mesmeric Revelation”, 1844

花田清輝、「球面三角 - ポー -」(1941)、『復興期の精神』(1946)(講談社文庫 C43)、講談社、1974、pp.86-96/『花田清輝全集 第二巻』、講談社、1977、pp.299-308

 すぐ直前に配された次の論稿も合わせて;

花田清輝、「終末観 - ポー -」(1942)、『復興期の精神』、pp.81-85/pp.294-298


 また;

花田清輝、「鏡の国の風景」(1950)、『アヴァンギャルド芸術』(1954)、『花田清輝全集 第四巻』、講談社、1977、pp.129-162

 同じ単行本に収められた次の論稿も合わせて;

花田清輝、「境界線の移動について」(1950)、『アヴァンギャルド芸術』、『花田清輝全集 第四巻』、pp.86-102


 ちなみに;

花田清輝、「無構成の哲学 - エドガア・ポオ瞥見」(1930)、『花田清輝全集 別巻Ⅱ』、講談社、1980、pp.32-51


花田清輝、「家具の哲学」(1967)、『花田清輝全集 第十三巻』、講談社、1978、pp.328-329

 「球面三角」について、また同じ著者による他の参照先として→こちらにも挙げておきます:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「おまけ」。

八木敏雄、「ポーの〈時〉と〈時計〉」、『エピステーメー』、vol. 5 no.2、1979.2、「特集 時計 クロノスの変容」、pp.168-182

八木敏雄、「六 エドガー・アラン・ポーのゴシック世界」、『アメリカン・ゴシックの水脈』、1992、pp.137-184
眼のゴシック/『アーサー・ゴードン・ピムの物語』のゴシック度/ポーのSF/ポーのSF-『ユリイカ』

谷川渥、『形象と時間 クロノポリスの美学』、1986、pp.77-103:「第1部Ⅴ 崩壊の詩学 - ポオ試論」

竹村直之、『ポーの宇宙観 - その存在論 -』、鶴見書店、1994
The Bellsについて//
Eurekaについて;その思想面/ポーの宇宙感//
『ユウラリウム』のリフレインの意味//ポーと論理//ポーと思想//
ポーと埴谷雄高;ポーの存在論/「私とは何か」と「何が私であるのか」/ポーの思索的想像力//
ポーとスウェーデンボルグなど、
216ページ。


 ブレイクのところで挙げた;

竹村直之、「Views of the human imagination - ブレーク、ポー、スウェーデンボルグ -」、1996

子安惠子、「ポオの首尾一貫性をめぐって - ヴァレリーの視点から -」、『金城学院大学論集. 英米文学編』、no.37、1996.3.20、pp.57-74 [ < CiNii Articles

子安惠子、「Poe の三つの作品を読む」、『金城学院大学論集. 英米文学編』、no.38、1997.3.20、pp.85-103 [ < CiNii Articles

子安恵子、『美と宇宙の構築 Eureka 試論』、(発行者不記載)、1999
序論//
Eureka の兆し;詩/詩作法//
Eureka への道;フランスでの PoeCharles Baudelaire, 新たなる領域の発見/Paul Valéry, 首尾一貫性と直覚//
  
アメリカでの PoeT.S.Eliot, フランス的視点/Allen Tate, 天上の対話//
Eureka の宇宙創成;Eureka の萌芽//
  Eureka の概略;散文詩 Eureka のアプローチ/宇宙の"modus operandi"Newton の万有引力の法則、Laplace の星雲宇宙創成/Poe"modus operandi"Poe の宇宙創成説、未来への類推//
Eureka の本質;Eureka にみる自然観/Eureka のヴィジョン//
結論など、
262ページ。


子安惠子、「Eureka のプリズム性:三つのヴィジョンから」、『金城学院大学論集. 英米文学編』、no.41、2000.3.20、pp.107-126 [ < CiNii Articles

子安惠子、「コスモスとのつながり:ロレンスからポオへ」、『金城学院大学論集. 英米文学編』、no.42、2001.3.20、p.109-123 [ < CiNii Articles

子安惠子、「天上での対話、新たなる見地から」、『金城学院大学論集. 英米文学編』、no.43、2001、p.103-120 [ < CiNii Articles

子安惠子、「ポオの宇宙観、その萌芽をさぐる:『エノク書』との比較・考察」、『金城学院大学論集. 英米文学編』、no.44、2002、p.119-140 [ < CiNii Articles

山本常正、『エドガー・ポオ 存在論的ヴィジョン』、英宝社、1999
美の輪郭;「アル・アーラーフ」 - 言葉の世界/「ベレニス」 - 知覚する〈歯牙〉/「ヘレンに〈1848〉」 - 透明の天球/「アルンハイムの地所」 - 美の城//
炎の輪廻;「メッツェンガーシュタイン」 - 迷宮の森/「モレラ」 - 転位する夢想/「アッシャー家の崩壊」 - 『ユリイカ』光芒/「エレオノーラ」 - 解縛の迷妄/「黒猫」 - エロス/タナトス/「夢の国」 - 宇宙の子宮/「ユーラルーム」 - 記憶の墓//
超越の時空;「ライジィア」 - 屹立する翳/「沈黙」- 一つの寓話」 - 魔の力/「メエルシュトレエムに呑まれて」 - 海の眼球/「妖精の島」 - 神の庭/「モノスとウナの対話」 - 幻想時空/「大鴉」 - 明晰なる一つの
ILLUSION//
宇宙ヴィジョン『ユリイカ』;一般命題/原始微粒子/霊魂夢想/虚妄の宇宙/神々の空間/絶対への転位/『ユリイカ』評//
ポオとフランス象徴主義;ボオドレールのポオ・ヴィジョン/マラルメのポオ・ヴィジョン/ヴァレリーのポオ・ヴィジョン/希求するフォルムなど、
292ページ。


エドワード・ハリソン、『夜空はなぜ暗い? オルバースのパラドックスと宇宙論の変遷』、2004、「第Ⅲ部 第13章 エドガー・アラン・ポーの金色の壁」

宮川雅、「ポーの宇宙論と錬金術(九)」、『法政大学文学部紀要』、no.49、2004.3.2、pp.143-162 [ < 法政大学学術機関リポジトリ ]

  同、 「ポーの宇宙論と錬金術(十)」、『法政大学文学部紀要』、no.50、2005.3.1、pp.91-110 [ < 同上 ]

鷲津浩子、『時の娘たち』、南雲堂、2005
序論 「アメリカ」文学という謎//
アート アメリカン・テクノロジーへの道//
  からくり三態;二つの時計 ハーマン・メルヴィル「鐘楼」/機械じかけの蝶々 ナサニエル・ホーソン「美のアーティスト」/秘密箱・不思議箱 エドガー・アラン・ポウ「メルツェルのチェス・プレイヤー」//
  移動する基軸;海の空間・陸の時間 ハーマン・メルヴィル『ピエール』とクロノメター/空の座標 エドガー・アラン・ポウと気球//
ネイチャー 「自然」という名のヒストリー アメリカ自然誌の系譜//
  それぞれの自然誌;ナサニエル・ホーソン「ラパチーニの娘」/「進化」する自然誌 初期エマソンをめぐって//
  暗合/号する宇宙 エドガー・アラン・ポウ『ユリイカ』など、
330ページ。


 →こちらで少し触れています:「〈宇宙論〉と〈宇宙観〉など、若干の用語について」の頁

ミチオ・カク、斉藤隆央訳、『パラレルワールド』、2006、pp.40-41、p.68

野口啓子、『後ろから読むエドガー・アラン・ポー 反動とカラクリの文学』、彩流社、2007
序//
物語作家の挑戦 - カラクリをしかけるポー;はじめに『ユリイカ』ありき - 単純さへの熱望/楽園物語 - 詩人の夢/冒険物語 - アーサー・ゴードン・ピムの反転する世界/美女物語 - 精神と肉体の相克/推理小説 - 芸術と大衆のはざま//
北部文壇への挑戦 - 反動からアメリカ文学創生へ;「眼」をめぐる物語Ⅰ - 「私」の住処は頭か胴体か?/「眼」をめぐる物語Ⅱ - 信頼できない自己/「眼」をめぐる物語Ⅲ - 見つめ返す眼/ふたたび『ユリイカ』へ - 収縮する宇宙/膨張するアメリカなど、
282ページ。


村山淳彦、「末期の宇宙論作家」、『エドガー・アラン・ポーの復讐』、未来社、2014、pp.219-239:「付論 ポーとドライサー」の第3節
初出は「ドライサーとポー - 宇宙論作家として」、『英米文学を読み継ぐ - 歴史・階級・ジェンダー・エスニシティの視点から』、開文社出版、2012

 →こちらにも挙げておきます:「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「ドライサー」の項


 他の内容は;
まえがき - ポーと一人称/売文家の才気と慚愧/「アッシャー家」脱出から回帰へ/「群衆の人」が犯す罪とは何か/黒猫と天邪鬼/「盗まれた手紙」の剰余/「メロンタ・タウタ」の政治思想/ポー最後の復讐//
付論 ポーとドライサー;ポーの墓/ドライサーはポーの徒弟?など、
256ページ。

安藤礼二、『迷宮と宇宙』、2019、pp.3-33:「二つの『死者の書』 - 平田篤胤とエドガー・アラン・ポー」

 平田篤胤に関し→こちらにも挙げておきます:「日本 Ⅱ」の頁の「vii. 国学など

Hélène Tuzet, Le cosmos et l'imagination, 1965/1988, pp.115-120: Première partie - XII, "L'Univers-poème d'Euréka"

 ポーに触発されたものはいうまでもなく、ポー自身を登場させたフィクションも少なくないようですが、『ユリイカ』につながる宇宙論的な射程をもつものとして;

ルーディ・ラッカー、黒丸尚訳、『空洞地球』(ハヤカワ文庫 SF 942)、早川書房、1991
原著は Rudy Rucker, The Hollow Earth, 1990

 地球空洞説については→こちらも参照(「通史、事典など」の頁の「iii. 地学・地誌・地図、地球空洞説など」)
 ラッカーについて→そちらを参照(「近代など(20世紀~) Ⅱ」の頁の「v. ルーディ・ラッカー(1946- )など>」)

 また→こちらも参照(「イスラームⅢ」のページの「おまけ」) 

 「古城と怪奇映画など」>北島明弘『映画で読むエドガー・アラン・ポー』(2009)、
 および Bruce G. Hallenbeck, Poe Pictures, 2020
 さらに→こちら(『アッシャー家の末裔』、1928)やそちら(『プラーグの大学生』、1913)、またあちら(『黒猫』、1934)こなた(『大鴉』、1935)そなた(『アッシャー家の惨劇』、1960)、あなた(『恐怖の振子』、1961)、さらにこっち(『姦婦の生き埋葬』、1962)、そっち(『怪異ミイラの恐怖/黒猫の怨霊/人妻を眠らす妖術』、1962)、あっち(『忍者と悪女』、1963)、ここ(『怪談呪いの霊魂』、1963)そこ(『赤死病の仮面』、1964)、あそこ(『黒猫の棲む館』、1964)、またこちら(『吸血魔のいけにえ』、1967)、そちら(『世にも怪奇な物語』、1968)、あちら(『バンシーの叫び』、1970)、こなた(『ター博士の拷問地下牢』、1973)、そなた(ヴェネツィアと「約束ごと」:『赤い影』、1973)、またあなた(『ウルトラQ 第9話 クモ男爵』、1966)も参照ください。


 加えて、→こちらも参照(本頁の「おまけ」)

ix. 個々の著述家など Ⅳ

エリファス・レヴィ(1810-1875 
デュ・ボア=レーモン(1818-1896 
ドフォントネー(1819-1856 
スペンサー(1820-1903 
フローベール(1821-1880
マクドナルド(1824-1905 

 エリファス・レヴィことアルフォンス=ルイ・コンスタン(1810-1875);

澁澤龍彦、『悪魔のいる文学史 神秘家と狂詩人』、中央公論社、1972、pp.7-31:「エリファス・レヴィ-神秘思想と社会変革」

 澁澤龍彦について→こちらを参照:「通史、事典など」の頁の「おまけ


巖谷國士、『幻視者たち - 宇宙論的考察』、1976、pp.165-202:「エリファス・レヴィ - 魔術師への転身」

鈴木啓司、「エリファス・レヴィのオカルティズムにおける象徴作用」、宇佐美斉編、『象徴主義の光と影』、ミネルヴァ書房、1997、pp.262-275
オカルティズムと象徴主義/闇の思想にあふれる光

エリファス・レヴィ、生田耕作訳、『高等魔術の教理と祭儀 教理篇』、人文書院、1982

  同、  同訳、  『高等魔術の教理と祭儀 祭儀篇』、人文書院、1992
原著は Eliphas Lévi, Dogme et rituel de la haute magie, 1856
教理篇;序章/入門/神殿の支柱/ソロモンの三角形/聖四文字(テトラグラムマ)/五芒星/魔術的均衡/炎の剣/実現/秘法伝授/カバラ/魔術の鎖/大作業/降霊術/変成/黒魔術/呪縛/占星術/媚薬と(まじな)い/賢者の石-エラガバルス/万能薬/予見/四大隠秘科学の総括ならびに普遍的鍵など、
274ページ。

祭儀篇;準備/魔術的均衡/万能符の三角形/四つのものを呼び出す咒文/煌めく五芒星/媒体と媒介者/七組の護符/向こう見ずな連中への忠告/秘法伝授の儀式/隠秘学の鍵/三重の鎖/大作業/降霊術/変質/妖術師の
魔宴(サバト)/呪縛と呪符/星の文字/媚薬と磁力/太陽の支配/奇蹟術/予言者の学問/ヘルメスの書など、
332ページ。


エリファス・レヴィ、鈴木啓司訳、『魔術の歴史』、人文書院、1998
原著は Eliphas Lévi, Histoire de la magie, avec une exposition claire et précise de ses procédés, de ses rites et de ses mystères, 1860
序章/第一之書 魔術の起源/第二之書 教理の形成と実現/第三之書 キリスト教の啓示による魔術の総合と聖なる実現/魔術と文明/秘儀精通者と聖職者/魔術と革命/19世紀における魔術など、
640ページ。


エリファス・レヴィ、鈴木啓司訳、『大いなる神秘の鍵』、人文書院、2011
原著は Eliphas Lévi, La clef des grands mystères, suivant Henoch, Abraham, Hermés Trismégiste et Salomon, 1861
序文//
宗教の神秘;解決すべき問題/予備的考察/第1条 第1の問題の解決 真の神 数の預言神学概説/第2条 第2の問題の解決 真の宗教/第3条 第3の問題の解決 神秘の理由/第4条 第4の問題の解決 反対意見により証明された宗教/第5条 最後の問題の解決 宗教を迷信と狂信から区別すること/第1部の要約 対話形式による 信仰、学問、理性//
哲学の神秘;予備的考察/哲学の諸問題の解答//
自然の神秘;魔術の大いなる作用素/第一之書 磁気の神秘/第二之書 魔術の神秘//
実践の大いなる秘奥あるいは学問の実現;序章/変身について/キルケーの杖/メディアの溶液/自身の武器で征服された魔術/イエズス会士の大奥義と彼らの力の秘密/いかに若さを保ち甦らせるか/カリオストロの秘密/復活の可能性/復活者ことギヨーム・ポステルの場合/ある奇蹟を行う労働者について、等々/死の大奥義/奥義中の奥義/跋文//
補遺;カバラに関する諸論-哲学宗教雑誌に発表されたか発表されるはずであったもの/証拠書類と興味深い引用-パラケルススの預言と雑考//
黒魔術に関する文献;祈禱とお祓い-『牧者の魔道書』と題された手写本からの抜萃/ヘルメス哲学の大神秘に関する覚書-ユダヤ人アブラハムの手になるアシュ・メザレフの断片、ならびにヘルメスのカバラ7章の分析 アシュ・メザレフ、アシュ・メザレフの8章の補遺、ヘルメスの7章の分析、霊に関するインドのオカルト教義/英国の悦楽(ベヴレル第8巻からの抜萃)など、
542ページ。

…………………

 エミール・ハインリヒ・デュ・ボア=レーモン(1818-1896);

デュ・ボア・レーモン、坂田徳男訳、『自然認識の限界について 宇宙の七つの謎』(岩波文庫 青 923-1)、岩波書店、1928/2010
原著は Emil du Bois-Reymond, Über die Grenzen des Naturerkennens, 1872, Die sieben Welträtsel, 1880
譯者序文//
「二つの講演」初版の序(1881)/2版の序(1884)/3版の序(1891)//
自然認識の限界について/宇宙の七つの謎など、
128ページ。

…………………

 シャルルマーニュ=イシール・ドフォントネー(1819-1856);

C.I.ドフォントネー、秋山和夫訳、『カシオペアのΨ(プサイ)』(世界幻想文学大系 20)、国書刊行会、1979
原著は Charlesmagne-Ishir Defontenay, Star ou Ψ de Cassiopée, 1854
発端/発見/スター星の書物//
占有ニヨル取得//
古代史;英雄時代/サヴェルス族/ポナルバト族/トレリオール族/ネムセード族あるいは長寿族/緩慢なペスト/自殺/緩慢なペストの下での大虐殺 - サヴェルスの詩/自殺-承前//
断章-ルプルゥ族の支配//
衛星群;タシュル/レシュール/リュダール/エリエール/アバール//
発程記並びに申命記;ルプルゥ族の降服/新国家の創立、新スター人の一般的性格及び社会的本能、文学の再生/レシュールに取り残された者たち - 一幕劇/新宗教の創基、ネムセードたちの啓示/セールヴェルトの哲学的教説/マリュルカールによる政治制度の制定/社会法の制定とその三原理/マリュルカールの道徳原理、彼の墓所//
中間の序文//
一タシュル人のタスバール旅行記;セルシノールの樹 - 一幕劇/エリア - 史詩//
終章;夢幻の世界/輪廻の希望/読者への訣別の辞//
ドフォントネーと未来小説(秋山和夫)など、
356ページ。

…………………

 ハーバート・スペンサー(1820-1903);

ハアバート・スペンサー、澤田謙譯、『第一原理 世界大思想全集 28』、春秋社、1927
原著は Herbert Spencer, First Principles, 1862
原序(1862)/第4版序(1880)/第6版序(1900)/譯者序//
不可知界;宗教と科學/宗教の究極觀念/科學の究極觀念/すべての知識の相對性/融合//
可知界;哲學の意義/哲學の基礎絛件/空間・時間・物質・運動及び力/物質の不滅性/運動の繼續性/力の固在性/力の關係の固在性/力の形態變化と等價量/運動の方向/運動の律動性/復誦、批判、再始/進化と解體/單立進化と複合進化/進化の法則/進化の法則(續)/進化の法則(續)/進化の法則(完)/進化の意義/同質者の不安定性、その不安定性を廣く例證す/効果の増殖/分凝作用/平衡作用/解體/摘要と結論//
附録;第17章と第19章の本註/或る批評について/ワルド教授の或る批難について/気體星雲の始原など、
724ページ。


 「『進化』というのはスペンサーが使った言葉で、ダーウィン自身はこれを好まなかった」(I.エクランド、『数学は最善世界の夢を見るか?』、2009、pp.201-202)。)
 スペンサーは「ダーウィンの《弟子》ではない(それのみか、1852年に彼が《進化》という言葉を使ったのは、ダーウィンより前なのである)」とのこと(セルジュ・ユタン、『英米哲学入門』、1959、p.63)。

 下掲の

スティーヴン・J・グールド、『個体発生と系統発生』、1987、pp.61-67:第Ⅰ部2の「付論 〈
進化(エヴォリューション)〉の革命」

 も参照
…………………

 ギュスターヴ・フローベール(1821-1880);

フローベール、渡辺一夫訳、『聖アントワヌの誘惑』(岩波文庫 赤 538-6)、岩波書店、1940/1957/2008
原著は Gustave Flaubert, La tentation de Saint Antoine, 1874
原著者献詞/第1章~第7章など、314ページ。

 →こちらでも触れました:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁の「おまけ」。
 本書は


『世界文学全集 17 ボヴァリー夫人他 フロベール』、集英社、1976、pp.283-399

 にも収められています。
 また


『フローベール全集 4 聖アントワーヌの誘惑 三つの物語』、筑摩書房、1966、pp.275-304

 に平井照敏訳で「『聖アントワーヌの誘惑』初稿より」を所収。1848年5月24日~1849年9月12日付け(p.304)。

 サドの「ロドリグあるいは呪縛の塔」やバイロンの『カイン』と比較してみてください。
 →こちらにも挙げておきます:「天使、悪魔など」の頁の「おまけ

ミシェル・フーコー、工藤庸子訳、「幻想の図書館」、『フーコー・コレクション 2 文学・侵犯』(ちくま学芸文庫 フ 12-3)、筑摩書房、2006、pp.158-215
原著は Michel Foucault, “Un ‘fantastique’ de bibliothèque”, 1964/1967/ “La bibliothèque fantastique”, 1970

ジャック・ネーフ、横地卓哉訳、「諸宗教の文学的提示」、『文学』、vol.56、1988.12:「特集 ギュスターヴ・フローベール」、pp.99-109
原著は Jacques Neefs, “L'exposition littéraire des religions”, Travail de Flaubert, 1983

柏木加代子、「『聖アントワーヌの誘惑』の異本3版に見る『宇宙』 - 宗教と19世紀科学の潮流 -」、『Gallia』、no.49、2010.3.6、pp.1-12 [ < 大阪大学学術情報庫 OUKA(Osaka University Knowledge Archive) ]
…………………

 ジョージ・マクドナルド(1824-1905);

G.マクドナルド、蜂谷昭雄訳、『ファンタステス 世界幻想文学大系 22』、国書刊行会、1981
原著は George MacDonald, Phantastes, 1858

M.R.ジェイムズ、G.マクドナルド、紀田順一郎・荒俣宏編訳、『五つの壺 ファンタジイ傑作集 1』(ハヤカワ文庫 FT 7)、早川書房、1979

 M.R.ジェイムズ、「五つの壺」The Five Jars, 1922
 G.マクドナルド、「お目当ちがい」
("Cross Purposes", 1867)
  「城 - ひとつの寓話」
("The Castle - A Parable", 1864)
所収


G.マクドナルド、吉田新一訳、『黄金の鍵』(ちくま文庫 ま 5-2)、筑摩書房、1988
「巨人の心臓」"The Giant Heart", 1864、「かるい姫」("The Light Princess", 1864)、「黄金の鍵」("The Golden Key", 1867)、「招幸酒」("The Carasoyn", 1871)所収
 訳は1977年刊本の文庫化


 「黄金の鍵」を初めて読んだのは『幻想と怪奇』3号(1973.9、黒魔術特集)に載っていた鏡明訳で、同じ号のラヴクラフト、団精二訳「銀の鍵の門を超えて」(→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「xix. ラヴクラフトとクトゥルー神話など」)とともに、強い印象を受けた憶えがあります。

ジョージ・マクドナルド、中村妙子訳、『北風のうしろの国』(ハヤカワ文庫 FT マ 6-1)、早川書房、2005
原著は George MacDonald, At the Back of the North Wind, 1871
 訳は1981年刊本の新装版

G.マクドナルド、荒俣宏訳、『リリス』(ちくま文庫 ま 5-1)、筑摩書房、1986
原著は George MacDonald, Lilith, 1895
 訳は1976年刊本の文庫化

  Linda Dalrymple Henderson, The Fourth Dimension and Non-Euclidean Geometry in Modern Art (revised edition), The MIT Press, Cambridge, Massachusets, London, England, 1983 / 2013, p.275 (note 111)

で、邦訳 pp.78-79/第7章からと思われる箇所が引用されていました。

x. ヘレナ・ペトロヴナ・ブラヴァツキー(エレーナ・ペトローヴナ・ガン/ブラヴァーツカヤ 1831-1891)と神智学など

 ブラヴァツキー夫人の神智学における宇宙論を概観するのに便利なのが;

大田俊寛、『現代オカルトの根源 - 霊性進化論の光と闇』、2013、pp.22-48:第1章第1節「神智学の秘密教義-ブラヴァツキー夫人」
ブラヴァツキーの経歴 1 - 放浪生活から神智学協会の結成まで/ブラヴァツキーの経歴 2 - インド文化との接触/神智学の折衷的教義/アメリカ社会の状況/進化論と心霊主義の結合/『シークレット・ドクトリン』の宇宙論/七つの根幹人種の歴史/霊的進化と物質的進化の交錯/霊性進化論の中心的要素

セオドア・ローザク、『意識の進化と神秘主義』、1978、pp.155-165:「第6章 オカルト進化論者-秘密の教義から健康精神(ユーサイキアン)療法まで」中の「マダム・ブラヴァツキーの秘義」の節

高橋巌、『神秘学講義』、1980、pp.173-214:「第5章 ブラヴァツキー - 近代精神と神秘学」
「新しい人間」の探求/東洋との出会い/シュタイナーとの関連/孤独を生きる/『神秘教義』執筆のころ/インド、アメリカへの旅/謎だらけの人生/神秘学の基本と方法/神秘学協会の3課題/新しい精神運動の展開/批判と妨害/心霊学協会の調査・報告/日本の近代思想とブラヴァツキー/オカルティストとしてのブラヴァツキー/夢の問題/ブラヴァツキー - その実像を求めて

横山茂雄、『聖別された肉体 オカルト人種論とナチズム』、1990、pp.50-99:「第3章 根源人種の彼方に」

岩本道人、「神智学の誕生-或いは、HPBとアメリカ」、『オカルト・ムーヴメント [近代隠秘学運動史]』、1986、pp.37-58
ブラヴァツキー生誕からインド行まで ブラヴァツキー/オルコット/R.B.ランドルフ/C.サザラン

平井恭介、「後期神智学協会とメシアニズム-〈マスター〉から〈メシア〉へ」、同上、pp.59-91
神智学のシスマ(1891~1895)/協会の統制化とマスターの変質(1896~1908)/クリシュナムルティの発見(1909~1914)/神智学とインド自治運動(1914~1923)/メシアニズムの高揚と瓦解(1922~1929)

高橋巖、「5 神智学の系譜」、『岩波講座 宗教と科学 3 科学時代の神々』、岩波書店、1992、pp.137-166
神智学 - ヨーロッパ文明内の反ヨーロッパ主義/ブラヴァツキーの生涯/ブラヴァツキーの思想/ブラヴァツキーの使命

杉本良男、「特集 マダム・ブラヴァツキーのチベット 序論」、『国立民族学博物館研究報告』、40巻2号、2015.11.27、pp.199-214 [ < みんぱくリポジトリ

 同、  「闇戦争と隠秘主義 - マダム・ブラヴァツキーと不可視の聖地チベット -」、同上、pp.267-309 [ < 同上 ]

H. P. Blavatsky, Isis Unveiled, Vol. Ⅰ & Ⅱ, Wilder Publications, 2007
 原著は1877年刊
『ヴェイルをとられたイシス』
科学;第1章~第15章//宗教;第1章~第12章など、
826ページ。


 本書は邦訳が進行中(全4巻の予定);

H.P.ブラヴァツキー、ボリス・デ・ジルコフ編、老松克博訳、『ベールをとったイシス 第1巻 科学 上』、竜王文庫、2010
前書きにかえて 「ベールをとったイシス」はいかにして書かれたか(ボリス・デ・ジルコフ)//
はじめに//ベールの前で//
第1巻 上 現代科学の「無謬性」;新しい名前を持つ古きもの/諸々の現象と力/
(めしい)たちの盲いた導き手/心霊現象に関する諸説/アイテル、すなわち「星辰(アストラル)光」/心霊的-生理的諸現象/元素、元素霊、低級霊//
二重見当識のあわいで-訳者解説にかえて(老松克博)など、
508ページ。


H.P.ブラヴァツキー、ボリス・デ・ジルコフ編、老松克博訳、『ベールをとったイシス 第1巻 科学 下』、竜王文庫、2015
第1巻 現代科学の「無謬性」 下;自然にまつわるいくつかの神秘/周期的な諸現象/内的にして外的な人間/心理的および身体的な驚異の数々/「越え難い裂け目」/現実と幻影/エジプトの知恵/インド、かの種族の揺籃//
発達系の病跡学-訳者解説にかえて(老松克博)など、
524ページ。


H. P. Blavatsky, The Secret Doctrine, Vol. Ⅰ & Ⅱ, A Facsimile of the Original Edition of 1888, The Theosophy Company, Los Angeles, 2004
 原著は1888年刊
『秘密教義』
第1巻 宇宙創世記;序論//宇宙創世記 緒言/第1部 宇宙的進化/第2部 おおよその順序でのシンボリズムの進化/第3部 科学と秘密教義の対比//
第2巻 人間創世記;準備的覚書//第1部 人間創世記/第2部 世界の諸宗教の古のシンボリズム/第3部 付論 科学と秘密教義の対比など、
724+846ページ。


 部分訳として;

H.P.ブラヴァツキー、田中恵美子/ジェフ・クラーク訳、『シークレット・ドクトリン 宇宙発生論[上]』(神智学叢書)、竜王文庫、1989
『シークレット・ドクトリン』の沿革(ボリス・ド・ジルコフ)//
序論/プロエム(緒論)//
宇宙の進化;スタンザⅠ 宇宙の夜/スタンザⅡ 分化の概念/スタンザⅢ コスモスの目ざめ/スタンザⅣ 七重のヒエラルキア/スタンザⅤ フォーハット即ち七重のヒエラルキアの子/スタンザⅥ 我々の世界の成長と発達/惑星、ラウンド及び人間に関する誤解について/諸球体とモナドに関する追加事実と説明/スタンザⅥ つづき/スタンザⅦ 地球の人類の親//
要約//
補遺;編者による注/カバラについて(訳者)//
神智学協会 ブラヴァツキー・ロッジ議事録(1890-1891)など、
764ページ。


 →こちらでも少し触れています:「言葉、文字、記憶術/結合術、書物(天の書)など」の頁の「本・書物(天の書)」の項


 挟みこみの『竜王文庫 出版案内』によると全8巻で、
『第2巻 宇宙発生論(中) コスモスのシンボリズム』(平成3年刊行予定)、
『第3巻 宇宙発生論(下) 秘教と科学の宇宙観』、
『第4巻 人類発生論(上) 「ジヤーンの書」による人類進化』、
『第5巻 人類発生論(中) 人類進化のシンボリズムと数秘学』、
『第6巻 人類発生論(下) 秘教と近代人類学』、
『第7巻 遺稿集』、『第8巻 全巻総合索引』
と続く予定とのことでしたが、残念ながら途絶した模様
追補:2018年(2017/11/22付け)に下記『第2巻第1部 人類発生論』が刊行されました)。

H.P.ブラヴァツキー、エリザベス・プレストン&クリスマス・ハンフリーズ編、『シークレット・ドクトリン Ⅰ 宇宙発生論』(神秘学叢書Ⅰ)、人智学研究会、1976
An Abridgement of the Secret Doctrine, Theosophical Publishing House
序論 有史以前の時代からのページ//
宇宙の開展;世界の夜/分化の理念的原型/宇宙の目覚め/七つのハイアラーキー/フォハット:七つのハイアラーキーの子供/我々の世界、その成長と発達/惑星・ラウンド・そして人間に関する初期神智学の二~三の誤解/付加的諸事実と、天体とモナドに関する説明/この世の人間の始祖達//
要約//ブラヴァツキー夫人略歴など、
120ページ(手元にあるのはコピー)

 原題にあるように短縮版によるものです。


H.P.ブラヴァツキー、忠源訳、『シークレット・ドクトリン 第2巻第1部 人類発生論』(神智学叢書)、竜王文庫、2017
第Ⅱ巻 緒言 太古のスタンザと先史時代の4大陸について//
第Ⅱ巻 - 第1部 人類発生論;ジャーンの書からのスタンザ/スタンザⅠ 感覚を持つ生命の始まり 大洪水以前の2人の天文学者/スタンザⅡ 支援を受けぬ自然神は失敗する 秘教的な聖典に於ける神々の天地創造 バラモン僧の年代記/スタンザⅢ 人間創造の試み/スタンザⅣ 第1人種の創造 化身する神々の正体と特徴について/スタンザⅤ 第2人種の進化/スタンザⅥ 「滲出生」の者達の進化 複数の大洪水と複数のノアに関する幾つかの話 本当に人間は1,800万年前に存在したのか?/スタンザⅦ 半神から最初の人間人種への降臨/スタンザⅧ 哺乳類動物の進化 - 最初の堕落 前述に対し如何なる反論があるのだろうか/スタンザⅨ 人類の最終的な進化 複数のエデン、蛇達、そして竜達 「神の息子達」と「聖なる島」/スタンザⅩ 第4人種の歴史 プラーナ伝承と創世記の太古の教え 初期人種の俯瞰/スタンザⅩ つづき 巨人達は空想か? 「第三の目」を持つ諸人種 人類の初期のマヌ達/スタンザXI 第4及び第5人種の文明と滅亡 巨人達の目撃者としての、]一つ目の巨人キュクロプスの遺跡群と巨大な巖石群/スタンザXII 第5人種とその天界の指導者達 異なった象徴のもとでの蛇と竜 星と宇宙の象形文字 我々の神なる指導者達 サタン神話の起源 ノアはカベイリの1人であって、それ故、彼は悪魔デーモンの1人であらねばならぬ 極地と水没した諸大陸にまつわる最古のペルシャの諸伝承 ギリシャとプラーナの伝承に基づく西洋の説明 哲学的観点から見た「呪い」/スタンザXIIの偈文に関する註解書からの追補的な諸断篇/結びなど、
598ページ。


H.P.ブラヴァツキー、アニー・ベサント編著、加藤大典訳、『シークレット・ドクトリン 第三巻(上)-科学、宗教、哲学の統合-』、文芸社、2016
原著は Helena Petrovna Blavatsky, The Secret Doctrine, Vol. 3, 1897/2011
まえがき(アニー・ベサント)//
序言/予備的な展望/現代の批判と古代人/魔術の起源/秘儀参入者の秘密厳守/秘密厳守の理由/実践魔術の危険/新しい器に入れられた古いワイン/『エノク書』-キリスト教の原点かつ基本/ヘルメスとカバラの教義/アルファベットと数に関する秘教的解釈の様々な体系/中央に点のある六芒星、それが第七の鍵/宗教に対する真のオカルティストの責務/キリスト後の導師たちとその教義/シモン・マゴスとその伝記作者ヒッポリュトス/聖パウロ-現行キリスト教の真の創設者/聖ペテロはユダヤのカバリストで、秘儀参入者ではない/テュアナのアポロニウス/導師たちの伝記の背後にある諸事実/アンティオキアの聖キプリアヌス/東洋のグプタ・ヴィディヤーとカバラ/ヘブライの寓意/『ゾハール』に見る創造とエロヒム/オカルティストとカバリストの意見/科学と秘教天文学における現代カバリスト/東洋と西洋のオカルティズム/偶像とテラヒム/エジプト魔術など、
540ページ。


 上の加藤大典訳『第三巻(上)』は第1章から第27章までの訳で、次の本は第28章から第51章までの訳です。訳者も出版社も変わっており、何か経緯があるのかどうかも不明ですが、ともあれ;

H.P.ブラヴァツキー、アニー・ベサント編著、空水マリおよびヒロ・デソテリカ訳、『シークレット・ドクトリン3 (下) 秘儀のオカルティズム』、ブイツーソリューション、2021
秘儀の起源/太陽イニシエートの試み/「イニシエーションの太陽」の秘儀/秘儀の対象/秘儀の痕跡/ヨーロッパにおける最後の秘儀/キリスト教誕生以前からの秘儀継承者/太陽と星々のシンボリズム/ペイガンにおける恒星崇拝と占星術/星の魂 - 世界的な太陽崇拝/占星術と天体崇拝/周期とアヴァターラ/秘密の周期/アヴァターラに関する秘儀/七つの基本原理/ブッダの秘儀/ブッダの転生/ブッダの未公開の教え/ニルヴァーナ-モクシャ/『ラム・リム』と『ジャーン』の秘密の書/アミタ・ブッダ、観世音、観音 - 「ジャーンの書」とは、ツォンカパのラマセリーとは何であるか/ツォンカパ、中国におけるローハン/いくつかの誤りの訂正/「目の教え」と「ハートの教え」あるいは「ハートの封印」など、
372ページ。


H.P.ブラヴァツキー、加藤大典訳、『インド幻想紀行 ヒンドスタンの石窟とジャングルから』(上下)(ちくま学芸文庫 フ 19-1/2)、筑摩書房、2003
原著は Radda-Bai (Helene Petrovna Blavatsky), From the Caves and Jungles of Hindostan, (Collected Writings), 1950/1993
上;第1部第1信~第24信など、
528ページ。

下;第1部第25信~第29信/第2部第1信~第7信/解説 魂の遍歴(高橋巖)など、
504ページ。


 第1信は1879年11月30日付け『モスコヴスキヤ・ヴェドモスチ』紙に掲載(下巻「訳者あとがき」、p.486)。ロシア語原文から英語版への翻訳はボリス・ド・ジルコフ氏による(「凡例」)。

A.E.パウエル編著、仲里誠桔訳、『神智学大要 1 エーテル体』、たま出版、1981
原著は Arthur E. Powell, The Etheric Double: The Health Aura, 1925
序論;神の三つの働き/人間の生と死/意識の進化//
本論;あらすじ/プラーナ(活力)/力の
中枢(チャクラ)/脾臓中枢/脊髄基底中枢/臍中枢/心臓中枢/咽喉中枢/眉間中枢/頭頂中枢/プラーナの排出/プラーナ循環体系/クンダリニー/原子の網/誕生/死/治病/メスメリズム(動物磁気)/悪念波の防御/霊媒/オーラ現象/エーテル体の働き/物体の磁化/エクトプラズム/結びなど、
214ページ。


  同、  同訳、  『神智学大要 2 アストラル体』、同、たま出版、1981
原著は Arthur E. Powell, The Astral Body and Other Astral Phenomena, 1926
序説/総説/構成/色彩/機能/チャクラ(中枢)/クンダリニー/想念形態/肉体生活/睡眠中の生活/夢/意識の連続/死と欲望エレメンタル/死後の生活-原則/死後の生活-詳説/死後の生活-特例/アストラル界層(霊界)/その他のアストラル(霊)現象/四次元/アストラル界層の住人 - 人間/アストラル界層の住人 - 非人間/アストラル界層の住人 - 人造物/心霊主義/アストラル(欲)界での死/生まれ変わり/感情の支配/アストラル(霊)力の開発/時空を超える霊視/不可視の守護者達/弟子の資格/結びなど、
316ページ。


  同、  同訳、  『神智学大要 3 メンタル体』、同、たま出版、1982
原著は Arthur E. Powell, The Mental Body, 1927
序説/総説/メンタル・エレメンタル・髄質/構成/機能/典型的な実例/欲望精神/想念波/想念形態/想念伝達(テレパシー)のメカニズム/無意識の想念伝達(テレパシー)/意識的な想念伝達と精神治療/想念中枢/肉体(覚醒)意識/能力/一心集中/瞑想/観照/睡眠中の生活/幻体/天国(デヴァチャン)の原則/天国-その期間と充実度/天界の特殊相/第一天(第七亜層)/第二天(第六亜層)/第三天(第五亜層)/第四天(第四亜層)/メンタル界層/アーカーシャの記録/メンタル界層の住人/メンタル体の死/低我と魂(高我)/生まれ変わり/弟子の資格/結びなど、
366ページ。


  同、  同訳、  『神智学大要 4 コーザル体』、同、たま出版、1983
原著は Arthur E. Powell, The Causal Body and the Ego [i.e., Higher Self], 1928
序説/総説/進化の場/分神霊(モナド)の発生/五つの界層の形成/生命の王国/高位三原子群の附着/低位三原子群の附着/聖創造職楷団(ハイラーキー)/群魂/鉱物の群魂/植物の群魂/動物の群魂/個々の人間となるメカニズムと目的/個々の人間となる方法と程度/コーザル体の機能/コーザル体の構造/コーザル体の思考/コーザル体の発達と能力/死後の生活-第五天界/第六天界(第二亜層)/第七天界(第一亜層)/渇望-生まれ変わりの原因/恒久原子と転生のメカニズム/魂と生まれ変わり/魂の投資/魂と低我/低我の中の魂/秘蹟による支援/過去世の記憶/本来の界層における魂/得度(イニシエイション)直観・愛(ブッディ)意識/魂と分神霊(モナド)/第二段階以上の得度/結びなど、
374ページ。


  同、  同訳、  『神智学大要 5 太陽系』、同、たま出版、1983
原著は Arthur E. Powell, The Solar System, 1930
序説/天体/環/連鎖/進化系/太陽系/太陽系の形成/太陽司神と惑星司神/生命の流れ/七連鎖のゴール/達成の程度/人類と亜人種/内なる環/審判の日/逆進化と進化/時と日/惑星連鎖ロゴスと他の司神達/マヌ/仏陀、マハーチョハン、菩提薩埵/世界主と補佐役/地球の進化系:第一連鎖/第二連鎖/第三(月)連鎖の始めの五環/月連鎖の第六環/月連鎖の第七環/地球連鎖の形成/地球連鎖の第一環/地球連鎖の第二環/地球連鎖の第三環/第四環の天体A、B、C/地球の第一根人種/地球の第二根人種/地球の第三根人種/金星の主がたの到来/第四根人種:ルモアハル人/第二アトランティス亜人種:トラヴァトリ人/第三アトランティス亜人種:トルテク人/アトランティスの文明/古代ペルー・トルテク人の残存者/第四アトランティス亜人種:チュラニア人/チュラニア人の後裔、カルデア/第五アトランティス亜人種:原始セム族/第六アトランティス亜人種:アッカディア人/第七アトランティス亜人種:蒙古人/第五アーリア根人種の始まり/橋の市/第一アーリア亜人種:ヒンドウ人(紀元前6万年)/第二アーリア亜人種:アラビア人(紀元前4万年)/第三アーリア亜人種:イラニア人(紀元前3万年)/第四アーリア亜人種:ケルト人(紀元前2万年)/第五アーリア亜人種:チュートン人(紀元前2万年)/第五根人種の根幹とインドへの降下(紀元前1万8800年)/第六アーリア亜人種/第六および第七根人種/火星と水星上の生命/結びなど、
408ページ。


アーヴィング・S・クーパー、林葉喜志雄訳、『神智学入門 古代の叡智を求めて』、アルテ、2010
原著は Irving S. Cooper, A First Step in Theosophy. In Search og the Ancient Wisdom, 1915
序論/神智学の源泉と本質/他の世界(複数)/オーラと魂/死後の事象/転生による成長/運命の問題/壮大なる最終目的地など、
186ページ。


Edited by Virginia Hanson, H.P.Blavatsky and the Secret Doctrine, (A Quest Book), The Theosophical Publishing House, Wheaton, 1971/1988
『H.P.ブラヴァツキーと秘密教義』
H.P.ブラヴァツキーと『秘密教義』の内面;H.P.ブラヴァツキー:神秘
(L. Gordon Plummer)/『秘密教義』の諸典拠(Boris de Zirkoff)/H.P.ブラヴァツキーと世界思想(Geoffrey A. Barborka)/『秘密教義』の作成(Michael Gomes)//
いくつかの『秘密教義』の概念;世界思想への貢献としての『秘密教義』
(Sri Madhava Ashish)/人 - 諸奇跡の奇跡(Helen V. Zahara)/パターンと法(Christmas Humphreys)/天の実験室(E.L. Gardner)//
意識の神智学的見解;H.P.ブラヴァツキーと無時間的な知恵
(Alfred Taylor)/意識の本性(Corona Trew)/『秘密教義』における無意識のための根拠(Seymour Ballard)//
科学と『秘密教義』;神智学と科学:いくつかの平行点と違い
(Doss McDavid)/ブラフマーの夜と昼:振動する宇宙(Hugh Murdoch)/進化の周期とその年代記(Jean Raymond)/猿の前の人、あるいは人の前の猿?(Adam Warcup)/H.P.ブラヴァツキーと現在の科学(Ralph Hannon)//
社会と諸芸術へのH.P.ブラヴァツキーの影響;『秘密教義』の資格証明
(F.L. Kunz)/社会改革に対するH.P.B.の態度(A. Beechey)/H.P.ブラヴァツキーとアイルランドの文学ルネサンス(W. Emmett Small)/近代芸術に対するH.P.ブラヴァツキーの影響(Gerrit Munnik)/カンディンスキーと神智学(John Algeo)など、
260ページ。


Joscelyn Godwin, The Theosophical Enlightenment, State University of New York Press, Albany, 1994
『神智学的啓蒙』
緒言/生殖力の崇拝/太陽の礼拝/瀆神者たち/靴屋と地主/魔術師たちと革命家たち/新改宗者たちと入信者たち/芸術家たちと占星術者たち/動物磁気/水晶の幻視/ハイズヴィルとその後/オルフィスム的サークルから黄金の暁へ/キリストへの道/薔薇十字と称する者たち/マダム・ブラヴァツキー登場/東方よりの知恵/ヘルメス主義的反応/東と西の分離//
附録;ラモウハン・ロイからロバート・デイル・オーウェンへの手紙/ハーグレイヴ・ジェニングズからブルワー=リットンへの手紙など、
462ページ。

 同じ著者による→こちらを参照:「通史、事典など」の頁の「地学・地誌・地図、地球空洞説など


David Reigle and Nancy Reigle, Blavatsky's Secret Books. Twenty Years' Research, Wizards Bookshelf, San Diego, 1999
『ブラヴァツキーの秘密の本 20年間の調査』
序:なぜブラヴァツキーを真面目にとるのか?/秘儀授受者の失なわれた言語の探索/同定された
Kiu-te の諸書/ジャーンの書への新たな光/Kiu-te の諸書とは何か?/チベット語とサンスクリットの写本/宇宙論的註釈への註釈/ジャーンの書(スタンザ)Ⅰにおける専門用語/チベットにおける神智学:チョナン派 Jonangpa School の教え/ジャーンの書(スタンザ)Ⅱにおける専門用語/自性 svabhāva あるいは svabhāvatā の教義と無我 anātman と空 śūnyatā の問い/『沈黙の声』:核心となる教義を西方へもたらす/カリンポンでの金箴の書 Book of the Golden Precepts 調査報告、1998年3月/『秘密教義』:本来の創世記と知恵の伝承/ジャーンの書を探す、など、
188ページ。


Edited and introduced by Tim Maroney, The Book of Dzyan. Being a Manuscript Curiously Received by Helena Petrovna Blavatsky with Diverse and Rare Texts of Related Interest Selected and Introduced, (Miskatonic University ® Archives), A Chaosium Book, 2000
『ジャーンの書 ヘレナ・ペトローヴナ・ブラヴァツキーによって奇妙にも受けとられた写本とされる 付:関連する興味ある種々の稀なテクスト選および序説』
前置き 奇怪な話/『ジャーンの書』への序論 および歴史的試論//
H.P.ブラヴァツキーによって『秘密教義』中で公にされた『ジャーンの書』からの抜粋;抜粋への前書き/緒言 先史期からのページ/宇宙の進化 『ジャーンの書』から訳された7つの(スタンザ)における/人間創世記への準備的な註釈  古の(スタンザ)について、および4つの先史期の大陸/人間創世記 秘められた『ジャーンの書』から訳された(スタンザ)と註釈/〈告白の仏陀たち〉 (スタンザ)XIIの詩句についての註釈からの付加的な断片/〈道次第
Lam-Rin〉とジャーンの秘密の書 概観/阿弥陀仏 Amita Buddha、観世音 Kwan-Shai-Yin と観音 Kwan-Yin 『ジャーンの書』とツォンカパ Tsong-Kha-pa のラマ教僧院の語るところ//
ジャーンの(スタンザ) A.S.ラリー博士と人民の寺院
Temple of the People より;前書き 神格創世記 Theogenesis への(T.M.)/神格創世記への前置き A.S.ラリー博士/ジャーンの(スタンザ) 人民の寺院より/神格創世記(テクスト:『テンプル・アーティザン』誌、1906、1912、1913)//
前書き ホジスン・リポートへの(T.M.)/神智学協会と結びつけられた現象を調査するよう任命された委員会の報告(抄) 心霊現象研究会
Society for Psychical Research による、など、
272ページ。


 出版元のケイシオム社は『CALL of CTHULHU クトゥルフ神話TRPG』などで知られるロール・プレイング・ゲイムの出版社で、邦訳された『エイボンの書』の原著もここから刊行されました。本書も「ミスカトニック大学文書局」というシリーズ名や、"The Weird Tale"という前置きの副題からうかがえるように、前置きや序論の中でラヴクラフトが引きあいに出されます(pp.8-9、52-56)。
 また上掲の
Reigle の議論も序論で触れられています(p.58。ただし註で挙げられているのは別の本、p。254 note 109)。
 本体部分の第1部にあたるのはブラヴァツキーの『秘密教義』からの抜き書きです。
 第2部は『秘密教義』に〈引用〉された(スタンザ)の続きにあたるとされるもので、1898年に設立された「人民の寺院」(1955年創設、1978年に南米ガイアナで起こった集団自殺で知られる「人民寺院
Peoples Temple」とは別もの)の内部誌に最初登場、A.S.ラリー Releigh が1915年に著書の中で掲載しました(p.67)。
 これをブラヴァツキーのものと比べると、
「その歴史性についての私たちの懸念はどうあれ」、
「彼女がいかに多くを成し遂げ、私たちがなぜ、今日もなお彼女について話しているかは明らかとなる」(p.68)。
「彼女は啓発された山師であり、愚かしい知恵のトリックスター=教師であり、彼女がおのが人生から作りあげた奇怪な話の主人公にして仇役なのだ」(p.69)
等と編者が評しているのは面白いところです(また、p.140)。ブラヴァツキーの
「比較神話学についての幅広い註釈は、完全に誤っている時でさえ往々にして印象的だ」(p.67)
と述べられたりもしています。
 第3部はブラヴァツキーを〈山師〉として印象づけるのに決定的な役割を果たした報告書の抄録(p.154)。

吉永進一、『神智学と仏教』、法藏館、2021

吉永進一・岡本佳子・莊千慧編著、『神智学とアジア 西からきた〈東洋〉』、青弓社、2022
まえがき(吉永進一)//
勃興;神智学略史 - 人と思想と組織(吉永進一)/二つの神智学協会 - 寿命を延ばすこと、条件つきの不死、個体化された不死のモナド(ジョン・パトリック・デヴニー)/弟子(チェラ)の肉体 ー 19世紀末アイルランドの神智学運動をめぐって(赤井敏夫)/コラム バルト海からの仏教徒 ー カール・トゥニッソンと神智学(1911-16年)(井上岳彦)//
接触;南アジアのスピリチュアルなナショナリズム(杉本良男)/近代中国の神智学運動(莊千慧)/ウィリアム・スタージス・ビゲロウと神智学 ー 近代オカルティズムが生んだアメリカ人仏教徒(岡本佳子)/アメリカで秘教思想に出会った日本人たち(堀まどか)/コラム 宗教会議の時代(岡本佳子)//
波及;田岡嶺雲と神秘思想(穂波慶一)/九鬼周造と輪廻転生 ー 両大戦間の知的環境における「時間論」の位置(稲賀繁美)//
年表 近代神智学運動とその時代(1875-1945年)(莊千慧)//
あとがき(岡本佳子)など、
260ページ。

xi. 個々の著述家など Ⅴ

ヘッケル(1834-1919 
アボット(1838-1926)とヒントン(1853-1907 
マッハ(1838-1916 
パース(1839-1914 
シュレー(1841-1929 
ハルトマン(1842-1906 
ニーチェ(1844-1900 
ウェルズ(1866-1946 

 エルンスト・ハインリッヒ・フィリップ・アウグスト・ヘッケル(1834-1919);

田隅本生、「ヘッケルは何を書いたのか - 反復説の原像 -」、『哺乳類科学』、20巻1号(第40号)、1980、pp.49-62 [ < J-STAGE ]
DOI : https://doi.org/10.11238/mammalianscience.20.1_49

福元圭太、「一元論の射程 - エルンスト・ヘッケルの思想(1) -」、『言語文化論究』、no.13、2001.2.28、pp.79-88 [ < 九州大学附属図書館

  同、 「個体発生・系統発生・精神分析 - エルンスト・ヘッケルの思想(2) -」、『言語文化論究』、no.14、2001.7.12、pp.19-29 [ < 同上 ]

  同、 「ゲーテとヘッケル - エルンスト・ヘッケルの思想(3) -」、『西日本ドイツ文学』、no.18、2006.10.10、pp.1-16 [ < 同上 ]

福元圭太、『生物学的世界観とドイツ文芸クライス - ヘッケル「一元論」の射程 -』(平成17年度~平成19年度科学研究費補助金(基礎研究(C))研究成果報告書)、2008.2、
46p.

佐藤恵子、『ヘッケルと進化の(ファンタジー) 一元論、エコロジー、系統樹』、工作舎、2015
生涯と一元論の構想;ヘッケルの生涯と19世紀ドイツ- 進 化論との遭遇および一元論への開眼/一元論と『有機体の一般形態学』/『有機体の一般形態学』の章立てと概要/ヘッケル図像抄//
一元論のもたらしたもの-文化・社会への影響;魅惑的な生物発生原則/ミッシングリンクの夢 - ガストレア、モネラ、ピテカントロプス/科学の自由について/ドイツ一元論者同盟と教会離脱運動/ヘッケルの人種主義と優生思想/エコロジーの誕生/プランクトン論争/自然の芸術形態/結晶の魂-結晶、ゼーレ、実体則など、
420ページ。


 →こちらでも触れています:「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「夢野久作」の項

 あわせて;

スティーヴン・J・グールド、仁木帝都・渡辺政隆訳、『個体発生と系統発生 進化の観念史と発生学の最前線』、工作舎、1987
原著は Stephen Jay Gould, Ontogeny and Phylogeny, 1977
展望//
反復説;アナクシマンドロスからボネにいたる類推論法の系譜/思弁的な起源 1793-1860/進化論の勝利 1859-1900/滲透する影響/衰退と凋落と一般化//
異時性と幼形進化;異時性及び個体発生と系統発生の並行性/異時性の生態学的及び進化的意義/プロジェネシスとネオテニー/人類の進化における遅滞とネオテニー/エピローグなど、
656ページ。


 →こちらでも触れました:本頁上掲の「スペンサー」の項
 グールドの弟子の著作で、ヘッケルについてのモノグラフィーの著者が訳した→そちらも参照:「通史、事典など」の頁の「v. テーマ別のもの諸々」中の「その他

横道誠、「第12章 それぞれの神話を生きること--ゲオルク・フォルスター、アレクサンダー・フォン・フンボルト、エルンスト・ヘッケルの『統一と多様性』の思想」、清川祥恵・南郷晃子・植朗子編、『人はなぜ神話〈ミュトス〉を語るのか 拡大する世界と〈地〉の物語』、文学通信、2022、pp.251-270
はじめに/ゲオルク・フォルスター/アレクサンダー・フォン・フンボルト/エルンスト・ヘッケル
………………………

 エドウィン・アボット・アボット(1838-1926)チャールズ・ハワード・ヒントン(1853-1907);

C.H.ヒントン、宮川雅訳、『科学的ロマンス集 バベルの図書館 25』、国書刊行会、1990
序文(J.L.ボルヘス)//
第四の次元とは何か/平面世界/ペルシアの王など、
246ページ。

原著は James Howard Hinton, “What is the fourth dimension?”(1880), “A Plane World”, and “The Persian King” in Scientific Romances, vol.1, 1886

 同書挟みこみの『月報 25』、1990.12 に宮川雅、「ヒントン-人と作品」


 ヒントンの『フラットランドのエピソード』(1907)の概要は、下掲スチュアート注釈『フラットランド 多次元の冒険』(2009)、pp.79-84 註34 を参照。同 pp.230-235 註4 も参照。
 また同書には「チャールズ・ハワード・ヒントンの出版物」も掲載されています(pp.400-401)。


E.A.アボット、高木茂男訳、『二次元の世界 平面の国の不思議な物語』(ブルーバックス B-315)、講談社、1977
原著は Edwin A. Abbott, Flatland. A Romance of Many Dimensions. By a Square, 1884
改訂・第2版(1884)のまえがき-編集者//
この世界-辛抱するんだ、この世は広い;二次元世界の本質/二次元世界の風土と住まい/二次元世界の住人について/女について/われわれの識別法/視覚によっていかに確認するか/不規則な形/彩色をする古代の習慣/万国色彩法案/色彩騒乱の鎮圧/聖職者について/聖職者の信条//
別の世界-ああ、すばらしい新世界、そこにはこんな人たちがいるのだ!;どうして一次元世界を目撃したか/わたしが二次元世界の性質を説明して無駄であったいきさつ/三次元空間からの訪問者/訪問者が三次元空間の神秘を言葉で説明しようとしたが無駄だったこと/言葉ではだめだったので、〈球〉が行動に訴えたこと/わたしが三次元世界に行き、そこで何を見たか/球が三次元の神秘を示し、わたしがさらに希望したこと/夢の中で〈球〉がわたしを激励した/三次元の理論を孫に教えることで何に成功したか/三次元理論普及の努力と結果など、
192ページ。


 本書には別訳として、

石崎阿砂子・江頭満寿訳、『多次元★平面国』、東京図書、1992(未見)

 と


エドウィン・アボット・アボット、イアン・スチュアート注釈、冨永星訳、『フラットランド 多次元の冒険』、日経BP出版センター、2009
原著は The Annotated Flatland. A Romance of Many Dimensions by Edwin Abbot Abbot, introduction and notes by Ian Stewart, 2002

 があります。

 後者にはスチュアートの「はじめに」(ヒントンとの関係も述べられています)、本文への詳しい注釈、「付録 数学における第四の次元について」(pp.348-393)などが附されています、
416ページ。
 →こちらでも触れました:「インド」の頁の「ix. 象・亀・蛇など
 さらに、注釈者による


イアン・スチュアート、『2次元より平らな世界 ヴィッキー・ライン嬢の幾何学世界遍歴』、2003

 が邦訳されています。

 スチュアート注釈版『フラットランド』の「訳者あとがき」でも述べられていますが(pp.408-410)、『フラットランド』はあちこちに顔を出しているようです。そこに挙がっている

リサ・ランドール、『ワープする宇宙 5次元時空の謎を解く』、2007、pp.41-45、pp.83-84 など

シュボーン・ロバーツ、『多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者』、2009、p.71、pp.77-78

 以外にも

J.R.ウィークス、『曲面と3次元多様体を視る 空間の形』、1996

 では p.1 以下いたるところに登場します。
 ちなみに本書のことを、「作品解説、あるいは幕間に潜りこもう!」、7節目(『ひろがるアート展~現代美術入門篇~』図録、2010.10< 三重県立美術館のサイト )で引きあいに出したこともありました。


さらに→こちら(「近代など Ⅱ」の頁の「iv. 『フラットランド』の系譜など」の項)や、そちら(同じ頁の「viii. 無限、その他」でのポワンカレ『科学と仮説』へのメモ)も参照
 次元論に関し→あちらも参照:同上「vi. 次元など」、また「近代など(20世紀~) Ⅲ」の頁の「xvi. 20世紀神秘学の歴史など」で挙げた

Linda Dalrymple Henderson, The Fourth Dimension and Non-Euclidean Geometry in Modern Art (revised edition), The MIT Press, Cambridge, Massachusets, London, England, 1983 / 2013


ピート・ローリック、甲斐呈二訳、「音符の間の空白」、2018

 中でアボット『フラットランド』の隠された執筆意図が設定されます(p.57)。
………………………

 エルンスト・マッハ(1838-1916);

エルンスト・マッハ、須藤吾之助・廣松渉訳、『感覚の分析』(叢書・ウニベルシタス)、法政大学出版局、1971
原著は Ernst Mach, Die Analyse der Empfindungen und das Verhältnis des Physischen zum Psychischen, 1885/1918
第6版への序文(1911)/初版への序文(1885)/第2版への序文(1900)/第3版への序文(1901)/第4版への序文(1902)/第5版への序文(1906)//
反形而上学的序説/いくつかの先入見について/私とアヴェナリュウスその他の研究者たちとの関係/感覚の研究に対する主要な着眼点/物理学と生物学、因果性と目的論/眼の空間感覚/空間感覚の立入った研究/意志/空間に関する生物学的・目的論的考察/視感覚の相互間ならびに他の心理的諸要素との関聯/感覚、記憶、聯想/時間感覚/音響感覚/以上の諸研究が物理学の考えかたに及ぼす影響/本書で述べた見解がどのように受取られたか/補遺//
マッハの哲学-紹介と解説に代えて-(廣松渉)など、
384ページ。


エルンスト・マッハ、野家啓一編訳、『時間と空間』(叢書・ウニベルシタス)、法政大学出版局、1977
原著は Ernst Mach, Erkennynis und Irrtum - Skizzen zur Psychologie der Forschung, 1906, および Populär-wissenschaftliche Vorlesung, 1923 から編集
序文(『認識と誤謬』第1版、1905)
計測的空間に対する生理学的空間/幾何学の心理学と幾何学の自然的発達/自然研究の立場から見た空間と幾何学/計測的時間に対する生理学的時間/時間と空間-物理学的考察/時間・空間に関する一考察//
訳者解説 マッハ哲学の射程など、
258ページ。

………………………

 チャールズ・サンダース・パース(1839-1914);

遠藤弘編訳、『パース著作集 3 形而上学』、勁草書房、1986
序;形而上学の立ち遅れ/形而上学の諸問題//
方法論 - プラグマティズム;プラグマティズムの核心/概念の原子論/記号、習慣、内界と外界/主観的様相と客観的様相//
習慣論;物理学の法則/非保存作用/相対運動と絶対運動/心理作用/連合/概念の作用の法則/物理学と精神科学/自然法則の進化/偶然と法則/多様性と一様性//
客観的論理;宇宙の起源/質意識//
連続論;宇宙の論理-プラトン的形式の進化/物心のつながり/精神の連続性/連続主義と不滅性//
神の実在性;第一、第二、第三の宇宙の起源と瞑想/神の仮説/探求の三段階/三段階の有効性/プラグマティズム/超秩序と超習慣/神についての知//
訳者解説など、
224ページ。

 「既刊の著作集全8巻から、従来訳出されたものとの重複を可能な限り避けながら、適宜抜萃して成った」もの(p.189 および凡例)。


パース、伊藤邦武編訳、『連続性の哲学』(岩波文庫 青 688-1)、岩波書店、2001
原著は Charles Sanders Peirce, Reasoning and the Logic of Things. The Cambridge Conferences Lectures of 1898, edited by Kenneth Laine Ketner with an introduction by Kenneth Laine Ketner and Hilary Putnam, 1992 所収の8論文より6篇
哲学と実生活の営み/論理学の第一規則/関係項の論理学/因果作用と力/習慣/連続性の論理//
解説など、
326ページ。


伊藤邦武、「宇宙における『時間の誕生』 パースの場合」、『現代思想』、vol.33-11、2005.10、「特集=宇宙論との対話」、pp.134-1437
宇宙の寿命の問題/パースの進化論的宇宙論/「時間の誕生」の論理

伊藤邦武、『パースの宇宙論』、岩波書店、2006
プロローグ ヴィジョンとしての多宇宙論//エマソンとスフィンクス - 「喜ばしい知識」の伝道師 -//
一、二、三 - 宇宙の元素-;ケンブリッジ・プラトニズムの影/パースのキャリア/宇宙の元素//
連続性とアガペー - 宇宙進化の論理-;進化論的宇宙論の中心課題/連続体のなかを泳ぐ/創造する愛/形成する愛//
誕生の時 - 宇宙創成の謎 -//
エピローグ 素晴らしい円環など、
264ページ。

 同じ著者による→こちら(「通史、事典など」の頁の「viii. 自然哲学計など、および哲学と神観」)や、あちら(「近代など(20世紀~) Ⅲ」の頁の「ウィリアム・ジェイムズ」の項)を参照


石田正人、「プラグマティズムの暗い背景 C・S・パースの場合」、『現代思想』、vol.43-11、2015.7:「特集 いまなぜプラグマティズムか」、pp.45-53
アメリカ精神とプラグマティズムの格率/「力」と「物質」の世界/誤りと無力に阻まれる探求者たち/記号と表象が自立する世界へ/死すべき人間の思想として/プラグマティズムの力の源泉
………………………

 エドゥアール・シュレー(1841-1929);

エドゥアール シュレー、西川隆範・河野和子・槇野かおり・金子孝行・川杉啓子訳、『偉大な秘儀参入者たち』(神秘学叢書)、水声社、2013
原著は Edouard Schuré, Les grands initiés, 1889
序論 秘教教理について//
ラーマ アーリア期;諸人種と宗教の起源/ラーマの使命/脱出と征服/偉大な先祖の遺言/『ヴェーダ』の宗教//
クリシュナ インドと婆羅門の秘儀;英雄時代のインド 太陽の子と月の子/マドゥーラの王/デーヴァーキー/クリシュナの少年時代/秘儀参入/秘儀参入者の教義/勝利と死/太陽の言葉の輝き//
ヘルメス エジプトの秘儀;スフィンクス/ヘルメス/イシス 秘儀参入 試練/オシリス 死と復活/ヘルメスのヴィジョン//
モーセ イスラエルの使命;一神教の伝統と砂漠の族長たち/エジプトにおけるモーセの秘儀参入 エテロのもとへの逃亡/『セフェル・ベレシット』/シナイ山での見霊体験/出エジプト 砂漠 魔術と奇蹟/モーセの死//
オルフェウス ディオニュソスの秘儀有史以前のギリシア バッカスの巫女たち オルフェウスの出現/ユピテルの神殿/テムペーの谷のディオニュソスの祝祭/降神術/オルフェウスの死//
ピュタゴラス デルフォイの秘儀;紀元前6世紀のギリシア/遍歴時代/デルフォイの神殿 アポロン的学問 神託術 
巫女(ピュトニス)テオクレア/教団と教義 試練、第1階梯-準備 修練士と学園の生活、第2階梯-浄化 数-神統系譜学、第3階梯-完成 宇宙進化論と心理学-魂の発展、第4階梯-エピファニア アデプト-女性秘儀参入者-愛と結婚/ピュタゴラスの家族 学園とその運命//
プラトン エレウシスの秘儀;プラトンの青年時代とソクラテスの死/プラトンの秘儀参入とプラトン哲学/エレウシスの秘儀//
イエス キリストの使命;イエス誕生時における世界状況/マリア 初期のイエス/エセネ派 洗礼者ヨハネ 誘惑/イエスの公生涯 顕教と秘教 奇蹟 使徒たち 女たち/パリサイ人との対立/ピリポ・カイザリアへの逃亡 変容/最後のエルサレム訪問 約束 最後の晩餐 裁判 死と復活/約束とその成就 神殿//
シュレーの『偉大な秘儀参入者たち』(ルドルフ・シュタイナー)/エドゥアール・シュレーの生涯と文学(西川隆範)など、
520ページ。


エドゥアル・シュレー、古川順太訳、『秘儀参入者イエス・キリスト』(スピリチュアルシリーズ)、出帆新社、2000

 「序にかえて」(仲里誠桔)と「訳者解説」を付す、190ページ。
………………………

 エドゥアルト・フォン・ハルトマン(1842-1906);

上田光雄、『ハルトマンの無意識の哲學』(世界哲學講座(4) 演習敎材)、光の書房、1948
ハルトマンの哲學;「無意識哲學」の出現/ハルトマンの根本思想/思想史上におけるハルトマンの位置/「無意識哲學」の内容/「無意識者」とは何か/研究方法と叙述様式//
「無意識者」の現象學;無意識的意志と表象/生物現象と「無意識者」/精神的本能と感情/性格と道徳/美學論/言語と思惟/感性論/神秘論/歴史哲學/無意識者と意識の價値//
「無意識者」の形而上學;意志および表象としての物質/一と多 - 個の問題/無意識者と神/世界の完全性と非合理性/厭世論-(幻想の第一期)/解脱への道/目的率と因果率(進化論批判)など、
194ページ。

 ハルトマン『無意識の哲学
Philosophie des Unbewußten 』は1864年刊

互盛央、『エスの系譜 沈黙の西洋思想史』、2010、第2章

 なども参照
………………………

 フリードリヒ・ニーチェ(1844-1900);

 ニーチェについても山ほどあるかと思いますが、ここでは〈永劫回帰〉を宇宙論的に説明した箇所のみ挙げておきましょう(→こちらも参照:「世界の複数性など」の頁);

原佑訳、『権力への意志 下 ニーチェ全集 13』(ちくま学芸文庫 ニ 1-13)、筑摩書房、1993、pp.530-542:「第4書 Ⅲ 永遠回帰」の内、
 アフォリズム1062[380](458-459)番(pp.534-536)、
 4064[382](446)番(pp.536-537)、
 1066[384](703-4)番(pp.538-540)

 原著 Der Will zur Macht は、未刊のまま残された断片群が、歿後、1901/1906年刊行されたもの。
 訳書は1980年刊本の文庫化


 一方でストア派のものとされる周期的反復説
Godefroid de Callataÿ, Annus Platonicus, 1996, chapter II-A"Endless Recurrence of Worlds in Early Stoicism"など)
 と、他方
アレックス・ビレンケン、林田陽子訳、『多世界宇宙の探検』、2007、第2部第11章「伝説のキングは生きている!」
 での議論や
マックス・テグマーク、谷本真幸訳、『数学的な宇宙』、2016
での「レベルⅠ並行宇宙」と「無限個の」コピーにまつわる議論(第Ⅰ部第6章、とりわけpp.150-151)
 と比べることができるでしょうか。これは
ジョン・D・バロウ、林一・林大訳、『宇宙論大全』、2013、第10章「ポストモダン宇宙」中の「何もオリジナルではない宇宙」の節
 によると、
〈複製のパラドックス(
replication paradox)〉(p.368)
 と呼ばれるそうです。
ケイティ・マック、吉田三知世訳、『宇宙の終わりに何が起こるのか』、2021
 では〈ポアンカレの回帰定理〉とされていました(pp.168-171)。
 〈ポアンカレの回帰定理〉については→「近代など(20世紀~) Ⅱ」の頁の「viii. 無限、その他」で挙げた鈴木真治、『巨大数』、2016、pp.40-42:第2章3「永劫回帰時間
および
 鈴木真治、「歴史的に観た巨大数の位置づけ」、『現代思想』、vol.47-15、2019.12:「特集 巨大数の世界 アルキメデスからグーゴロジーまで」、pp.87-88
も参照

氷上英廣、『ニーチェの顔』(岩波新書 954)、岩波書店、1976
ニーチェの顔/犀・孤独・ニーチェ/ニーチェとエピクロス(1)/ニーチェとエピクロス(2)/ニーチェにおける脱ヨーロッパの思想/ツァラトゥストラとゾロアスター/ニーチェにおけるヘーゲル像/虫歯とデカダンス - トーマス・マンとニーチェ -/イスカの喉もと - ニーチェとその時代 -など、
230ページ。


氷上英廣、「ニーチェにおける『大いなる正午』」、『大いなる正午 ニーチェ論考』、筑摩書房、1979、pp.5-58

 p.54-57 で〈大いなる正午〉のイメージを、ゾロアスター教の宇宙史と比較しています。

ゼヴェリン・ミュラー、中路正恒訳、「ニーチェの『同一なるものの永遠回帰』-それは一切の現実の全-一的プロセスであるか?」、辻村公一編、『一即一切 - 日独哲学コロクィウム論文集 -』、創文社、1986、pp.253-276

湯田豊、「永遠の回帰、および輪廻」、『印度學佛教學研究』、vol.36 no.1、1987.12、pp.304-309

勝道興、「『力への意志』の系譜学的編成と存在論的問題」、『哲学』、no.56、2005、pp.170-181、(8)-(9) [ < J-STAGE ]

勝道興、「『同一物の永劫回帰』の源泉と律動性」、『哲学』、no.58、2007、pp.147-162、(21)-(22) [ < 同上 ]

本郷朝香、「第8章 ニーチェと原子論 不可分な自己から可分的な自己へ」、田上孝一・本郷朝香編、『原子論の可能性 近現代哲学における古代的思惟の反響』、2018、pp.225-254
はじめに/『善悪の彼岸』12節/
原子論から質点理論へ;剛体としての原子/ボスコヴィッチの理論/
霊魂原子論から主体複合体としての霊魂;霊魂における固定/主語の成立過程 同等化、現象の二重化/霊魂原子論の問題点/
主体複合体としての霊魂;質点理論の擬人化/自己分割する霊魂/悲劇の英雄/悲劇の構造/
おわりに


 フィクションですが;

荒巻義雄、「大いなる正午」、『柔らかい時計』、徳間書店、1978、pp.83-109

 初出は1970年で、処女作にあたる。
「行きつけの喫茶店でたまたま知り合った人が、ニーチェを宇宙論的に解釈した奇妙な自作の論文をみせてくれたのがヒントになって書きだした」
 とのこと(p.234)。

 荒巻義雄について→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「荒巻義雄」の項
 また同頁「xxiii. 日本の漫画、アニメーションその他」で挙げた


荒木飛呂彦、『ジョジョの奇妙な冒険 40~50 Part 6 ストーンオーシャン 1~11』(2000~2003/2008 ~2009)

も参照
 「イラン」の頁の「おまけ」で名前だけ触れましたが、

Museo Rosenbach, Zarathustra, 1973 (邦題:ムゼオ・ローゼンバッハ、『ツァラトゥストラ組曲』)(1)

 というのがありました。暑苦しいほど情動に満ち満ちた展開を見せてくれます。曲名を挙げておくと;

A面 "Zarathustra"(「ツァラトゥストラ組曲」) 20分48秒
     a) "L'ultimo uomo"(「最初の男」)
     b) "Il re di ieri"(「昨日の王」)
     c) "Ai di là del bene e del male"(「善悪の彼方に」)
     d) "Superuomo"(「超人」)
     e) "Il tempio delle clessidre"(砂時計の宮殿)
B面  1. "Degli uomii"(「女について」) 4分8秒
    2. "Della natura"(「自然」) 8分29秒
    3. "Dell'eterno ritorno"(「永遠の回帰」) 6分19秒
1. 『ユーロ・ロック集成』、マーキームーン社、1987/90、p.41。
 『イタリアン・ロック集成 ユーロ・ロック集成1』、マーキームーン社、1993、p.77。
 片山伸監修、『ユーロ・プログレッシヴ・ロック The DIG Presents Disc Guide Series #018』、シンコーミュージック、2004、p.76。
 アウグスト・クローチェ、宮坂聖一訳、『イタリアン・プログ・ロック イタリアン・プログレッシヴ・ロック総合ガイド(1967年-1979年)』、マーキー・インコーポレイティド、2009、pp.336-337。
 岩本晃一郎監修、『イタリアン・プログレッシヴ・ロック(100 MASTERPIECE ALBUMS VOL.1)』、日興企画、2011、p.102。
 『別冊カドカワ vol.1 総力特集 プログレッシヴ・ロック』、2012、p.61。
 
………………………

 ハーバート・ジョージ・ウェルズ(1866-1946);

 ウェルズにもいろいろあるのでしょうが、例によってとりあえず;

H.G.ウェルズ、阿部知二訳、「タイム・マシン」、『ウェルズSF傑作集 1』(創元推理文庫 SF 607-3)、東京創元社、1965、pp.141-270
原著は H.G.Wells, The Time Machine and the Other Stories, 1895

 ちなみに幾何学者のドナルド・コクセターは、「第4のユークリッド次元を時間で表すことから得られるものは何もない。実際、H.G.ウェルズが『タイムマシン』でこのアイデアをあまりにも魅力的に描いたことから、J.W.ダンAn Experiment with Timeなどの作家が相対性理論について大きな誤解を抱くことになった」と述べたということです(シュボーン・ロバーツ、糸川洋訳、『多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者』、日経BP社、2009、p.460、原注(60))。引用中のJ.W.ダンについては→そちら(「近代など Ⅲ」の頁の「ジョン・ダン」の項)も参照
 上掲の
イアン・スチュアート注釈『フラットランド 多次元の冒険』(2009)、pp.64-65 註19 によると、「時間を第4の次元と考えるという発想の元をたどると、すくなくともジャン・ル・ロン・ダランベール(1717年~1783年)まで溯ることができる」とのこと。また同、pp.264-269 註3、pp.308-313 註10 も参照。
 次元論に関し→こちらも参照:「近代など(20世紀~) Ⅱ」の頁の「vi. 次元など
 なお、スティーヴン・バクスター『タイム・シップ』(1995)は「タイム・マシン」の続篇となります。


 『フラットランド 多次元の冒険』(2009)、上掲p.312 註10ではウェルズの
『不思議な訪問』(1895年、原題は The Wonderful Visit、ウェブ上で見かけた別の邦題は『驚異の訪れ』)
 が参照され、
「重力のない4次元からこの世へと天使がやってくる。そして、牧師と夢について論じるうちに、驚くべき認識にいたるのだ」
 とのことで(その後に平行世界に関する引用あり)、いささか気になるところですが、邦訳はされていないようで、英語版ウィキペディア(→そちらを参照)によると諷刺が主題らしくはあるものの、それでも気になるのでした。
 また
ミチオ・カク、斉藤隆央訳、『パラレルワールド』、2006、p.222
 でも『素晴らしき来訪』として引きあいに出されていました。

 ついでに

Robert Fripp, The League of Gentlemen, 1981

 のB面3曲目は
"HG Wells"

 ウェルズが登場するフィクションといえば『タイム・アフター・タイム』(1979、監督:ニコラス・メイヤー)がすぐに思い浮かびますが、それ以外に;

ブライアン・W・オールディス、中村融訳、「唾の樹」、2000

 「タイム・マシン」について→あちら(「怪奇城の地下」の頁)や、ここ(「ホワイト・キューブ以前の展示風景:孫引きガイド」の頁の「追記の4」)、またそこ(「ギュスターヴ・モロー研究序説」[14」の頁の「おまけ」の「追補 3」)でも触れました
 →あそこ(『来るべき世界』、1936)も参照
 

xiii. ロマン主義、象徴主義の周辺など

 いわゆる天文学史的なものがあまり出てこないままになってしまいましたが、ハインリッヒ・ヴィルヘルム・マトイス・オルバース(1758-1840)がその〈オルバースのパラドックス〉を記したのは1823年でした。この点については;

エドワード・ハリソン、『夜空はなぜ暗い? オルバースのパラドックスと宇宙論の変遷』、2004、「第Ⅱ部 第8章 もやの立ちこめた森林」

Robert W. Smith, “16. Raw Power: Nineteenth-Century Speculum Metal Reflectinfg Telescopes”, Cosmology. Historical, Literary, Philosophical, Religious, and Scientific Perspectives,1993 / 2008, pp.289-299
「生の力 19世紀の鏡金反射望遠鏡」
テクノロジー/駆り立てたのは何か?/問題と機会/観察/星雲論争/他の世界の生命/付加的な観察技術など


・ジェイムズ・クラーク・マックスウェル(1831-1879)が電磁気力学を確立したのは1864~1866年、
 また
・ルドルフ・ユリウス・エマヌエル・クラジウス(1822-1888)が1850~54年に熱力学の基礎を固め、
・ルートヴィヒ・ボルツマン(1844-1906)によって熱力学の第2法則=エントロピー増大の不可逆性が証明されたのは1872~1877年
とのことです。
 他方
・非ユークリッド幾何学がカール・フリードリヒ・ガウス(1777-1855)によって1792~1816年開拓され、
・ニコライ・イワノヴィッチ・ロバチェフスキー(1793-1856)が1829年、
・ヤノーシュ・ボヤイ(1802-1860)が1823~1832年に負の曲率の曲面=双曲面の幾何学をそれぞれ独自に、
・ベルンハルト・リーマン(1826-1866)が正の曲率の曲面の幾何学を1854年に確立した
とのことです
 (スチュアート注釈『フラットランド 多次元の冒険』(2009)、pp.352-361、新海裕美子、ハインツ・ホライス、矢沢潔、『次元とはなにか』(2011)、 pp.36-50 などを参照)。


長尾伸一、「19世紀ブリテンの『世界の複数性』論争」、『経済科学』、vol.53 no.7、2005、pp.1-17 [ < 名古屋大学学術機関リポジトリ NAGOYA Repository ]

 →こちらにも挙げておきます:「世界の複数性など」の頁
 同じ著者による→そちら(「ロココ、啓蒙思想など(18世紀)」の頁の「vi. ヴィアット『ロマン主義の隠秘学的源泉(1770-1820)』(1979)など」)や、あちら(「日本 Ⅱ」の頁の「xi. 近代など」)も参照



アルベール・ベガン、小浜俊郎・後藤信幸訳、『ロマン的魂と夢 ドイツ・ロマン主義とフランス詩についての試論 アルベール・ベガン著作集第1巻』、国文社、1972
原著は Albert Béguin, L'âme romantique et le rêve. Essai sur le romantisme allemand et la poésie française, 1937/1946/1956
著者による1939年版のための前書/序論//
夢と自然 昼から夜へ;ともされた蠟燭(ゲオルク=クリストフ・リヒテンベルク)/地上の迷路(カール=フィーリプ・モーリッツ)//
  夢、自然、再統合;ルネサンス甦える/宇宙の統一性/生の夜の諸相//
  夜の探求;夢の形而上学(イグナーツ=パウル=ヴィタール・トロクスラー)/夢の象徴学(G.H.フォン・シューベルト)/無意識の神話(カール=グスタフ・カールス)/純然たる心理学から形而上学へ//
夢と(ポエジー) ロマン派の天空;星雲と彗星/ヘスペルス(ジャン=パウル)/暁の明星(ノヴァーリス)/セーレネー(ルートヴィヒ・ティーク)/北極星(アヒム・フォン・アルニム)/アヴェ・マリア・ステルラ(クレメンス・ブレンターノ)/百合と蛇(E.T.A.ホフマン)/銀河と流星//
  フランスの諸地方;夢への依拠/
(ポエジー)の誕生/魂と夢//
補遺//アルベール・ベガンの批評の思想(ジョルジュ・プーレ)など、
722ページ。

 →こちらにも挙げておきます:「通史、事典など」の頁の「夢など」の項

 「ギリシア・ヘレニズム・ローマ」のページ、「ii. オルペウス教(オルフェウス教)、附:余談」中の「余談」で、


ジョルジュ・カトーイ、『オルフィスムと予言の詩』、1973

 以下に挙げた資料も参照


種村季弘、『アナクロニズム』(ユリイカ叢書)、青土社、1973、pp.21-32:「地球空洞説」

ジョルジュ・プーレ、金子博訳、『三つのロマン的神話学試論』(審美叢書 10)、審美社、1975
原著は Georges Poulet, Trois essais de mythologie romantique, 1966
序/シルヴィあるいはネルヴァルの思考/ネルヴァルとゴーティエと黒い眼をした金髪の女/ピラネージとフランス・ロマン派の詩人たちなど、
194ページ。


 同じ著者による→こちらを参照:「通史、事典など」の頁の「時間論から」の項

ルドルフ・シュタイナー、高橋巖訳、「百年前のドイツ神智学」、『地球ロマン』、復刊4号、1977.3:「総特集 秘教外伝」、pp.8-19

 「訳者あとがき」によると、「1906年6月4日、パリで開かれた神智学協会年次大会で行った講演の内容を、後から雑誌『ルツィフェル=グノーシス』のために書き下したもので、戦後雑誌『ルドルフ・シュタイナー遺稿刊行会報』(第11巻1963年)に掲載され、その後全著作集の一巻『哲学と人智学』(1965年)に収録された」(p.19)。
 取りあげられているのは主にシラー、フィヒテ、ノヴァーリス、J.P.V.トロクスラーなど


 →こちらにも挙げておきます:「近代など(20世紀~) Ⅲ」の頁の「xi. シュタイナーの人智学など

荒俣宏、『パラノイア創造史』(水星文庫)、筑摩書房、1985、pp.150-166:「9 太古の記憶を幻視した詩人 - AE」
もう一つのガラス玉演戯/アイルランドの宮沢賢治/幻視の誘導装置-神智学/音とかたち

 他の目次は;
序 「パラノイア創造史」の創造史/悪魔の肖像を描いた画家 - クリストフ・ハイツマン/妖精に憑かれた家系 - チャールズ・オルタモント・ドイル/永久運動機関の発明家 - ウィリアム・マーチン/地球を割ろうとした男 - ニコラ・テスラ/驚異の心霊的発掘家 - フレデリック・ブライ・ボンド/異端派転生を信じた医者 - アーサー・ガーダム/フロイトと交感した患者 - 狼男/二つの人格を往復した男 - エンゼル・ブーン/偉大なる記憶力の持ち主 - 〝シィー〟あるいはエス・ヴェー・シェレシェフスキー/新文字を発明した人びと - 鶴岡誠一 and/or 島田文五郎/幻覚幻聴体験と電気感覚 - 電気屋/奇妙な家を建てようとした男 - 赤木城吉/架空のパラノイア患者の転生 - 桜姫/付録 「パラノイア創造史」類似行為者目録抄/あとがきなど、
270ページ。


 同じ著者による→こちらも参照:「魔術、神秘学、隠秘学など」の頁

近代ピラミッド協会編、『オカルト・ムーヴメント [近代隠秘学運動史]』、創林社、1986
序/影の水脈 - 西洋近代オカルティズム略史(横山茂雄)/神智学の誕生 - 或いは、HPBとアメリカ(岩本道人)/後期神智学協会とメシアニズム - 〈マスター〉から〈メシア〉へ(平井恭介)/アガルタと太初の伝統(田中義寬)/真理への旅 - グルジェフ、その前半生(浅井雅志)/清水英範と霊術家の時代(井村宏次)/自己意識の変容と拡大 - 多元的リアリティーを求めて(森岡正芳)など、
208ページ。


マリオ・プラーツ、『肉体と死と悪魔 ロマンティック・アゴニー』、1986、「第1部 Ⅱ サタンの変貌」

ジャネット・オッペンハイム、和田芳久訳、『英国心霊主義の抬頭 ヴィクトリア・エドワード朝時代の社会精神史』、工作舎、1992
原著は Janet Oppenheim, The Other World. Spiritualism and Psychial Research in England, 1850-1914, 1985
はじめに ヴィクトリア時代・エドワード時代の英国//
舞台背景;主役は霊媒たち/交霊会の会員たち//
代用宗教;心霊主義とキリスト教/心霊研究と不可知論/神智学とオカルト//
疑似科学;心の概念を求めて/進化という難問/物理学と心霊現象//
エピローグなど、
612ページ。


M.H.エイブラムズ、吉村正和訳、『自然と超自然 ロマン主義理念の形成』、平凡社、1993
原著は Meyer Howard Abrams, Natural Supernaturalism : Tradition and Revolution in Romantic Literature, 1971
序//
「それがわれわれの高遠な主題である」;ワーズワースの詩の構想/聖書における歴史の意匠/来るべきものの姿 - 黙示録的な結婚/キリスト教の歴史と心理的自叙伝/千年王国への二つの道 - 進歩と革命/自然的超自然主義//
ワーズワースの『序曲』と「危機の自叙伝」;『序曲』の理念/プルーストのゴシック教会/アウグスティヌスの『告白』の芸術性/精神と自然の交流/私的な生の弁神論/風景の弁神論/救済者としての想像力/新しい神話 - ワーズワース、キーツ、カーライル/福音伝道者ワーズワース//
円環を成す旅 - 巡礼と放蕩息子;異教的・キリスト教的新プラトン主義の大いなる円環/秘教的伝統における人間の分裂と再結合/放蕩息子の帰還/ロマン主義的想像力の形式//
円環を成す旅 - 疎外から再統合へ;幸運な分裂のパラドクス - シラーと普遍史/ロマン主義哲学と高遠な主題/ヘーゲル『精神現象学』における形而上学的構造と物語的プロット/自己形成する遍歴者たち - ヘルダーリン『ヒュペーリオン』、ゲーテ『ファウスト』、ノヴァーリスのロマンス//
円環を成す旅 - ブレイクからD.H.ロレンスへ;統一性の喪失と統合性の獲得 - ブレイクとコールリッジ/ワーズワースの長い帰郷の旅/ロマンティック・ラヴ/シェリー『プロミシュース解縛』/カーライルと同時代/円環を成す帰還の四重奏 - マルクス、ニーチェ、エリオット、ロレンス//
啓示・革命・想像力・認識;革命による黙示/想像力による黙示/認識による黙示/幻視の政治学 - 支配・隷属・自由//
詩人の幻視 - 新しい地と古い地;新鮮な感覚/聖なる瞬間/価値の転換/ハーマンとワーズワース - 精神的発見の並行性//
詩人の幻視 - ロマン主義とポスト・ロマン主義;新鮮な感覚と感覚の錯乱/現代における瞬間の多様性/ロマン主義の肯定するもの/世界の生と喜びの歌/ロマン主義と〈再緑化〉/希望と失意/鷲と深淵//
付録 『隠者』への趣意書(プロスペタクス);『逍遙』の序/趣意書の草稿など、
652ページ。


マリア・M・タタール、鈴木晶訳、『魔の眼に魅されて メスメリズムと文学の研究』(異貌の19世紀)、国書刊行会、1994
原著は Maria M. Tatar, Spellbound. Studies on Mesmerisum and Literature, 1978
はしがき/メスメルからフロイトへ 動物磁気、催眠、暗示/電気による救済 科学、詩、「自然哲学」/雷鳴・稲妻・電気 ハインリヒ・フォン・クライストの戯曲にみる悟りの瞬間/盲目と明察 E.T.A.ホフマンの作品にみる幻視体験/意志の形而上学 バルザックの『人間喜劇』の窃視者と見者/主人と奴隷 ホーソーンの作品における創作過程/科学小説から精神分析へ ヘンリー・ジェイムス『ボストンの人びと』、D.H.ローレンス『恋する女たち』、トーマス・マン『マリオと魔術師』/付録 メスメルの命題など、
336ページ。


 →メスマーに関連して、こちらにも挙げておきます:「ロココ、啓蒙思想など(18世紀)」の頁の「メスマー」の項

安齋千秋、『フランス・ロマン主義とエゾテリスム』、近代文藝社、1996
序文//
原初への復権 réintégration の夢 - ネルヴァルの「物言う鳥」-//19世紀の「千福年説」 - クリュドネル夫人と神聖同盟 -//
エゾテリスム;まえがき/ヴィルヘルムスバート総会/ネルヴァルと秘義結社ユゴーのエゾテリスト的稟質 - ジャージー島での心霊術体験 -/『青い鳥』のエゾテリスム - 疑似イニシエイション劇 -/『アルゴルの城館にて』(J.グラック)の一解釈 - 加入典礼の物語 - など、
302ページ。


「ロマン派の神話」、『世界神話大事典』、2001、pp.845-867
ロマン主義と神話;文学作品における神話への依存(ジャン・リシェ)/ ブレイク、ネルヴァル、バルザック(ジャン・モリノ)/両性具有者(アンドロギュノス)、分身、影(ジャン・リシェ)/両性具有者(アンドロギュノス)(ジャン・モリノ)/反逆者と犠牲者の系譜 サタン、プロメテウス、カイン、ヨブ、ファウスト、アハシュエロス、ドン・ジュアン、エンペドクレス(ジャン・リシェ)/ロマン時代の四大の精 空気の精、水の精(オンディーヌ)、火の精(サラマンダー)、地の精、またはいたずらな妖精(同)/ロマン派のオルフェウス その詩的・霊的探求(同)/ロマン派のイシス 母=妻の神話 ヘレネ、ソフィア、マリア(同)/ロマン派文学と背教者ユリアヌス(同)/ナポレオン神話(同)など

津城寛文、『〈霊〉の探求 近代スピリチュアリズムと宗教学』、春秋社、2005
序章 「近代スピリチュアリズム」という事件 - 主題のスケッチ/比較宗教学と近代スピリチュアリズム - ミュラーとモーゼスのニアミス/〈霊〉という主語 - 『霊訓』の対話から/臨死体験が問いかけるもの - 「マイヤーズ問題」の回帰/現代の輪廻神話 ー 不可視の知性が語る倫理/終章 近代スピリチュアリズムの帯域 - 神智学その他と対照して、など、
286ページ。


 同じ著者による→こちらも参照:「日本 Ⅱ」の頁の「x. いわゆる古史古伝・偽史、神代文字など

稲垣直樹、『フランス〈心霊科学〉考 宗教と科学のフロンティア』、人文書院、2007
「近代」の申し子としての「心霊科学」;「聖なる構造」の終焉/不可視へのまなざし/時代のパラダイム/「近代」のパラダイムとしての実証主義//
創造的シンクレティズムの時空 - ヴィクトル・ユゴーの「降霊術」体験「降霊術」に没頭する/「降霊術」の方法/テキスト制作の主体の問題/ユゴー自筆の記録を精査する/「降霊術」と無意識/到来する「テーブル」の宗教の時代/シンクレティズム作品成立に向けて/「闇の口」が語る/「闇の口の語ったこと」を中心とするシンクレティズム//
スピリチスム - アラン・カルデックの「科学的宗教」;実証主義の時代の「科学的宗教」/「転生」する「霊たち」/実証主義的キリスト教/旧約聖書の「創世」を修正する//
科学のフロンティアを拓く - 天文学者カミーユ・フラマリヨンと「心霊科学」;カルデシスムからの出発/宗教の支配から科学の支配へ/「心霊」を科学するための実験/「心霊現象」の事例収集と分析・総合など、
396ページ。


高橋理樹、「隣接する科学とフィクション - 19世紀イギリスにおける四次元論の展開 -」、『文学研究論集』、no.25、2007.3.29、pp.27-41 [ < つくばリポジトリ
URI : http://hdl.handle.net/2241/91076

 ウェルズ「タイム・マシン」が冒頭はじめと最後にとりあげられています。
 また次元論に関し→こちらも参照:「近代など(20世紀~) Ⅱ」の頁の「vi. 次元など


三浦清宏、『近代スピリチュアリズムの歴史 心霊研究から超心理学へ』、講談社、2008
ハイズヴィル事件とその波紋/ハイズヴィルに至る道のり/心霊研究の黄金時代Ⅰ - 霊能者の活躍/心霊研究の黄金時代Ⅱ - 霊能者 vs. 研究者たち/心霊研究後期 - 英国以外の研究者たちとその成果/スピリチュアリズムの発展と挫折/超心理学の時代/日本の事情など、
316ページ。


能木敬次、「『世界霊魂(Weltseele)』の系譜とドイツ・ロマン派における受容について」、『福岡経大論集』、38巻1号、2008.12.1、pp.45-58 [ < 日本経済大学リポジトリ

能木敬次、「認識の魔術 - F.X.v.バアダーの力動論的認識論について -」、『福岡経大論集』、39巻1号、2010.2.3、pp.11-26 [ < 同上 ]

 第2節が「バアダーとユダヤの神秘思想『カバラ』」(pp.17-20)ということで→こちらにも挙げておきます:「ユダヤ Ⅲ」の頁中の「xvi. キリスト教カバラ-、隠秘学的模作など

能木敬次、「グノーシス思想とロマン派の思想家たち」、『日本経大論集』、40巻2号、2011.3.31、pp.267-284 [ < 同上 ]

 「グノーシス思想とロマン派の思想家たち Ⅱ.『グノーシス思想とドイツ観念論』 前編『ドイツ観念論への前章としての近代ドイツの思想家たち』」(2012)はベーメを主に扱っているので、
 →そちらに挙げておきます(「バロックなど(17世紀)」の頁中の「iii. ベーメ、その他
 またグノーシスとの関連であわせて→
 あちらにも挙げておきます:「グノーシス諸派など Ⅲ」の頁中の「おまけ

能木敬次、「ドイツ・ロマン派における『悪』の概念の系譜 - パラケルスス、ベーメ、シェリング より -」、『日本経大論集』、44巻1号、2014.12.22、pp.177-195 [ < 同上 ]

私市保彦監訳、新島進・石橋正孝訳、『ジュール・ヴェルヌの世紀 科学・冒険・《驚異の旅》』、東洋書林、2009
原著は Jules Verne. De la science à l'imaginaire, sous la direction de Philippe de la Cotardière, avec la collaboration de Jean-Paul Dekiss, préface de Michel Serre, 2004
口絵//
序文 - ジュール・ヴェルヌの魔法(ミシェル・セール)//
ジュール・ヴェルヌ - 人と作品(ジャン=ポール・ドキス)//
進歩の世紀(ミシェル・クロゾン)//
われらが惑星(ほし)の発見;地球を探索する(アレクサンドル・タリュー)/地底の世界(ガビリエル・ゴオー)/空の征服(フィリップ・ド・ラ・コタルディエール)//
コスモス(フィリップ・ド・ラ・コタルディエール)//
ジュール・ヴェルヌと未来(ジャン=ポール・ドキス)//
《驚異の旅》一覧など、
354ページ。


宇多直久、「マックス・ミルネルとロマン主義文学史サタン篇」、2009

吉村正和、『心霊の文化史 スピリチュアルな英国近代』(河出ブックス 009)、河出書房新社、2010
序章 心霊主義の誕生/骨相学、人間観察、催眠術/心霊主義と社会改革/神智学とオカルト/心理学との融合/田園都市と心霊主義など、
228ページ。


田中千惠子、『「フランケンシュタイン」とヘルメス思想 - 自然魔術・崇高・ゴシック』、水声社、2015
序論 『フランケンシュタイン』とヘルメス主義の伝統;はじめに/先行研究/本書のアプローチについて/本書の構成/テキストについて//
エゾテリシズムとロマン主義;序/西洋エゾテリシズム/ヘルメス思想/イギリス・ロマン主義とエゾテリシズム/結語//
生命の創造 - 錬金術・アグリッパの自然魔術・ヘルメス思想;序/錬金術と化学/インゴルシュタット/生命創造とヘルメス思想/自然魔術/結語//
科学と魔術;序/自然哲学/磁気/電気/存在の火花 - 磁気・電気・プネウマ/魔術と子供時代/結語//
崇高・神秘主義・二重の生;序/情熱/崇高と神秘主義/二重の生/聖なる狂気・魂の高揚・非理性/クラーヴァルとヴィクター/夜、暗黒、霊/結語//
ゴシックとエゾテリシズム;序/作品のゴシック性/『聖アーヴィン - 薔薇十字主義者の物語』/結語//
氷と火 - ヘルメス思想における自然と想像力;序/自然に内在する霊的な存在/生動する宇宙/『フランケンシュタイン』の自然とヘルメス思想/ヘルメス思想と想像力/氷と火/結語//
結論 魔術的〈知〉を求めて - 作品におけるヘルメス思想など、
358ページ。


 『フランケンシュタイン』にちなんで→こちら(『フランケンシュタイン』(1931)の頁の「おまけ」)に、、
 ヘルメス思想にちなんで→そちら(「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「xii. その他」)や、あちら(「ルネサンス、マニエリスムなど(15~16世紀)」の頁の「vi. ブルーノなど」)にも挙げておきます。
 〈エゾテリシズム〉についての参照先の一つが(pp.25-27)
 →アントワーヌ・フェーヴル、田中義廣訳、『エゾテリスム思想』、1995
 同じ田中千惠子による→ここ(「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「xix. ラヴクラフトとクトゥルー神話など」)や、またそこ(「ルネサンス、マニエリスムなど(14~15世紀)」の頁の「コペルニクス」の項)も参照


Alain Mercier, Les sources ésotériques et occultes de la poésie symbolistes (1870-1914). Ⅰ Le symbolisme français, Éditions A.-G. Nizet, Paris, 1969
『象徴主義詩の秘教的・隠秘学的源泉(1870-1914) Ⅰ フランス象徴主義』
秘教と詩//
フランスにおける隠秘学の復活と詩の展開(1840-1870)//
新たな実在を求めて - フランスにおける象徴主義の兆しとなる環境(1870-1885)//
巨匠たちと伝統;マラルメ/ヴィリエ・ド・リラダン/アルテュール・ランボー/ロートレアモン//
絵画的・造形的秘教とその影響//
ヘルメース主義運動の飛躍と秘教的象徴主義(1885-1914)//
フランスの新たな詩的精神における隠秘学的傾向(1885-1914) - (デカダンスと象徴主義);悪魔主義とデカダンス/象徴主義、類推と聖なる言葉など、
286ページ(手元にあるのはコピー)。


Alain Mercier, Les sources ésotériques et occultes de la poésie symbolistes (1870-1914). Ⅱ Le symbolisme européen, Éditions A.-G. Nizet, Paris, 1974
『象徴主義詩の秘教的・隠秘学的源泉(1870-1914) Ⅱ ヨーロッパの象徴主義』
序論//
英語圏 英国、アイルランド//
ドイツ語圏 ドイツ、オーストリア、ドイツ語スイス//
北方 ベルギー、オランダ、スカンジナヴィア//
スラヴ圏 ポーランド、ブルガリア、ロシア、ボヘミア、リトゥアニア//
地中海圏;イタリア、ギリシア/スペイン、カタルーニャ、ポルトガル//
ハンガリー、ルーマニア//
結論など、
254ページ(手元にあるのはコピー)。


Paul A. Cantor, Creature and Creator. Myth-making and English Romanticism, Cambridge University Press, Cambridge, etc., 1984/85
『被造物と創造主 神話作成と英国ロマン主義』
はじめに/序 エデンについての言説//
失楽園と復楽園;悪霊的な創造主/縛めを解かれた神話//
ロマン主義的プロメーテウス;黙示録への序曲/ロマン主義的理想主義の悪夢//
永遠の喪失;形而上学的反抗/ロマン主義的神話と悲劇的ヴィジョン//
結論 ルソーへの回帰など、
246ページ。


 「1790年代に英文学に新たなジャンルが出現した、というかむしろ、古くからののジャンルが再出現した:創造神話である」
と「はじめに」は書き出されます(p.iX)。具体的には
・ブレイクの『ユリゼンの書』(1794)と『四体のゾア』が第1部1-2章で、
・パーシー・シェリーの『縛めを解かれたプロメーテウス』が第2部3章、
・メアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』が第2部4章、
・バイロンの『カイン』が第3部5章、
・キーツの『ヒュペリーオーン(ハイペリオン)(の没落)』が第3部6章
でそれぞれ、主として取りあげられます。
 これらの作品の対すべき前提とされるのが一つにミルトン、もう一つがルソー(わけても『人間不平等起源論』(1755))で、双方「序」で扱われます。また早々に「はじめに」では、グノーシス主義が引きあいに出されたりもする(pp.x-xiii)。
 とまれ、ブレイクに関し→こちら(「ロココ、啓蒙思想など(18世紀)」の頁の「v. ブレイクなど」)、メアリー・シェリーについて→そちら(『フランケンシュタイン』(1931)の頁の「おまけ」)、バイロンにまつわって→あちら(本頁上掲の「バイロン」の項)でも挙げておきます。

Edited by J. B. Bullen, The Sun is God. Painting, Literature and Mythology in the Nineteenth Century, Clarendon Press, London, 1989
『太陽は神だ 19世紀の絵画、文学と神話』
序/ロマン主義的マニ教 シェリーの「悪魔について、そして悪魔たち」とバイロンの神話的劇
Marilyn Butler/J.M.W.ターナーと太陽神話(John Gage)/テニソンの「シャーロットの貴婦人」 - ヴィクトリア朝神話誌とナルシシズムの政治学(Isobel Armstrong)/「太陽は神だ」 - ラスキンの太陽神話学(Dinah Birch)/信仰の太陽、疑念の月 - スウィンバーンのアポローン神話における言語と知識(Thaïs E. Morgan)/「太陽の死」 - ヴィクトリア朝の太陽物理学と太陽神話(Gillian Beer)/ウェセックス流謫の中での神々 - トマス・ハーディーと神話学(J. B. Bullen)/結論 - マックス・ミュラーとウォルター・ペイターにおける神話とメタ神話(Steven Connor)など、
240ページ(手元にあるのはコピー)。


Andrew D. Wilson, “Romantic Cosmology”, Encyclopedia of Cosmology. Historical, Philosophical, and Scientific Foundations of Modern Cosmology, 1993, pp.596-604


 宇宙論とは必ずしも関わりませんが、ロマン主義については「古城と怪奇映画など」中の「怪奇城の外濠」中の「v. ゴシック・ロマンス、その他」も参照ください。

xiii. モルモン教など

 モルモン教の存在を初めて知ったのは、コナン・ドイルの処女作『緋色の研究』(1887)だったかと思いますが、その後、どこで読んだのかその神学に触れて(セルジュ・ユタン、『英米哲学入門』、1959、p.108 でも言及されていますが、そこよりはもう少し情報量の多い何かに触れたような気がするのですが)、興味を持つことになりました;

高橋弘、『素顔のモルモン教 アメリカ西部の宗教 その成立と展開』、新教出版社、1996
素顔のモルモン教//
モルモン教の歴史 はじめに//「説話」にもとづくモルモン教の歴史//
  歴史学にもとづくモルモン教の歴史;ジョセフ・スミスの時代/ジョセフ・スミスの魔術時代/カートランド時代/ミズーリー時代/ノーヴー時代//
モルモン内部の歴史論争//モルモン教と黒人問題など、
332ページ。

 「Ⅰ 素顔のモルモン教」中に「モルモン教の教理と神学」の節があります(pp.40-48)。


平井康大、「モルモン書とLDS教会 - 教会の誕生」、『アメリカ研究』、no.38、2004、pp.81-101 [ < J-STAGE ]

沼野治郎、『モルモン教をどう見るか 第三の視点をさぐる』、せせらぎ出版、2013
序文(高山眞知子)//
はじめに//
末日聖徒イエス・キリスト教会(モルモン教)の登場;モルモン教の登場した時代背景/ジョセフ・スミスの少年時代/神の顕現とそれに続く示現/モルモン書/教会の創設/教会初期から現代に至る歴史//
モルモン教はキリスト教であるのか?;キリスト教であるのか。カルト視される理由/モルモン教会の特徴/神殿の儀式「エンダウメント」/一夫多妻制度の発生と終了/黒人に神権が拒まれていたこと/マウンテン・メドーズの虐殺/教会の資金力に対する疑問/モルモン教会が現在直面する問題//
日本におけるモルモン教会;日本への布教/日本におけるモルモン教の歴史/日常の礼拝様式と信仰生活/日本のモルモン教会の特徴/日本のモルモン教会が現在直面する問題//
おわりに/補足資料/参考文献など、
188ページ。


『モルモン経 イエス・キリストについてのもうひとつの証』、末日聖徒イエス・キリスト教会、1957
モルモン経 モルモンがニーファイの版から取って自分の手で別の版に刻んだ記録(英訳者 ジョセフ・スミス(二代目))/序文/三人の見証者の証言/八人の見証者の証言/モルモン経の起原/モルモン経の簡単な解剖//
ニーファイ第1書/ニーファイ第2書/ヤコブ書/イノス書/ジェロム書/オムナイ書/モルモン言/モーサヤ書/アルマ書/ヒラマン書/ニーファイ第3書/ニーファイ第4書/モルモン書/イテル書/モロナイ書など、
976ページ。


John L. Brooke, The Refiner's Fire. The Making of Mormon Cosmology, 1644-1844, Cambridge University Press, 1994
『精錬者の火 モルモン教宇宙論の形成、1644-1844』
準備された民;原初のアダムの夢/真の霊的種子/我らが父祖たちの何か//
ヘルメース学的清浄とヘルメース学的危険;霊的ウリム/錬金術的実験/私はシャロンで生まれた//
モルモン的処理;ザラヘムラの地における秘密の組みあわせと滑りやすい宝/定義された密儀/神殿、妻たち、贋金作りと戦/王国への鍵/糸の縺れと神の王国/神秘は神秘のままに//
附録 ヴァーモントとニューヨークにおけるモルモン教の起源の宗派的・ヘルメース主義的状況など、
442ページ。

おまけ

 ロマン主義の宇宙論的イメージということで、フィリップ・オットー・ルンゲ(1777-1810)の《一日の四つの時》連作の版画版(1805)を挙げておきましょう。1803年にペン素描として制作したものを、版画化したものです。

松友千香子「ルンゲの『一日の諸時間 (Die Zeiten) 』における『天使」』と『子ども』」(2012)

 によるとルンゲは、

「朝は、宇宙のはてしなき照明。昼は、宇宙に満ちている被造物のはてしない造形。夕は、宇宙の根源の内への、存在の はてしなき滅却。夜は、神の内なる滅びることのない存在の、認識のはてしなき深み。これらは造られた精神の四つの次元である。しかし神は、一切中の一切に作用する」

 と述べているとのこと(p.116)。
* 画像をクリックすると、拡大画像とデータが表示されます;


 ルンゲ、《一日の四つの時-朝》、1805    ルンゲ、《一日の四つの時-昼》、1805
 《朝》   《昼》 
     
 ルンゲ、《一日の四つの時-夕》、1805    ルンゲ、《一日の四つの時-夜》、1805
 《夕》   《夜》 

 また、「北欧、ケルトなど」のページで挙げた《オシアン》の図像→こちら(「おまけ」)を参照、
 「ロココ、啓蒙思想など(18世紀)」のページで挙げたターナー《光と色(ゲーテの理論)-洪水の後の朝-創世記を書くモーセ》(1843年頃)→そちら(「おまけ」)を参照、
 「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」のページで挙げたモロー《諸天球を観想する大いなるパーン》→あちら(「おまけ」)を参照

 などもご覧ください

 ちなみにモローが晩年の《ユピテルとセメレー》や《死せる竪琴》などのために書いた註釈は、それ自体ロマン主義/象徴主義の時期における終末論的想像力の例となっています→ここ(「ギュスターヴ・モロー研究序説」[11])や、そこ(同[13])を参照

 さて、そもそも上に挙げた諸文献にはフィクションとして制作されたものも少なくありませんが、西欧の19世紀を扱ったフィクションも数知れぬことでしょう。すでにポーにちなんでルーディ・ラッカーの『空洞地球』、ニーチェにちなんで荒巻義雄「大いなる正午」に触れましたが、それ以外でとりあえず思い浮かぶものとして;

ウィリアム・ギブスン&ブルース・スターリング、黒丸尚訳、『ディファレンス・エンジン』(上下)(角川文庫 キ 6-1/2)、角川書店、1993
原著は William Gibson & Bruce Sterling, The Difference Engine, 1990
 邦訳は1991刊本の文庫化

 ギブスンによる→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅴ」の頁の「ギブスン」の項


 この作品を承けたのが;

山田正紀、『エイダ』、早川書房、1994

 ゾロアスター教の宇宙史から語り起こされ(なので→こちらにも挙げておきます:「イラン」の頁の「おまけ」)、
タイトルの由来であるバイロンの娘オーガスタ・エイダにチャールズ・バベッジ、
メアリ・シェリーとフランケンシュタインの怪物(なので→そちらにも挙げておきます:『フランケンシュタイン』(1931)の頁の「おまけ」))、
さらにディケンズ、コナン・ドイルにホームズ、
加えて『襲撃のメロディー』がデビュー前の習作だという(p.314)名無しのSF作家、
「〝並行宇宙〟だろうがどこだろうと平気で生きていける生き物」たる神出鬼没の猫(pp.285-286、またp.163)
などが登場します。
バイロンの詩が何度か引かれ(たとえばp.77やp.135、p.271、p.365など)、
ケン・ラッセルの『ゴシック』や(p.140)、
「エヴァレッタ」の〝並行宇宙論〟(たとえばp.173、p.325など→「怪奇城の図書室」の頁でも触れました)
が言及されもすれば、
「ビッグ・バン宇宙論」と「プラズマ宇宙論」が闘争したりします(たとえばpp.51-55、pp.250-251、pp.374-376)。

 →あちらでも触れました:「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「法月綸太郎」の項の『怪盗グリフィン対ラトウィッジ機関』(2015/2017)のところ
 山田正紀について→ここも参照:「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「山田正紀」の項

 フランケンシュタインの怪物といえば;

伊藤計劃×円城塔、『屍者の帝国』、2012

笠井潔、『群衆の悪魔 デュパン第四の事件』(講談社文庫 か 54-5)、講談社、2000
 1996刊本の文庫化

 ボードレールだのクールベだのサンドだのバルザックだのブランキだのマルクスだのヴィドックだのも登場します。
 同じ著者による→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「xvii. ブックガイド、通史など


 ヴィドックといえば;

『ヴィドック』、2001、監督:ビトフ

 直接ヨーロッパの19世紀を歌ったというわけではないのでしょうが、世紀末といえば思いだされるのが、

Roxy Music, Stranded, 1973(邦題:ロキシー・ミュージック、『ストランド』)(→こちらも参照:「アメリカ大陸など」の頁の「おまけ」)

 から
“A Song for Europe”(邦題:「ヨーロッパ哀歌」)なのでした。
 ポーがらみではこちら(『アッシャー家の末裔』、1928)や、あちら(『黒猫』、1934)、またこなた(『大鴉』、1935)、そっち(『怪異ミイラの恐怖/黒猫の怨霊/人妻を眠らす妖術』、1962)、あそこ(『黒猫の棲む館』、1964)などの各「おまけ」で関係のありそうななさそうな曲を挙げましたが、さらに;

Crack, Si todo hiciera, 1973(邦題:クラック、『邂逅(かいこう)』)(1)

 から1曲目
“Descenso en el Mahëllstrong”(邦題:「渦中への降下」)。器楽曲です。
1. 『ユーロ・ロック集成』、マーキームーン社、1987/90、p.152。
 片山伸監修、『ユーロ・プログレッシヴ・ロック The DIG Presents Disc Guide Series #018』、シンコーミュージック、2004、p.35。
 『ユーロ・ロック・プレス』、vol.35、2007.11、p.32。
2014/04/19 以後、随時修正・追補
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