ホーム 宇宙論の歴史、孫引きガイド 古城と怪奇映画など 美術の話 おまけ
中央アジア、東アジア、東南アジア、オセアニアなど
 i アルタイ、テュルクなど
ii チベットなど 
 iii ネパールなど 
 iv 朝鮮・韓国など
 v タイなど
 vi ジャワ、バリなど 
 vi オセアニアなど
  おまけ
南極と北極、赤道 

* ハングルをはじめとして、このページに登場する諸文化の言語の日本語表記は、勉強不足のため残念ながらわかりません。
例によって、多々誤りもあろうかと思いますが、ご寛恕ください。
i. アルタイ、テュルクなど

ウノ・ハルヴァ、田中克彦訳、『シャマニズム アルタイ系諸民族の世界像』、三省堂、1971
邦訳の底本は Uno Harva, Die religiösen Vorstellungen der altaischen Völker, 1938 で、「一九三三年のフィン語版 Altain suvun uskonto. を大幅に増補して、フィンランド科学アカデミーが編集発行したもの」(p.515)。
序説//
世界像;大地/大地の支え手/天とその柱/世界の層/世界の山/世界の樹/世界河とその水源//
大地の起源//
人間の起源;人間の創り手としての神と悪魔/人間堕落の原因としての果実//
世界の終末//天神//天神の《息子》と《助手》//出産と出産霊//
星辰;太陽と月/北極星と小熊座/大熊座/オリオン座/すばる/金星/銀河/十二年周期の獣帯記号//
雷//風//火//神格としての大地//
霊魂崇拝//死と物忌みと服喪//死者の身支度//供養祭//死者の世界//死者と生者の関係//
自然の主たち//狩猟儀礼;女と野獣/狩人と野獣/森林動物の骨の保存//
シャマン;シャマンの能力と素質/シャマンの諸霊/シャマニズムと動物界/シャマンの樹/白シャマンと黒シャマン/シャマンの叙品/シャマンの装束/シャマンの太鼓/シャマンの職能//
供儀と供儀祭など、
592ページ。

 本書は東洋文庫に収められた(未見)。

 第1章中の「大地の支え手」に関連して→こちら(「インド」の頁の「iv. 象・亀・蛇など」)や、そちら(「イスラーム Ⅲ」の頁の「x. クジャタ、バハムート、ファラク、その他」)でも挙げました
 「第2章 大地の起源」に関連して→あちら(「北欧、ケルト、スラヴなど」の頁の「iii. スラヴ、フィンランド、古ヨーロッパなど」)でも挙げました


ミルチア・エリアーデ、堀一郎訳、『シャーマニズム 古代的エクスタシー技術』(上下、ちくま学芸文庫 エ 3-9/10)、筑摩書房、2004
原著は Mircea Eliade, Le chamanisme et les techniques archaïques de l'extase, 1951 の改正増補の英訳(1964)およびフランス語第2版(1968)。
 1974年刊訳本の文庫化。
上巻;概説 成巫方法=シャーマニズムと神秘的天職/イニシエーション的疾病と夢想/シャーマンの能力の獲得/入巫儀礼(イニシエーション)/シャーマンの衣装と太鼓のシンボリズム/中央および北方アジアにおけるシャーマニズム/シャーマニズムと宇宙論など、
482ページ。
下巻;南・北アメリカのシャーマニズム/東南アジアとオセアニアにおけるシャーマニズム/印欧系諸族におけるシャーマンのイデオロギーと技術/チベット、中国および極東におけるシャーマンのシンボリズムと技術/相似せる神話、シンボルおよび儀礼/結論//解説(奥山倫明)など、
468ページ。


 エリアーデについて→こちらも参照:「通史、事典など」の頁の「v. テーマ別のもの諸々

ミルチア・エリアーデ、堀美佐子訳、「エクスタシー技術と秘密の言語」、1975

ミルチャ・エリアーデ、「シャーマンの夢と幻覚」、『エピステーメー』、vol.4 no.6、1978.7、「特集 地球-時空の読解」、pp.36-47
原著は Mircea Eliade, “Rêves et visions initiatiques chez les chamans sibériens”, 1967

ジョーン・ハリファクス、松枝到訳、『シャーマン-異界への旅人 イメージの博物誌 26』、平凡社、1992
原著は Joan Halifax, Shaman - The Wounded Healer, 1982
手負いの治療者;神秘的想像力の類型/力の網/自然の血族と異種間のコミュニケーション/手負いの治療者の聖なる道/楽園への隠遁/鳥のように飛ぶこと/太陽の扉/民への帰還/生命の精髄/時間の終わり//
図版;地下世界への通路/二つの光の世界への敷居/旅立ちと孵化/地下世界の精霊/死と骸骨化/契約と動物への変身/生命エネルギーと力の連合/均衡と共感/世界樹と世界軸/飛翔/火の神秘/ソラリゼーション/中間世界への帰還//
訳者解題;地球を貫く叡知など、
104ページ。


 『イメージの博物誌』シリーズについて→こちらを参照:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「1. 図像など
………………………

高橋庸一郎、「ウイグル族の神話 中国少数民族の文化様相 1」、『アジア遊学』、no.19、2000.8、「特集・数のシンボリズム」、pp.148-156(特集外)
ウイグル族とモンゴル族/『ウコス可汗伝説』とウイグル族/『ウコス可汗の伝説』の内容/『ウコス可汗伝説』の持つ古代的特徴/『集史』のオグズ・ナーメ/『ウコス可汗の伝説』と『オグズ・ナーメ』など

坂井弘紀、「死から逃れようとする賢者 テュルク世界の伝説的人物コルクトについて」、永澤峻編、『死と来世の神話学』、言叢社、2007、pp.279-300

坂井弘紀訳、『ウラル・バトゥル バシュコルト英雄叙事詩』(東洋文庫 814)、平凡社、2011
ウラル・バトゥル/ウラル・バトゥル(異本)/イゼルとヤユク/アクブザト/解説など、
292ページ。


包龍、「古のモンゴル的宇宙観と霊魂観について」、『岡山大学大学院社会文化科学研究科紀要』、no.24、2007.11、pp.112-100 [ < 岡山大学学術成果リポジトリ

「トルコ・モンゴル諸族の神話・宗教」、『世界神話大事典』、2001、pp.1192-1218
トルコ・モンゴル諸族 宗教と神話(ジャン=ポール・ルー)/宇宙創成説と宇宙形態説(同)/天神と天体(同)/擬人化された雷(同)/シャマニズム(同)/祖先崇拝(同)/精霊・主(ぬし) イッチとエジェン(同)/動物の重要性 部族神話と狩りの祭儀(同)/終末論と来世観(同)/葬儀の風習(同)/山と宇宙軸(同)/生命の木と宇宙軸(同)/「大地」(同)/「水」(同)/火の崇拝(同)/誓いの儀式 血(同)/英雄たち(同)/魔物(同)など 

Jean-Paul Roux, ‘La naissance du monde chez les turcs et les mongols’, La naissance du monde. Sources orientales Ⅰ, 1959, pp.281-297.
「テュルクとモンゴルにおける世界の始まり」
イスラーム・テュルクにおけるアニミズム的宇宙開闢論の痕跡/アブー・バクル・ベン・アブダラーによる最初の人間をめぐるテュルクの神話/『オルホン川創世記』/部族の起源/大いなる人々の起源/『オグズナーメ』叙事詩/際だった無関心/近年の伝承など

………………………

アドルフ・フリートリッヒ、田中克彦訳、「ツングース族の世界像-生活と生命の起源に関する一自然民族の意識-」、大林太良編、『神話・社会・世界観』、角川書店、1972、pp.113-129
原著は Adolf Friedlich, “Das Bewußtsein eines Naturvolkes von Haushalt und Ursprung des Lebens”, 1955

荻原真子、「エヴェンキ族の創世神話」、『ユリイカ』、vol.17 no.1、1985.1、「特集 日本の神話」、pp.116-129
地上の世界について/天上の世界について/地下の世界について

荻原眞子、『東北アジアの神話・伝説』、東方書店、1995
東北アジアの民族と神話・伝承;シベリアの民族と文化/狩猟民の神話・伝承と語りの意味//
北東シベリアの神話・伝承;序/創造のはじめの物語 1、2/ワタリガラス 1、2/野ウサギ/玩具の民/娘と頭蓋骨/創造神とミチ/創造神がカラウと闘う/至高神はいかにして雨をつくるか/大ワタリガラスと息子「クマの耳」/大ワタリガラス川をつくる/エメムクトと五つ頭のカマク/イニェアニェウトと霧の男/クッキとミチ/弓をもった少年/大地の創造/シナネフトと仔グマ/チェリクトフとベニテングダケ娘/エメムクトとマロクリナフトとガチョウ/雷と造物神/二人兄弟とワタリガラス/嫁に行きたがらない娘/月の妹/アートルーング/月面物語/人喰い 1、2、3/ワタリガラス 3/娘と月//
アムール・サハリン地域の神話・伝承;序/二羽のシジュウカラ/膣に歯をもつ女たち/アザラシと結婚した女/慈悲深いクマ/火の主を侮辱した男/人間のさだめ/三人の少年/ガシアン村の人々の暮らし/オニンカ氏族はどうして殖えたのか/ワタリガラスになった男/フナとカラス/二人の姉妹/クマ祭/祖先の暮し/日露戦争のエピソード/三つの太陽 1/クマの妻/三つの日月/ナニ族の起源/「近海のヒト」と「遠海のヒト」/三つの太陽 2/カルガム/山のヒトが少なくなったわけ/ワタリガラスとトビ//
東シベリアの神話・伝承;序/大地の創造/人間の創造/死の起源/シャマン/太陽デリチャ/太陽と月/月と太陽/金属と鉱物の起源/大熊座/創造神アマカ/地下界/ネメロン/ヘラダン/人喰い女チュルグディ/英雄ビョルコリトゥン/頭領ショリンチョー/英雄ソルダヌィ/クマ/月の斑点/カゲナ老人の娘など、
278ページ。


荻原眞子、「神話・英雄叙事詩における天界と天界びと - シベリアのサハ(ヤクート)の口承文芸から」、『アジア遊学』、no.121、2009.4、「特集・天空の神話学」、pp.51-57
神話における天界/三界の生成/「天女と狩人」/勇者と天上界 - 英雄叙事詩オロンホから/イシアッフ儀礼における至高神 - まとめに代えて、など

 同じ著者による→こちらも参照:「日本 Ⅱ」の頁の「xii. 琉球、アイヌなど

斎藤君子編訳、『シベリア民話集』(岩波文庫 赤 644-1)、岩波書店、1988
アジア・エスキモー;ふしぎな手太鼓/海で遭難した男/オーロラになった若者//
チュクチャ;狼とワタリガラス/人食いケレ退治/トナカイ飼いのイィヌヴィエ//
ケレク;兎のミルトカリク/クッキ//
コリャータ;アゴヒゲアザラシの脂をとりにいったクイクィンニャク/雨を降り止ませたクイクィンニャク/ワタリガラスのヴェルヴィムティルィン//
イテリメン;卵から生まれた娘たち/かたつむり//
ニヴフ;海の主の嫁になった娘/水の母の息子//
エヴェンキ;トルガネイとアルタネイと妹のネレンチク/ウムスリケン\\
エヴェン;じいちゃんと角のスプーン/三人の息子//
ナナイ;カラスとフナ/蛙と美しい女/チョルチョミャーカ//
オロチ;ヌゲティルカ/姉と弟//
ブリャート;つばめ/動物のことばがわかる男/白鳥女房/熊男//
トゥヴァ;こぶとりじい/勇敢な山羊/えぞやまどりを捕る男クルトゥ=ドゥザクタル//
ショル;山の主//
ヌガナサン;あたたかい陽気/かもめ/蚊//
ケト;月と太陽/体のない頭の話//
ハンティ;焚き火をするおじいさん/こねずみ/こねずみとヘラジカ//
マンシ;大地の大きさをはかったワタリガラス//
シベリアの民話について、など、
346ページ。


「シベリアの神話・宗教」、『世界神話大事典』、2001、pp.1219-1235
シベリア 宗教と神話 ツングース族の事例(ローランス・ドラビー)/偉大な天神(同)/精霊・主(ぬし)とシャマニズム(同)/霊魂とその化身(同)など

ii. チベットなど

 「仏教 Ⅱ」の頁と重複するものもありますが;

フィリップ・ローソン、森雅秀・森喜子訳、『聖なるチベット イメージの博物誌 25』、平凡社、1992
原著は Philip Rawson, Sacred Tibet, 1991
序論;エネルギーの国土/基層としてのシャマニズム/仏教伝来/超越的なもののすがた/三身説/菩薩/マントラと金剛のエネルギー/宗教生活と芸術/瞑想による視覚化/智慧としての女性と微細身/究極のパターン/死の儀礼/体系化されたイコノグラフィ//
図版;仏陀/死と骨/チョルテン/舞踊劇/経典と智慧/音の世界/マントラ/プルブとヴァジュラ/媒体/慈悲深き存在/ダーキニー-虚空を行く女/祖師/マンダラ/瞑想の体系/変容と超越//
訳者解題;ラマ教からチベット仏教へ、など、
104ページ。

 同じ著者による→こちら(「インド」の頁の「vi. タントラなど」)や、またそちら(「中国」の頁の「i. 概説、通史など」)も参照

 『イメージの博物誌』シリーズについて→あちらを参照:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「i. 図像など

『チベット密教の本 死と再生を司る秘密の教え Books Esoterica 11』、学習研究社、1994
西蔵密教の旅(本多不二雄)/活仏に聞く(構成編集部、取材協力平岡宏一)/死と再生に関する秘密の教え(不二龍彦)/身体に関する秘密の教え(井村宏次)/聖地シャンバラ伝説(サットゥワ・ジォルダ)/瞑想に関する秘密の教え(吉田邦博、監修平岡宏一)/チベット密教史(豊島泰国)/曼陀羅の神々;曼陀羅の構造学(立川武蔵・山口しのぶ)、仏教と神々の世界(立川武蔵・山口しのぶ)、チベット密教の祖師(石濱裕美子)など、
230ページ。


立川武蔵・頼富本宏編、『チベット密教 シリーズ密教 2』、春秋社、1999、pp.3-236
序論-チベット密教とは何か(立川武蔵)//
第一部 チベットの密教;歴史篇 チベット密教史(石濱裕美子)
思想篇 ツォンカバの生涯と密教思想(立川武蔵)/チベット密教の仏身(谷口富士夫)/「幻身」 - チベット密教における即身成仏理論(平岡宏一)/マハームドラー(大印契)の思想と実践(ゲシェー・ソナム・ギャルツェン・ゴンタ)/チベットにおける四種タントラの認識(クンチョック・シタル)/ツォンカバの密教理解(高田順仁)//
図像篇 マンダラの形と機能(森雅秀)//
美術篇 チベット仏教美術(田中公明)/タンカの流派と描き方(小野田俊蔵)//
実践儀礼篇 ヤマーンタカ成就法(ツルティム・ケサン/正木晃)/護摩儀礼(北村太道)など


岡田明憲、「チベットの秘教書」、藤巻一保・岡田明憲、『東洋秘教書大全』、学研パブリッシング、2012、pp.303-349
チベットの秘教書とは インド・中国の思想と土着信仰が融合した文献群/パドマサンバヴァ伝/秘密集会/時輪タントラ/八十四成就者行伝/ナーローの六法/ミラレパ十万歌/秘密道次第論/不二成就/デーロク物語/十万白龍/四部医典

友田正彦、『チベット/天界の建築』(INAX ALBUM 33)、INAX出版、1995
チベット仏教とは;チベット仏教の特色/チベット仏教略史//
天界の宮殿/聖都ラサの都市構造;パルコル/時計回りに歩く巡礼回廊/ポタラ宮/中空に浮かぶ聖都の象徴//
立体曼荼羅としての建築;サムイェ寺院/須弥山宇宙観を体現した伽藍配置/クンブン/螺旋状に巡拝する曼荼羅空間//
寺院都市/チベット寺院の構成要素;一般寺院と僧院/僧院の選地//
寺院建築の構造;前殿と仏殿/裾広がりのシルエット/チベット寺院建築の彩色//
装飾のシンボリズム;本堂建築のポーチ/装飾金物など、
48ページ。


 →こちらにも挙げておきます:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「v. 建築など
………………………

 いささか怪しげという以上に、すでに時代の証言となりおおせてているのが;

おおえまさのり訳編、『チベットの死者の書 〈バルド ソドル〉』、講談社、1974
第一巻[チカイ・バルド 並びに チョェニ・バルド];序論/第一章 死の瞬間のバルド 死の徴候に関する教え (1)チカイ・バルドの第一段階-死の瞬間に原初のクリヤー・ライトが見られる (2)チカイ・バルドの第二段階-死の瞬間に第二のクリヤー・ライトが見られる/
  第二章 レアリティーを経験しているバルド チョェニ・バルドと呼ばれるバルドの第三段階-カルマの幻覚が現われて来る (1)平和の神々の夜明け 第一日目から第七日目まで (2)忿怒の神々の夜明け 第八日目から第十四日目まで/結論//
第二巻[シドパ・バルド];序句/第一章 死後の世界 (1)バルドの体・その誕生と非凡な機能 (2)中間状態の存在の特徴 (3)審判 (4)すべてを決定する思考の力 (5)六ローカの光の夜明け/
  第二章 再誕生の過程 (1)子宮の入口を閉じること (2)子宮の入口の選択 (3)二者選一・非凡な誕生と子宮誕生 子宮誕生・人間界への帰還/総括//
付記 密呪//バルド・ソドル考など、
280ページ。

 本書が依拠したエヴァンス・ヴェンツ本をめぐっては、次に挙げる川崎信定訳書の「文庫版解説」pp.206-223, 233, 236-238 を参照。


川崎信定訳、『原典訳 チベットの死者の書』(ちくま学芸文庫 カ-3-1)、筑摩書房、1993
 原著は1989刊。
第一巻 チカエ・バルドゥ(死の瞬間の中有)とチョエニ・バルドゥ(存在本来の姿の中有);序論/本論 第一章 『チカエ・バルドゥ(死の瞬間の中有)における光明のお導き』 第二章 〈チョエニ・バルドゥ(存在本来の姿の中有)〉 寂静尊の神群の現出、忿怒尊の神群の現出、結論//
第二巻 シパ・バルドゥ(再生へ向かう迷いの状態の中有);第一章 輪廻する迷いの存在/第二章 再生のプロセス//
第三巻 付属の祈願の文書;第一章 『諸仏・諸菩薩による守護を祈願する文』/第二章 『バルドゥの根本詩句(六詩句)』/第三章 『バルドゥの難関からの脱出を祈願する文』/第四章 『バルドゥの恐怖からの守護を祈願する文』 //
文庫版解説など、
250ページ。


佐々木幹郎、「死が下りてくるとき - チベット『死者の書』をめぐって」、『ユリイカ』、臨時増刊号vol.26-13、1994.12、「総特集 死者の書」、pp.24-29

森雅秀、「『チベットの死者の書』とは何か」、同上、pp.30-39

タクトゥン・ドルジェ、石濱裕美子訳、「デーロク物語」、同上、pp.40-55

菅靖彦、「『チベット死者の書』が現代に投げかけるもの」、同上、pp.67-75

撮影・松本栄一、「カラー口絵 チベットの死者の書マンダラ」、同上、pp.183-190

永沢哲、「身体技法と死の哲学のアジア性 - チベット死者の書と野口晴哉の整体法」、同上、pp.191-223

入江良平、「ユングのバルド・ソドル注解について」、同上、pp.302-311
………………………

デトレフ・インゴ・ラオフ、奥山直司訳、「ボン教の死者の書」、『ユリイカ』、臨時増刊号vol.26-13、1994.12、「総特集 死者の書」、pp.104-115

シャルザ・タシ・ギャルツェン、ロポン・テンジン・ナムダク解説、森孝彦訳、『智恵のエッセンス ボン教のゾクチェンの教え』、春秋社、2007
原著は Shardza Tashi Gyaltsen, Heart Drops of Dharmakaya. Dzogchen Practice of the Bön Tradition, 1993
序文/序 - ペル・クヴェルネ/シャルザ・タシ・ギャルツェンの生涯//
『智恵のエッセンス』のテキスト;加行/テクチューの修行/トゥーゲルの修行/ポワとバルドの修行//
付録;虹の身体を目撃した記録/ボン教の歴史の要約/ロポン・テンジン・ナムダクの半生//
挿画の解説/参考文献についての論評 - ペル・クヴェルネ/訳者解説など、
268ページ。

 「原書は英文の書籍であったが、日本語への翻訳作業は原典のチベット語経典を参照しながら行い、より完全なものを目指した」とのこと(p.258)。


国立民族学博物館編、『チベット ポン教の神がみ』、千里文化財団、2009
チベットの基層文化を知る(長野泰彦)//
ポン教とチベット基層文化;チベットの歴史とポン教の形成(石川巌)/ポン教とはどのような宗教か(立川武蔵)/ポン教とマンダラ(同)/ポン教とチベット仏教(同)//
ポン教の図像世界;シェンラプ・ミボ-生涯の物語(津曲真一)/十二儀軌の神がみ(森雅秀)/ポン教の悪趣清浄マンダラ(立川武蔵)/歴史上の人物(三宅伸一郎)/ポン教の神がみ(森雅秀)//
ポン教の実践;ポン教寺院(三宅伸一郎)/現代に生きるポン教の僧侶と僧院(小西賢吾)/ポン教僧院の生活と修行(脇嶋孝彦)/チベットの「ヤンを呼ぶ」儀礼(長野禎子)/ポン教の典籍(三宅伸一郎)/敦煌出土の古代シャンシュン語文献(武内紹人)など、A4版、
132ページ

 「なお、日本で著されたポン教概説にしばしば『ボン教』と表記されるが、それはチベット語つづりの bon をそのままカタカナ表記したものである。近年は発音により近い『ポン教』と表記するようになって」いるとのこと(p.8)。

………………………

「チベットの神話・宗教」、『世界神話大事典』、2001、pp.1177-1191
チベットの神話 問題への序論(ペル・クエルネ)/チベットの宇宙創成神話(同)/起源神話 その要点(同)/神の擬人化(同)/王権神授(同)など

Ariane Macdonald, ‘La naissance du monde au Tibet’, La naissance du monde. Sources orientales Ⅰ, 1959, pp.417-452.
「チベットにおける世界の始まり」
最初の父祖/猿と岩山の女魔/ある宇宙開闢論的伝説など

………………………

今枝由郎、「ブータンのコスモス壁画」、『アジアの宇宙観』、1989、pp.174-193
パロ・ゾン、シムトカ・ゾン、プナカ・ゾンの八つの壁画/『倶舎論』流と『時輪タントラ』流/風輪・火輪・水輪・地輪/大宇宙と小宇宙/天球図・総覧図・十字図など

iii. ネパールなど

 やはり「仏教 Ⅱ」の頁と重複するものもありますが;

田中公明・吉崎一美、『ネパール仏教』、春秋社、1998
序論 ネパール仏教とは何か//
歴史と仏蹟;歴史篇 仏教の伝播と定着/インド・チベット仏教との交渉/ネパール仏教の発見/ネパール仏教の現況//
  仏蹟篇 カトマンドゥの寺院/パタンの仏教寺院/バクタプルの仏教寺院/スヴァヤンブーナート/ボードナート/周辺地域の仏蹟/ルンビニとティラウラコット//
文献とその内容;写本篇 サンスクリット語とネワール語の仏教写本/写本の形状・字体・装飾/写本保存のプロジェクト/チョサ・パサと仏教資料文庫//
  文献篇 九法宝と大乗仏典/律・仏伝・アヴァダーナ/密教聖典/儀軌類//
尊格と美術;ネパールの仏教美術(概論)/寺院の構造と建築/尊格の種類と分類/ネパールの仏教絵画/鋳造仏像//
儀礼と行事;儀礼篇 ネパール仏教の儀礼(総論)/出家儀礼と灌頂/ダシャ・カルマと通過儀礼/ネパール仏教のカースト制度//
  行事篇 暦と年中行事/カルナーマヤの年中行事/グンラー月/十万の小仏塔を作る/パンチャ・ダーンとサンミャク/インドラ・ジャトラ//
付録;ネパールのチベット仏教/ネパールのテーラヴァーダ仏教/サンスクリット語・ネワール語等のカナ表記について/サンスクリット写本ネワール語奥書の読み方/ネパール仏教史年表/ビブリオグラフィー/カトマンドゥ盆地と三大都市の地図など、
290ページ


立川武蔵・頼富本宏編、『チベット密教 シリーズ密教 2』、春秋社、1999、pp.237-286、「第二部 ネパールの密教」
カトマンドゥ盆地のネパール密教(立川武蔵)/スヴァヤンブーの年中行事(吉崎一美)/ネパール密教の儀礼-供養と護摩(山口しのぶ)

吉崎一美、「kalaśa pūjā とその造形」、『印度學佛教學研究』、vol.40 no.1、1991.12、pp.338-334 [ < J-STAGE

吉崎一美、「ネワール仏教における金剛阿闍梨, 金剛薩埵, 持金剛」、『印度學佛教學研究』、vol.43 no.1、1994.12、pp.310-307 [ < J-STAGE ]

吉崎一美、「ネワール仏教におけるカルコータカ竜王とバースキ竜王」、『密教文化』、no.195、1996、pp.112-97 [ < J-STAGE ]

吉崎一美、「Gurumaṇḍala-pūjā とその造形」、『密教文化』、no.197、1997、pp.106-85 [ < J-STAGE ]

吉崎一美、「カトマンズ盆地におけるマンダラの成立根拠としての〈壺〉」、『印度學佛教學研究』、vol.46 no.1、1997.12、pp.326-319 [ < J-STAGE ]

吉崎一美、「ヴィルーパークシャとカガーナナー」、『密教文化』、no.201、1998、pp.140-120 [ < J-STAGE ]

吉崎一美、「Sthiro-bhava-vākya 考」、『印度學佛教學研究』、vol.47 no.1、1998.12、pp.293-289 [ < J-STAGE ]

吉崎一美、「ネパールの仏塔双六について」、『密教文化』、no.211、2003、pp.81-54 [ < J-STAGE ]

 →「仏教 Ⅱ」のページ中の〈本初仏〉に関する箇所も参照

iv. 朝鮮・韓国など

小倉紀蔵、『朝鮮思想全史』(ちくま新書 1292)、筑摩書房、2017
朝鮮思想史総論;「朝鮮」の思想史ということ/朝鮮思想史の特徴//
神話および「古層」;檀君神話/その他の神話および伝説/「古層」あるいは「基層」の問題//
高句麗・百済・新羅;三国時代以前 - 古朝鮮・漢四郡・三韓/高句麗/百済/新羅の略史と文化/新羅の仏教/新羅の仏教以外の思想/新羅の文学と芸能//
高麗;略史と文化/仏教/仏教以外の思想、文学//
朝鮮時代Ⅰ - 朱子学(性理学);略史/朱子学(性理学)の受容と導入/士林派の台頭と士禍/徐啓徳とその系統/李退渓とその系統/李栗谷とその系統/党争と老論パラダイム//
朝鮮時代Ⅱ - 「実学」、陽明学、儒教以外の思想;いわゆる「実学」/陽明学/仏教/道教および予言思想、シャーマニズム/キリスト教/訓民正音、文学//
朝鮮末期および大韓帝国;略史/衛生斥邪思想/東学/開化思想、愛国啓蒙思想、東洋連帯論など/宗教//
併合植民地期;略史と文化/日本への抵抗、独立思想/親日思想/新しい思潮/宗教/文学//
朝鮮民主主義人民共和国;略史/政治家・思想家たち/チュチェ思想/革命思想//
大韓民国;略史/政治家たち/時代思想の潮流/思想家たち/宗教/文学など、
464ページ。

………………………

金両基、『韓国神話』、青土社、1995
創世神話;天地開闢/初監祭/洪水神話//
檀君神話-古朝鮮建国神話;最古の国 - 古朝鮮/檀君神話は後期の創製か/檀君神話のストーリー/檀君神話の構造//
建国神話;北扶餘の建国と国譲り - 天帝の天降り/東扶餘の建国 - 国譲り神話/高句麗の建国神話/百済の建国神話/新羅の建国神話/金閼智の降臨/駕洛国の建国神話/耽羅の建国神話//
説話伝説;太陽と月の神/始祖伝説/仏教説話/異類婚説話/神女説話/猛獣変身説話など、
280ページ。


金厚蓮・田畑博子編著、『韓国神話集成』、第一書房、2006
概説//
創世歌(弥勒様とお釈迦様)/天地王ボンプリ/天地開闢(二つの日と二つの月)/儒道と仏道/補注1 創世始祖神話/サムスンハルマンボンプリ(産神と疫病神)/チョスンハルマン/ホウンアギ 1/ホウナギ 2/補注2 「死後の世界(チョスン)」に関する巫歌/帝釈(帝釈請拝)/タングムエギ/補注3 叙事巫歌「タングムエギ」/ポリドギ/ピリデギ/補注4 叙事巫歌「パリ公主」/人間差使カンニム(差使ボンプリ)/サマニ(メンガムボンプリ)/骸骨の報恩/サマ長者とウマ長者/補注5 延命型巫俗神話/カムンジャンアギ(サムゴンボンプリ)/補注6 「サムゴンボンプリ」と「チョンサンノリ」/馬鹿の温達と平康公主/武王伝説/私の福で暮らす/補注7 女人発福説話/延烏郎と細烏女/月明師兜率歌/融天師彗星歌/太陽と月の兄妹/黍の茎が赤いのは、虎の血の跡/日食と月食のできた理由/補注8 日月神話の類型/七星様と蛇神(七星ボンプリ)/北斗七星になった子供/補注9 北斗七星の由来と七星ボンプリ/世の中の形ができた理由/チャンギルサン/ソルムンデハルマン(雪漫頭ハルモニ)/補注10 巨人神話の類型/救ってやった豚、蛇、蟻、人/大洪水伝説(兄妹の結婚)/広浦伝説(石仏の目が赤くなると沈む村)/タルレ江伝説/長者池/補注11 洪水説話の類型/処容郎・望海寺/江南国のソンニム/珊瑚樹と痘神/冬至に小豆粥を食べる由来/補注12 疫神神話と疫神退治/古朝鮮の檀君神話/補注13 古朝鮮の建国始祖神話/高句麗の高朱蒙神話/補注14 高句麗の建国始祖神話/百済の佛流と温祚神話/補注15 百済の建国始祖神話/新羅の朴赫居世神話/仙桃山聖母随喜仏事/補注16 新羅の建国始祖神話/駕洛国の金首露神話/補注17 駕洛国(伽耶)の建国始祖神話/新羅の昔脱解神話/補注18 新羅王家の姓氏始祖神話/三乙那/三姓穴/補注19 済州島の三姓始祖神話/後百済の甄萱神話/蛇聟入り/補注20 後百済の建国神話//
『韓国口碑文学大系』の分類など、
472ページ。


松前健、「神話語りの方式から見た日本と韓国の伝承」、 『ユリイカ』、vol.17 no.1、1985.1、「特集 日本の神話」、pp.215-219

依田千百子、「朝鮮の巫俗神話と日本の中世神話 - 神の子邂逅型日光感精説話を中心として」、 『ユリイカ』、vol.17 no.1、1985.1、「特集 日本の神話」、pp.198-207
巫俗神話の在り方と物語の構成内容/朝鮮の巫俗神話と日本の中世神話の構造/巫祖神話の構造と成巫儀礼/南西諸島の巫祖神話と本土の中世神話/朝鮮の巫祖神話・初公本解及び帝釈本プリと高句麗の始祖神話など

依田千百子、「神々の競争 - 朝鮮の創世神話とその構造」、君島久子編、『東アジアの創世神話』、弘文堂、1989、pp.124-167
朝鮮の創世神話のテキストと構成要素の分析/朝鮮の創世神話の構造/朝鮮の創世神話の二類型/範型と反復など

依田千百子、「角杯と放尿夢譚 - 新羅の中の西方文化 -」、篠田知和基編、『神話・象徴・文化』、楽瑯書院、2005、pp.291-306
角杯をめぐる諸問題;角杯と出土地/兄弟血盟と角杯/花郎と内陸アジアの青年戦士集団/花郎と角杯/金庾信の神秘体験とミスラ秘儀//
放尿夢譚;宝姫の放尿夢譚-文武王誕生説話/高麗の放尿夢譚/キュロス王誕生説話-ペルシアの放尿夢譚/日本の放尿夢譚など


依田千百子、「韓国の死霊祭と冥婚説話」、『神話・象徴・文化 Ⅱ』、楽瑯書院、2006、pp.247-266
韓国の死霊結婚;未婚者の死霊と死霊結婚/韓国の死霊結婚の二類型 - 「陸地型」と「済州型」//
韓国の冥婚説話;慰霊・解寃型冥婚説話/幽婚・立嗣型冥婚説話など


依田千百子、「韓国巫俗神話の天上世界」、『神話・象徴・文化 Ⅲ』、楽瑯書院、2007、pp.235-246
天上界の神々と巫祭;天上界の神々/天上神の祭り//
巫俗神話の天上世界;「世経本解」(セギョンポンプリ、龍神の由来譚) - 天からの五穀の種子の降下-/西天の花畑と生命、霊魂の花/「産神婆本解(サムシンハルマンポンプリ)」と「花盗み」//
生命・霊魂・五穀の種子の起源地としての天など


依田千百子、「韓国神話の雨・風・雲」、篠田知和基編、『天空の神話 - 風と鳥と星』、楽瑯書院、2009、pp.381-409
韓国の雨神・風神・雷神/韓国の雨神の伝承と信仰/韓国の風神の伝承と信仰/韓国の雲の伝承と信仰など

依田千百子、「韓国の天空神話 - 天、太陽・月、星の神話伝承をめぐって」、『アジア遊学』、no.121、2009.4、「特集・天空の神話学」、pp.65-76
韓国の天(空)の神話と信仰;天と王権 - 王権の根源としての天 支配者の降臨神話、天上他界と始祖王の死後昇天/韓国巫俗と天(空) - 人間の生命、霊魂、五穀種の根源地としての天 西天の花畑(園)、「産神婆本解」と「仏道迎え」、「世経本解」 - 五穀種の根源地としての天//
韓国の太陽と月の神話;太陽と月の性 太陽と月の夫婦神、日妹・月兄/太陽と王権 日の御子=太陽王権思想、国家統合の王権イデオロギー//
韓国の星の神話と信仰;高句麗の星信仰/古墳に描かれた七夕伝説 銀河・牽牛・織女図、韓国の七夕伝説、日本の七夕伝説の源流/韓国の北斗七星信仰/韓国の北斗七星をめぐる諸伝承 北斗七星と短命少年、七兄弟の苦行、七星ボンプリなど


依田千百子、「朝鮮の神話と天空世界 - アルタイ系諸民族の世界像との関連性をめぐって」、篠田知和基編、『天空の世界神話』、八坂書房、2009、pp.199-216
朝鮮語ハヌル//古代朝鮮神話における天上他界;支配者の天降り神話 - 王権の根源としての天/解幕漱の天地間往来と天への帰還/朱蒙の天地往来/霊魂の天上回帰 - 「朱蒙の昇天」と「赫居世の昇天」/古代朝鮮の天上他界観の系譜 - アルタイ系牧畜民諸族における天上他界観との関連性//
朝鮮巫俗神話における天空世界;天上界の神々と巫祭/巫俗神話における天空世界/生命・霊魂・五穀の種子の起源地としての天など


崔吉城、「韓国における終末論:天地開闢説話の意味」、月本昭男編、『創成神話の研究(宗教史学論叢6)』、リトン、1996、pp.319-332
巫俗の創世神話と開闢思想/仏教と風水の開闢思想/新興宗教の天地開闢思想など

「朝鮮の神話・宗教」、『世界神話大事典』、2001、pp.1172-1176
朝鮮の神話・宗教(リ・オグ/李玉)など

金賛會、「韓国の創世神話覡 - 済州島の『天地王本解』を中心に -」、Polyglossa、no.26、2014.3、pp.59-78 [ < R-Cube 立命館学術成果リポジトリ
Permalink : http://doi.org/10.34382/00011426

 →「仏教 Ⅱ」のページの〈弥勒〉の項も参照
………………………

任正爀、『朝鮮科学史における近世 洪大容・カント・志筑忠雄の自然哲学的宇宙論』、思文閣出版、2011
科学史における近世-朝鮮と日本の比較検討-/学としての朝鮮実学の形成について/
湛軒・洪大容の地転説と『毉山問答』/「天円地方」説から無限宇宙論へ - 朝鮮における独自的な宇宙論の発展とその終焉 -/朝鮮前期における気一元論および象数学的宇宙論の展開について/
カント『天界の一般自然史と理論』の検討とその科学史的評価志筑忠雄『混沌分判図説』の検討とその科学史的評価
付録 『毉山問答』-原文と和訳-など、
280ページ。


任正爀編著、『朝鮮の科学と技術』、明石書店、1993
朝鮮紙と本/朝鮮の文字/鋳物と活字/機械/武器と火薬/船と海上活動/地理学/天文学/気象学/数学/建築学/医学/宇宙論/日本における朝鮮科学史研究など、
302ページ。

 「本書の主要部分は、朝鮮民主主義人民共和国で一九五六~五七年に出版された『わが先祖の誇り-科学と技術のはなし』の二冊の書籍からの翻訳によって構成されて」(p.298)おり、編者が「宇宙論」と「日本における朝鮮科学史研究」を書き加えた。


コリン・ロナン、「中国、朝鮮、日本の天文学」、『望遠鏡以前の天文学 -古代からケプラーまで』、2008、pp.297-329

 pp.325-327 に朝鮮における古代天文学

全勇勲、「志筑忠雄と崔漢綺のニュートン科学に対する態度比較」、『京都産業大学論集 人文科学系列』、no.46、2013.3、pp.233-263 [ < 京都産業大学学術リポジトリ

 →こちらにも挙げています:「日本 Ⅱ」の頁の「vi. キリシタン、蘭学・洋学とその周辺
………………………

 洪大容(ホン・デヨン Hong Daeyong (こう・だいよう)1731-1783)については;

小川晴久、「洪大容の宇宙無限論」、『東京女子大學附屬比較文化研究所紀要』、no.38、1977.1、pp.1-15 [ < 東京女子大学 学術情報リポジトリ
Permalink : http://id.nii.ac.jp/1632/00017776/

小川晴久、「十八世紀の哲学と科学の(あいだ) - 洪大容と三浦梅園 -」、『日本文学』、no.53、1980.3.1、pp.1-18 [ < 東京女子大学 学術情報リポジトリ ]
Permalink : http://id.nii.ac.jp/1632/00019042/

 三浦梅園に関し→こちらにも挙げておきます:「日本 Ⅱ」の頁の「v. 江戸時代の儒学その他」の項

小川晴久、「地転(動)説から宇宙無限論へ - 金錫文と洪大容の世界 -」、『東京女子大学紀要論集』、vo.30 no.2、1980.3.10、pp.1-32 [ < 東京女子大学 学術情報リポジトリ ]
Permalink : http://id.nii.ac.jp/1632/00026308/

金泰俊、『虚学から実学へ 十八世紀朝鮮知識人洪大容の北京旅行』、東京大学出版会、1988
序(平川祐弘)/自序//
燕行の制度と『乙丙燕行録』;燕行使という名の北京使節/子弟軍官・洪大容の旅/送別の宴と別離の詩/洪大容の旅程と二種の旅行記//
洪大容の中国観と北京の印象;韓中国境にて/万里の長城と貞女墓詩/北京の印象//
北京天主堂訪問記 - 西学への関心(一);北京南天主堂への手紙/第一回天主堂訪問/パイプオルガンの演奏/天主教批判/天国と地獄の説/天主女像と西洋画法//
東アジアの学問の同質性と異質性 - 清の学者との交友録(一);洪大容と厳誠、潘庭筠、陸飛との出会い/北京の名所、琉璃廠にて/金尚憲と丙子胡乱の話題/酒宴と詩の唱和/陽明学論議(一)/陽明学論議(二)/陽明学論議(三)/帰国後の陽明学論と「国学」/異端と心学の大同/筆談の文明性/燕行使と同時代の朝鮮通信使//
科学的知識の教養化の試み - 西学への関心(二);三度目の天主堂訪問と天文台/「西学」と洪大容の科学への関心/私設天文台、籠水閣/力学化。数学化された自然観/陸飛の「籠水閣記」/もう一つの「籠水閣記」/西洋の自鳴鐘・日本の自鳴鐘/自鳴鐘の歯車/「優越した」西洋科学への降伏/父親の援助/詩人科学者・羅景績/「父は男、母は女」//
書き継がれる旅行記 - 清の学者との交友録(二);洪大容の孫が書き加えた日記/旅行記に書かれない交友録/科挙の落第を祝う手紙/厳誠の辞世/厳誠の家族との書信往来/読書符訣 十余条/潘庭筠に送った手紙と洪大容の歴史意識/陸飛の絵と洪大容の琴/孫有義への手紙/鄧汶軒への手紙//
いわゆる「第一等人」論争 - 学者・学問論(一);燕行と清人交友批判論/第一等人論争の発端/第一等人論および科挙論/「乾浄衕会友録」その他/官職の高さと道の高さ/身を修める学問論/交友論のレベル/大家と第一等人/洪大容と論争者金鍾厚//
虚子と実翁の出会い及び宇宙論 - 学者・学問論(二);哲学小説『毉山問答』/巨人と小人の対決/虚学の解体/人間小宇宙論の解体/上下の概念、宇宙無限論/神仙論・生命観/形化論及び土の文明論/内外の概念と新しい歴史観/毉山の地理的意味/小説で書いた実学論//
境界人の自己確認 - 世界から自己へ;他国の歴史を書く者の資格/歴史の歪曲は天理への冒瀆/自国史の弁論/歴史学の時代、十八世紀/馬の絵にまつわる史譚/『海東詩選』を中国へ/『大東風謡』の編纂/女性の詩を酷評//
新しい世界への動き - 自己から世界へ;『熱河日記』と洪大容の話題/「洪徳保墓誌銘」と東洋的均衡など、
320ページ。


 宋学・理気論等に関連して;

堀池信夫、「徐敬徳『太虚』論試探」、『哲学・思想論集』、no.29、2004.3.25、pp.31-54 [ < つくばリポジトリ(Tulips-R)

全学哲、「李退溪の理気論について - 無極太極論を中心に -」、『中国哲学論集』、no.31、2006.12.25、pp.70-96 [ < 九州大学学術情報リポジトリ(QIR) ]

金容沃、「朝鮮朱子学と近代-アジア未来社会における作為と整体」、溝口雄三・浜下武志・平石直昭・宮嶋博史編、『世界像の形成 アジアから考える[7]』、東京大学出版会、1994、pp.219-242
古典と論理 - 丸山思想史における近代性/朱子学的言説と「作為」「天」/「実学」という虚構/朝鮮思想史の主軸など

荒俣宏、『99万年の叡智 近代非理性的運動史を解く』、1985、pp.239-247:「第2部4 東学 霊的結社の言霊戦略」
天道文字に秘められた予言/予言による霊的革命の実践

安宇植、「風水の国、風水の民 朝鮮・韓国人の死生観」、is、no.18、1982.9、「特集 風」、pp.26-29
風水信仰が息づくエピソード/「地」に関する吉凶占卜法/地母観念と風水説/生気に満ちた地に葬ることなど

 風水については→こちら:「中国 Ⅱ」の頁の「vii. 煉丹術・錬金術、風水など」の項、
 また


野崎充彦、「風水マスターを通じてみる韓国風水の特質 - 金枓圭氏を中心に」、三浦國雄編、『術の思想 医・長生・呪・交霊・風水』、2013、pp.297-324
はじめに - 韓国史における「実践風水」と風水マスター/現代韓国の権力者と風水/新しい風水 - 崔昌祚氏の栄光と挫折//
21世紀への架け橋 - 金枓圭氏の登場;独文学者は如何にして風水マスターとなりしか/金枓圭氏の著作と活動について/金枓圭氏の『風水講義』について//
おわりに - 新たな挑戦 『朝鮮風水、日本を論じる』


宋敏、「韓国人の数字意識と民俗風習」、『アジア遊学』、no.19、2000.8、「特集・数のシンボリズム」、pp.10-21
四という数字を避ける意識/四柱にこだわる名前と結婚/重陽節に見られる伝統風習など

李応寿、「数字『八』の秘密」、同上、pp.64-79

士大夫たちの「八景」/太極旗と「八卦」/「八万大蔵経」の謎/「俗なる八」の行方など

趙仁成(チョインソン)、舘野晳訳、「韓国における古代史論争と『揆園史話』『檀奇古史』『桓檀古記』」、『「古史古伝」論争 別冊歴史読本 特別増刊 14』、1993、pp.392-401
国家形成期の古朝鮮史に対する学界の基本観点/在野史学者らの主張とその論拠 『揆園史話』『檀奇古史』『桓檀古記』/古代史論争/『揆園史話』『檀奇古史』『桓檀古記』に対する学界の評価/古代史論争の結末

李基東(イキトン)、李石珩訳、「古朝鮮彊域論争」、同上、pp.402-409
民族史のルーツへの関心/実学者の学問的遺産/在野史家の見解/論争の背景 - 檀君信仰の高潮/論争の絶頂・国史公聴会/熱狂する追随者の群れ/論争はまだ()んでいない

v. タイなど

森幹男、「"Traiphumikatha" : 古代タイ人の宇宙観」、『民族學研究』、vol.20 no.2、1965、pp.168-171 [ < CiNii Articles (有料)

石井米雄、「タイにおける千年王国運動について」、『東南アジア研究』、vol.10 no.3、1972.10、pp.352-369 [ < 京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI)

サティエンポン・ワンナポック、森幹男・吉川敬子訳、「『三界経』にみるタイ仏教の宇宙観」、『アジアの宇宙観』、1989、pp.122-129
『三界経』と三界の構造/バラモン教と仏教の宇宙観/地獄と天国の所在など

ソン・シーマートラン、森幹男・吉川敬子訳、「タイ王朝の儀式にみる宇宙観」、『アジアの宇宙観』、1989、pp.268-287
国王と宇宙/御物と宇宙性/御大葬と王輿など

アヌヴィット・チャルンスパクン、森幹男・吉川敬子訳、「タイ上座仏教の宇宙観と建築物」、『アジアの宇宙観』、1989、pp.288-305
国の構造と仏舎利寺院/寺院の構造様式/建築物tと宇宙など

大林太良、「王国の樹 - タイ系諸族における神話と儀礼」、君島久子編、『東アジアの創世神話』、弘文堂、1989、pp.7-27
原古の巨樹の両面価値性(アンビヴァレンツ)/クニの柱と金銀の木/チャムにおける王の樹など

Buddhist Cosmology Thonburi Version, 1982

 タイトル、目次、図版キャプション以外はすべてタイ語。
 奥付ではタイトルは
Buddhist Cosmology Dhonburi Version (『仏教の宇宙論 Dhonburi 版』)となっています。
 カラー図版53点、31.8×24.9cm、
136ページ。

 上掲「『三界経』にみるタイ仏教の宇宙観」、『アジアの宇宙観』、1989、pp.123-125、および『アジアのコスモス+マンダラ』、1982(→図像のページ、pp.28-33にも掲載されており、後者によると、主題は《三界図》で、「三十メートル余に及ぶ長大な絵図」、「全123葉」、「タイ、トンブリ本、1776年。紙に彩色、1葉が27×50」(p.28)、「National Museum of Thailand, Bangkok 蔵」(p.186)。
 →こちらにも挙げておきます:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「i. 図像など

スメート・ジュムサイ、西村幸夫訳、『水の神ナーガ アジアの水辺空間と文化』、鹿島出版会、1992
原著は Sumet Jumsai, Naga - Cultural Origines in Siam and the West Pacific, 1988
序/ナーガと儀式/水にささえられた文明/両生建築/陸上の建築/水上都市/エピローグなど、
248ページ。

 →こちらにも挙げておきます:「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「v. 建築など


森田和彦、「ビルマ北部カチン諸族の創世神話」、『神話・象徴・文化 Ⅲ』、楽瑯書院、2007、pp.171-184
ジンポー族の神話/ヌン族の神話など

黒沢浩、「クメールの霊魂観」、『アジア遊学 128 古代世界の霊魂観』、勉誠出版、2009.12、pp.83-91
古代クメールの霊魂観/アンコールの遺跡に見える古代クメールの宗教事情/デヴァラージャの出現/輪廻転生/インド起源の宗教の伝播/土器にみる信仰の二重性/まとめ - インド化など
………………………

「東南アジアの神話・宗教」、『世界神話大事典』、2001、pp.1028-1046
東南アジア オーストロアジア語族の神話 ヴェーダとバラモン教の場合 ミャンマー、タイ、ラオス、カンボジア(ソランジュ・ティエリ)/起源神話と創成神話(同)/地の精(同)/月の神話と祭儀(同)/ヒンズー教の神々の文化変容(同/小乗仏教と神話のテーマ(同)など

Charles Archaimbault, ‘La naissance du monde selon le bouddhisme siamois’, La naissance du monde. Sources orientales Ⅰ, 1959, pp.367-381.
「シャムの仏教による世界の始まり」
火の災い。破壊する火/宇宙的洪水/風と諸世界の再構築/連鎖する頽廃と社会的協定など

 とりあげられているのは『三界経』。


Charles Archaimbault, ‘La naissance du monde selon les traditions lao. Le mythe de Khun Bulom’, La naissance du monde. Sources orientales Ⅰ, 1959, pp.383-416.
「ラーオの伝承による世界の始まり クン・ブロムの神話」
『年代記』のヴァージョン/『ニタン・クン・ボロム』のヴァージョン/神話的伝承と宗教的構造/口承の伝承/精霊信仰とラーンサーン王国 の体制創設/諸伝承の突きあわせなど

vi. ジャワ、バリなど

セノ・サストロミジョヨ、松本亮・竹内弘道・疋田弘子訳、『ワヤンの基礎』、めこん、1982
原著は A. Séno Sastroamidjojo, Renungan Tentang Pertundjukan Wajang Kulit, 1964
ワヤンのなりたち;ワヤン・プルウォの歴史と人形たち/ワヤン・クリの種類/ポノカワンの問題/クリル/ブレンチョン/グドゥボク/ガムラン/キ・ダラン/ワヤン・クリ上演の構成/ラコン//
ワヤン・クリ上演とその象徴;象徴としてのワヤン・クリ上演/儀式とワヤン//
ワヤン・クリ上演とジャワの神秘思想//
一夜のワヤン・クリ上演の意味//
留意すべきその他の要点;グヌンガン/ゴロゴロ/サマディ/クリス/チュムポロ/飛翔の意味/トゴグ/バゴンとソロイト//
終章//補遺 イルム・サストロ・ジェンドロ・(ア)ユニングラト//解説など、
378ページ。

 後出の中島成久『ロロ・キドゥルの箱』(1993)では、クカヨンをめぐる「サストロアミジョヨの議論に、困惑を覚える者は多いだろう。個々の解釈ではみるべき点はあるが、全体的にその解釈はきわめて神秘主義的傾向が強い」(p.113)、「だが我々は、サストロアミジョヨの見解を誤っていると斥けることはできない。それはある象徴が現実に生きている人々に、どのように理解されているかをよく示している」(p.114)と評されています。

吉田禎吾、『宗教と世界観 文化人類学的考察』、九州大学出版会、1983
序文/文化変容/ジャカルタのシャマン/祖霊と親族/憑きもののの系譜/言語・観念・シンボル/バリ村落の宗教と世界観/バリ島における呪術と象徴的世界/バリ村落の儀礼と象徴/未開人の夢 - 夢と世界観 -/メキシコ南部のチアパス高地インディオの宗教 - 治療儀礼・邪術・世界観 -/チャムラ社会の治療儀礼と象徴体系/象徴的分類と比較研究 - ロドニー・ニーダムの所論をめぐって -など、
280ページ。


中島成久、『ロロ・キドゥルの箱 ジャワの性・神話・政治』、風響社、1993
序//
南海の女王にささげられたワヤン劇 - ヨクヤカルタ九・三〇事件伝承 -;破壊と生産の女神ロロ・キドゥル/九・三〇事件前夜のヨクヤカルタ/「ヨクヤは平穏だった!?」/ヨクヤカルタ革命伝説/言説を巡る闘い//
ルワタン、ジャワの言葉の宇宙;呪師としてのダラン/ルワタンの構成要素-演目と供物のメッセージ/ダラン、鼠、祭司王/悪魔祓いとしてのワヤン劇//
始源の彼方から-クカヨンの図像学;メルー山、太陽神、地下界/バンヤン樹-天と地を繋ぐもの/始源の更新//
日・月食の記号論;喧噪と静寂-ジャワ、一九八三年六月十一日-/月の交点上の怪物/日・月の対立と接近/時の非調律/境界と音//
スケルトを読む;他者としてのスケルト/スケルトの境界性/きょうだい関係の接近と対立インセスト論よりみたスケルトなど、
296ページ。

 また;


中島成久、「天の川はビモのセクティ」、『法政大学教養部紀要』、no.59、1986.1、pp.139-187 [ < 法政大学学術機関リポジトリ

イ・ケトゥ・ギナルサ、田村史子訳、「バリ・ヒンドゥー教の宇宙観」、『アジアの宇宙観』、1989、pp.78-93
寺院と祠/バリの宇宙観と創世神話/バリの三界思想など

立川武蔵・頼富本宏編、『インド密教 シリーズ密教 1』、春秋社、1999、pp.211-222
補説 ジャワの密教(松長恵史);インドネシア諸島への密教の伝承/インドネシの密教遺跡と遺品/インドネシの密教文献/ジャワ島に流布した密教の性格など

 本書の他の内容については→こちら:「仏教 Ⅱ」の頁の「v. 仏身論、密教など


「インドネシア・マレー半島の神話・宗教」、『世界神話大事典』、2001、pp.1047-1077
インドネシアの宗教 至高の神、男女の神、三位一体 神々の総体性とその構成要素(ドニ・ロンバール/クリスチャン・ペルラ)/起源神話 インドネシア神話における最初の人間の地上降下(同)/インドネシアのラーマーヤナ(同)/
セラム島のハイヌウェレ 穀物の起源神話(同)/ジャワとバリにおける典礼劇 ワヤンとその神話(同)/ジャワにおける神話から民話への移行 聖性の失墜(同)//
マレー諸島の宗教と神話(同)/マレー諸島の祭(同)/マレー諸島の文化英雄(同)/マレー諸島の通過儀礼(同)/マレー諸島における終末論とメシア思想 最近の様態(同)など


「インドシナ半島の神話・宗教」、『世界神話大事典』、2001、pp.1078-1107
ヴェトナム 起源神話と原初の時代 その主たる構造(ツー・チュオン・レ・オク・マク)/初代王朝の文化英雄と国土の整備(同)//
インドシナ半島南部の原住民 神話と儀礼 研究の方向(ジャック・ドゥールヌ)/インドシナ半島原住民の宇宙創成説(同)/神話の機能と手段 媒体と仲介者(同)/神話の歴史と機能 変化と永続(同)/「ヤン神」 聖なる関係 供儀と数の祭式(同)/ジャラオ族のプタオ 権力のあいまいな概念(同)/数字7 奇数と偶数(同)など

………………………

干潟龍祥、「中部ジャバの密教 - ボロブドゥル大塔の意味するもの -」、『密教文化』、no.71/72、1965.4.1、pp.73-104 [ < J-STAGE ]

岡田丈夫、「ジャワ泥棒道の理論と実践」、大林太良編、『神話・社会・世界観』、角川書店、1972、pp.25-45
初出は1940

ローバート・ハイネ=ゲルデルン、大林太良訳、「東南アジアにおける国家と王権の観念」、同上、pp.263-290
原著は Robert Heine-Geldern, “Conceptions of State and Kingshio in Southeast Asia”, 1956
大宇宙と小宇宙/国家と宇宙との間の関係/帝国の呪的中心としての首都/アンコール・トムの構図/ビルマの首都/王、宮廷、政府の宇宙的役割/即位式への影響/宇宙的国家と神王/諸伝統の残留など

石井和子、「古代ジャワの密教教理書 『サン・ヒアン・カマハーヤーニカン』 について」、『東京外国語大学論集』、no.37、1987.3.20、pp.263-281 [ < 東京外国語大学学術成果コレクション

石井和子、「古ジャワ『サン・ヒアン・カマハーヤーニカン』にみるジャワ密教」、『印度學佛教學研究』、vol.36 no.1、1987.12、pp.333-330 [ < J-STAGE ]

石井和子、「古ジャワ 『サン・ヒアン・カマハーヤーナン・マントラナヤ (聖真言道大乗)』」、『東京外国語大学論集』、no.38、1988.3.22、pp.289-301 [ < 東京外国語大学学術成果コレクション ]

石井和子、「古ジャワ『サン・ヒアン・カマハーヤーニカン(聖大乗論)』全訳」、『伊東定典先生・渋澤元則先生古希記念論集』、東京外国語大学 インドネシア・マレーシア語学科研究室、1998.11.11、pp.57-99

 『サン・ヒアン・カマハーヤーニカン(聖大乗論)』に関し、→こちらでもふれています:「仏教 Ⅱ」の頁の「v. 仏身論、密教など


石井和子、「『サン・ヒアン・カマハーヤーニカン(聖大乗論)』にみる古ジャワの密教」、『東南アジア研究』、vol.27 no.1、1989.6、pp.55-70 [ < 京都大学学術情報リポジトリ(KURENAI) ]

石井和子、「古ジャワにおける密教の受容 - ボロブドゥールと『初会金剛頂経』 -」、『印度學佛教學研究』、vol.41 no.2、1993.3、pp.1074-1070 [ < J-STAGE ]

石井和子、「古代ジャワのシヴァ教と仏教 - 王権とのかかわりをめぐって -」、『印度學佛教學研究』、vol.45 no.1、1996.12、pp.467-460 [ < J-STAGE ]

鈴木道子、「レプチャ族における神話と儀礼のコスモロジー - ケサルとカンチェンジュンガのフォークロアをめぐって -」、『聖徳学園岐阜教育大学紀要』、no.15、1988.3.31、pp.57-81 [ < CiNii Articles

安藤充、「バリ・ヒンドゥーの最高神の系譜」、『印度學佛教學研究』、vol.46 no.2、1998.3、pp.1019-1011 [ < J-STAGE ]

森弘之、「義浄と『聖大乗論』の間」、『史苑』、vol.58 no.2、1998.3、pp.5-22 [ < 立教大学学術リポジトリ(立教Roots) ]

小野邦彦、「非対称の伽藍構成を有するシヴァ教チャンディの成立過程について」、『日本建築学会計画系論文集』、no.545、2001.7.30、pp.287-294 [ < CiNii Articles (有料)

小野邦彦、「ジャワ及びバリのヒンドゥー教建築に見る『方位神』の観念の変遷過程について」、『日本建築学会計画系論文集』、no.551、2002.1.30、pp.297-304 [ < CiNii Articles (有料)

小野邦彦、「ヒンドゥー教寺院の非対称伽藍と仏教寺院の対称伽藍 - 古代ジャワのチャンディの伽藍構成に関する研究 -」、『日本建築学会計画系論文集』、no.562、2002.12.30、pp.269-276 [ < CiNii Articles (有料)

TantoSugeng, ‘A Study on the Theory of Creation in the Purwaka Bhumi’(「Purwaka Bhumi テキストにおける創造の概念について」),印度學佛教學研究』、vol.57 no.3、2009.3.25、pp.1300-1306 [ < CiNii Articles

水口幹記編、『前近代東アジアにおける〈術数文化〉 アジア遊学 244』、勉誠出版、2020
 pp.143-167 ベトナムにおける祥瑞文化の伝播と展開 - 李朝(1009~1225)の霊獣世界を中心として(ファム・レ・フイ)
 pp.168-191 漢喃研究院に所蔵されるベトナム漢喃堪與(風水)資料の紹介(チン・カック・マイン/グエン・クォック・カイン、佐野愛子訳)
 pp.192-200 
漢喃(ハンノム)暦法の文献における二十八宿に関する概要(グエン・コン・ヴィエット)
 pp.201-215 ベトナム阮朝における天文五行占の受容と禁書政策(佐々木聡)
 pp.216-227 『越
(でん)幽霊集録』における神との交流(佐野愛子)
………………………

Stephen C. Headley, From Cosmology to Exorcism in a Javanese Genesis, Oxford Studies in Social and Cultural Anthropology, Oxford University Press, 2000
『ジャワの創世記における宇宙論から悪魔祓いへ』
ジャワの影絵芝居の浄化儀礼//
神話から芝居、儀礼へ;
Murwa Kala:現在の上演(1983)/四つの上演の比較/山岳と低地でのヴァリアンツ:芝居のない浄化儀礼//
儀礼的再生と宇宙の秩序づけ;マントラにおける宇宙開闢論/ジャワの神話と儀礼における不完全で不浄な人物たち/ジャワの宇宙論など、
264ページ。

………………………

H.シェーラー著、クネヒト・ペトロ、寒川恒夫訳、『ガジュ・ダヤク族の神観念』(人類学ゼミナール 10)、弘文堂、1979
原著は Hans Schärer, Die Gottesidee der Ngadju Dajak in Süd-Borneo, 1946
序章;ガジュ・ダヤク族/神観念の意味//
神観念を知るための諸資料;聖文学/祭儀画//
諸至高神の名称;上界神/下界あるいは原水の神//諸至高神の居住地域;マハタラの居住地域/ジャタの居住地域//
諸至高神の本質と顕現諸形態;二元と統一体/諸神の顕現諸形態/聖なる色と数/諸至高神のシンボルと財貨//
神の創造行為//
神の諸規則;聖なる民/聖なる土地/聖なる家/聖なる生活/聖なる世界時代//
神の審判;ハダトに違反した結果/秩序の回復//
神の贈物;救済をもたらす贈物/禍をもたらす贈物//
神聖な勤め;宇宙の破壊/世界と救済の更新//
神聖な死者たち;良い死者と悪い死者;死者の生存形態/死者崇拝/諸至高神に対する聖なる死者の関係//
ダヤク族の宗教の本質;神々/上界と下界/創造/聖なる死者/結論//付録1 創造神話/付録2 シライの神話//
訳者解説など、
306ページ。

 「ガジュ・ダヤク
Ngqadju-Dajak 族は南ボルネオで一番大きい住民集団」(p.1)。 

ローレンツ・G・レフラー、内堀基光訳、「獣・鳥・魚 - 東南アジアのシンボリズムに関する一試論 -」、大林太良編、『神話・社会・世界観』、角川書店、1972、pp.213-242
原著は Lorenz G. Löffler, “Beast, Bird, and Fish. An Essay in South-East Asian Symbolism”, 1968

J.M.ファン・デル・クルーフ、内堀基光訳、「インドネシアにおける女装と宗教的半陰陽」、同上、pp.243-261
原著は Justus van der Kroef, “Transvestism and the Religious Hermaphrodite in Indonesia”, 1954

大林太良、「墓の宇宙論 東南アジアの二つの例」、『エピステーメー』、vol.4 no.7、1978.8;「特集 墓の形而上学」、pp.202-213
ガジュ・ダヤク族/ラデ族/ラクチョング三号墓など

紙村徹、「古代中国の霊魂観 - ニューギニア研究者の視点から」、『アジア遊学 128 古代世界の霊魂観』、勉誠出版、2009.12、pp.33-42
霊魂とはなにか、そして「魂魄」について/ニューギニア高地エンガ族の霊魂観との類比と対比/二種の霊魂の配置 - 古代中国とニューギニア高地など

vii. オセアニアなど

 オセアニア全域を扱ったものとして;

ロズリン・ポイニャント、豊田由貴夫訳、『オセアニア神話』、青土社、1993
原著は Roslyn Poignant, Oceanic and Australasian Mythology, 1967/1985
はじめに;土地/発見者たち/ヨーロッパ人の侵入/神話//
ポリネシア;神官、詩人、芸人/天地創造/人間のために働く神々〈トゥ〉〈ロンゴ〉〈タネ〉〈タンガロア〉〈マケマケ〉〈顔の隠れたイオ、万物の創造主イオ〉/人類の起源〈タネ、土でできた女、夜明けの女〉〈ヒナ-普遍的な女性〉〈創造者ハウメア〉〈破壊者ペレ〉/農作物と価値あるものの起源/二つの顔を持つティニラウ〈カエとティニラウのクジラ〉〈カエと女の島〉/超人的創造者たちとトリックスターたち/マウイ、神々の挑戦者/魂の西行/高貴なるタウハキと怪力ラタ〈ポリネシア神話のパターン〉//
ミクロネシア;背景/創世物語/死後の魂の行方/陸釣りとその他の偉業:モティキティクとその母ロロプ/オリファトの離れ技の数々/トリックスターとしての動物の協力者としての動物/食人鬼殺し/船乗りパルロップの一族/ネズミイルカの少女//
メラネシア;神話と変化/メラネシア人の世界観の多様性/起源とアイデンティティの神話:人間の前に住んでいた生き物〈空からの降下〉〈木からの発生〉〈地下からの出現〉/親族として、神としてのヘビ/鬼を殺す子供/仲の悪い兄弟〈柱用の穴からの逃走〉〈兄弟の集団〉〈天空の乙女〉/伝説上の発明家と革新者/死後の霊魂の運命/人間を助ける霊魂と邪魔する霊魂//
オ-ストラリア;人間と自然の絆/土地と神話の現在/南東の空の英雄/月のギジャはどのようにして女性を作ったか/クジラとヒトデ/ムラムラ/アランダ族の全能なる父/ワルピリ族のママンダバリ/ウォンジーナ/稲妻の兄弟/虹のヘビ/虹のヘビのクンマングルと、コウモリのチニミン/偉大なる母/ジャンカウ/ワウィラクの姉妹たち/ヘビ男イラワドバド/クナピピ・カルワディ・カジャリの一群/なぜ、人は死ぬのか、など、
362ページ。


「オセアニアの神話・宗教」、『世界神話大事典』、2001、pp.1307-1330
オセアニア 宗教と神話(ジャン・ギヤール);聖書の偏見/古典的偏見/理解の初歩段階。モーリス・レーナール(→こちらも参照:本項下掲の『ド・カモ』)/トーテミズム/言語の問題/網羅的資料の必要性/生者と死者の接触/影響力を持つ死者たち/神々/初穂の奉納、そして不可視の世界/神話群/近親相姦/起源神話/人食鬼たち/形象表現/救世主待望運動//
ニューギニア 神話と宗教(モニーク・バリーニ);神話/神話から崇拝へなど

………………………

早津敏彦、『南太平洋のロマン ポリネシア伝説と民謡』、白馬出版、1971
ハワイ/タヒティ/ツアモツ/クック/トケラウ/ツプアイ/マークィサス/マオリ(ニュー・ジーランド)/チャサム島/トンガ/サモア/イースター島/フィジー/航海の歌など、
348ページ。


G.J.ヘルト、大林太良訳、「ヘールフィンク湾岸文化の構造的ズレ」、大林太良編、『神話・社会・世界観』、角川書店、1972、pp.185-211
原著は G.J. Held, “Het tijdperspectief in de Geelvink-baai culturen”, 1948

石森秀三、『危機のコスモロジー ミクロネシアの神々と人間』、福武書店、1985
序 危機と人間;危機とコスモロジー/ミクロネシアの孤島/秘密の知識/危機の世界//
孤島に生きる人々;ミクロネシアの島々/サタワル島への道/サンゴ礁の島/海に生きる男たち/島に生きる女たち/島の政治/男尊女卑の島/ネズミと結婚しない歌/母系社会/婿入りする男たち//
神々と人間のコミュニケーション;ヤニューと人間/三つの世界/秘密の知識と共有の知識/ロンの種類/儀礼と呪文/サウ・ロン(知識人)/巫女/知識の伝授/知識の経済学//
秘儀の世界-危機と儀礼-;弟子入り/遠洋航海のロン/天気のロン/漁撈のロン/パンノキのロン/病いのロン/数占いのロン//
危機の構造;危機の認識/タブーと危機/病いと事故/飢えと天災/空間の象徴的対立/異人と危機/危機における中心と周縁/両義性と危機/聖なる秩序と俗なる秩序/危機の創造と予防/危機と儀礼/巫女と危機/危機における合理と非合理/危機の論理//
コスモロジーの変貌;キリスト教の受容/恐れからの解放/コスモロジーの一元化/ロンの世俗化/伝統と近代の相克/コスモロジーの再構築//あとがき-消えゆく伝統文化と民族学-など、
264ページ。


モーリス・レーナルト、坂井信三訳、『ド・カモ メラネシア世界の人格と神話』、せりか書房、1990
原著は Maurice Leenhardt, Do Kamo. La personne et le mythe dans le monde mélanésien, 1947
序//メラネシア人について//
内なる言葉//
身体の概念;身体と文法/身体の諸部分と鉱物および植物の世界/身体の名称//
生者と死者;カモ/バオ 恐ろしい面、好い面、人間的な面/生者とバオ/故人/死は少しも虚無ではない/現実逃避と復讐のための自殺/復活/結論//
文化層の神話学的検証;空間/臭気/故人と死者の国/神々の踊り「ボリア」/「ピジュヴァ」の神話/祖先の祭祀と居住地の祭祀//
情緒的生とトーテミスム;様々な在り方の同一性の意識/宇宙形態論的表象における最初の分割、男女の対と
生命を生む(ジェネティック)世界/トーテム的表象/トーテム的表象の解体//
時間;時の計算法/暦の計算法と儀礼/日の計算/時間と存在の在り方//
社会と祭壇;母方クランと父方クラン、生命の系統と力の系統/二元性、同等性、対称性/親族関係における生物学的絆と神話的絆/社会の構造/家と祭壇//
首長制の類型と神話的形;酋長に対する敬意/貢物の様式/酋長の役割 ニューカレドニア島の場合、ロイヤルティー諸島の場合/首長制と仮面/結論//
言葉;「ノ」という語/言葉/行為/思惟/「エウェク」という語/持続する言葉(伝統、神話、社会的地位)/
(ヴェルヴ)/美術における言葉の表現/言葉と言語活動/概念の力、創造的な力の顕現としての言葉、存在が自らを確立する言葉//
構築する言葉;気ままに話す親族関係/偶然にまかされた言葉とカードの配り間違い/言葉と質ないしは状態の固定化/結論//
メラネシア世界における人格の構造;名称と呼称、名前と人格/個性の完全性/トーテムの神話/身体による人格の個別化/人格の解体/人格の構造//
神話;神話的思惟の後退/神話の後退とトーテム的倫理/神話的思惟と合理性/神話と歴史/メラネシアの神話と文明人における神話/神話と言葉/神話的心性/
神話体系(ミトロジー)/神話と合理性 - 認識の補完的な二様式//
訳者あとがき;宣教活動と民族誌学/「神話」と「人格」など、
376ページ。


 「著者名の表記について…(中略)…語源的にはゲルマン系の名前である Leenhardt という固有名詞が、平均的なフランス語で実際にどう発音されるか、またその発音を片仮名でどう表記するべきかという問題はかなり厄介である。これまで本書の著者の名は、レーナール、レーナル、レナルトなどの転写によって紹介されてきたが、そのどれもが、発音として、あるいはその片仮名表記として可能であるらしい」とのことで(「訳者あとがき」、p.371)、上掲 「オセアニアの神話・宗教」(『世界神話大事典』、2001)中の「Ⅲ.理解の初歩段階。モーリス・レーナール」(pp.1310-1311)で挙げられているのも本書の著者でした。

 ちなみにやはり「訳者あとがき」によると、「レーナールトの長女であるステラは、フランスへのハイデッガーの紹介者として知られ、その後イランのスーフィズムの実存主義的・解釈学的研究で不朽の功績を残した碩学アンリ・コルバンと結婚している。レーナールトとコルバンは哲学的な話題に関してもかなりつっこんだ話をしていたらしい」そうです(p.364)。コルバンは本サイトではお馴染みの名前です→こちらを参照:「イスラーム Ⅱ」の頁の「v. シーア派(12イマーム派)など」。

 また第5章の2節目の小見出しにある「宇宙形態論的」は先立つ本文で「コスモモルフィック」とルビが当てられており(p.42、p.108) - つまり「コスモグラフィック」ではなく -、「人間の形態を世界に投影する
人間形態論(アントロポモルフィスム)」(p.106)と対をなすわけです。「訳者あとがき」でも「レーナルト独特の概念」の一つとして挙げられています(p.368)。

アントニー・アルパーズ、井上英明訳、『ニュージーランド神話 マオリの伝承世界』、青土社、1997
原著は Antony Alpers, Maori Myths & Tribal Legends, 1964
序//
第1部 ハワイキの神話;大空と大地の息子たち//
マウイ神話;マウイの誕生/マウイ、両親を見つけだす/マウイ、聖なる顎の骨を獲得する/マウイ、太陽の速度を遅らせる/マウイ、陸地を釣り上げる/マウイ、火をもてあそぶ/マウイの妹、夫を失う/マウイ、人間に死をもたらす//
チニラウ神話;ヒナウリ、チニラウの妻になる/ルペ、ヒナウリを見つけだす/ツフルフル、母親を見つけだす/カエ、ツツヌイを盗む/ファカタウ、ハパイ族を滅ぼす//
タファキ神話;タファキ、ポナツリ族を滅ぼす/タファキ、天に登る/タファキ、ハパイと再会する/ラタ、タファキの息子の仇を討つ//
第2部 移民伝説;クペ、アオテアロアを発見する/ツリ、アオテアロアに移住する/ハワイキでの闘争/アラワ号での航海/マナイアの呪詛に復讐/ハツパツの冒険//
マオリ神話・伝説の源泉と背景//
ニュージーランド・マオリの冥界神話と説話 - 「記」・「紀」黄泉国神話と対比して -(井上英明)など、
428ページ。


後藤明、『ハワイ・南太平洋の神話 海と太陽、そして虹のメッセージ』(中公新書 1378)、中央公論社、1997
南十字星の下の海幸彦・山幸彦 - 日本と南太平洋神話の類縁性 -/虹を越えてきた神々 - 南太平洋世界の成立 -/生まれ来る精霊と言霊 - 南太平洋世界の神話 -/火山と虹の島 - ハワイの自然と創世神話 -/太陽と海の恵み - 作物と漁撈の神話 -/魂の行方 - 死の起原と死後の世界 -/陸に上がった鮫 - 王権の神話-/南太平洋の彼方に、など、
224ページ。


 第2章の最終節「海人の祈りと世界観」中で、いくつかの宇宙模型が紹介されています(pp.46-50)。
 次の本や数本の論考とともに、同じ著者による→こちら(「通史、事典など」の頁の「i. 天文学史的なもの」)や、そちら(同頁の「iv. 神話・神話学など」)、またあちら(同頁の「星、月、太陽など」の項)も参照


後藤明、『南島の神話』(中公文庫 こ 51-1)、中央公論新社、2002
南島の創世神話/愛と豊饒の神話/死の起原と死後の世界/日本神話と南島世界/火山の女神と英雄マウイ/ハワイの創世神話・クムリポなど、
264ページ。


後藤明、「ハワイ人の霊魂観と生命観」、松村一男編、『生と死の神話 宗教史学論叢9』、リトン、2004、pp.95-112
火山の女神ペレの神話/眠りと魂の浮遊/霊界/神の観念/霊の変異体/死者と骨など

山田仁史、「東南アジア・オセアニアにおける死の起源神話 - 《バナナ型》と《脱皮型》の分布に関する諸問題 -」、松村一男編、『生と死の神話 宗教史学論叢9』、リトン、2004、pp.113-129
バナナ型/脱皮型/両タイプの分布について/むすび-繰り返し現れる世界像をめぐって、など

白川千尋、「近くて遠い異界 - ヴァヌアツ・トンゴア島民における異界とその住人をめぐる認識 -」、細田あや子・渡辺和子編、『異界の交錯 宗教史学論叢10』上巻、リトン、2006、pp.383-407
ナエタタム/ナトゥトゥ/考察など

後藤明、「ポリネシアにおける天空観 - 航海民の星座観を中心に -」、篠田知和基編、『天空の神話-風と鳥と星』、楽瑯書院、2009、pp.620(77)-598(99)
多層的天空観/天地分離と天翔るカヌー/島釣り/マオリの星座観/星座ごとの事例など

後藤明、「天/海翔るカヌー - ポリネシア航海民の天空神話」、『アジア遊学』、no.121、2009.4、「特集・天空の神話学」、pp.127-137
ハワイロアの神話/新しい土地の誕生と浮かび上がる島々/天翔るカヌー/風の神話/考察など

後藤明、「オセアニア海洋民の魂の器としてのカヌー」、『アジア遊学 128 古代世界の霊魂観』、勉誠出版、2009.12、pp.136-147
カヌーの表象/セピック川の創造主鰐/棺としてのカヌー/メラネシア/マランガン/ポリネシア/死者の国/ミクロネシアの死者と豊壌の島/天地分離と天翔るカヌーなど
………………………

W.E.H.スタンナー、清水昭俊訳、「夢見」、大林太良編、『神話・社会・世界観』、角川書店、1972、pp.87-112
原著は W.E.H. Stanner, “The Dreaming”, 1956

『アボリジニの美術 伝承と創造/オーストラリア大地の夢』展図録、京都国立近代美術館、東京国立近代美術館、1992
英語タイトルは Crossroads - Toward a New Reality. Aboriginal Art from Australia
はじめに(内山武夫)/クロスロード|新しいリアリティに向けて(マイケル・オファレル)//
図版;バーク・ペインティング/中央砂漠地帯のドット・ペインティング/現代のアボリジニ美術など、
174ページ。


 この展覧会には感じ入ること多大であったとの記憶が残っています。
 なので国立民族学博物館で同時に開催された次の展覧会にも足を運んだことでした;


『オーストラリア・アボリジニ 狩人と精霊の5万年』展図録、産経新聞大阪本社、1992
序章 オーストラリア・アボリジニの世界//
人と自然の歴史;地球史の中のオーストラリア/戦いの伝承/白人との遭遇//
社会と宇宙の構図;誕生の概念/分類する人びと - 半族の思想/アボリジニの言語//
狩猟・採集・漁労;ブーメラン/季節と食糧 - 狩人の道具/舟と漁具/むらの暮らし//
分配の原理と貨幣経済;交換の儀礼 - 星まつり/真珠貝 - 砂漠の道・海の道/女の経済・男の経済//
神話と精神世界;描かれた心/旅のイメージ/暮らしのなかの精霊//
展示品をめぐって - フィールド・ノートからなど、
144ページ。


松山利夫、『ユーカリの森に生きる アボリジニの生活と神話から』(NHKブックス 697)、日本放送出版協会、1994
アーネムランド - アボリジニの大地;アボリジニの世界/アボリジナル・ランドの形成とむら建設の運動//
ジナン族の暮らし - ガマディむらにて;ジナン族の生活空間/ガマディむらの人びとと領域/ガマディむらの歴史 - 二人のアボリジニの生活史から//
狩りと食糧 - 豊饒の儀礼と食物規制;獲物の季節性と狩猟/野性食糧は、どのように配分されるのか/ドリーミングと食物規制//
狩人たちの財産 - ガマディむらと貨幣経済;むら人の買い物/むらとむら人の保有財//
豊かなイメージの宇宙 - 樹皮画と彫刻;
故地(カントリー)を描いた樹皮画/樹皮画が語る神話の世界/彫刻と神話//
精霊と人の交渉;雨ごいと雨やみ/ふたつの葬送儀礼/星まつり//
生きている神話 - ジナン族の故地をめぐる論理;神話と葬送儀礼/人の魂と血と汗/魂のいきさき - カントリーへの回帰など、
256ページ。


松山利夫、『精霊たちのメッセージ 現代アボリジニの神話世界』(角川選書 276)、角川書店、1996
はじめに//
不思議なできごと - 神話世界への入り口 -;ガマディむらの体験/神話世界への入り口//
暮らしの中の精霊;死霊のモコイ/狩りと精霊//
虹ヘビ物語;虹ヘビの神話/偉大な虹ヘビたち//
人の誕生と火の獲得;人の誕生/火の獲得//
大地の創造と天空の構造;大地の創造/天空の構造//
神話を語ることの現代的意義;神話がもつメッセージ/アボリジニの土地権と神話//
附編 さまざまな起源神話など、
254ページ。


K.ラングロー・パーカー、H.ドレーク=ブロックマン編、松田幸雄訳、『アボリジニー神話』、青土社、1996
原著は K.Langloh Parker, Australian Legendary Tales, 1953
はじめに/挿絵について/エミューのディンナーワンとシチメンチョウのグーンブルガッボン/いかに太陽は造られたか/南十字星/ナーラン湖の始まり/バイアーメのボラー/ウィーリービラのグードゥー/エレアーンバー・ワンダーの発見/ベイビーメーカー/ヨタカと月/カエルの先触れ/火の創造者/イグアナとクロヘビ/モノマネドリのウィーダー/ソルジャーバードのディージーンボヤー/明けの明星のマリアンガー/カラスのウィーリーヌン、ワーン/雨鳥/降雨術師のウィーリーヌン/バールーのイヌ/花の伝説/冷たい西風のギーガー・ギーガー/ビルバとメイラー/小川にムラサキガイがある理由/エミューのディンナーワンとカラスのワーン/ペリカンのグーレイヤーリー/カンガルーのボーラー/ボーラー、闇を追い払う/ギャラーとトカゲのオゥラー/セキレイのディーリーリーと虹/石のカエル/メイヤーメーイ、七人の姉妹/ワーランナーの海への旅/ワーランナーの見た不思議/ブラック・スワン/霜はどこから来るか/踊る鳥/ウィーオンビーンとピッギービラ/ハリモグラのピッギービラ/蜃気楼作りのビーリーウン/カササギのグールーとワールーガ/黒い胸のカササギ/カメのワヤンバー/カメのワヤンバーとシチメンチョウのウォッグーン/羽冠をもったハトのグーラーウィリール/赤い胸のコマドリ/コウモリのナラーダーン/樹皮トカゲのワルーバール/カモノハシのガヤーダリー/褐色と黄色の大蛇、ババー/小さな灰色のフクロウのイーリンなど、
316ページ。


ハワード・モーフィ、松山利夫訳、『アボリジニ美術』(岩波 世界の美術)、岩波書店、2003
原著は Haward Morphy, Aboriginal Art, 1998
認知への旅 アボリジニ美術の「発見」/永遠の記録 歴史としてのロック・アート/いしずえ 美術と宗教、そしてドリーミング/トーテムの風景 美術と地図、そして人々/美術にみる親族組織 美術と社会/芸術における力 芸術と儀礼、そして美学/他者とのかかわり 芸術とアボリジニ社会の存続/転換 中央オーストラリアの現代美術/変転の記録 ウィリアム・バラクとトミー・マックレーの美術/現代の展開 アボリジニ美術とアヴァンギャルドなど、
448ページ。


ロバート・ローラー、長尾力訳、『アボリジニの世界 ドリームタイムと始まりの日の声』、青土社、2003
原著は Robert Lawlor, Voices of the First Day, 1991
はじめに 夢みる大地//第1部 始めに夢見ありき;起源のイメージ/夢見(ドリーミング)の時空/夢見(ドリーミング)と創造/植民地化と夢見の破壊/お告げ、楽園、堕落 黄金時代の神話/死にゆく大地、再生する大地/虹蛇の子宮の中で/夢見る種子//
第2部 夢見(ドリーミング)を生きる;誕生/儀礼周期/アボリジニのセクシュアリティ/ドリームタイムと存在感覚/アボリジニの親族体系/夢、大地、アイデンティティ//
第3部 トーテミズムとアニミズム;トーテムと社会/トーテムとイメージ/狩猟採集者とトーテミズム/トーテムと
精神(マインド)/トーテムとアニミズム//
第4部 死と高位の儀礼;死、夢見への拡張/死への旅路/賢女と高位の男/種子を保存する、など、
570ページ。

 視野が広い分、いささか先走ったところが気になります。

おまけ

 フィクションとしては;

谷甲州、『天を越える旅人』、東京新聞出版局、1994 

 あとがきによると、「『アインシュタイン以後の宇宙論を仏教的な世界観で再構成できるだろうか』といった領域にまで踏みこんでしまった」とのこと(p.409)。チベット、というかヒマラヤを舞台に、登山と須弥山、曼陀羅と中有、縁起と仏陀の全知、三千世界=多宇宙などのヴィジョンが織りなされ、帝釈天も登場します。
 同じ著者による→こちらを参照:「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「谷甲州」の項


クライド・B・クレイスン、門倉洸太郎訳、『チベットから来た男 世界探偵小説全集 22』、国書刊行会、1997
原著は Clyde B. Clason, Tha Man from Tibet, 1938

 冒頭に参考文献が挙げられていて、本書執筆時点で、欧米の関心ある向きがチベットの文化等について知ることのできる情報が、うまく組みこまれているように見えます。「世界中のあらゆる知識を掌中におさめた神秘主義の偉大な尊師(マスター)がチベットに住んでいるという、よた話」(p.207)くだりがあるのも面白いところです。
 他方、たとえば「東洋で戦争 - 日本は北京を占領すると威嚇」(p.45)云々と、当時の日本や東アジア情勢について、米国人がもっていた感触をうかがうことのできるくだりも見受けられました(また、p.222 なども参照)。と思ったら第13章の冒頭では、舞台であるシカゴの日本料理屋で、探偵たちが昼食にスキヤキを嗜んだりするのでした(pp.285-287)。
 なお本書は
 有栖川有栖(文)、磯田和一(絵)、『有栖川有栖の密室大図鑑』(創元推理文庫 M あ 2-8、東京創元社、2019)
で取りあげられており、そこからあるくだりを→こちらに引きました;「ホワイト・キューブ以前の展示風景:孫引きガイド 、あるいは吸血鬼の舞踏会のために」の頁の「追記の3



 ニューギニアの精霊にまつわる;

諸星大二郎、『マッドメン 完全版』(ちくま文庫 も 6-1)、筑摩書房、1991

 1985刊の原著を補ったもの。
 諸星大二郎について→こちらも参照:「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「諸星大二郎」の項


 こちらは「ミャウギニュア」の神々が跳梁する;

もりやまゆうじ監督、『ジャングルDEいこう!』、1997(全3巻)

 手もとにあるのは2003年に一本化されたDVD。

 イースター島を舞台にしたのが;

山口晋監督、『超劇場版ケロロ軍曹 誕生! 究極ケロロ 奇跡の時空島であります!!』、2010
 音楽方面では;

Mandalaband, Mandalaband, 1975 (邦題;マンダラバンド、『曼陀羅組曲』)(1)

 A面を占める『曼陀羅組曲』の原題は"Om Mani Padme Hum"で、歌詞はチベット語だそうです。
 タイトルについては→ウィキペディア英語版に該当ページがあり、そこから日本語版ページに飛ぶと、「六字大明呪」のタイトルで掲載されています。また、サイト『ダライ・ラマ法王日本代表部事務所』の「チベットの宗教・文化」中の「オム・マニ・ペメ・フム」のページも参照。
1. 大鷹俊一監修、『ヤング・パーソンズ・ガイト・トゥ・プログレッシヴ・ロック』(ONTOMO MOOK)、音楽之友社、1999、p.129。
 『200CD プログレッシヴ・ロック』、立風書房、2001、p.85。深見淳・松崎正秀監修、『UKプログレッシヴ・ロック メインストリーム・エディション~The Golden Era』(THE DIG presents Disc Guide Series #017)、シンコーミュージック、2004、p.102。
 岩本晃一郎監修、『ブリティッシュ・プログレッシヴ・ロック100』(Masterpiece Albums vol.2)、日興企画、2012、p.108。

イエロー・マジック・オーケストラ、『テクノデリック』、1981

 には「京城音楽
Seoul Music」が
 (同じアルバムから→こちらを参照:「階段で怪談を」の頁の「追補の追補」中の「その他、フィクションから」、
 また

高橋幸弘、What, Me Worry?、1982(1a)

 ソロ4枚目のB面3曲目が"My Highland Home in Thailand"、器楽曲、1分11秒。ビル・ネルソンとの共作。
1a. 『ユリイカ』、no.634、2013年10月臨時増刊号:「総特集 髙橋幸弘」、p.226。
 別のアルバムから→こちらの2を参照:「マネ作《フォリー・ベルジェールのバー》と絵の中の鏡」の頁の「おまけ

坂本龍一、『音楽図鑑』、1984

 には
“Tibetan Dance”が収められていました。
 別のアルバムから→そちらを参照:『赤い影』(1973)の頁の「おまけ

 なお本ページが北はシベリアから南はオセアニアまで縦断したのは、このあたりにまだ弱いからという、ただそれだけの理由ですが、ともあれ、シベリアと言えばやはり


Yes, Close to the Edge, 1972(邦題:イエス、『危機』(2)

 のB面後半を占める"Siberian Khatru"(邦題:「シベリアン・カートゥル」)(2a)を挙げるべきでしょう。
 右に挙げた『スティーヴ・ハウ自伝』によると、「カートゥル」は
「イエメン語で〝お望みのままに〟という意味らしい」(p.138)
とのこと。英語版ウィキペディアの該当頁も参照(→そちら)。
 話がそれますが、『スティーヴ・ハウ自伝』の「コーダ(最終楽章) 折々のあれこれ」に、「長年読んできた中で面白いと思ったまなり毛色の異なる書物」(p.408)の一つとして、ブライアン・グリーンの『宇宙を織りなすもの』が挙げられていました。ついでに、美術ではボスの《快楽の園》、ダリ、ホックニーなど(pp.411-413)、映画でフェリーニにジョン・カサヴェテスなど(pp.416-417)の名が呼びだされます。
2. 『イエス ストレンジ・デイズ11月号増刊 Artists & Disc File Series vol.1』、ストレンジ・デイズ、2003、p.64。
 片山伸監修、『イエス・ファイル』(Artist File 14)、シンコーミュージック、2005、p.154。
 『イエス プログレッシヴ・ロックの奇蹟』(文藝別冊 KAWADE夢ムック)、河出書房新社、2016、pp.222-223。
 →こちらでも挙げています:「仏教 Ⅱ」の頁の「おまけ
 上西園誠訳、『スティ-ヴ・ハウ自伝 オール・マイ・イエスタデイス』、シンコーミュージック・エンターテイメント、2021、pp.138-141。
 →そちらも参照:「階段で怪談を」の頁の「文献等追補」中の「その他、フィクションから

2a. 「KENSO 清水義央の 開校!プログレ名リフ熟」、モノ・マガジン特別編集、『プログレッシヴ・ロックをもういちど ハーヴェスト3 ワールド・ムック580』、2006.1、pp.92-93。

 『危機』にも参加していたドラマーのソロ1枚目


Bill Bruford, Feels Good to Me, 1977(邦題:ビル・ブラフォード、『フィールズ・グッド・トゥ・ミー』)(2b)

 のB面4曲目が"Springtime in Siberia"(邦題:「春のシベリア」)、2分43秒、器楽曲。
2b. 『イエス ストレンジ・デイズ11月号増刊 Artists & Disc File Series vol.1』、ストレンジ・デイズ、2003、p.136。
 松井巧監修、『ジャズ・ロック The DIG Presents Disc Guide Series #035』、シンコーミュージック、2008、p.49。
 ビル・ブルーフォード、池田聡子監修・訳、『ビル・ブルーフォード自伝 イエスとキング・クリムゾンを叩いた男』、日興企画、2012、p.428。
 ストレンジ・デイズ編集、『キング・クリムゾン リトル・ディスコグラフィー・シリーズ①』、ストレンジ・デイズ、2013、p.1376。
 同じアルバムから→そちらで別の曲を挙げました:「天使、悪魔など」の頁の「おまけ」。
 また→あちらも参照:「アフリカ」の頁の「おまけ

メトロファルス、『盗賊どもの夜会服』、1985

 5曲目が"Siberian Stalker"、1 分31秒。
 同じアルバムから→こちらも参照(天使、悪魔など」の頁の「おまけ」)


メトロファルス、『LIMBO島』、1996

 7曲目が「オーロラ・レゲェ」、6分15秒。
 サビの旋律がとても魅力的な曲ですが、マンモスだか白熊だかセイウチだかの鳴き声みたいな音も聞こえてきます。
 同じアルバムから→そちらを参照:「北欧、ケルト、スラヴなど」の頁の「おまけ
 MIDIヴァイブをフィーチャーしたフィンランドの1990年代プログレ・グループ

XL, jeti, 1999
(邦題:XL、『イエティ』)(3)

 最後から2曲目
“Himalaya”(邦題「ヒマラヤ」)とラスト“Jeti”(邦題「イエティ」)
3. 『ユーロ・ロック・プレス』、vol.19、2003.11、pp.94-96。

 他方、南については、

Black Sabbath, Mob Rules, 1981
(邦題:ブラック・サバス、『悪魔の掟』)(4)

 のA面3曲目、重いリフが印象的な"The Sign of the Southern Cross"(邦題:「南十字星」)が思い浮かびます。
4. 『ヘヴィ・メタル/ハード・ロックCDガイド』(シンコー・ミュージック・ムック)、シンコー・ミュージック、2000、p.79。
 『ストレンジ・デイズ』、no.91、2007.4、「ブラック・サバス アルバム・ガイド」、p.12。
 トニーアイオミ、前むつみ訳、三谷佳之日本語版監修、『アイアン・マン』、ヤマハミュージックメディア、2012、pp.213-218。
 『マスター・オブ・ブラック・サバス』、シンコーミュージック・エンタテイメント、2020、pp.74-75。
 →ここも("Voodoo":「アメリカ大陸など」の頁の「おまけ」)、また→そこ("Black Sabbath":『ブラック・サバス 恐怖!三つの顔』(1963)の頁の「おまけ」」)、あそこ("Spiral Architect":「図像、図形、色彩、音楽、建築など」の頁の「おまけ」)も参照
Qoph, Pyrola, 2004(邦題:クォフ、『ピローラ』)(5)

 スウェーデンのサイケ風味入りハード・ロック・バンドの2枚目、3曲目が"Korea"、10分1秒。
5. 『ユーロ・ロック・プレス』、vol.25、2005.5、p.77。
Björk (ビョーク)にも"Oceania"という曲がありますが、今のところミュージック・ヴィデオでしか見たことがない。5枚目のアルバム Medúlla (2004、邦題:『メダラ』)に収められているとのこと。

Hands, Hands, 1996(邦題:ハンズ『迷宮への道』)(→こちらも参照:「怪奇城の外濠 Ⅲ」の頁の「おまけ」)

 11曲目が
"Antarctica"(「南極大陸」)です。10分32秒、歌入りですが歌詞の中身は不詳。
ムーンライダーズ、Bizarre Music for You、1996(6)

 3曲目が「春のナヌーク」。ナヌークはイヌイットの言葉で白熊のことだそうです。
 
2. 『ミュージック・マガジン』、514号、2006.6:「特集 ムーンライダーズの30年」、p.56。
 他のアルバムから→そちらを参照::『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)の頁の「おまけ
  
 やはり日本のバンドから;

ケンソー、『天鵞絨症綺譚』、2002(7)

7枚目の5曲目が
"Tjandi Bentar"、6分58秒、器楽曲。
 "Tjandi Bentar"は"Candi Bentar"と同じと見なしてよいのであれば、後者には英語版ウィキペディアに頁がありました(→こちら)。

「開いた門口、ジャワ島およびバリ島における古典的な門口で、通例宗教施設や宮殿、あるいはインドネシアの墓地の入口に見られる」

とのことです。ちなみに
"candi "はやはり英語版ウィキペディアの頁(→こちらの2)によると、発音は[ tʃandi ]で、インドネシアにおけるヒンドゥー教ないぢ仏教の寺院を指します。
 右の(7)に挙げた「 Interview KENSO 清水義央」でも、ガムランに触発され取りいれたことが語られていますが、この曲だけでなく、他の曲でもガムラン的な要素を見ることができます。また続く8枚目、


ケンソー、『うつろいゆくもの』、2006

の5曲目は「ウブド寝入りばな幻聴」です。5分20秒、器楽曲。ウブドはバリ島の村の名だそうです。この曲には rebab 奏者がゲスト参加しています。rebab は日本語ウィキペディアに「ラバーブ」としてページが設けられていました(→こちらの3)。擦弦楽器のひとつで、かなり広い地域にひろまっているのですが、インドネシア語では rebab ルバブと呼ぶようです。
7. 『ユーロ・ロック・プレス』、vol.13、2002.5.31、pp.60-62。

 『天鵞絨症綺譚』から別の曲→こちらを参照;「階段で怪談を」の頁の「その他、フィクションから
 またケンソーに関して→そちらも参照:「近代など(20世紀~) Ⅳ」の頁の「おまけ

Picchio dal Pozzo, Camere Zimmer Rooms, 2001(邦題:ピッキオ・ダル・ポッツォ『ねじれた小部屋の風景』)(8)

 イタリアのプログレッシヴ・ロックといえば、オザンナやバンコなど、熱量の高そうなバンドが多いという、いささかいい加減な印象があります。ジャズ・ロック系で自由即興や現代音楽的要素の占める比重が大きいアレアも例外ではない。そんな中でとりわけクールな感触が強いのがピッキオ・ダル・ポッツォでした(→こちらで少し触れました:「インド」の頁の「おまけ」)。といって、これもイタリア的といっていいのかいささか怪しいところではありますが、夢想的な雰囲気やユーモアも欠いてはいません。当時は、ともに傑作の誉れ高い1枚目(1976)と2枚目(1980)だけで解散してしまいましたが、本作はその間に録音されたスタジオ・ライヴ的な音源を集めたもので、5曲中4曲は1977-78年、次に挙げる1曲だけが1980年の録音で、実験色の高まったとされる2枚目の曲に近い。その4曲目が
"Pinguini (The Penguins)"、13分42秒。
8. アウグスト・クローチェ、宮坂聖一訳、『イタリアン・プログ・ロック イタリアン・プログレッシヴ・ロック総合ガイド(1967年-1979年)』、マーキー・インコーポレイティド、2009、pp.400-401。
 『ユーロ・ロック・プレス』、vol.46、2010.8、pp.88-90。
 『オール・アバウト・チェンバー・ロック&アヴァンギャルド・ミュージック』、マーキー・インコーポレイティド株式会社、2014、pp.171-173。
 同じアルバムから別の曲を→こちらに挙げました:「北欧、ケルト、スラヴなど」の頁の「おまけ

Cf.,
  『フールズ・メイト』、vol.19、December 1981、p.95。
  『フールズ・メイト』、vol.22、July 1982、p.76。
 『ミュージック・マガジン』、no.183、1982.12、pp.41-42。
 『ユーロ・ロック集成』、マーキームーン社、1987/90、p.46。
 大鷹俊一監修、『ヤング・パーソンズ・ガイド・トゥ・プログレッシヴ・ロック』、音楽之友社、1999、p.184。
 ファースト・アルバムから→そちら:「怪奇城の高い所(後篇) - 塔など」の頁の「v. 鐘塔など
  
 なおペンギンといえばペンギン・カフェ・オーケストラがありましたが、引きあいに出した曲名にちなんで→「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「おまけ」に譲っておきます。

 ペンギンがらみでもう一つ;

Frank Zappa / The Mothers of Invention, Roxy & Elswhere, 1974(5)

 1曲目が
"Penguin in Bondage"、6分47秒。
 同じアルバムから別の曲→こちらも参照:「ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ」の頁の「おまけ」)


 南極といえばまず思いだされるのはラヴクラフトの「狂気の山脈にて」(1931)でしょうか。そちら(「近代など(20世紀~) Ⅵ」の頁の「山田正紀」の項)で触れたように『アビス』(1989、監督:ジェイムズ・キャメロン)が「クトゥルフの呼び声」(1928)の翻案だとすれば、『エイリアンVSプレデター』(2004、監督:ポール・W・S・アンダーソン)を「狂気の山脈にて」の翻案と見なすことができるでしょうか(→「〈怪奇〉と〈ホラー〉など、若干の用語について」の頁でも触れました)。
 「狂気の山脈にて」はまた、ポーの『ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語』(1838)に続くものである一方、ジョン・W・キャンベルの「影が行く」(1938)とその映画化第二弾『遊星からの物体X』(1982、監督:ジョン・カーペンター)へつながり、後者も舞台は南極でした(映画化第一弾『遊星よりの物体X』(1951、監督:クリスチャン・ナイビイ)はなぜか舞台をアラスカに移していた)。 

 この他『ウルトラQ』第5話「ペギラが来た!」(1966/1/30)をはじめとして南極を舞台にしたフィクションは多々あることでしょうが、他方、北極といえばメアリー・シェリーの『フランケンシュタイン』(1818/1831)が思い浮かばずにはいますまい。『フランケンシュタイン』と北極の話から序章を語り起こしたのが;

谷田博幸、『極北の迷宮 北極探検とヴィクトリア朝文化』、名古屋大学出版会、2000
 はじめに/序章 〝北極(アークティック)ヒーロー〟の時代 探検とジェントルマン/そして、船は出ていく 科学とオプティミズム/極北のラビリンス ジャーナリズムと透視術/幕間 〝パノラマニア〟の北極/〝ケトルの中身〟 ディケンズとカニバリズム/フランクリンの運命 英雄崇拝と文学/〝事を図るは人、成否を決するは神〟 北極絵画と記念碑/終章 フランクリン・シンドローム ヴィクトリア朝の文明意識など、368ページ。

 北極と来ればまた、

ジョスリン・ゴドウィン、松田和也訳、『北極の神秘主義 極地の神話・科学・象徴性、ナチズムをめぐって』、1995

是巨人、Tundra、2011(9)

 註8で挙げた箇所にある、同バンドの1枚目
Korekyojin (1999)の解説によると、「THIS HEAT + GENTLE GIANT みたいなのをやりたい」ということで結成されたとのことで、バンド名の「是」はTHIS HEAT、「巨人」は GENTLE GIANT を指します。その7枚目、タイトル曲は2曲目、6分37秒、他の曲も全て器楽曲。
 ドラムスの吉田達也の他の活動から→こちらでも触れました:「アメリカ大陸など」の頁の「おまけ
 
9. 『オール・アバウト・チェンバー・ロック&アヴァンギャルド・ミュージック』、マーキー・インコーポレイティド株式会社、2014、p.236。

 南極北極とくれば、次は赤道です。赤道で思いだされるのは

澁澤龍彦、「マドンナの真珠」(1959)、『澁澤龍彦集成 第Ⅴ巻』、桃源社、1970、pp.224-246(『澁澤龍彦初期小説集』(澁澤龍彦コレクション、河出文庫 し1-44)、河出書房新社、2005、pp.154-178)

 とともに(澁澤については→こちらも参照:「通史、事典など」の頁の「おまけ」)、

Sparks, Kimono My House, 1974(→そちらを参照:「日本 Ⅱ」の頁の「おまけ」)

 3枚目のラスト、B面5曲目
"Equator"(「赤道」)、4分40秒。
2013/07/26 以後、随時修正・追補
HOME宇宙論の歴史、孫引きガイド中央アジア、東アジア、東南アジア、オセアニアなど