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 イスラーム
イスラーム Ⅱ
 Ⅱ  v シーア派(12イマーム派)など
含む;アンリ・コルバンの著作など
   vi イスマーイール派など
   vii グラートなど
ヌサイリー/アラウィー派、アフレ・ハックなど
 viii その他の分派など
ドゥルーズ派、フルーフィー派、ヤズィード派、その他
   ix 個々の著述家など
イブン・スィーナー、ガザーリー、スフラワルディー、イブン・アラビー、その他
   x クジャタ、バハムート、ファラク、その他
    おまけ 


v. シーア派(12イマーム派)など

ここまででもアンリ・コルバン『イスラーム哲学史』(1974)の「第2章 シーア派と予言者哲学」の「A 12イマーム・シーア派」などがありましたし、またこの後も「ix. 個々の著述家など」の項で見ることになりますが、それ以外に;

加賀谷寛、「11世紀初頭の12イマーム派のイスラム教理問答(抄訳)」、『西南アジア研究』、no.12、1964.6.30、pp.43-54

加賀谷寛、「イランの12イマーム派のイマーム・ザーデ崇拝」、『オリエント』、vol.12 no.3・4、1969、pp.191-205 [ < J-STAGE

井筒俊彦、「シーア派イスラーム-シーア的殉教者意識の由来とその演劇性-」、『意味の深みへ』、1985、pp.157-196

鎌田繁、「アッラーマ・ヒッリーのイマーム論-『意図の解明・教義学綱要注釈』第五章訳注-」、『東洋文化研究所紀要』、no.118、1992、pp.119-192 [ <東京大学学術機関リポジトリ(UT Repository)

鎌田繁、「神秘主義とシーア・イマーム論の出会い-ファイド・カーシャーニーの完全人間論-」、『超越と神秘-中国・インド・イスラームの思想世界-』、1994、pp.291-310
はじめに/絶対者の自己顕現と完全人間/預言者性とイマーム性/完全人間の諸相/むすび

こちらにも挙げておきます


山尾京子、「ヌウマーニーのガイバ論」、『オリエント』、vol.36 no.2、1993、pp.18-33 [ < J-STAGE

吉田京子、「イマームのガイバ思想と預言者たち」、『オリエント』、vol.39 no.1、1996、pp.115-126 [ < J-STAGE

吉田京子、「シーア派研究における12イマーム派リジャール学の可能性」、市川裕・松村一男・渡辺和子編、『宗教史とは何か[上巻] 宗教史学論叢 13』、リトン、2008、pp.179-197
ウスーリー法学派のリジャール学/知の継承者としてのリジャール/継承知としての初期書物とその記録/社会学的アプローチによるリジャール研究

吉田京子、「12イマーム派の夢議論」、河東仁編、『夢と幻視の宗教史[上巻] 宗教史学論叢 16』、リトン、2012、pp.33-55
『諸光の大海』における夢議論;夢に関するクルアーンの章句とタフスィール/夢に関する諸伝承:真正な夢/夢に関する諸伝承:真正でない悪夢

桜井啓子、『シーア派 台頭するイスラーム少数派』(中公新書 1866)、中央公論新社、2006
序章 台頭するシーア派//
シーア派の成立;シーア派の起源-7世紀~/「イマーム」不在の時代-9世紀~/シーア派独特の儀礼//
政治権力とシーア派;「国教化」への道-16世紀~/「最高権威」の誕生-19世紀~//
近代国家の成立とシーア派-20世紀~;イラン-「イスラーム革命」への道程/イラク-スンナ派支配への抵抗/アラブ諸国と南アジア-弾圧と抵抗//
イラン・イスラーム革命と「革命の輸出」;イスラーム法学者の統治/イラク-国家とシーア派の対決/「革命の輸出」に揺れるイスラーム諸国//
ポスト・ホメイニーと多極化;イラン-「政教一致」の限界/「湾岸戦争」とその余波/「イラク戦争」とシーア派の内部抗争//
終章 シーア派の行方など、270ページ。


モハンマド=ホセイン・タバータバーイー、森本一夫訳、『シーア派の自画像 歴史・思想・教義』、慶應義塾大学出版会、2007
原著はペルシア語の『イスラームの中のシーア派』(p.271、訳註:本論/はじめに *1)
英訳が
Muhammad H. al-Tabataba'i, translated by Seyyed Hossein Nasr, Shi'ite Islam, 1975
pp.276-282 に「英訳本における相違点」あり。
序言(セイイェド・ホセイン・ナスル);シーア派研究/シーア派の根本要素/シーア派研究の現状/本書について/著者について//
はじめに//シーア派の歴史的背景 シーア派の生成と発展;シーア派のいできたり/少数派シーア派が多数派スンナ派から分離した理由と、両者の間での食い違いの表れ/後継者位と宗教的知識に関するマルジャウ位という二つの問題/選挙によるカリフ制という方法と、そのシーア派の見解との矛盾/カリフ位が最終的に信徒の長アリー(彼に平安あれ)にいたったこと、およびカリフとしての彼の方の行い/アリー(彼に平安あれ)の五年間のカリフ在位がシーア派にもたらしたもの/カリフ位がアーウィヤに移り世襲の王権とʻ化したこと/シーア派にとっての暗黒時代/ウマイヤ家の王権の確立/ヒジュラ暦2世紀(719-816年)のシーア派/ヒジュラ暦3世紀(816-913年)のシーア派/ヒジュラ暦4世紀(913-1010年)のシーア派/ヒジュラ暦5世紀から9世紀(1010-1459年)のシーア派/ヒジュラ暦10世紀から11世紀(1495-1689年)のシーア派/ヒジュラ暦12世紀から14世紀(1689-1980年)のシーア派//
  シーア派の分枝;「分枝」について/ザイド派シーア派/イスマーイール派シーア派とその分枝/ニザール派、ムスタアリー派、ドゥルーズ派、ムカンナア派/12イマーム派シーア派とザイド派およびイスマーイール派との相違点/12イマーム派の歴史のまとめ//
シーア派における宗教的思考 宗教的思考の三つの方法;「宗教的思考」の意味/イスラームにおける宗教的思考の根本的典拠/聖クルアーンが宗教的思考のために示す方法は三つある/三つの方法の間の相違点/第一の道 宗教の外面的側面 宗教の外面的側面とその構成要素、教友たちが伝えたハディース、啓典と慣行、クルアーンの外面と内面、クルアーンのタアウィール、ハディースをめぐる議論への補論、シーア派におけるハディースの内容の実践方法、教え学ぶこと、シーア派と伝承の諸学/第二の道 理性的議論 哲学と神学の領域における理性的思考、イスラームにおける哲学的・神学的思考の領域でのシーア派の先行性、哲学とその他の理性の諸学におけるシーア派の不断の努力、なぜ哲学はシーア派の中に残ったのか、シーア派の学問的な天才たち/第三の道 開示 人間と神秘的理解、イスラームにおける神秘主義のはじまり、神秘的な方法で自己を知ること、その筋道に関する天啓の書と慣行の導き//
12イマーム派から見たイスラームの教義 神;神の存在が必須であることについて(その一) 存在世界と現実性/神の存在が必須であることについて(その二) 人間と世界との関係/神の本質と属性/神の属性の意味/属性の意味についてのさらなる説明/行為の属性/予定と定命/人間と自由意志//
  預言者;目標に向かって 一般的な導き/特殊な導き/知性と法/啓示と呼ばれる謎の意識/預言者たち 預言者の無謬性/預言者たちと天啓の宗教/預言者たちと啓示および預言の証/神の預言者たちの数/不屈の決意の持ち主にしてシャリーアの主たる預言者たち/ムハンマド(神よ彼を祝福し彼に平安を与えたまえ)の預言者位/聖預言者(神よ彼を祝福し彼に平安を与えたまえ)とクルアーン//
  来世;人間は魂と肉体からなる/魂の実在性についての別の視点からの議論/死についてのイスラームの見解/バルザフ/復活と最後の審判/別様な説明/創造の継続と連続//
  イマーム;「イマーム」の意味/イマーム位、聖預言者(神よ彼を祝福し彼に平安を与えたまえ)の後継者位、そしてイスラーム的統治/先述の主張の確証/イマーム位と神的知識の明示/預言者とイマームの違い/イマーム位と様々な行いの内面/イスラームのイマームたち/12名のイマームたち(彼らに平安あれ)の簡単な伝記/マフディー(彼に平安あれ)の顕現について//
おわりに シーア派の霊的メッセージ//
付論;タキーヤあるいは信仰隠し/ムトアあるいは一時婚/シーア派における諸儀礼/ジンについての覚え書き//
訳者解説など、332ページ。


守川知子、『シーア派聖地参詣の研究』(東洋史研究叢刊之七十一)、京都大学学術出版会、2007
はじめに/シーア派教義とイマーム廟参詣/史的背景-イランにおけるアタバート参詣の盛衰/アタバートへの道-イランからイラクへ/聖地にて/死者たちの聖地参詣-シーア派イスラームの「移葬」の文化/外交問題としてのアタバート参詣/参詣者と安全保障-生命と財産を賭けて/「近代化」の狭間で/アタバート参詣者とオスマン朝下のイラク/イラン社会におけるアタバート参詣/おわりに//
資料編;ペルシア語旅行記史料解題/主要ペルシア語旅行記著者旅程表/条約・外交文書翻訳/『アッバース大全』第7章翻訳/バグダード州内の聖人の墓一覧など、428ページ。


嶋本隆光、『シーア派イスラーム 神話と歴史』(学術選書 023)、京都大学学術出版会、2007
イスラームにおける宗教と政治-イスラームの学者(ウラマー)とは/シーア派の歴史-サファーヴィー朝の時代まで/初代イマーム・アリー-完全なる人間の鑑/三代目イマーム。ホセインとタァズィーエ-歴史の中のパトス/四代目イマーム、ザイヌル・アーベディーン-イスラームのイラン化/六代目イマーム、ジャファル・サーデク-シーア派のロゴス的側面/八代目イマーム、アリー・レザーとその妹ファーティメ-聖都コムの事例を中心に/十二代イマーム・マフディー-十二イマーム派シーア主義の完成/イマーム論の現代的意義-現代シーア派思想家によるイマーム論など、262ページ。

菊地達也、『イスラーム教 「異端」と「正統」の思想史』(講談社選書メチエ 446)、講談社、2009
理想の信仰共同体と「分派」の出現/「異端」と「正統」/「宗教宗派」シーア派の成立/イマーム派と極端派/イスラーム教のメシア思想/裏切られた革命/12イマーム派とイスマーイール派の台頭/シーア派とスンナ派の対峙/イスラーム教教義の限界に向かって、など、268ページ。

「シーア派とスンナ派の形成過程と比較する対象としては、中世カトリック教会をモデルにするよりも、4世紀頃までのグノーシス勢力と正統多数派教会の関係史の方がふさわしいだろう」(p.48)と述べ、「初期イスラーム思想史においては、少数派が最初に正典を形成するということはなかったが、多数派に先んじて宗派としての教義を確立した」(p.49)と記していた点など、印象に残っています。
同じ著者による→こちらや、またあちらも参照


菊地達也、「発題Ⅸ シーア派少数派における神観と他者認識」、大貫隆・金泰昌・黒住真・宮本久雄編、『一神教とは何か 公共哲学からの問い』、東京大学出版会、2006、pp.367-397
イスラームにおける「正統」と「異端」/シーア派思想の特徴-イマーム論と終末論/イスマーイール派の神観とイマーム論/イスマーイール派における他派認識/グラート(極端派)の思想/現代におけるシーア派少数派/イスラームにおける宗派間対話の可能性//
発題Ⅸを受けての討論


森茂男編、『イランとイスラム 文化と伝統を知る』、春風社、2010
はじめに(森茂男)//
古代からのこだま;古代イラントとスラム(森茂男)/ゾロアスター教とゾロアスター教徒の変遷(キュターユーン・マズダープール)/古代イラン文化のダイワ/デーウ(「悪魔」)(ハサン・レザーイー・バーグビーディー)//
多民族文化の融合;ラシードゥッディーン・ファズルッラー・ハマダーニー-三代のイル・ハーンに仕えたユダヤ系ムスリム知識人(ハーシェム・ラジャブザーデ)/サファヴィー朝とその文化(後藤裕加子)//
神秘主義の影響;スーフィズムとイラン文化(藤井守男)/シャイフ・ハサン・ブルガーリーと『マカーマート』(サーデグ・サッジャーディー)/モウラーナーの周辺に集まった女性たち(ザフラー・ターヘリー・ハギーギー)//
現代文化事情;異郷の詩人-ナーデル・ナーデルプールとイラン現代詩(中村菜穂)/小説の中の聖地参詣(藤元優子)/テヘランのストリート・ファッション(ソヘイラー・シャハシャハーニー)//
フォークロア・儀礼;イランのフォークロア(竹原新)/聖なる絨毯を象徴的に洗う儀礼(アリー・A・ボルークバーシー)/女性にまつわる聖地とその儀礼(羽田美希)//
イランとイスラムのあいだで;イラン民族叙事詩における「王の書」と「英雄の書」(アブドルラスール・ヘイランディーシュ)/イランのイスラム化、イスラムのイラン化-歴史叙述の観点から(山中由里子)/14世紀イランの詩人ハーフィズとその人間観(佐々木あや乃)/「カルバラーの悲劇」とイラン・ナショナリズム(山岸智子)など、324ページ。

………………………

イスラーム哲学史』(1974)のアンリ・コルバンですが、まず邦訳として;

アンリ・コルバン、今道友信訳、「ニヒリズム・否定神学・ペルソナリズム-東西文明の真の対話を求めて-」、『思想』、no.660、1979.6、pp.1-30
原著は Henry Corbin, “La théologie apophatique comme antidote du nihilisme”, 1977
どこに、いかに、そしていつ対話は存在するのか/人格主義(ペルソナリズム)とニヒリズム/否定神学と人格主義(ペルソナリズム)/ニヒリズムはどこに存在するのか/ニヒリズムに対抗する実在の原理//訳者後記

後掲の
Le paradoxe du monothéisme, 1981/2003 所収

アンリ・コルバン、神谷幹夫訳、「マズダー教およびイスマーイール派思想における巡回する時間」、『エラノス叢書 1 時の現象学 Ⅰ』、平凡社、1990、pp.125-238+pp.239-273:「アンリ・コルバンの『創造的想像力』について」(神谷幹夫)、pp.274-282:「コルバンとピュエシュ-訳者あとがきに代えて」(神谷幹夫)
原著は
Henry Corbin, “Le temps cyclique dans le Mazdéisme et dans l'Ismaélisme”, Eranos Jahrbuch 20-1951
マズダー教における巡回する時間;ゾロアスター教的マズダー教における世界の年齢/ズルワーン教の絶対時間/ドラマトゥルギーの変更/元型ペルソナとしての時間//
イスマーイール派思想における巡回する時間;イスマーイール派宇宙論における絶対時間と限定された時間/超歴史の時期と周期/復活-〈天使のための戦い〉の時間地平として

後掲の
Temps cyclique et gnose ismaélienne, 1982 所収
こちらでも触れています

「序 アンリ・コルバンの手紙」(1978年2月9日)、デイヴィッド・L・ミラー、桑原知子・高石恭子訳、河合隼雄解説、『甦る神々 新しい多神論』、春秋社、1991、pp.10-20
全体の原著は David Miller, The New Polytheism : Rebirth of the Gods and Goddesses, 1974/81

後出の「一神教のパラドクス」訳者解題にも(pp.236-241)、抜粋がミラーの「『一神教のパラドクス』について」(1981)から引用されています。

アンリ・コルバン、神谷幹夫訳、「一神教のパラドクス」、『エラノス叢書 6 一なるものと多なるもの Ⅰ』、平凡社、1992、pp.115-217+pp.236-242:解題Ⅲ(神谷幹夫)
原著は
Henry Corbin, “Le paradoxe du monothéisme”, Eranos Jahrbuch 45-1976
一なる神と多なる神々;一神教のパラドクス/統合的存在論と神顕現/単一なる一者と多なる神顕現の図表//
神の位階;神生誕のドラマトゥルギー/〈人類の天使〉との〈聖霊〉の現象学/〈光なるバフマーン〉教団


後掲の Le paradoxe du monothéisme, 1981/2003 所収
こちらでも少し触れています

アンリ・コルバン、神谷幹夫訳、「エラノスの時」、『エラノス叢書 別巻 エラノスへの招待 回想と資料』、平凡社、1995、pp.37-55
原著は
Henry Corbin, “Le temps d'Eranos”, 1957/1963
時の創出/意志の現実/現在化の営み/無意識的な共感
訳の初出は『月刊百科』、1991.12


後掲の L'Imâm caché, 2003 所収

アンリ・コルバン、桂芳樹訳、「秘儀伝授譚とイランのヘルメス主義」、『エラノス叢書 別巻 エラノスへの招待 回想と資料』、平凡社、1995、pp.147-224
原著は
Henry Corbin, “Le récit d'initiation et l'hermétisme en Iran”, 1949
西方流謫譚;スフラワルディー(ヒジュラ暦587/西暦1191年歿)の作品における秘儀伝授譚/「西方流謫譚」/錬金術の象徴体系//
ヘルメスの神話と「本然の性」;人類の天使とヘルメスの天使/ヘルメスと「本然の性」、または人と守護天使/「本然の性」と再生の錬金術的象徴性/イランの終末論における天上の半身


訳の初出は『現代思想』、vol.22-12、1994.10:「特集 天使というメディア」、pp.130-161
後掲の
L'homme et son ange, 1983 所収

Henry Corbin, Temple et contemplation, Éditions Médicis-Entrelacs, Paris, 1958/2006
『神殿と観想』
アンリ・コルバン頌 アンリ・コルバンの思想とメーソン的神殿(ジルベール・デュラン)//
シーア派の宇宙論における色彩の実在論とシンボリズムプロローグ/宇宙の総体を包みこむ色彩の概念について/光と色彩の真の関係について/可感的世界あるいは超感覚的世界に属する全ての構成されたものは、どのように一つの色を有するか/可感的世界と超感覚的世界における色彩の生成の様態について/クルアーンの解釈学と色彩の解釈学/エピローグ//
イスラーム・グノーシスにおける秤の学と諸世界間の照応;秤の学/7と12の秤/19の秤/28の秤/不可視なるものの騎士道と照応の学/附録 図表の説明//
サービア教徒とイスマーイール派の神殿 サービア教徒の儀礼と霊的神殿霊的神殿/サービア教徒の儀礼と天使論/儀礼の超越的起源/宗教的儀礼と哲学的儀礼//
  儀礼のイスマーイール派による釈義;純正同胞団の祝祭と典礼/秘教的儀礼とペルソーナ=元型の幻視//
霊的生活の秘密としてのカアバ神殿の布置 霊的諸形態//カアバ神殿の構造;12人のイマーム/カアバ神殿の平面図/神殿の天的元型/神殿の周辺-天使ガブリエルとアブラハムの〈留〉//
  カアバ神殿への巡礼の秘教的意味;〈天における〉行列讃歌集/黒石の秘密と真珠のモティーフ/聖域への法門の秘教的意味//
  鍵の力//
世俗的規範に対する神殿像(イマーゴ・テンプリー) 〈2つの海の合流点〉での神殿像//神殿像と神殿の破壊;神殿の地下室としての世界/神殿の地下室の破壊/流謫の世界における入口//
  エゼキエルと宇宙的修復としての新たな神殿;シェキーナーに捨てられた神殿の廃墟/神殿としての神自身/シェキーナーの帰還/新たな神殿//
  エゼキエルからピローンにいたる神殿像-マイスター・エックハルト、ロバート・フラッド パレスティナ・ユダヤ教における神殿の神学;神殿の高挙/来るべき神殿における希望/山に植えられた若い小枝/天的神殿と宇宙的修復//
    ヘレニズム・ユダヤ教における神殿の神学;70人訳/アリステアスの手紙/第2マカベア書/レオントポリスの神殿/シビュラの託宣/ピローン/マイスター・エックハルト/ロバート・フラッド//
  霊的神殿とクムランの共同体;エルサレム神殿の批判/新たな神殿のシンボリズム/植樹、水と高い山のシンボリズム/天的典礼と実現された終末論//
  神殿像と神殿(テンプル)騎士団;〈すでに、と、いまだ〉によって課された問題/神殿の神学と教会の神学/全て成就されたのか?/典礼的神性顕現とキリスト顕現/キリスト教の秘教とテンプル騎士団の伝統/〈先立っての〉テンプル騎士団とのつながり/〈後からの〉テンプル騎士団とのつながり//
  神殿と聖杯のテンプル騎士団;聖杯の神殿の描写/照応/聖杯の神殿の神学//
  神殿像と〈谷の息子たち〉;神殿批判/キプロス島のテンプル騎士団/十字架兄弟団(クロイツェスブリューダー)/〈谷の息子たち〉/新たな神殿に向かって//
   〈新たなヒエロソリュマ〉-スヴェーデンボリ;天的神殿と新たなエルサレム/エゼキエルの神殿からヨハネの都市=神殿へ/スヴェーデンボリにおける〈新たな教会〉//
神殿と観想など、484ページ。


Henry Corbin, Corps spirituel et terre céleste. De l'Iran Mazdéen à l'Iran shî'ite, Deuxième édition entièrement révisée, (Collection 《La Barque du Soleil》), Buchet/Chastel, Paris, 1979
『霊的身体と天的大地 マズダ教のイランからシーア派のイランへ』(改訂2版)(初版は1960)
第2版序文-〈イマジナル〉の憲章のために/プロローグ//
霊的身体と天的大地 マズダ教の大地像;「大地は天使である」/7つの〈
地域(ケシュヴァル)〉のある大地/幻視的地誌/地智論と大地の女性的なる天使たち//
  フールカルヤーの神秘的大地;〈調和的漸進〉-ファーティマ、預言者の娘にして天的大地/〈第8の地域〉/フールカルヤー、幻視の大地/フールカルヤー、復活の大地//
伝統的文選;前言-テクストと著者/シハーボッディーン・ヤフヤー・スフラワルディー(587/1191没) フールカルヤー、〈
想像世界(ムンドゥス・イマギナーリス)〉-想像的(イマジナルな)諸形相と想像的(イマジナティフな)知覚の世界/モフイーッディーン・イブン・アラビー(638/1240没) アダムの粘土の剰りから創造された大地/ダーウード・カイサリー(751/1350没) 〈想像世界(ムンドゥス・イマギナーリス)〉/アブドル=カリーム・ジーリー(805/1403没) 1. 〈アッラーフ〉、夜警たちの大地 2. 異邦人の旅とケズルとの対話/サムソッディーン・ムハンマド・ラヒジ(918/1506没) ジャーバルカーとジャーバルサー/サドゥロッディーン・シーラーズィー(モッラー・サドラー)(1050/1640没) 〈霊的密集(スピッシトゥードー・スピーリトゥアーリス)〉/アブドッラッザーク・ラーヒージー(1072/1662没) 東方神智学者たちとアリストテレース主義哲学者たち/モフセン・ファイズ・カーシャーニー(1091/1680没) 精霊が身体を得、身体が精霊化する世界/シャイヒー派-シャイフ・アフマド・アフサーイー(1241/1826没) 1. 復活の身体の相貌学、2. 墓の秘教的意味について、3. フールカルヤーの諸天と諸元素、4. 錬金術と復活の身体、5. 能動的想像力と復活の身体/シャイフ・ムハンマド・カリーム・カーン・ケルマーニー(1288/1870没) 1. 忠実な信徒の身体がその楽園の大地であるとはどのような意味か、 2. 上昇の大地、転変のそれではなく/シャイフ・アブル=カーセム・カーン・エブラーヒーミー(サルカール・アーガー)(1896-1969) フールカルヤーの天的大地とシーア派の信仰など、304ページ。

「宙吊りの形相」(1989)の冒頭で参照したりしています(→こちら)。


Henry Corbin, translated by Nancy Pearson, The Man of Light in Iranian Sufism, Omega Publications, New York, 1978/1994
原著は L'homme de lumière dans le sufisme iranien, 1971
『イランのスーフィズムにおける光の人』
方向づけ;方向づけの極/北の諸象徴//
光の人とその導き手;全き自然のヘルメース主義的観念/ヘルメースのヌースとヘルマスの牧者/フラヴァルティとヴァルキューレ/天的な双子(マンダ教とマニ教)//
真夜中の太陽と天の極;宇宙的北とスフラワルディー(1191)の〈東方神智学〉/シーラーズのルーズベハーン(1209)の極の幻視/天使スラオシャの住処としての極//
エメラルドグリーンの幻視;ナジュモッディーン・コブラー(1220)/光と霊的戦い/〈ズィクル〉の機能/緑の光/超感覚的世界の諸感覚/光の軌道/〈天の証人〉/秤と天使//
黒い光;質料なき光/ナジュム・ラーズィー(1317)によるフォティズムの教説/『神秘の薔薇園』(1317)における黒い光//
あなたの存在の7人の預言者;アラーオッダウレフ・セムナーニー(1336)/色の世界と光の人/ゲーテによる〈生理学的な〉色など、180ページ。


Henry Corbin, En Islam iranien. Aspects spirituels et philosophiques. Tome Ⅰ Le Shî'isme duodécimain, Édition Gallimard, 1971/1991
『イランのイスラームにて 霊的および哲学的諸相 第1巻 12イマーム・シーア派』
プロローグ/第1書と第2書の議論//
イランにおけるシーア派;探求の難しさ/把握すべき霊的宇宙/シーア派に関するいくつかの先入見について/総じて乗り越えるべき諸問題//
12イマーム・シーア派の概念;イマーム主義の基本理念/預言者哲学と通過儀礼的宗教/12イマームたちのプレーローマ/イスマーイール派と12イマーム・シーア派が向きあった逆説//
シーア派の霊的戦い;シーア派の教権の状況/人間に授けられた神的委託/第1イマームのコマイル・イブン・ズィヤードとの対話/不可視の霊的位階/シーア派の霊的戦いの賭け金とその現実性//
聖なる書物という現象;聖なる書物と解釈学/霊的解釈学の空間と視野/歴史的意識とグノーシス的意識/歴史化あるいは内面化?/セムナーニーとカーズィー・サイード・コッミーによる霊的知性と時間性の諸形態//
秘教と解釈学;イマームたちの秘密あるいは秘教の4つの水準/聖なる書物の顕現的下降/クルアーンの秘教的解釈学//
預言者論とイマーム論;預言者たちの必然性とイマームたちの必然性/預言者たちの範疇と〈ワラーヤ性〉/預言者的遺産とイマーム位/預言者たちから受け継がれた科学/預言者たちの周期と〈ワラーヤ性〉の周期//
シーア派の霊性にとってのイマームの意味;自己の認識へと入門させる霊的愛の宗教としてのシーア主義/導き手として・極としてのイマーム/〈アラフ〉としてのイマーム/神の証人として・観想の証人としてのイマームなど、362ページ。


Henry Corbin, En Islam iranien. Aspects spirituels et philosophiques. Tome Ⅱ Sohrawardî et les platoniciens de Perse, Édition Gallimard, 1971/1991
『イランのイスラームにて 霊的および哲学的諸相 第2巻 スフラワルディーとペルシアのプラトーン主義者たち』
第1書と第2書の議論//
ある生涯の大いなる企図;生涯と殉教/〈イシュラーキーユーン〉あるいは〈東方〉神智学者たちの興隆//
〈東方〉神智学;〈聖なる事どもの〉知恵/〈東方的〉認識/霊的なるものの位階と神秘的〈極〉//
マズダ教的栄光の光(フヴァルナー)と天使学;〈東方の源泉〉としての栄光の光/カイ・ホスラウとザラスシュトラの幻視/大天使的な光とプラトーン主義的イデア/大天使的な光の位階/太陽の大天使と〈全き自然〉への讃歌//
栄光の光と聖杯;〈ヘルメース的なるもの〉と〈ミトラス的なるもの〉/〈フヴァルナー〉と聖杯の顕現の諸形態および血統/カイ・ホスラウとパルシファル/神秘主義的叙事詩としての英雄叙事詩の完成としての〈東方的〉終局/〈ホスラウ的〉神秘家の〈聖杯の物語〉//
〈真紅の大天使の物語〉とイランの神秘主義的身振り;物語の終局/物語のプロローグ/物語の7つの主題/ザールの誕生からエスファンディヤールの死まで/〈真紅の大天使の物語〉の翻訳//
〈西方への流謫の物語〉とグノーシス的身振り;グノーシス主義の歴史/物語の分析/〈西方への流謫の物語〉の翻訳/天使と出会うグノーシス主義者 1. 個人の天使とは誰か?、2. 個人の天使のヘルメース主義的概念としての〈全き自然〉、3. 出会いの主題についてのグノーシス主義的変奏:a. グノーシス的福音書と行伝、b. マンダ教グノーシス、c. ミトラス教の典礼、d. 錬金術、e. マニ教グノーシス、f. スヴェーデンボリ的なるもの/〈個人の都市〉の秘密//
〈東方的〉伝統;〈王の道〉についての霊的遺贈/イランとインドにおける〈東方的〉後代/変容したエロースの宗教など、390ページ。

スフラワルディーに関連して、→こちらにも挙げておきます


Henry Corbin, En Islam iranien. Aspects spirituels et philosophiques. Tome Ⅲ Les Fidèles d'amour. Shî'isme et soufisme, Édition Gallimard, 1972/1991
『イランのイスラームにて 霊的および哲学的諸相 第3巻 愛の信徒たち シーア派とスーフィズム』
第1書と第2書の議論/第3書の議論/第4書の議論//
第3書 ルーズベハーン・バルキー・シーラーズィーと愛の信徒たちのスーフィズム スーフィズムと魂の静穏//シーラーズのルーズベハーン//心に雲がかかること、そして〈帷〉の試練//霊的日誌//愛の信徒たちのジャスミン//内的巡礼;美の内での神性顕現/美の預言者/美の預言者的意味/愛の先永遠的な源泉/通過儀礼の段階/秘教的タウヒード/愛の信徒たちの〈歴史〉//
第4書 シーア派とスーフィズム スーフィズムのシーア派神学者ハイダル・アモーリー(8/14世紀);ある作品の発見に/自伝的・書誌的所見/シーア派とスーフィズム/神学的タウヒードと存在論的タウヒード/バグダードとホラーサーンの夜の天における幻視//
  クルアーンの7つの秘教的意味に関する逸名文書;解釈学と類型論/〈書物〉の永遠的な生起/秘教的な7つの深みと霊的なるものの位階//
  サーイノッディーン・アリー・イスファーニー(830/1427没)による霊的なるものの類型論;月の破裂の秘教的意味/法学者たちと伝統主義者たち/イスラームの哲学者たち/アリストテレース主義者たち/光の神智学者たち(イシュラーキーユーン)/スーフィーたち/フルーフィー派/シーア派/その名をあえて言わぬイマーム論について//
  アラーオッダウレフ・セムナーニー(736/1336没)による人間の7つの微細な器官;セウムナーニーのクルアーン註釈/〈あなたの存在の7人の預言者〉/〈あなたの存在の天使ガブリエル〉/啓示された書物の存在の4つの様態/人間存在の3つの身体/微細な生理学の諸器官の魂=宇宙的構成物/〈アッワリーヤート〉(最初の諸実在)/原=物質(ジャウハイリーヤート)/神秘主義的人間論あるいは微細身の生理学/霊的日誌など、366ページ。

Henry Corbin, En Islam iranien. Aspects spirituels et philosophiques. Tome Ⅳ L'École d'Ispahan, l'École shaykhie, le Douzième Imâm, Édition Gallimard, 1972/1991
『イランのイスラームにて 霊的および哲学的諸相 第4巻 イスファハーン学派 シャイヒー派 第12代イマーム』
第1書と第2書の議論(第1・第2巻)/第3書と第4書の議論(第3巻)/第5-7書の議論(第4巻)//
第5書 イスファハーン学派 ミール・ダーマード(1041/1631没)の脱自的告白;ミール・ダーマードとイスファハーン学派/コッムのモスクでの幻視/〈孤独の中での高挙〉/〈この隠された膨大なる騒ぎ…〉//
  モッラー・サドラー・シーラーズィー(1051/1640没);モッラー・サドラーの生涯と著作/シーア派思想家と預言者哲学/復活の形而上学に向けて/霊的想像力の世界と復活の身体/創造的想像力とその終末論的機能/人間存在の3重の生長//
  カーズィー・サイード・コッミー(1103/1691没);「よく守られた」コッムの聖なる町で/陽否陰述的神学と構造的イマーム論/通過儀礼的物語としての〈白い雲〉の物語/時系列的時間と可感的空間の退縮/カーフの山を探査しながら 1. 夜の3分の3、2. 間奏曲、3. 預言者サーリフ、4. ソロモンの印、5. 無数の世界、6. アドの人々、7. 正午/エピローグ//
第6書 シャイヒー派 シャイフ・アフマド・アフサーイー(1241/1826没);シャイヒー派/シャイフ・アフマド・アフサーイーの生涯と著作//
  シャイフ・アフマド・アフサーイーの後継者たち;サイエド・カーゼム・レシュティー/シャイフ・ムハンマド・カリーム=カーン・ケルマーニー/シャイフ・ムハンマド=カーン・ケルマーニー/シャイフ・ザイノル=アビディーン=カーン・ケルマーニー/シャイフ・アブル=カーセム=カーン・エブラーヒーミー//
  教説数点;伝統と革新/形而上学のある革新について/〈第4の柱〉/終末論と時間・空間の同形性//
第7書 第12代イマームと霊的騎士道 第12代イマームの聖人伝;〈12〉のプレーローマの完成/ビザンティウムからサーマッラーへ/ムハンマド的ワラーヤ位の印とその幽隠//
  〈大幽隠〉の時に;ジャム=カラーンの聖域/白い海の〈緑の島〉への旅/5つの都市のある島々/沙漠の邂逅あるいはナー=コジャー=アーバードの遍在//
  霊的騎士道;洗礼者ヨハネの信徒の〈緑の島〉からゲーテの未完の詩へ/アブラハムの伝統と霊的騎士道(ジャワーン=マルディー)/第12代イマームとパラクレートスの統治/個人の導き手など、584ページ。

「第6書 シャイヒー派」はシャイヒー派に関連して、→こちらにも挙げておきます

Henry Corbin, Le paradoxe du monothéisme, (mythes et religions), L'Herne, Paris, 1981/2003
『一神教の逆説』
一神教の逆説→細目はこちら//
天使論の必要性;プロローグ/天使論の必要性について/プロクロスの新プラトーン主義的天使論/大天使の三つ組、四つ組と七つ組/大天使ミカエルと天使キリスト/アヴィセンナの天使論と預言者の脱自的被昇天/大天使ガブリエル、聖霊と人類の天使/後書き-顔の天使//
ニヒリズムの解毒剤としての陽否陰述的神学について→細目はこちら
など、258ページ。


こちらでも少し触れています


Henry Corbin, L'homme et son ange. Initiation et chevalerie spirituelle, (L'Espace intérieur 29), Fayard, Paris, 1983
『人間とその天使 通過儀礼と霊的騎士道』
序文(ロジェ・ミュニエ)//
秘儀伝授譚とイランのヘルメス主義→細目はこちら//
イスマーイール派の通過儀礼あるいは秘教と言葉失なわれた言葉/10世紀のイスマーイール派の通過儀礼的小説/預言者たちの言葉の秘密への通過儀礼としての秘教的なるものへの通過儀礼/通過儀礼と名前の密儀/探求の倫理と授けられた委託の倫理/預言者たちの時間はまだ終えられていない/エピローグ//
イランのイスラームにおける若々しさと騎士道など、280ページ。

1949、1970、1976年にエラノスで行なわれた講義による。


Henry Corbin, Face de Dieu, face de l'homme. Herméneutique et soufisme, Éditions Médicis-Entrelacs, Paris, 1983/2008
『神の顔、人の顔 解釈学とスーフィズム』
序文 イマジナルの失地回復(ジルベール・デュラン)//
想像世界あるい想像的なるもの(イマジネール)とイマジナルなもの;〈ナー=コジャー=アーバード〉あるいは〈第8の地域〉/霊的想像力/〈第8の地域〉の地形誌//
比較霊的解釈学;スヴェーデンボリにおける霊的解釈学/イスマーイール派グノーシス//
英雄叙事詩から神秘主義叙事詩へ;因果律に対するものとしての根こぎの原理/存在の無罪判決としての創造行為、あるいは無の絶対的存在としての絶対存在について/神秘主義的リサイタルの窮境としての〈東方〉への帰還について/イラン主義と聖像様世界について//
神の顔と人の顔;神の顔と人の顔としてのイマーム/イマーム論とアダム論/魂の極としてのイマーム/
神人一体性(テオアンドリア)の諸相//
イラン哲学におけるパラクレートスの観念;問題点/シーア派伝統主義者/スフラワルディー(587/1191没)と照明学派/ハイダル・アーモリー(787/1385以後に没)/イブン・アビー・ジョムフール・アフサーイー(901/1495以後に没)/コトボッディーン・アシュケヴァリー(1075/1664-65頃没)/ジャアファル・カシュフィー(1267/1820-51没)とパラクレートス的哲学など、384ページ。


Henry Corbin, Philosophie iranienne et philosophie comparée, Buchet/Chastel, Paris, 1985
『イラン哲学と比較哲学』
序論//
どのように比較哲学を捉えるか?;比較哲学と現象学/どのように歴史主義から出るか?/比較のための模範となる3つの主題/西洋的冒険と西洋化の冒険//
イランの何人かの哲学者の現前;イランの哲学者の選集のモティーフと主題/ミール・ダーマードの血筋/モッラー・サドラー・シーラーズィーの血筋/ラジャブ・アリー・タブリーズィーの血筋/統合//
アゼルバイジャンの3人の哲学者;スフラワルディー、シャイフ・アル=イシュラーク(587/1191)/ヴァドゥード・タブリーズィー(930/1524以後)/ラジャブ・アリー・タブリーズィー(1080/1669-1670)//
アヴェロエス以後のイラン哲学の比較しうる命運;未来を約束する記念について/プラトーン主義者イブン・アラビー/復活者スフラワルディー/アヴェロエス主義と比較されるイランのアヴィセンナ的伝統/イラン哲学のメッセージについて、など、156ページ。


Henry Corbin, L'Imâm caché, (mythes et religions), L'Herne, Paris, 2003
『隠れイマーム』
序文(クリスティアン・ジャンベ)//
12イマーム・シーア派の預言者論;〈真の預言者〉とシーア派預言者論/シーア派預言者論の基本理念/預言者論とイマーム論/シーア派預言者論のパラクレートス的地平//
イスマーイール派の預言者論;12イマーム派シーア主義とイスマーイール派シーア主義/〈天における〉陽否陰述的神学と預言者論/〈天におけるドラマ〉と地上の預言者論/イマーム論と救済論/イスマーイール派預言者論のパラクレートス的地平//
シーラーズのルーズベハーン・バクリー;プロローグ/シーラーズのルーズベハーン/「神が見ることのない世界」/「愛の神秘的住処で私を捜せ」/マジュヌーン、〈神の鏡〉//
マニ教と美の宗教//ペルシア音楽の音楽的意味について//神秘家とユーモア//ハイデッガーからスフラワルディーへ//哲学的対話への書誌的追伸//湖の畔の神学//超越論的と実存的//エラノスの時//イランからエラノスへ//オルガ・フレーベ=カプタインへ、など、302ページ。


以上以外に、→こちら(イスマーイール派)や、そちら(イブン・スィーナー)、またあちら(スフラワルディー)や、こなた(イブン・アラビー)も参照

コルバンについて論じたものとしては;

上掲『エラノス叢書 1 時の現象学 Ⅰ』、1990、pp.239-273:「アンリ・コルバンの『創造的想像力』について」(神谷幹夫)、pp.274-282:「コルバンとピュエシュ-訳者あとがきに代えて」(神谷幹夫)

後掲の
菊地達也、「シーア派思想研究とその問題点-イスマーイール派研究の視点から-」、『思想』、no.941、2002.9:「イスラーム」、pp.136-153
中の1章2節「コルバンの功績とその後」(pp.139-140)

安藤礼二、「ハイデガーからスフラワルディーへ」、『場所と産霊 近代日本思想史』、講談社、2010、pp.271-284

ハサン・セイエド・アラブ、「コルバンとスフラワルディー:イラン・イスラームと現代哲学との対話」、2013

Steven M. Wasserstrom, Religion after Religion. Gershom Scholem, Miercea Eliade and Henry Corbin at Eranos, 1999

Pierre Lory, “Chapter 69 Henry Corbin: his work and influence”, History of Islamic Philosophy, 1996/2001, pp.1149-1155
「アンリ・コルバン その著作と影響」
聖なるものと解釈学的著述/想像(イマジナルな)世界と天使論/苦しむ神と神秘的合一など


Daryush Shayegan, ‘CORBIN, HENRY Encyclopædia Iranica
「コルバン、アンリ」
………………………

Moojan Momen, An Introduction to Shi'i Islam. The History and Doctrines of Twelver Shi'ism, Yale University Press, New Haven and London, 1985
『シーア派イスラーム入門 12イマーム・シーア派の歴史と教義』
ムハンマドの生涯とイスラームの初期の歴史の概略/ムハンマドの後継者の問題/イマームたちの生涯とシーア間での初期の分裂/シーア派イスラームの初期の歴史、西暦632-1000年/中世におけるシーア派イスラーム、西暦1000-1500年/近代におけるシーア派イスラーム、西暦1500-1900年/イマーム位/第12イマーム、その幽隠と復帰/教義、儀礼的実践と社会的取り扱い/シーア派法学と宗教的位階/スーフィズム、イルファーンとヒクマ/12イマーム・シーア派内の諸学派/民衆宗教/現代のシーア派など、420ページ。


Wilferd Madelung, Religious Schools and Sects in Medieval Islam, 1985, "SHI‘ISM: a. IMAMI SHI‘A"(VII~XV), "SHI‘ISM: c. ZAYDIS"(XIX)
シーア派:a.イマーム・シーア派;イマーム派とムウタズィラ学派神学(英語)/前アシュアリー学派のカラームに対するシーア派とハワーリジュ派の貢献(英語)/政府のために働くことの合法性についてのシャリーフ・ムルタダーの論考(MAS'ALA FĪ 'L-‘AMAL MA‘A 'L-SULṬĀN)(英語)/イマーム不在下の12シーア派における権威(英語)/土地税(ハラージュ)の合法性についてのシーア派の諸議論(英語)/イスラーム法(学)(フィクフ)に反映された女性に対するシーア派の態度(英語)/Ibn Abī Ğumhūr al-Aḥsā'ī によるカラーム、哲学とスーフィズムの綜合(英語)/マグリブの非イスマーイール派シーア派についての覚書(英語)/イマーム派の分派(フィラク)文献についての所見(独語)
シーア派:c.ザイド派;ある Muṭarrifī 写本(英語)


Heinz Halm, Die Schia, Wissenschaftliche Buchgesellschaft, Darmstadt, 1988
『シーア派』
シーア派の始まり;名称と定義/典拠、文献と事典/預言者没後のイスラーム共同体/アリーのカリフ在位(656-661)/ハサンの放棄(661)/カルバラーでのフサインの殉教(680)/〈4〉シーアあるいはカイサーン派、およびシーア派のマフディー待望の起源/ザイド・イブン・アリーの反乱(740)とザイド派の始まり/ハーシム派とアブダッラー・イブン・ムアーウィヤの反乱(744)/アッバース革命(747-749)//
イマーム派あるいは12イマーム・シーア派;第6イマーム・ジャアファル・サーディク(702-763)とイマ-ム派の始まり/第7イマーム・ムーサー・カーズィム(745-799)と
Wāqifiten/アッバース朝の後見下のイマームたち/第12イマームの小〈幽隠〉と4回の〈指令〉(874-941)/大〈幽隠〉(941)と待望されるマフディー=カーイムの再来/イマーム派文献の始まりと〈12イマーム派〉教義の普及/ブワイフ朝保護下のシーア派(945-1055)/バグダードの学派-論証的神学(カラーム)と法源学の諸原理(ウスール・アル=フィクフ)/セルジューク朝のスルターン位(1040-1194)とスンナ派の反作用/モンゴル支配下のシーア派/ヒッラ学派とシーア派法の基礎-イジュティハードとタクリード/シーア派と14世紀のデルヴィーシュ教団/15世紀の極端派シーア派的マフディー運動/サファヴィー朝時代-隠れイマームの代理人としてのシャー/啓示、形而上学とグノーシス-イスファハーンの神智学派(17世紀)/無謬のムジタヒド-17世紀の放棄された概念/ウスール学派の勝利(18世紀)/カージャール朝下のシーア派正統(19世紀)/世俗権力の相手方としての聖職者-煙草専売と憲法闘争/シーア派聖職者とパフラヴィー朝(1925-1979)/イランにおけるイスラーム革命とイスラーム共和国/レバノンにおけるシーア派/アラビア湾諸国における12イマーム・シーア派/キズィルバーシュの後継者-トルコ、ソ連、アフガニスタンにおけるシーア派トルコ人/インド亜大陸における12イマーム・シーア派/12イマーム・シーア派の礼拝上・法的特殊性/〈嘆きの嘆息〉-葬礼、鞭打ち行列と受難劇//
極端派シーア派;クーファの〈度を越した者たち〉(グラート)/今日のグラート分派ーアフレ・ハックとヌサイリー派(アラウィー派)//
イスマーイール派あるいは7イマーム・シーア派;自己呼称と他からの呼称/イスマーイール派イマームの由来の問題/イスマーイール派教宣(ダーワ)の始まり/899年の分裂-ファーティマ朝とカルマト派/ファーティマ朝のイマーム位(899-1171)/ペルシア学派-新プラトーン主義の受容/ドゥルーズ派/ニザール派-〈暗殺教団〉とフッジャたち/ムスタアリー=タイイブ派とボーホラー派//
ザイド派など、276ページ。

同じ著者による→こちらや、またあちらも参照


Mohammad Ali Amir-Moezzi, translated by David Streight, The Divine Guide in Early Shi'ism. The Sources of Esotericism in Islam, State University of New York Press, Albany, 1994
原著は Le guide divin dans le Shi'isme originel, 1992
『初期シーア派における神的な導き手 イスラームにおける秘教主義の源泉』
序論-最も早期の源泉への復帰;聖=知性と理性/秘教主義と合理化/出典/イマームの伝承の性質と権威//
イマームの先在;世界以前の世界 導き手=光/アダム的人間性 光の〈旅〉/余論-〈心とともにある幻視〉/受胎と誕生//
イマームの実存;イマームの〈政治的〉生についての註釈/聖なる科学/〈統合的クルアーン〉についての覚書/聖なる力//
イマームの超存在;情報の古えなることについてのイマームの視点/イマームとその幽隠-秘教的局面/帰還と復活-秘教的側面//
結論//附録 幽隠についてのいくつかの含意-個人的宗教と集団的宗教など、290ページ。

こちらにも挙げておきます
著者が監修した論集として→こちらを参照


Mohammad Ali Amir-Moezzi, The Spirituality of Shi'i Islam. Beliefs and Practices, I. B. Tauris Publishers, London, New York in association with The Institute of Ismaili Studies, London, 2011
原著は La religion discrète: Croyance et practiques spirituelles dans l'islam shi'ite, 2006
『シーア派イスラームの霊性 信仰と実践』
早い出現と古い収斂;〈ディーン・アリー〉という表現についての省察-シーア派の信仰の起源/シャフルバーニー、イランの地の貴婦人とイマームたちの母-イスラーム以前のイランとイマーム・シーア派の間で//
イマームの本性について-通過儀礼と二元論;イマームの神性についての所見/イマームの先在/天のイマーム-上昇と通過儀礼/知は力なり-初期イマーム派における奇跡の解釈と含意/イマームの〈ワラーヤ〉についての覚書/神の人のみが人間である-初期イマーム派の釈義による神学と神秘主義的人間論//
解釈学と霊的実践;〈タアウィール〉の戦士-モッラー・サドラーによるアリーについての詩/近現代の12位メー無は神秘主義におけるイマ-ムたちの幻視/イマーム・シーア派における祈りについての覚書//
個人的・集合的終末論の諸相;時の終わりと起源への回帰/隠れイマームとの出会いの類型論への寄与/現存によって満たされる不在-幽隠のシャイヒー派解釈学など、606ページ。


Seyyed Hossein Nasr, edited by Mehdi Amin Razavi, The Islamic Intellectual Tradition in Persia, Curzon Press, Richmond, 1996
『ペルシアにおけるイスラームの知的伝統』
序論//イスラーム思想とペルシア文化;ペルシアにおける神秘主義と伝統的哲学、イスラーム以前およびイスラームの/イスラーム以前およびイスラーム的ペルシアにおける宇宙誌 イラン文化における連続性の問題/ペルシアにおけるイスラーム哲学の伝統と近代世界にとってのその意義/イスラーム哲学の伝統におけるペルシア語哲学作品の意義//
初期イスラーム哲学;アル・ファーラービーはなぜ第2の教師と呼ばれたのか?/イブン・スィーナー-概説/イブン・スィーナーの預言者的哲学/哲学者としてのビールーニー/宇宙の本性についてのビールーニー対イブン・スィーナー/ナースィル・フスラウ-哲学者=詩人/ファフルッディーン・ラーズィー//
スフラワルディーと照明学派;スフラワルディー-概説/シャイフ・アル・イシュラーク・スフラワルディーのペルシア語著作/スフラワルディーの照明学派の広がり/ウマル・ハイヤーム-哲学者=詩人=科学者/ハーキム・ニザーミー・ガンジャウィーの世界観と哲学的視野/アフダル・アッディーン・カーシャーニー、およびフワージャフ・ナスィール・アッディーン・トィースィーの哲学的著作/ムハンマド・イブン・ムハンマド・ナスィール・アッディーン・トゥースィー/クトゥブッディーン・シーラーズィー/イスラーム哲学・科学史におけるラシード・アッディーン・ファダッラーの位置//
後期イスラーム哲学;イスファハーン学派/サドゥル・アッディーン・シーラーディー/ムッラー・ハーディー・サブズィワーリー//
近代イランにおけるイスラーム思想;現代のペルシアにおけるイスラーム哲学的活動-50年代と60年代における活動の概観など、392ページ。

同じ著者による→こちらや、そちら、またあちらも参照


また「イラン」のページで挙げた
Shaul Shaked, From Zoroastrian Iran to Islam, 1995
も参照

………………………

以下、Encyclopædia Iranica より;

D. M. MacEoin, ‘BĀB (1)
「バーブ(1) (扉、門、入口)」

Mohammad Ali Amir-Moezzi, ‘COSMOGONY AND COSMOLOGY v. In Twelver Shiʿism
「宇宙開闢論と宇宙論 v 12イマーム・シーア派における」

Mohammad Ali Amir-Moezzi, ‘ESCHATOLOGY iii. Imami Shiʿism
「終末論 iii 12イマーム・シーア派における」

Etan Kohlberg, ‘EVIL ii. in Shiʿism’
「悪 ii ・シーア派における」

Said Amir Arjomand, ‘ḠAYBA
「幽隠」

Abbas Amanat, ‘ISLAM IN IRAN v. MESSIANIC ISLAM IN IRAN
「イランにおけるイスラーム 5. イランにおけるメシア主義的イスラーム」

Said Amir Arjomand, ‘ISLAM IN IRAN vi. THE CONCEPT OF MAHDI IN SUNNI ISLAM
「イランにおけるイスラーム 6. スンナ派イスラームにおけるマフディーの概念」

Mohammad Ali Amir-Moezzi, ‘ISLAM IN IRAN vii. THE CONCEPT OF MAHDI IN TWELVER SHIʿISM
「イランにおけるイスラーム 7. 12イマーム・シーア派イスラームにおけるマフディーの概念」

Verena Klemm, ‘ISLAM IN IRAN ix. THE DEPUTIES OF MAHDI
「イランにおけるイスラーム 9. マフディーの代理人たち」

Mohammad Ali Amir-Moezzi, ‘SHIʿITE DOCTRINE
「シーア派の教義」

vi. イスマーイール派など

ユダヤ Ⅲ」のページの「おまけ」で挙げた


ミロラド・パヴィチ、工藤幸男訳、『ハザール事典 夢の狩人たちの物語[男性版]』、1993
は「ハザール問題に関する」、キリスト教・イスラーム教・ユダヤ教それぞれの関係資料からなっているわけですが(また→こちらにも挙げておきます)、その内「緑色の書 ハザール問題に関するイスラーム教関係資料」中の、「アダム・ルゥハーニーの物語」で綴られる「イマームたちが語る〈天使の祖先である人間〉、天国のアダム」、「この〈アダム以前のアダム〉」の伝説は(pp.175-176)、コルバン言うところのイスマーイール派における〈天におけるドラマ〉に他なりません。作者がどんな資料によったのかはわかりませんが、邦語資料からは、後に挙げる菊地達也『イスマーイール派の神話と哲学』(2005)以前にも、

コルバン『イスラーム哲学史』(1974)の「第2章 シーア派と予言者哲学」の「B イスマーイール派 1 ファーティマ朝イスマーイール派」
や、
コルバン、「マズダー教およびイスマーイール派思想における巡回する時間」、『エラノス叢書 1 時の現象学 Ⅰ』(1990)
を見ることができました。
すでに挙げたコルバンのそれ以外の著作でも(→こちら)、イスマーイール派は頻繁に取りあげられますが、まとまったものとしては;


Henry Corbin, Temps cyclique et gnose ismaélienne, (L'Ile Verte), Berg International, Paris, 1982
『循環する時間とイスマーイール派グノーシス』
マズダー教およびイスマーイール派思想における巡回する時間→細目はこちら//
イスマーイール派グノーシスにおける神的顕現と霊的生誕;神性顕現的幻視の変容/エビオン派のアダム論とイスマーイール派のアダム論/位階と循環-イスマーイール派の根本的天使論/イマーム論と仮現論/永遠のイマーム/イマームの〈探求〉//
古代のグノーシスからイスマーイール派グノーシスへ、など、210ページ。


次の本は原典訳のアンソロジー;

Henry Corbin, Trilogie ismaélienne, (Collection 《Islam spirituel》), Verdier, Lagrasse, 1994
1961刊本の再刊
『イスマーイール派三部作』
紹介(クリスティアン・ジャンベ)/3つの論文への序論//
アブー・ヤアクーブ・スィジスターニー(4/10世紀)の『泉の書』
(Kitāb al-Yanâbī')前置き/本の序説/泉の概念について(第1の泉)/原理の純粋なそのもの性について(第2の泉)/KNという二つの文字と神的な命令との関係の内に秘められた意味について(第3の泉)/知性の世界と魂の世界、およびそれらそれぞれの様態について(第4の泉)/第1知性が創定された第1の存在であること(第5の泉)/知性に先立ついかなる実在も把握することはできないということ(第6の泉)/知性は不動であること(第8の泉)/知性が魂と対話するやり方について(第11の泉)/知性が魂と結婚するやり方について(第12の泉)/「神はなぜ世界を創造したか」と問うことが、馬鹿げていてありえない問いであること(第14の泉)/知性の創定が同時にいくつもの潜勢力を創設するということ(第16の泉)/そこから個々の魂が人間たちのもとに流出する普遍的魂の存在について(第17の泉)/人間の魂は普遍的魂のかけらであるということ(第18の泉)/諸天は世界の魂の地平の内側にあるということ(第19の泉)/人間の存在が始まったやり方について(第22の泉)/最初の存在がその原理を祝う宇宙的典礼について(第23の泉)/いかなる数も天使たちを記録することはできないということ(第24の泉)/悪が存在の最初の創設の内には何ら起源を有しないということ(第25の泉)/楽園と地獄の秘められた意義について(第28の泉)/幸いなるものは卓越の度合いにおいて互いに異なるやり方について(第29の泉)/〈信仰告白(シャハーダト)〉の秘められた意義について(第30の泉)/キリスト教の十字架の秘められた意義について(第31の泉)/キリスト教の十字架とイスラームの〈信仰告白(シャハーダト)〉との一致について(第32の泉)/完全数としての数6の適用について(第34の泉)/復活のイマームの位について(第36の泉)/人間にとって永遠の報いへの復帰があるということ(第38の泉)/原理の〈言葉〉の秘められた意義について(第39の泉)/物質世界において、霊感が霊感を吹きこまれたものと結婚するやり方について(第40の泉)//
サイイド=ナー・アル=ホサイン・イブン・アリー・イブン・ムハンマド・イブン・アル=ワリード(7/13世紀)の宇宙開闢論と終末論
(Risâlat al-mabda' wa'l-ma'âd)前置き/序説-タウヒードについて/第1章 霊的宇宙の創設と宇宙開闢論について/第2章 人間の始まりについて/第3章 終末論について/第4章 イマームの創造とそれによってイマーム位が顕われることについて/第5章 敵たちの死後の運命について//
マフムード・シャベスタリー(8/14世紀)の『神秘の薔薇園』
(Ba'zîaz ta'wîlât-e Golshan-e Râz)から選ばれた象徴 前置き;アラムートのイマーム論/マフムード・シャベスタリーの詩とその註釈者たち//プロローグ(§1)//
  探求の対象;あなたはどこにいるのか?あなたはどこから来たのか?(§2)/先在の決定(§3)/完全人間-イマーム(§4)/導き手としてのホッジャト(§5)/移住するもの、完全なるもの、グノーシス者は誰か?(§6)//
  イマーム位と預言;神秘的六部体(§7)/太陽と月(§8)/「わが幕屋のもとに」(§9)/終わりの点は始まりの点である(§10-11)/正午(§12-16)//
  シナイ山とオリーヴ;イマームの霊的認識(§17-20)/現在における終末論(§21-24)/シナイ山頂のオリーヴ(§25-28)//
  象徴的類型論;シーモルグとカーフ山(§29)/イブリースと地獄(§30)/中間世界-アラーフ、ジャーバルカーとジャーバルサー(§31-32)/弓二つほどの距離(§32-35)/宇宙的クルアーン(
世界の書(リベル・ムンディー))(§36-39)//
  大いなる移住;神的な前の7人のイマーム(§39-40)/己自身としての旅(§41-45)/2歩(§45-46)/旅人は誰か?(§47-48)//
  タアウィールの印(§49)など、480ページ。

2つ目の論文はイエメン時代のものですが、残念ながらコルバンのいう〈天におけるドラマ〉自体を扱うものではなく、そちらは「前置き」で解説されるに留まっています
。このテクストについては下掲 De Smet, La philosophie ismaélienne. Un ésotérisme chiite entre néoplatonisme et gnose, 2012 の第6章も参照。
* 追記: とんでもない勘違いです。いったい何なんでしょうか。De Smet の本の後で第2論文だけでも見直そうと読み返しかけたところ、簡略版ではあれど、第1章でちゃんと〈天におけるドラマ〉が綴られているではありませんか。なぜこんな風に思いこんでしまったのかいっかな憶えていませんが、おそらく期待していたのとあわなかったということではないかと思われます。おのが予想の視野の何とも狭いことよ。ともあれ本サイトでの自前の文章がいかに当てにならないか、そのかっこうの見本なので、削除せずにおくことにしましょう。
 なお第1章の後半は〈天におけるドラマ〉の帰結としての物質の誕生と物質的宇宙の組織、第2章では人類の生成とセイロン島への〈普遍的アダム〉を含む28人の原人間の創造が綴られます。第3章以下は主として個人の死後の成行が主題となりますが、それが〈天におけるドラマ〉の修復と重ねあわされています。必ずしもまとまった形とはいいにくいものの、周期説も言及されます。この点については;54節/p.228、59節/pp.230-231、p.236/註93、73節/p.244、p.252/註128 参照。
 ところで仏訳で〈プレーローマ〉と訳されている言葉の原語はどんな意味なのでしょうか?


Traduit du persan et introduit par Henry Corbin, Abû Ya'qûb Sejistânî, Le dévoilement des choses cachées. Kashf al-Mahjûb. Recherches de philosophie ismaélienne, (Collection 《Islam spirituel》), Verdier, 1988
アブー・ヤアクーブ・スィジスターニー、『隠された事どもの覆いをとること』(イスマーイール派哲学研究)
序論//
プロローグ//唯一なるものの証明について;本質は創造者から除かれていること/限界は創造者から除かれていること/属性は創造者から除かれていること/場所は創造者から除かれていること/時間は創造者から除かれていること/先に引いた名称の対立項も同じく創造者から除かれていること//
原初の創造の覚書として;知性は2つの宇宙の中心であるというこの命題の意味について/知性と神的な命令の同一性について、その時この命令は一性として捉えられる/知性と神的な命令の同一性について、その時この命令は言葉として捉えられる/知性と神的な命令の同一性について、その時この命令は認識して捉えられる/知性と神的な命令の同一性の意味について、その時この命令は命じるものとして捉えられる/どのようなやり方で2つの宇宙の種子が知性の内にあるか/知性と魂の結合の過程について//
第2の創造について;魂が人間の形相の内に降ること/魂の運動は全ての運動の綜合であること/魂への植物の分有を認識するために/魂への動物の分有を認識するために/どのようなやり方で感覚的知覚が感じる主体へと送り返されるか、この主体とは魂である/どのようなやり方で発せられた言葉が発する主体へと送り返されるか、この主体とは魂である/どのようなやり方で思考が思考する主体へと送り返されるか、この主体とは魂である//
第3の創造、すなわち自然について;存在者が知覚されるのは自然によってであること/自然は状態を変えないこと/自然的形相はその質料より後のものではないこと/自然の中心は諸天の地平以上に天使たちと隣りあうにふさわしいこと/どのようなやり方で自然は魂の助けを受けとるか/自然の美は霊的な美であること/諸元素と天の軌道によって生みだされた自然界は神的経綸のためにしか現われないこと//
第4の創造について;種はその存在の内に保存されていること/動物の出現は植物より後ではないこと/種は互いに交わらないこと、形成がなされる時であれ、懐廃がなされる時であれ/廃される種もなければ、生き残る新たな種もないこと/多かれ少なかれ多数の存在する個体は、人間的徳において増大も減少も引きおこさないこと/円運動は動物の運動の原因であること/種は定まった数においてあること//
第5の創造について;どのようなやり方で預言者たちの預言的伝道が可能になるのか/預言者の伝言は弁証や弁証家を勝利に満ちて圧すること/どのような理由で後続する預言者は先行した預言者の真実性を確証しなければならないか/どのような理由で先行した預言者は来るべき預言者を告知するものとならなければならないか/神の証明はただ一人の預言者によって定められるものではないこと/どのような意味でイエスの血統が、全ての預言者の中でただ一人、イエスを天から降らせたか/どのような意味でマフディーに復活の主の名が帰せられるか//
第6の創造の覚書として;復活は存在するという行為を伴なうこと/一団のものとして復活を算出するのは誤りであること/復活の認識は覆いのもとに魂から隠され続けること/復活は魂の苦行であること/復活のために、幸いな運命が不幸な運命となり、またその逆でもありうること/復活が要請するであろう多かれ少なかれ長い持続について/善き行ないは復活へのもっとも効果的な貢献であること//
エピローグなど、140ページ。

スィジスターニー(?-971以降)については→こちらも参照

………………………

菊地達也、『イスマーイール派の神話と哲学-イスラーム少数派の思想史的研究-』(岩波アカデミック叢書)、岩波書店、2005
序章 研究史と本研究の目的;研究史/本研究の目的//
  初期イスマーイール派の政治と思想;ファーティマ朝成立前史/ファーティマ朝の成立と発展/キルマーニーの生涯と作品//
イスマーイール派終末論を支える神話と哲学 イスマーイール派における終末論;終末論の背景/ファーティマ朝以前の終末論/ファーティマ朝期の終末論 アブドゥッラーによる終末論の修正、ムイッズ時代の異端教説、ハーキム時代の終末論を巡る動揺//
  終末論を支える神話構造 転落者とキヤーマを巡る教説;アブー・イーサー・ムルシドのイスマーイール派神話/スィジスターニーの普遍霊魂説/アラムート・ニザール派の大キヤーマ(487/1164年)/イエメン・タイイブ派における「天上のドラマ」//
    神話の意味構造//
キルマーニーの哲学的宇宙論 ペルシア学派との関係//神の定義//第1知性の創定//
  第1知性の性格;「第1被創定物」、「第1原因」、「第1存在者」としての第1知性/第1知性の二面性/第1知性の思惟作用/10の属性と二つの完全態/不動の動者としての第1知性/第1知性の限界/第1知性の性格に関するまとめ//
  10知性論と普遍霊魂に関する問題点;第1知性からの流出と第2知性/可能知性に関する問題点/第2知性と普遍霊魂の同一性/10知性と物質世界の関係//
  離在知性と人間霊魂の関係;月下界と能動知性の関係/自然的生成物の発生/人間存在の意義/人間の霊魂と知性//
キルマーニーの宗教的教説 世界間の照応関係//
  告知者、基礎者、クルアーン;告知者/基礎者とクルアーン//
  イマーム;イマームの定義とその正統性/イマームの性格/ムハンマドの周期におけるイマーム位継承の問題/ハーキムの神性とイマームの連続性に関する問題//
  教宣組織と宗教儀礼規定;教宣組織の存在意義と目的/宗教儀礼規定//
  終末と救済;カーイムと大キヤーマの意味/大キヤーマの日の到来/イスマーイール派信徒の救済//
キルマーニー思想の意味など、356ページ。

本書の主眼となるのは第2・3章で詳述されるキルマーニーですが、その前置きとしての「第1章 イスマーイール派終末論を支える神話と哲学」、とりわけ「その第2節 終末論を支える神話構造」によって、アブー・イーサー・ムルシドの伝える神話やコルバンのいう〈天上のドラマ〉の位置づけが、やっと、多少ともはっきりしたとの憶えがあります。
他方ラーズィーの開闢神話に関連して→こちらでも触れています
同じ著者による→こちらや、またあちらも参照
キルマーニー(?-1020以降)については→こちらも参照

また、


キルマーニー、菊地達也訳、『知性の安息』、『中世思想原典集成 11 イスラーム哲学』、2000、pp.263-337

菊地達也、「ハミードゥッディーン・キルマーニーの知性論」、『オリエント』、vol.38 no.1、1995、pp.45-60 [ < J-STAGE

菊地達也、「ファーティマ朝期イスマーイール派終末論の変容:ハミードゥッディーン・キルマーニーの役割と意義」、『オリエント』、vol.41 no.1、1998、pp.95-109 [ < J-STAGE

菊地達也、「イスマーイール派の神話構造」、『日本中東学会年報』、no.14、1999.3.31、pp.57-84[ < CiNii Articles (有料)

菊地達也、「シーア派思想研究とその問題点-イスマーイール派研究の視点から-」、『思想』、no.941、2002.9:「イスラーム」、pp.136-153
シーア派研究史;十字軍以降のヨーロッパにおけるシーア派記述/コルバンの功績とその後//
イスマーイール派宗派指導部と学術研究の関係;イスマーイール派の自己変革と学術研究/イスマーイール派の歴史とその自己変革//
イスマーイール派学術研究と宗派教育;学術研究と「正史」/「正史」と宗派教育など


菊地達也、「イスマーイール派の神話」、『イスラーム哲学とキリスト教中世 Ⅲ 神秘哲学』、2012、pp.67-90
はじめに/イスマーイール派神話/悪魔とアダムの神話/イスマーイール派におけるイブリース/アダム解釈/グノーシス的神話/普遍霊魂説/霊的アダムの神話/ドゥルーズ派の神話/おわりに

イスマーイール派についての邦語文献としては他に;

岩村忍、『暗殺者教団 イスラム異端派の歴史』(ちくま学芸文庫 イ-21-1)、筑摩書房、2001
1964/1981刊本の文庫化
ゴールバンド渓谷のイスマイリ派/アッサシン(暗殺者)の由来/ニザリ教団とその開祖/暗殺者の王国/ニザリとセルジューク・トルコ族/チンギス・ハーンの中央アジア征伐/首都カラコルム/モンゴル将軍キドブハ/ニザリ教国の滅亡/天文学者と歴史家の邂逅/キブドハの死/イスマイリの復興/ニザリ思想の系譜と展開/ニザリ城塞の遺蹟//解説(鈴木規夫)など、230ページ。


B.ルイス、加藤和秀訳、『暗殺教団 イスラームの過激派』、新泉社、1973
原著は Bernard Lewis, The Assassins. A Radical Sect in Islam, 1967
アサシンの発見/イスマーイール派/新教説/ペルシアにおける布教/山の老人/手段と目的など、262ページ。

同じ著者による→こちらも参照


井筒俊彦、「イスマイル派『暗殺団』-アラムート城砦のミュトスと思想-」、『コスモスとアンチコスモス 東洋哲学のために』、1989、pp.247-336

pp.321-335 でアブー・イーサー・アル・ムルシドの『論考』に伝えられる開闢神話が取りあげられています。

野元晋、「預言者の天使的存在との邂逅-初期イスマーイール派思想家ラーズィーによる-」、『超越と神秘-中国・インド・イスラームの思想世界-』、1994、pp.231-252
はじめに/ラーズィーの思想の背景と初期イスマーイール派の宇宙論/ラーズィーのアブラハムとモーセの物語の解釈/預言者達と天使的存在 天上の霊的世界と地上の物質的世界、預言者的人格の形成と天使的存在/結びにかえて

野元晋、「宇宙と預言者達-アブー・ハーティム・アッ・ラーズィーの『訂正の書』における預言者論」、『オリエント』、vol.38 no.1、1995、pp.171-183 [ < J-STAGE

野元晋、「ファーティマ朝初期のイスマーイール派運動における思想家ラーズィーの位置 -その『訂正の書』Kitāb al-Iṣlāḥ からの一視点-」、『オリエント』、vol.44 no.2、2001、pp.148-162 [ < J-STAGE

野元晋、「イスマーイール派の預言者論-初期の新プラトン主義的学派を中心として-」、『イスラーム哲学とキリスト教中世 Ⅲ 神秘哲学』、2012、pp.91-112
イスラームの預言とイスマーイール派/水平・時間の次元-預言の連続とメシア思想/垂直の次元 1-神と宇宙/垂直の次元 2-天使のヒエラルキア、そして「啓示の主」と預言者/神と預言-結びに代えて

竹下政孝、「イスラーム神秘主義とグノーシス主義」、『グノーシス 異端と近代』、2001、pp.73-84
イスラーム世界におけるグノーシス主義/スーフィズムとグノーシス主義/結論

青木健、『古代オリエントの宗教』、2012、pp.129-177:「第5章 イスラームにおけるグノーシス主義の復活-8~10世紀のメソポタミア」
イスマーイール派の成立/「イスラームのグノーシス主義」/新プラトン主義哲学への変容-「聖書ストーリー」の最終形態
……………………

Bernard Lewis, The Origins of Ismā‘īlism. A study of the Historical Background of the Fāṭimid Caliphate, AMS Press Inc., New York, 1975
1940刊本の再刊
『イスマーイール派の起源 ファーティマ朝カリフ位の歴史的背景の研究』
序論;序論としての所見/典拠の概観/スンナ派、シーア派、イスマーイール派/含まれる問題の叙述/さまざまな解決案の再検討/新しい解釈の主な道筋//
イスマーイール派の起源 序;シーア派の始まり/マフディー理念/初期シーア派諸分派と傾向//
  イスマーイール派の誕生;アブー・ハッターブ/イスマーイール/ジャアファルの死にまつわる出来事//
隠れイマームとその助け手たち;霊的親子関係/養子縁組によるイマーム位とイマーム位受託者/ファーティマ朝カリフ位の起源/マイムーンとアブダッラー・イブン・マイムーン・アル=カッダーフ/ディンダーン/隠れイマーム/ダアワ/シリアとメソポタミア/イエメン//
バハレーンのカルマト派;起源/ファーティマ朝との関係 同一性、葛藤//
イスマーイール派の社会的意義;社会的基盤/諸宗派共同主義/共産主義/バハレーンの状況など、128ページ(手もとにあるのはコピー)。

「教義面、文献面」ではなく「歴史的側面」に焦点を当てた研究とあって(p.2)、宇宙論に関する記述は見当たりません。ただとりわけイマーム位にまつわって、当時、メシア主義、引いては〈極端主義(グラート)〉につながる因子がつねに伏在していたという点は読みとれます。
同じ著者による→こちらも参照


ウェブ上で見つけたもの;

Bernard Lewis, “An Ismaili Interpretation of the Fall of Adam”, Bulletin of the School of Oriental and African Studies, Volume IX, 1937-39, pp.691-704 [ < Ismaili.NET - Heritage F.I.E.L.D.
「アダムの堕落についてのイスマーイール派の一解釈」

タイトルの問題を扱ったタイイブ派の論文の紹介で、歴史的アダムと天上界の出来事の2面から解釈を施します。後者は〈天におけるドラマ〉に相当する。

S. M. Stern, Studies in Early Ismā‘īlism, The Magnes Press, The Hebrew University, Jerusalem, E. J. Brill, Leiden, 1983
『初期イスマーイール派の研究』
序-サミュエル・M・スターンによるイスマーイール派に関する著作の分析
(David R. W. Bryer, 1972)//
イスマーイール派の最初期の宇宙論的教説/ペルシアの宗教についてのアブー・ハーティム・アッ=ラーズィー/
Firaq al-Shīʻa におけるイスマーイール派の説明/『最高の通過儀礼の書』と他の反イスマーイール派戯文/カライ派イェフト・ベン・アリーの証言によるユダヤ人へのファーティマ朝の教宣活動/ʻUyūn al-Akhbār によるアル=マフディーの統治/アブー・ヤズィードの反乱についてのジャアファル・イブン・マンスール・アル=ヤマンの詩//
『純正同胞団の書簡』の著者についての新たな情報/スィンドにおけるイスマーイール派の教宣とファーティマ朝の支配/北西ペルシア、フラーサーンとトランスオクサニアにおける初期のイスマーイール派伝動/イスマーイール派運動の中心としてのカイロ/アル=ムイッズの時代における異端的イスマーイール派/イスマーイール派とカルマト派/アブル=カースィム・アル=ブスティーとそのイスマーイール派論駁など、362ページ。


Part One, Chapter 1“The earliest cosmological doctrines of Ismāʻīlism”(pp.3-29)はアブー・イーサー・アル・ムルシドが伝えたとされる宇宙論に関するもので、スターンが発見したアラビア語原文が掲載されています(pp.7-16)。残念ながら全訳はされていませんが、続く pp.17-26 で主要箇所の部分訳を含む解説がなされています。
他の論文では宇宙論は扱われていません。第1部第2章はどの〈預言者の周期〉にザラトゥシュトラを位置づけるかという問題を取りあげたもので、サービア教徒の話も出てきます。第3章でも〈預言者の周期〉が問題となる。第4・第5章および第2部第7章は外部から見たイスマーイール派像に関わるものでした。第1部第6で章の〈アル=マフディー〉は終末論的なイメージではなく、ファーティマ朝の初代カリフのこと。第2部第5・第6章ではイマーム位の位置づけについての異説が扱われます。


やはりウェブ上で見つけたもの;

S. M. Stern, “The Succession to the Fatimid Imam al-Āmir, the Claims of the Later Fatimids to the Imamate, and the Rise of Ṭayyibī Ismailism”– Oriens, Vol. 4, No. 2, Dec. 31, 1951, pp. 193-255
「ファーティマ朝イマーム、アル=アミールへの継承、後期ファーティマ朝のイマーム位への主張とタイイブ・イスマーイール派の勃興」

やはり宇宙論は扱われていませんが、イマーム位の問題が要となっています。

Heinz Halm, Kosmologie und Heilslehre der frühen Ismāʻīlīya. Eine Studie zur islamischen Gnosis, (Abhandlungen für die Kunde des Morgenlandes, Band XLIV, 1), Deutsche Morgenländische Gesellschaft, Franz Steiner GMBH, Wiesbaden, 1978
『初期イスマーイール派の宇宙論と救済論 イスラーム的グノーシスの研究』
前書き/序/7人の預言者の周期/玉座と文字/クーニーとカダル/上なる5/デーミウールゴスの驕慢/7と12/アダム伝説と
原人間(アントローポス)神話/魂の転落と上昇/イスマーイール派とグノーシス/イスマーイール派と新プラトーン主義/イスマーイール派とドゥルーズ派/イスマーイール派とクーファの〈グラート〉の伝統-『書物の母(ウンム・アル・キターブ)』、ヌサイリー派、ムハンミサ、ムファッダリーヤ/出典など、246ページ。

同じ著者による→こちらや、またあちらも参照

書評として;
Kurt Rudolph, Gnosis & spätantike Religionsgeschichte, 1996, pp.291-298:Ⅰ-18“Das Problem der ‘islamische Gnosis’. Zu H. Halm. Kosmologie und Heilslehre der frühen Ismaʻiliya, 1978”

本書のいわば要約に当たるのが;
Heinz Halm, “Part Ⅰ-3 The cosmology of the pre-Fatimid Ismāʻīliyya”, Medieval Ismaʻili History and Thought, 1996, pp.75-83

Heinz Halm, The Fatimids and their Traditions of Learning, I. B. Tauris Publishers, London New York, in association with The Institute of Ismaili Studies, London, 1997/2001
『ファーティマ朝と学問の伝統』
序論/イスマーイール派の伝動とファーティマ朝カリフ位/〈ダーイー〉の伝動と〈授業会〉/エジプトのファーティマ朝/イスマーイール派の教えと学問-〈ザーヒル〉と〈バーティン〉/〈教宣〉の組織化/アル=ハーキムの〈知識の家〉/ファーティマ朝下の科学機関/エピローグなど、128ページ。


Wilferd Madelung, Religious Schools and Sects in Medieval Islam, 1985, "SHI‘ISM: b. ISMA‘ILISM"(XVI~XVIII)
シーア派:b.イスマーイール派;シャフラスターニーによるイブン・スィーナー論難書とナスィール・アッ=ディーン・アッ=トゥースィーを通したそれに対する反証(独語)/イスマーイール派神学の諸相:預言者の連鎖と存在を越えた神(英語)/イスマーイール派の法の諸源泉(英語)

Ian Richard Netton, Allāh Transcendent, 1989/1994, pp.203-255 : “5. The God of Medieval Ismāʻīlism: Cosmological Variations on a Neplatonic Theme”

Farhad Daftary, The Ismāʻīlīs. Their History and Doctrines, Cambridge University Press, Cambridge, etc., 1990/1992
『イスマーイール派 その歴史と教義』
(Wilfred Madelung)//
序論-イスマーイール派研究における西欧の進展/シーア派の起源と初期の展開/初期イスマーイール派/ファーティマ朝のイスマーイール派/ムスタアリー・イスマーイール派/アラムート期のニザール・イスマーイール派/アラムート以後のニザール・イスマーイール派など、822ページ。

同じ著者による→こちらも参照

800ページ強の多くは歴史の叙述にあてられていますが、随所で興味深い教義の解説も欠いてはいません。たとえば;
pp.72-73 アル=ムギーラ
pp.100-101 『書物の母(ウンム・アル・キターブ)』とアル=ムハンミサ
pp.139-140 人類の聖歴史
pp.141-143 ファーティマ朝以前のイスマーイール派宇宙論
pp.236-246 アッ=ナサフィー、アブー・ハーティム・アッ=ラーズィーらペルシアとトランスオクシアナの学派
pp.246-249 イフワーン・アッサファー
pp.291-297 イエメンのタイイブ派;pp.292-293 〈天におけるドラマ〉/
 pp.293-295 周期論、とりわけp.295 36万年×36万回=1296億年の大周期(同じ著者による→こちらや、そちら、また上掲コルバン、「マズダー教およびイスマーイール派思想における巡回する時間」(1990)とともに、→ユダヤ思想と関連してこちらや、そちらも参照。さらに比較の対象として、邵康節/邵雍の〈元会運世〉説なども参照のこと→こちら)/
 pp.295-297 終末論
pp.367-371 初期ニザール派
pp.387-396 ニザール派の〈キヤーマ〉論
pp.410-412 ニザール派の〈幽隠〉論
pp.452-456 ペルシアのニザール派とスーフィズムとの交差
pp.484-485 ニザール派とヒンドゥー教との交差、などなど


Edited by Farhad Daftary, Medieval Ismaʻili History and Thought, Cambridge University Press, Cambridge, etc., 1996
『中世イスマーイール派の歴史と思想』
序論-イスマーイール派とイスマーイール派研究
(Farhad Daftary)//
古典的相;ファーティマ朝とバハレーンのカルマト派
(Wilfred Madelung)ファーティマ朝以前のイスマーイール派の宇宙論(Heinz Halm)/アブー・ヤアクーブ・アッ=スィジスターニーと知性の7つの能力(Wilfred Madelung)/ファーティマ朝時代におけるイスマーイール派の忠誠の誓い(ʻahd)と〈知恵の集まり〉(majālis al-ḥikma)(Heinz Halm)/アル=カーディー・アッ=ヌマーンとイスマーイール派法学(Ismail K. Poonwala)/『イフワーン・アッサファーの書簡』のポール・カサノヴァによる年代設定への批評(Abbas Hamdani)/自己と他者の肖像-宗教史についてのイスマーイール派の展望(Azim A. Nanji)/72の誤った分派についての異端誌のイスマーイール派版(Paul E.Walker)//
ニザール派的相;ハサン=イ・サッバーフとニザール派イスマーイール派運動の起源
(Farhad Daftary)/セルジューク朝とアラムートのイスマーイール派の権力闘争、487-518/1094-1124-セルジューク朝の展望(Carole Hillenbrand)/クヒスターンのイスマーイール派とニームルーズあるいはスィスターンのマーリク学派(C. Edmund Boswarth)/哲学者/高官-フワージャ・ナスィール・アッ=ディーン・アッ=トゥースィーとイスマーイール派(Hamid Dabashi)/「時には剣によって、時には短剣によって」-8/14世紀のマムルーク=モンゴル関係におけるイスマーイール派の役割(Charles Melville)/イスマーイール派のgināns-権威と著者性についての省察(Ali S. Asani)マフムード・ピスィーハーニーのヌクタヴィー運動とその神秘主義=唯物論のペルシアの周期(Abbas Amanat)など、350ページ。

Farhad Daftary, Ismaili Literature. A Bibliography of Sources and Studies, I. B. Tauris Publishers, London, New York in association with The Institute of Ismaili Studies, London, 2004
『イスマーイール派の文献 典拠と研究の書誌』
イスマーイール派の歴史とその文献典拠//イスマーイール派の研究-中世の先駆者と近代の展開//
一次文献;イスマーイール派の著者による作品/イスマーイール派作品集/逸名のイスマーイール派および偽イスマーイール派的作品/一群の匿名著者による『イフワーン・アッサファーの書簡』/非イスマーイール派ムスリムの著者の作品選//
研究/学位論文選など、488ページ。

解題付きの文献目録ですが、たとえばコルバンいうところの〈天におけるドラマ〉のモデルになったというイエメン・タイイブ派のイブラーヒーム・イブン・アル=フサイン・アル=ハーミディーの著作が p.113 に、名のみよく見かける
Rudolf Strothmann ed, Gnosis-Texte der Ismailiten, 1943 が p.160 に、コルバンの Trilogie ismaélienne は p.161 に、『書物の母(ウンム・アル・キターブ)』が p.165 に、『イフワーン・アッサファーの書簡』が pp.166-173 に挙げられていたりします(ただし出版されたもののみ、p.105)。

同じく解題付き文献目録として;


Delia Cortese, Arabic Ismaili Manuscripts. The Zāhid ʻAlī Collection, I. B. Tauris Publishers, London, New York in association with The Institute of Ismaili Studies, London, 2003, 238p.
『アラビア語のイスマーイール派写本 ザーヒド・アリー・コレクション』

こちらにも宇宙論を扱った旨、記されている文献が少なからず挙げられています。


Farhad Daftary, Ismailis in Medieval Muslim Societies, I. B. Tauris Publishers, London, New York in association with The Institute of Ismaili Studies, London, 2005
『中世のムスリム社会におけるイスマーイール派』
イスラームの多様性/イスマーイール派とイスマーイール派研究//
初期およびファーティマ朝の諸相;初期イスマーイール派運動とイスマーイール=カルマトの分裂/イスマーイール派の〈ダアワ〉とファーティマ朝の〈ダウラ〉/サイイダ・フッラ-イエメンのイスマーイール派女王//
ニザール派的相;ペルシアにおける初期ニザール・イスマーイール派の歴史記述/ハサン=イ・サッバフとニザール・イスマーイール派の〈ダウア〉と国家の起源/シリアのイスマーイール派と十字軍-歴史と神話/ナスィール・アッ=ディーン・アッ=トゥースィーとイスマーイール派/アラムート以降のペルシアにおけるイスマーイール派=スーフィズムの関係//
イスマーイール派思想の諸相;イスマーイール派の間での知的生活など、272ページ。


これもウェブ上で見つけたもの;

Farhad Daftary, “Cyclical Time and Sacred History in Medieval Ismaili Thought”, Orientalia Lovaniensia Analecta, eds. K. D’Hulster and J. Van Steenbergen, Uitgeverij Peeters en Department Oosterse Studies Leuven- Paris- Dudley, MA 2008, Vol. 171, pp.151-158 [ < The Institute of Ismaili Studies
「中世イスマーイール派思想における循環的時間と聖なる歴史」

簡略ではありますが、ファーティマ朝以前に成立していた〈7つの預言者の時代〉説とその細部での見解の異同、ファーティマ朝での適用、イエメン・タイイブ派の36万年×36万回=1296億年の大周期説、ニザール派における変容が紹介されています。
上掲→こちらの pp.293-295 も参照


Paul E. Walker, Early Philosophical Shiism. The Ismaili Neoplatonism of Abū Yaʻqūb al-Sijistānī, (Cambridge Studies in Islamic Civilization), Cambridge University Press, Cambridge, 1993
『初期の哲学的シーア派 アブー・ヤアクーブ・アッ=スィジスターニーのイスマーイール派新プラトーン主義』
アッ=スィジスターニーの遺産;イスマーイール派のメッセージとその哲学者たち/宗教的・哲学的資産/イスマーイール派の先行者たち//
アッ=スィジスターニーの宇宙;序説-思考の範疇と分析用語/特質づけることのできない超越の神学/命令としての創造/知性、実存する存在者の総計/下降し上昇する魂/自然と自然学的領域/宇宙的人間論/預言、知性の代理人/解釈とその制定/救済と歴史の子宮//
エピローグ-理性の使用と制御など、220ページ。

スィジスターニー(?-971以降)については→こちらも参照


Paul E. Walker, Ḥamīd al-Dīn al-Kirmānī. Ismaili Thought in the Age of al-Ḥākim, I. B. Tauris Publishers, London, New York in association with The Institute of Ismaili Studies, London, 1999
『ハーミド・アッ=ディーン・アッ=キルマーニー アル=ハーキムの世代のイスマーイール派思想』
前書き/イマームと〈ダーイー〉/アッ=キルマーニーの著作/アッ=キルマーニーと〈ダアワ〉/仕事と知識による二重の遵奉/神、創造と宇宙的秩序/神の都//
附録;アッ=キルマーニーと哲学者たち/アッ=キルマーニーによる自身の著作の引用/『理性の慰め』のための著者の目次など、182ページ。

キルマーニー(?-1020以降)については、次の本とともに→こちらも参照


D. de Smet, La quiétude de l'intellect. Néoplatonisme et gnose ismaélienne dans l'œuvre de Ḥamîd ad-Dîn al-Kirmânî (Xe/XIe s.), (Orientalia Lovaniensa Analecta 67), Uitgeverij Peeters en Department Oosterse Studies, Leuven, 1995
『知性の安息 ハーミド・アッ=ディーン・アッ=キルマーニーの著作における新プラトーン主義とイスマーイール派グノーシス(10-11世紀)』
ハーミド・アッ=ディーン・アッ=キルマーニー、生涯と著作;人とその時代/著作の紹介/
Kitâb Râḥat al-'Aql. の構造。知識の都市/キルマーニーの哲学的方法//
タウヒードあるいは超越的究極への不可能なアプローチ;否定的な道/タウヒードの別の道/キルマーニーにおけるタウヒードの教義の典拠//
神から存在へ:原初の創定(
ibdâ');神からの流出の拒絶/知性は創定(ibdâ')によって造られる/ibdâ' への否定的アプローチ//
知性:創定された最初の存在あるいは啓示の神(アッラー);知性あるいは完成の頂点にある存在の統合性/知性の自己思惟/知性、全存在の第1原因/〈決定された神〉としての知性(
Allâh, al-Ilâh)//
10知性のプレーローマ;流出によるプレーローマの構成/第2知性あるいは流出された最初の存在/現勢態の7知性の流出/第3知性あるいは潜勢態の知性/プレーローマの中での諸知性の機能/10知性のプレーローマの意義//
自然界における分離された諸知性の行動:デーミウールゴス、摂理と救済論;可感界のデーミウールゴス/魂たちあるいは可感界の内的動因/〈摂理〉('inâya)あるいは世界に対する諸知性の摂理的機能/人間の救済と知性の救済機能//
哲学とグノーシスの間でのキルマーニーの思想;哲学的源泉/キルマーニーとイスマーイール派宇宙開闢神話/知識の一性:
mîzân ad-diyâma など、442ページ。

第5章D節「第3知性あるいは潜勢態の知性」のさらに第2段は「第3知性の堕落」で、後のタイイブ派における〈天におけるドラマ〉が取りあげられたりします。また同じく第5章のF節「10知性のプレーローマの意義」の第2段は「〈10〉の数についての数論的思弁」には、第2項「『セフェル・イェツィラー』の新プラトーン主義的解釈」、第3項「キルマーニーとカバラーの〈セフィロート〉」といったくだりがありました。結論に当たる第7章B節「キルマーニーとイスマーイール派宇宙開闢神話」では、上掲 Halm, Kosmologie und Heilslehre der frühen Ismāʻīlīya, 1978 で再構成されたイスマーイール派の宇宙開闢論とキルマーニーの体系を比較しています。
他方本書の論旨に対する批判として、やはり上掲の菊地達也、『イスマーイール派の神話と哲学』、2005、pp.6、124-129、181-188、207-208、260-261、315 など。


同じ著者による→こちらや、あちらを参照

Tazim R. Kassam, Songs of Wisdom and Circles of Dance. Hymns of the Satpanth Ismāʻilī Muslim Saint, Pīr Shams, State University of New York Press, Albany, 1995
『知恵の歌と踊りの輪 サトパント・イスマーイール派ムスリムの聖者ピール・シャムスの讃歌』
〈ジナーン〉-驚嘆すべき伝統/イスマーイール派研究の文脈におけるサトパント・イスマーイール派-周縁的な領域/サトパント・イスマーイール派の出現と意義を再考する/ピール・シャムス-歴史的同一性の問題/結論-歴史と伝統を回復する//
訳者の前書き/アンソロジーへの序論/『偉大なイスマーイール派聖者、ピール・シャムスによって作られたジナーン選集』//
附録;書き出し/選集の『我らが第23ピール-ハドラト・ピール・シャムス・アッ=ディーン・サブザワーリー小伝』など、440ページ。


Wlferd Madelung & Paul E. Walker, An Ismaili Heresiography. The ʻBāb al-shayṭān' from Abū Tammām's Kitāb al-shajara, (Islamic History and Civilization. Studies and Texts, vol.23), Brill, leiden, Boston, Köln, 1998
『イスマーイール派の異端誌 アブー・タッマームの「キターブ・アッ=シャジャラ」より「バーブ・アッ=シャイターン」』
序論;アブー・タッマームとその『キターブ・アッ=シャジャラ』/「サタンについての章」とその典拠/編集/翻訳//
「サタンについての章」の翻訳 著者の序//
  分割と分派 遵奉の行為が信仰の構成要素だと主張する者たち;ムウタズィラ派/フワーリジュ/ハディースィッヤ//
    法は信仰の構成要素ではないと主張する者たち;カダリッヤ/神人同形説家たち/ムルジア派//
    預言者の後のイマームはアリー・イブン・アビー・ターリブだと主張する者たち;ザイド派/カイサーン派/アッバースィッヤ/ガーリヤ/イマーム派//
  著者の結論など、146ページ+アラビア語原文。


Madelung による→こちらを参照

Ayman Fuʻād Sayyid in collaboration with Paul E. Walker & Maurice A. Pomerantz, The Fatimids and Their Successors in Yaman. The History of an Islamic Community. Arbic edition and English summary of volume 7 of Idrīs ʻImād al Dīn's ʻUyūn al-akhbār, I. B. Tauris Publishers, London, New York in association with The Institute of Ismaili Studies, London, 2002
『ファーティマ朝とイエメンにおけるその後継者たち あるイスラーム共同体の歴史 イドリース・イマード・アッ=ディーンの「ウユーン・アル=アフバール」第7巻のアラビア語版と英語による要約』
(Farhad Daftary)//序論//『ウユーン・アル=アフバール』第7巻(英語による要約)など、119ページ+アラビア語原文

Shafique N. Virani, The Ismailis in the Middle Ages. A History od Survival, a Search for Salvation, Oxford Yniversity Press, 2007
『中世のイスマーイール派 生き残りの歴史、救済の探求』
序論;暗がりより現われる/道しるべ//
失なわれた歴史を回復する;歴史は勝者によって書かれる/家の人に尋ねて//
鷲は舞い戻る;アタ=マリク・ジュワイニーの語りへの訂正/イル・ハーン朝の影で/クシャイジ家の試練/フダワンド・ムハンマドの登場/継続するイスマーイール派の活動/ラテン、ホラーサーン、南アジアの資料の証言/結論//
太陽に覆いをかける;シャムス・アッ=ディーン・ムハンマドのイマーム位/ニザーリー・クヒスターニー(720/1320歿)//
真理に命じる;ダアワ/イマーム・カスィムシャーフ/カースィム・トゥシュタリ(あるいはトゥルシズィ)//
命令の所持者たち;命令と命令する者/イマーム・イスラームシャーフ・イブン・カスィムシャーフとムハンマド・イブン・イスラームシャーフ//
世界の礼拝方向(キブラ)イマーム位の座のアンジュダンへの移転/ムスタンスィル・ビッラーフ(885/1480歿)のイマーム位/アブド・アッ=サラーム(899/1493頃歿)のイマーム位/ガリブ・ミズラ(904/1498歿)//
探求者の道;覆いをはずされたものに覆いをかける-タキーヤの働き/ダウアの働き//
救済とイマーム位;「あなたはこれをなした、しかしそれをまだなしていない」/合一の探求者たち/結論など、322ページ。


Edited by Hermann Landolt, Samira Shiekh & Kutub Kassam, An Anthology of Ismaili Literature. A Shiʻi Vision of Islam, I. B. Tauris Publishers, London, New York in association with The Institute of Ismaili Studies, London, 2008
『イスマーイール派文献集 イスラームのシーア派的ヴィジョン』
イスマーイール派の歴史と文学伝統
(Farhad Daftary)//
歴史と回顧録;
(Samira Shiekh)/イブン・アル=ハイサム『議論の書』/ジャアファル・イブン・アリー『侍従ジャアファルの報告』/アル=カーディー・アッ=ヌマーン『伝動の開始』/イドゥリース・イマード・アッ=ディーン『選択の物語』/アル=ムアッヤド・フィル=ディーン・アッ=シーラーズィー『アル=ムアッヤドの自伝』/ナースィル=イ・フスラウ『旅の書』/ピール・サブザーリー『中央アジアへの旅』//
信仰と思想 序
(Hermann Landolt)//
  神と創造;ハミード・アッ=ディーン・アル=キルマーニー『輝かしい書簡』-〈一性〉、〈統一者〉、〈統一された者〉の意味について/アブー・ヤアクーブ・アツ=スィジスターニー『泉の書』-創定者の純粋な同一性について、知性の世界と魂の世界の説明/ナースィル=イ・フスラウ『知識と解放』-存在論/アブー・ヤアクーブ・アッ=スィジスターニー『隠されたものの覆いをとる』-自然の美あるいは飾りが霊的であるということ/イフワーン・アッサファー『書簡』-ジンの王の前での動物対人間の場合//
  預言者性とイマーム性;アブー・ヤアクーブ・アッ=スィジスターニー『隠されたものの覆いをとる』-第5の創造(預言者性)について/アル=ムアッヤド・フィル=ディーン・アッ=シーラーズィー『アル=ムアッヤドの講話』-理性と啓示/アフマド・イブン・イブラーヒーム・アッ=ナイサーブーリー『イマーム性を肯定する』-イマーム性を肯定する/ハミード・アッ=ディーン・アル=キルマーニー『イマーム性の証拠を照らす光』-イマーム性とその必然性の証拠に/ハサン=イ・サッバーフ『4つの章』-タアリームの教義/ナスィール・アッ=ディーン・アッ=トゥースィー『従順の楽園』-さまざまな種類の従順に関して、預言者性とイマーム性について//
  通過儀礼、知識と意味;ジャアファル・イブン・マンスール・アル=ヤマン『師と弟子の書』-師による弟子の通過儀礼/サーリフとアブー・マーリクの対話/ナスィール・アッ=ディーン・アッ=トゥースィー『観想と行動』-アッ=トゥースィーによる知識の探索/アブー・ヤアクーブ・アッ=スィジスターニー『泉の書』-霊感の伝達のやり方について/ハミード・アッ=ディーン・アル=キルマーニー『イマーム性の証拠を照らす光』-啓示の解釈の証拠に/アル=カーディー・アッ=ヌマーン『霊的解釈学の基礎』-ヨブの物語/アブー・ヤアクーブ・アッ=スィジスターニー『泉の書』-信仰告白の意味について、十字架の意味について、十字架と信仰告白の一致について/ナースィル=イ・フスラウ『宗教の顔』-知識の確定について、微細な霊的世界の記述について、その時のイマームへの服従の必然性について、「私たちはアッラーに属し、彼へと私たちは帰る」について//
  信仰と倫理;アル=カーディー・アッ=ヌマーン『イスラームの柱』/アフマド・イブン・イブラーヒーム・アッ=ナイサーブーリー『教宣者のための行動規範』/ナスィール・アッ=ディーン・アッ=トゥースィー『従順の楽園』/ナスィール・アッ=ディーン・アッ=トゥースィー『連帯と分離』/ハイルフワー=イ・ハラーティー『書簡』//
 序
(Kutub Kassam)//
  アラビア語の詩;イブン・ハーニ・アル=アンダルスィー/アル=ムアッヤド・フィル=ディーン・アッ=シーラーズィー//
  ペルシア語の詩;ナースィル=イ・フスラウ/ハサン=イ・マフムード=イ・カーティブ/ニザーリー・クヒスターニー/アラムート時代以降のペルシアの詩人たち/中央アジアの詩//
  南アジアの詩;ピール・シャムス/ピール・サドゥル・アッ=ディーン/ピール・ハサン・カビール・アッ=ディーン/ヌール・ムハンマド・シャーフなど、374ページ。


Daniel de Smet, La philosophie ismaélienne. Un ésotérisme chiite entre néoplatonisme et gnose, (Les conférences de l'École Pratique des Hautes Études 6), Les Éditions du Cerf, Paris, 2012
『イスマーイール派の哲学 新プラトーン主義とグノーシスの間のシーア派秘教』
緒言(
Mohammad Ali Amir-Moezzi)//
前書//
イスマーイール派、多様な顔をもつシーア派の一伝統;序/メシア主義的諸運動のモザイク/カルマト派、ファーティマ朝、ドゥルーズ派、タイイブ派とニザール派:イスマーイール派運動の細分化/多様性の中での統一性:イスマーイール派思想の三つの本質的原則/諸学のイスマーイール派的分類/イスマーイール派と哲学:〈啓示された哲学〉の企図/イスマーイール派とグノーシス:新プラトーン主義化されたグノーシス主義的体系/イスマーイール派、シーア派秘教//
存在と無の彼方の究極 イスマーイール派的〈神の唯一性(タウヒード)〉の徹底的な道;プラトーンの『パルメニデース』の〈一〉からクルアーンの超越神へ/神学、不可能な学/知性、〈悲しむ〉神(〈アッラー〉)//
知性=デーミウールゴスの傲り あるグノーシス主義的な主題の哲学的一再読;クーニー、傲れる神/知性とその敵/知性の楽しみと悦び/〈天におけるドラマ〉//
聖書の光に照らしたクルアーンの哲学的解釈:善と悪の木のイスマーイール派的釈義;
神の唯一性(タウヒード)〉と多神教/最初と第二の完成/善と悪の木//
魂たちの転生:再化肉と転身;人間の魂:普遍魂の〈一部〉か〈刻印〉か?/〈神的な導き手〉としての預言者たちとイマームたち/魂たちの転生とその継起的再生:〈
再生(バート)〉と〈復活(キヤーマ)〉/輪廻から転身へ//
可感世界の最終的救済:タイイブ派イスマーイール派における〈進化〉と錬金術;ダーウィン以前のイスマーイール派的ダーウィン主義?/〈天におけるドラマ〉とその修復:タイイブ派イスマーイール派による下降と再上昇//
結論など、192ページ。


啓蒙的性格の小著ですが、とりわけ第3章では4つの節それぞれで、伝アブー・イーサー・アル・ムルシド、ドゥルーズ派、キルマーニー、そしてイエメン・タイイブ派の思想的礎になったとされるハーミディー『子供の宝の書』の各神統譜が概括されます。また第6章ではタイイブ派における〈天におけるドラマ〉に続く宇宙開闢論、周期的宇宙史、終末論がワリードの『始源と還帰についての書簡』(上掲 Corbin, Trilogie ismaélienne, 1994 の第2部に仏訳あり)によって綴られます。〈光の柱〉、〈光の神殿〉といったイメージを含むその体系は、p.168 などでも指摘されているように、マニ教における救済機械としての宇宙を連想させずにはいません。この他、第4章は善と悪の木についてのタイイブ派の〈第1の完成〉と〈第2の完成〉を巡る釈義を扱い、また第5章では個人の魂は宇宙魂の〈部分〉(スィジスターニーなど)か〈刻印〉(キルマーニーなど)かという議論を軸に、スィジスターニーおよびアブー・バクル・ラーズィーの宇宙論が言及されたりもする。とこうしてイスマーイール派の各種宇宙論への入門としてなかなかにおいしい本なのでした。

同じ著者による→こちらを参照

Arabic edition by Wilferd Madelung, translated and introduced by Toby Mayer, Avicenne's Allegory on the Soul. An Ismaili Interpretation. An Arabic edition and English translation of ʽAlī b. Muḥmmad b. al-Walīd's al-Risāla al-mufīda, I. B. Tauris Publishers, London, New York in association with The Institute of Ismaili Studies, London, 2016
『アヴィセンナの魂の寓意 イスマーイール派の一解釈 アリー・イブン・ムハンマド・イブン・ワリードの「『魂についての詩』において謎めいたこと解明するのに役立つ書簡」のアラビア語校訂版と英訳』
序論 アヴィセンナの寓意:哲学と宗教の間で//
 イブン・スィーナーの象徴的物語;『鳥の書簡』/『ハイイ・イブン・ヤクザーン』/『サラーマーン・ワ・アブサール』/『昇天の書』//

 Qaṣīdat al-nafs(『魂についての詩』);Qaṣīda の新プラトーン主義的心理学の謎//
 アリー・イブン・ムハンマド・イブン・ワリードとその歴史的文脈:イブン・ワリードによるガザーリー批判についての覚書//
 イブン・ワリードの
al-Risāla al-mufīda の内容;イブン・ワリードの註釈の梗概//
al-Risāla al-mufīda 英訳//同アラビア語原文など、英文180ページ+アラビア語44ページ。

序論が pp.1-108、英訳が pp.111-148。
イブン・ワリード(1215年歿)はタイイブ派の思想家。お蔭でタイイブ派の宇宙論=〈天におけるドラマ〉についての解説があります(pp.80-90)。その中にはウァレンティノス派グノーシスとの比較(pp.83-86)やカバラーとの共通点の指摘(pp.93-95)も含まれています。


Wilferd Madelung, "An Ismaili interpretation of Ibn Sīnā's Qaṣīdat al-nafs", Reason and Inspiration in Islam. Theology, Philosophy and Mysticism in Muslim Thought, 2005, pp.157-168
もあわせて参照

イブン・スィーナーに関連して→こちらにも挙げておきます

以下、Encyclopædia Iranica より;

Wilferd Madelung, ‘COSMOGONY AND COSMOLOGY vi. In Ismaʿilism
「宇宙開闢論と宇宙論 vi イスマーイール派における」

Farhad Daftary, ‘DAWR (1)
「周期」
上掲→こちらの pp.293-295 も参照
2014/02/05 以後、随時修正・追補
イスラーム Ⅲ
グラート、その他の分派、個々の思想家、クジャタ、バハムート、ファラク、その他など
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