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ギリシャ・ヘレニズム・ローマ
まずは;

G.E.R.ロイド、「ギリシアの宇宙論」、『古代の宇宙論』、1976、pp.203-230。
神話から哲学的宇宙論への変遷/秩序ある全体の三つの模型;;宇宙を生きた有機体と考える型、人工的技術として、政治的統一体として/ギリシアの宇宙論の多様性/批判的方法の発展;合理的な議論、他の宇宙論社の意見の批評など。


荒川紘、「第3章 美と幾何学の発見-ギリシア哲学の宇宙論」、『東と西の宇宙観 西洋篇』、2005、pp.81-136
ギリシア神話の宇宙観/最初の哲学者アナクシマンドロスの宇宙論/ピュタゴラスとピュタゴラス学派の宇宙論/プラトンの宇宙論/アリストテレスの宇宙論など。

 同、「第4章 科学の中心から心の宇宙へ-ヘレニズム・ローマの時代」、同上、pp.137-167
ヘレニズム天文学/ローマの人生論的宇宙論など
  i ギリシャ神話とその周辺
  ii オルペウス教(オルフェウス教)
附 余談:オルフィスム、オルペウスの諸相 
  iii ヘレニズム、ローマの諸宗教とその周辺 
  iv ミトラス教
  v ソークラテース前派、含;エピクーロス派 
   vi プラトーン 
   vii アリストテレース 
  viii ストア派 
  ix 中期プラトーン主義 
  x 新プラトーン主義 
   xi 天文学、占星術など 
   xii その他 
    おまけ 

* わかる範囲でギリシア語の長母音は表記、φ(ph)はパ行で記すようにしますが、誤りもあろうかと思います。
ただし、言及している資料が他の方法で表記している場合、引用は出典に従い、統一することはしておりません。
そもそもギリシア語、ラテン語が読めるはずもなく、それらの歴史的変化とくればなおさらです。
ともあれ例によって、多々誤りもあろうかと思いますが、ご寛恕ください。

i. ギリシア神話とその周辺

ギリシア神話については枚挙にいとまがないほどいろいろな本があることと思いますが、とりあえず手もとにあるもので;

呉茂一、『ギリシア神話』(上下)、新潮社、1956
上巻;オリュンポス以前の世界/オリュンポスの神々(1)/オリュンポスの神々(2)/諸王家の傳説など、312ページ。
下巻;諸地方の傳説/英雄傳説/叙事詩の世界/民間説話および史的伝説など、314ページ。

ピエール・グリマル、高津春繁訳、『ギリシア神話』(文庫クセジュ 201)、白水社、1956
原著は Pierre Grimal, La mythologie grecque, 1953
古代ギリシア人と神話/神話とその集成/神々の誕生/オリュムポスの神々/英雄伝説/伝説の生態/神話と近代科学など、154ページ。

トマス・ブルフィンチ、大久保博訳、『ギリシア・ローマ神話 伝説の時代』(角川文庫 赤 243-1)、角川書店、1970
原著は Thomas Bulfinch, The Age of Fable ; or, The Beauties of Mythology, 1855
ギリシア・ローマの神話を主体に、第34章「ピュータゴラース-エヂプトの神々-神託所」、第35章「神話の起源-神々の彫像-神話の詩人」、第36章「近代の怪物たち-ポイニクス-怪蛇バシリスコス-一角獣-サラマンドラ」、第37章「東洋の神話-ゾロアストラ-ヒンドゥー教徒の神話-カースト-ブッダ-ダライ・ラマ」、第38~40章は北欧神話、第41章「ドゥルイたち-アイオウナ」などの章を含みます、674ページ。

藤繩謙三、『ギリシア神話の世界観』(新潮選書)、新潮社、1971
神々の顕現/宇宙及び神々の誕生/神々と風土/人類文明の神話/民族形成の伝説/豊饒と純潔/神助と神罰/英雄の再生/英雄的世界から牧歌的世界へなど、300ページ。

ロバート・グレイヴズ、高杉一郎訳、『ギリシア神話 新版』、紀伊國屋書店、1998
原著は Robert Graves, The Greek Myths, 1955/1958/1960
1056ページ。
劈頭「1 ペラスゴイ人の創世神話」、「2 ホメーロスおよびオルペウスの創世神話」、「3 オリュムポスの創世神話」、「4 二つの哲学的な創世神話」、「5 人類の五つの時代」と幕を開けるのですが、「1 ペラスゴイ人の創世神話」(pp.45-48)の再構成は勇み足と見なされているようです(
The Greek MythsWikipedia, the free encyclopedia )。
………………………

原典からの翻訳も;

ホメーロス、呉茂一訳、『イーリアス』(上中下)(岩波文庫 赤763/赤764/赤765)、岩波書店、1953/1956/1958、各320、390、400ページ

ホメーロス、呉茂一訳、『オデュッセイアー』(上下)(岩波文庫 赤102-4/赤102-5)、岩波書店、1971/1972、各422、398ページ。

アポロドーロス、高津春繁訳、『ギリシア神話』(岩波文庫 赤701)、岩波書店、1953、290ページ。

沓掛良彦訳註、『ホメーロスの諸神讃歌』、平凡社、1990、406ページ。

逸見喜一郎・片山英男訳、『四つのギリシャ神話-「ホメーロス讃歌」より-』(岩波文庫 赤102-6)、岩波書店、1985、254ページ。

アポロニオス、岡道男訳、『アルゴナウティカ アルゴ船物語』(講談社文芸文庫 アB1)、講談社、1997、410ページ。

ラテン語文献からは;

オウィディウス、田中秀央・前田敬作訳、『転身物語』、人文書院、1966、600ページ。

ウェルギリウス、泉井久之助訳、『アエネーイス』(上下)(岩波文庫 赤115-1/赤115-2)、岩波書店、1976、各500、456ページ。

ヒュギーヌス、松田治・青山照男訳、『ギリシア神話集』(講談社学術文庫 1695)、講談社、2005、378ページ。

などをはじめとして、少なからぬ数にのぼり、これらにギリシア悲劇等の訳も加わることになりますが、宇宙論に関しては、

ヘシオドス、廣川洋一訳、『神統記』(岩波文庫 赤107-1)、岩波書店、1984、216ページ。

ヘーシオドス、松平千秋訳、『仕事と日』(岩波文庫 赤107-2)、岩波書店、1986、202ページ。
が挙げられます。

前者はカオスに始まる宇宙の生成と、クロノスらティーターン族との戦いを経て、ゼウスを首魁とするオリュムポス神族が覇権を得るにいたる過程を描き、
後者には金・銀・青銅・神人・鉄の五時代説が記されています。

なお、『イーリアス』にはオーケアノスを神々の祖とする旨が語られ(14巻201、246行/中巻 pp.294、296)、アポロドーロスは「天空(ウーラノス)が最初に全世界を支配した」(第1巻Ⅰ/p.29)との一文から書き起こしています。
アポロニオスの第1歌494-511(pp.36-37)ではオルペウスが「大地と天と海が-かつてまだ一つの形で混ざりあっていたもの、いかにして恐ろしい争いから別々に切り離されたかを」歌います(後掲ソレル、『オルフェウス教』、2003、pp.57-59 参照)。
ヒュギーヌスは序文で「霧から混沌が生まれた。混沌と霧から夜、昼、冥闇、大気が生まれた」を冒頭の一句としました(p.25)。
オウィディウスも巻1の5-88で開闢のさまを、続いて89-162で金・銀・青銅・鉄の四時代を説いています(pp.7-13)。
また、『オデュッセイアー』(第11書/上巻 p.324 以下)と『アエネーイス』(第6巻/上巻 p.345 以下)にはそれぞれ、冥界の記述が登場します。
『ホメーロスの諸神讃歌』中の「デーメーテール讃歌」も、冥界や、宇宙規模の死と再生にまつわる物語です。


もどってヘーシオドスに関しては;


久保正彰、『ギリシャ思想の素地-ヘシオドスと叙事詩-』(岩波新書 855)、岩波書店、1973
ヘシオドスの暦/詩人誕生/大地(ガイア)競合(エリス)/新しき女神/エピローグ-ヘシオドスの継承者たち-など、240ページ。

本書の書評→廣川洋一、『西洋古典學研究』、no.23, 1975.3.29、pp.75-78 [ < CiNii Articles

ジャン=ピエール・ヴェルナン、沢本弘子訳、「ヘシオドスの種族神話-構造分析の試み」、『現代思想』、vol.1-8、1973.8、「特集=ケレーニイ/新しいギリシア像の発見」、pp.148-175
原著は Jean-Pierre Vernant,‘Le mythe hésiodique des races - Essai d'analyse structurale‘, Revue de l'histoire des religions, 1960

G.S. カーク、内堀基光訳、「ヘシオドスにおける神話的思弁」、『現代思想』、vol.1-8、1973.8、「特集=ケレーニイ/新しいギリシア像の発見」、pp.176-186
原著は G.S. Kirk,‘Mythical speculation in Hesiod‘, Myths. Its Meanng and Functions in Ancient and Other Cultures, 1970

P. フィリップソン、廣川洋一・川村宣元訳、『ギリシア神話の時間論』(東海選書)、東海大学出版会、1974/1979
原著は Paula Philippson, Untersuchungen über den griechischen Mythos, 1944
神話の形式としての系譜-ヘーシオドス『神統記』の研究-;世界神話の第一段階 神々の畏い族/第二段階の成立 支配者の系列 ウーラノス、クロノス、ゼウス/世界神話の第二段階 ゼウスの王国/ギリシア的思考形式の表現としてのヘーシオドスの系譜論//
神話の時間様式など、142ページ。

廣川洋一、『ヘシオドス研究序説 ギリシア思想の生誕』、未来社、1975
最初の思想家ヘシオドス/正義への道/正義の本性と意味/ヘシオドスの精神//
付録;『神統記』、『仕事と日』訳文など、444ページ。

また

広川洋一、「Hesiodos Theogonia v. 120 sqq. et v. 201.sqq.-エロスの問題をめぐって-」、『西洋古典學研究』、no.12、1964.3.31、pp.13-26 [ < CiNii Articles

なお、
廣川洋一、「哲学のはじまりと抒情詩-アルクマンの場合-」、『西洋古典學研究』、no.20、1972.3.25、pp.40-48 [ < CiNii Articles
には、「哲学史がタレスらイオニアの自然学から始められ、しかもその先触れとして、韻文としてはヘシオドス、エピメニデスらの、散文としてはペレキュデス、アクゥシラオスらの、半哲学的宇宙論(cosmogonia)をみることは今日一般的に認められることであろう」(p.40)と記されています。

論題のアルクマンもその一例として読み解かれるわけですが、件の「半哲学的宇宙論」については;


初期ギリシア哲学者断片集』、1958
pp.1-2 に古期オルペウスの徒、pp.2-3 にヘシオドス、p.3 にペレキュデスが、
ソクラテス以前哲学者断片集 第Ⅰ分冊』、1996
pp.1-120が「第1部 端緒」として、(A)初期宇宙論;オルペウス、ムゥサイオス、エピメニデス/(B)紀元前6世紀の天文詩;ヘシオドス、ポコス、クレオストラストス/(C)散文による初期宇宙論および箴言;シュロスのペレキュデス、テアゲネス、アクゥシラオスが記されています。

またアルクマンの断片は;

アルクマン他、丹下和彦 訳、『ギリシア合唱抒情詩集』(西洋古典叢書 G030)、京都大学学術出版会、2002、pp.20-21:「断片5」
に訳されています。

饗庭千代子、「神話と暴力-『神統記』考」、『神話・象徴・文化 Ⅱ』、楽瑯書院、2006、pp.53-63
ヘシオドスとその時代/カオスからゼウス誕生へ/ゼウスの支配とは/誰が悪いのか、など
………………………

神話学・宗教史関連で、例によって手もとにあって多少とも関係のありそうなものから;

波多野精一、『西洋宗教思想史 希臘の巻第一(改訂版)』、岩波書店、1921/1925
ホメロス/ヘシオドス/抒情詩人/オルフィク教徒/ミレトス學徒/クセノファネス/ピュタゴラス及びピュタゴラスの徒/ヘラクレイトス/パルメニデスよりアナクサゴラスまで/アテナイの文化/悲劇詩人/ソフィストなど、286ページ。

ギルバァト・マレィ、藤田健治訳譯、『希臘宗教發展の五段階』(岩波文庫 3164-3167)、岩波書店、1943
原著は Gilbert Murray, Four Stages of Greek Religion, 1913/1925
サトゥルニア・レグナ/オリュムポス神の大勝利/前四世紀の大學派/神經の缺陥/最後の抗議//
附録;サルスティオス、神々並びに世界に就て
など、362ページ。


ハリソン、佐々木理譯、『ギリシャ神話論考』、白揚社、1943
原著は Jane Ellen Harrison, Mythology, 1924
ヘルメース/ポセイドーン/山母;ゴルゴーン、エリニュエス=エウメニデス/デーメーテールとコレー 地母と地處女/恵みを運ぶ少女神;ヘーラ、アテーナ、アフロディーテー/アルテミス/アポㇽローン/ディオニューソス/ヅェウスなど、232ページ。
同じ著者による→こちらも参照


井筒俊彦、『神秘哲学 ギリシアの部』、慶應義塾大学出版会、2010
原著は1949/1978/1991刊
ギリシア神秘哲学 ソクラテス以前の神秘哲学;ディニュソス神/クセノファネス/ヘラクレイトス/パルメニデス//
  プラトンの神秘哲学;序/洞窟の譬喩/弁証法の道/イデア観照/
(エロース)の道/死の道//
  アリストテレスの神秘哲学;アリストテレスの神秘主義/イデア的神秘主義の否定/アリストテレスの神/能動的知性//
  プロティノスの神秘哲学;プロティノスの位置/プロティノスの存在論体系/一者/「流出」/神への思慕//
附録 ギリシアの自然神秘主義-希臘哲学の誕生;自然神秘主義の主体/自然神秘主義的体験-絶対否定的肯定/オリュンポスの春翳/知性の黎明/虚妄の神々/新しき世紀-個人的我の自覚/生の悲愁-抒情詩的世界観/ディオニュソスの狂乱/ピンダロスの世界-国民伝統と新思想/二つの霊魂観/新しき神を求めて-形而上学への道/輪廻転生より純粋持続へ//
解題(堀江聡)など、572ページ。
井筒俊彦については→こちらも参照


村治能就、「テオゴニア・コスモゴニア・アントロポゴニア-古代ギリシア人の哲学の起源について-」、『哲學』、no.14、1964 、pp.137-155 [ < J-STAGE

p.155 には関連する論考として同じ著者による
「コスモゴニアとテオゴニア」、『東京教育大学文学部紀要』、no.1、1955
「カオスとエロス」、『哲学論叢』、東京教育大学、no.17、1955.4
「オルフィズムの問題-古代ギリシア哲学の起源について-2-」、『東京教育大学文学部紀要』、no.45、1964.3(→こちらにも挙げました
が挙げられていますが、残念ながら未見。
と思いきや、「テオゴニア・コスモゴニア・アントロポゴニア」も含めて、「オルフィズムの問題」以外の3篇が次の単著に収録されているのを見る機会がありました;


村治能就、『摂理と運命と自由意志 ギリシア哲学お起源と展開』(文明研究所シリーズ 12)、東海大学出版会、1973
第1部;コスモゴニアとテオゴニア-古代ギリシア哲学の起源について-/テオゴニア・コスモゴニア・アントロポゴニア//
第2部;プラトン-その生涯と思想/プラトンとアリストテレス-断片集を中心に-/アリストテレスの世界像-『天体論』における「ウラノス」「アイオーン」「アイテール」を中心にして-/摂理と運命と自由意志-プロティノスへの道-/プロティノスの哲学-『エンネアデス』-//
第3部;原子論とヒューマニズム/ギリシア的ニヒリズムなど、306ページ。


「カオスとエロス」を組みこんだ「コスモゴニアとテオゴニア-古代ギリシア哲学の起源について-」(pp.3-88)の細目は;
序 哲学の起源を考察するさいの研究の課題と方法について/コスモゴニアの性格/テオゴニアの世界-アナムネーシスとヌース-/カオスとエロス/テオロゴイ(神学者たち)/メロポイオイ(抒情詩人たち)とエロス/ソフォイ(賢人たち)/フュシス


W.F. オットー、辻村誠三訳、『神話と宗教 古代ギリシャ宗教の精神』(筑摩叢書 40)、筑摩書房、1966
原著は Walter F. Otto, Theophania, der Geist der altgriechischen Religion, 1956
序章/第1章/第2章/古代ギリシャ人の宗教--百科辞典としての見出しなど、222ページ。

ドッズ、岩田靖夫・水野一訳、『ギリシャ人と非理性』、みすず書房、1972
原著は E.R. Dodds, The Greeks and the Irrational, 1951
アガメムノンの弁明/恥の文化から罪の文化へ/狂気の祝福/夢の器と文化の型/ギリシャのシャーマンとピューリタニズムの起源/古典時代の理性主義とそれに対する反発/非理性的霊魂と父祖相伝の集積に関するプラトンの見解/自由の恐怖/付録;マイナディズム/降神術など、416ページ。
同じ著者のこちらも参照


マーチン・パーソン・ニールソン、片山英男訳、「エレウシスの信仰」、『エピステーメー』、vol.4 no.7、1978.8;「特集 墓の形而上学」、pp.120-140

久野昭、「エロースと水」、『理想』、no.614、1984.7、「特集=『水』の思想」、pp.64-72

M.P.ニルソン、小山宙丸・丸野稔・兼村琢也訳、『ギリシア宗教史』、創文社、1992
原著は Martin Persson Nilsson, A History of Greek Religion, trnslated from the Swedish by F. J. Fielden, 1925/1949/1952
序/フレーザーの序文(J.G.フレーザー)/第2版への序-1952年改訂//
ミノア・ミュケナイ宗教とその存続/ギリシア神話の起源/原始的信仰と儀礼/自然の神と人間生活の神/ホメロスの擬人神観と合理主義/遵法主義と神秘主義/市民の宗教/教養階層の宗教と農民の宗教など、350ページ。


西村賀子、「古代ギリシアの創成神話」、『創成神話の研究』、1996、pp.155-176
ホメロス/ヘシオドス/オルフィク詩/アルクマン/シュロスのペレキュデスなど

西村賀子、「古代ギリシアの太陽神ヘリオスをめぐって」、松村一男・渡辺和子編、『太陽神の研究 宗教史学論叢8』(下巻)、リトン、2003、pp.119-150
古代ギリシアの太陽神の性格/ギリシア宗教における太陽神の位置/ヘリオスの儀礼・神話・イメージ/ヘリオスとアポロンなど

上村くにこ、「異界と中心の激突」、細田あや子・渡辺和子編、『異界の交錯 宗教史学論叢11』下巻、リトン、2006、pp.177-200
ギリシア神話における異界とは/異界と中心をつなぐ神=アルテミス/中心に異界を持ち込む神=ディオニュソス/異界に人間を引き込む怪物=ゴルゴンなど

ロバート・ガーランド、高木正朗・永都軍三・田中誠訳、『古代ギリシア人と死』、晃洋書房、2008
原著は Robert Garland, The Greek Way of Death, 1985
死者たちの力と地位/葬儀/生と死のあいだ/ハデスの国/特別な死者たち/墓参など、268ページ。

松村一男、「古代ギリシアの霊魂観」、『アジア遊学 128 古代世界の霊魂観』、勉誠出版、2009.12、pp.43-49
研究史/ホメロスの時代/哲学と霊魂など
こちらに再録
………………………

事典・辞典として;

高津春繁、『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店、1960
あいうえお順、382ページ。

また;

「ギリシアのの神話・宗教」、『世界神話大事典』、2001、pp.255-459
ギリシア神話学の問題(ジャン=ピエール・ヴェルナン)/ギリシアの歴史、地理 宗教問題(同)/クレタ島とミュケナイ 神話と宗教史の諸問題(ポール・フォール)/ギリシアの宇宙創成神話(J.-P. ヴェルナン)/ギリシアの神統記と統治権の神話(同)/ギリシアの都市国家の神話 神話におけるアテネの政治(ニコル・ロロー)/哲学と神話 ヘシオドスからプロクロスへ(クレマンス・ラムヌー)/プラトンの神話と哲学(リュック・ブリッソン)/ギリシア神話と新プラトン主義者(アンリ=ドミニック・サフレ)/ギリシア神話の「水の神」(ジャン・リュダール)/工匠の神々 ヘファイストス、アテナ、ダイダロス(フランソワズ・フロンティジ)/ギリシアの起源神話 人類の誕生と死(ピエール・スミス)/ギリシア 婚礼の神々(ジャン=ピエール・ダルモン)/ギリシア 英雄の家系 アトレイデス家とラブダコス家の親族の構造(同)/ギリシア神話の「死」(ローランス・カーン=リヨタール/N .ロロー)/ギリシア文学における「地獄の地誌」 前古典期と古典期(アラン・バラブリガ)/ギリシア神話 戦争の神々 アレスとアテナ(J.-P. ダルモン)/ギリシアの叙事詩 戦争の英雄と神々(アニー=シュナップ・グルベヨン)/ドロン 人狼の策略 戦争か狩りか(フランソワ・リサラグ)/ギリシア 狩りの英雄と神話(アラン・シュナップ)/ギリシア神話の「犠牲」(J.-P. ヴェルナン/ジャン=ルイ・デュラン)/ギリシア神話 動物の意義(J.-P. ヴェルナン/A.-S. グルベヨン)/
アクタイオン(ジャニー・カルリエ)/アスクレピオス(同)/アドニスとアドニア祭(マルセル・ドゥティエンヌ)/アポロン(J. カルリエ)/アマゾン族(同)/アルゴスまたはアルギュス(同)/アルゴ船の勇士たち(同)/アルテミス(ピエール・エランジェ)/イオ(J. カルリエ)/イクシオン(同)/イリス(同)/エウロペ(同)/エロス(L. ブリッソン)/オイディプス(J.-P. ヴェルナン)/オデュッセウス(L. カーン=リヨタール)/オリオン(J. カルリエ)/オルフェウスとエウリュディケ(同)/風(同)/グライアイ(同)/ケンタウロス族(A. シュナップ)/ゴルゴン(J. カルリエ)/ゼウス 他者 産婆術の問題(M. ドゥティエンヌ)/ディオスクロイ(J. カルリエ)/ディオニュソス(M. ドゥティエンヌ/J.-P. ヴェルナン)/テティス(J. カルリエ)/デメテル(M. ドゥティエンヌ)/ナルキッソス(J. カルリエ)/ネメシス(同)/ハルピュイア(同)/パン(ステラ・ジョルグーディ/フィリップ・ボルジョー)/ファエトン(J. カルリエ)/ヘスティア(同)/ヘスペリスたち(同)/ヘラクレス 英雄の豪腕と運命(N. ロロー)/ヘリオス、セレネ、エンデュミオン(J. カルリエ)/ペルセウス(同)/ヘルメス(L. カーン=リヨタール)/ヘレネ信仰 ギリシアの女性 部族のイニシエーション(クロード・カラム)/ペロプス(J. カルリエ)/マルシュアス(同)/ミダス(同)/ムーサとムネモシュネ(同)/モイラ(同)/ラダマンテュス(同)など


「ローマの神話・宗教」、『世界神話大事典』、2001、pp.461-604
前ローマ時代の神話・宗教;イタリア(マッシモ・パロッティーノ)/前ローマ時代のイタリア 宗教問題をその通史に探る(同)/エトルリアとイタリア 神話の貧困(同)/神々(同)/前ローマ時代のイタリア 信仰と供儀(同)/前ローマ時代のイタリア 諸民族の来世観(同)/イアピュゲス人 イタリア東南部原住部族の信仰と慣習(同)/ヴェネティ人 北イタリアのインド・ヨーロッパ系民族の神話と宗教(同)/エトルリア人の宗教(同)/エトルリア道徳律 教典と聖典(同)/エトルリアと古代イタリアの占い(同)/エトルリアの魔物論(同)/サベリ・ウンブリア人 イタリア半島中南部の宗教(同)/ラティニ人 ローマの宗教の起源(ロベール・シリング)/ウェール・サクルム イタリアにおける「聖春」の祭儀(M. パロッティーノ)/グレコ・イタリック伝承と伝説 青銅器時代からウェルギリウスへ(同)//
ローマ時代の神話・宗教;ローマの宗教(R. シリング)/ローマの宗教とギリシアの哲学(同)/ローマの宗教 衰退と存続(同/ローマ共和制期の宗教 研究の現状と問題点(同)/ローマの神々(同)/ローマの祭(同)/ローマの「犠牲」(同)/ローマの占い(同)/アウグストゥスの宗教政策(同)/アポロ(同)/アルウァレス神官団(同)/アンナ・ペレンナ(同)/ウェスタ(同)/ウェヌス(同)/ウェルギリウスの宗教観(同)/ウルカヌス(ピエール・スミス)/キケロ(神学者)(R. シリング)/クゥイリヌス(同)/ゲニウス(同)/ケレス女神(同)/シルウァヌス(同)/ディアナ(同)/ネプトゥヌス(同)/ファウヌス(同)/プシケ(ジャニー・カルリエ)/プリアポス 最下位の神(モーリス・オランデル)/ペナテスの神々(R. シリング)/ヘルクレス(同)/卜占官(同)/マネスの神々(同)/マルス(同)/ミネルウァ(同)/メルクリウス(同)/ヤヌス(同)/ユノ(同)/ユピテル(同)/ラーレス(同)など

ii. オルペウス教(オルフェウス教)、附:余談

繰り返しになりますが;
初期ギリシア哲学者断片集』、1958
pp.1-2 に古期オルペウスの徒、
ソクラテス以前哲学者断片集 第Ⅰ分冊』、1996
pp4-37 にオルペウス、pp.38-51 にムゥサイオス関連の断片が集められています。

この内、印象が強かったのでしょう、前者の p.1、断片3(イ)から引用したり(→「宙吊りの形相」、
後者の p.24 からエピグラフにしたりしたものです(→「ふわふわ、きちかち、ずずずず、あるいは黒死館の影のもとに」、『1930年代展』図録 1999.9 < 三重県立美術館サイト)。

この点については;

ボルヘス、ゲレロ、柳瀬尚紀訳、『幻獣辞典』、1974、pp.66-67;「クロノスあるいはヘラクレス」
も参照
こちらでも少し触れています


そうこうしてようやく、オルペウス教についてのまとまった本が日本語で読めるようになった時はとても嬉しかったことが思い起こされるのでした;

レナル・ソレル、脇本由佳訳、『オルフェウス教』(文庫クセジュ 863)、白水社、2003
原著は Reynal Sorel, Orphée et l'orphisme, 1995
オルフェウス-神話とオルフェウス精神の確立//
世界と支配権-オルフェウス教の反逆;ヘシオドスの宇宙誕生譚と体系の一般的特色/オルフェウス教の宇宙と神々の誕生譚、その伝達と多様性/『鳥』の宇宙誕生譚/アテナゴラスとダマスキオスの説/ファネスからディオニュソスへ-デルヴェニ・パピルスと『二四の叙事詩からなる聖なる言説』/『アルゴナウティカ』の説//
人類誕生譚と不死なる二つの対極//日常生活と秘教世界//
死後の世界における記憶;冥界の分かれ道とオルフェウス教の道案内-金板/不死なるものが死すべきもの(ヘラクレイトス)/不死性への関心(プラトン)など、200ページ。

また;


ヴェルナー・イェーガー、神澤惣一郎譯、『ギリシャ哲學者の神學』、早稲田大学出版部、1960、pp.75-98、「第四章 所謂オルペウス神統記」

カール・ケレーニ、松浦憲作訳、「オルペウス教の宇宙生成説-一つの復元の試み-」、『海』、1971.1、「特集 ケレーニとギリシア神話」、pp.212-225
同じ著者による→こちらを参照

喜多順子、「前五世紀の史料にみられるディオニュソス秘儀とオルフェウス教の反目について」、『人文論究』、no.33-1、1983.6.20、pp.1-16 [ < KGUR 関西学院大学リポジトリ

アンリ・ジャンメール、小林真紀子・福田素子・松村一男・前田寿彦訳、『ディオニューソス バッコス崇拝の歴史』、言叢社、1991、pp.546-580、「第8章 4 ディオニューソスとオルペウス教徒」

今井正浩、「オルフィズム:古代ギリシアの死生観」、『ユリイカ』、臨時増刊号vol.26-13、1994.12、「総特集 死者の書」、pp.140-151

北嶋美雪、「オルペウス教-プラトンの宗教思想解明の手掛りとしての-(1)」、『学習院大学文学部 研究年報』、no.42、1996.3.20、pp.1-23 [ < GLIM IR 学習院学術成果リポジトリ
 同、 「オルペウス教-プラトンの宗教思想解明の手掛りとしての-(2)」、『学習院大学文学部 研究年報』、no.43、1997.3.20、pp.1-28 [ < 同上 ]

桜井万里子、「エレウシスの秘儀とオルフェウスの秘儀-古代ギリシアにおける二つの秘儀」、深沢克己・桜井万里子編、『友愛と秘密のヨーロッパ社会文化史 古代秘儀宗教からフリーメイソン団まで』、東京大学出版会、2010、pp.33-69

桜井万里子、「オルフェウスの秘儀と古典期のアテナイ-デルヴェニ・パピルス文書を手掛かりに-」、『西洋古典學研究』、no.58、2010.3.24、pp.1-11 [ < CiNii Articles

桜井万里子、「オルフェウス教かオルフェウスの秘儀か」、UP、no.463、東京大学出版会、2011.5、pp.34-39

筒井賢治、「アテナゴラスにおける『オルフェウス教』伝承」、『西洋古典學研究』、no.60、2012.3.23、pp.99-110 [ < CiNii Articles

他に;

村治能就、「オルフィズムの問題-古代ギリシア哲学の起源について-2-」、『東京教育大学文学部紀要』、no.45、1964.3
こちらも参照
そこで挙げた「テオゴニア・コスモゴニア・アントロポゴニア-古代ギリシア人の哲学の起源について-」(.1964)でもオルペウス教が取りあげられています。


北嶋美雪、「デルヴェニ出土のオルフェウス教の『神統記』」、『創文』、no.472、2005.1、pp.35-39

内山勝利、「Derveni Papyrus 管見-初期ギリシアにおける『魂』概念の考察のために-」、『古典の世界像』(文部省科学研究費補助金特定領域研究(A)118「古典学の再構築」研究成果報告書5)、2003、pp.103-106

などあるとのことなれど未見。
………………………

しばしば引きあいに出されるのは;

アリストパネス、呉茂一譯、『鳥』(岩波文庫 3321-3322)、岩波書店、1944、693-702行(pp.80-81)
………………………

Thomas Taylor, The Hymns of Orpheus. Translated from the original Greek with a Preliminary Dissertation on the Life and Theology of Orpheus to which is added the essay of Plotinus concerning the Beautiful, The Philosophival Research Society, Inc., Los Angeles, 1792/1981
『オルペウスの讃歌 ギリシャ語原典からの翻訳、、オルペウスの生涯と神学に関する序論、および美についてのプローティーノスの試論』
マンリー・P・ホールによる序文//
序/オルペウスの生涯と神学に関する論考/オルペウスの通過儀礼//
プローティーノス「美について」;序/本文など、314ページ。


Jane Harrison, Prolegomena to the Study of Greek Religion, Merlin Press, London, 1903/1907/1962/1980
『ギリシア宗教の研究序説』
オリュンポスと地神の儀礼/アンテステリア 死者と精霊の儀礼/収穫祭 タルゲリア、カリュンテリア、プリュンテリア/女たちの祭礼 テスモポリア、アッレポリア、スキロポリア、ステニア、ハロア/死者、精霊と妖怪の悪霊論/女神の作成/男神の作成/ディオニューソス/オルペウス/オルペウス教とディオニューソス崇拝の密儀/オルペウス教の終末論/オルペウス教の宇宙開闢論など、704ページ。
同じ著者による→こちらも参照


Ivan M. Linforth, The Arts of Orpheus, Arno Press, New York, 1941/1973
『オルペウスの諸技芸』
オルペウスに関する紀元前300年以前の証言/オルペウス教の儀礼と組織に関する紀元前300年以降の証言/証言の照合/結論と推測/ディオニューソスの寸断の神話など、390ページ。
なお、文中の引用は原語のままで英訳なし


組織だった実体としてのオルペウス教の実在を論駁した本。
ズルヴァーン主義に対する Shaul Shaked, ‘The myth of Zurvan: cosmogony and eschatology’, From Zoroastrian Iran to Islam. 1995 の議論と比較してみてください。

W.K.C. Guthrie, Orpheus and Greek Religion. A Study of the Orphic Movement, Princeton Unicersity Press, New Jersey, 1952/1993
Larry J. Alderink による新版への序文//
『オルペウスとギリシャの宗教 オルペウス教的運動の研究』
名高きオルペウス/オルペウス教によって何が意味されているのか?/オルペウスとその物語/オルペウスによって呈示された創造と神々/オルペウスによって見られた来世/オルペウス追随者の生活と実践/オルペウスと他のギリシア宗教思想家たち/ヘレニズムとギリシア=ローマ世界におけるオルペウスなど、332ページ。


Ugo Bianchi, "L'orohisme a existé", Selected Essays on Gnosticism, Dualism and Mysteriosophy, 1978, pp.187-195
   "Psyche and Destiny. On the question of correspondences between Gnostic soteriology and Orphic-Platonic soteriology", id., pp,196-207


M.L. West, The Orphic Poems, Clarendon Press, Oxford, 1983/1998
『オルペウス教の詩』
書物たちのざわめき/オルペウス以外の神話的な詩人たち/プロートゴノスとデルヴェニの神統記/エウデーモスと循環的神統記/エウデーモスの神統記(続き):ディオニューソスの死と再生/ヒエローニュモスの神統記/
二四の叙事詩からなる聖なる言説(ラプソーディア)の神統記など、294ページ。
同じ著者によるこちらも参照


Christoph Riedweg, Jüdisch-hellenistische Imitation eines orphischen Hieros Logos. Beobachtungen zu OF 245 und 247 (sog. Testament des Orpheus), (Classica Monacensia, Band 7), Gunter Narr Verlag Tübingen, 1993
『オルペウス教的聖なる言葉のユダヤ=ヘレニズム的模倣 OF245・247(いわゆるオルペウスの遺言)の観察』
伝承史:総括/テクスト、翻訳、校訂上の註釈/解釈など、144ページ。
こちらにも挙げておきます


Orphée. Poèmes magiques et cosmologiques, (Collection Aux sources de la tradition), Les Belles Lettres, Paris, 1993
『オルペウス 魔術的・宇宙論的な詩』
証言選/〈
古の(ウェテリオラ)〉断片/〈オルペウスの〉金板/デルヴェニ・パピルス/二四の叙事詩からなる聖なる言説/リュック・ブリッソンの後書など、192ページ。

テクストの仏語訳が主体をなしています。


Luc Brisson, Orphée et l'orphisme dans l'antiquité gréco-romaine, (Collected Studies Series), Variorum, Hampshire & Vermont, 1995
『オルペウスと古代グレコ=ローマン期のオルペウス教』
デルヴェニ・パピルスにおけるオルペウス教神統記;批評的覚書/古ピュタゴラス主義における秘密の使用と機能/オルペウス教神統記におけるクロノス像とイランでの先行者/帝政期におけるオルペウスとオルペウス教 プルータルコスからイアンブリコスまでの証言と哲学的解釈/プロクロスとオルペウス教/ダマスキオスとオルペウス教/〈ディオニューソス的〉身体:オリュンピオドーロスに帰せられる『プラトーンの「パイドン」註釈』(1, par. 3-6)に描かれた人間創造説はオルペウス教的か?、など、310ページ。


Gábor Betegh, The Derveni Papyrus. Cosmology, Theology and Interpretation, Cambridge University Press, 2004
『デルヴェニ・パピルス 宇宙論、神学と解釈』
テクストと翻訳/発見/最初の数段/詩の再構成/詩の解釈/宇宙的な神/宇宙論/アナクサゴラス/アポッローニアのディオゲネースとアテーナイのアルケラオス/自然学と終末論:ヘーラクレイトスと金板/オルペウスを理解する、世界を理解するなど、454ページ。


Radcliffe G. Edmonds III ed., The “Orphic” Gold Tablets and Greek Religion. Further along the Path, Cambridge University Press, 2011
『〈オルペウス教〉の金板とギリシャの宗教』
金板のテクスト;あなたは誰か? 手短な学説史/〈オルペウスの〉金板:テクストと翻訳//
テクストと文脈;テクストと儀礼:オルペウスの終末論文集/〈オルペウスの〉金板はオルペウス教的か?/「大地の子である私は星々の天よりのものである」:オルペウスの金板の人間論について/〈オルペウスの〉金板Bとエジプトの葬祭文書に共通するモティーフ:継続か収斂か?/中心、周縁、あるいは周縁的中心:クレーターの金板のクレーター島とのつながり//
意味論的・説話論的分析;葬礼金板とオルペウス的パピルスの註釈:同じ用法、異なる目的/通過儀礼-死-冥界:金板における語りと儀礼/死者のための聖なる書あるいは託宣? 〈オルペウスの〉金板の意味論的状況/『イーリアス』から金板までの不死性の対話/オルペウスの金板における詩と履行/ミルクに飛びこむ:金板についての新たな視野など、396ページ。


また

Howard M. Jackson, The Lion Becomes Man. The Gnostic Leontomorphic Creator and the Platonic Tradition, 1985, pp.131-149: "3-6. The Orphic Cosmogony"
………………………

余談:オルフィスム、オルペウスの諸相

ところで、〈オルフィスム〉ということばが指す対象は、三つあるようです。
一つが古代のオルペウス教だとして、
これ以外に上掲ソレル『オルフェウス教』(2003) p.124 が述べるように、アポリネールの命名になる20世紀初頭の美術の動向、
もう一つが少し遡って、やはり同書 pp.123-124 でふれられている、ロマン主義前後の詩作にまつわる傾向です。
前者については、手もとには部分的なコピーしかないのですが;

Viriginia Spate, Orphism, Oxford, 1979
『オルフィスム』
コピーした部分で扱われているクプカとともに、ドローネーやピカビア、初期のデュシャンなどが取りあげられていたかと思います。
こちらにも挙げています

後者については、

ジョルジュ・カトーイ、安齋千秋訳、『オルフィスムと予言の詩』、昭森社、1973
原著は Georges Cattaui, Orphisme et prophétie chez les poètes français (1850-1950), 1965
見者ユゴー-或いは聖なる恐怖の体験/ネルヴァルのオルフェウス的性格/ボードレールの二元論/マラルメと神秘神学諸説/カバラの秘法家ランボー/新ピュタゴラス派的啓明論者ヴァレリー、クローデルの宗教的象徴論/後記-西欧の詩に於けるオルフィスムの伝統に関するノートなど、240ページ。
こちらにも挙げておきます

大浜甫、「オルフィスムとその周辺 再生の憧憬・永遠の女性・冥界下り」、『思潮』、no.6、1972.7.1、「テーマ G・ド・ネルヴァルと神秘主義」、pp.pp.80-96

坂本貴志、『秘教的伝統とドイツ近代 ヘルメス、オルフェウス、ピュタゴラスの文化史的変奏』、2014、pp.173-187:「第4章 メタモルフォーゼ」中の「オルフェウスの詩学」の節など
ゲーテとシラーが軸になっています。

Hermine B. Riffaterre, L'orphisme dans la poésie romantique. Thèmes et style surnaturalistes, Éditions A.-G. Nizet, Paris, 1970
『ロマン主義の詩におけるオルフィスム 超自然主義的な主題と様式』
見者としての詩人/見者の化身/探求:見者のまなざし/探求:見者の道程/見者が見るものなど、312ページ。


宇宙論の話からずれてしまいますが、オルペウス像についてはさらに;

伊澤東一、「魂の墓場-オルペウスと牧歌-」、『中央学院大学論叢 一般教育関係』、no.16-2、1982.3.25、、p.27-68 [ < CiNii Articles

E・ロックスパイザー、中村正明訳、『絵画と音楽』、白水社、1986、pp.205-224;第2部「オルフェウスを求めて」、第10章「オルフェウス伝説」
原著は Edward Lockspeiser, Music and Painting. A Study in Comparative Ideas from Turner to Schoenberg, 1973

D.P.ウォーカー、『古代神学 15-18世紀のキリスト教プラトン主義研究』、1994、pp.29-49+原注:「神学者オルペウス」

『きざし』(愛知県文化振興事業団 機関誌)、no.14、1997.2、pp.2-12、「特集 オルフェウスの誘惑」
栗田秀法、「オルフェウスの絵を読み解く」/上尾信也、「ハープの魔力 中世の竪琴とその象徴性」/有村祐輔、「魂に響く音楽の秘密

フランソワ・スクレ、「ルネサンスのオルフェウス」、『世界神話大事典』、2001、pp.810-811
ジャン・リシェ、「ロマン派のオルフェウス その詩的・霊的探求」、同上、pp.861-863

エリザベス・シューエル、高山宏訳、『オルフェウスの声 詩とナチュラル・ヒストリー』(高山宏セレクション〈異貌の人文学〉)、白水社、2014
原著は Elizabeth Sewell, The Orphic Voice. Poetry and Natural History, 1960
序/ベーコンとシェイクスピア ポストロジカル思考/エラズマス・ダーウィンとゲーテ リンネ分類学とオウィディウス分類学/ワーズワースとリルケ 思考の生物学へ/『オルフェウスの声』のために働く詩//
訳が遅れた効用(高山宏)など、582ページ。


John Warden ed., Orpheus. The Metamorphoses of a Myth, University of Toronto Press, Toronto, Buffalo & London, 1982
『オルペウス 神話の変容』
名高きオルペウス
(Emmet Robbins)/ウェルギリウスとオウィディウスのオルペウスと: flebile nescio quid (W.S. Anderson)/オルペウスの歌とキリストの新しい歌(Eleanor Irwin)Sparagmos:キリスト教徒の間でのオルペウス(Patricia Vicari)/オルペウスとフィチーノ(John Warden)/イタリア・ルネサンスの美術におけるオルペウスの神話、1400-1600(Giuseppe Scavizzi)/『オルフェオ』と『エウリディーチェ』、最初の二つのオペラ(Timothy J. McGee)/カルデロンの『神のごときオルペウス』におけるオルペウスと悪魔(Pedro León)など、254ページ。

Charles Segal, Orpheus. The Myth of the Poet, The Johns Hopkins University Press, Baltimore & London, 1989
『オルペウス 詩人の神話』
オルペウスの魔術と言葉の曖昧さ/オルペウスと『農耕詩』第4歌:自然と文明に関するウェルギリウス/オウィディウスのオルペウスとアウグストゥス・イデオロギー/オルペウスに関するウェルギリウスとオウィディウス:二度目の観察/不協和な共感:セネカの悲劇における歌、オルペウスと黄金時代/リルケにおけるオルペウス:存在の秘められた根/古代から今日にいたるオルペウス:回顧と予見など、254ページ


Dorothy M. Kosinski, Orpheus in Nineteenth-Century Symbolism, UMI Research Press, Ann Arbor & London, 1989
『19世紀象徴主義におけるオルペウス』
オルペウスの神話:芸術と文学における変容/19世紀におけるオルペウス:知的文脈/獣を馴らし、人を鎮めるオルペウス/オルペウスとエウリュディケー:ハーデースにおけるオルペウス/嘆くオルペウス/オルペウスの死/20世紀におけるオルペウス像など、448ページ


Robert McGahey, The Orphic Moment. Shaman to Poet-Thinker in Plato, Nietzsche, & Mallarmé, State University of New York Press, 1994
『オルペウス的契機 プラトーン、ニーチェ、マラルメにおけるシャーマンから詩人=思想家へ』
裂け目、境界、橋としてのオルペウス/プラトーンのオルペウス的宇宙/頽廃期における同胞たち:マラルメ、ニーチェとオルペウス的ヴァーグナー/マラルメにおけるオルペウス的瞬間/墓、扇、宇宙論:獄屋からの眺めなど、232ページ


Catalogue de l'exposition Les métamorphoses d'Orphée, Musée des Beaux-Arts de Tourcoing, Musée de la Ville de Strasbourg, Musée Communal d'Ixelles, Bruxelles, 1994-1995
『オルペウスの変身』展カタログ
オルペウス、古典神話/オルペウス、近代の神話/舞台のオルペウス/カタログ(163項目)など、220ページ


また、

エドゥアール シュレー、『偉大な秘儀参入者たち』、2013(原著は1889)、5章目「オルフェウス ディオニュソスの秘儀」
なお、上掲の栗田秀法「オルフェウスの絵を読み解く」(『きざし』、no.14、1997.2)タイトルの「絵」はプッサンの《オルフェウスとエウリュディケのいる風景》です。

上記 Les métamorphoses d'Orphée 展カタログをはじめとして、オルペウスの図像も枚挙にいとまがないほど数多いとして、ここではギュスターヴ・モローのサロン出品作のみ挙げておきましょう(→こちらも参照)。
モローにはこれ以外にもオルペウスを描いた作品は少なくないのですが、それはさておき、また、

Victor Segalen, Gustave Moreau., Maître imagier de l'Orphisme, A Fontfroide, Bibliothèque Artistique & Littéraire, Fata Morgana, 1984
『ギュスターヴ・モロー オルフィスムの画匠』
といった本があったりもします。1908年3月の日付けがある未完成の原稿(p.82)を
Éliane Formentelli が校訂し、ピエール=ルイ・マテューの序文をつけて刊行したもの。

また;

『オルフェ』(1949、監督:ジャン・コクトー、原題 Orphée

あわせて;

『詩人の血』(1930、監督:ジャン・コクトー、原題 Le sang d'un poète
『オルフェの遺言』(1959、監督:ジャン・コクトー、原題 Le testament d'Orphée

さらに;
『黒いオルフェ』(1959、監督:マルセル・カミュ、原題 Orfeu negro
(→こちらでも挙げています
プッサン、《オルフェウスとエウリュディケのいる風景》、1650頃 
プッサン
《オルフェウスとエウリュディケのいる風景》
1650頃


モロー、《オルペウス》、1865
モロー
《オルペウス》
1865年


* 画像をクリックすると、
拡大画像とデータが表示されます。

iii. ヘレニズム、ローマの諸宗教とその周辺

i. ギリシャ神話とその周辺」の項目でも、ウェルギリウスやオウィディウスをはじめとして、すでにいくらか挙がってているのですが;

小川英雄、『オリエント神話99の謎-神々と宗教の起源を探る』(サンポウ・ブックス 160)、サンポウジャーナル、1978
古代オリエント宗教とはなにか-宗教と古代文明/神々は、いかに誕生したか-起源/神々は、どう変身したか-救済宗教/密儀教とはなにか-教団と救済/古代末まで生き延びた宗教-各派の起源と動向/救済に必要な神話はなにか-救世主の誕生/救済に必要な儀式はなにか-彼岸への道/宗教の迫害と公認はなぜ表裏一体か-国教会の夢と現実/オリエント宗教はどうひろまったか-宣教のルートなど、236ページ。

なお本書は、「タイトル、章名、内容を大幅に改訂、増補して」(p.215)、『古代オリエントの宗教』(エルサレム文庫 2)、エルサレム宗教文化研究所、1985、として刊行されました、244ページ。


E.R.ドッズ、井谷嘉男訳、『不安の時代における異教とキリスト教 マールクス・アウレーリウス帝からコンスタンティーヌス帝に至るまでの宗教体験の諸相』、日本基督教団出版局、1981
原著は Eric Robertson Dodds, Pagan and Christian in an Age of Anxiety. Some Aspects of Religious Experience from Marcus Aurelius to Constantine, 1965
人間と物質的世界/人間とダイモーン的世界/人間と神的な世界/異教とキリスト教との対話など、306ページ。
同じ著者のこちらも参照


スチュアート・ペローン、中島健訳、『ローマ神話』、青土社、1993
原著は Stewart Perowne, Roman Mythology, 1969
起源/神々/儀式/国家宗教/新来の神々/エピクールス学派とストア学派/不死の願い/オロンテース河、ナイル河、ティヴェレ河/モーセとミトラ/永遠の都/キリストとカエサルなど、318ページ。

松本宣郎、「アエネアスの冥府下り-古代ローマ人にとっての死後の世界」、『ユリイカ』、臨時増刊号vol.26-13、1994.12、「総特集 死者の書」、pp.152-159

ジョスリン・ゴドウィン、吉村正和訳、『図説 古代密儀宗教』、平凡社、1995
原著は Joscelyn Godwin, Mystery Religion in the Ancient World, 1981
序-五つの道/ローマの神々/神話体系/皇帝礼拝/魔術と民間信仰/哲学者たち/ユダヤ教/グノーシス主義/キリスト教/ミトラスとアイオン/キュベレとアッティス/イシスとセラピス/ディオニュソス/オルペウスとヘラクレス/地方神/混淆宗教など、296ページ。
同じ著者による→こちらを参照

フランツ・キュモン、小川英雄訳、『古代ローマの来世観』、平凡社、1996
原著は Franz Cumon, After Life in Roman Paganism, 1922
歴史的展望/墓の中の来世/冥界/天界における不死/不死の獲得/不慮の死/彼岸への旅路/地獄の責苦と輪廻/至福者の恵みなど、298ページ。

小川英雄、『ローマ帝国の神々 光はオリエントより』(中公新書 1717)、中央公論社、2003
古代オリエントの神話と宗教/ヘレニズムからローマへ/ローマ帝国の宗教/イシスとセラピス-エジプト系の神々/シリアの神々/キュベレとアッティス-小アジアの神々/ミトラス教-イラン起源の神/ユダヤ教の存続/キリスト教-その成立と発展/グノーシス主義/占星術の流行など、210ページ。

キース・ホプキンズ、小堀馨子・中西恭子・本村凌二訳、『神々にあふれる世界 古代ローマ宗教史探訪』(上下)、岩波書店、2003
原著は Keith Hopkins, A World Full of Gods, 1999
上巻;神々にあふれる世界/ユダヤ教徒とキリスト教徒、あるいはいかにして死海文書は見出され、そして喪われたか?/キリスト教革命/イエスと双子の兄弟など、366ページ。
下巻;魔術、神殿縁起、圧倒する力/異教徒対キリスト教徒対ユダヤ教徒/宇宙をふたたびつくりあげる/イエスと新約聖書、あるいは聖なる英雄の構築など、360ページ。


小堀馨子、「古代ローマの太陽神-帝政期前半を中心に-」、松村一男・渡辺和子編、『太陽神の研究 宗教史学論叢8』(下巻)、リトン、2003、pp.151-169
研究史/王政期(前753年頃-前509年頃)/共和政期(前509年頃-前27年)/帝政初期(前27年-後98年)/帝政中期(後世紀(五賢帝時代)-後3世紀前半)など

中西恭子、「帝政後期ローマの皇帝たちと太陽神-ソル・インウィクトゥス信仰を中心に-」、松村一男・渡辺和子編、『太陽神の研究 宗教史学論叢8』(下巻)、リトン、2003、pp.170-182
ポーメーリウムの外で-地方宗教としてのソル・インウィクトゥス祭祀-/国家祭儀の中のソル・インウィクトゥスなど

J.J.バハオーフェン、平田公夫・吉原達也訳、『古代墳墓象徴試論』、作品社、2004
原著は J.J. Bachofen, Versuch über die Gräbersymbolik der Alten, 1859
三つの密儀卵-ある墓絵 図版三/縄ない人オクノス-ある墓絵 図版一、二//
解説(上山安敏)など、672ページ。


フランツ・キュモン、永澤峻訳、「ローマ人の葬礼のシンボリズムに関する調査研究 序論および第一章の一」、永澤峻編、『死と来世の神話学』、言叢社、2007、pp.143-251
原著は Franz Cumon, Recherche sur le symbolisme funérarire des romains, 1942

高橋宏幸、「ラテン文学に見る霊魂と伝統」、『アジア遊学 128 古代世界の霊魂観』、勉誠出版、2009.12、pp.43-49
パトロクロスのプシューケー/キュンティアのマーネース/言霊の不死/「ローマ人」の伝統/「ローマの英雄のカタログ」/伝統と霊魂など
………………………

Franz Cumon, Oriental Religions in Roman Paganism, Dover Publications, New York, 1911/1956

『ローマの異教におけるオリエントの諸宗教』
原著は
Franz Cumon, Les religions orientales dans le paganisme romain, 1906/1909
Grant Showerman による序論/ローマとオリエント/なぜオリエントの諸宗教はひろがったのか/小アジア/エジプト/シリア/ペルシア/占星術と魔術/ローマの異教の変容など、324ページ。

Franz Cumon, Astrology and Religion among the Greeks and the Romans, Dover Publications, New York, 1912/1960
『ギリシア人とローマ人の間での占星術と宗教』
カルデア人たち/バビロンとギリシア/西方への伝播/神学/星の神秘主義倫理と礼拝/終末論など、128ページ。

Richard Reitzenstein, translated by John E. Steely, Hellenistic Mystery-Religions. Their Basic Ideas and Significance, 1926(3rd)/1978
『ヘレニズムの密儀宗教 その基本的な理念と意義』
講義(pp.1-107)//
附録と解説;素材へのアプローチとその定義/オリエントとヘレニズムの礼拝/ミュスタイ、神の戦士、神の俘虜/ペルシア統治の宗教的衝撃/アプレイウスの報告/ピスティスのヘレニズム的概念/哲学者と預言者/密儀と原始的宗教/密儀の内面化/神との愛=合一/選択、呼び声、正当化、賛美/変容についての名称/器官としての徳と悪徳/新たなマーニー教断片/グノーシスとプネウマの概念/霊的人間としてのパウロ/グノーシス主義者たちの専門用語/ロマン主義における二元的回答/自己の意味/パウロの発展史についてなど、584ページ。
引用文は原語のままで翻訳なし。

著者は〈宗教史学派〉を代表する研究者の一人。同じ学派のブセットによる→こちらも参照


Yves Lehmann, La religion romaine. Des origines au Bas-Empire, (Que sais-je? 1890), Presses Universitaires de France, 1981
『ローマの宗教 起源から末期ローマ帝国まで』
共和制ローマにおける宗教制度/共和制におけるローマ人の神々/ローマの宗教の変容/ローマの異教の展開、衰退と死など、128ページ。

………………………

エジプトのページで挙げた

プルタルコス、柳沼重剛訳、『エジプト神イシスとオシリスの伝説について』(岩波文庫 青664-5)、岩波書店、1996

アプレイウス、呉茂一訳、『黄金のろば』(上下巻)(岩波文庫 赤118-1/118-2)、岩波書店、1956/1957

Sarolta A. Takáks, Isis & Sarapis in the Roman World, (Religions in the Graeco-Roman World. vol.124), E.J.Brill, Leiden, New York & Koln, 1995

およびイランのページで挙げた

Joseph Bidez et Franz Cumont, Les Mages hellénisés. Zoroastre, Ostanès et Hystape d'après la tradition grecque, vols.Ⅰ&Ⅱ, Arno Press, New York, 1938/1975

なども本来はここに入れるべきものでしょう。

iv. ミトラス教

フランツ・キュモン、小川英雄訳、『ミトラの密儀』、平凡社、1993
原著は Franz Cumon, Les mystères de Mithra, 1899/1902/1913
ローマ帝国への伝播/ミトラと皇帝権力/密儀の教義/典礼・祭司・信者/ミトラとローマ帝国の諸宗教/補遺;ミトラ教美術など、248ページ。

スティグ・ヴィカンデル、「ミスラスの秘儀研究」、前田耕作編・監修、檜枝陽一郎・中村忠男・与那覇豊訳、『アーリヤの男性結社 スティグ・ヴィカンデル論文集』、言叢社、1997、pp.163-212
原著Stig Wikander, ‘Études sur les mystères de Mithras. Ⅰ. Introduction’, 1950

フェルマースレン、小川英雄訳、『ミトラス教』、山本書店、1973
原著は Marten M. Vermaseren, Mithras de geheimzinnige god, 1959
インドとイランのミトラス神/ゾロアスターとマゴス神官たち/ミトラス神のヨーロッパ到来/ミトラ神の信徒たち/布教の手段/ミトラス神殿/主要なミトラス神殿の概観/ミトラス神の最大の聖業/牛を屠る神の周囲のシーン/ミトラス神一代記/ミトラス教の神々/永遠時間の神/密儀の階梯/宗門の七つの位階/星と元素/女性とミトラス教の宗門/人身御供/典礼歌/サンタ・プリスカ教会地下からの新しい文字史料/奉納物とその制作者-ミトラス教美術/不敗の神の敗北など、262ページ。

小川英雄、『ミトラス教研究』、リトン、1993
序論-ローマ帝国への古代オリエント宗教の流入/研究の歴史と現状;キュモンのミトラス教研究とその問題点、ミトラス教の基本的性格/ユーラシアにおけるミトラス信仰;イラン以東、イラン以西/ミトラス教の形成期;小アジアとシリアのミトラス教、ミトラスとメルカルト、ミトラスとシャドラファ/初期ミトラス教;ドゥラ・エウロポスのミトラス神殿、ドゥラ・エウロポス以外の初期ミトラス教、初期ミトラス教とドゥラ・エウロポス/ミトラス教の軍事的要素;軍人とアリマニウス、救済・はしご・兵士、ミトラス教神統記と時間神/ミトラス教の女性的要素;信者組織における女性的要素、神観念の女性的要素についての諸見解、ミトラスと地母神崇拝/結び-ミトラス教の起源を求めてなど、418ページ。

小川英雄、「ミトラとクロノス」、『オリエント』、vol.Ⅶ、no.3-4、1964、pp.63-78 [ < J-STAGE

小川英雄、「ミトラスの密儀と太陽神」、松村一男・渡辺和子編、『太陽神の研究 宗教史学論叢8』(下巻)、リトン、2003、pp.183-202
太陽神ミトラスの前史/太陽神ミトラス/ソル・インウィクトゥスとミトラス/図像に描かれた太陽神ソルなど

井上文則、「ミトラス教研究の新動向-『牡牛を殺すミトラス像』の天文学的、占星術的解釈-」、『西洋古代史研究』、no.4、2004.2.25、pp.19-35[ < KURENAI 紅 京都大学学術情報リポジトリ

小川英雄、「ミトラス教 ペルシア発祥の幻の世界宗教」、『別冊 環 8 オリエントとは何か-東西の区分を超える-』、藤原書店、2004.6.30、pp.162-169
序-オリエントとミトラス教/ミトラス教とオリエント的要素/ミトラス教の神殿・図像・信者/結び-ミトラス教とキリスト教

青木健、『古代オリエントの宗教』、2012、pp.109-127:「第4章 ミトラ信仰とアルメニア正統使徒教会-4~5世紀のアルメニア」
ミトラ信仰の聖地アルメニア/ローマ帝国のミトラ教へ/アルメニア正統使徒教会が成立したとき
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以下、Encyclopædia Iranica

Roger Beck, ‘COSMOGONY AND COSMOLOGY  ii. In Mithraism’ < COSMOGONY AND COSMOLOGY
「宇宙開闢論と宇宙論 ii ミトラス教において」

Franz Grenet, ‘MITHRA  ii. ICONOGRAPHY IN IRAN AND CENTRAL ASIA’ < MITHRA
「ミスラ ii イランと中央アジアにおける図像誌」

Roger Beck, ‘MITHRAISM
「ミトラス教」

また

Ugo Bianchi, "Mithraism and Gnosticism", Selected Essays on Gnosticism, Dualism and Mysteriosophy, 1978, pp.208-216

Howard M. Jackson, The Lion Becomes Man. The Gnostic Leontomorphic Creator and the Platonic Tradition, 1985, pp.149-171: "3-7. The Mithraic Leontocephaline"
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一般にヴェーダの Mitra は「ミトラ」、アヴェスタの Mithra は「ミスラ」と表記されますが、ヘレニズムの Mithras はラテン語読みに従って「ミトラス」としています。
他方、近代におけるフィクションとしての「ミトラ教」の例として;


幻斎坊、「ミトラ教の宇宙論」、『ユリイカ』、vol.25-6、1993.6;「特集 占星術 照応と象徴のコスモロジー」、pp.202-207
ミトラ教とマニ教/コスモスの誕生/コスモスの存在目的/ゾディアックとはなにか/太陽、月、そして5人の惑星司神たち/ホロスコープの解釈

東條真人、『ミトラ神学 古代ミトラ教から現代神智学へ』、1996
2013/05/27 以後、随時修正・追補 
ギリシア・ヘレニズム・ローマ Ⅱ
ソークラテース前派、プラトーン、アリストテレース、ストア派、中期プラトーン主義、新プラトーン主義など
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