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 近代など(20世紀~)
近代など Ⅱ(20世紀~)
数学系のものなど
iv 『フラットランド』の系譜など
v ルーディ・ラッカー(1946- )など
vi 次元など
vii ゲーデル(1906-1978)など
viii 無限、その他
哲学系、神秘学系のものなど
ix 英米から
ジェイムズ(1842-1910)ホワイトヘッド(1861-1947)とプロセス神学イェイツ(1865-1939)クロウリー(1875-1947)
x フランスから
ベルクソン(1859-1941)ゲノン(1886-1951)テイヤール・ド・シャルダン(1881-1955)
xi ロシアから
ベルジャーエフ(1874-1948)ウスペンスキー(1878-1948)グルジェフ(1866-1949)
xii 現象学とその系譜、他
フィンク(1905-1975)ハイデッガー(1889-1976)メルロ=ポンティ(1908-1961)
xiii シュタイナー(1861-1925)の人智学など
xiv 可能世界論など
xv 時間論、その他
xvi 20世紀神秘学の歴史など
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 Ⅳ 小説類など
xvii ブックガイド、通史など
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シェーアバルト(1863-1915)ブラックウッド(1869-1951)ホジスン(1875-1918)ダンセイニ(1878-1957)リンゼイ(1878-1945)ステープルドン(1886-1950)C.S.ルイス(1898-1963)ボルヘス(1899-1986)ドーマル(1908-1944)
xix ラヴクラフトとクトゥルー神話など
xx 個々の著述家など-日本 Ⅰ(20世紀前半等)
稲垣足穂(1900-1977)埴谷雄高(1909-1997)夢野久作(1889-1936)、その他
    おまけ 
 Ⅴ 小説類など(承前)
xxi 個々の著述家など-海外 Ⅱ(20世紀後半等)
 Ⅵ 小説類など(承前)
xxii 個々の著述家など-日本 Ⅱ(20世紀後半等)
xxiii 日本の漫画、アニメーションその他

Ⅱ 数学系のものなど

iv. 『フラットランド』の系譜など

「ロマン主義、近代など(18世紀末~19世紀)」のページの「ix. 個々の著述家など Ⅴ」の項の「アボット(1838-1926)とヒントン(1853-1907)」のところでも触れましたが、アボットの『フラットランド』(1884)はいろいろなところで言及されるだけでなく、続篇の類も一つならず生みだしました;

ブルガー、石崎阿沙子訳、『多次元★球面国 ふくらんだ国のファンタジー』、東京図書、1992
原著は Dionys Burger, Sphereland. A Fantasy about Curved Spaces and an Expanding Universe, 1965
オランダ語原本は1957年刊。
序-球面国への招待(森敦)//
フラットランドの概略//
球面国;まっすぐな世界/合同と対称/
湾曲(カーブ)する世界/膨張する宇宙など、232ページ。

後出のデュードニー『プラニバース』(1989)によれば、「アボットの世界とヒントンの世界を和解させ」たもの(p.310)。

イアン・スチュアート、青木薫訳、『2次元より平らな世界 ヴィッキー・ライン嬢の幾何学世界遍歴』、早川書房、2003
原著は Ian Stewert, Flatterland. Like Flatland, Only More So, 2001
まえがき-フラットランドからフラッターランドへ/A・スクエア文書の発見 謎の3次元世界/ヴィクトリアの日記 暗号解読と魔人の召還/異次元からの訪問者 数学的宇宙(マセバース)への誘い/7次元の自転車はどんな形か 次元とは何だろう/フラクタルの森 簡単なルールが複雑なパターンを作る/トポロジストのお茶会 大事なのは〝穴〟と〝向き〟/近づくのと遠ざかるのは同じこと 射影幾何学と遠近法/ビストロでワイン 有限射影幾何学で効率的な区画設計(ブロックデザイン)を/幾何学ってなに? 変換群と不変量/お皿の国(プラターランド) 美しき非ユークリッド幾何学の世界/猫の波が収縮するとき 量子の世界は確率を表す関数の空間/哀しきパラドックスの双子 特殊相対論のおかしな時空/鷹の王の玉座 重力の幾何学/タイムトラベルの陥穽 ファインマン・ダイグラムとペンローズ・マップ/ビッグバンへさかのぼる 時間と空間の始まり/すべてを説明する理論を求めて ひもと膜の幾何学/フラッターランド 二次元より平らな世界/新たな始まりなど、446ページ。

アボット(1838-1926)とヒントン(1853-1907)」で挙げた

エドウィン・アボット・アボット、イアン・スチュアート注釈、『フラットランド 多次元の冒険』、2009
の「はじめに」や詳細な注釈も参照

また、同じくフィクション仕立てのものに

A.K.デュードニー、野崎昭弘監訳、野崎昌弘・市川洋介訳、『プラニバース 二次元生物との遭遇』、工作舎、1989
原著は Alexander Keewatin Dewdney, The Planiverse. Computer Contact with a Two-Dimensional World, 1984
2Dワールドとの交信/円形惑星アルデ/海辺の家にて/大海フィディブ・ハール/首都イズ・フェルブルトへの道/地下都市での滞在/哲学者との出出会い/ピュニズラ研究所/芸術都市セマ・ルーブルト/ダール・ラダムの高みに/古代神殿での体験/高次元への旅//
付録 プラニバースの科学技術//
著者あとがき 2次元宇宙の創造者たち/監訳者あとがき 2次元での「可能性」と「不可能性」(野崎昭弘)//
プラニバース用語集/プラニバース研究 1~19など、326ページ。


クリフォード・A・ピックオーバー、河合宏樹訳、『ハイパースペース・サーフィン 高次元宇宙を理解するための6つのやさしいレッスン』(Newton Science Series)、ニュートンプレス、2000
原著は Clifford A. Pickover, Surfing through Hyperspace. Understanding Higher Universes in Six Easy Lessons, 1999
序論/自由度/高次元の神/サタンおよび直交する諸世界/超球とテセラクト(4次元立方体)/鏡の世界/ハイパースペースの神々/結論//
付録;頭を錯乱させる4次元パズル/SFにおける高次元/バンチョフ・クラインの壺/4元数/4次元迷路/コンピューター・マニアのための雑多な寄せ集め/4次元生物の進化/さらなる思考に挑戦する問題/ハイパースペースの文献//
補遺など、384ページ。

v. ルーディ・ラッカー(1946- )など

100パーセントがフィクション仕様というわけではありませんが、内に『フラットランド』の続篇を含むのが;

ルドルフ・ラッカー、金子務訳、『かくれた世界 幾何学・4次元・相対性』、白揚社、1981
原著は Rudolf v. B. Rucker, Geometry, Relativity and the Fourth Dimesion. 1977
第4次元 タマコ姫との不運な出会い/非ユークリッド幾何学 ギロチン首抜け事件の奇妙な顛末/曲がった空間 イキイキフレーク博士は世界の涯を見たのか?/より高い次元としての時間 君がスーパーマンになる日/特殊相対性理論 宇宙船と納屋での困った証言/タイミ・トラヴェル ある反惑星の反人間の一生/時空のかたち クネルセン国のブラックホール/結論など、256ページ。

ルディ・ラッカー、挿絵:デーヴィッド・ポヴィレイティス、金子務監訳、竹沢攻一訳、『4次元の冒険 幾何学・宇宙・想像力』、工作舎、1989
原著は Rudy Rucker, The Fourth Dimension. A Guided Tour of the Higher Universe, 1984
序(マーティン・ガードナー)//
4次元;新しい方向/フラットランド/過ぎ去った世界/鏡の国/幽霊は超空間からやって来る//
空間;世界を作っているもの/空間の形/別世界への魔法の扉//
方法;時空日記/タイムトラベルとテレパシー/実在とは何か?など、304ページ。


余談ですが、前の勤め先で『エドゥアルド・チリーダ展』(2006)が開かれた際、図録のためにコスメ・デ・バラニャーノの論文「チリーダ:沈黙と空間」を訳することになったのですが、たいがいややこしい言葉がいっぱい出てきた中で、とりわけ「ホモロイダル homoloidal」という単語の意味がどうしてもわからずじまいでした(図録、p.17 左段の下の方、英訳は同、p.172 右段の最初の段落。『エドゥアルド・チリーダ展』図録三重県立美術館のサイト)。
検索のやり方がまずかったのでしょう、ウェブ上でもうまく見つけるにいたらなかったのですが、ラッカーのこの本に出てきていたのに、ずっと後になって出くわしたのでした。すなわち、「2次元の平坦な空間は平面と呼ばれ、3次元の平坦な空間はしばしばホモロイダル空間と呼ばれている」とのこと(p.127)。


なお、ラッカーの小説からすでにロマン主義、近代など(19世紀)」のページの「viii. エドガー・アラン・ポー(1809-1849)など」の項で空洞地球』を挙げましたが、あわせて手元にあるものを並べておくと;

ルーディ・ラッカー、大森望訳、『時空ドーナツ』(ハヤカワ文庫 SF ラ-3-9)、早川書房、1998
原著は Rudy Rucker, Spacetime Donuts, 1981
刊行は先後しましたが、こちらが処女長編とのこと。

ルーディ・ラッカー、黒丸尚訳、『ホワイト・ライト』(ハヤカワ文庫 SF ラ-3-4)、早川書房、1992
原著は Rudy Rucker, White Light, 1980
「原題を直訳すれば、『ホワイト・ライト、あるいはカントルの連続体問題とは何か?』」とのこと(p.357)。

ルーディ・ラッカー、黒丸尚訳、『ソフトウェア』(ハヤカワ文庫 SF ラ-3-1)、早川書房、1989
原著は Rudy Rucker, Software, 1982

ルーディ・ラッカー、大森望訳、『セックス・スフィア』(ハヤカワ文庫 SF ラ-3-5)、早川書房、1992
原著は Rudy Rucker, The Sex Sphere, 1983
エピグラフはヒントン「多次元」(1885)とアボット『フラットランド』からで、物語も後者を下敷きにしているとのこと(「訳者あとがき」、pp.325-326)。

R.ラッカー、黒丸尚訳、『時空の支配者』(新潮文庫 ラ-8-1)、新潮社、1987
原著は Rudy Rucker, Master of Space and Time, 1985

R.ラッカー、黒丸尚訳、『空を飛んだ少年』(新潮文庫 ラ-8-2)、新潮社、1987
原著は Rudy Rucker, Master of Space and Time, 1985

ルーディ・ラッカー、黒丸尚訳、『ウェットウェア』(ハヤカワ文庫 SF ラ-3-2)、早川書房、1989
原著は Rudy Rucker, Wetware, 1988

ルーディ・ラッカー、黒丸尚訳、『空洞地球』(ハヤカワ文庫 SF ラ-3-3)、早川書房、1991
原著は Rudy Rucker, The Hollow Earth, 1990

ルーディ・ラッカー、黒丸尚・他訳、『ラッカー奇想博覧会』(ハヤカワ文庫 SF ラ-3-7)、早川書房、1995
日本で編集された短編集。原著は 1980-1995
遠い目/57番目のフランツ・カフカ/パックマン/自分を食べた男/慣性/虚空の牙/第3インター記念碑/柔らかな死/宇宙紐だった男/宇宙の恍惚//
[エッセイ]1990年日本の旅/クラゲが飛んだ日(ラッカー&ブルース・スターリング)/[エッセイ]日本のアーティフィシャル・ライフなど、404ページ。


「遠い目」から1文をエピグラフとして引いたことがあります(p.27)→「両刃の斧の家、双頭のミノタウロス」、『今村哲』展図録 2000.6三重県立美術館のサイト

ルーディ・ラッカー、大森望訳、『ハッカーと蟻』(ハヤカワ文庫 SF ラ-3-8)、早川書房、1996
原著は Rudy Rucker, The Hacker and the Ants, 1994

ルーディ・ラッカー、大森望訳、『フリーウェア』(ハヤカワ文庫 SF ラ-3-10)、早川書房、2002
原著は Rudy Rucker, Freeware, 1997 

vi. 次元など

ルーディ・ラッカーからの続きで、まずは;

三浦朱門訳、『第4次元の小説 幻想数学短編集』(地球人ライブラリー 006)、小学館、1994
クリフトン・ファディマン編、FANTASIA mathematica, 1958 をもとにした1959年刊の訳本から、7編を選び、改訂・注釈を加えた新版(p.284)。
タキポンプ(エドワード・ペイジ・ミッチェル)/歪んだ家(ロバート・A・ハインライン→こちらも参照)/メビウスという名の地下鉄(A.J.ドイッチュ)/数学のおまじない(H.ニアリング・Jr.)/最後の魔術師(ブルース・エリオット)/頑固な論理(ラッセル・マロニー)/悪魔とサイモン・フラッグ(アーサー・ポージス)//
コラム(吉永良正)/あとがき(三浦朱門)/解説(森敦)/リスト・オブ・ブックスなど、286ページ。


本間龍雄、『位相空間への道 直観的トポロジーの世界』(ブルーバックス B168)、講談社、1971
序章/グラフの章/曲線の章/曲面の章/歴史の章/高次元の章など、232ページ。

本間龍雄監修、『新しいトポロジー 基礎からカタストロフィー理論まで』(ブルーバックス B214)、講談社、1973
トポロジーの国/トポロジーの言葉/不動点定理/トポロジーのものさし/曲面を分類する/曲面と3次元多様体/コピーの世界/いろいろな結び目/高次元の曲面/モースの理論/トポロジーと代数の結婚/カタストロフィーの話/経済学におけるトポロジーなど、448ページ。

『現代思想』、vol.23-05、1995.5、pp.45-390:「特集 高次元多様体」
形・構造・次元(池田清彦・高木隆司)/高次元とかたち(小川泰)/空間の陰影としての次元問題(金子務)/芸術・科学における空間と次元(デーネシュ・ナジ)/神秘主義、ロマン主義、4次元(リンダ・D・ヘンダーソン)/曲面で考える夢のグラファイト(H.テロンズ+A.L.マッカイ)/4次元人の正体(宮崎興二)/相対性理論と論理実証主義(マイケル・フリードマン)/ダイナミカルシステムにおける次元の概念 その哲学的所見(ジョージ・L・ファー)/有限性世界の活路はどこにあるか 経済を遅くする力学(長沼伸一郎)/江戸時代の数学 高次方程式と「勘」(西田知己)/生物体の構造を考える フラクタル的構造に注目しながら(本多久夫)/他と多の素描(宇野邦一)/都市を4次元で考える(腰塚武志)/影たちの無限(谷口博史)/生成する被膜の作法(図版構成:木本圭子)+噛むことのメタローグ(桂英史)/かくも静穏な場所に……記憶と反復 序論(澤野雅樹)/生命と時間、そして原生-計算と存在論的観測(承前)(郡司ペギオー幸夫)/次元の誕生と変遷(松野孝一郎)/物理学の記述過程と記述空間(小嶋泉+聞き手:沼田寛)/高次元立方体を直観するための、3つの方法。(吉本直貴)/MOVING DIMENSION(戸村浩)/高次元のアーキテクチャー(日詰明男)/カオス的遍歴をめぐって(池田研介・金子邦彦+司会:沼田寛)

J.R.ウィークス、三村護・入江晴栄訳、『曲面と3次元多様体を視る 空間の形』、現代数学社、1996
原著は Jeffrey R. Weeks, The Shape of Space. How to Visualize Surfaces and Three-Dimensional Manifolds, 1985
曲面と3次元多様体/曲面上の幾何/3次元多様体上の幾何/宇宙など、216ページ。

「残念ながら、閉双曲3-多様体の多くの例は天文学者にはほとんど知られていません。天文学についての著書で、-誤って-双曲(負に曲がる)宇宙は開でなければならないと述べているのに往々にして出会うことがあります。この誤解に基づいて生じた用語は特に困るのです。天文学の文献では、『閉』は『楕円』(正に曲がる)を、『開』は『ユークリッドあるいは双曲』(=平坦あるいは負に曲がる)を意味するのに用いられています。また、この用語は閉双曲宇宙ということを述べることすら不可能にしています」と記されていたのが印象に残っています(p.185)。
また後掲のシュボーン・ロバーツ、『多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者』、2009、pp.304-309、392-390 にウィークスが登場します。


宮崎興二編著、石井源久・山口哲共著、『高次元図形サイエンス』、京都大学学術出版会、2005
図形的な高次元空間/基礎的な高次元図形/高次元図形の投影/高次元図形の回転と切断/正多胞体/準正多胞体と半正多胞体/正規多胞体/いろいろな多胞体/高次元球面/いろいろな超曲面など、284ページ。

後掲のシュボーン・ロバーツ、『多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者』、2009、p.219、pp.419-418の注(59) に宮崎興二が登場します。

小笠英志、『4次元以上の空間が見える』、ベレ出版、2006
タイムマシンとSF小説/次元ユークリッド空間 Rn/次元ユークリッド空間(c =2,3,4,5)の中のS1、S2次元球面Sn はすべての自然数)/さらに次元の図形の例 S1×Sn-1 は2以上の自然数)/ここまでに残した証明の概略/この本を読んだ後の進み方のいくつkなど、256ページ。

根上生也、『トポロジカル宇宙 ポアンカレ予想解決への道 完全版』、日本評論社、2007
初版は1993年。2006年のグレゴリー・ペレルマンによるポアンカレ予想解決を承けて、第6章が追加された。
宇宙の形とは?/丸い宇宙とは?/宇宙儀製造計画/第2期大航海時代/そして、宇宙の果てへ/第2000年紀を迎えて/封印の章など、220ページ。


シュボーン・ロバーツ、糸川洋訳、『多面体と宇宙の謎に迫った幾何学者』、日経BP社、2009
原著は Siobhan Roberts, King of Infinite Space. Donald Coxeter, the Man Who Saved Geometry, 2006
まえがき ドナルド・コクセターの個人的な思い出(ダグラス・R・ホフスタッター)//
純粋な幾何学;ドナルド・コクセターという人物/ミスター多胞体、ブダペストへ行く/不思議の国の若きドナルド/アリスおばさんとケンブリッジの回廊/プリンストンいおける才能の開花と対称性の神々/愛、死とルートヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン/三角形に死を!/政治と家庭の価値/ブルバキが著作に図形を入れるまで//
応用;バッキー・フラーと「幾何学のギャップ」の解消/C
60、免疫グロブリン、ゼオライト/M.C.エッシャーとの「コクセタリング」/宇宙のコクセター的な形//
余波;対称性に生きた人生//
付録;フィナボッチと葉序/3次元正多胞体および4次元正多胞体のシュレーフリ記号/コクセター図形/コクセター群/モーリーの奇跡/フリーマン・ダイソンの「流行らない学問」/結晶学とペンローズのトイレットペーパー/コクセターの数学出版物など、512ページ。


コクセターの言葉として、「我々が感覚で知っているすべての方向と第4次元が直交するからといって、そこに何か神秘的なものがあると想定するのは、とんでもない間違いだ」と述べられていたのが印象に残っています(p.77)。

新海裕美子、ハインツ・ホライス、矢沢潔、『次元とはなにか 0次元から始めて多次元、余剰次元まで、空間と時空の謎に迫る!!』(サイエンス・アイ新書 SIS-203)、ソフトバンク クリエイティブ株式会社、2011
0次元から1次元の世界へ/2次元の世界/3次元の世界/3次元から4次元時空へ/姿を現した5次元空間/ひも理論と多次元宇宙/人間はブレーン宇宙の住人?/あとがきとしての終章など、224ページ。 

vii. クルト・ゲーデル(1906-1978)など

上掲のルーディ・ラッカーの『かくれた世界 幾何学・4次元・相対性』(1981)と『4次元の冒険 幾何学・宇宙・想像力』(1989)でラッカーの考える無時間宇宙のモデルとされるのがゲーデルの宇宙論です。ゲーデルについては不完全性定理をめぐっていろいろあるものと思われますが、とりあえず;

パレ・ユアグロー、林一訳、『時間のない宇宙 ゲーデルとアインシュタインの最後の思索』、白揚社、2006
原著は Palle Yourgrau, A World without Time. The Forgotten Legacy of Gödel and Einstein, 2005
申し合わせた沈黙/形而上学に対するドイツ的偏向/ウィーン-論理サークル/論理学の館に潜むスパイ/ウィーンを離れるのは辛い/半神半人に混じって/神々の黄昏/ゲーデル(あるいは多の誰でも)はどの程度哲学者か?など、288ページ。

高橋昌一郎、『ゲーデルの哲学 不完全性定理と神の存在論』(講談社現代新書 1466)、講談社、1999
不完全性定理のイメージ;真理と証明/不完全性定理と万能システム/自己言及と自意識//
完全性定理と不完全性定理;ウィーン時代のゲーデル/ウィーン学団とヒルベルト・プログラム/不完全性定理の反響//
不完全性定理の哲学的帰結;プリンストン時代のゲーデル/ギブス講演/数学的実在論//
ゲーデルの神の存在論;晩年のゲーデル/ゲーデルの遺稿/神の存在論的証明//
不完全性定理と理性の限界;不完全性・非決定性・停止定理/人間機械論争/真理のランダム性と神の非存在論など、256ページ。


ダグラス・R・ホフスタッター、野崎昭弘・はやしはじめ・柳瀬尚紀訳、『ゲーデル、エッシャー、バッハ あるいは不思議の環』、白揚社、1985
原著は Douglas R. Hofstadter, Gödel, Escher, Bach. An Eternal Golden Braid, 1979
GEB;序論 音楽=論理学の捧げもの *3声の創意(インヴェンション)/MUパズル *2声の創意(インヴェンション)/数学における意味と形 *無伴走アキレスのためのソナタ/図と地 *洒落対法題/無矛盾性、完全性、および幾何学 *小さな和声の迷路/再帰的構造と再帰的過程 *音程拡大によるカノン/意味の所在 *半音階色の幻想曲、そしてフーガ演争/命題計算 *蟹のカノン/字形的数論 *無の捧げもの/無門とゲーデル//
EGB;*前奏曲 記述のレベルとコンピュータ・システム *フーガの蟻法/脳と思考 *英仏独日組曲/心と思考 *アリアとさまざまの変奏/ブーとフーとグー *G線上のアリア/形式的に決定不可能なTNTと関連するシステムの命題 *誕生日のカンターターターター/システムからの脱出 *パイプ愛好者の教訓的思索/自己言及と自己増殖 *マニフィ蟹ト、ほんまニ調/チャーチ、チューリング、タルスキ、その他 *SHRDLUよ、人の巧みの慰みよ/人。工知能=回顧 *コントラファクトゥス/人工知能=展望 *樹懶のカノン/不思議の環、あるいはもつれた階層 *6声のリチェルカーレなど、768ページ。


吉永良正、『ゲーデル・不完全性定理 "理性の限界"の発見』(ブルーバックス B947)、講談社、1992
プロローグ "理性の迷宮"への招待//
"数学の危機"がゲーデルを求めた;無限と何か?/集合とは何か?/真理とは何か?/数学とは何か?//
「不完全性定理」とは何か?;証明と何か?/理性とは何か?/天才とは何か?//
エピローグ "理性の限界"からの出発など、296ページ。
 

viii. 無限、その他

数学関係の本は山ほどありますが、いかんせん頭の回路がついていってくれないので、とりあえず手元にあるものということで;

川尻信夫、『「集合」の話』(講談社現代新書 286)、講談社、1972
序章 無限の算術/集合の考え方/写像と論理/「数える」ということ/カントルの集合論/集合と現代数学など、226ページ。

小野勝次、『時空と連続 つぎはぎだらけの世界像』(ブルーバックス B229)、講談社、1974
つぎはぎだらけの世界像;野球の審判/芋虫と蝶/双生児/成長/割り符/垣間見る世界/つぎはぎだらけの世界像//
流転の舞台;位置の変化/浦島太郎物語/時の流れ/奇妙な統制/すっかり変わった都会/流転を眺める/絶対空間への夢//
舞台の枠組み;時の刻み/世界を見る/「いつ・どこで?」/10進数ではかる/10進数の順序付け/割り込みの余地//
連続と断絶;連続的とは?/直前の予想/極限と連続/爆発・衝突/断絶は連続寄り/断絶へのアプローチ/宇宙の外など、192ページ。


『エピステーメー』、vol.2 no.10、1976.11、pp.7-140:「特集 数学の美学」
ピュタゴラスの数学(M.P.ホール)/ガリポリあるいは数の神秘主義(G.R.ホッケ)/〈数〉の比較神話学(吉田敦彦)/プラトンの対話と抽象化の間主観的な発生(M.セール)/易経における時間概念(H.ウィルヘルム)/数学的自然科学の成立 ガリレイ・ケプラー・ニュートン(E.ブロッホ)/アナロギアの論理 イデア論と比例形式(五十嵐一)/数、夢、言語そして詩(E.シュウェル)/もつれっ話(L.キャロル)/45元の魔界 ある「銀河鉄道」論における確率論的難点を論じて、そば屋の品書きの宇宙的照応性に及ぶ(入沢康夫)/脳の力学系とカタストロフィー ジーマンの論文予稿から(野口広)
同号は松山俊太郎「古代インド人の宇宙像 Ⅲ」も所収(pp.166-183)


小島寛之、『数学迷宮 メタファーの花園に咲いた1輪のあじさいとしての数学』、新評論、1991
SF 異界からインサイド・ルッキングアウト/アキレスは今でも亀を追いかけ続けている/数学夜話 存在の耐えられない重さ/無限が牙をむくとき-カントールの集合論へのレクイエム/啓蒙書フリークによる〝迷宮〟ブックガイドなど、280ページ。

足立恒雄、『無限の果てに何があるか 現代数学への招待』(Kappa Science 5-72)、光文社、1992
プロローグ 「異文化」への招待状//虚数とは何か;存在と非存在の両生類/虚数の誕生/虚数がひらいた世界/虚数よりも不可解な実数//
三角形の内角の和はホントに2直角か;「大地」の幾何学/非ユークリッドの幾何学の世界像/モデルと現実/「意味」からの脱却//
1+1はなぜ2なのか;数学における「真理」とは/「集合」の威力/記号で「論理」を表現する/0からの出発/けっきょく、1+1とは何か//
無限とは何か;「実無限」と「仮無限」/「極限」という名の仮無限/「集合」という名の実無限/自分の正しさは、自分では証明できない、など、252ページ。


新井朝雄、『ヒルベルト空間と量子力学 共立講座 21世紀の数学 16』、共立出版株式会社、1997
ヒルベルト空間/ヒルベルト空間上の線形作用素/作用素解析とスペクトル定理/自己共役作用素の解析/偏微分作用素の本質的自己共役性とスペクトル/量子力学の数学的原理/量子調和振動子//
付録;ルベーグ積分論における基本定理/確率論の基本的事項など、286ページ。


アミール・D・アクゼル、青木薫訳、『「無限」に魅入られた天才数学者たち』、早川書房、2002
原著は Amir D. Aczel, The Mystery of the Aleph. Mathematics, the Kabbalah, and the Search for Infinity, 2000
ハレ/無限の発見/カバラ/ガリレオとボルツァーノ/ベルリン/円積問題/学生時代/集合論の誕生/最初の円/「我見るも、我信ぜず」/悪意に満ちた妨害/超限数/連続体仮説/シェイクスピアと心の病/選択公理/ラッセルのパラドックス/マリエンバート/ウィーンのカフェ/1937年6月14日から15日にかけての夜/ライプニッツ、相対性理論、アメリカ合衆国憲法/コーエンの証明と集合論の未来/ハルクの無限の輝き/付録 集合論の公理など、258ページ。

本書の主役はカントール(1845-1918)です。
同じ著者による→こちらを参照

また→こちらにも挙げておきます

チャールズ・サイフェ、林大訳、『異端の数 ゼロ 数学・物理学が恐れるもっとも危険な概念』、早川書房、2003
原著は Charles Seife, Zero, 2000
第0章 ゼロと無/無理な話-ゼロの起源/無からは何も生まれない-西洋はゼロを拒絶する/ゼロ、東に向かう/無限なる、無の神-ゼロの神学/無限のゼロと無信仰の数学者-ゼロと科学革命/無限の双子-ゼロの無限の本性/絶対的なゼロ-ゼロの物理学/グラウンド・ゼロのゼロ時-空間と時間の端にあるゼロ/第∞章 ゼロの最終的勝利/付録A~Eなど、270ページ。

イーヴァル・エクランド、南條郁子訳、『数学は最善世界の夢を見るか? 最小作用の原理から最適化理論へ』、みすず書房、2009、「第3章 最小作用の原理」
原著は Ivar Ekeland, Le meilleur des mondes possibles. Mathématiques et destinée, 2000 とその英語版 The Best of All Possible Worlds, 2006 で、双方を活かす形で編集された訳本(pp.295-297)
他の章は;時を刻む/近代科学の誕生計算から幾何へ/ポアンカレとその向こう/パンドラの箱/最善者が勝つのか?/自然の終焉/共通善/個人的な結論//附録;凸形ビリヤード台の短い直径を求める/一般系に対する停留作用の原理/運動の幾何学など、382ページ。

邦題から予想されるライプニッツについては第2章で、影の主役と言うべきモーペルテュイについては第3章で取りあげられています。

レナード・M・ワプナー、佐藤かおり・佐藤宏樹訳、『バナッハ=タルスキの逆説 豆と太陽は同じ大きさ?』、青土社、2009
原著は Leonard M. Wapner, The Pea and the Sun. A Mathematical Paradox, 2005
歴史-登場人物/ジグソーパラドックスと不思議なパズル/準備/赤ん坊のBTたち/定理の証明/パラドックスの解明/実世界/過去から未来へ、など、288ページ。

B.マンデルブロ、広中平祐監訳、『フラクタル幾何学』(上下)(ちくま学芸文庫 マ 34-1/2)、筑摩書房、2011
原著は Benoit Mandelbrot, The Fractal Geometry of Nature, 1975/1977/1982/1983
邦訳は1985年刊本の文庫化
上;序/3つの古典的フラクタル/銀河と渦/測層フラクタル/非測層フラクタル/自己写像フラクタル/ランダム性/層化ランダムフラクタルなど、532ページ。
下;カラーで見るもう1冊のフラクタルの本/ランダムトレマ:テクスチャー/雑記/思想と群像/第2版に際しての新規追補など、532ページ。
 

近代など(20世紀~) Ⅰ 相対性理論以降の物理学的宇宙論など」で挙げた

ジョン・D・バロウ、『無限の話』、2006

ジョン・D・バロウ、『無の本 ゼロ、真空、宇宙の起源』、2013

なども参照
2014/05/04 以後、随時修正・追補
近代など Ⅲ
哲学系、神秘学系のものなど
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