アドルフ・モンティセリ(1824-1886) 《公園での集い》 1875-80年 油彩・板 30×54cm プラハ国立美術館 Adolphe Monticelli Rendez-vous in a Park 1875-80 Oil on board 30×54cm National Gallery in Prague |
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Cf., | 『プラハ国立美術館コレクション ヨーロッパ絵画の500年』、そごう美術館、ひろしま美術館、福岡市美術館、北海道立旭川美術館、三重県立美術館、1987、cat.no.55 Cf. の cf. Catalogue de l'exposition Monticelli et le baroque provençal, Orangerie des Tuileries, 1953 Guy Isnard, Monticelli sans sa légende, Ésitions Pierre Cailler, Genève, 1967 坂崎乙郎、『抽象の源流 その先駆者たち』、三彩社、1968、pp.185-201:「モンティセリ 母岩に埋もれた宝石」 André M. Alauzen et Pierre Ripert, Monticelli. Sa vie et son œuvre, Bibliothèque des Arts, Paris, 1969 『モンティセリ 色彩への招待』展図録、日本橋三越・サンモトヤマ、1971/5/25-30 大島清次、「モンティセリの世界」、『三彩』、no.272、1971.5、pp.33-39 Aaron Sheon, Catalogue of the exhibition Monticelli. His Contemporaries, his Influence, Museum of Art, Carnegie Institute, Pittsburgh, etc., 1978-79 Sauveur Stammégna, Catalogue des œuvres de Monticelli, 2 tomes, 1981/1986 Catalogue de l'exposition Monticelli, Centre de la Vieille Charité, Marseille, 1986-87 Pierre Cabanne, "Monticelli retrouvé", L'Œil, no.375, octobre 1986, pp.32-37 Charles et Mario Garibaldi, Monticelli, Skira, Genève, 1991 モンティセリ友の会 谷本浤朗編集、『モンティセリ』、株式会社谷本、1991 『特集展示 モンティセリ -谷本浤朗氏コレクションより ー』図録、ブリヂストン美術館、1995 |
豪奢な衣装をまとった婦人たち、楽器をかなでる男に犬が三匹、お芝居の一幕のような場面は十八世紀ロココの〈雅びの宴〉を受けつぐものであろう。 絵肌はしかし、人物を埋めてしまいそうな厚塗りである。筆致は横すべりせずその場に押しとどめられ、層を重ねた大地が凝縮して結晶する時の輝きをはらんでいる。 左端や右側の女性のドレスを描く明るい色のあいだに向こうが透けるので、彼女たちは亡霊のように明滅する。地から独立できないからこそ、幻かこだまのみが響かせ得る生気を画面に吹きこんでもいるのだが。 かつてはなやいだ地上の日々、それは失なわれることなく、地層の奥深くに記憶として刻みしるされているのだろう、実現しなかったできごとであっても。 |
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(県立美術館学芸員・石崎勝基) 『中日新聞』(三重総合)、1987.10.3、「美術サロン 絵画に現れた女性」 『ヨーロッパ絵画の500年 プラハ国立美術館コレクション』展(1987/8/29~10/4)より →こちらを参照 [ < 三重県立美術館サイト ] |
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