エドゥアール・ヴュイヤール(1868-1940) 《窓辺の女》 1898年 油彩・厚紙(ミルボード) 28.5×42.5cm 愛知県美術館、名古屋 Edouard Vuillard Woman by the Window 1898 Oil on millboard 28.5x42.5cm Aichi Prefectural Museum of Art, Nagoya |
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Cf., | 『20世紀美獣tにみる人間展』鑑賞ガイド、三重県立美術館、2004、cat.no.6-3(図版無し) 『象徴派 夢幻美の使徒たち』展図録、岐阜県美術館、新潟県立近代美術館、姫路市立美術館、2012、p.126 / cat.no.140 |
ヴュイヤールはナビ派の仲間ボナールとともに、アンティミストと呼ばれることがある。「アンティーム」は「親密な」を意味し、公的な場面ではなく家庭内の情景を好んで描いたことから、この名が生じた。 ここでも画面は仄暗く沈んでいるが、それゆえにこそ、空気の濃密さを感じさせずにいない。しかもそれは、右手に立つ女性だけでなく、部屋に配された物たちをも息づかせているのではないだろうか。 左の窓から入る光は、大きな束をなすのではなく、細かく暗がりと絡みあい、微細な反射をあちこちで引き起こす。それらを描きだすのは、深緑や青灰色、朱など、調整された色彩の対比だ。随所で地の紙のベージュが露出しているため、色彩は微かににじんでいるかのようで、暗さと光のやりとりにふくらみをもたらしている。 薄暗がりの中での物たちの息づきと輝き、それがこの小さな画面を、一つの宇宙として成立させているのだ。 |
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(三重県立美術館学芸員・石崎勝基) 『讀賣新聞』(三重版)、2001.9.30、「アートになった動物たち 5」 『20世紀美術にみる人間展 愛知・岐阜・三重 三県立美術館協同企画』(2004/10/23~12/12)より →こちらを参照 [ < 三重県立美術館のサイト ] |
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この作品については、 「学芸室だより 心に残るこの1点 その2 もろもろモロー」、2007.8.28 [ < 同上] の中でも少し触れました。 |
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