ピエール・ボナール(1867-1947) 《柵越しに》 1895年 油彩・カルトン 31×35cm エルミタージュ美術館、サンクト・ペテルブルク Pierre Bonnard Derrière la grille 1895 Huile sur carton 31x35cm The State Hermitage Museum, Saint Petersburg |
|
Cf., | 『エルミタージュ美術館展 19-20世紀フランス絵画』図録、茨城県近代美術館、東武美術館、三重県立美術館、1995、pp.116-117 /
cat.no.36 |
19世紀末に活動したナビ派の中で「日本的なナビ」と呼ばれたこともあるボナールは、浮世絵などの平面的な画面構成に関心を抱いていた。この作品でも、画面と平行に配された柵や木、家屋などは画面にぴったりとくっつくかのようだ。 しかしここでは、柵の格子が向こう側を透かすことで、平面的でありながら空間の厚みが暗示されている。そして厚紙の地をいかした黄や白などの筆致は、形をゆらがせつつ、その空間を光でみたす。それは決して明るくはない冬の光だが、雪に反射され、じわりとしみわたるだろう。 |
|
(三重県立美術館学芸員・石崎勝基) 『朝日新聞』(三重版)、1995.1010、「魅惑のフランス近代絵画 エルミタージュ美術館展から 5」 『エルミタージュ美術館展 19-20世紀フランス絵画』(1995/9/10~10/22)より →こちらを参照 [ < 三重県立美術館のサイト ] |
HOME>美術の話>著作権切れ泰西美術等400字前後解説輯>/挿図一覧 |