関根正二《信仰の悲しみ》1918

関根正二 (1899-1919)
《信仰の悲しみ》
1918(大正7)年
油彩・キャンヴァス
73.0×100.0cm
大原美術館、倉敷


SEKINE Shoji
Sorrow of Faith
1918
Oil on canvas
73.0x100.0cm
Ohara Museum of Art, Kurashiki

Cf., 針生一郎、「関根正二 信仰の悲しみ」、『美術手帖』、no.83、1954.7、pp.90-91

土方定一、『関根正二 日本の名画 43』、講談社、1974、図12、p.27

河北倫明、「関根正二 - 信仰の悲しみ -」、『河北倫明美術論集 第2巻』、講談社、1978、pp.440-444
* 初出:『芸術生活』、1967.11


匠秀夫、『原色現代日本の美術 第6巻 大正の個性派』、小学館、1978、p.49 / no.17

陰里鉄郎、『村山槐多と関根正二 近代の美術 No.50』、至文堂、1979、第23図

『大原美術館所蔵品展 近代日本洋画の名作』図録、福島県立美術館、滋賀県立近代美術館、三重県立美術館、そごう美術館、1986、p.27 / cat.no.19, pp.117-118

『関根正二とその時代 - 大正洋画の青春 -』展図録、三重県立美術館、福島県立美術館、1986、p.27 / cat.no.1-10、pp.165-166

岡部幹彦、「関根正二私論」、『三彩』、no.468、1986.9、pp.20, 37--40

中谷伸生、「関根正二の絵画における『宗教的な気分』について - 大正美術の一側面 - 」、『哲学』、no.13、関西大学哲学会、1988.10、pp.55-87;図4

『関根正二展』図録、神奈川県立近代美術館、福島県立美術館、愛知県美術館、1999、p.58 / cat.no.1-49、pp.151-152

『関根正二展 生誕120年・没後100年』図録、福島県立美術館、三重県立美術館、神奈川県立近代美術館 鎌倉別館、2019-20、pp.66-67 / cat.no.069

 関根はこの作品に関して、「朝夕孤独の淋さに何物かに祀る心地になる時あ(あ)した女が三人又五人私の目の前に現れるのです」と記している。
 この幻は病後、日比谷公園で「突如、共同便所の中から、様々な光に燦爛として現れ出た」とも、保養先の銚子の山中で見たものともいう。
 この絵は何を意味しているのか、謎とされている。「三千年前の日本の姿を描いた」とも伝えられるが、充分な説明ではない。むしろ「作者自身にも解らなかったであろう」という評の方が、的を得ていよう。
 意味づけする以前に、幻が確固として現前しているのだ。『楽しき国土』という当初の題を、伊東深水の注意で『信仰の悲しみ』に変えたという逸話も、幻の力が意味づけに優っていたことを物語る。関根を〈幻視の画家〉と呼ぶ所以であろう。彼は幻が「今尚ほ目前に現れるのです」と述べている。
 しかしまた、幻視にリアリティを与えているのは、作品の絵画としての力に他ならない。

(県立美術館学芸員・石崎勝基)
『朝日新聞』(三重版)、1986.9.25、「大正洋画の青春 関根正二とその時代展から 12」

『関根正二とその時代 - 大正洋画の青春 -』展(1986/9/6~10/5)より
こちらを参照 [ < 三重県立美術館のサイト
関根正二の他の作品について;

関根正二 1899~1919 《群像》、《自画像》 館蔵品から」、『ひる・ういんど』、no.16、1986.11.5 [ < 同上 ]

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