モランディ《静物》1943

ジョルジョ・モランディ (1890-1964)
《静物》
1943年
油彩・キャンヴァス
36x44.5cm
個人蔵


Giorgio Morandi
Still Life
1943
Oil on canvas
36x44.5cm
Private collection

Cf., 『モランディ展』図録、神奈川県立近代美術館、三重県立美術館、ふくやま美術館、有楽町アート・フォーラム、京都国立近代美術館、1989-90、p.68 / cat.no.44、pp.147-148

Cf.cf.,

岡田温司、『モランディとその時代』、人文書院、2003

岡田温司、『ジョルジョ・モランディ 人と芸術』(平凡社新書 574)、平凡社、2011

岡田温司監修、『ジョルジョ・モランディ』、フォイル、2011


 右端の水差しの向きや形、明暗の配置はいささか唐突だし、その隣の白い水差しは左縁が不明だ。テーブルのへりの下の部分も不可解だが、同じく赤みを帯びつつ、上部の背景の灰白色よりわずかに明るいせいもあって、器物群を画面に沿って切り立たせている。くっきりしてよいはずの輪郭は揺らいでおり、事物の独立を妨げよう。テーブルの右下がりに、左から射す光の重さがバランスをとる。
 物のひそやかな命=静物(スティル・ライフ)以上に、事物と空間の関係が主題なのだ。ただし図と地は平面的に統一されるのではない。器物には量感が与えられる一方、暗部の薄塗りに対し明部の塗りは厚く、境界部が示すように、暗い色による器物を描いた後に埋めてある。こうして、実を殻が包む胡桃なす小宇宙が成立する。

(県立美術館学芸員・石崎勝基) 
『中日新聞』(三重総合)、1989.4.19、「イタリア20世紀の巨匠 『モランディ展』作品紹介 6」

『モランディ展』(1990/1/4~2/4)より
こちらを参照 [ < 三重県立美術館サイト
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